JP2014062210A - 粘着シートの製造方法、および、該製造方法により得られた粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒として有機スズ化合物を用いることなく、反応を円滑に進行可能であり、製造効率に優れた粘着シートの製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の粘着シートの製造方法は、2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーと、イソシアネート基を有する化合物とを、第1触媒の存在下で反応させ、ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーを形成する工程、および、該ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーと、一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物とを、第2触媒の存在下で反応させ、粘着剤層を形成する工程を含む。上記第1触媒はジルコニウム、チタン、アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属の錯体であり、上記第2触媒はアミン系触媒である。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着シートの製造方法、および、該製造方法により得られた粘着シートに関する。
粘着シートは、様々な用途に使用されており、例えば、半導体ウエハの加工工程において、半導体ウエハを固定するために使用されている。粘着シートの粘着剤層を形成する材料には、代表的にはウレタン結合を有するポリマーが使用されている。ウレタン結合は、水酸基とイソシアネート基を反応させることにより、形成され得る。このウレタン結合を形成する反応において、触媒として、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジラウレート等の有機スズ化合物が一般的に使用されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、有機スズ化合物は、人体および環境への影響があることが知られており、REACHにより使用が制限されている。そのため、有機スズ化合物に代わる触媒が求められている。
しかしながら、触媒によってその効果は異なるため、これまで有機スズ化合物が使用されていた反応工程に他の触媒をそのまま適用することは困難である。そのため、新たな触媒を用いる場合、反応工程を再度検討する必要が生じる。また、有機スズ化合物に代わる触媒を用いた場合、反応効率が低下するという問題がある。
特開2010−24255号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、触媒として有機スズ化合物を用いることなく、反応を円滑に進行可能であり、製造効率に優れた粘着シートの製造方法を提供することである。
本発明者らは検討を重ねた結果、2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーとイソシアネート基を有する化合物との反応の触媒として、ジルコニウム、チタン、および、アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属の錯体を、ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーと一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物との反応の触媒として、アミン系触媒を用いることにより、従来の反応工程を変更することなく、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の粘着シートの製造方法は、2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーと、イソシアネート基を有する化合物とを、第1触媒の存在下で反応させ、ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーを形成する工程、および、該ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーと、一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物とを、第2触媒の存在下で反応させ、粘着剤層を形成する工程を含む。上記第1触媒はジルコニウム、チタン、アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属の錯体であり、上記第2触媒はアミン系触媒である。
好ましい実施形態において、上記第1触媒はジルコニウム、チタン、および、アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、アセチルアセトンとがキレート化した金属錯体である。
好ましい実施形態において、上記第2触媒は第3級ジアミンである。
好ましい実施形態において、上記一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物は、一分子中に3以上のイソシアネート基を有する化合物である。
好ましい実施形態において、上記イソシアネート基を有する化合物が2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートである。
本発明の別の局面によれば、粘着シートが提供される。この粘着シートは上記粘着シートの製造方法により得られる。
本発明によれば、2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーと、イソシアネート基を有する化合物との反応において、第1触媒としてジルコニウム、チタン、アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属の錯体を、ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーと一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物との反応において、第2触媒としてアミン系触媒を用いることにより、触媒として有機スズ化合物を用いることなく、円滑にウレタン結合を形成する反応を進めることができる。また、本発明の製造方法では、触媒として有機スズ化合物を用いた場合と変わらない製造効率で粘着シートを製造することができる。さらに、これらの触媒は、有機スズ化合物を用いていた反応工程をそのまま用いて、粘着シートを製造することができる。
<A.粘着シートの製造方法>
