JP2014058217A - 内燃機関の停止制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルブとバルブシートとの間で氷結を生じさせないよう内燃機関を停止させる内燃機関の停止制御装置を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両において、第1モータジェネレータによって、エンジン停止時のクランクシャフトの停止角度位置を調整するに際し、吸気バルブおよび排気バルブそれぞれが、全閉、または、バルブシートとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなるバルブ開度となるクランクシャフト停止角度位置となるように、第1モータジェネレータのトルクを制御する(ステップST3,ST4)。これにより、バルブとバルブシートとの隙間に水分が入り込んで滞留してしまうといったことはなくなり、仮に外気温度が氷点下になったとしても、バルブとバルブシートとの間に氷が介在されてしまうといった状況を回避できる。
【選択図】図8

Description

本発明は、例えばハイブリッド車両に搭載される内燃機関の停止制御装置に係る。特に、本発明は、内燃機関を停止させる際の出力軸の回転角度位置を電動機によって調整する制御の改良に関する。
従来より、走行駆動力源として内燃機関(以下、「エンジン」という場合もある)と電動機(以下、「モータジェネレータ」という場合もある)とが搭載されたハイブリッド車両において、エンジンを停止させる際に、その停止位置(クランクシャフトの回転を停止させる角度位置)をモータジェネレータによって調整することが提案されている(例えば特許文献1および特許文献2を参照)。
特許文献1には、エンジンの再始動時においてピストンが圧縮上死点を乗り越えるのに必要なトルクが最小となる位置を目標停止位置とし、この目標停止位置にエンジンを停止させるようにモータジェネレータのトルク制御を行うことが開示されている。また、特許文献2には、一つの気筒のピストンが圧縮上死点近傍となるクランクシャフトの回転角度位置でエンジンを停止させるようにモータジェネレータのトルク制御を行うことが開示されている。
特開2008−14146号公報 特開2009−143377号公報
ところで、前述したモータジェネレータによるエンジン停止位置の調整を行った場合、吸気バルブおよび排気バルブのうち少なくとも一方の開度が微小となった状態でエンジンが停止してしまう可能性がある。この場合に、外気温度が低い状況(例えば0℃以下)であると、バルブとバルブシートとの隙間に入り込んだ水分(例えば吸気中に含まれている水分)が凍結してしまう可能性がある。
具体的には、バルブとバルブシートとの間隙が1mm程度となった状態でエンジンが停止した場合、この両者の隙間に入り込んだ水分が、その表面張力によってバルブ外縁に沿って周方向に拡がってしまう。そして、この水分が凍結すると、次回のエンジン始動初期時にあっては、バルブを全閉とすべきタイミングにおいて、バルブとバルブシートとの間に氷が介在することで、バルブを全閉にすることができなくなってしまう。その結果、圧縮行程における混合気の圧縮不足を招くなどして、エンジンの運転に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、失火を招いたり、エンジンのトルク変動に起因する異音(ガラ音;遊星歯車機構や減速機構等におけるギヤ同士の間に隙間(バックラッシ)が存在していることに起因し、エンジンのトルク変動の影響によって発生する歯打ち音)の発生を招いたりする可能性がある。
各特許文献にあっては、このバルブとバルブシートとの間での水分の凍結を考慮することなくエンジンの目標停止位置を規定しているため、前記水分の凍結に起因する失火や異音の発生を招く可能性があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バルブとバルブシートとの間での水分の凍結を生じさせないように内燃機関を停止させる内燃機関の停止制御装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
本発明における課題の解決原理は、内燃機関を停止させる際、各気筒の吸気バルブおよび排気バルブそれぞれが、バルブシートとの間で微小隙間を生じることのない開度となるように、電動機によって内燃機関の出力軸の停止角度位置を調整し、これによって、仮に、外気温度が低い場合であっても、前記微小隙間に水分が流れ込んで凍結するといった状況を招かないようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、内燃機関と、この内燃機関の出力軸に連結された電動機とを備え、前記内燃機関を停止させる際に、前記電動機からのトルクを前記出力軸に与えて、この出力軸の回転が停止する位置を調整する内燃機関停止制御を行う内燃機関の停止制御装置を前提とする。この内燃機関の停止制御装置に対し、前記内燃機関に備えられた吸気バルブおよび排気バルブが、全閉、または、バルブシートとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなるバルブ開度となる停止位置で前記出力軸の回転が停止するように、前記内燃機関停止制御において前記内燃機関の出力軸に与えられる前記電動機のトルクを制御する構成としている。
