JP5131732B2 - 色素増感太陽電池用の色素吸着半導体電極の製造方法 - Google Patents

色素増感太陽電池用の色素吸着半導体電極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光吸収のための色素を吸着させた金属酸化物などの半導体で構成される色素増感太陽電池用の色素吸着半導体電極及びその製造方法に関する。
現在、単結晶、多結晶あるいはアモルファスのシリコン半導体を用いた太陽電池が、電卓などの電気製品や、住宅用などに用いられている。しかしながら、このようなシリコン半導体を用いた太陽電池の製造には、プラズマCVDや高温結晶成長プロセスなどの高精度プロセスが用いられるため、多大のエネルギーを必要とすると共に、真空を必要とする高価な装置が必要なために製造コストが高くなっている。
そこで、低コストで製造可能な太陽電池として、例えば、酸化チタンのような金属酸化物半導体にルテニウム金属錯体のような光増感色素を吸着させた材料を用いた色素増感太陽電池が提案されている。色素増感太陽電池は具体的には、例えばインジウム添加酸化スズのような透明導電層を設けた透明ガラス板あるいは透明樹脂板のような透明絶縁材料の透明導電層側に、例えばルテニウム錯体からなる色素を表面に吸着した酸化チタンなどを半導体層として形成した負極と、正極となる白金などの金属層あるいは導電層を設けた透明ガラス板あるいは透明樹脂板のような透明絶縁材料との間に電解質の液を封入したものである。色素増感太陽電池に光が照射されると、負極では光を吸収した色素の電子が励起し、励起した電子が半導体層に移動し、更に透明電極へと導かれ、正極では導電層からくる電子により電解質を還元する。還元された電解質は色素に電子を伝えることで酸化され、このサイクルで色素増感太陽電池が発電すると考えられている(特許文献1〜4)。
現在、色素増感太陽電池はシリコン太陽電池に比して照射光エネルギーに対する発電エネルギー効率が低く、その効率を上げることが実効的な色素増感太陽電池を製造する上での重要な課題となっている。色素増感太陽電池の効率は、それを構成する各要素の特性や、更にそれら要素の組み合わせによっても影響を受けると考えられており、さまざまな試みがなされている。中でも光増感作用を持つ色素と半導体層となる酸化チタンとの相互作用に注目した研究がなされている。
これらの光増感作用を持つ色素を酸化チタンに代表される金属酸化物などの半導体に吸着させる方法としては、例えば適当な溶媒に色素を溶解した色素溶液中に、基板上に、導電膜及び金属酸化物層を形成したものを浸す、いわゆる含浸法などを挙げることができる。しかし、含浸法では、色素溶液の表面張力などの影響や、色素同士の会合や凝集により、酸化チタンなどの金属酸化物の微細孔内にまで有効に色素を吸着させるに至らない場合がある。従って、酸化チタンなどの金属酸化物表面を色素分子で完全に覆い尽くすことができず、色素吸着量の不足などの原因により色素増感太陽電池の光電変換効率を低下させる場合もある。
非特許文献1には、エオシンYと呼ばれる有機色素を半導体電極となる酸化チタンに吸着させるに当たり、圧力25Mpa、温度493Kの条件下での炭酸ガス超臨界流体を用い、エントレーナーであるメタノールに溶解させた有機色素を吸着させることにより、色素増感太陽電池のフィルファクターを向上させる旨が記載されている。また、特許文献1には、色素を超臨界流体中で半導体上に吸着させる旨が記載されており、ここでは超臨界条件として圧力約8Mpa、温度40℃であることが記載されている。
また、特許文献5には5〜800barの近臨界又は超臨界圧力範囲で支持マトリックスに固体/液体化合物を含浸させる方法について記載されているが、色素増感太陽電池用の電極用途に金属酸化物半導体への色素の吸着に関する記載はなされていない。また、特許文献6には色素増感太陽電池の色素を亜臨界で吸着させる旨の記載があるが、炭酸ガス亜臨界に関する十分な条件は記載されていない。
特開2001−223037号公報 特表平7−500630号公報 特表平10−504521公報 特表平2002−512729公報 特表2004−508177公報 特開2005−100792公報 Chemistry Letters,853,1999
