JP2014063922A - 磁気抵抗効果素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気抵抗比のバイアス電圧依存性が急峻な磁気抵抗効果素子を提供する。
【解決手段】磁化方向が可変の強磁性層103と、磁化方向が不変の強磁性層105と、強磁性層103と強磁性層105との間に配置されたトンネルバリア層104とを備える。強磁性層103のトンネルバリア層104に対するエネルギー障壁が、強磁性層105のトンネルバリア層104に対するエネルギー障壁よりも高く、強磁性層105がFe、Co、Niの少なくともいずれかを含む主成分と、Mg、Al、Ca、Sc、Ti、V、Mn、Zn、As、Sr、Y、Zr、Nb、Cd、In、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、Wのいずれかからなる添加元素とを含み、平行状態から反平行状態への書き込み時に強磁性層105に正のバイアスが印加される。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、強磁性体の磁化の向きに応じて電気抵抗が変化する磁気抵抗効果素子に関するものである。
磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetic Random Access Memory)は、情報を記憶するセル部に磁気抵抗効果を持つ磁気素子を用いたメモリ装置で、高速動作、大容量、不揮発性を特徴とする次世代メモリ装置として注目されている。磁気抵抗効果とは、強磁性体に磁場を印加すると、強磁性体の磁化の向きに応じて電気抵抗が変化する現象である。こうした強磁性体の磁化の向きを情報の記録に用い、それに対応する電気抵抗の大小で情報を読み出すことにより、メモリ装置(MRAM)として動作させることができる。
近年、CoFeBから成る2つの強磁性層の間にMgOから成るトンネルバリアを挿入したサンドイッチ構造を含む強磁性トンネル接合において、トンネル磁気抵抗効果(TMR効果)により100%以上の巨大な磁気抵抗比(MR比)が得られるようになった。これをきっかけとして、トンネル磁気抵抗効果を利用した強磁性トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)素子を用いた、大容量MRAMが期待と注目を集めている。
MRAMにMTJ素子を用いる場合、トンネルバリアを挟む二つの強磁性層のうち、一方に磁化の向きが変化しないように固定した磁化固着層を用いて参照層とし、もう一方に磁化の向きが反転しやすいようにした磁化自由層を用いて記憶層とする。参照層と記憶層の磁化の向きが平行な状態と反平行な状態を二進数の“0”と“1”に対応づけることで、情報を記憶することができる。ここで、磁化が平行なときは反平行なときよりトンネルバリアの抵抗(バリア抵抗)が小さく、トンネル電流が大きい。MR比は、“(反平行状態の抵抗−平行状態の抵抗)/平行状態の抵抗”で表される。
記憶情報の読み出しは、TMR効果による抵抗変化分を検出することにより行う。従って、読み出しの際は、TMR効果による抵抗変化率(MR比)が大きいほうが好ましい。一方、記憶情報の書き込みは、大容量向けMRAMでは、書き込み電流をMTJ素子に通電し、スピン注入法により、記憶層の磁化の向きを反転させて行う。従って、書き込みの際は、磁化が反平行でバリア抵抗が大きいときに書き込み電圧が抑制されるため、MR比が小さいほうが好ましい。書き込みは読み出しより大電流が必要であり、書き込み電圧は読み出し電圧より絶対値が大きくなる。
以上の点から、読み出し時の低電圧ではMR比が大きく、書き込み時の高電圧ではMR比が小さいこと、すなわちMR比のバイアス電圧依存性は急峻であることが好ましい。
特開2009−152333号公報
磁気抵抗比のバイアス電圧依存性が急峻な磁気抵抗効果素子を提供する。
一実施態様の磁気抵抗効果素子は、磁化方向が可変の第1の強磁性層と、磁化方向が不変の第2の強磁性層と、前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層との間に配置されたトンネルバリア層とを具備し、前記第1の強磁性層の前記トンネルバリア層に対するエネルギー障壁が、前記第2の強磁性層の前記トンネルバリア層に対するエネルギー障壁よりも高く、前記第2の強磁性層がFe、Co、Niの少なくともいずれかを含む主成分と、Mg、Al、Ca、Sc、Ti、V、Mn、Zn、As、Sr、Y、Zr、Nb、Cd、In、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、Wのいずれかからなる添加元素とを含み、平行状態から反平行状態への書き込み時に前記第2の強磁性層に正のバイアスが印加されることを特徴とする。
