JP2014058434A - メソポーラス金属酸化物、燃料改質触媒及び燃料改質システム - Google Patents

メソポーラス金属酸化物、燃料改質触媒及び燃料改質システム Download PDF

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Abstract

【課題】低温活性及び高温耐久性に優れた燃料改質触媒の提供を実現し得るメソポーラス金属酸化物、それを用いた燃料改質触媒及び燃焼改質システムを提供する。
【解決手段】メソポーラス金属酸化物は、酸化ケイ素骨格を有し、ケイ素とセリウムとを含む。
燃料改質触媒は、上述のメソポーラス金属酸化物と、メソポーラス金属酸化物に担持される第1触媒成分及び第2触媒成分とを含有し、燃料から水素を生成する。第1触媒成分は、マグネシウム、ランタン、ジルコニウム及びニオブからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。第2触媒成分は、白金、ロジウム、パラジウム、ニッケル及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
燃料改質システムは、上述の燃料改質触媒を含む触媒反応器を備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、メソポーラス金属酸化物、燃料改質触媒及び燃料改質システムに関する。更に詳細には、本発明は、各種デバイスから排出される水分及び熱を含む排気ガスと燃料とから、水素(H)含有改質ガスを生成する燃料改質触媒に適用されるメソポーラス金属酸化物、それを用いた燃料改質触媒及び燃焼改質システムに関する。
近年、地球環境に対する配慮から、二酸化炭素(CO)排出量の低減が切に望まれている。これに伴い、燃焼器、内燃機関などの各種デバイスから排出される二酸化炭素の排出量を削減する技術や、各種デバイスにおける燃焼効率を向上させる技術の開発が精力的に行われている。自動車用の内燃機関に関しても、燃焼効率向上、フリクション低減などにより、燃費の改善が着実に図られている。しかしながら、エネルギー問題が顕著になるに伴って、更なる二酸化炭素の排出量削減やエネルギー効率向上が求められており、更に効果の高い技術開発が必要とされている。
現状、内燃機関からは、排気ガスと共に排出される熱が捨てられている。内燃機関のエネルギー収支に占める排熱の割合は決して少ないとはいえない。排気ガス及び排熱のエネルギーを効果的に回収できれば、二酸化炭素を直接削減でき、且つ大きな燃費向上効果が得られる。
水分及び熱を含む排気ガスを用いた吸熱型の燃料改質反応を活用することにより、化学的にエネルギー回収が可能であることは知られている。この場合、排熱が回収されるため、供給した燃料よりも熱量の大きい水素含有改質ガスが得られるのみならず、得られた水素は、内燃機関の燃焼を促進する効果を有することから、燃費向上も期待できる。すなわち、上述の排熱回収効果も加味されるので、極めて効果的に二酸化炭素の削減がなされることになる。
従来、低温下において高い酸素吸放出能を有し、それゆえ低温下において高い酸化活性を示す触媒及びその製造方法を提供することを目的として、多孔質材料の細孔表面全体にセリア−ジルコニア固溶体層を被覆してなる触媒担体に触媒金属を担持した触媒が提案されている(特許文献1参照。)。
特開2010−201398号公報
しかしながら、本発明者らの検討においては、上記特許文献1に記載された触媒を燃料改質に利用した場合、多孔質構造を安定に保つことは難しく、実際には、比較的低い温度条件で使用した場合にも構造崩壊が起こり、低温活性や高温耐久性が十分なものとなっていないという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的とするところは、低温活性及び高温耐久性に優れた燃料改質触媒の提供を実現し得るメソポーラス金属酸化物、それを用いた燃料改質触媒及び燃焼改質システムを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた。そして、その結果、酸化ケイ素骨格を有し、ケイ素とセリウムとを含むメソポーラス金属酸化物を適用することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のメソポーラス金属酸化物は、酸化ケイ素骨格を有し、ケイ素とセリウムとを含むものである。
また、本発明の燃料改質触媒は、上記本発明のメソポーラス金属酸化物と、該メソポーラス金属酸化物に担持される第1触媒成分及び第2触媒成分とを含有し、燃料から水素を生成するものである。
そして、本発明の燃料改質触媒における第1触媒成分は、マグネシウム、ランタン、ジルコニウム及びニオブからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものである。
また、本発明の燃料改質触媒における第2触媒成分は、白金、ロジウム、パラジウム、ニッケル及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものである。
更に、本発明の燃料改質システムは、上記本発明の燃料改質触媒を含む触媒反応器を備えたものである。
