JP2015191986A - 色素増感太陽電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、電池性能を向上する色素増感太陽電池およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の色素増感太陽電池の製造方法は、透光性基板11上に透光性電極12を形成し、対向基板21上に対向電極22を形成する工程と、透光性基板11と透光性電極12および/または対向基板21と対向電極22に、封止材の一部としての熱硬化性樹脂Tを塗布して加熱する工程と、酸化物半導体層34の粒子に色素を吸着させる工程と、透光性基板11上および対向基板21上のいずれか一方または両方の熱硬化性樹脂Tに、封止材の一部としての光硬化性樹脂Pを塗布する工程と、透光性基板11と対向基板21とを貼り合わせた後に、光硬化性樹脂Pに光を照射する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の色素増感太陽電池の製造方法は、透光性基板11上に透光性電極12を形成し、対向基板21上に対向電極22を形成する工程と、透光性基板11と透光性電極12および/または対向基板21と対向電極22に、封止材の一部としての熱硬化性樹脂Tを塗布して加熱する工程と、酸化物半導体層34の粒子に色素を吸着させる工程と、透光性基板11上および対向基板21上のいずれか一方または両方の熱硬化性樹脂Tに、封止材の一部としての光硬化性樹脂Pを塗布する工程と、透光性基板11と対向基板21とを貼り合わせた後に、光硬化性樹脂Pに光を照射する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、色素増感太陽電池およびその製造方法に関する。
透光性基板と対向基板との間に、光電変換素子を備えた色素増感太陽電池は既に知られている。光電変換素子の構成は、透光性基板上の透光性電極と、対向基板上の対向電極とが向かい合うように配置され、透光性電極上に光増感色素を吸着させた酸化物半導体層が配置され、対向電極上に触媒層が配置され、さらに、酸化物半導体層と触媒層との間に電解液等の電解質層が介在している。
色素増感太陽電池には、一つの透光性基板と対向基板との間に、封止材を隔てて光電変換素子が複数形成されており、隣り合う光電変換素子同士が電気的に直列接続されているものがある。封止材は、光電変換素子同士の間に介在して両者を隔てるとともに、透光性基板と対向基板とを接着する役割を担っている。
この封止材の態様として、特許文献1に開示された色素増感太陽電池では、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、または光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合させたものが用いられている。
また、特許文献1に開示された色素増感太陽電池の製造方法では、酸化物半導体層に光増感色素を吸着させた後に、透光性基板と対向基板とを貼り合わせて、封止材を硬化させる工程が記載されている。封止材を硬化させるためには、封止材が熱硬化性樹脂の場合は加熱すればよく、光硬化性樹脂の場合は光を照射すればよく、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂とを混合させたものの場合は、加熱および光照射を行えばよい。
しかしながら、封止剤として熱硬化性樹脂を用いた場合、一般的に用いられる光増感色素は熱に弱いため、酸化物半導体層に光増感色素を吸着させた後に封止材を加熱すると、その加熱によって光増感色素が劣化し、ひいては色素増感太陽電池の電池性能が劣化するおそれがある。また、封止材として光硬化性樹脂を用いた場合、一般的に透光性基板に用いられるPENや、透光性電極に用いられるITO等の材料は、光硬化性樹脂との接着の相性が悪いため、接着不良によって電解液の漏えいや外部からの水分混入が発生し、これによって電池性能が劣化するおそれがある。また、封止材として熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂とを混合させたものを用いた場合であっても、結局は酸化物半導体層に光増感色素を吸着させた後に加熱するため、その加熱により光増感色素が劣化して電池性能が劣化するおそれがある。
本発明は、色素増感太陽電池の電池性能を向上させることを目的とする。