実施形態の磁気抵抗効果素子の構造を示す断面図である。 実施形態におけるMTJ素子のバンド構造の模式図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の特性を示す図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の特性を示す図である。 実施形態におけるMTJ素子の障壁高さが低い場合のバンド構造の模式図である。 実施形態におけるMTJ素子の障壁高さが高い場合のバンド構造の模式図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子における磁化方向と書き込み時の電圧印加方向を示す図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の書き込み時におけるバンド構造を示す図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の反平行状態及び平行状態における抵抗のバイアス電圧依存性を示す図である。 比較例の磁気抵抗効果素子の構造を示す断面図である。 比較例の磁気抵抗効果素子の特性を示す図である。 比較例におけるMTJ素子のバンド構造の模式図である。 実施形態における強磁性層の母材を構成する強磁性材料と添加元素との仕事関数差を示す図である。 実施形態における強磁性層の母材を構成する強磁性材料と添加元素との仕事関数差を示す図である。 実施形態における強磁性層の母材を構成する強磁性材料と添加元素との仕事関数差を示す図である。 実施形態における強磁性層の母材を構成する強磁性材料と添加元素との仕事関数差を示す図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を示す断面図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を示す断面図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を示す断面図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を示す断面図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を示す断面図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を示す断面図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を示す断面図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を示す断面図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を示す断面図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の強磁性層内の添加元素濃度の分布を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態の磁気抵抗効果素子について説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、実施形態の磁気抵抗効果素子の構造を示す断面図である。
図示するように、下部配線層101上に、下地層102、強磁性層103、トンネルバリア層104、強磁性層105、及び上部層106が順に形成されている。強磁性層103、トンネルバリア層104、及び強磁性層105はMTJ素子を構成する。すなわち、MTJ素子は、強磁性層103、強磁性層105、及び強磁性層103と強磁性層105との間に配置されたトンネルバリア層104を含む。
強磁性層103,105は、記憶層または参照層として使用される。例えば、強磁性層103が記憶層として使用される場合、強磁性層105は参照層として使用される。また、強磁性層103が参照層として使用される場合、強磁性層105は記憶層として使用される。記憶層は、磁化方向が可変であり、磁化方向が反転可能である。一方、参照層は、磁化方向が不変であり、磁化方向が固定されている。
下地層102は、前記参照層または記憶層を兼ねていてもよい。上部層106は、エッチングマスク、または参照層、表面保護層、上部配線接続層として使用してもよい。
強磁性層103、トンネルバリア層104、強磁性層105を含むMTJ素子、下地層102及び上部層106の側面に、保護膜としての絶縁層107が形成されている。また、絶縁層107の周囲の下部配線層101上には、層間絶縁膜108が形成されている。層間絶縁膜108上には層間絶縁膜109が形成されている。
