JP2014063677A - 色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法、並びにその光触媒膜を具備した色素増感太陽電池およびその連続製造装置 - Google Patents

色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法、並びにその光触媒膜を具備した色素増感太陽電池およびその連続製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より短時間で光触媒膜を形成することができ、その色素増感太陽電池の電池性能を向上させることができる色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法、並びにその光触媒膜を具備した色素増感太陽電池およびその連続製造装置を提供する。
【解決手段】透明電極1と、基板を有する対向電極と、これら両電極間に配置される電解質と、両電極間で且つ透明電極1側に配置される光触媒膜4とを具備する色素増感太陽電池における光触媒膜4の形成方法であって、ダミー基板Dに金属酸化物からなる多孔質膜41Aを形成し、この多孔質膜41Aを色素溶液42Aに浸漬して当該多孔質膜41Aに色素を吸着させ、色素を吸着させた多孔質膜4Aをダミー基板Dから剥がして第一溶媒Sに溶かすことにより、当該多孔質膜4Aをペースト状にして色素半導体ペースト4Pとし、この色素半導体ペースト4Pを透明電極1に塗布した後、焼成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、色素増感太陽電池に関するものである。
一般に、色素増感型太陽電池は、その素子として、ガラス板などの透明基板上に透明導電膜が形成されてなる透明電極と、対向電極と、これら両電極間に配置されるヨウ素系の電解質と、上記両電極間で且つ上記透明電極の表面に配置される光触媒膜とから構成されている。また、上記光触媒膜としては、酸化チタン(TiO)などの酸化物半導体層を形成した後、これにルテニウムなどの光増感色素を吸着させたものが知られている。
このような光触媒膜は、透明電極に形成された酸化物半導体層を色素溶液に数十分〜数十時間浸漬する必要があるので、ロールツーロールのような連続生産には適しておらず、短時間で形成することは困難であった。
そこで、近年では、透明電極に塗布された酸化物半導体のペーストを焼成して成膜する前に、当該ペーストに光増感色素を吸着させることで、その吸着時間を短縮する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−222798号公報
しかし、上記特許文献1に記載の方法では、大幅に光増感色素の吸着時間が短縮されず、短時間で光触媒膜を形成することができないという問題があった。さらに、酸化物半導体のペーストに光増感色素が十分に吸着しないので、その色素増感太陽電池の電池性能が低下するという問題もあった。
そこで、本発明では、より短時間で光触媒膜を形成することができ、その色素増感太陽電池の電池性能を向上させることができる色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法、並びにその光触媒膜を具備した色素増感太陽電池およびその製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る本発明の色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法は、透明電極と、基板を有する対向電極と、これら両電極間に配置される電解質と、両電極間で且つ透明電極側に配置される光触媒膜とを具備する色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法であって、
ダミー基板に金属酸化物からなる多孔質膜を形成し、当該多孔質膜に色素を吸着させ、
色素を吸着させた多孔質膜をダミー基板から剥がして第一溶媒に溶かすことにより、当該多孔質膜をペースト状にして色素半導体ペーストとし、
この色素半導体ペーストを透明電極に塗布した後、焼成するものである。
また、請求項2に係る本発明の色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法は、請求項1に記載の色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法において、ダミー基板に金属酸化物からなる多孔質膜を形成する方法として、