本発明の粘着シートの製造方法は、2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーと、イソシアネート基を有する化合物とを、第1触媒の存在下で反応させ、ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーを形成する工程(以下、第1反応という)、および、該ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーと、一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物とを、第2触媒の存在下で反応させ、粘着剤層を形成する工程(以下、第2反応という)を含む。上記第1触媒は、ジルコニウム、チタン、アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属の錯体である。また、上記第2触媒は、アミン系触媒である。第1触媒として上記金属錯体を、第2触媒としてアミン系触媒を用いることにより、触媒として有機スズ化合物を用いることなく、円滑にウレタン結合を形成する反応を進めることができる。また、触媒として有機スズ化合物を用いた場合と変わらない製造効率で粘着シートを製造することができる。さらに、これらの触媒を用いることにより、触媒として有機スズ化合物を用いていた反応工程をそのまま用いて、粘着シートを製造することができる。
<A−1.第1反応>
第1反応では、2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーと、イソシアネート基を有する化合物とを、第1触媒の存在下で反応させ、ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーを形成する。上記のとおり、第1触媒は、ジルコニウム、チタン、アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属の錯体である。第1触媒としてこれらの金属の錯体を用いることにより、有機スズ化合物を触媒として用いた場合と同様に、円滑にウレタン結合の形成反応を進行させることができる。
<A−1−1.2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマー>
上記2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーは、任意の適切な(メタ)アクリル系モノマーを重合することにより得られる。上記2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーは、好ましくは水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーと、水酸基を有さない(メタ)アクリル系モノマーとを共重合することにより得られるポリマーである。2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーは、1種のみを用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、任意の適切な(メタ)アクリル系モノマーを用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシへキシルエステル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。
上記水酸基を有さない(メタ)アクリル系モノマーとしては、任意の適切な(メタ)アクリル系モノマーを用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル等の炭素数1〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−メトキシエチルアクリレート等が挙げられる。
2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーの重合に用いる、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーと、水酸基を有さない(メタ)アクリル系モノマーとの配合比は、任意の適切な比率に設定され得る。例えば、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーと水酸基を有さない(メタ)アクリル系モノマーとの配合比は、重量比で、20/80〜5/95に設定され得る。水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーと水酸基を有さない(メタ)アクリル系ポリマーとの配合比が上記の範囲内であれば、得られた(メタ)アクリル系ポリマーとイソシアネート基を有する化合物との間に十分なウレタン結合が形成され得る。
上記2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーは、上記水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーおよび上記水酸基を有さない(メタ)アクリル系モノマーと重合可能な任意の適切な他のモノマー成分が共重合されていてもよい。水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーおよび水酸基を有さない(メタ)アクリル系モノマーと重合可能なモノマーとしては、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基等の官能基を有するモノマーが挙げられる。具体的には、アクリロニトリル、アクリロイルモルフォリン、酢酸ビニル等が挙げられる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーおよび上記水酸基を有さない(メタ)アクリル系モノマーと重合可能なモノマーの使用量は、好ましくは2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーの重合に用いるモノマー成分の合計量の20重量%以下である。
上記2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーは、任意の適切な重合方法により得ることができる。例えば、任意の適切な重合開始剤を用いて、任意の適切な溶媒中で、上記水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーと水酸基を有さない(メタ)アクリル系モノマーと、必要に応じてこれらと重合可能な他のモノマーとを重合することにより、2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーが得られる。