本発明は、半導体電極への色素の吸着を行うに際し、電荷移動などの損失を抑制するよう吸着状態を最適化することにより、光電変換効率の高い色素増感太陽電池用の色素吸着半導体電極を得ようとするものである。
本発明は、色素増感太陽電池の負極部材としての色素吸着半導体電極を製造する方法において、色素が少なくとも1つのカルボキシル基又はカルボキシレート構造をもつ分子構造を有し、色素を半導体に吸着させるに際し、色素を溶媒に溶解させた溶液と炭酸ガスとの混合溶液中で吸着させたものであり、その混合溶液の圧力が1〜5Mpaの範囲であり、温度が40〜60℃の範囲であることを特徴とする色素増感太陽電池用の色素吸着半導体電極の製造方法である。
溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールから選ばれる少なくとも1種を含むアルコール溶液が好ましい。
また、本発明は、上記の製造方法により製造された色素吸着半導体電極である。更に本発明は、上記の色素吸着半導体電極を用いて構成したことを特徴とする色素増感太陽電池である。
本発明の色素増感太陽電池用の色素吸着半導体電極の製造方法によれば、光電変換効率が高い色素増感太陽電池の負極部材としての色素吸着半導体電極を得ることができる。また、本発明の色素増感太陽電池用の色素吸着半導体電極から構成した色素増感太陽電池は、光電変換効率が高い。
本発明の色素増感太陽電池用の色素吸着半導体電極の基本構成を示す図1により説明する。図1は色素増感太陽電池用の色素吸着半導体電極の一例を示す断面図であり、基板1上に、導電層2と色素吸着半導体層3の順に積層された構成となっている。色素吸着半導体層3は、酸化チタン粒子等の金属酸化物粒子とこの粒子の表面を覆うように存在する増感色素からなっている。
本発明の色素増感太陽電池用の色素吸着半導体電極を用いた色素増感太陽電池の一例を示す断面図を図2に示す。色素吸着半導体層3と対向する側に対向電極4を有し、両電極間に電解質5を配した構成となっている。両電極間の間にはさらにスペーサ6が配置される。なお、光は基板1側から入る。
基板1としては、透明な絶縁材料であれば特に限定されるものではなく、例えば通常のガラス板やプラスチック板などが挙げられ、更には屈曲性のあるものでも良く、例えばPET樹脂などが挙げられるが、好ましくは約500℃を上限にした酸化チタンを焼付ける工程に耐え得る耐熱材料であることであり、透明なガラス板が挙げられる。
次に、この基板1の表面に基材の透明性を損なわないような導電層2を設けるが、導電層としてはいわゆる透明電極として知られているITO、FTO、ATOあるいはこれらを組み合わせたものでよく、更には透明性を損なわない厚みの金属層であってもよい。これらの導電層を設ける方法は特に限定されるものではなく、スパッタリング、蒸着(CVD及びPVDを含む)、スプレー、レーザアブレーションあるいはペースト化した各材料を用いるスピンコート、バーコート、スクリーン印刷の手法など既知の手法を用いることができる。しかし、スプレー法又は気相で行われるスパッタリング又は蒸着法が適する。
この上に、色素吸着半導体層3を設ける。通常は半導体として金属酸化物の層を形成したのち、これに増感色素を吸着させる。金属酸化物としては、光電変換材料と知られているものが使用でき、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン等を挙げることができるが、酸化チタンが好ましい。酸化チタンとしては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型等の酸化チタンの他、水酸化チタン、含水酸化チタン類であってもよい。また、Nb、V又はTaの各元素の少なくとも1つを酸化チタンに対して30ppm〜5%の重量濃度(金属元素として)になるようドーピングしてもよい。このような金属酸化物であれば、本発明に用いることが可能であるが、平均粒子径が5〜500nm、好ましくは10〜200nmの範囲の微粒子であることがよい。
金属酸化物の層を前記透明電極2上に形成するが、その方法については、特に限定されるものではなく、例えばペースト化した金属酸化物をスピンコート、印刷、スプレーコートなどの各手法を用いても良い。また、製膜後に酸化チタン等の金属酸化物の焼結などを目的に焼成することも可能である。次に、金属酸化物に色素を吸着させて色素吸着金属酸化物として、色素吸着半導体層3とする。なお、金属酸化物に色素を吸着させたのち、ペースト化して色素透明電極2上にコートして色素吸着半導体層3を形成することもできる。
