JP2016160668A - 水硬性固化材液置換コラム築造装置、水硬性固化材液置換コラム築造方法及び水硬性固化材液置換コラム - Google Patents
水硬性固化材液置換コラム築造装置、水硬性固化材液置換コラム築造方法及び水硬性固化材液置換コラム Download PDFInfo
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Abstract
Description
円筒体の突出体は、単数でも複数でもよいが、複数だと削孔内壁面に形成される凹条も複数になるので、築造される水硬性固化材液置換コラムの外周面に形成される突条部も複数となり、それだけ周面摩擦力も増大し、鉛直支持力が高くなるので好ましい。しかし、多すぎると地盤による掘進抵抗が増大し施工不能に陥るのみならず、たとえ掘進できたとしても引き上げ時に周辺地盤を乱してしまうため、突出体の通過した軌跡空間で形成する良好な凹条が形成できなく、結果、水硬性固化材液置換コラムの外周にも良好な突条部も形成できない。突出体は、その突出長が掘削ロッド径D以下、好ましくはD/2以下として、その固設数は少なくとも2枚以上多くとも8枚程度、好ましくは3枚〜6枚程度がよい。
この構成により、円筒体は、分割片の状態で掘削ロッドに宛がい、各分割片のフランジ同士を連結することで、掘削ロッドに着脱可能に取り付けることができる。従って、掘削ロッドに対する円筒体の取り付け、取り外しが容易にでき、例えば、円筒体の付け替え作業も容易に実施できる。フランジ同士の連結は、例えば、ボルト・ナットなどの締結部材を挙げることができる。
この構成により、分割片を連結し円筒体に組み立てるフランジを、円筒体の突出体とすることができるので、円筒体に別途突出体を設ける必要がなく、製造が容易となり、安価に提供できる。勿論、このフランジとは別に突出体を設けてもよい。
該築造装置の掘削ロッドを回転させて地盤の所定深度まで掘進した後、掘削ヘッドの吐出口から水硬性固化材液を吐出しつつ、掘削ロッドを回転させて又は無回転で引き上げ、掘削孔内を該水硬性固化材液で填充することを特徴とする。
この構成により、円筒体は掘削ロッドへの着脱が容易であるので、突出体のサイズや形状の異なる円筒体を選択しての施工が実施できる。
この構成により、円筒体は、各分割片のフランジ同士を連結したり、連結を取り外すことで、掘削ロッドに容易に取り付け、取り外しができ、円筒体の突出体のサイズ、形状を最適に選択しての施工ができる。
この構成により、円筒体の突出体を別途設ける必要がないので、この築造方法で使用する水硬性固化材液置換コラム築造装置が安価となる。勿論、このフランジとは別に突出体を設けてもよい。
この構成により、水硬性固化材液置換コラムは、周側面軸方向に突条部を有するので、その分鉛直支持力の高いものとなる。
(1)水硬性固化材液置換コラムの外周側面に縦方向の突条部が一体に形成された水硬性固化材液置換コラムを築造することができ、地盤による水硬性固化材液置換コラムの鉛直支持力を増大させることができる。
(2)水硬性固化材液置換コラム外周側面に縦方向の突条部を一体に形成して、地盤による水硬性固化材液置換コラムの鉛直支持力が増大した水硬性固化材液置換コラムを、施工手順の大幅な変更をすることなく、また、コストパフォーマンスを維持したまま、高強度・高品質で築造することができる。
(3)水硬性固化材液置換コラムは、周側面軸方向に突条部を有するので、その分鉛直支持力の高いものとなる。
図3は、水硬性固化材液置換コラム築造装置1Aの分解縦断面図である。この図3に示すように掘削ロッド1の下端には、ロッド継手部1cが設けられ、掘削ヘッド2の上部にはヘッド継手部2dが設けられている。そして掘削ヘッド2は、そのヘッド継手2dが掘削ロッド1のロッド継手1cに嵌入し、図5に示すようにシェアブロック3aにボルト3bで固定して両者は接続するが、その際に予め、例えば、ヘッド継手部2dに円筒体4を挿着しておき、図4に示すように両継手部1c、2dを結合することで、円筒体4を掘削ロッド1に回転自在に取り付けることができる。ヘッド継手部2dは、ロッド継手部1cより少し小径となっており、段部2eを有し、一方、ロッド継手部1cの下端とヘッド継手部2dとの間に段部1eが生じ、円筒体4はこの段部1eと2eとの間に遊嵌され回転は自由であるものの、この段部1eと2eで軸上下方向の移動は規制されている。このようにして図1に示す水硬性固化材液置換コラム築造装置1Aは製作される。