本発明によれば、酸化ケイ素骨格を有し、ケイ素とセリウムとを含むメソポーラス金属酸化物を適用することなどとした。そのため、低温活性及び高温耐久性に優れた燃料改質触媒の提供を実現し得るメソポーラス金属酸化物、それを用いた燃料改質触媒及び燃焼改質システムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るメソポーラス金属酸化物(Mesop・CeO(SiO))のメソ細孔の細孔分布を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る燃料改質システムを模式的に示す構成図である。 燃料改質反応装置を模式的に示す構成図である。 各例の燃料改質触媒の初期及び熱処理後における触媒出口における生成水素濃度を示すグラフである。
以下、本発明のメソポーラス金属酸化物、燃料改質触媒及び燃料改質システムについて詳細に説明する。
まず、本発明の一実施形態に係るメソポーラス金属酸化物について詳細に説明する。本実施形態のメソポーラス金属酸化物は、酸化ケイ素(SiO)骨格を有し、ケイ素(Si)とセリウム(Ce)とを含むものである。
このように、ケイ素とセリウムとを含むメソポーラス金属酸化物であって、酸化ケイ素骨格を有するものとすることにより、燃料改質触媒の担体として適用する場合に、優れた低温活性及び高温耐久性を実現し得るものとなる。また、このようなメソポーラス金属酸化物を用いた燃料改質触媒及び燃焼改質システムは、低温活性及び高温耐久性に優れたものとなる。なお、本実施形態のメソポーラス金属酸化物は、後述する燃料改質触媒の他、排気ガス浄化触媒や一酸化炭素シフト触媒に適用することもできる。
また、本実施形態のメソポーラス金属酸化物においては、ケイ素の含有量が、酸化ケイ素(SiO)による酸化物換算で、5〜30質量%であることが好ましい。ケイ素の含有量が酸化物換算で5質量%未満の場合には、骨格として酸化セリウムを支持することができないことがある。一方、ケイ素の含有量が酸化物換算で30質量%超の場合には、相対的に酸化セリウムの含有量が減少するため、例えば、燃料改質触媒に適用する場合に、燃料改質性能が十分なものとならないことがある。
更に、本実施形態のメソポーラス金属酸化物においては、メソ細孔の細孔分布によるピーク値が5〜15nmの範囲内に存在することが好ましい。これは、例えば、燃料改質触媒に適用する場合に、詳しくは後述する第1触媒成分や第2触媒成分の作用効果を大幅に引き出すことにより、水分子や比較的大きい燃料分子を素早く取り込んで活性化させることや衝突確率を高めるなどして、反応を促進することができるためと考えられる。ピーク値が5nm未満の場合には、細孔径が小さいため、例えば、燃料改質触媒に適用する場合に、比較的大きい燃料分子を素早く取り込むことができないことがある。一方、ピーク値が15nm超の場合には、細孔径が大きすぎるため、例えば、燃料改質触媒に適用する場合に、比較的大きい燃料分子でも衝突確率を高めることができないことがある。
図1は、本発明の一実施形態に係るメソポーラス金属酸化物(Mesop・CeO(SiO))のメソ細孔の細孔分布を示すグラフである。このメソポーラス金属酸化物は、9nm付近にピークを有する細孔分布を有しており、比表面積は130m/gである。そして、詳しくは後述する第1触媒成分をメソポーラス金属酸化物に含浸担持させ、焼成することによって、メソポーラス金属酸化物中の酸化セリウムと複合化させることができる。この場合の焼成温度は、複合化の視点からは700℃以上とすることが好ましい。ただし、焼成温度が高すぎると酸化セリウムの結晶化が進み、比表面積の低下及び細孔容積の減少を引き起こすため、焼成温度は900℃以下とすることが好ましい。ただし、この焼成温度の範囲は、メソポーラス金属酸化物の表面状態、第1触媒成分の種類やその原料によっても変化するため、触媒製造の各工程における焼成条件は必要に応じて適宜最適化することになる。
次に、上述した本発明の一実施形態に係るメソポーラス金属酸化物の製造方法について若干の例を挙げて説明する。まず、メソポーラス酸化ケイ素を作製する。酸化ケイ素の原料としては、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS;Si(OC)を用いることが好ましい。また、メソ細孔を形成するための非イオン性高分子界面活性剤としては、例えば、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドトリブロックコポリマー、アルキルポリエチレンオキシド、アリールアルキルポリエチレンオキシドなどを用いることが好ましい。次いで、メソポーラス金属酸化物を作製する。セリウムの原料としては、硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)を用いることが好ましい。まず、硝酸セリウムの水溶液にメソポーラス酸化ケイ素を浸漬し、メソポーラス酸化ケイ素に硝酸セリウムを含浸担持させ、焼成することにより、メソポーラス酸化ケイ素の細孔内に酸化セリウムを析出させる。次いで、細孔内に酸化セリウムを析出させたメソポーラス酸化ケイ素における酸化ケイ素の一部をアルカリで溶出させることにより、酸化ケイ素骨格を有するメソポーラス金属酸化物を得ることができる。このときアルカリ処理による酸化ケイ素の溶出条件を適切に設定することにより、酸化ケイ素の含有量を調整することができる。アルカリとしては、典型的には水酸化ナトリウム(NaOH)を用いることができるが、この水溶液濃度、水溶液温度及び処理時間が調整のための主要パラメータとなる。