MTJ素子上の層間絶縁膜109は開口され、コンタクト孔110が形成されている。上部層106上のコンタクト孔110内には、上部配線層111が形成されている。層間絶縁膜108,109は、下部配線層101と上部配線層111とを隔てている。
また、強磁性層103及び強磁性層105は、Fe、Co、Niの少なくともいずれかを含む母材(主成分)と、添加元素を有する。なお、強磁性層103,105が必ずしも共に前記主成分と添加元素を有する必要はなく、強磁性層103,105の少なくとも一方が、主成分と添加元素を有していればよい。
本実施形態では、強磁性層103が記憶層として使用され、強磁性層105が参照層として使用される。強磁性層105とトンネルバリア層104との界面は、強磁性層103とトンネルバリア層104との界面より添加元素を多く含む。
添加元素は、主成分が持つ仕事関数の濃度加重平均より小さい仕事関数を持つ。主成分が持つ仕事関数の濃度加重平均より0.3eV以上小さい仕事関数を持つ元素を、添加元素として用いれば、本実施形態の磁気抵抗効果素子における磁気抵抗比(MR比)のバイアス電圧依存性を急峻にすることができる。磁気抵抗比を急峻にできる理由は後で詳述する。ここで、仕事関数の濃度加重平均は、主成分における各元素の濃度を加味して平均をとった仕事関数を指す。
添加元素は、例えば、Mg、Al、Ca、Sc、Ti、V、Mn、Zn、As、Sr、Y、Zr、Nb、Cd、In、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、Wの少なくともいずれかを含む。
また、書き込み時には、記憶層としての強磁性層103と参照層としての強磁性層105間において、強磁性層105に正のバイアスが印加される。すなわち、強磁性層103の磁化を平行状態から反平行状態へ遷移させる書き込み時に、強磁性層105に正のバイアスが印加される。ここで、正の電圧が印加される上部配線層111側の強磁性層105内の添加元素の量は、下部配線層101側の強磁性層103内の添加元素の量より多い。なお、強磁性層103,105の両方に添加元素が導入され、それらの量が異なっていてもよいし、あるいは強磁性層103,105の一方だけに添加元素を導入してもよい。
前述した構成を有する実施形態の磁気抵抗効果素子では、磁気抵抗比のバイアス電圧依存性が急峻であるという特徴を持つ。
以下に、実施形態の磁気抵抗効果素子において、MR比のバイアス電圧依存性が急峻になる理由について説明する。
図2は、図1に示したMTJ素子(強磁性層103、トンネルバリア層104、強磁性層105)に対応するバンド構造の模式図である。Efは伝導電子の上端のエネルギーに対応するフェルミ準位のエネルギーである。トンネルバリア層104の障壁高さφと障壁幅sは図2に示すように定義される。
図3及び図4では強磁性層103と強磁性層105は同一材料を用いている。つまり、強磁性層103とトンネルバリア層104の障壁高さφと、強磁性層105とトンネルバリア層104の障壁高さφは同じ値である。
図3(a)は、図1に示したMTJ素子における電流−電圧特性を示す図である。
磁化の平行状態に対応する電流をIpと示し、磁化の反平行状態に対応する電流をIapと示す。expは実験値を示している。電流Ip_expは電圧に対してほぼ直線だが、電流Iap_expは電圧に対して3次関数状の曲線になる。
Simmonsの方法を用いて電流Iap_expを3次関数J = θ(V+γ*V) でフィッティングすると、電流Iap_fitの曲線となり、係数θ, γから障壁高さφ, 障壁幅sを算出することができる(J. G. Simmons, Journal of Applied Physics 34, 328 (1963))。ここで、Jは電流密度、Vは電圧である。なお、図3(a)において、電流Iap_expと電流Iap_fitは一致している。
電流Iap_φ−0.3eV、Iap_φ−0.4eV、Iap_φ−0.5eVは、次に述べる方法により、障壁高さを実験値のフッティング結果に対してそれぞれ0.3eV, 0.4eV, 0.5eV低くした場合の、電流−電圧特性である。
図3(b)は、図3(a)に対応するバリア抵抗−電圧特性を示す図である。添え字の定義は図3(a)と同様である。
図3(a)で述べた障壁高さφ、障壁幅sの算出結果に対して、障壁高さφを低くしたのみでは、バリア抵抗が全バイアス範囲に渡って著しく低下してしまう。電圧0V付近(±0.05V)でのバリア抵抗を揃え、障壁高さφを低くする効果を見えやすくするため、図3(a)、図3(b)、図4(a)、図4(b)の各図では、次のように、障壁高さφを低くするとともに障壁幅sを大きくした。障壁幅sを一定にして障壁高さφを低くした場合は、電圧0V付近でのバリア抵抗が揃わず、バリア抵抗の電圧依存性の比較が難しいのに対し、障壁幅sを大きくしながら、障壁高さφを低くすると、電圧0V付近でのバリア抵抗を揃えることができ、バリア抵抗の電圧依存性の比較が容易になる