なお、円筒体4の突出体5は、前述のように地盤中に進入するので、突出体5の地盤内への進入をスムーズにするため、突出体5の角部分は切り欠いたカット部Pとするのが好ましい。
この第2実施の形態に係る水硬性固化材液置換コラム築造装置1Bは、掘削ロッド1の下方部外周面に円筒体4を回転自在に遊嵌し、この円筒体4の外周面に長方形の板状の突片5bからなる突出体5を2枚、対称位置に固設したもので有り、他は前記第1実施の形態と同様であるので、同様な構成要素には同一符号を付して他の詳細な説明は省略する。突片5bからなる突出体5の上下の角部分も地盤内への進入をスムーズにするために切り欠いたカット部Pとなっている。また、2枚の突片5bからなる突出体5も同一形状、同一サイズである。
この第2実施の形態の水硬性固化材液置換コラム築造装置1Bによれば、突出体5が長方形の板状の突片5bで形成されているため、築造される水硬性固化材液置換コラム11の突条部12は、図33(b)に示すような該突片5bの形状に対応したものとなる。
第2実施の形態および第3実施の形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造装置1B、1Cにおいては、板状の突片5bで形成した突出体5の形状に対応した凹条を削孔内壁面に形成でき、この削孔内に水硬性固化材液が填充されることで、これらの凹条にも水硬性固化材液が満たされる。従って、填充した水硬性固化材液が固化することで、その凹条形状に対応する突条部12を水硬性固化材液置換コラム11の外周に、前記同様に形成できる。従って、突片5bからなる突出体5の枚数を変えたり、サイズを長短とすることで、突片5bからなる突出体5の枚数およびサイズに応じた突条部12を形成でき、所期の鉛直支持力を有する水硬性固化材液置換コラムを得ることができる。
この第4実施の形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造装置1Dは、板状の突片5bの外周先端が尖端5cとなっている突出体5を、円筒体4の外周面に4枚を等間隔(90度間隔)で固設した場合であり、他は前記実施の形態と同様であるので同一符号を付して説明は省略する。
この第4実施の形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造装置1Dにおいても、外周先端が尖端5cとなっている板状の突片5bで形成した突出体5の形状に対応した4条の凹条を削孔内壁面に形成でき、この削孔内に水硬性固化材液が填充されることで、これらの凹条にも水硬性固化材液が満たされる。従って、填充した水硬性固化材液が固化することで、その凹条形状に対応する4条の突条部12を水硬性固化材液置換コラム11の外周に前記同様に形成できる。
この第5実施の形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造装置1Eは、前記第4実施の形態の変形例であり、外周先端が尖端5cとなっている板状の突片5bで形成した突出体5が6枚設けられている場合である。即ち、板状の突片5bの外周先端が尖端5cとなっている突出体5を、掘削ロッド1の下方部に回転自在に遊嵌した円筒体4の外周面に6枚を等間隔(60度間隔)で固設した場合である。他は前記実施の形態と同様であるので同一符号を付して説明は省略する。
この第6実施の形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造装置1Fは、図10および図11に示す実施の形態の変形例であり、外周先端が尖端5cとなっている板状の突片5bを三角形状とした突出体5で形成した場合である。即ち、三角形の板状の突片5bの外周先端が尖端5cとなっている突出体5を、掘削ロッド1の下方部に回転自在に遊嵌した円筒体4の外周面に4枚を等間隔(90度間隔)で固設した場合である。他は前記実施の形態と同様であるので同一符号を付して説明は省略する。