金属酸化物を水およびアルコールからなる第二溶媒に溶かすことにより、当該金属酸化物をペースト状にして金属酸化物ペーストとし、
この金属酸化物ペーストをダミー基板に塗布した後、上記第二溶媒が蒸発する温度で焼成するものである。
さらに、請求項3に係る本発明の色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法は、請求項2に記載の色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法において、第二溶媒は高分子が加えられたものである。
また、請求項4に係る本発明の色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法において、多孔質膜に色素を吸着させる方法として、
ダミー基板が導電性を有するものであり、
上記多孔質膜に負の電圧を印加するとともに、上記色素に正の電圧を印加するものである。
また、請求項5に係る本発明の色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の多孔質膜に色素を吸着させる際に、ダミー基板を30〜100℃に加熱するものである。
また、請求項6に係る本発明の色素増感太陽電池は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法により形成された光触媒膜を具備するものである。
また、請求項7に係る本発明の色素増感太陽電池の連続製造装置は、透明電極と、基板を有する対向電極と、これら両電極間に配置される電解質と、両電極間で且つ透明電極側に配置される光触媒膜とを具備する色素増感太陽電池の連続製造装置であって、
連続的に送られるフィルム状の透明電極に、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の色素半導体ペーストを塗布する塗布部と、
この塗布部により塗布された上記色素半導体ペーストを焼成する焼成部とを備えたものである。
上記色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法、並びにその光触媒膜を具備した色素増感太陽電池およびその連続製造装置によると、より短時間で光触媒膜を形成することができ、その色素増感太陽電池の電池性能を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る色素増感太陽電池の概略構成を示す断面図である。 同色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法を説明するための概略図である。 同形成方法の一工程としてダミー基板上の金属酸化物の微粒子に光増感色素を吸着させた状態を示す拡大断面図である。 同微粒子に光増感色素を吸着させる他の方法を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法、並びにその光触媒膜を具備した色素増感太陽電池およびその製造装置を説明する。なお、本実施の形態に係る色素増感太陽電池は、その素子を指す。
まず、実施の形態に係る色素増感太陽電池の概略構成を図1に基づき説明する。
この色素増感太陽電池は、図1に示すように、負極としての透明電極1と、正極としての対向電極2と、これら両電極1,2間に配置される電解質層3と、両電極1,2間で且つ透明電極1側に配置される光触媒膜(光触媒層または発電層ともいう)4とが具備されている。
上記透明電極1は、透明基板11およびこの透明基板11の表面に形成(配置)された透明導電膜12から構成されている。また対向電極2は、透明基板21およびこの透明基板21の表面に形成(配置)された透明導電膜22から構成されている。
上記各透明基板11,21としては、特に限定されるものではないが、合成樹脂板、ガラス板などが適宜使用されるものの、軽量化、低価格化および安全性(破損しにくい)の点で、熱可塑性樹脂からなるフィルムが好ましい。上記熱可塑性樹脂の例には、ポリエチレン・ナフタレート(PEN)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリオレフィンなどの樹脂が挙げられる。
また、透明導電膜12,22としては、特に限定されるものではないが、スズ添加酸化インジウム(ITO)、酸化スズ(SnO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性金属酸化物を含む薄膜が使用される。なお、対向電極2の透明導電膜22は、触媒性を有する材料を形成したものである。