ap_fit φ=1.385eV s=1.008nm
φ−0.3eV φ=1.085eV s=1.118nm
φ−0.4eV φ=0.985eV s=1.165nm
φ−0.5eV φ=0.885eV s=1.218nm
図4(a)は、図3(b)から、φ−0.3eV、φ−0.4eV、φ−0.5eVについて、反平行状態の抵抗Rapを以下に示す方法により換算した結果である。
上に述べたSimmonsの方法を適用すると、図3(b)に示したように、0V近傍ではフィッティング結果Rap_fitと実験結果Rap_expとの乖離が大きくなる。そこで、この乖離が小さくなるように、図4(a)では次の方法により抵抗Rapを換算した。
(Rmax_φ−0.3eV_2) = Rmax_exp × ( Rmax_φ−0.3eV) / Rmax_fit
(Rmax_φ−0.4eV_2) = Rmax_exp × ( Rmax_φ−0.4eV) / Rmax_fit
(Rmax_φ−0.5eV_2) = Rmax_exp × ( Rmax_φ−0.5eV) / Rmax_fit
図4(b)は、図4(a)から計算される、MR比のバイアス電圧依存性を示す図である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、障壁高さが低くなるほど、反平行状態における抵抗のバイアス電圧依存性及びMR比のバイアス電圧依存性が急峻になる。
このように、障壁高さが低い場合に、反平行状態における抵抗のバイアス電圧依存性が大きくなる理由は次のように考えられる。
図5(a)、図5(b)、図5(c)は障壁高さφが低い場合で印加電圧が高くなるときの磁気抵抗効果素子のバンド構造を示し、図6(a)、図6(b)、図6(c)は障壁高さが高い場合で印加電圧が高くなるときのバンド構造を示す。図5(a)及び図6(a)は印加電圧が無い場合、図5(b)及び図6(b)は印加電圧が小さい場合、図5(c)及び図6(c)は印加電圧が大きい場合を表す。なお、例えば、印加電圧が小さい場合が読み出し時に電圧を印加する場合に相当し、印加電圧が大きい場合が書き込み時に電圧を印加する場合に相当する。
図5及び図6に示すように障壁高さを低くすることで、印加電圧が大きいときトンネルバリア層104の上を超える電子の寄与が大きくなってバリア抵抗が小さくなる。このため、障壁高さを低くすることで反平行状態の抵抗Rapの電圧依存性が急峻になる。平行状態の抵抗Rpを電圧によらず一定に保てれば、MR比のバイアス電圧依存性は急峻になる。
図5及び図6では、強磁性層103側及び強磁性層105側の障壁高さφが等しい場合を示しているが、障壁高さφは異なっていても良い。
また、図5及び図6では、上部層106に正の電圧を印加した場合について示したが、下部配線層101に正の電圧を印加した場合も同様に、障壁高さφを低くすることで、反平行状態の抵抗の電圧依存性が急峻になるという効果が得られる。
図7は、磁気抵抗効果素子における磁化方向と書き込み時の電圧印加方向を示す図である。強磁性層103を記憶層として用い、強磁性層105を参照層として用いる場合を述べる。
図7に示すように、磁化が平行から反平行になる書き込み(P→AP)では、参照層としての強磁性層105側に正の電圧を印加する。このとき、電子は強磁性層103から強磁性層105へ注入される。
一方、磁化が反平行から平行になる書き込み(AP→P)では、参照層としての強磁性層105側に負の電圧を印加する。このとき、電子は強磁性層105から強磁性層103へ注入される。
図8(a)及び図8(b)はAP→Pの書き込みにおけるバンド構造を示し、強磁性層105側に負の電圧を印加した場合である。図8(d)はP→APの書き込みにおけるバンド構造を示し、強磁性層105側に正の電圧を印加した場合である。図8(c)は印加電圧が0Vの場合のバンド構造である。図8では記憶層側となる強磁性層103側の方が参照層となる強磁性層105側よりもエネルギー障壁高さφが高い。
図9は、磁気抵抗効果素子の反平行状態(AP)及び平行状態(P)における抵抗のバイアス電圧依存性を示す図である。
図9に示すように、通常、P→APの書き込み(V>0)のほうが、AP→Pの書き込み(V<0)より必要な電圧の絶対値が大きい。