本発明の色素増感太陽電池の製造方法は、透光性基板および前記透光性基板上の透光性電極で構成された負極と、対向基板および前記対向基板上の対向電極で構成された正極と、前記透光性電極と前記対向電極との間で、かつ前記透光性電極上に配置される酸化物半導体層と、前記透光性電極と前記対向電極との間に配置される電解質層とを備える色素増感太陽電池の製造方法であって、前記負極および/または前記対正極に、封止材の一部としての熱硬化性樹脂を塗布して加熱する工程と、前記酸化物半導体層の粒子に色素を吸着させる工程と、前記負極上および/または前記正極上の熱硬化性樹脂に、封止材の一部としての光硬化性樹脂を塗布する工程と、前記負極と前記正極とを貼り合わせた後に、前記光硬化性樹脂に光を照射する工程とを有することを特徴とする。
本発明の色素増感太陽電池の製造方法によれば、酸化物半導体層に光増感色素を吸着させた後ではなく、吸着させる前に封止材を加熱するため、その加熱によって光増感色素が劣化することはない。また、一般的に光硬化性樹脂との接着の相性が悪いとされる負極および/または正極は、光硬化性樹脂と直接接着されず、熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂とを混合したものと直接接着されるため、両基板間の接着性を向上させることができて、電解液の漏洩や外部からの水分混入を防止できる。以上より、電池性能を向上させることができる。
以下、各実施の形態に係る色素増感太陽電池およびその製造方法について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る色素増感太陽電池について説明する。図1に示すように、色素増感太陽電池1は、透光性基板11と、対向基板21と、透光性電極12と、対向電極22と、集電電極33と、酸化物半導体層34と、触媒層35と、電解質層36と、封止材137とを備えている。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る色素増感太陽電池について説明する。図1に示すように、色素増感太陽電池1は、透光性基板11と、対向基板21と、透光性電極12と、対向電極22と、集電電極33と、酸化物半導体層34と、触媒層35と、電解質層36と、封止材137とを備えている。
透光性電極12は、透光性基板11上に複数配列されており、対向電極22は、対向基板21上に複数配列されている。また、透光性電極12と対向電極22は、封止材137と集電電極33が形成される領域分だけずれた状態で向かい合っている。透光性基板11にはポリエチレン・ナフタレート(PEN)やガラスなどの透光性を有する材料が用いられ、透光性電極12にはスズ添加酸化インジウム(ITO)等の透光性を有する材料が用いられる。同様に、対向基板21の材料はPEN、対向電極22の材料はITOとしてもよいが、透光性を有する必要はなく、対向基板21は絶縁材料、対向電極22はチタン膜等の金属膜としてもよい。そして、透光性基板11と透光性電極12とで色素増感太陽電池1の負極10を構成し、対向基板21と対向電極22とで正極20を構成している。
集電電極33は、透光性電極12上および対向電極22上の一方に形成されており、他方と導電性接着剤(図示せず)を介して電気的に接続されている。そして、集電電極33は、一つの光電変換素子とその隣の光電変換素子とを電気的に接続し、これらの接続が連鎖されることでZ型直列接続の色素増感太陽電池1を形成している。
酸化物半導体層34は、透光性電極12上の、透光性電極12と対向電極22とが向かい合う領域に形成されており、触媒層35は、対向電極22上の、透光性電極12と対向電極22とが向かい合う領域に形成されている。また、電解質層36は、封止材137と透光性電極12と対向電極22とで囲まれた領域内に形成されている。
透光性電極12と、対向電極22と、酸化物半導体層34と、触媒層35と、電解質層36とで光電変換素子を構成しており、封止材137は、これら光電変換素子同士の間に介在して両者を隔てるとともに、負極10と正極20とを接着している。また、封止材137は電解質層36と集電電極33とが接触しないよう両者間の間に介在にしている。
すなわち、封止材137の側面は電解質層36と接触することによって、電解質層36としての電解液等を封止し、さらに上面は正極20と接触し、下面は負極10と接触することによって負極10と正極20とを接着している。
また、実施の形態1では、封止材137は負極10および正極20に接する部分が熱硬化性樹脂Tであり、その他の部分が光硬化性樹脂Pである。すなわち、封止材137は熱硬化性樹脂Tと光硬化性樹脂Pとが積層された態様となっている。
これにより、負極10および正極20は、一般的に接着の相性が悪いとされる光硬化性樹脂Pと直接接着されず、熱硬化性樹脂Tを介して間接的に接着される。そのため、負極や正極と光硬化性樹脂とが直接接着される場合と比較して、両基板間の接着性を向上させることができる。これにより、電解液の漏洩や外部からの水分混入を防止し、色素増感太陽電池1の電池性能を向上させることができる。
