JP2014062446A - 節付き現場打ちコンクリート系杭の築造方法および掘削刃取付け鋼管 - Google Patents
節付き現場打ちコンクリート系杭の築造方法および掘削刃取付け鋼管 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 下端に先端掘削刃12が取外し可能に取り付けられた掘削刃取付け鋼管10を準備する過程と、掘削刃取付け鋼管10を、鋼管11の中心軸回りに一定方向に回転させつつ押し下げることによって、先端掘削刃12により下方に掘削しかつ鋼管11の外周の土に螺旋状の溝を形成しながら地盤15に挿入する過程と、鋼管11内にモルタルまたは生コンクリートを充填する過程と、鋼管11のみを地盤15から引き抜いて、鋼管11の抜き跡となる杭孔17および螺旋状の溝16に鋼管11内のモルタルまたは生コンクリートを流し込む過程とを含む。先端掘削刃12は、取外し可能とする代わりに、鋼管11に収納自在としても良い。
【選択図】 図6
Description
・現場の土と固化材を現場で混合撹拌するため、現場の土質、施工者の違い等により、築造された柱状改良杭の品質にばらつきが生じる。
・固化不良や撹拌不良による強度不足を回避するために、多量の固化材スラリーを注入する必要がある場合があり、環境への負荷が大きい。
・土質によっては、六価クロム等の有害な物質が溶出する可能性がある。事前に六価クロム等が溶出するか否かを試験して、溶出が無いことを確認することは可能であるが、それには費用と期間を要する。
・小口径鋼管杭の先端を比較的硬い地盤(一般的にN値>10)に支持させる必要があるため、地盤によっては適用できない場合がある。
・小口径鋼管杭の腐食による劣化が懸念される。そのため、予め腐食しろを見込んで設計している。
この発明の他の目的は、上記節付き現場打ちコンクリート系杭の築造方法に用いられる掘削刃取付け鋼管を簡易な構成とすることである。
この発明のさらに他の目的は、杭周面抵抗力が大きい節付き現場打ちコンクリート系杭を提供することである。
前記掘削刃取付け鋼管を、前記先端掘削刃が下側となるように支持しかつ前記鋼管の外周面から前記一部分を突出させた状態で前記鋼管の中心軸回りに一定方向に回転させつつ押し下げることによって、前記先端掘削刃により下方に掘削しかつ前記鋼管の外周の土に螺旋状の溝を形成しながら地盤に挿入する過程と、
前記鋼管内にモルタルまたは生コンクリートまたはセメントミルクを充填する過程と、 前記鋼管を引き上げて前記鋼管から前記先端掘削刃を分離させ、または前記鋼管を逆回転させて前記先端掘削刃を前記鋼管の外径よりも内周側に収納し、前記鋼管を地盤から引き抜くことによって、前記鋼管の抜き跡となる杭孔および前記螺旋状の溝に前記鋼管内のモルタルまたは生コンクリートまたはセメントミルクを流し込む過程とを含む。
・杭径を小さくすることが可能となり、材料費の削減を図ることができる。
・コンクリート系杭の材料が少なくて済み、環境負荷を低減することができる。
・杭先端をN値が比較的小さな地盤に支持させることができるため、杭長を短くすることができる。
これにより、モルタルまたは生コンクリートまたはセメントミルクを杭孔および螺旋状の溝の隅々まで空隙無く行き渡らせることができ、築造された節付き現場打ちコンクリート系杭の品質を向上させることができる。
この構造であると、この発明の前記節付き現場打ちコンクリート系杭の築造方法に使用でき、この築造方法における杭孔および螺旋状の溝に鋼管内のモルタルまたは生コンクリートまたはセメントミルクを流し込む過程で鋼管を引き上げる際に、地盤の抵抗によって鋼管から先端掘削刃が外れるので、鋼管と先端掘削刃とを分離させる機構を別に設ける必要がない。そのため、節付き現場打ちコンクリート系杭築造用の掘削刃取付け鋼管を簡易な構成とすることができる。
この構造であると、この発明の前記節付き現場打ちコンクリート系杭の築造方法に使用でき、杭孔および螺旋状の溝に鋼管内のモルタルまたは生コンクリートまたはセメントミルクを流し込む前に、鋼管を逆回転させることで、地盤の抵抗によって先端掘削刃が鋼管の外周面よりも内周側に収納される。また、鋼管を正回転させて地盤へ挿入する時は、先端掘削刃が前記ストッパで回動阻止され、先端掘削刃が突出状態を維持する。そのため、先端掘削刃を鋼管に対して突出および収納させる駆動源や操作機構を別に設ける必要がない。そのため、節付き現場打ちコンクリート系杭築造用の掘削刃取付け鋼管を簡易な構成とすることができる。
この節付き現場打ちコンクリート系杭の築造方法は、掘削刃取付け鋼管を含む施工装置によって、図1に一例を示す節付き現場打ちコンクリート系杭20を築造する方法である。築造された節付き現場打ちコンクリート系杭20は、円柱状の杭本体21の外周に螺旋状の節22が形成された形状をしている。
まず、図2のように、施工装置1の昇降ヘッド4で鋼管11の上端を保持し、その鋼管11の下端に先端掘削刃12を取り付けることで、掘削刃取付け鋼管10を準備する。この掘削刃取付け鋼管10が地盤15の節付き現場打ちコンクリート系杭構築箇所の真上に位置するように、作業車両2で位置調整する。
・節付き現場打ちコンクリート系杭20の材料が少なくて済み、環境負荷を低減することができる。