ここで、強磁性層(参照層)105側のエネルギー障壁高さφを低くする場合について考える。この場合、図8(d)がP→APの書き込み(V>0)に相当する。強磁性層(記憶層)103と強磁性層(参照層)105では、エネルギー障壁高さφが異なっているため、強磁性層(参照層)105側のエネルギー障壁高さφが小さくなることでバンドの傾きが大きくなり、電流が流れ易くなる。つまり、反平行状態のトンネル抵抗が小さくなり、磁気抵抗比のバイアス依存性が大きくなる。そのため、強磁性層105側のエネルギー障壁高さφを小さくすることで、図9において、抵抗のバイアス電圧依存性が破線から実線のように変化し、書き込みに必要な電圧の絶対値を小さくすることが可能となる。
また、AP→Pの書き込み(V<0)に相当する図8(a)及び図8(b)では、反平行状態のトンネル抵抗が大きく、また磁気抵抗比のバイアス電圧依存性は小さい。そこで、書き込みに必要な電圧の絶対値を小さくする効果は、P→APの書き込み(V>0)の場合より小さい。
このように、記憶層側の方が参照層側よりもエネルギー障壁が高い場合、参照層側のエネルギー障壁を低くすることで、P→AP書き込みの電圧値を小さくすることができる。記憶層と参照層におけるエネルギー障壁の大小関係が逆の場合、つまり、参照層側の方が記憶層側よりもエネルギー障壁が高い場合には、記憶層側のエネルギー障壁を低くすることで、P→AP書き込みの電圧値を小さくすることができる。
これらの結果から解るように、MR比のバイアス電圧依存性を明瞭に急峻にするためには、図4(b)に示したように、強磁性層の母材に対して仕事関数が0.3eV以上小さい元素を添加することが好ましい。
典型的な書き込み時の動作電圧は0.6〜1.0V程度であり、読み出し時の動作電圧は0.1〜0.3V程度である。よって好ましくは、書き込み時の動作電圧0.6〜1.0±0.5VでのMR比を、バイアス電圧が0V近傍のときのMR比の半分程度以下とするため、強磁性層の母材に対して仕事関数が0.4eV以上小さい元素を添加することが好ましい。さらに好ましくは、バイアス電圧が±0.5VでのMR比を、バイアス電圧が0V近傍のときのMR比の40%程度以下とするため、強磁性層の母材に対して仕事関数が0.5eV以上小さい元素を添加することが好ましい。ここで、強磁性層の母材が混合物の場合は、強磁性層の母材の仕事関数を、構成元素の仕事関数の濃度加重平均とする。
以下に、比較例として、障壁高さφが高い場合の例を図10〜図12を用いて説明する。
図10は、比較例の磁気抵抗効果素子の構造を示す断面図である。
図示するように、下地層102上に、強磁性層103、トンネルバリア層104、強磁性層105、及び上部層106が順に形成されている。上部層106は、強磁性層105上に形成された金属層201と、金属層201上に形成された上部配線接続層202とを含む。強磁性層103,105は例えばCoFeBから形成され、トンネルバリア層104は例えばMgOから形成される。金属層201はPtから形成される。
図11(a)、図11(b)は、金属層201にPtを使用した場合のMR比とバリア抵抗のバイアス電圧依存性をそれぞれ示す図である。
金属層201がPtの場合は、図11(a)に示すように、MR比のバイアス電圧依存性は電圧に対して非対称である。電圧<0の場合に比べて、電圧>0の場合ではMR比のバイアス電圧依存性が緩やかになっている。また、図11(b)に示すように、反平行状態のバリア抵抗Rapは、電圧<0の場合に電圧上昇に伴い一定の割合で増加し、電圧>0の場合ではほぼ一定か、あるいはわずかずつ増加している。ここで、図10に示した磁気抵抗効果素子の上部層106への印加電圧が正の場合を、電圧>0と定義している。
図12は、金属層201にPtを使用した場合のMTJ素子(強磁性層103、トンネルバリア層104、強磁性層105)に対応するバンド構造の模式図である。
Ptの仕事関数は、強磁性層103,105が含むCoFeBの仕事関数より大きい。このため、金属層201にPtを使用したときに、Ptが強磁性層105のトンネルバリア層104近傍まで拡散することにより、図12(a)、図12(b)、図12(c)に示すように、強磁性層105のフェルミ準位エネルギーが低くなり、障壁高さが高くなる。図12(c)に示すように、電圧>0でトンネルバリア層104のバンドが水平になるので、図11(b)に示すように、バリア抵抗が最大となる電圧が0Vより大きい電圧となる。
本比較例では、強磁性層105に仕事関数が高い材料Ptが導入されたので、障壁高さが高い側からトンネルバリア層104に電子が注入される電圧>0側で、本実施形態の目的とは逆に、MR比のバイアス電圧依存性が緩やかになる。
上述したように、本比較例では強磁性層に仕事関数が高い材料を導入することにより、MR比のバイアス電圧依存性が緩やかになる。この結果は、強磁性層に仕事関数が低い材料を導入することにより、MR比のバイアス電圧依存性が急峻になる可能性を示している。
