JP2014062487A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却装置の除塵部の目詰まりに煩わされることなく、冷却性能を維持することができる作業車両を提供する。
【解決手段】作業車両は、機体後部に配置されて走行および作業の動力を供給するエンジン(6)と、このエンジン(6)の後方配置のエンジン冷却用のラジエタ(127)と、このラジエタ(127)の前側で機体前方から外気を取込んで後方に冷却送風する冷却ファン(128)と、機体の走行速度を抑えるためのブレーキペダル(12)とを備えて構成され、上記冷却ファン(128)を正逆転可能に制御する制御部(100)を設け、この制御部(100)により、上記ブレーキペダル(12)の踏込み操作に応じて冷却ファン(128)を逆転動作可能に構成することにより、操作性およびメンテナンス性の向上により前方視界の確保による作業車両本来の精度と能率を生かすことができるものである。
【選択図】図11
【解決手段】作業車両は、機体後部に配置されて走行および作業の動力を供給するエンジン(6)と、このエンジン(6)の後方配置のエンジン冷却用のラジエタ(127)と、このラジエタ(127)の前側で機体前方から外気を取込んで後方に冷却送風する冷却ファン(128)と、機体の走行速度を抑えるためのブレーキペダル(12)とを備えて構成され、上記冷却ファン(128)を正逆転可能に制御する制御部(100)を設け、この制御部(100)により、上記ブレーキペダル(12)の踏込み操作に応じて冷却ファン(128)を逆転動作可能に構成することにより、操作性およびメンテナンス性の向上により前方視界の確保による作業車両本来の精度と能率を生かすことができるものである。
【選択図】図11
Description
本発明は、芝刈機や除雪機や清掃機等を装着可能に構成した後部エンジン配置の作業車両に関するものである。
作業車両の原動部冷却装置は、特許文献1および特許文献2に記載のように、エンジンに接して配置した冷却ファンとラジエタとによって構成され、また、金網等の除塵部を設けて圃場作業における大量の塵埃からラジエタを保護するとともに、冷却ファンを逆転動作可能に構成することにより、付着塵埃を吹き飛ばして除塵部の目詰まりによるエンジンの冷却不良を回避しつつ、圃場作業を続行することができる。
しかしながら、冷却ファンの逆転動作の間はエンジン冷却が不十分となることから、除塵部の目詰まりの程度と作業内容とをオペレータが勘案して逆転によるゴミ排出のタイミングを決定する必要があり、煩わしいのみならず、塵埃排出のために逆転動作を多用すると作業中断によって能率低下を招き、また、タイミングを誤るとエンジンのオーバーヒートを招くという問題が避けられなかった。
特に、エンジンを機体後部に搭載して低位置で広い作業視界を有する多目的作業車両は、機体の前後や下部に芝刈機等の作業機を装着することにより高精度高能率作業を可能とする一方で、作業機が発生する粉塵を機体後部に配置の冷却ファンが吸引することがあるので、除塵部の目詰まりによるエンジンのオーバーヒートに常に気を配りつつ、ファン逆転によるゴミ排出のタイミングを計る必要から、多目的作業車両本来の作業の精度と能率を生かし切れないという問題があった。
本発明の課題は、冷却装置の除塵部の目詰まりに煩わされることなく、冷却性能を維持して本来の作業の精度と能率を生かすことができる作業車両を提供することにある。
請求項1に係る発明は、機体後部に配置されて走行および作業の動力を供給するエンジン(6)と、このエンジン(6)の後方配置のエンジン冷却用のラジエタ(127)と、このラジエタ(127)の前側で機体前方から外気を取込んで後方に冷却送風する冷却ファン(128)と、機体の走行速度を抑えるためのブレーキペダル(12)とを備える作業車両において、上記冷却ファン(128)を正逆転可能に制御する制御部(100)を設け、この制御部(100)により、上記ブレーキペダル(12)の踏込み操作に応じて冷却ファン(128)を逆転動作可能に構成したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、機体後部に配置されて走行および作業の動力を供給するエンジン(6)と、このエンジン(6)の後方配置のエンジン冷却用のラジエタ(127)と、このラジエタ(127)の前側で機体前方から外気を取込んで後方に冷却送風する冷却ファン(128)と、機体の走行速度を増速調節するための無段変速ペダル(5)と、を備える作業車両において、上記冷却ファン(128)を正逆転可能に制御する制御部(100)を設け、この制御部(100)により、上記無段変速ペダル(5)の解放操作に応じて冷却ファン(128)を逆転動作可能に構成したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、機体後部に配置されて走行および作業の動力を供給するエンジン(6)と、このエンジン(6)の後方配置のエンジン冷却用のラジエタ(127)と、このラジエタ(127)の前側で機体前方から外気を取込んで後方に冷却送風する冷却ファン(128)と、作業機に動力を供給するためのPTOスイッチ(122)とを備える作業車両において、上記冷却ファン(128)を正逆転可能に制御する制御部(100)を設け、この制御部(100)により、上記PTOスイッチ(122)のオフ操作に応じて冷却ファン(128)を逆転動作可能に構成したことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、機体後部に配置されて走行および作業の動力を供給するエンジン(6)と、このエンジン(6)の後方配置のエンジン冷却用のラジエタ(127)と、このラジエタ(127)の前側で機体前方から外気を取込んで後方に冷却送風する冷却ファン(128)と、中立位置から機体の前後進方向を選択するための前後進切換レバー(R)とを備える作業車両において、上記冷却ファン(128)を正逆転可能に制御する制御部(100)を設け、この制御部(100)により、上記前後進切換レバー(R)の中立操作に応じて冷却ファン(128)を逆転動作可能に構成したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によると、機体後部に配置のエンジン(6)によって前方視界の確保が可能な作業車両について、作業走行の際は、エンジン(6)の後方の冷却ファン(128)が機体前方から取込んだ外気を後方のラジエタ(127)に送風して機体後方に排出する効率的な冷却送風によりエンジン冷却水の昇温が抑えられてエンジン(6)の作動が維持され、この場合において、ブレーキペダル(12)の踏込み操作によって走行機体の車速が抑えられると、冷却ファン(128)が制御部(100)によってを逆転動作することから、機体の抑速とともに、冷却ファン(128)が機体後方から外気を取り込んで逆流送風し、それまでの冷却送風によってラジエタ(127)の前側に付着したゴミが押し戻されるようにして排出除去される。したがって、冷却ファン(128)の逆転のためのオペレータによるスイッチ操作を要することなく、ラジエタ(127)の付着ゴミによる目詰まりが随時解消されるので、操作性およびメンテナンス性の向上により前方視界の確保による作業車両本来の精度と能率を生かすことができる。
