JP2014058338A - 液状被包装物の充填包装体およびそれの製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装体の注出通路の開口、および一の包装体の仮融着隔壁の作為的な剥離を、包装体に必須の融着接合部に何の影響を及ぼすことなく、一層簡易に、かつ的確なものとすることができる液状被包装物の充填包装体を提供する。
【解決手段】シーラント層を具える積層構造の包装用フィルムを、シーラント層を融着接合させて製袋し、液状の被包装物を充填包装してなる、正面輪郭形状が方形の包装体であって、前記包装用フィルムのシーラント層の、縦方向の融着接合部もしくは横方向の融着接合部のいずれか一方の、延在方向の一部もしくは全部に、融着接合強度の低下をもたらす濡れ処理部を設けてなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、調味料、スープ、酒、ドレッシング等の液状物、練りからし、練りわさび等の粘稠物、その他の液状被包装物を積層構造のフレキシブルな包装袋に充填包装してなる包装体からの該液状被包装物の注出を、ハサミ等の道具を用いることなく、また、包装体に引裂き開口を形成する必要もなしに、非力な者でも簡易に行うことができ、併せて、液状被包装物の注出に先立つ、複数種類の被包装物の予めの混合をもまた簡易に行うことができる、液状被包装物の充填包装体およびそれの製造装置に関するものである。
包装体からの液状被包装物の注出を、非力な者でも、道具を用いることなしに簡易に行うことができる従来技術ないしは提案技術としては、特許文献1に開示されたものがあり、また複数種類の液状被包装物の、注出に先立つ予めの混合を簡易なものとする従来技術としては、特許文献2、3および4に開示されたものがある。
特開09−207947号公報 特開09−286470号公報 特開09−216640号公報 特許第3095747号公報
しかるに、これらの従来技術にあっては、包装体への液状被包装物の注出口の形成、または一の包装体内の仮接着隔壁の作為的な剥離を、所期したほどに簡易に、しかも的確に行わせることは甚だ困難であった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、それの目的とするところは、包装体の注出通路の開口、および一の包装体の仮接着隔壁の作為的な剥離を、包装体に必須の融着接合部に何の影響を及ぼすことなく、一層簡易に、かつ的確なものとすることができる液状被包装物の充填包装体およびそれの製造装置を提供するにある。
この発明の液状被包装物の充填包装体は、シーラント層およびベースフィルム層を具え、中間層、蒸着層等を具えることもある積層構造の包装用フィルムの、シーラント層を融着接合させて製袋し、液状の被包装物を充填包装してなる、正面輪郭形状が方形をなす包装体であって、包装用フィルムのシーラント層の、縦方向もしくは横方向の融着接合部のいずれか一方の、延在方向の一部もしくは全部に、融着接合強度の相対的な低下をもたらす濡れ処理部を設けてなるものである。
そして他の包装体は、たとえば、納豆の調味料、即席麺の液体スープ等のように、メイン商品に付随させて包装されるものであり、この包装体では、メイン商品の存在下で、包装体の注出通路等の意図しない剥離開口等のおそれを有効に防止することができる。
ところで、このような液状被包装物の充填包装体においては、前記濡れ処理部を設けてなる融着接合部は、被包装物が充填包装された収納スペースへの手指による圧下によって生じる内圧力によって剥離されて開口すること、前記濡れ処理部を設けてなる融着接合部は、0.4N/15mm以上、10.0N/15mm以下の剥離強度を有すること、前記濡れ処理部それ自体は、プラズマ照射処理によって形成すること、および前記プラズマ照射処理がコロナ放電処理であることが好ましい。