次に、本発明の一実施形態に係る燃料改質触媒について詳細に説明する。本実施形態の燃料改質触媒は、上記本発明の一実施形態に係るメソポーラス金属酸化物と、メソポーラス金属酸化物に担持される第1触媒成分及び第2触媒成分とを含有し、燃料から水素を生成するものである。そして、本実施形態における第1触媒成分は、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、ジルコニウム(Zr)若しくはニオブ(Nb)又はこれらの任意の組み合わせに係る成分を含むものである。また、本実施形態における第2触媒成分は、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)若しくはコバルト(Co)又はこれらの任意の組み合わせに係る成分を含むものである。なお、本実施形態におけるメソポーラス金属酸化物については、上記説明と重複するので説明は省略する。
このように、ケイ素とセリウムとを含むメソポーラス金属酸化物であって、酸化ケイ素骨格を有する担体に第1触媒成分及び第2触媒成分を担持することにより、低温活性及び高温耐久性が優れた燃料改質触媒となる。また、第1触媒成分に含まれるマグネシウムやランタン、ジルコニウム、ニオブなどは、メソポーラス金属酸化物の細孔表面において酸化セリウム(CeO)と複合化して、活性な酸素成分生成を促進するのみならず、白金、ロジウム、パラジウムなどの貴金属やニッケル、コバルトの安定保持にも寄与すると考えられ、燃料改質触媒の高温耐久性の向上にも有効である。更に第2触媒成分としては、ロジウム、次いでニッケルにおいて高い性能を発揮することができる。更にまた、第2触媒成分において、白金やパラジウム、コバルトは、ロジウムやニッケルと組み合わせて用いると性能向上に有効である。なお、これまでに、詳しくは後述する燃料改質システムにおいて、実運転モードで取り得る幅広い排気温度に適用可能な本発明の燃料改質触媒やその使用態様に関する提案はなされていない。更に、これまで、本発明のように、多種の炭化水素成分を含有する実燃料を用いた場合の燃料改質性能に関しても考慮されていない。
なお、本発明の燃料改質触媒の形態としては、特に限定されるものではないが、燃焼改質触媒粉末を含むスラリーを、セラミック製やメタル製のハニカム状やフォーム状のモノリス担体に塗布したものが好ましい。また、ハニカム状モノリス担体におけるセル内部にオフセットフィンを設けたいわゆるオフセットハニカムは、燃料改質触媒の有効利用率を高める上で極めて有効である。このようなモノリス担体のセル数ないしポア数としては、1平方インチ当たり400〜900セル程度のものが好ましい。
また、モノリス担体への燃料改質触媒の塗布量は、モノリス担体の材質によっても異なるが、50〜200g/L程度が好ましい。気孔を持たないメタル製のモノリス担体の場合は、比較的少量の燃料改質触媒の塗布量でも、触媒粒子を有効に活用できるが、モノリス担体表面への燃料改質触媒粒子の付着力が問題となる。一方、気孔を有するコージェライトなどのセラミック製のモノリス担体では、モノリス担体表面の気孔に燃料改質触媒粒子が入り込み埋没するために比較的多くの燃料改質触媒の塗布量が必要になるが、モノリス担体表面への燃料改質触媒粒子の付着力は比較的強固になる。しかしながら、燃料改質触媒の塗布量が多過ぎると、内側の燃料改質粒子には燃料分子が到達し難くなるため無駄が生ずる。特に、塗布量が200g/Lを超えると、反応し得る燃料分子が到達できない触媒層の割合が無視できなくなり、且つ圧力損失も大きくなるために好ましくない。
また、本実施形態の燃料改質触媒においては、マグネシウム、ランタン、ジルコニウム若しくはニオブ又はこれらの任意の組み合わせに係る成分の含有量が、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ランタン(La)、酸化ジルコニウム(ZrO)及び酸化ニオブ(Nb)それぞれによる酸化物換算で、3〜25質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましく、8〜20質量%であることが更に好ましい。マグネシウム、ランタン、ジルコニウム若しくはニオブ又はこれらの任意の組み合わせに係る成分の含有量が、このような範囲内であると、低温活性及び高温耐久性が更に優れた燃料改質触媒となる。
更に、本実施形態の燃料改質触媒においては、白金、ロジウム、パラジウムなどの貴金属、ニッケル、コバルトの含有量としては、貴金属は0.1質量%以上4質量%未満であることが好ましく、ニッケルやコバルトは1質量%以上15質量%未満であることが好ましい。コスト面から低含有量であることが好ましく、特に、ニッケルやコバルトは含有量が多くなると、メソ細孔の閉塞を招くことがあるので、メソ細孔の入口付近や頸部に凝集しないように均一に担持させることが好ましい。
更に、本実施形態の燃料改質触媒においては、ロジウムを含有することが好ましく、ロジウムの含有量に応じて燃料改質性能は向上していく。この場合、高温耐久性能の向上が顕著であるが、含有量が多くなると、しだいにその増加分に見合った性能向上代は得られなくなる。また、ロジウムの含有量は4質量%を超えると、副反応が誘発され、コーキングが顕著となって、燃料改質性能の低下が引き起こされる場合がある。初期の燃料改質性能としては、0.1質量%でも比較的高い性能が得られるが、高温耐久性も考慮すると0.5〜2.5質量%が好ましい範囲となる。