請求項2に係る発明によると、機体後部に配置のエンジン(6)によって前方視界の確保が可能な作業車両について、作業走行の際は、エンジン(6)の後方の冷却ファン(128)が機体前方から取込んだ外気を後方のラジエタ(127)に送風して機体後方に排出する効率的な冷却送風によりエンジン冷却水の昇温が抑えられてエンジン(6)の作動が維持され、この場合において、無段変速ペダル(5)の解放操作によって走行機体の車速が抑えられると、冷却ファン(128)が制御部(100)によってを逆転動作することから、機体の抑速とともに、冷却ファン(128)が機体後方から外気を取り込んで逆流送風し、それまでの冷却送風によってラジエタ(127)の前側に付着したゴミが押し戻されるようにして排出除去される。したがって、冷却ファン(128)の逆転のためのオペレータによるスイッチ操作を要することなく、ラジエタ(127)の付着ゴミによる目詰まりが随時解消されるので、操作性およびメンテナンス性の向上により前方視界の確保による作業車両本来の精度と能率を生かすことができる。
請求項3に係る発明によると、機体後部に配置のエンジン(6)によって前方視界の確保が可能な作業車両について、作業走行の際は、エンジン(6)の後方の冷却ファン(128)が機体前方から取込んだ外気を後方のラジエタ(127)に送風して機体後方に排出する効率的な冷却送風によりエンジン冷却水の昇温が抑えられてエンジン(6)の作動が維持され、この場合において、PTOスイッチ(122)のオフ操作によって作業機への動力供給が停止されると、冷却ファン(128)が制御部(100)によってを逆転動作することから、作業機の動作停止とともに、冷却ファン(128)が機体後方から外気を取り込んで逆流送風し、それまでの冷却送風によってラジエタ(127)の前側に付着したゴミが押し戻されるようにして排出除去される。したがって、冷却ファン(128)の逆転のためのオペレータによるスイッチ操作を要することなく、ラジエタ(127)の付着ゴミによる目詰まりが随時解消されるので、操作性およびメンテナンス性の向上により前方視界の確保による作業車両本来の精度と能率を生かすことができる。
請求項4に係る発明によると、機体後部に配置のエンジン(6)によって前方視界の確保が可能な作業車両について、作業走行の際は、エンジン(6)の後方の冷却ファン(128)が機体前方から取込んだ外気を後方のラジエタ(127)に送風して機体後方に排出する効率的な冷却送風によりエンジン冷却水の昇温が抑えられてエンジン(6)の作動が維持され、この場合において、前後進切換レバー(R)の中立操作によって走行が停止されると、冷却ファン(128)が制御部(100)によってを逆転動作することから、走行の停止とともに、冷却ファン(128)が機体後方から外気を取り込んで逆流送風し、それまでの冷却送風によってラジエタ(127)の前側に付着したゴミが押し戻されるようにして排出除去される。したがって、冷却ファン(128)の逆転のためのオペレータによるスイッチ操作を要することなく、ラジエタ(127)の付着ゴミによる目詰まりが随時解消されるので、操作性およびメンテナンス性の向上により前方視界の確保による作業車両本来の作業の精度と能率を生かすことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に示す実施例を参照しながら説明する。
本発明の適用対象となる作業車両である多目的作業車は、図1と図2に全体図を示すように、モノコックフレームに左右の前輪8,8と左右の後輪9,9からなる走行装置10を操舵可能に支持し、一般的なトラクタの構成と前後を逆に、すなわち、エンジン6を機体中央後部に配置し、後に詳述するように、「HST」と略称する静油圧式の無段変速機構1を内設したトランスミッション14を機体前部に配置する。その機体前部に操縦部2dと座席11aを備えるキャビン11を設け、後部に荷台2tを設け、かつ、作業機動力として機体前部のキャビン11下部にPTO軸13を備えている。
本発明の適用対象となる作業車両である多目的作業車は、図1と図2に全体図を示すように、モノコックフレームに左右の前輪8,8と左右の後輪9,9からなる走行装置10を操舵可能に支持し、一般的なトラクタの構成と前後を逆に、すなわち、エンジン6を機体中央後部に配置し、後に詳述するように、「HST」と略称する静油圧式の無段変速機構1を内設したトランスミッション14を機体前部に配置する。その機体前部に操縦部2dと座席11aを備えるキャビン11を設け、後部に荷台2tを設け、かつ、作業機動力として機体前部のキャビン11下部にPTO軸13を備えている。
また、操縦部2dには、図3に示す如く、ハンドルコラム2cを立設してステアリングハンドルSを設け、ハンドルコラム2cの左側部に前後進切換レバーR、ハンドルコラム2cの基部にはその右側位置に車速調節用のHSTペダル5、左側位置にブレーキペダル12等の操作手段をそれぞれ配置する。
また、ハンドルコラム2cには、エンジン6を始動するキースイッチ94を設けている。このキースイッチ94は、オン位置に回すとエンジン6が始動し、オフ位置に回すとエンジン6が停止するが、ステアリングハンドルSの中央上面に緊急エンジン停止スイッチ95を設けて、緊急時にこの緊急エンジン停止スイッチ95を押すとエンジン6が停止するようにしている。
さらに、ブレーキペダル12の近くに、後述する高速油圧クラッチ51か低速油圧クラッチ52のどちらか或いは両方を切にして走行装置10への動力伝動を断って走行を停止する緊急走行停止スイッチ96を設けている。