上記溶媒としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、酢酸n−ブチル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、任意の適切な熱重合開始剤を用いることができる。例えば、有機過酸化物、および、アゾ系化合物が挙げられる。重合開始剤の使用量は、任意の適切な値に設定し得る。例えば、2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーの重合に用いるモノマー成分の合計量100重量部に対して0.01重量部〜1.0重量部である。
<A−1−2.イソシアネート基を有する化合物>
イソシアネート基を有する化合物としては、イソシアネート基を有する任意の適切な化合物を用いることができる。例えば、(メタ)アクリロイルイソシアネート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。イソシアネート基を有する化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
イソシアネート基を有する化合物は、好ましくは2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートである。イソシアネート基を有する化合物として、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートを用いた場合、得られる(メタ)アクリル系ポリマーが重合性不飽和結合基をさらに有する。そのため、得られる粘着シートの粘着剤層が放射線硬化型粘着剤層として機能し得る。
イソシアネート基を有する化合物としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、昭和電工社製の商品名「カレンズMOI」、「カレンズAOI」、「カレンズBEI」、「カレンズMOI−EG」等が挙げられる。
イソシアネート基を有する化合物の使用量は、上記2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、好ましくは5重量部〜30重量部であり、より好ましくは7重量部〜20重量部である。
<A−1−3.第1触媒>
上記のとおり、第1触媒は、ジルコニウム、チタン、および、アルミニウムから選択される金属の錯体である。第1触媒として、上記金属の錯体を用いることにより、触媒として有機スズ化合物を用いることなく、円滑にウレタン結合を形成する反応を行うことができる。また、これらの金属錯体を用いた場合であっても、有機スズ化合物を触媒として用いた場合と変わらない反応効率でウレタン結合を形成する反応を行うことができる。さらに、ジルコニウム、チタン、および、アルミニウムは安全性が高い金属であり、人体および環境への影響面からも好適に用いることができる。これらの金属錯体は、単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
上記金属錯体としては、任意の適切な錯体を用いることができる。例えば、ジルコニウム錯体としては、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、テトラノルマルブトキシジルコニウム等;チタン錯体としては、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド、ジブトキシチタンビスアセチルアセトナート等;アルミニウム錯体としては、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
上記金属錯体は、好ましくは上記金属とアセチルアセトンとがキレート化したものである。上記金属とアセチルアセトンとの金属錯体は、配位子としてジケトンを有する。そのため、金属およびケトンによる活性水素への電気的な引き合いが強く、さらに良好な触媒能を発揮し、効果的にウレタン化反応を進行させ得る。さらに、ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーの重合工程におけるゲル化をも防止し得る。
上記金属とアセチルアセトンとがキレート化した金属錯体としては、市販品を用いてもよい。上記キレート化したジルコニウム錯体としては、例えば、マツモトファインケミカル社製の商品名「オルガチックスZC−150」等の「オルガチックスZC」シリーズ等が挙げられる。上記キレート化したチタン錯体としては、例えば、マツモトファインケミカル社製の商品名「オルガチックスTC−401」等の「オルガチックスTC」シリーズ等が挙げられる。上記キレート化したアルミニウム錯体としては、例えば、川研ファインケミカル社製の商品名「アルミキレートD」等の「アルミキレート」シリーズ等が挙げられる。
上記第1触媒の使用量は、ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーの重合に用いるポリマー成分および/またはモノマー成分の合計量100重量部に対し、好ましくは0.0001重量部〜1重量部であり、より好ましくは0.001重量部〜0.5重量部であり、さらに好ましくは0.003重量部〜0.3重量部である。第1触媒の使用量が0.0001重量部未満の場合、ウレタン化反応の反応性が低く、第1反応の終了までに長い時間が必要となる場合がある。第1触媒の使用量が1重量部を超える場合、触媒そのものが低分子量成分として作用し、得られる粘着剤層の粘着特性を低下させる場合がある。
<A−1−4.反応方法>
上記第1反応は、任意の適切な方法により行うことができる。例えば、以下のようにして行われる。任意の適切な反応容器に、2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーと、イソシアネート基を有する化合物と、第1触媒と、必要に応じて2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーおよびイソシアネート基を有する化合物と重合可能なモノマーと、任意の適切な溶媒を添加し、乾燥空気流入下で、反応させることにより行われる。
第1反応の反応温度は、任意の適切な値に設定され得る。上記反応温度は、例えば、40℃〜65℃に設定され得る。反応温度は任意の適切な加熱手段において、調節され得る。加熱手段としては、例えば、ウォーターバス等が挙げられる。加熱により反応温度が上昇し過ぎた場合、第1反応に用いた溶媒を滴下することにより、温度を調整し得る。
上記第1反応の反応時間は、通常、6時間〜24時間である。第1反応の反応時間が上記の範囲内であれば、触媒として有機スズ化合物を用いていた場合と比べても反応に要する時間に差がない。そのため、製造効率を低下させることなく、粘着シートを製造することができる。第1反応は、FT−IRを用いて、イソシアネート基の残存有無(具体的には、2270cm−1の吸収の有無)を確認し、イソシアネート基が確認されなくなった時点で終了すればよい。