本発明では色素吸着半導体層3に特徴があり、その他の層又は材料は公知の構造又は材料とすることができ、図1に示す構造のものに限らない。色素吸着半導体層3を構成する材料は、半導体と色素であるが、通常、半導体は金属酸化物、好ましくは酸化チタンであるので、半導体を金属酸化物又は酸化チタンで代表することがある。
また、色素増感用の色素としては、その分子構造中に少なくとも1つのカルボキシル基又はカルボキシレート構造(-COOR等のオキシカルボニル基を有する構造をいう。Rはアルキル基等の有機基又は無機カチオン等である)をもつものであれば特に限定されるものではなく、金属錯体色素、有機色素、フタロシアニン色素、ポルフィリン色素、メチン色素などの色素、あるいはこれら色素が混合されたものでもよい。好ましくは金属錯体色素であり、更に好ましくはルテニウム錯体色素である。有利にはカルボキシル基を有する色素である。
カルボキシル基又はカルボキシレート構造をもつルテニウム錯体色素としては、特許文献1〜4に記載されたような公知のルテニウム錯体色素であって、溶剤可溶なものを使用することができる。例えば、シス−L2−ビス(2,2'−ビピリジル−4,4'−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)錯体(ここで、Lはハロゲン、CN又はSCN又はNCSである)、好ましくはシス−ビスイソチオシアネート−ビス(2,2'−ビピリジル−4,4'−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)錯体(以下、N3)、シス−L2−ビス(2,2'−ビピリジル−4−カルボキシレート−4'−カルボン酸)ルテニウム(II)−ビステトラブチルアンモニウム錯体、好ましくはシス−ビスイソチオシアネート−ビス(2,2'−ビピリジル−4−カルボキシレート−4'−カルボン酸)ルテニウム(II)−ビステトラブチルアンモニウム(以下、N719)、(2,2':6',2''−ターピリジン−4,4',4''−トリカルボキシレート)ルテニウム(II)トリス(テトラブチルアンモニウム)トリス(イソチオシアネート)(以下、Black Dye)、シス−ジ(イソチオシアネート)−(2,2'−ビピリジル−4,4'−ジカルボン酸)(4,4'−ジメチル−2,2'−ビピリジル)−ルテニウム(II)、シス−ジ(イソチオシアネート)−(2,2'−ビピリジル−4,4'−ジカルボン酸)(4,4'−ジヘキシル−2,2'−ビピリジル)−ルテニウム(II)、シス−ジ(イソチオシアネート)−(2,2'−ビピリジル−4,4'−ジカルボン酸)(4−メチル−4'−ヘキサデシル−2,2'−ビピリジル)−ルテニウム(II)、シス−ジ(イソチオシアネート)−(2,2'−ビピリジル−4,4'−ジカルボン酸)(4,4'−ノニル−2,2'−ビピリジル)−ルテニウム(II)などである。
本発明では、これらの色素を酸化チタンなどの半導体である金属酸化物等に、加圧炭酸ガス中で吸着させたものである。
本発明では、加圧炭酸ガス中で色素を吸着させる場合、7MPa以上の高圧力下では色素のエントレーナー(超臨界流体使用時に使われる溶媒)への溶解度が低下することを見出し、超臨界状態よりも低い圧力で色素吸着を行うことで、より有効な色素吸着が達成できることを見出した。さらに、色素の吸着は、加圧炭酸ガス存在下において、色素のカルボキシル基又はカルボキシレートを介して酸化チタン表面へ高速で吸着することも見出した。
本発明は少なくとも一つのカルボキシル基又はカルボキシレートをもつ色素を半導体表面に吸着させるに際し、色素を溶媒に溶解させた溶液と炭酸ガスの混合溶液中で吸着させるものであり、炭酸ガスの圧力が1〜5Mpaの範囲であり、温度が40〜60℃の範囲である条件とする。吸着メカニズムなどの詳細は不明であるが、圧力が1〜5Mpaの範囲の加圧炭酸ガス中に置かれた混合溶液中で色素を吸着させることで、色素の溶媒への溶解度が十分保たれ、かつ、色素のカルボキシル基又はカルボキシレートと酸化チタン表面の相互作用による化学吸着が有効に行われるため、色素同士の会合や凝集も抑制されるものと考えられる。従って、色素増感太陽電池としたときに、高い効率を導く電極となると考えられる。