次に、上述した本発明の一実施形態に係る燃料改質触媒の製造方法について若干の例を挙げて説明する。まず、メソポーラス金属酸化物に、マグネシウム、ランタン、ジルコニウム若しくはニオブ又はこれらの任意の組み合わせに係る成分を含有させる場合、メソポーラス金属酸化物を上記第1触媒成分における各成分の硝酸塩水溶液に浸漬し、含浸担持させ、乾燥、焼成する作製方法、更にはメソポーラス金属酸化物の作製に際して、硝酸セリウムと上記第1触媒成分における各成分の硝酸塩とを含む水溶液にメソポーラス酸化ケイ素を浸漬し、メソポーラス酸化ケイ素に硝酸セリウム及び各成分の硝酸塩を含浸担持させ、乾燥、焼成する作製方法がある。上記第1触媒成分における各成分の含有量を多くする場合には、後者の同時に硝酸塩を仕込む方法が有効である。また、後者の同時に硝酸塩を仕込む方法は、燃料改質触媒を作製するに際して、メソ細孔の閉塞を引き起こす可能性が低いという利点もある。他方、後者の同時に硝酸塩を仕込む方法は、酸化セリウム中に、マグネシウムやランタン、ジルコニウム、ニオブが入り込むため、構造の安定性が低下する場合がありえる。更に、白金、ロジウム、パラジウム、ニッケル若しくはコバルト又はこれらの任意の組み合わせに係る成分を含有させる場合、好適例として上記第2触媒成分における各成分の硝酸塩水溶液に、第1触媒成分における各成分を含有させたメソポーラス金属酸化物を浸漬し、第1触媒成分における各成分を含有させたメソポーラス金属酸化物に上記第2触媒成分における各成分の硝酸塩を含浸担持させ、乾燥、焼成する作製方法を挙げることができる。なお、出発原料については、硝酸塩の他、酢酸塩、炭酸塩、アンミン錯体などの各種の化合物を特性に応じて適宜選択して用いることができる。
次に、本発明の一実施形態に係る燃料改質システムについて詳細に説明する。本実施形態の燃料改質システムは、上記本発明の一実施形態に係る燃料改質触媒を含む触媒反応器を備えたものであって、熱及び水分を含む排気ガスの少なくとも一部と、燃料とを燃料改質触媒の存在下で反応させることにより、水素を含む改質ガスを生成するものである。なお、本実施形態におけるメソポーラス金属酸化物や燃料改質触媒については、上記説明と重複するので説明は省略する。
このように、上記説明した本発明の一実施形態に係る燃料改質触媒を適用することにより、低温活性及び高温耐久性が優れた燃料改質システムとなる。なお、燃料改質触媒が低温から効率的に水素を生成するので、例えば、内燃機関の広い運転領域において水素を生成して、内燃機関に供給することができる。その結果、内燃機関の燃焼を安定化し、エネルギー効率の向上が実現でき、燃費の大幅な向上に貢献できる。
また、本実施形態の燃料改質システムにおいては、自動車に搭載される内燃機関、燃焼器若しくは燃料電池又はこれらの任意の組合せに係るデバイスから燃料改質触媒へ供給される排気ガスを利用して、水素を含む改質ガスを生成し、生成される改質ガスをデバイスへ供給することが好ましい。なお、燃料改質触媒の使用態様の一つとして、上述したように,内燃機関を搭載した自動車の燃費を大幅に改善することを狙って、車上で水分及び熱を含む排気ガスを利用した燃料改質反応を行って、水素を含む改質ガスを生成させ、内燃機関へ供給する燃料改質システムが挙げられる。
更に、本実施形態の燃料改質システムにおいては、デバイスが、排気循環装置を具備し、排気循環装置が、触媒反応器と吸入空気可変装置を備えていることが好ましい。吸入空気可変装置を備えることにより、二次空気を導入できるようにし且つその量を高応答で制御することによって、目まぐるしく変動する排気条件にも高応答で対応することが可能となる。なお、そのような変動の大きい排気条件への応答性を高めるには、常に適切な条件に燃料改質触媒を曝す必要があり、触媒反応器への燃料供給量を、排気量、水分量、酸素量に応じて制御することが好ましい。また、自動車に搭載される燃料改質システムで得られた水素を含む改質ガスを有効に活用するためには、上述したように燃料改質触媒を含む触媒反応器を排気循環装置内に設け、排気循環装置を通じて、内燃機関の吸気に供給する燃料改質システムが挙げられる。このようなシステムは、排熱回収と燃焼効率向上を同時に実現できるために、高いエネルギー効率が得られる。以下、実用運転条件における、実用的な燃料改質触媒の使用態様について詳細に説明する。
また、本実施形態の燃料改質システムにおいては、排気ガスに含まれる酸素の濃度が1.2体積%以下のときに、熱及び水分を含む排気ガスの少なくとも一部と、燃料とを上記水素生成触媒の存在下で反応させることにより、水素を含む改質ガスを生成することが好ましい。無酸素条件から酸素を供給すると、酸素の供給量の増加と共に得られる水素の濃度は高くなるが、酸素の濃度が1.2体積%を超えると、生成した水素の酸化反応が優先的に起こるようになり、水素を含む改質ガスの生成には不利となる。
更に、本実施形態の燃料改質システムにおいては、燃料改質触媒における酸素(O)/炭素(C)モル比が0.01〜0.27となるように、排気ガスと燃料と吸入空気可変装置からの空気との割合を制御することが好ましい。燃料改質触媒を含む触媒反応器への酸素の供給量は、燃料の供給量との関係で制御することがより合理的である。酸素(O2)/炭素(燃料中C1)モル比が上記の範囲内である場合には、酸素を導入する効果が有効に発揮できる。更に好ましい範囲は、0.15〜0.20の範囲である。