ところで、上記対向電極2は、上述のように、透明基板21および触媒性を有する材料を形成した透明導電膜22から構成されるものに限定されず、触媒性を有するものであればよい。この対向電極2としては、アルミニウム、銅、スズなどの金属シートやメッシュ状電極上に、触媒性を有する白金やカーボンなどの材料を形成したものであってもよい。この触媒性を有する材料を形成する方法の例には、スパッタリングや、上記対向電極2を白金ナノコロイド溶液に浸漬することなどが挙げられる。また、上記対向電極2は、透明基板21における電解質側の面に導電性接着剤層を形成し、別途生成された垂直配向型のカーボンナノチューブ群を、上記導電性接着剤層に転写させたものであってもよい。
上記電解質層3としては、例えば、ヨウ素系電解液が使用される。これは、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒に溶解されたものである。なお、電解質層3は、電解液に限られるものではなく、固体電解質であってもよい。
上記固体電解質としては、例えば、DMPImI(ジメチルプロピルイミダゾリウムヨウ化物)が例示され、この他、LiI、NaI、KI、CsI、CaIなどの金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩などのヨウ化物とIとを組み合わせたもの、LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBrなどの金属臭化物、およびテトラアルキルアンモニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩などの臭化物とBrとを組み合わせたものなどを適宜使用することができる。
そして、上記光触媒膜4は、光増感色素42が吸着された酸化物半導体層により形成されている。上記酸化物半導体としては、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)などの金属酸化物の微粒子(光触媒微粒子)41が使用される。これら微粒子41の粒径は、特に限定されるものではないが、5〜100μm程度であることが好ましい。また、光増感色素42としては、ビピリジン構造若しくはターピリジン構造を含む配位子を有するルテニウム錯体や鉄錯体、ポルフィリン系やフタロシアニン系の金属錯体、またはエオシン、ローダミン、メロシアニン、クマリンなどの有機色素などが使用される。特に、汎用性の観点からはルテニウム錯体を使用することが好ましく、有機溶媒に対する溶解性の観点からは有機色素を使用することが好ましい。また、光増感色素42を溶解させる溶媒としては、エタノールなどのアルコール、アセトニトリルなどが使用される。なお、上記酸化物半導体として酸化チタン(TiO)が使用された場合、酸化チタンの結合を強化することを目的として、チタン(IV)イソプロポキシド(TTIP)をプロパノールに溶解して得られた溶液(光触媒前駆体溶液である)を、上記色素溶液に混合してもよい。
以下、本発明の要旨である上記光触媒膜4の形成(製造)方法について説明する。
まず、金属酸化物の微粒子41を溶媒(第二溶媒である)に溶かして混練することにより、金属酸化物ペーストを得る。この金属酸化物ペーストをコータまたはスクリーン印刷によりダミー基板に塗布した後、上記溶媒が蒸発する温度(例えば150℃以上)で焼成する。これにより、図2の上段に示すように、ダミー基板D上に金属酸化物からなる多孔質膜41Aが形成される。上記溶媒は、アルコールを水に希釈したものであるが、これに高分子を加えたものでもよい。高分子を加えることで、形成される多孔質膜41Aの内部の空隙が増えるので、多孔質膜41Aの比表面積が増大してより多孔質化し、より多くの光増感色素42を吸着し得るからである。また、高分子を加える場合、金属酸化物ペーストに当該高分子を残留させないためにも、金属酸化物ペーストを焼成する温度は、当該高分子も蒸発し得る温度(例えば450〜600℃)とする。なお、ダミー基板Dは、上記焼成に対する耐熱性および光増感色素42に対する耐食性を有するものであれば特に制限が無く、安価なものがコストの上で好ましい。例えば、ダミー基板Dには、ガラス基板を用いることができる。また、ダミー基板Dに形成する多孔質膜41Aは、膜厚均一性が要求されないので、透明電極1に比べて大面積であることが製造効率の上で好ましい。このため、ダミー基板Dも、透明電極1に比べて大面積であることが好ましい。