次に、実施の形態1に係る色素増感太陽電池の製造方法を図2を用いて説明する。図2(a)(c)(e)(g)(i)は負極10側の製造工程、図2(b)(d)(f)(h)(j)は正極20側の製造工程をそれぞれ示す。
まず、図2(a)(b)に示すように、透光性基板11上に複数の透光性電極12、対向基板21上に対向電極22をそれぞれ形成する。複数の透光性電極12、対向電極22の形成方法は、予め一面に透明導電膜が塗布された透光性基板を用いて、その透明導電膜の不要部分にレーザーを照射することによってパターニングを行う方法等が挙げられる。対向電極22として金属膜を用いる場合は、対向基板21の全面をスパッタによって金属膜を形成し、その後レーザーを照射してパターニングを行う方法等が挙げられる。
その後、負極10側では、図2(c)に示すように、透光性電極12上に集電電極33を形成する。集電電極33の形成方法は、導電性ペーストをスクリーン印刷によって塗布し、加熱して硬化させる方法等が挙げられる。
また、正極20側では、図2(d)に示すように、対向電極22上に触媒層35を形成する。具体的には、白金をスパッタすることにより触媒層35としての白金層を形成する方法が挙げられる。若しくは、白金ナノコロイド溶液を塗布して乾燥させることによって、触媒層35としての白金層を形成してもよい。白金層の厚みは数nm程度であればよい。また、材料も白金ではなく、カーボンとしても良い。
その後、図2(e)(f)に示すように、負極10および正極20の封止箇所に、封止材の一部としての熱硬化性樹脂Tを塗布して加熱する。この時の熱硬化性樹脂Tの厚みは数μm程度であればよい。熱硬化性樹脂Tの加熱は、例えばレーザーによる加熱方法が挙げられる。レーザーはガルバノスキャナを備え、自在にレーザー照射位置を変更できることが望ましい。レーザーの波長は可視光域から近赤外線域(700nm〜1100nm)が望ましく、具体的には、半導体レーザーや、Nd:YAGレーザー(1064nm)、Nd:YVO4レーザー(1064nm)、またはTi:サファイアレーザー(650〜1100nm)、Cr:LiSAFレーザー(780〜1010nm)、アレキサンドライトレーザー(700〜820nm)などが適用可能である。
熱硬化性樹脂Tの加熱は、例えばヒータや炉によって行ってもよい。基板が合成樹脂の場合は150℃以下で硬化する熱硬化性樹脂を、耐熱性のあるガラス基板である場合は150℃以上で硬化する熱硬化性樹脂を用いるとよい。
そして、図2(g)に示すように、透光性電極12上に酸化物半導体層34を形成する。具体的には、焼成用酸化チタンペーストをバーコータによって塗布し、150℃に加熱することによって、酸化物半導体層34としての酸化チタン膜を得る方法等が挙げられる。焼成用酸化チタンペーストの塗布方法は、バーコータに限られず、スクリーン印刷や、スプレー法であってもよい。その後、この酸化物半導体層34に光増感色素を吸着させる。すなわち、酸化物半導体層34に光増感色素を吸着させた後ではなく、吸着させる前に熱硬化性樹脂Tを加熱して硬化させるため、その加熱によって光増感色素が劣化することを防止できる。これにより、色素増感太陽電池1の電池性能を向上させることができる。
次に、図2(i)に示すように、熱硬化性樹脂上に、封止材の一部としての光硬化性樹脂Pを塗布する。同時に集電電極33上にも負極10と正極20とを導通させるための導電性接着剤(図示せず)を塗布する。なお、図2(i)では、負極10側に光硬化性樹脂Pを塗布する場合が描かれているが、正極20側に光硬化性樹脂を塗布してもよく、または負極10側と正極20側の両方に光硬化性樹脂を塗布してもよい。
そして、図2(k)に示すように、負極10と正極20とを貼り合わせて封止材137に光Lを照射し、最後に、負極10、正極20のどちらか一方に形成された孔から、両者の間の空間に、電解質層としての電解液を注入し、その孔を塞いで色素増感太陽電池を得る。若しくは、電解質層として高粘度電解質を用いる場合は、透光性基板11と対向基板21との間に光触媒膜および高粘度電解質が挟まれるように両基板を貼り合わせて、その周縁部同士が加熱接着されるようにしても良い。加熱方法は、プラズマ(波長の長いもの)、マイクロ波、可視光(600nm以上)や赤外線などのエネルギービームを照射することによって行っても良い。
実施の形態1に係る色素増感太陽電池1およびその製造方法によれば、酸化物半導体層34に光増感色素を吸着させた後ではなく、吸着させる前に熱硬化性樹脂Tを加熱して硬化させるため、その加熱によって光増感色素が劣化することを防止できる。これにより、色素増感太陽電池1の電池性能を向上させることができる。