この第7実施の形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造装置1Gは、断面が、根元部が厚く、先端部に向かって徐々に薄くなる板状の突片5bで形成した突出体5を、掘削ロッド1の下方部に回転自在に遊嵌した円筒体4の外周面に4枚を等間隔(90度間隔)で固設したものである。他は前記実施の形態と同様であるので同一符号を付して説明は省略する。
水硬性固化材液置換コラム11が固化後に上部構造物からの押し込み荷重が作用するとき、該コラム11側面に形成された突条部12には地盤からのせん断抵抗力が作用して、該コラム11の支持力として協働する。このとき、突条部12の表面に作用するせん断応力はせん断力となって突状部12に作用するので、結果的には突条部12と水硬性固化材液置換コラム11本体の接続部に最大せん断力が作用することになる。したがって、突条部12を構造材としたとき、せん断力の大きさに応じた断面積とするほうがより合理的である。すなわち、せん断力の大きさに応じて、図19に示すように突条部12の先端側肉厚t1をより小さく、水硬性固化材液置換コラム11本体との接続部側の肉厚t2をより大きくした形状にすることが、コラムの材料支持力を大きくするためにはより合理的である。
一方、施工時の水硬性固化材液置換コラム築造装置1Gの突出体5に作用する応力についても同様のことが言える。すなわち、突出体5の表面に作用するせん断応力はせん断力となって突出体5に作用するので、結果的には突出体5と遊嵌円筒体4との接続部に最大せん断力が作用することになる。したがって、突出体5はその先端側肉厚をより小さく、遊嵌円筒体4との接続部側の肉厚をより大きくした形状にすることが、突出体5の耐久性を向上させるためにはより合理的である。従って、円筒体4の固設する突出体5の形態は、断面が、円筒体4との接続部側(根元部)が厚く、先端部に向かって徐々に薄くなる板状の突片5bで形成するのが好ましい。
このような点から、この実施の形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造装置1Gは、好ましい装置といえる。
この第9実施の形態の水硬性固化材液置換コラム築造装置1Iは、掘削ロッド1の下方部外周面にずれ止めとしてのリング切欠9を形成し、円筒体4を構成する前記一対の半円筒板4bをこのリング切欠9に遊嵌させたものであり、他は前記図20および図21に示す実施の形態と同様であるので、同様な構成要素には同一符号を付して他の詳細な説明は省略する。本例では、掘削ロッド1の下方部の所定領域を肉厚部8として、この肉厚部8にリング切欠9を設けた場合を示している。
このリング切欠9の深さは、円筒体4を構成する一対の半円筒板4bの肉厚より若干大きくしてあり、このリング切欠9に半円筒板4bを回転自在に遊嵌させたとき、半円筒板4bの外周面が掘削ロッド1の外周面と面一となるようになっている。
従って、この第9実施の形態では、半円筒板4bがリング切欠9内にあって、掘削ロッド1の外周面より外出することはなく、掘削ロッド1の外周面と面一となるので、掘進時および引き上げ時の地盤による抵抗がなくなるので好ましい。前記図20および図21の第8実施の形態では、ずれ止め用突縁6a、6bが掘削ロッド1の外周面より外出しているので、掘進時および引き上げ時に地盤抵抗として作用するおそれがある。また、僅かではあるが、掘削ロッド1で摺り付けて強化された孔壁を乱すおそれもある。
この第9実施の形態の水硬性固化材液置換コラム築造装置1Iにおいても、図20および図21に示す第8実施の形態と同様に、外周側面に縦方向の2条の突条部12を有する水硬性固化材液置換コラム11を築造できる。