これらの緊急エンジン停止スイッチ95と緊急走行停止スイッチ96はどちらか一方を設けるだけでも良い。
トランスミッション14は、無段変速機構1および多段ギア変速機構7を直列に内設して前後輪8,9とPTO出力軸13に駆動力を伝動する。前後進切換レバーRを操作してHSTペダル5を踏むと、エンジン6からの動力はトランスミッション14内の無段変速機構1で変速され、さらに、多段ギア変速機構7で変速されて、後輪9,9のみまたは、後輪9,9と前輪8,8の両方に伝達され、機体は前進または後進する。
トランスミッション14は、無段変速機構1および多段ギア変速機構7を直列に内設して前後輪8,9とPTO出力軸13に駆動力を伝動する。前後進切換レバーRを操作してHSTペダル5を踏むと、エンジン6からの動力はトランスミッション14内の無段変速機構1で変速され、さらに、多段ギア変速機構7で変速されて、後輪9,9のみまたは、後輪9,9と前輪8,8の両方に伝達され、機体は前進または後進する。
また、ブレーキペダル12を踏むと前輪8,8と後輪9,9のディスクブレーキ(図示せず)を作動させるとともに、HSTの可変油圧ポンプのトラニオン軸を中立に戻し、HSTの定量油圧モータからの出力を停止する。また、HSTペダル5とブレーキペダル12を同時に踏むとブレーキペダル12が優先する。
PTO軸13には各種の作業機を接続して多目的作業を可能とする。例えば、路上清掃機を機体に装着して路上清掃を行ったり、芝刈機を装着して芝刈作業を行ったり、雪掻機を設けて除雪などの作業を行う。
機体の中央後側に搭載するエンジン6の前側にキャブレータに吸引する空気を浄化するエアクリーナ90と空気をファンで吸引するレシーバ(吸引風冷却装置)91を配置し、エアクリーナ90とレシーバ91の間に反射板93を設けてレシーバ91の熱がエアクリーナ90に伝わらないようにしている。さらにレシーバ91の上側を後方へ下り傾斜した天板118を設け、この天板118の前側に開口部89を形成し、開口部89上にオイルクーラ97を設け、オイルクーラ97の上側をフード92で覆っている。
このフード92には、キャビン11の後壁119との間に第一取込口99aと後方に向かって開口した第二取込口99bを形成し、レシーバ91が吸引する吸引風が第一取込口99aと第二取込口99bからフード92内に入りオイルクーラ97を冷却する。
エンジン6の後部には、図4の要部拡大平面図(a)および側面図(b)に示すように、エンジン冷却用のラジエタ127を配置し、その前側に冷却ファン128を配置し、前方のエンジン6の外側から冷却風を吸引してラジエタ127の後方に排出するとともに、条件に応じて冷却ファン128を逆転制御可能に構成する。
次に、ミッションケース14の内部構造を図5乃至図8で説明する。
ミッションケース14は、図5と図6に示す如く、前ケース15、繋ぎケース16、中間ケース17、後ケース18の4つの中空ケースを連結した構成で、後ケース18に軸支した入力軸19にエンジン6の駆動力が入力し、この入力軸19の回転がインプットケース20内の増速ギア21,22で第一中継軸23へ伝動し、さらに増速ギア24,25で増速され、この増速ギア25に無段変速機構1の油圧入力軸38をスプライン嵌合している。
ミッションケース14は、図5と図6に示す如く、前ケース15、繋ぎケース16、中間ケース17、後ケース18の4つの中空ケースを連結した構成で、後ケース18に軸支した入力軸19にエンジン6の駆動力が入力し、この入力軸19の回転がインプットケース20内の増速ギア21,22で第一中継軸23へ伝動し、さらに増速ギア24,25で増速され、この増速ギア25に無段変速機構1の油圧入力軸38をスプライン嵌合している。
繋ぎケース16は従来の前ケース15と中間ケース17を連結してミッションケース14を長くするもので、前ケース15と中間ケース17及び後ケース18を従来のミッションケースと共用化することで製作コストを低く出来る。
増速ギア21,22と増速ギア24,25を内装するインプットケース20は、高速走行を可能にするためにエンジン6の出力回転を増速するために設けるもので、従来のトラクタのミッションケース14内に伝動機構を収納可能にしている。このインプットケース20は図6に示す如く、密封ケースにしてミッションケース14の外部へ通じる給油管からオイルを給油するようにすれば、増速ギア21,22,24,25の修理の際にミッションケース14内のオイルを抜かずにインプットケース20のみを取り外せるので、作業が楽になる。
無段変速機構1の内部では油圧変速により出力を大きく無段階で変速して、PTO駆動軸26と走行駆動軸27の二つの軸へ出力する。
PTO駆動軸26にはPTOギア軸28を連結し、このPTOギア軸28のギア29と第二中継軸30に遊嵌したギア31を噛み合わせ、このギア31をPTO軸32に装着したPTOクラッチ34のギア33に噛み合わせている。PTOクラッチ34はギア33からPTO軸32への回転伝動を断続する。
PTO駆動軸26にはPTOギア軸28を連結し、このPTOギア軸28のギア29と第二中継軸30に遊嵌したギア31を噛み合わせ、このギア31をPTO軸32に装着したPTOクラッチ34のギア33に噛み合わせている。PTOクラッチ34はギア33からPTO軸32への回転伝動を断続する。
PTO軸32にはPTO延長軸35を連結し、このPTO延長軸35のギア36をPTO出力軸13にスプライン嵌合したクラッチギア37に噛み合わせてPTO出力軸13を駆動している。(図7参照)
PTOクラッチ34の詳細を図8に示しているが、クラッチ入ではクラッチ盤88が繋がってケーシング86が回転して伝動するが、クラッチ切では戻しバネ87の圧でクラッチ盤88が離れてケーシング86をフリーにする。この時にケーシング86の付き回りを防ぐ為に繋ぎケース16のボス部81に当接する係止リング85をケーシング86の外周に装着している。
PTOクラッチ34の詳細を図8に示しているが、クラッチ入ではクラッチ盤88が繋がってケーシング86が回転して伝動するが、クラッチ切では戻しバネ87の圧でクラッチ盤88が離れてケーシング86をフリーにする。この時にケーシング86の付き回りを防ぐ為に繋ぎケース16のボス部81に当接する係止リング85をケーシング86の外周に装着している。
走行駆動軸27には第三中継軸39を連結し、この第三中継軸39に固着したギア40ヘギア41,42を噛み合わせて第四中継軸43に伝動する。第四中継軸43にはメインギア軸44を連結している。