図13〜図16は、強磁性層の母材を構成する強磁性材料と、添加元素との仕事関数差の計算値である。ここでは強磁性層の母材として主なものを最上行に示し、その成分比ごとの仕事関数を示している。また、「母材との仕事関数差」は「(強磁性層母材の仕事関数)−(添加元素の仕事関数)」で表される。
強磁性層の母材の平均仕事関数は、母材を構成する成分元素の濃度加重平均とした。添加元素は、上述したように、強磁性層の母材に対して、仕事関数が0.3eV以上小さいことが好ましい。好ましくは、強磁性層の母材より仕事関数が0.4eV以上小さい元素を添加することが好ましい。さらに好ましくは、仕事関数が0.5eV以上小さい元素を添加することが好ましい。なお、強磁性層の母材は、図13〜図16に示した材料以外の材料であってもよい。また、強磁性層の母材は、図13〜図16に示した成分比以外の成分比であってもよい。
用いる強磁性層母材に応じて、図13〜図16に表された「母材との仕事関数差」が正の値であれば良く、望ましくは上述のように0.3eV以上となるような添加元素を適宜、選択することが出来る。強磁性層母材の成分比がこの表に記載された内容に限られないことは言うまでもない。強磁性層母材と添加元素との仕事関数差が正の値であれば良い。なお図14及び図16には比較例として示したPtの仕事関数についても最下行に示している。
強磁性層の母材と添加元素の濃度は、添加元素の導入に伴う強磁性層の磁性の変化を抑制しながら障壁高さを顕著に低くするために、強磁性層の母材の濃度が80%を超え、添加元素の濃度が20%以下であることが好ましい。
より好ましくは、添加元素の導入に伴う強磁性層の磁性の変化を抑制しながら障壁高さをある程度低くするために、強磁性層の母材の濃度が85%を超え、添加元素の濃度が15%以下であることが好ましい。さらにより好ましくは、添加元素の導入に伴う強磁性層の磁性の変化を最小限に抑制するために、強磁性層の母材の濃度が90%を超え、添加元素の濃度が10%以下であることが好ましい。
なお、強磁性層に20%を超える非磁性元素を添加すると、強磁性層の磁化が著しく低下し、スピン分極率も著しく低下する。よって、磁気抵抗比も著しく低下すると予想される。
以下に、実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法について説明する。
図17〜図25は、実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図17に示すように、下部配線層101上に、下地層102、強磁性層103、トンネルバリア層104、強磁性層105、及び上部層106を順に形成する。
強磁性層103,105の一方または両方に、強磁性層の主成分となる母材と添加元素との混合層を適用する。
あるいは、図18(a)に示すように、強磁性層103として、添加元素濃度が高い高濃度層302と添加元素濃度が低い低濃度層301との積層構造を形成すると共に、強磁性層105として、添加元素濃度が高い高濃度層303と添加元素濃度が低い低濃度層304との積層構造を形成してもよい。層302,303をトンネルバリア層104側に配置し、層301,304をトンネルバリア層104と反対側に、すなわち下地層102、上部層106側にそれぞれ配置する。なお、添加元素濃度が低い低濃度層301,304は、添加元素を含まない層であってもよい。
あるいは、図18(b)に示すように、強磁性層103として、強磁性層の母材と添加元素との混合層を形成し、強磁性層105として、添加元素濃度が高い高濃度層305と添加元素濃度が低い低濃度層306との積層構造を形成してもよい。層305をトンネルバリア層104側に配置し、層306をトンネルバリア層104と反対側に、すなわち上部層106側に配置する。なお、添加元素濃度が低い低濃度層306は、添加元素を含まない層であってもよい。
あるいは、図18(c)に示すように、強磁性層103として、添加元素濃度が高い高濃度層308と添加元素濃度が低い低濃度層307との積層構造を形成し、強磁性層105としては、強磁性層の母材と添加元素との混合層を形成してもよい。層308をトンネルバリア層104側に配置し、層307をトンネルバリア層104と反対側に、すなわち下地層102側に配置する。なお、添加元素濃度が低い低濃度層307は、添加元素を含まない層であってもよい。
また、図19(a)に示すように、下地層102と上部層106の両方に、添加元素濃度が高い高濃度層と添加元素濃度が低い低濃度層を形成してもよい。すなわち、下地層102として、添加元素濃度が高い高濃度層402と添加元素濃度が低い低濃度層401との積層構造を形成し、上部層106として、添加元素濃度が高い高濃度層403と添加元素濃度が低い低濃度層404との積層構造を形成してもよい。層402を強磁性層103側に配置し、層401を強磁性層103と反対側に配置する。さらに、層403を強磁性層105側に配置し、層404を強磁性層105と反対側に配置する。なお、添加元素濃度が低い低濃度層401,404は、添加元素を含まない層であってもよい。