この第10実施形態の水硬性固化材液置換コラム築造装置1Jでは、図20および図21に示した一対のフランジ4a、4a間における各半円筒板4bの中央部に、平面視で略台形状の突起(突出体)10が設けてある。この突起10は回転径が各フランジ4aと略等しく、かつその回転径が掘削ロッド1の径より大きい。なお、これらの突起10の上下の角部分は、突起10の地盤内への進入をスムースにするために切り欠かれたカット部Pとなっている。他は前記図20および図21に示す第8実施の形態と同様であるので、同様な構成要素には同一符号を付して他の詳細な説明は省略する。
この第11実施の形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造装置1Kは、掘削ロッド1の下方部外周面に円筒体4を回転自在に遊嵌し、この円筒体4の外周面に長方形の板状の突片5bからなる突出体5を4枚等間隔(90度間隔)に固設したものであり、他は前記第1実施の形態と同様であるので、同様な構成要素には同一符号を付して他の詳細な説明は省略する。
この第11実施の形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造装置1Kにおいても、板状の突片5bで形成した4枚の突出体5の形状に対応した4条の凹条を削孔内壁面に形成でき、この削孔内に水硬性固化材液が填充されることでこれらの凹条にも填充され、この水硬性固化材液が固化することによって、その外周に突条部12を有する水硬性固化材液置換コラム11を築造できる。
この水硬性固化材液置換コラム築造装置1Kを用いて図28(a)に示すように掘進し、所定深度まで掘進した後、掘削ヘッド2の吐出口2bより水硬性固化材液を吐出しながら掘削ロッド1を回転して引き上げすると、該築造装置1Kの突出体5が通過した軌跡空間(凹条)に水硬性固化材液が満たされて突条部12が形成されるが、この該築造装置1Kの突出体5が上方に向かって通過し凹条に水硬性固化材液が満たされ突条部12が形成された後に、該突出体5より下方に存在する掘削ロッド1の突き出し部1aが続いて回転しながら、前記突条部12を切断するように上方に通過していく(図28(b))。この時、該掘削ロッド1の突き出し部1aの側面に、図28(b)に示すように土砂Sが付着していたり、回転により周辺土砂Sを回転方向に共回りさせるような現象が発生する場合がある。従って、該突出体5が固設された円筒体4より下方の掘削ロッド1の突き出し部1aが存在すると、掘削ロッド1の回転により図28(c)に示すように水硬性固化材液置換コラム11の本体部と突条部12の付け根部に周辺土砂Sを巻き込む場合があり、工程上この土砂Sを除去することができないので、そのまた水硬性固化材液が固化すると、この巻き込み土砂部が弱点となる。つまり、固化後の突条部12を有する水硬性固化材液置換コラム11が上部荷重を支える杭として支持力を発揮する際、突条部12に作用する地盤の周面摩擦(支持)力を水硬性固化材液置換コラム11本体に伝えることが出来ず、所望の効果を発揮することが出来ない。特に、掘削ロッド1の突き出し長hが大きいと、周辺土砂を巻き込む確率が高くなり、弱点の多い欠陥突条部付き水硬性固化材液置換コラム11が築造されることになる。
従って、この掘削ロッド1の突き出し長hは、大きくとも掘削ロッド1の径Dの3倍以下、好ましくは2倍以下とする。そうすることにより掘削土砂Sの突条部12付け根への巻き込み確率を低減することができる。
なお、前記では図26および図27に示す水硬性固化材液置換コラム築造装置1Kで説明したが、この掘削ロッド1の突き出し長hを、大きくとも掘削ロッド1の径Dの3倍以下、好ましくは2倍以下とすることは、本発明における水硬性固化材液置換コラム築造装置の全てについていえることである。
この第12実施の形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造装置1Lは、掘削ロッド1の下方部外周面に円筒体4を回転自在に遊嵌し、この円筒体4の外周面に長方形の突片5bで形成した突出体5を3枚等間隔(120度間隔)に固設し、突出体5より下方に存在する掘削ロッド1の突き出し部1aのロッド径を径小としたものであり、他は前記第1の実施の形態と同様であるので、同様な構成要素には同一の符号を付して他の詳細な説明は省略する。