さらに、負極10と正極20は、一般的に接着の相性が悪いとされる光硬化性樹脂と直接接着されず、熱硬化性樹脂を介して間接的に接着される。そのため、負極や正極と光硬化性樹脂とが直接接着される場合と比較して、両基板間の接着性を向上させることができる。これにより、電解液の漏洩や外部からの水分混入を防止し、色素増感太陽電池1の電池性能を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、負極10と正極20の両方の封止箇所に熱硬化性樹脂Tを塗布する場合を述べたが、これに限られず、負極10または正極20のいずれかの封止箇所のみに熱硬化性樹脂Tを塗布してもよい。すなわち、対向電極22が金属膜である場合、金属膜と光硬化性樹脂との接着の相性はPENなどの樹脂やITOなどの透明導電膜ほど悪くないため、対向電極22と光硬化性樹脂とを直接接着しても両基板間の接着性は問題とならない。この場合、PENやITO上には熱硬化性樹脂を塗布する必要があるが、対向電極22に熱硬化性樹脂を塗布しなくともよい。したがって、透光性基板11と透光性電極12と対向基板21と対向電極22の材料に応じて、その材料と光硬化性樹脂との接着の相性を見出し、熱硬化性樹脂の塗布箇所を適宜設計すればよい。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る色素増感太陽電池について説明する。実施の形態2に係る色素増感太陽電池は、封止材の態様のみが実施の形態1に係る色素増感太陽電池と異なり、その他の構成については、実施の形態1に係る色素増感太陽電池の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る色素増感太陽電池について説明する。実施の形態2に係る色素増感太陽電池は、封止材の態様のみが実施の形態1に係る色素増感太陽電池と異なり、その他の構成については、実施の形態1に係る色素増感太陽電池の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
実施の形態2に係る色素増感太陽電池では、図3に示すように、封止材237として熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂とを混合したものが用いられている。具体的には、光硬化性樹脂の中に熱硬化性樹脂を均一に分散させたものや、スクリューノズル等によって光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とを歯磨き粉のようにらせん状に混合させたもの等が挙げられる。
次に、実施の形態2に係る色素増感太陽電池の製造方法について図4を用いて説明する。図4(a)(c)(e)(g)は負極10側の製造工程、図4(b)(d)(f)(h)は正極20側の製造工程をそれぞれ示す。
まず、図4(a)(b)(c)(d)に示す工程は、実施の形態1で説明した図2(a)(b)(c)(d)に示す工程と同様であるため、詳細な説明を省略する。
本実施の形態2に係る色素増感太陽電池の製造工程では、図4(e)に示すように、負極10の封止箇所に、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂とを混合した封止材237を塗布して加熱する。同時に集電電極33上にも透光性電極12と対向電極22とを導通させるための導電性接着剤(図示せず)を塗布しておく。
本実施の形態2に係る色素増感太陽電池の製造工程では、図4(e)に示すように、負極10の封止箇所に、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂とを混合した封止材237を塗布して加熱する。同時に集電電極33上にも透光性電極12と対向電極22とを導通させるための導電性接着剤(図示せず)を塗布しておく。
封止材237の加熱方法は、実施の形態1における熱硬化性樹脂の加熱方法と同様であるため、詳細な説明を省略する。この時、封止材237の熱硬化性樹脂の成分のみが硬化し、光硬化性樹脂の成分は硬化していない状態となる。
なお、図4(e)では、負極10側に封止材237を塗布する場合が描かれているが、正極20側に封止材を塗布してもよく、または負極10側と正極20側の両方に封止材を塗布してもよい。
また、図4(g)および(i)に示す工程は、実施の形態1で説明した図2(g)および(k)に示す工程と同様であるため、詳細な説明を省略する。図4(i)の工程によって、封止材237の光硬化性樹脂の成分が硬化し、両基板間を接着することができる。