あるいは、図19(b)に示すように、上部層106だけに、添加元素濃度が高い高濃度層と添加元素濃度が低い低濃度層を形成してもよい。すなわち、上部層106として、添加元素濃度が高い高濃度層405と添加元素濃度が低い低濃度層406との積層構造を形成してもよい。層405を強磁性層105側に配置し、層406を強磁性層105と反対側に配置する。なお、添加元素濃度が低い低濃度層406は、添加元素を含まない層であってもよい。
あるいは、図19(c)に示すように、下地層102だけに、添加元素濃度が高い高濃度層と添加元素濃度が低い低濃度層を形成してもよい。すなわち、下地層102として、添加元素濃度が高い高濃度層408と添加元素濃度が低い低濃度層407との積層構造を形成してもよい。層408を強磁性層103側に配置し、層407を強磁性層103と反対側に配置する。なお、添加元素濃度が低い低濃度層407は、添加元素を含まない層であってもよい。
図19(a)、図19(b)、図19(c)に示した構造の場合は、下地層102及び上部層106の成膜後の昇温工程にて、添加元素を強磁性層103,105内に拡散させて導入する。
本実施形態の添加元素を含む膜をスパッタ法で成膜する場合には、その元素のみからなるターゲットを用いてもよいし、例えばLaB、CeB、PrB、NdB、SmB、EuB、GdB、TbB、DyB、HoB、ErB、TmB、YbB、LuBといったランタノイド元素とホウ素との混合材料のターゲット等、本実施形態の添加元素と、強磁性層の母材の磁性に影響を与えない元素との合金ターゲットを用いてもよい。
トンネルバリア層104は、MgO、AlOx、ZnO、TaOxのような金属酸化物、あるいは窒化物、酸窒化物の単層膜、あるいは積層膜やMgZnOのような混合物の膜でもよい。
次に、例えばイオンミリング法により、図20に示すように、下部配線層101上の下地層102、強磁性層103、トンネルバリア層104、強磁性層105、及び上部層106を選択的にエッチングする。これにより、強磁性層103、トンネルバリア層104、強磁性層105を含むMTJ素子を形成する。
その後、図21に示すように、例えばスパッタリング法、あるいは化学的気相堆積(CVD)法、原子層体積(ALD)法により、次工程でMTJ素子を保護するために、図20に示したMTJ素子を覆うように絶縁層107を形成する。絶縁層107は例えばSiN、SiOx、MgO、AlOxである。
次に、例えば反応性イオンエッチング(RIE)法により、下部配線層101を選択的にエッチングする(下部配線層101の加工された部分は、例えば図21の紙面の手前と奥側であり、図示していない)。この際、MTJ素子は図21に示した絶縁層107によって保護されている。
その後、例えばスパッタリング法やCVD法により、図22に示すように、絶縁層107上及び下部配線層101上に層間絶縁膜108を形成する。層間絶縁膜108は例えばSiOxである。
次に、図23に示すように、層間絶縁膜108を例えば化学的機械研磨(CMP)法により研磨するか、または気相エッチング法によりエッチバックし、MTJ素子上の上部層106の上面を露出させる。
その後、図24に示すように、図23に示した構造上に層間絶縁膜109を形成する。続いて、例えばRIE法により、MTJ素子上、すなわち上部層106上にコンタクト孔110を開口する。層間絶縁膜109は例えばSiOxである。
次に、図25に示すように、図24に示した構造上に上部配線層111を形成する。この上部配線層111を例えばRIE法により選択的にエッチングすることにより、図1に示した形状を形成する。以上により、実施形態の磁気抵抗効果素子が製造される。
以下に、強磁性層内に添加元素を導入する方法の違いによって、強磁性層内の添加元素の分布がどのようになるかを説明しておく。
図26(a)、図26(b)、及び図26(c)は、本実施形態における3種の添加元素の導入方法に対応する、強磁性層内の添加元素の分布を示す図である。横軸は、強磁性層の厚さ、すなわちトンネルバリア層104と強磁性層103(または105)の界面からの距離を表す。縦軸は強磁性層内の添加元素の濃度を表す。
図26(a)は、図17に示した強磁性層103,105に、強磁性層の母材と添加元素との混合層を適用した場合である。強磁性層の母材と添加元素との混合層では、添加元素の濃度は強磁性層の厚さ方向に一定となる。