上記溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーの重合反応は、上記2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーの重合反応と連続して反応を行ってもよい。例えば、上記2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーを含む反応溶液に、第1触媒、イソシアネート基を有する化合物、および、必要に応じて2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーおよびイソシアネート基を有する化合物と重合可能なモノマーとを添加し、反応させることにより調製してもよい。
<A−2.第2反応>
第2反応では、ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーと、一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物とを、第2触媒の存在下で反応させ、粘着シートの粘着剤層を形成する。
<A−2−1.ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマー>
ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーは、上記第1反応で得られるポリマーである。ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーは、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<A−2−2.一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物>
一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物は、架橋剤として機能し得る。上記ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーは、第1反応で未反応の水酸基を含み得る。この水酸基と一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基を第2触媒の存在下で反応させることにより、粘着剤層が形成される。一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物としては、任意の適切な化合物を用いることができる。一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物は、好ましくは一分子中に3以上のイソシアネート基を有する化合物である。一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類、芳香族ポリイソシアネート類等が挙げられる。一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪族ポリイソシアネート類としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート;1,2−テトラメチレンジイソシアネート、1,3−テトラメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート等のテトラメチレンジイソシアネート;1,2−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,5−ヘキサメチレンジイソシアネート等のヘキサメチレンジイソシアネート;2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネート類としては、例えば、イソホロンジイソシアネート;1,2−シクロヘキシルジイソシアネート、1,3−シクロヘキシルジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート等のシクロヘキシルジイソシアネート;1,2−シクロペンチルジイソシアネート、1,3−シクロペンチルジイソシアネート等のシクロペンチルジイソシアネート;水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート類としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート等が挙げられる。
上記一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物としては、市販品を用いてもよい。具体的には、旭化成ケミカルズ社製の商品名「デュラネートTPA−100」、日本ポリウレタン工業社製の商品名「コロネートL」、同「コロネートHL」、同「コロネートHK」、同「コロネートHX」、同「コロネート2096」等が挙げられる。
上記一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物の使用量は、任意の適切な値に設定され得る。上記ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、例えば、0.1重量部〜20重量部、好ましくは1重量部〜10重量部である。
<A−2−3.第2触媒>
第2触媒としては、任意の適切なアミン系触媒が用いられる。第2触媒として、アミン系触媒を用いることにより、有機スズ化合物を触媒として用いた場合と同様に、円滑にウレタン結合の形成反応を進行させることができる。アミン系触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、テトラメチルブタンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデンセン−7、ビス(2,2’−ジメチルアミノ)エチルエーテル、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N’−ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、トリエタノールアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジンオキシド等が挙げられる。触媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
第2触媒は、好ましくは第3級ジアミンであり、より好ましくは2個の窒素原子に結合する基が全てアルキル基である第3級ジアミンである。2個の窒素原子に結合する基が全てアルキル基である第3級ジアミンは、アミンの非共有電子対の周りの立体障害が小さく、求核性が高く、反応性を高めやすいことからより好適に用いられ得る。2個の窒素原子に結合する基が全てアルキル基である第3級ジアミンとしては、具体的には、トリエチレンジアミン等が挙げられる。