そして、ダミー基板Dに形成された金属酸化物からなる多孔質膜41Aに光増感色素42を吸着させるために、図2の上段に示すように、上記多孔質膜41Aが形成されたダミー基板Dを色素溶液42Aに浸漬する。この色素溶液42Aは、光増感色素42をアルコール(アセトニトリルでもよい)に溶かしたものである。これにより、図3に示すように、多孔質膜41A(正確には金属酸化物の微粒子41)に光増感色素42が吸着する。ところで、多孔質膜41Aに光増感色素42を短時間で吸着させるために、多孔質膜41Aおよび色素溶液42Aに電圧を印加してもよい。具体的には、図4に示すように、ダミー基板Dに直流電源DCの負極(または正極)を接続するとともに、上記多孔質膜41Aに対して略平行に配置した電極板Eに上記直流電源DCの正極(または負極)を接続する。これにより、ダミー基板Dを介して多孔質膜41Aに正(または負)の電圧が印加されるとともに、電極板Eを介して色素溶液42Aに負(または正)の電圧が印加されることで、色素溶液42Aの光増感色素42が多孔質膜41Aに引き寄せられて短時間で吸着する。この場合、ダミー基板Dには、当然ながら導電性を有するものが用いられる。また、このダミー基板Dには、腐食を防ぐために、金メッキが施されていることが好ましい。さらに、多孔質膜41Aに光増感色素42をより短時間で吸着させるために、ダミー基板Dおよび/または色素溶液42Aを30〜100℃(好ましくは30〜80℃)程度に加熱してもよい。
その後、図2の中段に示すように、光増感色素42を吸着させた多孔質膜41Aをダミー基板Dから剥がして溶媒(第一溶媒)Sに溶かす。この溶媒Sは、アルコールおよび少量の高分子を混合したものである。色素を吸着させた多孔質膜4Aを溶媒Sに溶かすことにより、当該多孔質膜4Aをペースト状にして、色素半導体ペースト4Pとする。なお、上記溶媒Sには、光増感色素42の劣化を防ぐために水が混合されておらず、色素半導体ペースト4Pをフィルム上に塗布することを想定して高分子が多量に混合されていない。
そして、図2の下段に示すように、この色素半導体ペースト4Pを透明電極1の透明導電膜12にスプレー法により塗布した後、70〜120℃の低温で焼成することで、透明電極1に光触媒膜4を形成する。なお、色素半導体ペースト4Pを塗布する方法として、スプレー法の他に、コータ、スピンコート、スクリーン印刷または電気泳動法などを用いることができる。
次に、この光触媒膜4が形成された透明電極1を使用して製造される色素増感太陽電池の製造方法について説明する。
電解質として電解液を使用する場合は、予め、光触媒膜4が形成された透明電極1または対向電極2に、電解液を注入するための孔を形成しておく。そして、両電極1,2間に光触媒膜4が配置されるようにして、透明電極1と対向電極2とを対向させて位置合わせする。次に、両電極1,2間の周囲を熱融着フィルムまたは封止剤で封止し、上記孔から両電極1,2間に電解液を注入することにより、電解質層3を配置する。
一方で、電解質として粘性の高い電解質を使用する場合は、両電極1,2間に光触媒膜4が配置されるようにして、透明電極1と対向電極2とを対向させて位置合わせするとともに、両電極1,2間(正確には光触媒膜4と対向電極2との間)に固体電解質を配置する。次に、両電極1,2の周囲を封止剤で封止して加熱接着する。この加熱接着には、金型により両電極1,2を加圧するとともに封止剤を加熱して硬化させる方法や、封止剤にエネルギービームを照射して封止剤を硬化させる方法、塗布した紫外線硬化樹脂を紫外線照射により硬化させる方法などがある。なお、エネルギービームには、プラズマ、波長が600nm以上の可視光、赤外線、マイクロ波などがある。
このように、上記色素増感太陽電池における光触媒膜4の形成方法によると、透明電極1に形成された酸化物半導体層に光増感色素42を吸着させる工程が不要となるので、より短時間で光触媒膜4を形成することができる。
また、第二溶媒としてアルコールを水に希釈したものを使用することで、金属酸化物ペーストの焼成温度を低く抑えられ、より安価なダミー基板Dを用いることができ、コストを低減させることができる。ここで、仮に、第二溶媒が水のみであれば、金属酸化物の微粒子41が第二溶媒に分散せず、金属酸化物ペーストをダミー基板Dに均一に塗布することができない。また、仮に、第二溶媒がアルコールのみであれば、金属酸化物の表面にカルボキシル基が修飾されないので、多孔質膜41Aに光増感色素42を十分に吸着させることができない。しかし、第二溶媒としてアルコールを水に希釈したものを使用することで、金属酸化物ペーストをダミー基板Dに均一に塗布することができるとともに、多孔質膜41Aに光増感色素42を十分に吸着させることができる。