図26(b)は、図18(a)〜図18(c)に示したように、トンネルバリア層104側に添加元素濃度が高い高濃度層を配置し、トンネルバリア層104の反対側に添加元素濃度が低い層または含まない層を配置した場合である。添加元素の濃度は、トンネルバリア層104に近い側で高くなり、トンネルバリア層104から遠ざかるに従って低下する。例えば、強磁性層内のトンネルバリア層側界面から0.5nm以内の領域の添加元素濃度が、トンネルバリア層側界面から0.5nmを超える部分の領域の添加元素濃度に対して、1%以上高くなるような濃度分布を形成する。
図26(c)は、図19(a)〜図19(c)に示したように、強磁性層のトンネルバリア層104と反対側に添加元素を含有する層を形成した場合である。成膜後の昇温工程にて添加元素を強磁性層103(または105)内に拡散させて導入するので、添加元素の濃度はトンネルバリア層104から遠ざかるほど高くなる。例えば、強磁性層内のトンネルバリア層側界面から0.5nm以内の領域の添加元素濃度が、トンネルバリア層側界面から0.5nmを超える部分の領域の添加元素濃度に対して、1%以上低くなるような濃度分布を形成する。
本実施形態では、強磁性層の母材に対して、母材より仕事関数が小さい添加元素を導入することにより、トンネルバリアの障壁高さを低くする。これにより、磁気抵抗比のバイアス電圧依存性を急峻にすることができる。この結果、読み出し時の低電圧ではMR比が大きく、かつ書き込み時の高電圧ではMR比が小さい、動作電圧が低減された磁気抵抗効果素子を実現することができる。
以上説明したように実施形態によれば、磁気抵抗比のバイアス電圧依存性が急峻な磁気抵抗効果素子を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
101…下部配線層、102…下地層、103…強磁性層、104…トンネルバリア層、105…強磁性層、106…上部層、107…絶縁層、108…層間絶縁膜、109…層間絶縁膜、110…コンタクト孔、111…上部配線層、201…金属層、202…上部配線接続層、301…低濃度層、302…高濃度層、303…高濃度層、304…低濃度層、305…高濃度層、306…低濃度層、307…低濃度層、308…高濃度層、401…低濃度層、402…高濃度層、403…高濃度層、404…低濃度層、405…高濃度層、406…低濃度層、407…低濃度層、408…高濃度層。

Claims (5)

  1. 磁化方向が可変の第1の強磁性層と、
    磁化方向が不変の第2の強磁性層と、
    前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層との間に配置されたトンネルバリア層と、を具備し、
    前記第1の強磁性層の前記トンネルバリア層に対するエネルギー障壁が、前記第2の強磁性層の前記トンネルバリア層に対するエネルギー障壁よりも高く、
    前記第2の強磁性層がFe、Co、Niの少なくともいずれかを含む主成分と、Mg、Al、Ca、Sc、Ti、V、Mn、Zn、As、Sr、Y、Zr、Nb、Cd、In、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、Wのいずれかからなる添加元素とを含み、
    平行状態から反平行状態への書き込み時に前記第2の強磁性層に正のバイアスが印加されることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 第1の強磁性層と、
    第2の強磁性層と、
    前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層との間に配置されたトンネルバリア層と、を具備し、
    前記第1の強磁性層及び前記第2の強磁性層の少なくとも一方が、Fe、Co、Niの少なくともいずれかを含む主成分と、前記主成分が持つ仕事関数の濃度加重平均より低い仕事関数を持つ添加元素とを含むことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  3. 前記添加元素は、Mg、Al、Ca、Sc、Ti、V、Mn、Zn、As、Sr、Y、Zr、Nb、Cd、In、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、Wの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記第1の強磁性層及び前記第2の強磁性層が共に前記添加元素を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 書き込み時に、前記第2の強磁性層に正のバイアスが印加されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
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