第2触媒の使用量は、任意の適切な値に設定され得る。例えば、上記ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.001重量部〜1重量部である。第2触媒の使用量が上記の範囲内であれば、第2反応を効率よく行うことができる。
<A−2−4.その他の成分>
上記粘着剤層は、第2触媒による反応促進効果を損なわない範囲で、さらにその他の成分を含んでいてもよい。当該その他の成分としては、例えば、イソシアネート化合物以外の架橋剤、光重合開始剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤等が挙げられる。その他の成分の種類および使用量は、目的に応じて適切に選択され得る。
<A−2−4−1.光重合開始剤>
光重合開始剤としては、任意の適切な光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤をさらに添加することにより、得られた粘着シートに紫外線を照射することにより、粘着剤層をより速やかに硬化させることが可能となり、軽剥離性が向上した粘着シートを提供することができる。
光重合開始剤としては、任意の適切な開始剤を用いることができる。例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイソプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のべンゾインアルキルエーテル類;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン類の芳香族ケトン類;ベンジルジメチルケタール等の芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類等が挙げられる。光重合開始剤は1種のみを用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記光重合開始剤として、市販品を用いてもよい。例えば、BASF社製の商品名「イルガキュア651」、「イルガキュア184」、「イルガキュア369」、「イルガキュア819」、「イルガキュア2959」等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、例えば、0.01重量部〜20重量部であり、好ましくは0.1重量部〜10重量部であり、より好ましくは0.5重量部〜10重量部である。
<A−2−5.反応方法>
第2反応は任意の適切な方法により行われる。例えば、上記ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーと、一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物とを第2触媒および必要に応じて任意の適切な他の成分の存在下で反応させることにより行うことができる。
第2反応の反応温度は、任意の適切な値に設定され得る。上記反応温度は、例えば、40℃〜65℃に設定され得る。反応温度は任意の適切な加熱手段において、調節され得る。
上記第2反応の反応時間は、通常、48時間〜96時間である。第2反応の反応時間が上記の範囲内であれば、有機スズ化合物を触媒として用いた場合と同様に、ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーに含まれ得る水酸基と一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基との架橋反応を円滑に進行させることができる。そのため、製造効率を低下させることなく、粘着シートを製造することができる。第2反応は、FT−IRを用いて、イソシアネート基の残存有無(具体的には、2270cm−1の吸収の有無)を確認し、イソシアネート基が確認されなくなった時点で終了すればよい。
第2反応は、上記第1反応と連続して行ってもよい。すなわち、上記第1反応を行った反応溶液に、一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物、第2触媒、および必要に応じて任意の適切な他の成分を添加し、第2反応を行ってもよい。
上記第2反応は、粘着シートの製造効率の点から、上記ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマー、第2触媒、および、必要に応じて他の添加剤を含む溶液(以下、粘着剤層形成材料ともいう)を粘着シートの基材層または転写用の剥離処理されたフィルムに粘着剤層を形成した後、加熱し、反応を行うことが好ましい。
基材層または転写用の剥離処理されたフィルムに粘着剤層を形成する場合、第2反応は、例えば、粘着剤層を形成した粘着シートを所望の温度に加熱することにより行うことができる。加熱手段としては、例えば、オーブン等が挙げられる。
粘着シートの基材層または転写用の剥離処理されたフィルムに塗布する際の粘着剤層の厚みは、任意の適切な値に設定され得る。例えば、粘着シートの粘着剤層の厚みは3μm〜100μmであり、好ましくは5μm〜65μmである。
上記基材層は、任意の適切な樹脂により形成される。上記樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、シリコン樹脂、セルロース系樹脂、および、これらの架橋体が挙げられる。なお、基材層として、市販のポリマーフィルムを用いてもよい。
上記基材層は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらにその他の成分を含んでいてもよい。当該その他の成分としては、例えば、上記例示した粘着剤層に含まれ得るその他の成分と同様の成分が用いられ得る。
上記基材層の厚みは、好ましくは30μm〜185μmであり、より好ましくは55μm〜175μmである。
基材層は、任意の適切な方法で形成することができる。具体的には、例えば、カレンダー法、キャスティング法、インフレーション法、Tダイ押出し法が好適に用いられる。また、市販のプラスチックフィルムを基材層として用いてもよい。
転写用の剥離処理されたフィルムとしては、任意の適切な剥離フィルムを用いることができる。例えば、シリコン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチック(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン)フィルム、不織布または紙などが挙げられる。
また、剥離処理されたフィルムとしては、市販の剥離フィルムを用いてもよい。市販の剥離フィルムとしては、例えば、三菱樹脂社製の商品名「ダイアホイルMRF38」等が挙げられる。