また、この発明の液状被包装物の充填包装体の製造装置は、シーラント層その他を具える積層構造の包装用フィルムを、該フィルムの原反ロールから連続的もしくは間欠的に繰り出す、自動充填包装機の繰出し軸と、包装用フィルムを幅方向の中央部で、シーラント層が相互に対向する姿勢に折り返す、自動充填包装機の折返し手段との間で、かつ、縦シール手段、液状被包装物の充填ノズルおよび横シール手段の配設位置より手前側の部分に、シーラント層の幅方向の少なくとも一方の半部表面、たとえば、少なくとも一方の側部部分の所定の領域に、包装用フィルムの長手方向に所定の間隔をおいてプラズマを照射する、プラズマ照射ヘッドを配設してなるものである。
このような装置においてより好ましくは、シーラント層の幅方向のそれぞれの半部の所定の領域に、包装用フィルムの長手方向に所定の間隔をおいて、たとえば相互の同期下でプラズマを照射する二個のプラズマ照射ヘッドを配設する。
なお、二個のプラズマ照射ヘッドの相互を、包装用フィルムの延在方向、ひいては、包装用フィルムの繰出し走行方向に間隔をおいて配設する場合は、それぞれのプラズマ照射ヘッドからのプラズマの照射を、相互に時間差をおいて行っても、縦方向もしくは横方向の一の融着接合部で、シーラント層の濡れ処理部を相互に対向させて位置させることができる。
この発明の、液状被包装物の充填包装体では、包装用フィルムのシーラント層の幅方向の少なくとも一方の半部表面の所定の領域に、一の融着接合部の融着接合強度の相対的な低下をもたらす濡れ処理部を設けることにより、包装体への手指による圧下等によって、該濡れ処理部を剥離させて包装体に注出通路を開口させ、また、一の包装体の仮接着隔壁の作為的な剥離を、必要な融着接合個所に何の影響を及ぼすことなく、極めて簡易に、かつ的確に行うことができる。
ここで、融着接合強度の相対的な低下度合は、たとえば、プラズマの照射に基づく濡れ処理の程度や、融着接合をヒートシールによって実現する場合のヒートシール刃、ひいてはシーラント層の加熱温度、ヒートシール刃の加圧力および加圧時間を選択することによって適宜に調整することができる。
なお、濡れ処理部の剥離強度(融着接合強度)は、0.4N/15mm以上、10.0N/15mm以下とすることで、包装体の注出通路等の意図しない剥離開口等のおそれがない一方で、非力な者でも手指の力で簡単に開封することができる。
そしてこのことは、シーラント層の融着接合部で相互に対向して位置することになる、シーラント層のそれぞれの半部表面の所定の領域に濡れ処理部を設けた場合により一層効果的である。
以上のような液状被包装物の充填包装体において、それをメインの商品に付随させて包装した場合は、多くは、該包装体よりも嵩の高いメインの商品の存在下で、該包装体が意図しない大きな圧下力等を受ける機会を大きく低減させることができ、これにより、濡れ処理部を設けた、融着接合強度の相対的に低い接合部の不測の剥離を有効に防止することができる。
なおこのことは、メインの商品を、包装体用のフレキシブルな包装袋より剛性の高いプラスチック成形容器、発泡ポリスチレン成形容器等に、液状被包装物の充填包装体とともに包装した場合により効果的である。
ところで、濡れ処理部は、プラズマ照射処理によって形成することができる。ここで、プラズマ照射処理は、たとえば高周波電源と高圧エアとを用い、大気圧下で無電解の大気圧プラズマを発生させる高周波大気圧プラズマ表面処理装置(たとえばウェッジ(株)製)を用いて行うことができ、プラズマ照射ヘッドから、無電解の大気圧プラズマをシーラント層表面に照射することで、そのシーラント層表面に親水基を生成させて、シーラント層表面に高い濡れ性をもたらすことができる。
なお、本発明においては、プラズマ照射処理が、コロナ放電処理によることが好ましく、たとえば特殊高周波電源と処理電極により大気中にコロナ放電を発生させ、その放電電子をシーラント層表面に照射することで濡れ処理部を形成することができる。
そして、この発明の製造装置では、自動充填包装機において、原反ロールから繰り出され、液状の被包装物を充填包装されて包装体とされる包装用フィルムの、走行経路の途中でシーラント層にプラズマを照射することで、シーラント層に若干の溶融が生じることがあっても、その包装用フィルムは、再度巻回されることがないので、包装用フィルムの巻回の内外でのブロッキングの発生のおそれを十分に取り除くことができる。