加圧炭酸ガスを用いた色素の吸着方法をより詳細に説明する。例えば、金属酸化物層を設けた導電層付基板を、色素を溶解した溶液中に配置して含浸させることにより行うことができる。図3は、吸着操作に使用する圧力装置を示す模式図であり、圧力容器21中に、金属酸化物層を設けた導電層付基板22が保持台24上に配置される。容器21内には色素を溶解した溶液23が存在し、スタラー25で攪拌される。炭酸ガスが容器内に導入され、圧力調整弁26により所定の圧力に保たれる。溶液23に炭酸ガスの一部が溶解して、この混合溶液は基板22と接触し、含浸が行われる。
色素を溶解するための溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールから選ばれる少なくとも1種を含むアルコールが適する。色素を溶解した溶液の色素の濃度は特に限定されないが、好ましくは1×10-4〜3×10-3(mol/L)の範囲である。
所定の圧力に保持する時間は金属酸化物層の厚みによって異なるが、金属酸化物層の全体が色素吸着される時間保持すればよく、好ましくは0.1〜10時間の範囲である。溶液23の仕込み量は、容器21内に配置した金属酸化物層を設けた導電層付基板22が、所定の圧力に達した時点の炭酸ガスが溶解した溶液に浸る量であればよく、例えば、圧力容器の内容積を1としたときに0.5〜1の範囲である。炭酸ガスが溶解して溶液の体積が増加する場合は、図3に示すように溶液23は少量でもよいが、体積が増加しない場合や増加してもわずかな場合は、溶液23は基板22と十分に接触する量を装入する。
本発明では、前述のようにして色素を吸着させた金属酸化物などの半導体をリンス処理してもよい。リンス処理の方法としては、色素吸着後の酸化チタンなどの金属酸化物を、メタノールやエタノールなどのアルコールに浸漬するなどして、余分に付着した色素を洗い流す方法が挙げられる。リンス処理を行う理由は、余分な色素を洗い落とすためであり、詳細は不明であるが、色素吸着の際、例えば色素分子の上に更に重なるように吸着した色素分子が存在した場合、酸化チタンなどの金属酸化物に接触しない色素分子は発電に関与しないばかりでなく、入射した光を吸収してしまうことによる光電変換効率の低下を抑制する作用が考えられる。また、リンス処理としては加圧炭酸ガス下で、上記のようなアルコール液中に色素吸着した酸化チタンなどの金属酸化物又はこれを積層した基板を置くことで、効果的に行える。また、本リンス処理にも前述の圧力装置を使用することができる。
前述のように基板1、透明導電膜2及び色素吸着半導体層3からなる本発明の色素増感太陽電池用の色素吸着半導体電極は負極として作用する。これを用いて色素増感太陽電池とするには、例えば図2に示すように、もう一方の正極として作用する電極(対向電極)4を色素吸着半導体層3側に対向して配置する。正極となる電極は、導電性の金属などでよく、また、例えば通常のガラス板やプラスチック板などに金属膜や炭素膜等の導電膜を施したものでもよい。両電極の間には、電解質層を設ける。この電解質層の種類は、光励起され半導体への電子注入を果した後の色素を還元するための酸化還元種を含んでいれば特に限定されず、液状の電解質であってもよく、これに公知のゲル化剤(高分子又は低分子のゲル化剤)を添加して得られるゲル状の電解質であってもよい。
電解質層を設ける方法は特に限定されるものではなく、例えば両電極の間にフィルム状のスペーサ6を配置して隙間を形成し、その隙間に電解質を注入する方法でも良く、また、負極内面に電解質を塗布などした後に正極を適当な間隔をおいて積載する方法でも良い。電解質が流出しないよう、両極とその周囲を封止することが望ましいが、封止の方法や
封止材の材質については特に限定するものではない。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。
実施例1〜5
30mm×25mm×3mmの透明導電膜付ガラス基板として日本板ガラス製のFTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜付ガラス基板(商品名:Low‐Eガラス)を使用した。