上述したように僅かに酸素を供給することで,水素を含む改質ガスの生成を促進できるので、燃料改質触媒の性能に悪い影響がない範囲でA/Fを制御して、酸素を増加させることは有効である。特に、排気温度が低く、水素生成反応が速度的に不利な条件にあっては、上述の範囲を超えて酸素を供給することで必要な水素量を増やすこともできるが、水素増加による燃焼促進効果とのバランスで酸素の供給量を制御することが重要である。僅かな酸素の供給方法としては、例えば、特許第3918402号に開示されている予測制御に基づいて作動する排気循環装置と、該装置が備える吸入空気可変装置を作動させる方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、本実施形態の燃料改質システムにおいては、デバイスが内燃機関であり、内燃機関の運転条件における燃料質量に対する空気質量の比(A/F)がリッチ雰囲気ないしストイキ雰囲気であるときに、熱及び水分を含む排気ガスの少なくとも一部と、燃料とを上記水素生成触媒の存在下で反応させることにより、水素を含む改質ガスを生成することが好ましい。上記のように水素を含む改質ガスを生成する場合、内燃機関に酸素が過剰に存在するリーン・バーン条件で運転された場合には、エネルギー効率の面から不利になる。すなわち、過剰酸素の存在が、水素を含む改質ガスの生成を妨げる可能性があるからである。
更に、本実施形態の燃料改質システムにおいては、自動車に搭載される内燃機関へ適用する場合、酸素以外に重要な反応物成分として排気ガス中に含まれる水分が挙げられる。水分量と燃料供給量との比率を制御することにより、水素を含む改質ガスの生成を促進することができるためである。この場合、燃料のC1を基準として、水(HO)/炭素(C)モル比を1.5を超え、且つ4.3以下となるように制御することが好ましい。水は燃料との対反応物であるため、水分量が少ない場合には、燃料の分解反応が優勢となって、水素を含む改質ガスの生成は不十分となり、更にカーボン析出も顕著になって燃料改質触媒の劣化が生じやすくなる。一方、水分量が多い場合には、水素を含む改質ガスの生成能力は高まり、且つカーボン析出が抑えられるので、反応面からは好ましい。しかしながら、水分量を増やすためには、排気ガスを多く取り入れる又は排気ガスから水を凝集・濃縮させる、さらには燃料と同様に水タンクを搭載する必要が生じる。排気ガス量の増加は、水以外のガス成分も増加するため、空間速度の面で不利となる、すなわち、反応物(水及び燃料)と触媒表面との接触時間が低下するため反応が不十分となり、排気ガスからの水分の凝集・濃縮は、冷却した後に、再度蒸発させる必要が生じるため、エネルギーの損失が大きくなる。また、水タンクの搭載も、水の蒸発にエネルギーが使われるため、必ずしも効率的とはいえない。
次に、本実施形態の燃料改質システムについて図面を参照しながら詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る燃料改質システムの一例を模式的に示す構成図である。図2に示すように、本実施形態の燃料改質システム1は、デバイスの1つである内燃機関10に適用した例である。内燃機関10は、吸気系Aにエアフローメータ11、水素センサ12及び燃料噴射装置13を具備し、排気系Bに酸素センサ14、背圧コントロールバルブ15及び排気ガス浄化触媒16を具備する。また、内燃機関10は、排気系Bから吸気系Aに繋がる排気循環装置20を具備する。排気循環装置20は、ガス温度センサ21、燃料噴射装置22、吸入空気可変装置23、燃料蒸発器24、燃料改質触媒25aを含む触媒反応器25、冷却装置26、バルブ27、流量計28及びフィルタ29を有する。排気系Bにおいて、背圧コントロールバルブ15を制御することにより、熱及び水分を含む排気ガスの少なくとも一部が、燃料噴射装置22から供給される燃料と共に、排気循環装置20に設けられた燃料改質触媒25aに供給されて、反応することにより、水素を含む改質ガスが生成される。このとき、燃料改質触媒25aにおける反応が促進されやすいように、酸素センサ14やガス温度センサ21、触媒反応器25に設けられた触媒温度センサ25bによって、供給される排気ガスの温度や燃料改質触媒25aの温度を検出することなどにより、燃料噴射装置22から供給する燃料量や吸入空気可変装置23から供給する酸素量、燃料蒸発器24の温度を調整する。また、触媒反応器25で生成された水素を含む改質ガスが冷却装置26で冷やされて、バルブ27の調整によってフィルタ29を通して吸気系Aに供給される。このとき、エアフローメータ11、流量計28、水素センサ12、燃料噴射装置13から供給される燃料量、更には内燃機関10の運転条件から、排気ガス雰囲気を予測し、以降の燃料改質システム1における改質ガスの生成の実行条件が適切に制御される。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<メソポーラス酸化ケイ素の調製>