さらに、第二溶媒としてアルコールを水に希釈したものに高分子を加えたものを使用することで、多孔質膜41Aがより多くの光増感色素42を吸着し得るようになり、製造される色素増感太陽電池の性能を向上させることができる。
また、金属酸化物ペーストをダミー基板Dに塗布する方法として、コータまたはスクリーン印刷を用いることで、大面積の金属酸化物ペーストがダミー基板Dに一度に塗布されるので、より短時間で光触媒膜4を形成することができる。
また、溶媒S(第一溶媒)が水を含まないものとすることで、光増感色素42の水による劣化を防ぎ、製造される色素増感太陽電池の性能を向上させることができる。
また、色素溶液42Aおよび多孔質膜41Aに電圧を印加することで、多孔質膜41Aに光増感色素42が短時間で吸着されるので、より短時間で光触媒膜4を形成することができる。
また、多孔質膜41Aに光増感色素42を吸着させる際に、ダミー基板Dを加熱することで、多孔質膜41Aに光増感色素42が短時間で吸着されるので、より短時間で光触媒膜4を形成することができる。
以下、上記実施の形態をより具体的に示した実施例に係る色素増感太陽電池について説明する。
金属酸化物の微粒子41として、粒径20nmの酸化チタン微粒子6.0gを溶媒(高分子が加えられた第二溶媒である)に溶かしたものの0.6gを、ペイントシェーカなどで6時間程度混練することにより、酸化チタンペーストを得た。この酸化チタンペーストを大面積で一気に(精密に膜厚均一性を維持することなく)ダミー基板Dに塗布した後、上記溶媒が蒸発する450〜600℃で焼成した。これにより、ダミー基板D上に酸化チタンからなる多孔質膜41Aが形成された。上記溶媒は、pH2に調整した硝酸水14.0g、アルコールであるアセチルアセトン2.2g、高分子であるポリエチレングリコール(#20,000)0.6g、およびTritonX−100を純水で100倍に希釈したものである。なお、ダミー基板Dには、表面に金めっきを施した300mm四方のステンレス板を用いた。
そして、ダミー基板Dに形成された酸化チタンからなる多孔質膜41Aに光増感色素42を吸着させるために、図2の上段に示すように、上記多孔質膜41Aが形成されたダミー基板Dを色素溶液42Aに浸漬した。この色素溶液42Aは、ルテニウム系色素をエタノール(脱水)に溶かして色素濃度を0.1mmol/L(0.04〜0.3mmol/Lであればよい)としたものである。
その後、図2の中段に示すように、光増感色素42を吸着させた多孔質膜4Aをダミー基板Dから剥がして溶媒(第一溶媒)Sに溶かした。この溶媒Sは、t−ブタノール、プロパノールおよび少量のポリビニルピロリドン(高分子)を混合したものである。色素を吸着させた多孔質膜4Aを溶媒Sに溶かすことにより、当該多孔質膜4Aをペースト状にして、色素半導体ペースト4Pとした。なお、混合割合は、10wt%の多孔質膜4Aに対して、20wt%のt−ブタノール、65wt%のプロパノール、5wt%以下のポリビニルピロリドンとした。
そして、この色素半導体ペースト4Pを透明電極1の透明導電膜12にスプレー法により塗布した後、150℃程度の低温で焼成することで、透明電極1に光触媒膜4を形成した。
次に、この光触媒膜4が形成された透明電極1を使用して、有効径がφ6mmの色素増感太陽電池を製造した。この色素増感太陽電池にAM1.5,100mW/cmの標準光源を照射して電力変換効率を計測した。その結果、電流密度が9.32mA/cm、開放電圧が0.73V、フィルファクタが0.66、変換効率が4.47%であった。一方、従来の色素増感太陽電池、すなわち、透明電極1に酸化チタンペーストを塗布した後に光増感色素42を吸着させて光触媒膜4を形成した色素増感太陽電池にも、上記と同じ条件で標準光源を照射して電力変換効率を計測した。その結果、電流密度が9.28mA/cm、開放電圧が0.72V、フィルファクタが0.63、変換効率が4.23%であった。
このように、上記実施例の光触媒膜4を具備する色素増感太陽電池によると、電池性能を向上させることができた。