特に、この水硬性固化材液置換コラム築造装置1Lは、突出体5より下方に存在する掘削ロッド1の突き出し部1aのロッド径が径小となっているので、掘削ロッド1の引き上げ時に、この突き出し部1aのロッドは、形成された削孔径より径小なので孔壁面に接触することがない。従って、掘削ロッド1の引き上げ時に、削孔壁面に形成された凹条を突き出し部1aのロッドで擦り潰すことがなく、凹条の形状が保持されるので、水硬性固化材液を填充し硬化後は、突条部が確実に形成される。
また、上記したような掘削ロッド1の突き出し部1aのロッドに土砂が付着したり、回転により周辺土砂Sを回転方向に共回りさせるような現象が発生しても、水硬性固化材液置換コラム11の本体部と突条部12の付け根部に周辺土砂Sを巻き込むことを防止できる。
なお。本例の図29では、突出体5を有する円筒体4は、掘削ロッド1の径小の突き出し部1a側に遊嵌されている場合で示しているが、掘削ロッド1側に遊嵌されていてもよい。要は、突出体5の位置より下方のロッドが径小となっていれば、上記作用、効果を奏するのでよいことになる。
本実施の形態では、下方に向かって径小になる円錐形状の円錐ヘッド2であり、その周面には掘削ロッド1正回転時に掘削土砂を上方に押し上げる方向にスパイラル翼(螺旋状掘削翼)2aが固設され、このスパイラル翼2aと重複しない位置に水硬性固化材液の吐出口2bが設けられている掘削ヘッド2を示している。
この掘削ヘッド2であると、地盤における掘進性がよく、掘削部での土塊形成が物理的に生じない。特に、僅かではあるがスパイラル翼2a部に付着した土砂を支持する働きがあるため、付着土砂の落下を防止するので、水硬性固化材液置換コラム中に施工による掘削土塊の混入の恐れがないので好ましい。
この突条2cは、回転して地盤中に掘進する際に、地盤を掘削し掘進性を向上させるものであるので、少なくとも1個存在すればよいが、複数を設けると掘削刃となる突条2cが増えることになり、かつ掘削回転時のバランスも良くなるので掘削性能が向上し好ましい。本例では外周に4個が等間隔で設けられている場合を示している。
突条2cは、回転して地盤中に掘進する際に、地盤を掘削できる構成であればよく、特に制限はない。本例では長方形の板状部材を円錐ヘッド2の周面に沿って縦方向(軸線方向)に立設した場合を示している。この突条2cの回転径は、掘削ロッド1の回転径以下とする。
この掘削ヘッド2においては、周面に沿う縦方向の突条2cが設けられた円錐形状であるので、突条2cでの地盤の掘削が良好に行われ、突条2cで掘削した土砂は、突条2cで案内され円錐ヘッド2の周面傾斜に沿って上方に移動させつつ地盤中に掘進できるので、掘進性能が向上し、施工性がよくなる。
(b)(c)次に、掘削ロッド1を正回転させながら、掘進する(図32(b)(c))。この時、掘削ロッド1の先端に接続している掘削ヘッド2の吐出口2bからの水硬性固化材液の吐出は必須ではない。ここでは掘削ロッド1を回転させても、その外周面に突出体5を固設した円筒体4は、掘削ロッド1に対して回転自在に遊嵌されているため、回転力が伝わらないので、地中では地盤抵抗を受けて回転せずに掘削ロッド1の掘進とともに地中に進入する。この進入では円筒体4の突出体5は、先端に掘削ヘッド2を有する掘削ロッド1が削孔した削孔内壁面より外側の地盤内に食い込み進入する。これにより円筒体4の突出体5が削孔内壁面より地盤中に食い込み進入した削孔壁面には、突出体5が通過した軌跡空間が凹条13に残存する。その後、該軌跡空間である凹条13は、地盤の弾性戻り等によって縮小するが、地盤条件によって縮小する程度は変化する。
(d)掘削ロッド1先端が所定深度に達したら、掘削ロッド1先端に接続している掘削ヘッド2の吐出口2bから水硬性固化材液を吐出しながら掘削ロッド1の引き上げを開始する(図32(d))。