メインギア軸44には、大ギア45と中ギア46を一体的に固着し、このメインギア軸44の延長上にサブギア軸47を分離して回転可能に軸支している。このサブギア軸47には小ギア48と大ギア74及び走行伝動ギア75を一体的に固着している。従って、大ギア45と中ギア46は同一回転をし、小ギア48と大ギア74は後述するクラッチギア77からの回転を受ける。(図8参照)
大ギア45はクラッチ軸49に装着した高速油圧クラッチ51のギア50と噛み合い、中ギア46はクラッチ軸49に装着した低速油圧クラッチ52のギア53と噛み合い、メインギア軸44の回転をクラッチ軸49へ高速或いは低速で伝動する。
大ギア45はクラッチ軸49に装着した高速油圧クラッチ51のギア50と噛み合い、中ギア46はクラッチ軸49に装着した低速油圧クラッチ52のギア53と噛み合い、メインギア軸44の回転をクラッチ軸49へ高速或いは低速で伝動する。
クラッチ軸49の延長上にスプライン軸76をスプライン嵌合し、このスプライン軸76にクラッチギア77をスプライン嵌合して、クラッチ軸49の回転をクラッチギア77に伝動している。また、クラッチ軸49を支持する繋ぎケース16のボス部81にはクラッチ軸49の油圧孔に通じる油圧用孔82,83,84を設けて、高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52に作動油を送るようにしている。
クラッチギア77には大ギア78と小ギア73を形成し、大ギア78が前記サブギア軸47の小ギア48に噛み合って増速伝動して高速ギアクラッチ3aを構成したり、小ギア79がサブギア軸47の大ギア74に噛み合って減速伝動して低速ギアクラッチ3bを構成したり、大ギア78と小ギア73が共に游転して動力切になるようにして高低ギア変速クラッチ3を構成している。
サブギア軸47の走行伝動ギア75は、スプライン軸76に遊嵌したベベルギア軸62にスプライン嵌合した走行ギア56に噛み合ってベベルギア軸62を駆動している。ベベルギア軸62のベベルギア63が前輪8の車軸へ装着したベベルギアへ駆動力を伝動するのである。
ベベルギア軸62は、高速油圧クラッチ51からクラッチギア77の大ギア78とサブギア軸47の小ギア48への伝動による四速か、高速油圧クラッチ51からクラッチギア77の小ギア73とサブギア軸47の大ギア74への伝動による三速か、低速油圧クラッチ52からクラッチギア77の大ギア78とサブギア軸47の小ギア48への伝動による二速か、低速油圧クラッチ52からクラッチギア77の小ギア73とサブギア軸47の大ギア74への伝動による一速かのどれかで回転することになる。
高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52と高低ギア変速クラッチ3を多段ギア変速機構7という。
また、ベベルギア軸62の回転は、走行ギア56からPTO軸32に装着した大小ギア59の小ギア部57へ伝動し、さらに大ギア部58に噛み合う後輪駆動軸61のクラッチギア60で適宜に後輪9へ駆動力を伝動可能にしている。
また、ベベルギア軸62の回転は、走行ギア56からPTO軸32に装着した大小ギア59の小ギア部57へ伝動し、さらに大ギア部58に噛み合う後輪駆動軸61のクラッチギア60で適宜に後輪9へ駆動力を伝動可能にしている。
走行ギア56は、ベベルギア軸62に伝動すると共に大小ギア59を介して後輪駆動軸61へ伝動しているので、伝動構成を単純化して前後に長くなるのを防いでいる。
尚、高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52はコントローラからの制御信号によりソレノイドを介してどちらかを入に保持するのであるが、ブレーキペダル12の踏み込みを検出するスイッチを設けて、このスイッチの踏込み信号で高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52のソレノイドへの電力を断って両クラッチ51,52をニュートラルにするようにしている。このニュートラルの状態でブレーキを作用することで素早く停止でき、ギア変速クラッチ3の切換えがスムースに行える。
尚、高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52はコントローラからの制御信号によりソレノイドを介してどちらかを入に保持するのであるが、ブレーキペダル12の踏み込みを検出するスイッチを設けて、このスイッチの踏込み信号で高速油圧クラッチ51と低速油圧クラッチ52のソレノイドへの電力を断って両クラッチ51,52をニュートラルにするようにしている。このニュートラルの状態でブレーキを作用することで素早く停止でき、ギア変速クラッチ3の切換えがスムースに行える。
図9は、変速レバー4を示し、変速溝65を中央のニュートラル位置Nから前後位置H,Lに回動することで、前記のギア変速クラッチ3の高速ギアクラッチ3aが入か低速ギアクラッチ3bが入に変速し、この変速レバー4のグリップ66の頭部に設ける増速ボタン67を押すと高速油圧クラッチ51を入動作し、減速ボタン68を押すと低速油圧クラッチ52を入動作する。
また、変速溝65には変速レバー4の位置を検出するセンサ70H,Lを設けて、変速レバー4が低速位置Lから高速位置Hに移動すると高速油圧クラッチ51が入であっても切にして、低速油圧クラッチ52が入になって三速になり、高速位置Hから低速位置Lに移動すると低速油圧クラッチ52が入であっても切にして、高速油圧クラッチ51が入になって二速になるようマイコン制御を行っている。なお、高速油圧クラッチ51を入りにする場合には、HSTペダル5が3/4以上踏込まれて無段変速機構が高速であれば一旦低速にして変速ショックを低減させる。また、変速レバー4が低速位置Lで減速ボタン68を押すと一速になり、変速レバー4が高速位置Hで増速ボタン67を押すと四速になる。
図10は、マイクロコンピュータ100の制御ブロック図である。