ところで、上記実施の形態および実施例では、色素増感太陽電池の素子について説明したが、色素増感太陽電池のモジュールであってもよい。具体的には、各素子が並列または直列に接続されて、モジュールが製造される。並列に接続される場合は、隣り合う素子において、透明導電膜12、電解質層3、光触媒膜4および透明導電膜22がシール材によって仕切られるとともに、透明導電膜12と透明導電膜22が導体によって接続される。また、直列に接続される場合は、隣り合う素子において、電解質層3および光触媒膜4のみがシール材によって仕切られるとともに、透明基板11、透明導電膜12、透明導電膜22および透明基板21を共通する。
また、上記実施の形態および実施例では、色素増感太陽電池の製造装置について説明しなかったが、連続的に色素増感太陽電池を製造するものであってもよい。具体的に説明すると、この色素増感太陽電池の製造装置は、フィルム状の透明電極1(透明基板11にフィルムを使用)を連続的に送る透明基板供給部と、透明基板供給部により連続的に送られるフィルム状の透明電極1に色素半導体ペースト4Pをコータまたはスクリーン印刷などで塗布する塗布部と、この塗布部により塗布された上記色素半導体ペースト4Pを低温(150℃以下)で焼成する焼成部とを備える。この構成により、光増感色素42を吸着させる工程を不要にし、短時間で形成された光触媒膜4を使用して連続的に色素増感太陽電池が製造されるので、色素増感太陽電池の製造効率を向上させることができる。
D ダミー電極
S 色素半導体用溶液
1 透明電極
2 対向電極
3 電解質層
4 光触媒膜
4A 色素を吸着させた多孔質膜
4P 色素半導体ペースト
41A 多孔質膜
42A 色素溶液

Claims (7)

  1. 透明電極と、基板を有する対向電極と、これら両電極間に配置される電解質と、両電極間で且つ透明電極側に配置される光触媒膜とを具備する色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法であって、
    ダミー基板に金属酸化物からなる多孔質膜を形成し、当該多孔質膜に色素を吸着させ、
    色素を吸着させた多孔質膜をダミー基板から剥がして第一溶媒に溶かすことにより、当該多孔質膜をペースト状にして色素半導体ペーストとし、
    この色素半導体ペーストを透明電極に塗布した後、焼成することを特徴とする色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法。
  2. ダミー基板に金属酸化物からなる多孔質膜を形成する方法として、
    金属酸化物を水およびアルコールからなる第二溶媒に溶かすことにより、当該金属酸化物をペースト状にして金属酸化物ペーストとし、
    この金属酸化物ペーストをダミー基板に塗布した後、上記第二溶媒が蒸発する温度で焼成することを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法。
  3. 第二溶媒は高分子が加えられたものであることを特徴とする請求項2に記載の色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法。
  4. 多孔質膜に色素を吸着させる方法として、
    ダミー基板が導電性を有するものであり、
    上記多孔質膜に負の電圧を印加するとともに、上記色素に正の電圧を印加することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法。
  5. 多孔質膜に色素を吸着させる際に、ダミー基板を30〜100℃に加熱することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池における光触媒膜の形成方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法により形成された光触媒膜を具備することを特徴とする色素増感太陽電池。
  7. 透明電極と、基板を有する対向電極と、これら両電極間に配置される電解質と、両電極間で且つ透明電極側に配置される光触媒膜とを具備する色素増感太陽電池の連続製造装置であって、
    連続的に送られるフィルム状の透明電極に、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の色素半導体ペーストを塗布する塗布部と、
    この塗布部により塗布された上記色素半導体ペーストを焼成する焼成部とを備えたことを特徴とする色素増感太陽電池の連続製造装置。

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