JP2014062051A - 有機化合物の製造方法、リグニン誘導体、およびリグニン二次誘導体 - Google Patents

有機化合物の製造方法、リグニン誘導体、およびリグニン二次誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオマスから、セルロース誘導体、リグニン誘導体およびヘミセルロース誘導体を、化学構造の変化を比較的受けない形で製造する製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の有機化合物の製造方法は、バイオマスを分解して得られる有機化合物を単離する有機化合物の製造方法であって、バイオマスを水と非プロトン性極性溶媒とを含む混合溶媒存在下におき、これらを高温高圧下で分解処理する分解工程と、前記分解工程により得られた処理物からセルロース誘導体を回収し、回収後の溶液分を得る第1の回収工程と、前記第1の回収工程により得られた溶液分から非プロトン性溶媒を留去する留去工程と、前記留去工程により得られた留去処理物からリグニン誘導体とヘミセルロース誘導体と、を分離して、回収する第2の回収工程と、を有するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機化合物の製造方法、リグニン誘導体、およびリグニン二次誘導体に関するものである。
樹皮、間伐材、建築廃材等の木質系廃材(バイオマス)は、これまでその多くが廃棄処分されている。しかしながら、地球環境保護が重要課題になりつつあり、その観点から、木質系廃材の再利用、リサイクルが検討され始めている。
一般的な木質の主要成分は、セルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体およびリグニン誘導体である。
特許文献1には、約50%の割合で含まれるセルロース誘導体を、微生物処理によってポリ乳酸などの原料物質として利用する方法が開示されている。
特許文献2には、約20%の割合で含まれるヘミセルロース誘導体を、フルフラール等の化合物に変換して利用する方法が開示されている。
特許文献3には、約30%の割合で含まれるリグニンを、樹脂原料として利用する方法が記載されている。
また、 特許文献3には、木粉に液体状のフェノール誘導体を浸透させ、木粉中のリグニンをフェノール誘導体により溶媒和させ、次いで、濃酸を添加してセルロース成分を溶解することにより、リグニンを溶媒和したフェノール誘導体と、セルロース成分を溶解した濃酸との2相に分離し、このうちフェノール誘導体相からリグニンフェノール誘導体を抽出する方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、木粉にフェノール誘導体を溶解した溶媒を浸透させた後、溶媒を留去し、その後、残存した木粉に濃酸を添加することにより、フェノール誘導体により溶媒和されたリグニンを得る方法が開示されている。
特許文献4には、アルカリ蒸解法によって、高収率でセルロース誘導体を抽出する方法が開示されている。
特許文献5には、アルカリ性溶媒および加水分解性酵素によって、ヘミセルロース誘導体を抽出する方法が開示されている。
このようにセルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体およびリグニン誘導体をその他の化学品の原料物質、および樹脂原料として利用するためには、木質系廃材からセルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体およびリグニン誘導体を単離する必要がある。
しかしながら、上記のような方法で製造されたセルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体およびリグニン誘導体は、製造過程の化学処理によって化学構造が大きく変化するという問題がある。更に、製造できる製造過程で得られる目的物以外の化合物は、種々の化合物の混合物となるため単離することが困難であるという問題がある。また、セルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体およびリグニン誘導体は、それぞれの製造方法によって製造するため、効率が低くコストがかかるという問題がある。
また、上記のような方法で製造されたセルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体およびリグニン誘導体には、製造過程の化学処理において使用したアルカリ化合物や濃酸化合物が不純物として残存するため、単離することが困難であるという問題がある。更に、製造されるリグニンの数平均分子量が高いため、実用的な温度で溶融しにくく、成形性に問題がある場合がある。また、セルロース誘導体またはリグニン誘導体は、それぞれの製造方法によって製造するため、効率が低くコストがかかるという問題がある。
特開2008−259517号公報 特表2010−538033号公報 特開2001−261839号公報 特開平7−145581号公報 特開2011−19489号公報
本発明の目的は、バイオマスから、セルロース誘導体、リグニン誘導体およびヘミセルロース誘導体を、化学構造の変化を比較的受けない形で製造する製造方法を提供する事にある。
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1)バイオマスを分解して得られる有機化合物を単離する有機化合物の製造方法であって、
バイオマスを水と非プロトン性極性溶媒とを含む混合溶媒存在下におき、これらを高温高圧下で分解処理する分解工程と、
前記分解工程により得られた処理物からセルロース誘導体を回収し、回収後の溶液分を得る第1の回収工程と、
前記第1の回収工程により得られた溶液分から非プロトン性溶媒を留去する留去工程と、
前記留去工程により得られた留去処理物からリグニン誘導体とヘミセルロース誘導体と、を分離して、リグニン誘導体とヘミセルロース誘導体をそれぞれ回収する第2の回収工程と、
を有することを特徴とする有機化合物の製造方法。
(2)前記分解工程は、水または非プロトン性極性溶媒の亜臨界条件下で行われる(1)に記載の有機化合物の製造方法。
(3)前記分解工程は、処理温度150〜350℃、処理圧力1〜15MPa、処理時間480分以下で分解処理するものである(1)または(2)に記載の有機化合物の製造方法。
(4)前記非プロトン性極性溶媒は、水より低沸点のものである(1)ないし(3)のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
(5)水と前記非プロトン性極性溶媒との沸点の差は、5〜60℃である(4)に記載の有機化合物の製造方法。
(6)前記非プロトン性極性溶媒は、ケトン類および環状エーテル類のうちの少なくとも1種である(1)ないし(5)のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
(7)前記第2の回収工程で得られたリグニン誘導体と、反応性基を含む化合物と、を混合する反応性基導入工程と、を有する(1)ないし(6)のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