しかもこの製造装置では、自動充填包装機の繰出し軸と、フィルム折返し手段との間に、シーラント層の幅方向の、少なくとも一方の半部表面の所定の領域に、プラズマを照射するプラズマ照射ヘッドを配設することにより、従来の一般的な自動充填包装機の充填包装機能に何の影響も及ぼすことなく、シーラント層にプラズマ照射による濡れ処理を施すことができ、所期した通りの形態および寸法の包装体を製造することができる。
このようにして製造される包装体は、プラズマ照射による濡れ処理の故に、液状被包装物の注出通路部分または包装体の仮接着隔壁の所要に応じた剥離を、包装体の圧下等に基づき、より簡易に、そしてより的確に行わせることができる。
なお、包装体の液状被包装物の注出通路の開口または、一の包装体の仮接着隔壁の所要に応じた剥離を一層簡易に、かつ一層的確に行わせるためには、シーラント層のそれぞれの半部表面の所定の領域にプラズマを照射する、二個のプラズマ照射ヘッドを配設して融着接合部の相互に対応する位置に濡れ処理部を形成することが好ましい。
この発明の包装体の実施形態を示す斜視図および、液状被包装物の使用方法を例示する平面図である。 包装体の他の実施形態を示す正面図である。 一の包装体に仮接着隔壁を設ける場合を例示する正面図である。 自動充填包装機へのプラズマ照射ヘッドの配設例を示す略線正面図である。
以下にこの発明の実施形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1に示す包装袋1は、シーラント層およびベースフィルム層を具え、中間層、蒸着層等を具えることもある積層構造のフレキシブルな包装用フィルムFのシーラント層を、図に斜線を施して示すように融着接合させて、底部もしくは頂部を開口させてなるものであり、合掌状の背貼り縦接合部2の延在方向の中間部に、液状の被包装物の収納スペース3から遠ざかるにつれて次第に狭幅になる該被包装物の注出通路4を形成してなる。この注出通路4は、収納スペース3側の端部分に、図に梨地状にドットを施して示す、シーラント層の幅方向の少なくとも一方の半部表面の所定の領域に施した濡れ処理部からなって、シーラント層の融着接合強度が、背貼り縦接合部2の、注出通路4を除く他の部分より相対的に低い易剥離部分5を有し、この易剥離部分5によって注出通路4を完全に遮断してなるものである。
ここで、この濡れ処理部は、プラズマ照射処理の一例としてのコロナ放電処理によって、シーラント層の幅方向のそれぞれの半部表面の所定の領域に、包装用フィルムFの二つ折り姿勢で相互に対向させて形成することが好ましく、易剥離部分5は、たとえば、コロナ放電処理によって、その剥離強度を0.4N/15mm以上、10.0N/15mm以下を有するものとすることができ、これによって、注出通路4の意図しない剥離開口を防止する一方で、手指による圧下等による作為的な剥離を、十分簡易なものとすることができる。
なお、図示の注出通路4は、収納スペース3から遠ざかるにつれて次第に狭幅になるように形成されているが、注出通路4は、全長にわたって一定幅とすること、または収納スペース3から遠ざかるにつれて次第に広幅になるように形成することもできる。
また、図示の易剥離部分5は、注出通路4の、収納スペース3側の端部分の一箇所だけに設けることとしているも、注出通路4の延在方向に間隔をおいて複数設けること、または注出通路4の全長にわたって連続するものとすることもできる。
このようにして製袋されるフレキシブルな包装袋1に対しては、液状の被包装物を充填して底部もしくは頂部の包装袋開口を、これも図に斜線を施して示すように、横方向の融着接合部で密封することにより、液状の被包装物を、たとえば抜気下で充填包装してなる、図1(a)に示すような、正面輪郭形状が方形をなす包装体6が構成されることになる。