n−ブチルアルコール(n−BuOH)を水に加え、次いで、塩酸(HCl)を加えて撹拌した。更に、得られた混合物に、非イオン性高分子界面活性剤であるポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドトリブロックコポリマーとして、BASF社製のPluronic123(P123)を加えて撹拌した。得られた混合水溶液を40℃に保持しながら撹拌し、次いで、酸化ケイ素の原料としてテトラエトキシシラン(TEOS:Si(OC)を加えて24時間撹拌した。得られた混合溶液を室温まで放冷、静止した後、この溶液の上澄をデカンテーションにより取り除き、残った溶液をオートクレーブに移して乾燥器中で110℃で24時間保持した。次いで、オートクレーブから取り出したスラリー状溶液をろ過して、余分な水分を取り除き、更にイオン交換水とアセトンで洗浄してケーキ状のゲルを得た。これを乾燥した後、電気炉で300℃で2時間の焼成を行い、メソポーラス酸化ケイ素を得た。
<メソポーラス金属酸化物の調製>
上記得られたメソポーラス酸化ケイ素を、硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)のエタノール溶液に加えて撹拌した後、室温にて乾燥させた。更に、これを100℃で乾燥させた後、電気炉を用いて300℃で2時間焼成した。得られた粉末を、再度硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)のエタノール溶液に加えて撹拌した後、室温にて乾燥させ、同様に100℃で乾燥させた後、電気炉を用いて300℃で2時間焼成を経て、さらに500℃で2時間焼成を行った。得られた粉末を、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に添加し、ウォーターバスで70℃に保温しながら混合した後、放冷・静置してデカンテーションにより上澄溶液を取り除き、さらにイオン交換水とアセトンで洗浄を行った。その後、乾燥して水分を除去することにより酸化ケイ素骨格を有するメソポーラス金属酸化物を得た。このメソポーラス金属酸化物におけるケイ素の含有量は、酸化物換算で15質量%であった。
<燃料改質触媒の調製>
上記得られた酸化ケイ素骨格を有するメソポーラス金属酸化物(Mesop・CeO(SiO))粉末を硝酸ロジウムの希薄水溶液中に添加し、1時間撹拌した後、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥し、次いで電気炉で500℃で2時間焼成して、本例の燃料改質触媒を得た。この燃料改質触媒におけるロジウムの含有量は、1質量%であった。
(実施例2)
実施例1で得られたメソポーラス金属酸化物(Mesop・CeO(SiO))粉末を、硝酸マグネシウムの水溶液に浸漬し、乾燥、焼成を経て酸化マグネシウムとして8質量%のマグネシウムを含有するメソポーラス金属酸化物(Mg−Mesop・CeO(SiO))粉末を得た。次いで,硝酸ロジウムとジニトロジアンミン白金を含む水溶液に浸漬して、1時間撹拌した後、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥し、次いで電気炉で500℃で2時間焼成して、本例の燃料改質触媒を得た。この燃料改質触媒におけるロジウムの含有量は1質量%、白金の含有量は0.1質量%であった。
(実施例3)
実施例1で得られたメソポーラス金属酸化物(Mesop・CeO(SiO))粉末を、硝酸ランタンの水溶液に浸漬し、乾燥、焼成を経て酸化ランタンとして8質量%のランタンを含有するメソポーラス金属酸化物(La−Mesop・CeO(SiO))粉末を得た。次いで,硝酸ロジウムと硝酸パラジウムを含む水溶液に浸漬して、1時間撹拌した後、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥し、次いで電気炉で500℃で2時間焼成して、本例の燃料改質触媒を得た。この燃料改質触媒におけるロジウムの含有量は1質量%、パラジウムの含有量は0.1質量%であった。
(実施例4)
実施例1で得られたメソポーラス酸化ケイ素を、硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)と硝酸ジルコニウムのエタノール溶液に加えて撹拌した後、室温にて乾燥させた。更に、これを100℃で乾燥させた後、電気炉を用いて300℃で2時間焼成した。得られた粉末を、再度硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)と硝酸ジルコニウムのエタノール溶液に加えて撹拌した後、室温にて乾燥させ、同様に100℃で乾燥させた後、電気炉を用いて300℃で2時間焼成を経て、さらに500℃で2時間焼成を行った。得られた粉末を、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に添加し、ウォーターバスで70℃に保温しながら混合した後、放冷・静置してデカンテーションにより上澄溶液を取り除き、さらにイオン交換水とアセトンで洗浄を行った。その後、乾燥して水分を除去することにより酸化ケイ素骨格を有するメソポーラス金属酸化物を得た。このメソポーラス金属酸化物におけるケイ素の含有量は、酸化ケイ素による酸化物換算で10質量%であった。また、メソポーラス金属酸化物におけるジルコニウムの含有量は、酸化ジルコニウムによる酸化物換算で、18質量%であった。