(8)前記反応性基は、エポキシ基である(7)に記載の有機化合物の製造方法。
(9)(1)ないし(6)のいずれかに記載の有機化合物の製造方法により製造されたことを特徴とするリグニン誘導体。
(10)(7)または(8)に記載の有機化合物の製造方法により製造されたことを特徴とするリグニン二次誘導体。
本発明によれば、バイオマスから、セルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体およびリグニン誘導体を、製造過程の化学処理において使用したアルカリ化合物や濃酸化合物が不純物として残存することなく、高収率かつ簡便に分離して製造することが可能になる。また、溶融性および溶解性に優れ、かつ、反応性に優れたリグニン誘導体およびリグニン二次誘導体が得られる。また、基材への含浸性に優れ、機械的特性に優れた樹脂製品を製造し得るリグニン樹脂組成物の製造に好適に用いられ、かつ、樹脂原料として有用な所望の反応性基を容易に導入し得るリグニン誘導体およびリグニン二次誘導体を、高い収率で製造することができる。その結果、特性に優れた樹脂組成物や樹脂基板を安価で提供することが可能になる。
以下、本発明の有機化合物の製造方法、リグニン誘導体およびリグニン二次誘導体について好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の有機化合物の製造方法について説明する。
本発明における有機化合物の製造方法は、前述したように、バイオマスを分解して得られる有機化合物を単離する有機化合物の製造方法である。
<有機化合物の製造方法>
次に、本発明の有機化合物の製造方法について説明する。
本発明のバイオマスを分解して得られる有機化合物を単離する有機化合物の製造方法は、
バイオマスを水と非プロトン性極性溶媒とを含む混合溶媒存在下におき、これらを高温高圧下で分解処理する分解工程と、
前記分解工程により得られた処理物からセルロース誘導体を回収し、回収後の溶液分を得る第1の回収工程と、
前記第1の回収工程により得られた溶液分から非プロトン性溶媒を留去する留去工程と、
前記留去工程により得られた留去処理物からリグニン誘導体とヘミセルロース誘導体と、を分離して、リグニン誘導体とヘミセルロース誘導体をそれぞれ回収する第2の回収工程と、
を有している。
以下、各工程について順次説明する。
[1]分解工程
バイオマスを水と非プロトン性極性溶媒とを含む混合溶媒存在下におき、これらを高温高圧下で分解処理する分解工程について説明する。
この工程によって、バイオマスを、セルロース誘導体、リグニン誘導体およびヘミセルロース誘導体にそれぞれ分解することができる。
まず、バイオマスを水と非プロトン性極性溶媒とを含む混合溶媒存在下におく。
本発明におけるバイオマスとは、セルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体およびリグニン誘導体を含有する植物または植物の加工品である。植物としては、例えば、ブナ、白樺、ナラのような広葉樹、杉、松、桧のような針葉樹、竹、稲わらのようなイネ科植物、椰子殻等が挙げられる。
また、バイオマスとしては、前述したようなものが挙げられるが、その形状は、特に限定されないものの、ブロック状、チップ状、粉末状等とされる。
さらに、本発明に用いられるバイオマスは、その大きさが100μm〜1cm程度であるのが好ましく、200〜1000μm程度であるのがより好ましい。このような大きさのバイオマスを用いることにより、液中でのバイオマスの分散性を高めるとともに、バイオマスの分解処理を効率よく行うことができる。
分解工程において用いる溶媒としては、水と非プロトン性極性溶媒との混合溶媒が用いられる。このうち、水としては、例えば、超純水、純水、蒸留水、イオン交換水等が用いられる。
一方、非プロトン性極性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、アセトニトリルのようなニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドンのようなアミド類、塩化メチレン、クロロホルムのようなハロゲン化アルキル類等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせたものが用いられる。このうち、バイオマスの分解効率等の観点から、ケトン類および環状エーテル類のうちの少なくとも一方が好ましく用いられ、作業性の観点からアセトンが更に好ましく用いられる。
また、非プロトン性極性溶媒は水に対して相溶性を有していることから、上記混合溶媒は、均質性の高いものとなり、分解処理を効率よく行うことができる。
なお、水と非プロトン性極性溶媒とを併用することで分解処理の効率を高め得る理由は、未だ明らかになっていないが、水および非プロトン性極性溶媒のいずれか一方のみでは、十分な効率を得ることはできない。すなわち、双方を併用することで初めて高効率が得られるのである。この結果からして、水と非プロトン性極性溶媒とが高温高圧下で相乗的に作用してバイオマスを分解していると考えられる。
また、従来では複数回の分解処理が必要であったのに対し、水と非プロトン性極性溶媒とを併用することで、1回の分解処理であってもセルロース誘導体、リグニン誘導体およびヘミセルロース誘導体の収率を十分に高めることができる。これにより、分解処理の低コスト化を図ることができる。
ここで、非プロトン性極性溶媒には、水より低沸点のものが好ましく用いられる。このような非プロトン性極性溶媒を用いることにより、水との混合溶媒中から非プロトン性極性溶媒のみを容易に留去することができ、後述する留去工程を容易に行うことができる。
この場合、水と非プロトン性極性溶媒との沸点の差は、特に限定されないが、5〜60℃程度であるのが好ましく、10〜50℃程度であるのがより好ましく、20〜50℃程度であるのがさらに好ましい。沸点の差が前記範囲内であれば、相溶性を維持しつつ、後述する留去工程における水と非プロトン性極性溶媒との分離を確実に行うことができ、最終的に単離されるリグニン誘導体を高度に精製することができる。
混合溶媒の使用量としては、バイオマスに対して多いほどよいが、バイオマスに対して1〜20質量倍程度であるのが好ましく、2〜10質量倍程度であるのがより好ましい。これにより、バイオマスの分解処理に際して必要かつ十分な混合溶媒の量となる。
また、混合溶媒における水と非プロトン性極性溶媒との混合比は、特に限定されないものの、水の量を1としたとき、非プロトン性極性溶媒の量が質量比で0.2〜5程度となる比率であるのが好ましく、0.3〜3程度となる比率であるのがより好ましい。これにより、バイオマスからセルロース誘導体、リグニン誘導体およびヘミセルロース誘導体を効率よく確実に単離することができる。
また、混合溶媒中には、水および非プロトン性極性溶媒以外にその他の溶媒を含んでいてもよい。混合溶媒におけるその他の溶媒の含有量は、水および非プロトン性極性溶媒の各々より少なく、かつ、混合溶媒の10質量%以下が好ましく、5質量%以下であるのがより好ましい。