(e)引き上げ時に、掘削ロッド1の回転は必須ではないが、回転したほうが施工効率が向上する。また、掘削ヘッド2にスパイラル翼2aを固設している場合は、わずかではあるが付着土砂が落下する恐れがあるので、正回転で引き上げる方が好ましい。掘進時と同様に、引き上げ時も突出体5が固設された円筒体4は回転せずに、掘削ロッド1とともに上方へ引き上げられる。このとき、吐出された水硬性固化材液の液面位置が、低くとも突出体5が固設された円筒体4の下端部にあるように掘削ロッド1の引き上げ速度と水硬性固化材液の吐出量を調整するのが好ましい。これは該突出体5が形成する軌跡空間である凹条13が形成されると同時に水硬性固化材液で該凹条13を満たすことにより、地盤の弾性戻り等により発生する凹条(軌跡空間)13の縮小をより小さくする効果があるためである(図32(e))。
(f)掘削ロッド1を完全に地上に引上げ、水硬性固化材液の液面を所定位置(天端レベル位置)に調整して施工を終了する(図32(f))。これにより填充した水硬性固化材液が固化(硬化)することによって、外周面に突条部12が一体に形成された水硬性固化材液置換コラム11が築造される。
例えば、図1および図2に示す第1実施の形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造装置1Aによれば、突出体5はブロック状で、対称位置に2枚設けられているので、削孔壁面に形成される突出体5の軌跡空間で形成する凹条13は、該ブロック状の突出体5の形状、数および位置に対応するので、図33(a)に示すようにブロック状の突出体5の形状に対応する形状の突条部12が対称位置に2個有する水硬性固化材液置換コラム11が築造される。突出体5は、ブロック状なので幅厚の凹条に形成されるため、填充した水硬性固化材液が硬化後の置換コラムに鉛直荷重が作用したときに破損するおそれがなく、確実に鉛直支持力を増大させることができる。
また、図6および図7に示す第2実施の形態にかかる水硬性固化材液置換コラム築造装置1Bによれば、突出体5は2枚の長方形の板状の突片5bで形成されているので、削孔壁面に形成される突出体5の軌跡空間で形成する凹条13は、該長方形の板状の突片5bで形成される突出体5の形状、数、位置に対応するので、図33(b)に示すように板状の突片5bの形状および数、位置に対応する形状、および数、位置の突条部12を有する水硬性固化材液置換コラム11が築造される。
以下、同様にして図34(a)(b)(c)に例示するように突出体5の形状、数および位置に対応した突条部12を有する水硬性固化材液置換コラム11を築造することができる。
そして、本発明にかかる水硬性固化材液置換コラム築造装置で築造した水硬性固化材液置換コラム11は、周面に縦方向(軸線方向)の突条体5が一体に設けられているので、地盤に対する周面摩擦力が増大し、水硬性固化材液置換コラム11の鉛直支持力を高めることができる。従って、構造物単位での水硬性固化材液置換コラム11の打設本数を削減でき、経済的施工が可能になる。
図35(a)(b)は、突条部12が断面矩形状の場合を示し、図36(a)(b)は、突条部12が略半円状の断面形状の場合を示している。それぞれの図において(a)(b)では、突条部12の曲がり方向が逆のものを示しており、掘削ロッド1の進行方向と回転方向によって異なることになる。例えば、掘削ロッド1の進行方向に対して回転方向が正回転のときは(a)となり、逆回転のときは(b)となる。
また、第8乃至第11実施の形態では、前記円筒体4はフランジ4aを介して組み立て可能にしたことで、円筒体4を分割したものをこれらのフランジ4a部分で当接し、この当接部で各フランジ4aどうしを締結具7を用いて締結することで、円筒体4の掘削ロッド1に対する付け替え作業を効率的に実施できる。突出体5が摩耗した時にも有効である。
1a 掘削ロッドの突き出し部
1c ロッド継手部
1d 流路
1e 段部
2 掘削ヘッド
2a 掘削翼
2b 吐出口
2c 突条
2d ヘッド継手部
2e 段部
3a シェアブロック
3b ボルト
4 円筒体
4a フランジ
4b 半円筒板
5 突出体
5b 突片
5c 尖端
6a、6b ずれ止め用突縁(ずれ止め)
7 締結具
8 肉厚部
9 リング切欠(ずれ止め)
10 突起(突出体)
11 水硬性固化材液置換コラム