実施の形態2に係る色素増感太陽電池2の製造方法によれば、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂とを別々に塗布する必要がないため、実施の形態1の態様と比較して製造工程を簡単化することができる。
また、実施の形態2の態様では、封止材237は正極20と接触していない状態で加熱され、封止材237の熱硬化性樹脂の成分が硬化されるため、封止材237と正極20との接着は、封止材237の光硬化性樹脂の成分のみに依存することとなってしまう。しかしながら、正極20の材料を金属膜等とした場合、前述したように金属膜と光硬化性樹脂との接着の相性は悪くないため、封止材と正極との接着は封止材の光硬化性樹脂の成分によってもたらされ、両基板間を接着することができる。
なお、実施の形態1および2においては、透光性基板として、PENやガラスを用いることを述べたが、これに限られず、合成樹脂としてはPENの他に、ポリエチレン・テレフタレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィンなどを用いてもよい。なお、光硬化性樹脂との接着の相性は、合成樹脂よりもガラスの方が良いとされる。
透光性電極としては、ITOを用いることを述べたが、これに限られず、ITOの他に、フッ素添加酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO2)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性金属酸化物を含む薄膜を用いてもよい。
電解質層としては、例えば、ヨウ素系電解液が用いられ、具体的には、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒に溶解されてなるものが用いられる。また、電解質層は電解液に限られるものではなく、固体電解質であっても良い。固体電解質としては、例えば、DMPImI(ジメチルプロピルイミダゾリウムヨウ化物)が用いられ、このほか、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウムなどの金属ヨウ化物、およびテトラアルキルアンモニウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩などのヨウ化物とヨウ素とを組み合わせたもの、または、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウムなどの金属臭化物、およびテトラアルキルアンモニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩などの臭化物と臭素とを組み合わせたものなどが用いられる。
酸化物半導体層は、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5)などの金属酸化物であり、光増感色素は、例えば、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを含む配位子を有するルテニウム錯体や鉄錯体、ポルフィリン系やフタロシアニン系の金属錯体、さらにはエオシン、ローダミン、メロシアニン、クマリンなどの有機色素などである。
集電電極は、透光性電極上に形成される場合を述べたが、これに限られず、対向電極上、または透光性電極上および対向電極上の両方に形成されてもよい。また、集電電極の材料は銀などであり、この他、金、銅、ニッケル、インジウム、スズ、亜鉛、炭素などやこれらの合金、あるいはこれらの微粒子を含んだものであればよく、特に限定されるものではない。また、集電電極の幅と高さが大きいほど、集電電極での電気抵抗が減少するが、幅を大きくしすぎると光電変換素子の発電領域が減少し、高さを大きくしすぎると、透光性電極と対向電極との距離が大きくなって電解質層での電気抵抗が大きくなってしまう。このため、集電電極の幅は0.8mm、高さは20μm程度とすることが望ましい。
なお、実施の形態1および2に係る色素増感太陽電池は、Z型直列接続の色素増感太陽電池である場合を述べたが、これに限られず、例えばW型直列接続であっても、並列接続であっても、一つの光電変換素子のみを有する場合であってもよい。これらの場合、集電電極の構成は不要である。
また、実施の形態1および2では、負極側の材料は透光性を有する材料であり、正極側の材料は透光性を有する材料でない場合を述べたが、これとは逆に、正極側が透光性を有する材料であれば、負極側は透光性を有する材料でなくともよい。