マイクロコンピュータ100へ入力するデータ信号は、HSTペダル5の踏込み角度がHSTペダルセンサ103から入力し、トラニオンセンサ(A,B)104からHST1のトラニオン軸の回動角度が入力し、リニアレバーセンサ105から前後進切換レバーRの前後進切換信号が入力し、クルーズコントロールスイッチ106からオートクルーズのオン・オフ信号が入力し、増減速スイッチ107から増減速設定信号が入力し、クルーズコントロールメモリスイッチ108から走行速度設定信号が入力し、ブレーキペダルセンサ109からブレーキペダル12の踏込み信号が入力し、車速センサ110から走行速度信号が入力し、HST回転軸センサ111からHST1で変速された走行駆動軸27の回転数が入力し、駐車ブレーキセンサ101からブレーキのオン信号が入力し、外気温度センサ102から外気温度が入力し、HSTオイルセンサ121からHST1のオイル温度が入力する。そのほか、PTOスイッチ122、油圧センサ123の信号を入力する。
マイクロコンピュータ100へ入力するデータ信号は、HSTペダル5の踏込み角度がHSTペダルセンサ103から入力し、トラニオンセンサ(A,B)104からHST1のトラニオン軸の回動角度が入力し、リニアレバーセンサ105から前後進切換レバーRの前後進切換信号が入力し、クルーズコントロールスイッチ106からオートクルーズのオン・オフ信号が入力し、増減速スイッチ107から増減速設定信号が入力し、クルーズコントロールメモリスイッチ108から走行速度設定信号が入力し、ブレーキペダルセンサ109からブレーキペダル12の踏込み信号が入力し、車速センサ110から走行速度信号が入力し、HST回転軸センサ111からHST1で変速された走行駆動軸27の回転数が入力し、駐車ブレーキセンサ101からブレーキのオン信号が入力し、外気温度センサ102から外気温度が入力し、HSTオイルセンサ121からHST1のオイル温度が入力する。そのほか、PTOスイッチ122、油圧センサ123の信号を入力する。
マイクロコンピュータ100から出力される制御信号は、トラニオン前進モータ112とトラニオン後進モータ113への駆動信号と、警報ブザー114への鳴動信号と、警報表示パネル115への表示信号と、低速油圧クラッチ52を作動する低速クラッチソレノイド116への一速と二速への切換信号と、高速油圧クラッチ51を作動する高速クラッチソレノイド117への三速と四速への切換信号、冷却ファン128の正逆転信号等である。
マイクロコンピュータ100による制御は、例えば、駐車ブレーキセンサ101からオン信号が入力中にHSTペダルセンサ103から踏込み信号が入力すれば、警報ブザー114を鳴らせるようにして、駐車ブレーキをしたままでの走行に注意を促がす。また、駐車ブレーキセンサ101からオン信号が入力中に車速センサ110から走行信号が出ると、警報ブザー114を鳴らして、不測の走行を防ぐ。
また、HSTオイルセンサ121が検出するHST1内のオイル温度が所定温度以上になれば、増減速スイッチ107から増速信号が入力したら増速割合を低下させ、さらに上限温度に達すると増減速スイッチ107から増速信号が入力しても増速させないようにして、HST1のオーバーヒートによる作業中断を防ぐ。
図示を省略するが、前輪と後輪を操舵する油圧シリンダを設けた構成で、二輪操舵と四輪操舵の切換スイッチを設け、二輪操舵の時の油圧力を四輪操舵の時の油圧力の半分になるように油圧回路のバルブを切り換えて操舵機構に過大な負荷が加わらないようにする。
また、四輪駆動や四輪操舵で高速走行を行おうとすると警報を出したり高速への変速を出来ないように制御したりして、四輪駆動による車輪の摩耗を防ぎ、四輪操舵による操舵時の転倒を防ぐ。
夜間走行で高速走行にすると電力不足でライトが暗くなったり、雨天時に草刈り作業を行うと負荷が増大して詰りが生じたりするので、ライトスイッチやワイパースイッチをオンすると走行速度を低下する制御を行う。
住宅の近くて作業をする時に騒音を少なくするためのエコモードスイッチを設け、このエコモードスイッチをオンしてエンジンを起動している場合には、各種の警報の音量を小さくするように制御する。
予熱スイッチを有するディーゼルエンジンの場合に、キースイッチを予熱位置にした際にパーキングブレーキをしていなかったり燃料切れであったりエンジン回転がアイドリング位置になっていなければ警報を出すように制御する。
PTO軸を駆動してオートクルーズで作業した場合には、前輪或は後輪の操舵を検出すると走行速度を低下させる制御を行って、機体が揺れたり車輪がスリップしたりするのを防ぐ制御を行う。
(冷却ファン制御)
次に、冷却ファン128は、エンジン6の始動とともに正転駆動してラジエタ127に冷却送風することによりエンジン冷却水の昇温を抑え、所定の条件に該当する場合に限り逆転制御を行う。例えば、ブレーキ操作に関する連動制御のフローチャートを図11に示すように、ブレーキペダルセンサ109の踏込み信号に基づいてブレーキペダル12の踏込み操作を判定する第1のステップ(以下において、「S1」の如く略記する。)により、踏込み操作がない場合に正転信号(S2)によって冷却ファン128を正転駆動し、また、踏込み操作に該当する場合に逆転信号(S3)によって冷却ファン128を逆転駆動する。
次に、冷却ファン128は、エンジン6の始動とともに正転駆動してラジエタ127に冷却送風することによりエンジン冷却水の昇温を抑え、所定の条件に該当する場合に限り逆転制御を行う。例えば、ブレーキ操作に関する連動制御のフローチャートを図11に示すように、ブレーキペダルセンサ109の踏込み信号に基づいてブレーキペダル12の踏込み操作を判定する第1のステップ(以下において、「S1」の如く略記する。)により、踏込み操作がない場合に正転信号(S2)によって冷却ファン128を正転駆動し、また、踏込み操作に該当する場合に逆転信号(S3)によって冷却ファン128を逆転駆動する。
上記制御処理構成により、通常、ブレーキペダル12を踏まない時に冷却ファン128が正転することにより、機体前方から冷却風をラジエタ127に受けて冷却しつつ機体後方に排出する。次に、ブレーキペダル12を踏むと、冷却ファン128が逆転することにより、機体後方からラジエタ127に空気を受けて前方に送出することにより、ラジエタ127の前側に付着したゴミなどを除去することができる。
上記制御の実施のための具体的な適用制御処理は、図12のフローチャートの例に示すように、踏込み判定(S1)によりブレーキペダル12の踏込み操作が無い場合は、前回の逆転動作から所定の経過時間S秒の条件(S1a)を満たしていない場合に冷却ファン128を正転駆動(S2)し、一方、ブレーキペダル12を操作した場合は、前回の踏込み操作から所定の経過時間N秒の条件(S1b)を満たしていない場合に冷却ファン128を正転駆動(S2)する。