次に、導電性膜付き基板の導電性膜上に、酸化チタン膜を形成した。酸化チタンは、市販の酸化チタンペースト(ソラロニクス社製Dペースト)を使用した。これを、導電性膜付き基板の導電性膜上に、スキージ印刷の手法で20mm×5mmの範囲に塗工し、乾燥後500℃で焼成して厚み15μmの酸化チタン層を形成した金属酸化物層を設けた導電層付基板を得た。
色素は市販のルテニウム錯体色素(ソラロニクスN719)を使用した。これを3×10-4mol/Lとなるようにエタノールに溶解させた。色素の吸着は、図3に示すような、日本分光製超臨界装置の圧力容器に色素溶液を入れ、更に上記酸化チタン層を形成した金属酸化物層を設けた導電層付基板を配置し、炭酸ガスで容器内をパージした。更に、表1に示す所定の温度と炭酸ガス圧力になるよう調整し、色素溶液をスターラーで攪拌しながら2時間保持した。炭酸ガスを抜いて定圧に戻した後、圧力容器から色素の吸着した色素吸着半導体電極を取り出した。これを乾燥して、色素吸着半導体電極とした。
実施例1〜5で得た色素吸着半導体電極の酸化チタンの膜を形成した20mm×5mmの外周4辺に厚み50μmのアイオノマー樹脂からなるシート状の熱可塑性接着剤(三井デュポンポリケミカル社商品名;ハイミランシート)を、電解液が注入できるよう、外周部の2箇所に約1mm程度の隙間を設けるようにして貼り付けた。この熱可塑性接着剤は、封止材であると同時に、両極間のスペーサの役割を果たす。次に、正極となる厚み10nmの白金膜をスパッタリングの手法で形成したガラス基板を、白金側が酸化チタン側と対向するように前記熱可塑性接着剤フィルムを介して貼り合わせた。この熱可塑性接着剤フィルムの隙間から、0.5MのLiI、0.5Mのt−ブチルピリジンと、0.05Mのヨウ素を主成分として含むアセトニトリル溶液を毛細管現象を利用して基材と正極の間に満たした。電解質を満たした後、直ちに前記隙間をエポキシ樹脂接着剤で封止して、色素増感太陽電池を得た。
比較例1〜4
実施例1〜5において、炭酸ガス圧力と温度を表1に示すとおりとした他は同様にして色素吸着半導体電極を得て、次にこれを使用して色素増感太陽電池を得た。
比較例5
従来の含浸法により色素吸着半導体電極を得た。この含浸法は、実施例1と同じ色素溶液に前記金属酸化物層を設けた導電層付基板を、炭酸ガスを導入することなく、室温、定圧で72時間浸漬させて行った。色素の吸着した色素吸着半導体電極を取り出し、これを乾燥して、色素吸着半導体電極とした。次に、これを使用して実施例1〜5と同様にして色素増感太陽電池を得た。
吸着方法、圧力及び温度を変更して作成した色素増感太陽電池の電池特性を、AM1.5の擬似太陽光を用いて光電変換効率を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005131732
色素吸着半導体電極の断面図 色素増感太陽電池の断面図 吸着装置の概略図
符号の説明
1:基板、2:導電層、3:色素吸着半導体層、4:対向電極、5:電解液、6:スペーサ、21:圧力容器、22:積層板、23:処理溶液、24:積層板保持台、25:スターラー、26:圧力調整弁

Claims (4)

  1. 色素増感太陽電池の負極部材としての色素吸着半導体電極を製造する方法において、色素が少なくとも1つのカルボキシル基又はカルボキシレート構造をもつ分子構造を有し、色素を半導体に吸着させるに際し、色素を溶媒に溶解させた溶液と炭酸ガスとの混合溶液中で吸着させたものであり、その炭酸ガスの圧力が1〜5Mpaの範囲であり、温度が40〜60℃の範囲であることを特徴とする色素増感太陽電池用の色素吸着半導体電極の製造方法。
  2. 溶媒がメタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールから選ばれる少なくとも1種を含むアルコール溶液であることを特徴とする請求項1記載の色素増感太陽電池用の色素吸着半導体電極の製造方法。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の製造方法により製造された色素吸着半導体電極。
  4. 請求項3記載の色素吸着半導体電極を用いて構成したことを特徴とする色素増感太陽電池。
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