その他の溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールのようなアルコール類、フェノール、クレゾールのようなフェノール類等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせたものが用いられる。
次に、溶媒存在下においたバイオマスを高温高圧下で分解処理する(分解工程)。これにより、バイオマスは、セルロース誘導体、リグニン誘導体、ヘミセルロース誘導体およびその他の反応物等に分解される。
高温高圧環境の生成においては、オートクレーブのような耐圧容器が用いられる。また、この耐圧容器としては、加熱手段や撹拌手段を備えているものが好ましく用いられ、高温高圧下でバイオマスを撹拌するようにするのが好ましい。また、必要に応じて容器内の温度など圧力に影響を与える要因とは独立に加圧する手段を備えていてもよい。かかる手段としては、例えば、容器内にアルゴンガス等の不活性ガスを導入する手段等が挙げられる。
分解処理における条件は、処理温度が150〜350℃であるのが好ましく、200〜300℃であるのがより好ましい。処理温度が前記範囲内であれば、分解後に得られるセルロース誘導体、リグニン誘導体およびヘミセルロース誘導体は、熱分解によるガス化などを抑制できるため、高収率で回収することができる。
また、処理温度が前記範囲内であれば、リグニン誘導体の分子量が反応性と溶融性または溶解性とを両立し得るものとなる。なお、処理温度が前記下限値未満である場合、リグニン誘導体の分子量が必要以上に高くなり、溶解性・溶融性に劣るおそれがある。一方、処理温度が前記上限値を超える場合、リグニン誘導体の分子量が必要以上に低くなり、樹脂原料として用いたときに反応性が低下するおそれがある。
また、分解処理における処理時間は、480分以下であるのが好ましく、30〜120分であるのがより好ましい。処理時間が前記範囲内であれば、分解後に得られるリグニン誘導体の芳香族プロトンと脂肪族プロトンの比率が適切な値となり、反応性と溶融性または溶解性との両立の観点から最適化することができる。
さらに、分解処理における圧力は、1〜8MPaであるのが好ましく、1.5〜5MPaであるのがより好ましい。圧力が前記範囲内であれば、バイオマスの分解効率を格段に高めることができ、その分、処理時間の短縮化を図ることができる。なお、必要に応じて、アルゴンガス等により耐圧容器内を加圧して圧力を高めるようにしてもよい。
なお、溶媒中には、必要に応じて、分解処理を促進する触媒を添加するようにしてもよい。この触媒としては、例えば、炭酸ナトリウムのような無機塩基類等が挙げられる。
さらに、上記分解工程の前処理として、バイオマスと前記溶媒とを十分に撹拌し、両者をなじませる工程を行うのが好ましい。これにより、バイオマスの分解を特に最適化することができる。
なお、撹拌温度としては、0〜150℃程度であるのが好ましく、10〜130℃程度であるのがより好ましい。
また、撹拌時間としては、1〜120分程度であるのが好ましく、5〜60分程度であるのがより好ましい。
さらに、撹拌方法としては、ボールミル、ビーズミル等の各種ミル、撹拌翼を備えた撹拌機等を用いた方法、ホモジナイザー、ジェットポンプなどによる水流攪拌を用いた方法等が挙げられる。
また、分解工程において用いる溶媒は、亜臨界または超臨界の状態(条件)で用いられるのが好ましい。亜臨界または超臨界の状態にある溶媒は、バイオマスの分解処理の促進に寄与すると考えられる。このため、分解処理の効率をより高めることができ、リグニン誘導体の製造コストの低減および製造工程の簡略化を図ることができる。
さらに、分解工程において用いる溶媒は、前述したように水と非プロトン性極性溶媒との混合溶媒であるので、水と非プロトン性極性溶媒の双方が亜臨界または超臨界の状態であるのが好ましいが、いずれか一方が亜臨界または超臨界の状態であっても十分な効果が得られる。
なお、一例として、水の臨界温度は約374℃、臨界圧力は約22.1MPaであり、アセトニトリルの臨界温度は約272℃、臨界圧力は約4.8MPaである。
[2]第1の回収工程
次に、前記分解工程により得られた処理物から、セルロース誘導体と溶液分とに分離する第1の回収工程について説明する。
この工程によって、処理物からセルロース誘導体を分離できる。
前記分解工程により得られた処理物は、不溶分と溶液分とを含んでいる。この不溶分はセルロース誘導体を含んでいる。よって、不溶分を回収することにより、回収物としてセルロース誘導体を得ることができる。不溶分の回収方法は、特に限定されるものではないが、作業性の観点から、例えば、遠心分離や濾過を用いることが好ましく、簡便性の観点から、濾過を用いることがさらに好ましい。
回収された不溶分に不純物が残存している場合は、非プロトン性極性溶媒でさらに洗浄することが好ましい。また、回収された不溶分に非プロトン性極性溶媒が残存している場合は、乾燥させることによって、非プロトン性極性溶媒を揮発させ、除去することが好ましい。前記乾燥の方法は特に限定されるものではないが、例えば、減圧する方法、加熱する方法、凍結乾燥する方法などが挙げられ、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。このような工程によって、高い収率でセルロース誘導体を製造することができる。
製造されたセルロース誘導体は、グルコース誘導体がβ−グリコシド結合によって結合した構造を単位構造として有する化合物であり、固体セルロース誘導体として高収率かつ簡便に分離することができる。またこの単位構造には、化学的に活性な水酸基を豊富に有するため、化学修飾を施すことで、機能性を付与することが比較的容易である。このため、セルロース誘導体は、機能性材料として有用とされる。
また、セルロース誘導体は、加水分解剤や特定の生物が有する酵素によって処理することで、最終的にはグルコース誘導体まで分解することも可能である。このため、セルロース誘導体は、グルコース誘導体の原料として有用とされる。
グルコース誘導体としては、例えば、グルコース、グルコースの水酸基をエステル化した化合物等が挙げられる。
[3]留去工程
さらに、前記第1の回収工程により得られた溶液分から、非プロトン性溶媒を留去する留去工程について説明する。
前記第1の回収工程により得られた溶液分から非プロトン性極性溶媒を留去することによって、留去処理物を得ることができる。前記留去する方法としては特に限定されるものではないが、例えば、減圧する方法、加熱する方法などが挙げられ、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。前記留去作業は、具体的には、例えば、エバポレーターなどを用いて実施することができる。この工程によって、非プロトン性溶媒を揮発させて除去することができ、非プロトン性溶媒に溶解していたリグニン誘導体を不溶化し、次工程での分離を容易にすることができる。
[4]第2の回収工程
さらに、前記留去工程により得られた留去処理物からリグニン誘導体と、ヘミセルロース誘導体と、を分離して、リグニン誘導体とヘミセルロース誘導体をそれぞれ回収する第2の回収工程について説明する。
この工程では、リグニン誘導体と、ヘミセルロース誘導体と、をそれぞれ分離して、回収することができる。