また、ブレーキペダル12の操作が無い場合において、前回の逆転動作から所定の経過時間S秒の条件(S1a)を満たした時に冷却ファン128の逆転駆動(S3)を所定のA秒間継続(S4)し、一方、ブレーキペダル12を踏込み操作した場合は、前回の踏込み操作から所定の経過時間N秒の条件(S1b)を満たした時に冷却ファン128の逆転駆動(S3)を所定のA秒間継続(S4)する。
このようにして、オペレータによる冷却ファン128の回転方向切換えのスイッチ操作を要することなく、ブレーキペダル12の操作に応じてラジエタ127の付着ゴミが随時除去されることから、操作性およびメンテナンス性の向上が可能となる。
また、図13〜図15の連動制御のフローチャートに示すように、HSTペダル5の開放判定(S11)、PTOスイッチのオフ判定(S12)、前後進切換レバーRの中立判定(S13a,S13b)に基づく冷却ファン128の回転方向切換えの制御処理により、同様にしてラジエタ127の付着ゴミの除去が可能となり、そのほか、オイルプレッシャスイッチのオフ検出、変速レバー4の中立操作に対応してラジエタ127の付着ゴミを除去する制御構成により、前記同様の効果を得ることができる。
(フロントモーア)
次に、フロントモーア構成の多目的作業車について説明する。
多目的作業車は、本体平面図(a)および側面図(b)を図16に示すように、シート後部のフェンダ131に上面と前面の冷却吸入口132a,132bを追加形成してネット133を設けることにより、装着部135を介してモーアデッキ136を機体前部に装着して刈放し走行による残留刈草型のフロントモーアとしての適用が可能となる。なお、モーアデッキ136およびその装着部135については、別途詳述する。図16(a)はモーアデッキを省略している。
次に、フロントモーア構成の多目的作業車について説明する。
多目的作業車は、本体平面図(a)および側面図(b)を図16に示すように、シート後部のフェンダ131に上面と前面の冷却吸入口132a,132bを追加形成してネット133を設けることにより、装着部135を介してモーアデッキ136を機体前部に装着して刈放し走行による残留刈草型のフロントモーアとしての適用が可能となる。なお、モーアデッキ136およびその装着部135については、別途詳述する。図16(a)はモーアデッキを省略している。
残留刈草型のフロントモーアを構成するための追加の冷却吸入口132a,132bは、枯草の綿埃が少ないシート後部において、地上より高いフェンダ131に開口することにより、移動速走行下で後方排出される刈草によって機体側面の冷却吸入口が目詰まりする作業条件下においても、外気の吸入を確保することができるので、フロントモーア構成による刈放しの圃場作業の場合においてもオーバーヒートを招くことなく、高速の草刈作業が可能となる。
上記冷却吸入口132a,132bに設けたネット133は、フェンダ131の下部内に入った埃の清掃のために取外し可能に構成することにより、仮想線にて示すように、フード134を開けてタンク後方からの効率の悪いエアブローA1による清掃作業を強いられることなく、冷却吸入口132aからのエアブローA2によって容易に清掃することができる。
また、シート下部のフェンダ131にメンテナンス口137を形成することにより、大型部材であるフェンダ131を外さなくても、その下部のハーネス関係のメンテナンスが可能となる。また、シート下部にネット133の綿埃が溜まっても、メンテナンス口137に落とすことができる。
(ラジエタ)
次に、ラジエタ周辺構成について説明する。
金網サイド部との関係については、ラジエタ部構成の三面図を図17に示すように、冷却ファン128との間でラジエタ127前に金網141と金網枠プレート142とを配置し、この金網枠プレート142は、ラジエタ127の両サイドを遮断しない幅、すなわち、ラジエタ127の両サイド幅より大きくして間を空けて構成し、または、金網141とラジエタ127の両サイド間の隙を利用して冷却風Fを流すように構成することにより、ラジエタ127の両サイドまで冷却されて冷却効率を上げることができる。
次に、ラジエタ周辺構成について説明する。
金網サイド部との関係については、ラジエタ部構成の三面図を図17に示すように、冷却ファン128との間でラジエタ127前に金網141と金網枠プレート142とを配置し、この金網枠プレート142は、ラジエタ127の両サイドを遮断しない幅、すなわち、ラジエタ127の両サイド幅より大きくして間を空けて構成し、または、金網141とラジエタ127の両サイド間の隙を利用して冷却風Fを流すように構成することにより、ラジエタ127の両サイドまで冷却されて冷却効率を上げることができる。
また、ラジエタ127前の金網サイド前にマフラー側の高温風をラジエタサイド横壁に沿って排出するガイドプレート143を設ける。このガイドプレート143により、マフラー側の高温風がラジエタフィン側に流れないようにできるので、ラジエタ冷却効率を改善することができ、同時にファン側金網141の綿埃溜まりを改善することができる。
また、金網141の上下部については、ラジエタ127の上部と下部のタンク127a,127bの冷却のために、これら上下のタンク127a,127bのタンクベースを遮断しない範囲に金網枠プレート142の高さを限定する。このように金網枠プレート142の高さ規制を設けることにより、タンクベースの冷却風Fの流れを確保することができることから、上下のタンク127a,127bの冷却によってラジエタ127の冷却効率を上げることができる。
また、ラジエタ127と金網141との相互関係図を図18に示すように、金網141とラジエタフィン127cとの間に金網規制部材144を設ける。金網規制部材144は、金網141の波打ち変形を規制して、金網141とラジエタフィン127cとの干渉を防止できるので、小径網線によって開口率を上げつつ網目を小さくした金網の適用が可能となる。その結果、小網目によってラジエタフィン127cに溜まる綿埃を低減でき、また、開口率の増加に伴う冷却風速の増加によってラジエタフィン127cに溜まる綿埃を吹き飛ばすことができ、高速の刈放し作業に対応することが可能となる。
また、金網141の取扱いとの関係については、ラジエタ127の上部タンク127aから延びるアッパホース127dと、コレクターによる集草作業共用機の場合にラジエタ127の両側配置のコレクタフレーム145とが金網141の取出しに障害とならないように、金網141の外形を取出し方向Rに変形した平行四辺形に構成する。