なお、ここにおけるシーラント層の融着接合は、接合強度の強弱を問わず、ヒートシール、インパルスシール、高周波ウェルダーシール、超音波シール等にて行うことができる。
以上のような包装体6からの液状の被包装物の注出に当たっては、はじめに、図1(b)に示すように、包装体6を背張り縦接合部2を境として二つに山折りし、次いで、図1(c)に平面図で示すように、包装体6を、白抜き矢印で示す方向に手指によって押圧して、易剥離部分5を剥離させて、注出通路4を開口させることで、収納スペース3内の液状被包装物を、注出通路4から目的個所へより的確に注出させることができる。
なお、図1に示すように、包装体6が、注出通路4を有する合掌状の背貼り縦接合部2を有する場合は、該背貼り縦接合部2を境として包装体6を二つに山折りにすることで、包装体6の収納スペース3のトータル厚みをほぼ2倍にすることができるので、二方シールもしくは三方シールの包装袋等からなる包装体に比して、易剥離部分5を、より小さな押圧力をもって簡易に剥離させることができる。
図2は、図に斜線を施して示す三方シールになる液状物充填包装体6を示すものであり、図2(a)は、頂部および底部の横接合部7a、7bと縦接合部8とからなる三方のシール部のうち、縦接合部8の延在方向の中間部、たとえば中央部に、シーラント層の融着接合強度が、縦接合部8の他の部分より低い、図に梨地状にドットを施して示す易剥離部分5を形成してなるものである。
なおここで、易剥離部分5(濡れ処理部)は、包装用フィルムFのシーラント層表面の、幅方向の少なくとも半部、より好ましくは両半部の、縦接合部8の延在方向の中間部に相当する位置に形成し、たとえばプラズマ照射処理によって形成する場合には、所要の易剥離部分5の寸法および形状に応じた穿孔を有するマスキングプレートを用いることが好ましく、これによれば、易剥離部分5を、三角形や楕円形など様々な形状に形成することができる。
また、図2(b)に示す包装体6は、横接合部7aの延在方向の中間部に、所要の寸法および形状の易剥離部分5を形成してなるものである。
図2に示すこれらのいずれの包装体6においても、濡れ処理部の処理個所および処理度合、シーラント層の加熱温度、加圧力、加圧時間等を選択することにより、収納スペース3への手指による圧下に基づく、易剥離部分5の作為的な剥離を極めて簡易なものとし、包装体6を引き裂くことなく開封することができる一方で、該剥離部分5の意図しない剥離による液状被包装物の漏出のおそれを十分に取り除くことができる。
ちなみに、図2に示す包装体6においては、易剥離部分5を、その剥離強度が0.4N/15mm以上、10.0N/15mm以下となるようにすることが、上記効果を有効に発揮させる上で好ましい。
図3は、これも図に斜線を施して示すように、頂部および底部の横接合部7a、7bと縦接合部8とからなる三方のシール部を有し、収納スペース3内に液状の被包装物を充填包装してなる包装体6を示し、この包装体6は、一の収納スペース3を、図に梨地状にドットを施して示す、縦方向に延びる一の仮接着隔壁9によって、全体にわたって遮断して、図では二個の収納室3a、3bに分離区画し、それぞれの収納室3a、3b内に、最終的には混合される異種の液状被包装物を充填包装したものである。
なおここで、異種の液状被包装物は、たとえば二液混合タイプの接着剤の主剤と硬化剤、二つの異なる液を混ぜてから使用する化粧品(白髪染め液など)、各種の調味液、ドレッシング等とすることができる。
また、図では一の仮接着隔壁9で、収納スペース3を二つの収納室3a、3bに分離区画しているも、一の収納スペース3を、任意の形態で延在する複数の仮接着隔壁で、三つ以上の収納室に分離区画することも可能である。
収納スペース3を横切って形成される、このような仮接着隔壁9もまた、シーラント層表面に対する濡れ処理部の処理個所および濡れ処理度合、シーラント層の加熱温度、加圧力、加圧時間等を適宜選択することで、いずれかの収納室3a、3bを手指で圧下することに基づく、仮接着隔壁9の作為的な剥離を極めて簡易なものとするとともに、仮接着隔壁9の不測の剥離のおそれのない、十分的確なものとすることができる。