前記留去工程で得られた留去処理物には、不溶分であるリグニン誘導体と、溶液分であるヘミセルロース誘導体と、を含んでいる。よって、不溶分を回収することにより、リグニン誘導体を回収し、得ることができる。不溶分の回収方法は、特に限定されるものではないが、作業性の観点から、例えば、遠心分離や濾過を用いることが好ましく、簡便性の観点から、濾過を用いることがさらに好ましい。
回収された不溶分に不純物が残存している場合は、例えば、水でさらに洗浄することが好ましい。また、回収された不溶分に非プロトン性極性溶媒が残存している場合は、乾燥することによって、非プロトン性極性溶媒を除去することが好ましい。前記乾燥の方法は特に限定されるものではないが、例えば、減圧する方法、加熱する方法、凍結乾燥する方法などが挙げられ、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。このような工程によって、水や非プロトン性溶媒を揮発させて除去することができ、高い収率でリグニン誘導体を製造することができる。
また、前記リグニン誘導体の回収工程で得られた溶液成分には、ヘミセルロースを含んでいる。よって、前記溶液成分を濃縮し、乾燥することでヘミセルロース誘導体を得ることができる。濃縮する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、減圧する方法、加熱する方法および凍結乾燥する方法などが挙げられ、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。前記濃縮する方法は、具体的には、例えば、エバポレーターなどを用いて実施することができる。得られたヘミセルロース誘導体を含む回収物に、水や非プロトン性極性溶媒などが含まれている場合には、さらに減圧する方法や加熱する方法およびこれらの方法を組み合わせた方法などを用いて、水や非プロトン性極性溶媒を揮発させることができ、乾燥することができる。この工程により、高い収率でヘミセルロース誘導体を製造することができる。
製造されたリグニン誘導体は、フェノール誘導体を単位構造とする化合物である。この単位構造は、化学的および生物学的に安定な炭素−炭素結合や炭素−酸素−炭素結合を有するため、化学的な劣化や生物的分解を受け難い。このため、リグニン誘導体は、樹脂原料として有用とされる。
リグニン誘導体の具体例としては、下記式(1)で表わされるグアイアシルプロパン構造、下記式(2)で表わされるシリンギルプロパン構造、下記式(3)で表わされる4−ヒドロキシフェニルプロパン構造等が挙げられる。
また、本発明で得られたリグニン誘導体は、水酸基に対して芳香環のオルト位およびパラ位の少なくとも一方が無置換になっているものが好ましい。このようなリグニン誘導体は、芳香環への親電子置換反応により硬化剤が作用する反応サイトを多く含み、水酸基での反応において立体障害が低減できることになるため、反応性に優れたものとなる。
また、本発明で得られたリグニン誘導体は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定されたポリスチレン換算の数平均分子量が200〜2000であるものが好ましく、300〜1800であるものがより好ましい。このような数平均分子量のリグニン誘導体は、その反応性(硬化性)と溶融性または溶解性とをより高度に両立するものとなる。このため、樹脂原料としての利用性をより高めることができる。
なお、数平均分子量が前記下限値未満である場合、リグニン誘導体の反応性が低下するおそれがある。一方、数平均分子量が前記上限値超である場合、リグニン誘導体の軟化点が高過ぎて溶融性または溶解性が低下するおそれがある。
また、本発明で得られたリグニン誘導体は、1H−NMR分析に供されたとき、得られる化学シフトのスペクトルにおいて、芳香族プロトンに帰属するピークの積分値が、脂肪族プロトンに帰属するピークの積分値の15〜50%程度であるのが好ましく、15〜45%程度であるのがより好ましく、20〜40%程度であるのがさらに好ましく、20〜35%程度であるのが特に好ましい。これにより、リグニン誘導体の硬化樹脂の機械的特性に寄与する反応性と基材等への含浸性に寄与する溶融性または溶媒への溶解性とを高度に両立することができる。その結果、リグニン誘導体の反応性を維持しつつ基材等に対して確実に含浸させることができるようになるため、リグニン誘導体を樹脂原料として有効に利用することができる。すなわち、樹脂原料に適したリグニン誘導体が得られる。なお、本発明によれば、このような特徴を有するリグニン誘導体を効率よく確実に製造することができる。
なお、前記比率が前記下限値を下回ると、一般的な硬化剤の作用により架橋反応を生じる反応サイトあるいは反応性基を導入するための反応サイトが脂肪族基で置換されていて基材とのなじみが悪くなるため、リグニン誘導体を樹脂原料として用いたときに、基材への含浸性が低下するおそれがある。一方、前記比率が前記上限値を上回ると、リグニン誘導体の溶融性または溶媒への溶解性が低下するため、樹脂成形体の外観が損なわれるおそれがある。
また、芳香族プロトンおよび脂肪族プロトンは、1H−NMR分析の化学シフトのスペクトルにおいて、離れた位置にピークを生じるため、ピークの分離が可能であり、ピークの同定および積分値の算出を行うことができる。
具体的には、分析の基準物質としてテトラメチルシランを用いた場合、一般的には、芳香族プロトンに帰属するピークは6〜8ppm付近に位置する。また、脂肪族プロトンに帰属するピークは0.5〜5ppm付近に位置することとなる。
また、前記不溶分を回収したあとの溶液分には、ヘミセルロース誘導体を含んでいる。この溶液分に、減圧乾燥や凍結乾燥等の方法を用いることで、高い収率でヘミセルロース誘導体を製造することができる。
製造されたヘミセルロース誘導体は、ヘミセルロース誘導体を含有する溶液分を濃縮等により回収され、酸やアルカリ等の不純物の少ないヘミセルロース誘導体が得られるため、機能性材料としての利用性をより高めることができる。
また、前記のヘミセルロース誘導体は、加水分解剤や酵素処理によって処理することでフルフラール類等が得られるため、酸やアルカリ等の不純物が少ないためにフルフラール類等の原料物質としての利用性をより高めることができる。
<リグニン二次誘導体>
本発明のリグニン二次誘導体について説明する。前記工程で得られたリグニン誘導体と、反応性基を含む化合物と、を混合することにより、リグニン誘導体に反応性基を導入し、リグニン二次誘導体を製造することができる。
反応性基を導入する方法としては、例えば、リグニン誘導体と、反応性基を含む化合物と、を混合する方法が用いられる。そして、混合後、必要に応じて触媒等を添加することにより、リグニン誘導体に反応性基が導入されたリグニン二次誘導体を製造することができる。
具体的には、エポキシ基を導入する場合、リグニン誘導体とエピクロロヒドリンと溶媒とを混合し、これに減圧還流下で水酸化ナトリウム等の塩基触媒を添加することにより、エポキシ基が導入されたリグニン二次誘導体を製造することができる。
また、ビニル基を導入する場合、リグニン誘導体とハロゲン化アリルまたはハロゲン化ビニルベンジル等のビニル基を含むハロゲン化合物と溶媒とを混合し、これに加熱攪拌下で水酸化ナトリウム等の塩基触媒を添加することにより、ビニル基が導入されたリグニン二次誘導体を製造することができる。