金網サイド部については、金網支持部の側面図(a)、部分正面図(b)およびA―A線拡大断面図(c)を図19に示すように、ラジエタ127前の金網サイド前にファン側金網141の綿埃を流すスリット状の隙間Sを複数箇所に形成する。この隙間Sにより、冷却風Fを利用してラジエタ127の金網141の綿埃溜まりを改善することができるので、高速走行による刈放し作業時のフロントモーアにおけるオーバーヒートの問題を解消することができる。
ラジエタ127の下部支持構成については、ロアホース127e側の支持部の三面図を図20に示すように、ラジエタ127のロアホース127eの側を支持ステー146により支持する。この支持ステー146は、その単体背面図を図21に示すように、下端部にラジエタ127を下支えする基台部156aを備え、この基台部156aは、下部タンク127bから延びるロアホース127eおよびドレンホース127fを回避するとともに、ガイドカバー取付ボルトの回避孔146bを形成し、低位配置の下部タンク127bに一体に取付ける。
このように支持ステー146を構成することにより、容量増加のためにラジエタ127を下方に延ばして最大限の冷却能力を確保することができ、この冷却能力の増加により、刈放しの高速草刈りにおけるオーバーヒートの問題に対応することが可能となる。
(モーアデッキ)
ここで、モーアデッキおよびその装着部について、構成解説用の参考例に沿って説明する。
フロントモーアの装着装置は、横軸1周りにフリップアップ回動可能(図25、図26参照)のモーアデッキ2を、リフトリンク3の前端部に対して縦軸4周りに横振回動可能(図22、図23、図27参照)に設けたことを特徴とするフロントモーア装着装置の構成とする。モーアデッキ2を左右一対のリフトリンク3の前端部に装着して、この底部に軸装のブレードを連動回転して、車体走行しながら芝草の刈取作業を行うことができる。このモーアデッキ2の昇降は、リフトアームの上下回動によってリフトリンク3を昇降させて行わせ、刈取姿勢に下降させたり、非刈取姿勢に上昇させたり、又、刈取高を調節することができる。又、このモーアデッキ2のメンテナンス作業を行うときは、車体走行、及びブレード連動を止めた状態で、モーアデッキ2を左、右一側のリフトリンク3の縦軸4周りに前側横方向へ適宜角度に回動させて、このモーアデッキ2を、車体前端部の前横側寄り位置へ偏位させる。この横振偏位姿勢のモーアデッキ2を、横軸1の周りにフリップアップ回動(図24参照)させて、このモーアデッキ2の底面を斜め前方横方向、又は真横方向へ向けて露出させて、ブレードの着脱等のメンテナンス作業を行い易い状態を維持することができる。
ここで、モーアデッキおよびその装着部について、構成解説用の参考例に沿って説明する。
フロントモーアの装着装置は、横軸1周りにフリップアップ回動可能(図25、図26参照)のモーアデッキ2を、リフトリンク3の前端部に対して縦軸4周りに横振回動可能(図22、図23、図27参照)に設けたことを特徴とするフロントモーア装着装置の構成とする。モーアデッキ2を左右一対のリフトリンク3の前端部に装着して、この底部に軸装のブレードを連動回転して、車体走行しながら芝草の刈取作業を行うことができる。このモーアデッキ2の昇降は、リフトアームの上下回動によってリフトリンク3を昇降させて行わせ、刈取姿勢に下降させたり、非刈取姿勢に上昇させたり、又、刈取高を調節することができる。又、このモーアデッキ2のメンテナンス作業を行うときは、車体走行、及びブレード連動を止めた状態で、モーアデッキ2を左、右一側のリフトリンク3の縦軸4周りに前側横方向へ適宜角度に回動させて、このモーアデッキ2を、車体前端部の前横側寄り位置へ偏位させる。この横振偏位姿勢のモーアデッキ2を、横軸1の周りにフリップアップ回動(図24参照)させて、このモーアデッキ2の底面を斜め前方横方向、又は真横方向へ向けて露出させて、ブレードの着脱等のメンテナンス作業を行い易い状態を維持することができる。
又、前記リフトリンク3を前後に伸縮可能に設けたことを特徴とするものである。芝草刈取時は、リフトリンク3を短縮してモーアデッキ2を後移動させて刈取作業を行い易くする。モーアデッキ2のメンテナンス作業時は、車体前部の張出形態が大きい場合等では、このモーアデッキ2を取付けるリフトリンク3を前側へ伸長させる(図26、図27参照)。しかも、この伸長したリフトリンク3の先端部において、モーアデッキ2を横軸1周りに回動してフリップアップ姿勢とすることができるため、車体に対する装着深さ位置に拘らず、前側へ移動させてフリップアップの行い易い姿勢とする。
前記モーアデッキ2は、左右一対のリフトリンク3(3L、3R)を介して車体5前部の支軸25、及びヒッチ26に装着され、リフトシリンダ27の伸縮によって回動されるリフトアーム28、及びリフトロッド29を介して昇降連結される。又、モーアデッキ2の後端と車体5前部のミッションケース30との間を拡縮リンク31で連結して、このモーアデッキ2後部の昇降を規制すると共に、フリップアップ時はこの連結を外すことができる。又、前記左右のリフトリンク3L、3Rは角チューブ材によって構成し、前端部に伸縮調節可能の左右リンクブラケット7(7L、7R)を設け、このリンクブラケット7に対して、横方向に沿う横軸1と、縦方向に沿う縦軸4等を介して、モーアデッキ2上面のデッキブラケット8(8L、8R)を連結する。このモーアデッキ2は、右側部を前側周りで左側Aへ向けて回動する形態に構成するため、左リンクブラケット7Lの先端部に上下方向に沿う縦軸4を設ける。この縦軸4周りに回動自在のリンクブラケット9を、デッキブラケット8Lに対して横軸1周りに回動自在に連結する。又、この形態では、右側のデッキブラケット8Rとリンクブラケット7Rの間を横軸1周りに回動自在に連結し、モーアデッキ2を左側の縦軸4周りに前側へ回動するときは、この右側の横軸1を抜き外して離間可能の形態とする。又、前記モーアデッキ2は、左右一対のブレード軸32を軸装して、下端部にブレード33を取付ける。このモーアデッキ2の後側に集草口16を設け、シュータ17を連結することができる。又、モーアデッキ2の前端縁部、及び後端縁部には、ゲージホイル34、35を配置している。