12 突条部
13 凹条
P カット部
Claims (15)
- 水硬性固化材液の流路を有する掘削ロッド下端部に、その流路に通じる吐出口を有する掘削ヘッドを接続した水硬性固化材液置換コラム築造装置であって、
前記掘削ロッド下方部に、周側面に回転径が該掘削ロッド径よりも大きな突出体を有する円筒体を、該掘削ロッドに回転可能に遊嵌させたことを特徴とする水硬性固化材液置換コラム築造装置。 - 前記円筒体の突出体は、板状の突片で形成されていることを特徴とする請求項1記載の水硬性固化材液置換コラム築造装置。
- 前記円筒体は少なくとも2分割可能であり、前記掘削ロッドに対して着脱可能に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の水硬性固化材液置換コラム築造装置。
- 前記円筒体は、少なくとも2分割された分割片で形成され、該分割片は端部にフランジを備え、該フランジ同士を連結して組み立て可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の水硬性固化材液置換コラム築造装置。
- 前記分割片のフランジ同士を連結して円筒体に組み立てた該フランジを円筒体の突出体とすることを特徴とする請求項4記載の水硬性固化材液置換コラム築造装置。
- 前記掘削ロッドには前記円筒体の軸方向移動を規制するずれ止めが設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の水硬性固化材液置換コラム築造装置。
- 前記掘削ロッドは、突出体を有する円筒体を回転可能に遊嵌させた位置より下方部分のロッド径が径小となっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の水硬性固化材液置換コラム築造装置。
- 水硬性固化材液の流路を有する掘削ロッド下端部に、その流路に通じる吐出口を有する掘削ヘッドを接続した水硬性固化材液置換コラム築造装置で、前記掘削ロッド下方部に、周側面に回転径が該掘削ロッド径よりも大きな突出体を有する円筒体を、該掘削ロッドに回転可能に遊嵌させた水硬性固化材液置換コラム築造装置を用い、
該築造装置の掘削ロッドを回転させて地盤の所定深度まで掘進した後、掘削ヘッドの吐出口から水硬性固化材液を吐出しつつ、掘削ロッドを回転させて又は無回転で引き上げ、掘削孔内を該水硬性固化材液で填充することを特徴とする水硬性固化材液置換コラム築造方法。 - 前記円筒体の突出体は、板状の突片で形成されていることを特徴とする請求項8記載の水硬性固化材液置換コラム築造方法。
- 前記円筒体は少なくとも2分割可能であり、前記掘削ロッドに対して着脱可能に形成されていることを特徴とする請求項8または9記載の水硬性固化材液置換コラム築造方法。
- 前記円筒体は、少なくとも2分割された分割片で形成され、該分割片は端部にフランジを備え、該フランジ同士を連結して組み立て可能であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載の水硬性固化材液置換コラム築造方法。
- 前記分割片のフランジ同士を連結して円筒体に組み立てた該フランジを円筒体の突出体とすることを特徴とする請求項11記載の水硬性固化材液置換コラム築造方法。
- 前記掘削ロッドには前記円筒体の軸方向移動を規制するずれ止めが設けられていることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項記載の水硬性固化材液置換コラム築造方法。
- 前記掘削ロッドは、突出体を有する円筒体を回転可能に遊嵌させた位置より下方部分のロッド径が径小となっていることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項記載の水硬性固化材液置換コラム築造方法。
- 置換コラム周側面軸方向に少なくとも2本の突条部を有することを特徴とする水硬性固化材液置換コラム。
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