上記得られたメソポーラス金属酸化物(Zr−Mesop・CeO(SiO))粉末を、硝酸ロジウムと硝酸ニッケルを含む水溶液に浸漬して、1時間撹拌した後、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥し、次いで電気炉で500℃で2時間焼成して、本例の燃料改質触媒を得た。この燃料改質触媒におけるロジウムの含有量は1質量%、ニッケルの含有量は4質量%であった。
(実施例5)
実施例1で得られたメソポーラス酸化ケイ素を、硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)とニオブ酸のエタノール溶液に加えて撹拌した後、室温にて乾燥させた。更に、これを100℃で乾燥させた後、電気炉を用いて300℃で2時間焼成した。得られた粉末を、再度硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)とニオブ酸のエタノール溶液に加えて撹拌した後、室温にて乾燥させ、同様に100℃で乾燥させた後、電気炉を用いて300℃で2時間焼成を経て、さらに500℃で2時間焼成を行った。得られた粉末を、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に添加し、ウォーターバスで70℃に保温しながら混合した後、放冷・静置してデカンテーションにより上澄溶液を取り除き、さらにイオン交換水とアセトンで洗浄を行った。その後、乾燥して水分を除去することにより酸化ケイ素骨格を有するメソポーラス金属酸化物を得た。このメソポーラス金属酸化物におけるケイ素の含有量は、酸化ケイ素による酸化物換算で11質量%であった。また、メソポーラス金属酸化物におけるニオブの含有量は、酸化ニオブによる酸化物換算で、15質量%であった。
上記得られたメソポーラス金属酸化物(Nb−Mesop・CeO(SiO))粉末を、硝酸ロジウムと硝酸コバルトを含む水溶液に浸漬して、1時間撹拌した後、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥し、次いで電気炉で500℃で2時間焼成して、本例の燃料改質触媒を得た。この燃料改質触媒におけるロジウムの含有量は1質量%、コバルトの含有量は4質量%であった。
(比較例1)
硝酸セリウムの水溶液にアンモニア水を滴下して、水酸化セリウムの沈殿を得た。それをろ過し、イオン交換水にて洗浄した後、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成することにより、酸化セリウム(CeO)を得た。得られた酸化セリウム粉末を硝酸ロジウムの希薄水溶液中に添加し、1時間撹拌した後、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥し、次いで電気炉で500℃で2時間焼成して、本例の燃料改質触媒を得た。この燃料改質触媒におけるロジウムの含有量は、1質量%であった。
(比較例2)
実施例1で得られたメソポーラス酸化ケイ素を、硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)のエタノール溶液に加えて撹拌した後、室温にて乾燥させた。更に、これを100℃で乾燥させた後、電気炉を用いて300℃で2時間焼成した。得られた粉末を、再度硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)のエタノール溶液に加えて撹拌した後、室温にて乾燥させ、同様に100℃で乾燥させた後、電気炉を用いて300℃で2時間焼成を経て、さらに500℃で2時間焼成を行った。得られた粉末を、1.2mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に添加し、ウォーターバスで80℃に保温しながら混合した後、放冷・静置してデカンテーションにより上澄溶液を取り除き、さらにイオン交換水とアセトンで洗浄を行った。その後、乾燥して水分を除去することによりメソポーラス金属酸化物を得た。このメソポーラス金属酸化物は、ケイ素を含有していなかった。
上記得られたメソポーラス金属酸化物(Mesop・CeO)粉末を硝酸ロジウムの希薄水溶液中に添加し、1時間撹拌した後、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥し、次いで電気炉で500℃で2時間焼成して、本例の燃料改質触媒を得た。この燃料改質触媒におけるロジウムの含有量は、1質量%であった。上記各例の燃料改質触媒の仕様の一部を表1に示す。
Figure 2014058434
[性能評価]
図3に示す燃料改質反応装置50を用いて、上記各例の燃料改質触媒25aにおける燃料改質性能の評価試験を行った。ここでは、燃料ポンプ52から供給するガソリン模擬燃料として、2,2,4−トリメチルペンタン(いわゆるイソオクタン)を用いた水蒸気改質反応を行った。