剥離処理されたフィルム上に粘着剤層を形成する場合、粘着剤層形成材料を剥離処理されたフィルムに塗布・乾燥した後、形成した粘着剤層に基材層となるフィルムを貼り合わせればよい。
<A−3.その他の工程>
本発明の粘着シートの製造方法は、必要に応じて、上記第1反応および第2反応以外の任意の適切な他の工程を含み得る。例えば、粘着シートに任意の適切な他の層を形成する工程が挙げられる。上記他の層としては、例えば、粘着シートに耐熱性を付与し得る表面層(耐熱層)、帯電防止層、背面軽剥離化処理層、摩擦低減層、易接着処理層等が挙げられる。これらの層は、任意の適切な方法により形成することができる。
通常、粘着シートは、実用に供するまで粘着シートを保護する保護材として機能するセパレータにより保護されて提供され得る。そのため、一つの実施形態においては、本発明の粘着シートの製造方法は、セパレータを積層する工程を含む。セパレータの積層は、任意の適切な方法により行うことができる。セパレータとしては、例えば、シリコン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチック(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン)フィルム、不織布または紙などが挙げられる。
<B.粘着シート>
本発明の粘着シートは、上記粘着シートの製造方法により得られる。本発明の粘着シートは、代表的には基材層および粘着剤層を備える。本発明の粘着シートは、さらに任意の適切な他の層を備え得る。他の層としては、例えば、粘着シートに耐熱性を付与し得る表面層(耐熱層)、帯電防止層、背面軽剥離化処理層、摩擦低減層、易接着処理層等が挙げられる。
本発明の粘着シートは、セパレータにより保護されて提供され得る。本発明の粘着シートは、セパレータにより保護された状態で、ロール状に巻き取ることができる。セパレータの具体例としては、上記A項のものが挙げられる。
粘着シートの厚みは、任意の適切な値に設定され得る。上記粘着シートの厚みは、好ましくは50μm〜700μmであり、より好ましくは80μm〜225μmである。
本発明の粘着シートは、半導体ウエハ加工に好適に用いることができる。本発明の粘着シートは、触媒として有機スズ化合物を用いない方法により製造される。そのため、粘着シート使用時、および、使用後の粘着シートの廃棄時においても、有機スズ化合物による、人体および環境への悪影響を防止し得る。さらに、本発明の粘着シートの製造方法では、第1反応の触媒としてジルコニウム、チタン、および、アルミニウムの金属錯体を用いる。従来、粘着剤組成物に含まれるポリマー成分を調製する際に金属錯体を用いる場合には、粘着剤層に残存する金属錯体による半導体ウエハの金属汚染という問題がある。しかしながら、第1触媒として用いる金属錯体は、半導体ウエハへの拡散速度が遅く、また、金属汚染が発生した場合でも半導体回路の機能への影響が小さい。そのため、本発明の粘着シートは、半導体ウエハ加工用途に好適に用いることができる。さらに、粘着剤層形成材料を調製する工程において光重合開始剤をさらに含む場合、粘着シートに放射線を照射することにより、粘着剤層が硬化し、軽剥離性が発揮され得る。そのため、加工後の半導体ウエハからの粘着シートの剥離が容易となる。
本発明の粘着シートを半導体ウエハ加工用途に用いる場合、例えば、バックグラインド工程用粘着シート、ダイシング工程用粘着シート等として用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。また、部は重量部を意味する。
[実施例1]
1Lの丸底セパラブルフラスコ、セパラブルカバー、分液ロート、温度計、窒素導入管、リービッヒ冷却器、バキュームシール、撹拌棒および撹拌翼を備えた重合用実験装置に、アクリル酸2−エチルへキシル(東亜合成社製)80重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(東亜合成社製)20重量部、溶剤(トルエン)100重量部、および、熱重合開始剤として過酸化ベンゾイル(日本油脂株式会社製、商品名「ナイパーBW」)0.2重量部を投入した。投入した混合物を撹拌しながら、常温で窒素置換を1時間行った。次いで、窒素流入下、撹拌しながら、ウォーターバスで実験装置内の溶液温度を62℃±2℃となるように制御しながら、12時間保持した。なお、重合工程中の温度制御のため、適宜トルエンを添加した。その後、常温まで冷却し、2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマー溶液を得た。
(第1反応)
得られた(メタ)アクリル系ポリマー溶液に、2−イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工社製、商品名「カレンズMOI」)20重量部、第1触媒として、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル社製、商品名「オルガチックスZC−150」)0.05重量部を投入し、乾燥空気流入下、反応温度が50℃±2℃となるよう制御した。2時間ごとに反応容器から1ccのサンプルを抜き取り、FT−IRで2270cm−1の吸収の有無を確認し、イソシアネート基の残存有無を確認した。なお、反応時間は、10時間であった。
(第2反応)
得られたウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマー溶液100重量部(固形分)に対して、ポリイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」)1重量部、第2触媒として、トリエチレンジアミン(東ソー社製、商品名「TEDA」)0.05重量部、光重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア651」)3重量部を添加し、粘着剤層形成材料を得た。
得られた粘着剤層形成材料を離型処理されたポリエステルフィルム(三菱樹脂社製、商品名「ダイアホイルMRF38」)に塗布し、120℃で2分間乾燥し、厚み20μmの粘着剤層を形成した。該粘着剤層の表面にポリエステルフィルム(東レ社製、商品名「ルミラーS10#50」)を気泡が発生しないよう貼り付け、積層体を得た。得られた積層体を50℃のオーブンでエージング(第2反応)させた。12時間ごとに粘着剤層のイソシアネート基の有無をFT−IRで2270cm−1の吸収の有無により確認した。イソシアネート基が無くなった時点で反応を終了し、粘着シートを得た。第2反応の反応時間は48時間であった。
製造に使用した触媒および反応時間を表1に示す。
[実施例2]
第1触媒の使用量を0.1重量部にした以外は実施例1と同様にして、粘着シートを得た。実施例2において、第1反応の反応時間は8時間、第2反応の反応時間は48時間であった。製造に使用した触媒および反応時間を表1に示す。