1、2 色素増感体太陽電池
10 負極
11 透光性基板
12 透光性電極
20 正極
21 対向基板
22 対向電極
33 集電電極
34 酸化物半導体層
35 触媒層
36 電解質層
137、237 封止材
T 熱硬化性樹脂
P 光硬化性樹脂
L 光
10 負極
11 透光性基板
12 透光性電極
20 正極
21 対向基板
22 対向電極
33 集電電極
34 酸化物半導体層
35 触媒層
36 電解質層
137、237 封止材
T 熱硬化性樹脂
P 光硬化性樹脂
L 光
Claims (5)
- 透光性基板および前記透光性基板上の透光性電極で構成された負極と、対向基板および前記対向基板上の対向電極で構成され、かつ前記負極と間隔をあけて向かい合う正極と、前記透光性電極上の前記対向電極と向かい合う領域に配置される酸化物半導体層と、前記負極と前記正極との間に配置される電解質層とを備える色素増感太陽電池の製造方法であって、
前記負極上および/または前記対正極上に、封止材の一部としての熱硬化性樹脂を塗布して加熱する工程と、
前記酸化物半導体層の粒子に色素を吸着させる工程と、
前記負極上の熱硬化性樹脂および正極上の熱硬化性樹脂の少なくともいずれか一方の熱硬化性樹脂上に、封止材の一部としての光硬化性樹脂を塗布する工程と、
前記負極と前記正極とを貼り合わせた後に、前記封止材が前記負極と前記正極とを接着させるように、前記光硬化性樹脂に光を照射する工程とを有する
ことを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法。 - 透光性基板および前記透光性基板上の透光性電極で構成された負極と、対向基板および前記対向基板上の対向電極で構成され、かつ前記負極と間隔をあけて向かい合う正極と、前記透光性電極上の前記対向電極と向かい合う領域に配置される酸化物半導体層と、前記負極と前記正極との間に配置される電解質層とを備える色素増感太陽電池の製造方法であって、
前記負極上および/または前記正極上に、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂とが混合された封止材を塗布して加熱する工程と、
前記酸化物半導体層の粒子に色素を吸着させる工程と、
前記負極と前記正極とを貼り合わせた後に、前記封止材が前記負極と前記正極とを接着させるように、前記封止材に光を照射する工程とを有する
ことを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法。 - 前記封止材の加熱を、前記封止材にレーザーを照射することによって行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の色素増感太陽電池の製造方法。 - 前記封止材の加熱を、ヒータまたは炉によって行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の色素増感太陽電池の製造方法。 - 透光性基板および前記透光性電極上の透光性電極とで構成された負極と、
対向基板および前記対向基板上の対向電極で構成され、かつ前記負極と間隔をあけて向かい合う正極と、
前記透光性電極上の前記対向電極と向かい合う領域に配置される酸化物半導体層と、
前記負極および前記正極との間に配置された電解質層と、
前記電解質層を封止し、前記負極と前記正極とを接着する封止材とを備え、
前記封止材は、前記負極および/または前記正極に接する部分が熱硬化性樹脂であり、その他の部分が光硬化性樹脂である
ことを特徴とする色素増感太陽電池。
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WO2017154493A1 (ja) * | 2016-03-10 | 2017-09-14 | 日本ゼオン株式会社 | 色素増感型太陽電池モジュール |
JP2019066619A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | スタンレー電気株式会社 | 電気化学光学装置 |
WO2023189042A1 (ja) * | 2022-03-30 | 2023-10-05 | シャープ株式会社 | 色素増感太陽電池の製造方法 |
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2014
- 2014-03-28 JP JP2014067316A patent/JP2015191986A/ja active Pending
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