評価試験に当たり、上記各例の燃料改質触媒の粒径を355〜500μmのサイズに整粒した後、100mgを秤量し、石英反応管(外径:6mm、内径:4mm)51に詰めた。また、キャリアガスとしての窒素(N)を窒素タンク53から供給量100mL/minで供給する。更に、イソオクタンの供給量は0.028mL/min、水タンク54から供給される水(HO)の供給量は0.10mL/min、酸素タンク55から供給される酸素(O)の供給量は4.0mL/minとした。従って、HO/C(モル比)=4.0、O/C(モル比)=0.13となる。液体燃料供給速度(LHSV)は20/hrである。なお、56は二酸化炭素タンクを示す。また、触媒入口温度を反応温度とし、600℃を反応温度とするために予熱器57により加熱して、燃料改質触媒の燃料改質性能を比較した。比較に際しては、改質ガス中の生成水素濃度を水素炎イオン化型検出器又は熱伝導度型検出器を備えたガスクロマトグラフ59a、59bを用いて測定した。得られた結果を表1に併記すると共に図4に示す。更に、燃料改質触媒の耐熱性を評価するため、電気炉58にて800℃で3時間焼成を行って、再度、燃料改質触媒25aの燃料改質性能の評価試験を行った。得られた結果を表1に併記すると共に図4に示す。なお、触媒温度は、差し込んだ熱電対で構成される触媒温度センサ25bにより測温できるようになっている。また、図示しないが、評価試験に先立って、燃料改質触媒に対して、10体積%の水素を含む窒素気流中、600℃で1時間の還元処理を施した。
表1及び図4から、CeO担体にロジウムを担持した比較例1の燃料改質触媒及び酸化ケイ素骨格を有さないメソポーラス金属酸化物(Mesop・CeO)にロジウムを担持した比較例2の燃料改質触媒は、初期では高い燃料改質性能を示すことが分かるが、熱処理後には、生成水素濃度が初期レベルの50%以下の低い燃料改質性能となり、熱に弱いことが分かる。これに対して、酸化ケイ素骨格を有し、ケイ素とセリウムとを含むメソポーラス金属酸化物(Mesop・CeO(SiO))担体にロジウムを担持した実施例1の燃料改質触媒は、熱処理後も生成水素濃度の低下が少なく、耐熱性が向上していることが分かる。また、実施例1〜5の燃料改質触媒が優れた低温活性及び高温耐久性を有するのは、ケイ素の含有量が、酸化ケイ素(SiO)による酸化物換算で5〜30質量%であるためとも考えられる。更に、実施例1〜5の燃料改質触媒が優れた低温活性及び高温耐久性を有するのは、メソ細孔の細孔分布のピーク値が5〜15nmであるためとも考えられる。更にまた、実施例2〜実施例5の燃料改質触媒のように、マグネシウムやランタン、ジルコニウム、ニオブを含有する燃料改質触媒では、初期における燃料改質性能が更に高く、熱処理後も高い燃料改質性能が維持されていることが分かる。更に、白金やパラジウムの微量添加は、高価なロジウムの担持量の低減を可能にすると共に、燃料転化率の向上にも効果を有することが分かる。一方、ニッケルやコバルトの添加は、高価なロジウムの担持量の低減により効果的であることが分かる。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
すなわち、上記実施形態においては、デバイスとして内燃機関を例示したが、これに限定されるものではなく、燃料器や燃料電池などデバイスについても本発明を適用することができる。
1 燃料改質システム
10 内燃機関
11 エアフローメータ
12 水素センサ
13 燃料噴射装置
14 酸素センサ
15 背圧コントロールバルブ
16 排気ガス浄化触媒
20 排気循環装置
21 ガス温度センサ
22 燃料噴射装置
23 吸入空気可変装置
24 燃料蒸発器
25 触媒反応器
25a 燃料改質触媒
25b 触媒温度センサ
26 冷却装置
27 バルブ
28 流量計
29 フィルタ
A 吸気系
B 排気系
50 燃料改質反応装置
51 石英反応管
52 燃料ポンプ
53 窒素タンク
54 水タンク
55 酸素タンク
56 二酸化炭素タンク
57 予熱器
58 電気炉
59a、59b ガスクロマトグラフ

Claims (6)

  1. 酸化ケイ素骨格を有し、ケイ素とセリウムとを含むことを特徴とするメソポーラス金属酸化物。
  2. 上記ケイ素の含有量が、酸化ケイ素(SiO)による酸化物換算で、5〜30質量%であることを特徴とする請求項1に記載のメソポーラス金属酸化物。
  3. メソ細孔の細孔分布によるピーク値が5〜15nmの範囲内に存在することを特徴とする請求項1又は2に記載のメソポーラス金属酸化物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載のメソポーラス金属酸化物と、
    上記メソポーラス金属酸化物に担持される、マグネシウム、ランタン、ジルコニウム及びニオブからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む第1触媒成分と、
    上記メソポーラス金属酸化物に担持される、白金、ロジウム、パラジウム、ニッケル及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む第2触媒成分とを含有し、
    燃料から水素を生成する
    ことを特徴とする燃料改質触媒。
  5. 上記マグネシウム、ランタン、ジルコニウム及びニオブからなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量が、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ランタン(La)、酸化ジルコニウム(ZrO)及び酸化ニオブ(Nb)それぞれによる酸化物換算で、3〜25質量%であることを特徴とする請求項4に記載の燃料改質触媒。
  6. 請求項4又は5に記載の燃料改質触媒を含む触媒反応器を備えたことを特徴とする燃料改質システム。
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