また、エチニル基を導入する場合、リグニン誘導体とハロゲン化プロパルギルまたはハロゲン化フェニルアセチレン等のエチニル基を含むハロゲン化合物と溶媒とを混合し、これに加熱攪拌下で水酸化ナトリウム等の塩基触媒を添加することにより、エチニル基が導入されたリグニン二次誘導体を製造することができる。
また、シアネート基を導入する場合、リグニン誘導体とハロゲン化シアネートと溶媒とを混合し、これに加熱攪拌下で水酸化ナトリウム等の塩基触媒を添加することにより、シアネート基が導入されたリグニン二次誘導体を製造することができる。
また、マレイミド基を導入する場合、リグニン誘導体とパラクロロニトロベンゼンとを混合する。これにより、リグニン誘導体のフェノール性水酸基にマレイミド基が反応し、エーテル結合を介して結合したポリニトロ化リグニンが得られる。次いで、ポリニトロ化リグニンを還元することで、ポリアミノ化リグニンに変換され、さらに無水マレイン酸と反応させることで、マレイミド基が導入されたリグニン二次誘導体を製造することができる。
また、イソシアネート基を導入する場合、リグニン誘導体と無水マレイン酸とを混合することで、リグニン誘導体中の水酸基がカルボキシル基に変換される。その後、混合物をジフェニルリン酸アジド存在下で加熱することにより、イソシアネート基が導入されたリグニン二次誘導体を製造することができる。
以上のようにしてリグニン二次誘導体を製造することができる。
製造された前記リグニン二次誘導体は、前述したように、リグニン誘導体に反応性基を導入してなるものである。このようなリグニン二次誘導体は、種々の反応性基を有していることから、高い密度で架橋することができ、樹脂原料として有用である。
リグニン二次誘導体が有する反応性基は、反応性を有する原子団であり、自己反応性を有し、2個以上の同じ反応性基が互いに反応し得るもの、または他の官能基と反応し得るものであれば特に限定されない。具体例としては、炭素−炭素不飽和結合を有するビニル基、エチニル基、マレイミド基の他、エポキシ基、シアネート基、イソシアネート基等が挙げられる。また、好ましくはエポキシ基が用いられる。エポキシ基を有するリグニン二次誘導体は、一般的なエポキシ樹脂を代替し得る樹脂原料として有用なものとなる。
<リグニン樹脂組成物>
上述したリグニン誘導体およびリグニン二次誘導体を用いることにより、樹脂原料となるリグニン樹脂組成物が得られる。
以下、リグニン樹脂組成物について説明する。
リグニン樹脂組成物は、リグニン誘導体およびリグニン二次誘導体の少なくとも一方と架橋剤とを含むものである。リグニン誘導体およびリグニン二次誘導体には架橋剤の作用により架橋反応が生じ、硬化する。その結果、リグニン樹脂組成物から樹脂製品を製造することができる。
架橋剤としては、リグニン誘導体およびリグニン二次誘導体のフェノール性水酸基または反応性基に架橋反応を生じさせる架橋剤であれば、特に限定されない。
具体的には、フェノール性水酸基に架橋反応を生じさせる架橋剤としては、例えば、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のようなエポキシ樹脂、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートのようなウレタン樹脂、リグニン誘導体の芳香環に対し親電子置換反応して架橋し得る化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒドのようなアルデヒド類、ポリオキシメチレンのようなアルデヒド源、ヘキサメチレンテトラミンの他、レゾール型フェノール樹脂等の通常のフェノール樹脂で公知の架橋剤、リグニン誘導体の芳香環に対し親電子置換反応して架橋し得る化合物等を挙げることができる。なお、反応性、入手の容易さからヘキサメチレンテトラミンが好ましく用いられる。
一方、リグニン二次誘導体の反応性基に架橋反応を生じさせる架橋剤としては、前記反応性基と反応する架橋剤または自己架橋性の反応性基を有する架橋剤であればよく、具体的には、リグニン二次誘導体中の反応性基がエポキシ基である場合、例えば、ノボラック型フェノール樹脂のようなフェノール樹脂、フェノール性水酸基を有するリグニン化合物、ジエチレントリアミン、m−キシリレンジアミン、N−アミノエチルピペラジンのようなアミン系化合物、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸のような酸無水物、ジシアンジアミド、グアニジン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等の一般的なエポキシ樹脂用硬化剤が挙げられる。また、自己架橋性の反応性基を有する架橋剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールのようなイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7のようなアニオン系重合開始剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロポスフェート、ジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレートのようなスルホニウム塩、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロポスフェート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレートのようなジアゾニウム塩といったカチオン系重合開始剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。これらの中でも、反応性等の観点からリグニン化合物が好ましく用いられる。
また、リグニン二次誘導体中の反応性基がイソシアネート基である場合、架橋剤としては、例えば、フェノール樹脂、リグニン分解物、ポリビニルアルコール、ポリアミン系化合物等の一般的なイソシアネート樹脂用硬化剤が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
また、リグニン二次誘導体中の反応性基がビニル基である場合、架橋剤としては、例えば、ブチルリチウム、ナトリウムエトキシドのようなアニオン系重合開始剤、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル(BPO)のようなラジカル重合開始剤等の一般的なビニル基含有化合物の重合開始剤が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
また、リグニン二次誘導体中の反応性基がエチニル基である場合、架橋剤としては、例えば、5塩化モリブデン、5塩化タングステン、ノルボルナジエンロジウムクロリドダイマー等の一般的なエチニル基含有化合物の重合触媒が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