仮接着隔壁9は、たとえば、コロナ放電による濡れ処理によって、その剥離強度が0.4N/15mm以上、10.0N/15mm以下を有するものとすることで、仮接着隔壁9の簡易な剥離を担保する一方で、不測の剥離を十分に防止することができる。
ところで、図3に示す包装体6では、横接合部7a、7bまたは縦接合部8に設けたーノッチ、Vノッチ等の引裂き誘導疵位置で包装体6を引裂くことで、予め混合された液状被包装物を所要の位置へ所期した通りに注出することができる。
図4は、以上のような包装体6を製造するための、この発明に係る製造装置を例示する略線正面図であり、これは既存の自動充填包装機11にプラズマ照射ヘッド12を一個もしくは二個配設してなるものである。
ここで、一般的な自動充填包装機11は、シーラント層およびベースフィルム層を具える積層構造のフレキシブルな包装用フィルムFを巻回してなる原反ロール13を支持するとともに、該原反ロール13から包装用フィルムFを、間欠的もしくは連続的に繰り出す繰出し軸14と、繰り出された包装用フィルムFの走行をガイドする複数本のガイドローラ15と、ガイドローラ15を通過した包装用フィルムFを幅方向の中央部でシーラント層が相互に対向する姿勢に折り返すフィルム折返し手段16と、このフィルム折返し手段16によって筒状に折り返された包装用フィルムCFのそれぞれの側部部分に、たとえば連続的に縦接合部8を形成する縦シール手段17と、縦接合部8が形成された筒状の包装用フィルムCFの内側へ液状の被包装物を、連続的もしくは間欠的に充填する充填ノズル18と、液状の被包装物を充填された筒状の包装用フィルムCFに、液中シールその他の抜気シールによって、頂部および底部の横接合部7a、7bのための横融着接合部19を形成する夾雑物横シール手段20とを具える。
また、図示の自動充填包装機11は、上述したところに加え、一対の横シールローラからなる夾雑物横シール手段20によって形成された横融着接合部19を、再度挟持して接合強度を高めるべく機能する第2の横シール手段20aと、たとえば連続的もしくは間欠的に製造される液状被包装物充填包装体6を一体ずつ、もしくは複数体ずつに切断分離するカッター手段21を具えてなる。
そして、この発明の装置では、上述したような自動充填包装体11の繰出し軸14と、フィルム折返し手段16との間であり、縦シール手段17、液状被包装物の充填ノズル18および横シール手段20、20aの配設位置より手前側の部分に、シーラント層の幅方向の少なくとも一方の半部、より好ましくは、シーラント層の幅方向のそれぞれの半部に、包装用フィルムFの長手方向に所定の間隔をおいて、かつ所定の領域に対してプラズマを照射して濡れ処理部を形成する、たとえば相互に同期作動する二個のプラズマ照射ヘッド12を配設する。
なお、シーラント層幅方向の、各半部用の二個のそれぞれのプラズマ照射ヘッド12を、包装用フィルムFの繰り出し走行方向に間隔をおいて配設したときには、相互の同期作動なしにも、縦もしくは横接合部8、7a、7bの互いに対応する位置に、融着接合強度の低下をもたらす一対の濡れ処理部を対向させて形成することができる。
すなわち、プラズマ照射ヘッド12のそれぞれを、相互の離隔距離に応じた時間間隔で作動させることで、シーラント層の濡れ処理に伴う、融着接合強度の低下個所を相互に対向させて位置させ、作為的な剥離の容易さをより十分に担保することができる。
この発明に係るこのような装置によれば、プラズマの照射個所、直接的には、包装用フィルムFに対するプラズマ照射ヘッド12の配設位置を選択することで、図1〜3に示すような、易剥離部分5または仮接着隔壁9を、それの形成位置のいかんにかかわらず、常に高い精度で適正に形成することができる。
また、プラズマ照射ヘッド12からのプラズマの照射によって形成される易剥離部分5または仮接着隔壁9の形成位置は、包装用フィルムFにレジマークを設けることや、自動充填包装機11から発信される横シール手段20のシールタイミングによる信号を受信することによって正確に特定することができ、さらに寸法および形状は、上記したように、所要の穿孔を設けたマスキングプレートをもって、プラズマの照射域を特定することで正確に特定することが好ましい。