・杭先端をN値が比較的小さな地盤に支持させることができるため、杭長を短くすることができる。
この方法では、図9(A)のように、掘削刃取付け鋼管10を地盤15へ貫入させるときに、先端掘削刃32は、突没刃32cが図7のように突出状態であることが必要である。しかし、貫入開始前の突没刃32cの姿勢に係わらず、突没刃32cが地盤15に接して掘削刃取付け鋼管10が正方向に回転させられると、突没刃32cは回転に対する地盤15の反力で突出方向に回動し、図8のように最も突出した状態で、ストッパ34で支持されて突出状態で維持される。そのため、突没刃32cを突出させる作業や操作は特には不要である。
・杭周面抵抗力が大きいため、杭径を小さくすることができ、節の効果によりさらに小さくすることができるため、材料費の削減をすることができる。
・材料のボリュームを小さくできるため、環境負荷を低減することができる。
・先端掘削刃32が突没可能であるため、鋼管引き抜き時のみ節を付けることが可能で、節の数を少なくすることができる。
・先端掘削刃32を地中に残すことなく施工できるため、先端掘削刃32が使い捨てとならず、コストを削減できる。
・杭周面の締固め効果と節により杭周面のせん断抵抗が増大するため、杭周面抵抗力が大きく取れる。
・現場の土の状態に影響されることなく、安定した品質の節付き現場打ちコンクリート系杭20を築造できる。
・杭周面抵抗力が大きいため、杭先端地盤のN値が比較的小さなところでも支持することができ、杭長を短くすることができる。
・吐出口35の下方に先端掘削刃32が設けられることで、吐出口35に当たる地盤をほぐし、吐出口35の損傷を和らげることができる。
先端掘削刃32は突没刃32cが収納状態になる。この収納状態で、杭構築深さまで貫入させる。この後、貫入時とは逆の方向(前記の正方向)に回転させることで、先端掘削刃32が突出状態となる。この方向に回転させながら掘削刃取付け鋼管10を引き上げることにより、地盤に、鋼管10の抜き跡部分となる円形の孔の外周に螺旋状の溝16が形成される。このように、鋼管10の引き上げ時に、螺旋状の溝16を有する孔を形成しながら、モルタルを下端の吐出口35から吐出させることで、螺旋状の節を有する節付き現場打ちコンクリート系杭が構築される。
図10,図11の両例とも、蓋部32aに吐出口35を設けたことについては、図7,8の例と同様である。
11…鋼管
12…先端掘削刃
12b…刃体
12ba…外径端部分
12c…取付部
15…地盤
16…螺旋状の溝
17…杭孔
20…節付き現場打ちコンクリート系杭
22…節
32…先端掘削刃
32b…掘削刃本体
32c…突没刃
34…ストッパ
M…モルタル
Claims (5)
- 鋼管の一端にこの鋼管の外周面よりも外周側に一部分が突出した刃体を有する先端掘削刃が、取外しまたは前記鋼管の外周面よりも内周側に収納が可能に取り付けられた掘削刃取付け鋼管を準備する過程と、
前記掘削刃取付け鋼管を、前記先端掘削刃が下側となるように支持しかつ前記鋼管の外周面から前記一部分を突出させた状態で前記鋼管の中心軸回りに一定方向に回転させつつ押し下げることによって、前記先端掘削刃により下方に掘削しかつ前記鋼管の外周の土に螺旋状の溝を形成しながら地盤に挿入する過程と、
前記鋼管内にモルタルまたは生コンクリートまたはセメントミルクを充填する過程と、 前記鋼管を引き上げて前記鋼管から前記先端掘削刃を分離させ、または前記鋼管を逆回転させて前記先端掘削刃を前記鋼管の外径よりも内周側に収納し、前記鋼管を地盤から引き抜くことによって、前記鋼管の抜き跡となる杭孔および前記螺旋状の溝に前記鋼管内のモルタルまたは生コンクリートまたはセメントミルクを流し込む過程と、
を含む節付き現場打ちコンクリート系杭の築造方法。 - 請求項1に記載の節付き現場打ちコンクリート系杭の築造方法において、前記杭孔および螺旋状の溝に前記鋼管内のモルタルまたは生コンクリートまたはセメントミルクを流し込む過程中に、前記鋼管に振動を与えて前記モルタルまたは生コンクリートまたはセメントミルクを締め固める節付き現場打ちコンクリート系杭の築造方法。
- 鋼管と、この鋼管の一端に取付部によって取り付けられて前記鋼管の外周面よりも外周側に一部分が突出した刃体を有する先端掘削刃とでなり、この先端掘削刃は、前記鋼管を地盤から引き上げることで前記先端掘削刃に作用する地盤の抵抗によって前記取付部で前記鋼管から外れる節付き現場打ちコンクリート系杭築造用の掘削刃取付け鋼管。
- 鋼管と、この鋼管の一端に取り付けられて前記鋼管の外周面よりも外周側に一部分が突出した状態と全体が前記鋼管の外周面よりも内周側に収納された状態とに姿勢変更可能な突没刃を有する先端掘削刃とを有し、この先端掘削刃は、前記鋼管の周方向に回動自在であって、前記鋼管の外周面よりも外周側に一部分が突出する状態から一方向への回動がストッパにより阻止される節付き現場打ちコンクリート系杭築造用の掘削刃取付け鋼管。
- モルタルまたはコンクリートまたはセメントミルクからなる円柱状であり、外周に地盤内に食い込んだ螺旋状の突条を有する節付き現場打ちコンクリート系杭。
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