また、リグニン二次誘導体中の反応性基がマレイミド基である場合、架橋剤としては、例えば、BPOのようなパーオキサイド、前述したアニオン系重合開始剤等の一般的なマレイミド基含有化合物の重合開始剤が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
また、リグニン二次誘導体中の反応性基がシアネート基である場合、架橋剤としては、例えば、ナフテン酸コバルトのような金属触媒等の一般的なシアネート基含有化合物の重合触媒が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
なお、リグニン樹脂組成物において、リグニン誘導体またはリグニン二次誘導体の含有量は40〜95重量部であるのが好ましく、50〜90重量部であるのがより好ましい。また、架橋剤の含有量は5〜60重量部であるのが好ましく、10〜50重量部であるのがより好ましい。
また、リグニン樹脂組成物は、上記の成分以外に、必要に応じて、メトキシナトリウム、t−ブトキシカリウムのようなアルカリ金属塩、酢酸カルシウムのようなアルカリ土類金属塩、Na2O、K3O2のようなアルカリ金属酸化物、CaO、BaOのようなアルカリ土類金属酸化物といった硬化促進剤を含んでいてもよい。
また特に、反応性基としてエポキシ基を有するリグニン二次誘導体を含む場合には、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールのようなイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミンのような3級アミン類、トリフェニルホスフィン、テトラ−n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート等を含んでいてもよい。
また、反応性基として、ビニル基、エチニル基、マレイミド基、シアネ−ト基等を有するリグニン二次誘導体を含む場合には、例えば、前記重合開始剤を含んでいてもよい。
さらには、その他の成分として、後述する添加剤を含んでいてもよい。
かかる添加剤としては、例えば、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシランのようなシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤のような各種カップリング剤、カーボンブラック、ベンガラのような着色剤、ポリエチレンワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、ケトン・アミン類、水素硬化油のような合成ワックス、パラフィンワックス、モンタンワックスのような天然ワックス、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛のような高級脂肪酸およびその金属塩類、パラフィンのような離型剤、シリコーンオイル、シリコーンゴムのような低応力化成分、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、フォスファゼンのような難燃剤、酸化ビスマス水和物のような無機イオン交換体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせたものが用いられる。
また、リグニン樹脂組成物が離型剤を含む場合、離型剤の含有量は、リグニン誘導体またはリグニン二次誘導体100重量部に対して0.01〜10重量部であるのが好ましく、0.1〜5重量部であるのがより好ましい。なお、離型剤の含有量が前記未満である場合、リグニン樹脂組成物を成形型に充填して成形したとき、離型性が不十分となるおそれがあり、一方、離型剤の含有量が前記上限値を上回る場合、リグニン樹脂組成物の硬化性が低下するおそれがある。
このようなリグニン樹脂組成物は、例えば、リグニン誘導体およびリグニン二次誘導体の少なくとも一方と、架橋剤と、必要に応じて添加されるその他の成分と、を混合機により均一に混合することで得られる。なお、必要に応じて、得られた混合物を、熱板や、加圧ニーダー、ロール、コニーダー、二軸押し出し機等の混練機等を用い、混合物が硬化する温度未満で加熱溶融融合してもよい。具体的な加熱温度は、選択する組成に応じて若干異なるが、好ましくは50〜100℃程度とされる。
また、リグニン樹脂組成物を成形して成形体を得る場合、リグニン樹脂組成物に充填剤を添加した成形材料を調製し、これを用いて成形するのが好ましい。
充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、クレー、アルミナ、マイカ、ガラス繊維のような無機充填剤、木粉、パルプ、粉砕布、熱硬化性樹脂硬化物粉のような有機充填剤等が挙げられ、これらの1種類以上を用いることができるが、これらに限定されない。
この場合、充填剤の含有量は、リグニン樹脂組成物100重量部に対して、10〜900重量部であるのが好ましく、20〜500重量部であるのがより好ましい。
このような成形材料は、例えば、リグニン樹脂組成物と、充填剤と、必要に応じて添加されるその他の成分と、を混合機により均一に混合することで得られる。なお、必要に応じて、得られた混合物に加熱混合、混練等を施し、冷却後に粉砕するようにして顆粒状の成形材料としてもよい。
得られた成形材料は、所望の成形方法により成形され、これを硬化させることで樹脂製品を製造することができる。成形方法としては、例えば、トランスファー成形、インジェクション成形、圧縮成形等が挙げられる。
また、成形時の温度は150〜220℃程度、成形時間は1〜5分程度であるのが好ましい。なお、これらの条件は、目的に応じて適宜調整される。
得られる樹脂製品としては、例えば、半導体部品、航空機部品、自動車部品、産業用機械部品、電子部品、電気部品、機構部品等が挙げられる。
<プリプレグ>
次に、上述したリグニン樹脂組成物を用いて製造されるプリプレグについて説明する。プリプレグは、リグニン樹脂組成物を基材に含浸してなるものである。
基材としては、例えば、ガラス織布、ガラス不繊布のようなガラス繊維基材、クラフト紙、リンター紙のような紙材、綿繊維、麻繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維のような天然繊維または合成繊維等の織布や不織布からなる有機合成繊維基材、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維のような織布や不織布からなる無機繊維基材、またはこれらのマット類等が挙げられる。なお、これらの基材の原料繊維は単独または混合して用いるようにしてもよい。
このようなプリプレグは、例えば、基材にリグニン樹脂組成物を含浸させた後、乾燥させることにより製造される。このとき、リグニン樹脂組成物は、有機溶媒に溶解させたワニスとして用いられるが、無溶媒の粉末状等の状態で溶融含浸などによる方法で用いるようにしてもよい。
リグニン樹脂組成物を基材に含浸させる方法は、例えば、基材をワニスに浸漬する方法、各種コーターによりワニスを塗布する方法、スプレーによりワニスを吹き付ける方法等が挙げられる。
なお、乾燥により得られるプリプレグにおいては、ワニスに使用した有機溶媒の80質量%以上が揮発しているのが好ましい。