さらに、原反ロール13から繰り出された包装用フィルムFは、液状の被包装物が充填包装された包装体6とされた後、カッター手段21によって、一体もしくは複数体ずつに切断分離され、その包装用フィルムFが再度巻回されることがないので、プラズマの照射によってシーラント層の表面に若干の溶融が生じることがあっても、前述したように、巻回の内外でのブロッキングの発生のおそれを十分に取り除くことができる。
1 包装袋
2 背貼り縦接合部
3 収納スペース
3a、3b 収納室
4 注出通路
5 易剥離部分
6 包装体
7a 頂部横接合部
7b 底部横接合部
8 縦接合部
9 仮接着隔壁
11 自動充填包装機
12 プラズマ照射ヘッド
13 原反ロール
14 繰出し軸
15 ガイドローラ
16 フィルム折返し手段
17 縦シール手段
18 充填ノズル
19 横融着接合部
20 夾雑物横シール手段
20a 第2の横シール手段
21 カッター手段
F 包装用フィルム
CF 筒状包装用フィルム

Claims (8)

  1. シーラント層を具える積層構造の包装用フィルムを、シーラント層を融着接合させて製袋し、液状の被包装物を充填包装してなる、正面輪郭形状が方形の包装体であって、
    前記包装用フィルムのシーラント層の、縦方向の融着接合部もしくは横方向の融着接合部のいずれか一方の、延在方向の一部もしくは全部に、融着接合強度の低下をもたらす濡れ処理部を設けてなることを特徴とする液状被包装物の充填包装体。
  2. シーラント層を具える積層構造の包装用フィルムの、シーラント層を融着接合させて製袋し、液状の被包装物を充填包装してなり、商品に付随させて包装される、正面輪郭形状が方形の包装体であって、
    前記包装用フィルムのシーラント層の、縦方向の融着接合部もしくは横方向の融着接合部のいずれか一方の、延在方向の一部もしくは全部に、融着接合強度の低下をもたらす濡れ処理部を設けてなることを特徴とする液状被包装物の充填包装体。
  3. 前記濡れ処理部を設けてなる融着接合部は、被包装物が充填された収納スペースへの、手指による圧下によって生じる内圧力によって剥離されることを特徴とする請求項1または2に記載の液状被包装物の充填包装体。
  4. 前記濡れ処理部を設けてなる融着接合部は、0.4N/15mm以上、10.0N/15mm以下の剥離強度を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液状被包装物の充填包装体。
  5. 前記濡れ処理部は、シーラント層表面へのプラズマ照射処理により形成してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液状被包装物の充填包装体。
  6. 前記プラズマ照射処理は、コロナ放電処理であることを特徴とする請求項5に記載の液状被包装物の充填包装体。
  7. シーラント層を具える積層構造の包装用フィルムを原反ロールから繰り出す自動充填包装機の繰出し軸と、包装用フィルムを幅方向の中央部で、シーラント層が相互に対向するように折り返す自動充填包装機のフィルム折返し手段との間で、かつ、縦シール手段、液状被包装物の充填ノズルおよび横シール手段の配設位置より手前側の部分に、
    シーラント層の幅方向の少なくとも一方の半部表面の所定の領域に、包装用フィルムの長手方向に所定の間隔をおいて、プラズマを照射するプラズマ照射ヘッドを配設してなる液状被包装物充填包装体の製造装置。
  8. 前記シーラント層の幅方向のそれぞれの半部表面の所定の領域に、包装用ファイルの長手方向に所定の間隔をおいて、プラズマを照射する二個のプラズマ照射ヘッドをそれぞれ配設してなる請求項7に記載の液状被包装物充填包装体の製造装置。
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