モーアデッキ2の上面には、左右一側のブレード軸32上に入力ギヤケース36を設け、前記ミッションケース30の側部から取出されるPTO軸37をこの入力ギヤケース36の入力軸38に連結して、各ブレード軸32を連動回転する。前輪10の駆動で車体5を操向させながら、各ブレード軸32によるブレード33の回転により芝草の刈取りを行う。この刈取時のモーアデッキ2は、リフトアーム28の下降によって各ゲージホイル34、35を接地させた状態としている。
しかも、左右のリフトリンク3は、リンクブラケット7が短縮して、モーアデッキ2が最後部に位置した状態にある。この状態では、モーアデッキ2が前輪10の前側に最も接近した位置にあって、後輪11との前後間隔を短かくして、フロントモーアとしての刈取作業長さを短かくして作業操向操作等を容易にする。又、この左右のリンクブラケット7を前側へ適宜に伸長させて、モーアデッキ2の作業位置を変更することも可能である。又、これら左右のリンクブラケット7を前方に伸長させた状態で、モーアデッキ2を横軸1の周りに回動させてフリップアップさせることができる。車体5の前端ステップフロア6部等が長く突出された形態である等によって、このフリップアップ角度を十分に維持できない場合は、左側のリンクブラケット7Rから横軸1を抜き外してデッキブラケット8Rを取外し、モーアデッキ2を左側の縦軸4の周りに前側左方向Aへ適宜角度回動させる。
このようにモーアデッキ2を横振りさせた状態では、横軸1の方向が車体5の前進方向に対して斜め方向に変向されるため、モーアデッキ2のフリップアップは、この斜め方向の横軸1周りに行われ、車体の前端張出部との干渉を回避することとなり、フリップアップ角度を大きくとることができる。
このようなモーアデッキ2のフリップアップにおいて、なお、フリップアップ角度が十分にとれないときは、図26、図27のように前記左側のリンクブラケット7Lを前方へ引き出して、モーアデッキ2を前方へ移動させた状態で、縦軸4周りに横振り回動し、横軸1周りにフリップアップ回動することができる。
次に、図28〜図30に基づいて、モーアデッキの伝動入力部の参考例について説明する。前記モーアデッキ2の入力ギヤケース36の後側部には、この入力軸38に連結するPTO軸37部を覆う伝動軸カバー39、40を設ける。このカバーは、PTO軸37前端部の左右両側部を覆う固定のサイドカバー39と、上側部を覆う上カバー40とからなり、この上カバー40は、サイドカバー39の上端部にヒンジ41周りに上下回動自在に設けられ、PTO軸37が前後の自在継手部42、43で屈曲して上下動するとき、これに伴ってヒンジ41周りに上下に回動して、常時PTO軸37と入力軸38との連結部を覆うものである。
なお、このPTO軸37は、左側の前輪10を軸支する前輪伝動ケース44部の内側で、シュータ17との間に位置して配置の軸受メタル45に軸受される伝動軸46の前端部に自在継手43を介して連結し、前記伝動装置15の一部から伝動することができる。前記サイドカバー39には円弧状の長孔47を形成し、上カバー40から突出のガイドピン48を嵌合させて案内するもので、上カバー40の上下回動域を規制する。
前記モーアデッキ2上の左右のリンクブラケット7前端の横軸1部には、ロックピン60をハンドル61操作で横側から抜き差しできるブラケット62を設け、このロックピン60をリンクブラケット7のピン穴63に挿通することにより、前記モーアデッキ2のフリップアップ状態を固定することができる。又、フリップアップ状態でロックピン60をこのピン穴63から抜き外すことによって、フリップアップを安全に解除することができる。
4 変速レバー
5 無段変速ペダル
6 エンジン
12 ブレーキペダル
100 制御部
122 PTOスイッチ
123 油圧センサ
127 ラジエタ
128 冷却ファン
R 前後進切換レバー
5 無段変速ペダル
6 エンジン
12 ブレーキペダル
100 制御部
122 PTOスイッチ
123 油圧センサ
127 ラジエタ
128 冷却ファン
R 前後進切換レバー
Claims (4)
- 機体後部に配置されて走行および作業の動力を供給するエンジン(6)と、このエンジン(6)の後方配置のエンジン冷却用のラジエタ(127)と、このラジエタ(127)の前側で機体前方から外気を取込んで後方に冷却送風する冷却ファン(128)と、機体の走行速度を抑えるためのブレーキペダル(12)とを備える作業車両において、
上記冷却ファン(128)を正逆転可能に制御する制御部(100)を設け、この制御部(100)により、上記ブレーキペダル(12)の踏込み操作に応じて冷却ファン(128)を逆転動作可能に構成したことを特徴とする作業車両。 - 機体後部に配置されて走行および作業の動力を供給するエンジン(6)と、このエンジン(6)の後方配置のエンジン冷却用のラジエタ(127)と、このラジエタ(127)の前側で機体前方から外気を取込んで後方に冷却送風する冷却ファン(128)と、機体の走行速度を増速調節するための無段変速ペダル(5)と、を備える作業車両において、
上記冷却ファン(128)を正逆転可能に制御する制御部(100)を設け、この制御部(100)により、上記無段変速ペダル(5)の解放操作に応じて冷却ファン(128)を逆転動作可能に構成したことを特徴とする作業車両。 - 機体後部に配置されて走行および作業の動力を供給するエンジン(6)と、このエンジン(6)の後方配置のエンジン冷却用のラジエタ(127)と、このラジエタ(127)の前側で機体前方から外気を取込んで後方に冷却送風する冷却ファン(128)と、作業機に動力を供給するためのPTOスイッチ(122)とを備える作業車両において、
上記冷却ファン(128)を正逆転可能に制御する制御部(100)を設け、この制御部(100)により、上記PTOスイッチ(122)のオフ操作に応じて冷却ファン(128)を逆転動作可能に構成したことを特徴とする作業車両。 - 機体後部に配置されて走行および作業の動力を供給するエンジン(6)と、このエンジン(6)の後方配置のエンジン冷却用のラジエタ(127)と、このラジエタ(127)の前側で機体前方から外気を取込んで後方に冷却送風する冷却ファン(128)と、中立位置から機体の前後進方向を選択するための前後進切換レバー(R)とを備える作業車両において、
上記冷却ファン(128)を正逆転可能に制御する制御部(100)を設け、この制御部(100)により、上記前後進切換レバー(R)の中立操作に応じて冷却ファン(128)を逆転動作可能に構成したことを特徴とする作業車両。
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