上記乾燥では、乾燥条件は特に限定されないが、乾燥温度が80〜180℃程度であるのが好ましく、乾燥時間はワニスのゲル化時間を考慮して、目的のプリプレグ特性に合わせて自由に選択される。
また、プリプレグにおける樹脂含浸率は、プリプレグの全質量に対するリグニン誘導体およびリグニン二次誘導体と架橋剤との合計質量の割合で表わされるが、好ましくは30〜80質量%程度であるのが好ましく、40〜70質量%程度であるのがより好ましい。なお、これらの割合は、プリプレグの目的とする性能、プリプレグを積層して得られる基板における絶縁層の厚さ等に応じて適宜調整される。また、ワニスの含浸量は、ワニス中の固形分の量と基材との総量に対して、ワニス中の固形分が35〜75質量%を占めるように設定されるのが好ましい。
<樹脂板>
次に、樹脂板(複合構造体)について説明する。
樹脂板は、上記のようなプリプレグを1枚または2枚以上積層してなる積層体を硬化させることにより製造される。
具体的には、プリプレグまたはその積層体を、加熱加圧成形により基板状に成形しつつ、リグニン誘導体およびリグニン二次誘導体を硬化させることにより製造される。
加熱加圧時の温度は、100〜280℃程度であるのが好ましく、120〜250℃程度であるのがより好ましい。また、圧力は、0.5〜20MPa程度であるのが好ましく、1〜8MPa程度であるのがより好ましい。
また、このような方法であれば、成形時の金型により任意の形に形成することができ、得られた樹脂板(複合構造体)は、プリント回路基板などの電気・電子材料、構造材、建材、絶縁材等として好ましく用いられる。
前記プリント回路基板などの電気・電子材料用途としては、加熱加圧成形の前に、プリプレグまたはその積層体の片面または両面に金属箔を積層し、これらを加熱加圧成形することにより、金属張基板(金属張積層板)を製造することができる。さらに、この金属張基板において、金属層を所定の形状に加工することにより、回路を備えたプリント配線基板を製造することができる。
金属箔としては、銅箔やアルミニウム箔が一般的に用いられる。また、その平均厚さは5〜200μm程度とされる。
また、上記金属箔としては、ニッケル、ニッケル−リン、ニッケル−スズ合金、ニッケル−鉄合金、鉛、鉛−スズ合金等の金属材料からなる中間層と、その両面に設けられた、平均厚さ0.5〜15μmの銅層および平均厚さ10〜300μmの銅層とを有する3層構造の複合箔、あるいは、アルミニウム箔と銅箔とを複合した2層構造複合箔等を用いるようにしてもよい。
このようにして得られた樹脂板は、例えば、プリント配線板、マザーボード、半導体用プラスチックパッケージ等に適用される。
一方、前記プリント配線板、マザーボード、半導体用プラスチックパッケージ等の電気・電子材料用基板以外の用途としては、自動車用内装材などの構造材、住宅・オフィスビル等の内装材などの建材、配電盤などに使用される絶縁材に適用される。
以上、本発明について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばリグニン誘導体の製造方法およびリグニン二次誘導体の製造方法では、任意の目的の工程が追加されていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.積層板の製造
(実施例1)
<リグニン誘導体、セルロース誘導体およびヘミセルロース誘導体の分離回収>
粉砕し、500μmのふるいにかけたスギ木粉450gと、イオン交換水とアセトンを1:1の質量比で混合してなる混合溶媒4050gとを、10Lオートクレーブに導入し、スギ木粉と混合溶媒を撹拌して十分に馴染ませた後、150rpmで撹拌しながら、5.8MPa、230℃で30分間処理して、スギ木粉を分解した。なお、圧力の調整は窒素ガスの吹込みによる加圧により行った。
次いで、処理物をろ過し、固体分と、ろ液とに分離した。分離した固体分をアセトンにより洗浄した後に乾燥することで、セルロース誘導体232.2g(収率52%)を得た。
ろ液および固体分の洗浄液の混合物から、アセトンを留去したところ、沈殿物が生じた。生じた沈殿物をろ過によって分離し、沈殿物を乾燥することでリグニン誘導体108.1g(収率24%)を得た。
沈殿物のろ過の際に得られた溶液を、濃縮乾燥することで、ヘミセルロース誘導体52.3g(収率12%)を得た。
ここで得られたものについて、1H−NMR分析に供したところ、テトラメチルシランを0ppmの基準物質とした化学シフトのスペクトルにおいて、6〜8ppmに芳香族プロトンに帰属する複数のピークが、0.5〜5ppmに脂肪族プロトンに帰属する複数のピークがそれぞれ認められた。
そこで、検出された各ピークについて、芳香族プロトンに帰属する複数のピークの積分値を1としたところ、脂肪族プロトンに帰属する複数のピークの積分値は3.17であった。すなわち、芳香族プロトンに帰属する複数のピークの積分値は、脂肪族プロトンに帰属する複数のピークの積分値の32%であった。
また、上記で得られたリグニン誘導体の分子量は、テトラヒドロフランを溶離液として、ポリスチレン換算のゲル浸透クロマトグラフィーにより測定したところ、数平均分子量(Mn)は550、分子量分布(Mw/Mn)は3.3であった。
<リグニン樹脂組成物の製造>
次に、得られたリグニン誘導体100質量部に、ヘキサメチレンテトラミン10質量部を常温で添加し、リグニン樹脂組成物を得た。
<基材含浸用ワニスの製造>
そして、上記で得られたリグニン樹脂組成物をメタノールで希釈して樹脂分50質量%の基材含浸用の樹脂ワニスを得た。
<プリプレグおよび樹脂板の製造>
次に、上記で得られた基材含浸用の樹脂ワニスを樹脂含浸率55質量%(プリプレグ全体に対する割合)となるように、クラフト紙(坪量135g/m2)に対してディップコーター装置で塗工し、その後、100℃で10分間乾燥してプリプレグを得た。このようにして製造したプリプレグ8枚を重ね合わせ、200℃、5MPaで10分間の加熱加圧成形を行った。これにより平均厚さ1.6mmの積層板(樹脂板)を得た。
(実施例2〜14)
バイオマスの種類、分解処理における溶媒、温度、圧力および時間を、表1および表2に示すように変更した以外は、それぞれ、実施例1の場合と同様にしてリグニン誘導体、セルロース誘導体およびヘミセルロース誘導体を得るとともに、それぞれで得られたリグニン誘導体を用いて積層板を得た。
(比較例1)
分解処理における溶媒、温度、圧力および時間を、表1および表2に示すように変更して、バイオマスを分解処理した。次いで、分解処理物をろ過し、固形成分と、ろ液と、に分離した。前記分離した固形成分をアセトンで抽出し、ろ過し、ろ液を乾燥させることで、リグニン誘導体31.5g(収率7%)を得た。前記アセトンで抽出し、ろ過して得られた固形成分は、リグニン誘導体、セルロース誘導体およびヘミセルロース誘導体の混合物であり、十分に分離できなかった。
(比較例2)
分解処理して得られた分解処理物をろ過し、固形成分と、ろ液と、に分離した。前記分離したろ液を乾燥させ、リグニン誘導体およびヘミセルロース誘導体の混合物が得られた。得られた混合物をさらに熱水で洗浄することで、リグニン誘導体58.5g(収率13%)を得た。一方で、前記固形成は、リグニン誘導体、セルロース誘導体およびヘミセルロース誘導体の混合物であり、十分に分離できなかった。