[実施例3]
第1触媒の使用量を0.2重量部にした以外は実施例1と同様にして、粘着シートを得た。実施例3において、第1反応の反応時間は6時間、第2反応の反応時間は48時間であった。製造に使用した触媒および反応時間を表1に示す。
[実施例4]
第1触媒として、チタンテトラアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル社製、商品名「オルガチックスTC−401」)0.1重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、粘着シートを得た。実施例4において、第1反応の反応時間は12時間、第2反応の反応時間は48時間であった。製造に使用した触媒および反応時間を表1に示す。
[実施例5]
第1触媒として、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)(川研ケミカル社製、商品名「アルミキレートD」)0.1重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、粘着シートを得た。実施例5において、第1反応の反応時間は24時間、第2反応の反応時間は48時間であった。製造に使用した触媒および反応時間を表1に示す。
(比較例1)
第2触媒として、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル社製、商品名「オルガチックスZC−150」)0.05重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、粘着シートを得た。比較例1において、第1反応の反応時間は10時間、第2反応の反応時間は288時間であった。製造に使用した触媒および反応時間を表1に示す。
(比較例2)
第1触媒として、トリエチレンジアミン(東ソー社製、商品名「TEDA」)0.05重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、粘着シートを得た。比較例2において、第1反応の反応時間は72時間、第2反応の反応時間は48時間であった。製造に使用した触媒および反応時間を表1に示す。
(参考例)
第1触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(IV)(和光純薬工業社製)を0.05重量部用い、第2触媒を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、粘着シートを得た。参考例1において、第1反応の反応時間は10時間、第2反応の反応時間は48時間であった。製造に使用した触媒および反応時間を表1に示す。
Figure 2014062210
[粘着力の評価]
実施例および比較例で得られた粘着シートを幅20mm、長さ150mmに切断し、試験片とした。該試験片をシリコンミラーウエハに貼り付け、室温で30分間放置した後、剥離角度90度、剥離速度300mm/分にて粘着力を測定した。いずれの粘着シートの粘着力も1.0N/20mmであり、粘着シートとして適用可能なものであった。
同様に、各試験片をシリコンミラーウエハに貼り付け、室温で30分間放置した後、粘着シートの背面(シリコンミラーウエハと対向していない面)からUV照射装置(日東精機社製、商品名「UM−810」)を用いてUV照射(照度:60mW/cm、光量:300mJ/cm)を行った後、同様に粘着力を測定した。いずれの粘着シートの粘着力も0.1N/20mmであり、軽剥離性を有していた。
第1触媒として、ジルコニウム、チタン、アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属の錯体を、第2触媒としてアミン化合物を用いた実施例1〜5では、第1反応および第2反応が円滑に進行し、効率よく粘着シートを得ることができた。また、第1触媒の使用量を調整することにより、反応に必要な時間を調整することができた(実施例1〜3)。第1触媒および第2触媒として、ジルコニウム錯体を用いた比較例1では第2反応の終了までの時間が長くなり、製造効率が著しく低下した。また、第1触媒および第2触媒として、トリエチレンジアミンを用いた比較例2では、第1反応の反応時間が実施例1〜5よりも長くなり、粘着シートの製造効率が低下した。
本発明の粘着シートの製造方法は、人体および環境に悪影響がある有機スズ化合物を触媒として使用することなく、効率よく粘着シートを製造することができる。

Claims (6)

  1. 2以上の水酸基を側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマーと、イソシアネート基を有する化合物とを、第1触媒の存在下で反応させ、ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーを形成する工程、および、
    該ウレタン結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーと、一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物とを、第2触媒の存在下で反応させ、粘着剤層を形成する工程を含む、粘着シートの製造方法であって、
    該第1触媒がジルコニウム、チタン、アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属の錯体であり、
    該第2触媒がアミン系触媒である、粘着シートの製造方法。
  2. 前記第1触媒がジルコニウム、チタン、および、アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属と、アセチルアセトンとがキレート化した金属錯体である、請求項1に記載の粘着シートの製造方法。
  3. 前記第2触媒が第3級ジアミンである、請求項1または2に記載の粘着シートの製造方法。
  4. 前記一分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物が、一分子中に3以上のイソシアネート基を有する化合物である、請求項1から3のいずれかに記載の粘着シートの製造方法。
  5. 前記イソシアネート基を有する化合物が2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートである、請求項1から4のいずれかに記載の粘着シートの製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の粘着シートの製造方法により得られた、粘着シート。
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