(比較例3)
分解処理して得られた分解処理物をろ過し、固形成分と、ろ液と、に分離した。前記分離したろ液を乾燥させ、リグニン誘導体およびヘミセルロース誘導体の混合物が得られた。得られた混合物をさらに熱水で洗浄することで、リグニン誘導体45g(収率10%)を得た。一方で、前記固形成は、リグニン誘導体、セルロース誘導体およびヘミセルロース誘導体の混合物であり、十分に分離できなかった。
(比較例4)
分解処理して得られた分解処理物をろ過し、固形成分と、ろ液と、に分離した。前記分離したろ液を乾燥させ、リグニン誘導体49.5g(収率11%)を得た。一方で、前記分離した固形成分は、リグニン誘導体、セルロース誘導体およびヘミセルロース誘導体の混合物であり、十分に分離できなかった。
(比較例5)
分解処理して得られた分解処理物をろ過し、固形成分と、ろ液と、に分離した。前記分離した、固形成分をアセトンで抽出し、ろ過して得られたろ液を乾燥した、さらに熱水洗浄し、乾燥させて、リグニン誘導体72g(収率16%)を得た。一方で、前記分離した固形成分は、リグニン誘導体、セルロース誘導体およびヘミセルロース誘導体の混合物であり、十分に分離できなかった。
(比較例6)
<リグニン誘導体の製造>
スギ木粉10gを500mlビーカーにとり、10重量%のp−クレゾールのメタノール溶液(リグニン構成単位当たり3モル倍量のフェノール誘導体を含む。)100gを加え、ガラス棒で撹拌し、24時間静置した。その後、メタノールを完全に留去して、p−クレゾール収着木粉を得た。この木粉に対して、72質量%硫酸100mlを加え、30℃で1時間激しく撹拌した後、混合物を大過剰の水に投入し、不溶解分を回収、脱酸し、乾燥させてリグニン誘導体85.5g(収率19%)を得た。また、前記の工程で不溶分回収した後の溶液分からは、セルロース誘導体およびヘミセルロース誘導体を分離することはできなかった。
また、各実施例および各比較例で得られたそれぞれのリグニン誘導体について、数平均分子量(Mn)を測定し、表1および表2に示した。
さらに、各実施例および各比較例で得られたそれぞれのリグニン誘導体について、1H−NMR分析による化学シフトのスペクトルを取得し、脂肪族プロトンに帰属する複数のピークの積分値に対する芳香族プロトンに帰属する複数のピークの積分値の割合を表1および表2に示した。
2.リグニン誘導体の評価
2.1 ゲルタイムの評価
各実施例のリグニン誘導体100gに対してヘキサメチレンテトラミン10gを添加し、この試料についてJIS K 6910に規定の方法に準じて175℃におけるゲルタイム(ゲル化時間)を測定し、その結果を表1および表2に示した。
<ゲルタイム(秒)の評価基準>
◎:30秒以上60秒未満
○:20秒以上30秒未満、または60秒以上90秒未満
△:10秒以上20秒未満、または90秒以上120秒未満
×:10秒未満、または120秒以上
表1および表2から明らかなように、各実施例で得られたリグニン誘導体を用いることで、ゲルタイムの値は、成形性に適した20秒以上90秒未満の範囲にあることが認められた。したがって、本発明のリグニン誘導体の製造方法によれば、成形性に優れたリグニン誘導体を製造し得ることが明らかとなった。
3.積層板の評価
3.1 基材含浸性の評価
各サンプルNo.に使用した樹脂ワニス1mlをスポイトでクラフト紙表面に滴下した。室温で風乾した後、クラフト紙の裏面まで浸透しているかを確認した。
<基材含浸性の評価基準>
○:クラフト紙の裏面まで浸透している
×:クラフト紙の裏面への浸透が不十分
3.2 曲げ破断時歪みの評価
各サンプルNo.の積層板について、JIS−C6481に規定の方法に準じて、破断するまでの曲げ試験を行った。そして、試験前寸法に対する試験後寸法の変化の割合(曲げ破断時歪み)を、以下の評価基準に従って評価した。
<曲げ破断時歪みの評価基準>
○:曲げ破断時歪みが1%以上である。
×:曲げ破断時歪みが1%未満である。
以上、3.1、3.2の評価結果を表1および表2に示す。
各実施例において、バイオマスから、セルロース誘導体、リグニン誘導体およびヘミセルロース誘導体を、それぞれ容易に分離でき、収率も高かった。
また、各実施例で得られた積層板は、基材含浸性、すなわちクラフト紙に対する樹脂ワニスの浸みこみ性が高く、かつ、曲げ破断時歪みに優れていることが認められた。
一方、各比較例において、バイオマスから、セルロース誘導体、リグニン誘導体およびヘミセルロース誘導体を、それぞれ分離することはできなかった。
一方、各比較例で得られた積層板は、基材含浸性に劣るものや、曲げ破断時歪みに劣るものが含まれていた。

Claims (10)

  1. バイオマスを分解して得られる有機化合物を単離する有機化合物の製造方法であって、
    バイオマスを水と非プロトン性極性溶媒とを含む混合溶媒存在下におき、これらを高温高圧下で分解処理する分解工程と、
    前記分解工程により得られた処理物からセルロース誘導体を回収し、回収後の溶液分を得る第1の回収工程と、
    前記第1の回収工程により得られた溶液分から非プロトン性溶媒を留去する留去工程と、
    前記留去工程により得られた留去処理物からリグニン誘導体とヘミセルロース誘導体と、を分離して、リグニン誘導体とヘミセルロース誘導体とをそれぞれ回収する第2の回収工程と、
    を有することを特徴とする有機化合物の製造方法。
  2. 前記分解工程は、水または非プロトン性極性溶媒の亜臨界条件下で行われる請求項1に記載の有機化合物の製造方法。
  3. 前記分解工程は、処理温度150〜350℃、処理圧力1〜15MPa、処理時間480分以下で分解処理するものである請求項1または2に記載の有機化合物の製造方法。
  4. 前記非プロトン性極性溶媒は、水より低沸点のものである請求項1ないし3のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
  5. 水と前記非プロトン性極性溶媒との沸点の差は、5〜60℃である請求項4に記載の有機化合物の製造方法。
  6. 前記非プロトン性極性溶媒は、ケトン類および環状エーテル類のうちの少なくとも1種である請求項1ないし5のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
  7. 前記第2の回収工程で得られたリグニン誘導体と、反応性基を含む化合物と、を混合する反応性基導入工程と、を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の有機化合物の製造方法。
  8. 前記反応性基は、エポキシ基である請求項7に記載の有機化合物の製造方法。
  9. 請求項1ないし6のいずれかに記載の有機化合物の製造方法により製造されたことを特徴とするリグニン誘導体。
  10. 請求項7または8に記載の有機化合物の製造方法により製造されたことを特徴とするリグニン二次誘導体。
JP2012206437A 2012-09-20 2012-09-20 有機化合物の製造方法、リグニン誘導体、およびリグニン二次誘導体 Pending JP2014062051A (ja)

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