ここで、「吸気バルブおよび排気バルブが、全閉、または、バルブシートとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなるバルブ開度となる」とは、(I)全てのバルブが全閉である状態、(II)一部のバルブが全閉で、他のバルブが、バルブシートとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなるバルブ開度である状態、(III)全てのバルブが全開である状態の何れかの状態にあることをいう。
この特定事項により、内燃機関を停止させる際、出力軸の回転が停止する回転角度位置としては、バルブ(吸気バルブおよび排気バルブ)が全閉となるか、または、バルブとバルブシートとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなるように調整される。つまり、この回転角度位置で出力軸の回転が停止されるように電動機のトルクが制御される。このため、内燃機関の停止状態で、バルブとバルブシートとの隙間に水分が入り込んで滞留してしまうといったことはなくなり、仮に外気温度が氷点下になったとしても、バルブとバルブシートとの間に氷が介在されてしまうといった状況を招くことがない。このため、内燃機関の再始動時における圧縮行程において混合気の圧縮不足を招くことがなくなり、内燃機関の運転を良好に行うことができ、失火や異音の発生を抑制することができる。
前記電動機と内燃機関の出力軸との連結構造としては、流体継ぎ手を介することなく電動機が内燃機関の出力軸に連結されている。例えば電動機と内燃機関の出力軸とが歯車機構を介して連結された構成や、ダンパ機構を介して連結された構成などが挙げられる。
このように、流体継ぎ手を介することなく電動機と内燃機関の出力軸とが連結されていることにより、電動機のトルクに応じた回転量だけ内燃機関の出力軸が回転されることになり、この出力軸の回転が停止する位置を高い精度で調整することが可能である。
前記所定の微小寸法として具体的には、吸気バルブまたは排気バルブとバルブシートとの間に流れ込んだ水分が滞留することのない寸法として設定されている。
前述した如く、内燃機関の停止状態において、バルブとバルブシートとの隙間に水分が入り込んで滞留してしまうと、外気温度が氷点下である場合に、バルブとバルブシートとの間に氷が介在されてしまう可能性がある。このため、バルブとバルブシートとの隙間に流れ込んだ水分が滞留することのない大きさの隙間をバルブとバルブシートとの間に確保することで水分の滞留を阻止し、これにより、外気温度が氷点下となっても、バルブとバルブシートとの間に氷が介在するといった状況を回避することが可能になる。
前記電動機のトルクの制御として具体的には、前記内燃機関停止制御において前記内燃機関の出力軸に与えられる前記電動機のトルクを、内燃機関の冷却水温度または油温に応じて変更するようにしている。
より具体的には、内燃機関の冷却水温度または油温が低いほど、前記電動機のトルクを大きく設定している。
内燃機関の冷却水温度または油温が低いほど、内燃機関の各所におけるフリクションは大きくなっている。このため、冷却水温度または油温が低い場合(フリクションが大きい場合)に、冷却水温度または油温が高い場合(フリクションが小さい場合)と同等の電動機のトルクに設定してしまうと、目標とする出力軸の停止角度位置に達するまでに出力軸の回転が停止してしまう可能性がある。このため、内燃機関の冷却水温度または油温が低いほど電動機のトルクを大きくし、出力軸の回転角度位置が、目標とする停止角度位置に到達できるようにしている。
また、内燃機関停止制御が行われる度に電動機のトルクを補正(補正学習)することが好ましい。具体的には、前記内燃機関停止制御によって前記内燃機関が停止した際の実際の出力軸の回転の停止位置と、目標とする停止位置とに応じて前記電動機のトルクの補正学習を行うようにし、前記実際の出力軸の回転の停止位置が、目標とする停止位置よりも進角側であった場合には、次回の内燃機関停止制御では前記電動機のトルクが増大される側に補正する。一方、実際の出力軸の回転の停止位置が、目標とする停止位置よりも遅角側であった場合には、次回の内燃機関停止制御では前記電動機のトルクが減少される側に補正されるものである。
これによれば、内燃機関の各所のフリクション等の経時変化に応じた電動機のトルクが適切に得られることになる。つまり、実際の出力軸の回転の停止位置が、目標とする停止位置よりも進角側であった場合には、次回の内燃機関停止制御では前記電動機のトルクを増大側に補正することで、この次回の内燃機関停止制御では、出力軸の回転の停止位置が遅角側に移行し、これにより、実際の出力軸の回転の停止位置が、目標とする停止位置に近づくことになる。同様に、実際の出力軸の回転の停止位置が、目標とする停止位置よりも遅角側であった場合には、次回の内燃機関停止制御では前記電動機のトルクを減少側に補正することで、この次回の内燃機関停止制御では、出力軸の回転の停止位置が進角側に移行し、これにより、実際の出力軸の回転の停止位置が、目標とする停止位置に近づくことになる。
また、前述した内燃機関停止制御(各バルブの開度を考慮した出力軸の停止位置の制御)は、車両の停車中に内燃機関を停止させる場合に行われる。具体的に、駆動力源として前記内燃機関および電動機を備えたハイブリッド車両に搭載されるものであって、車両停車中に前記内燃機関を停止させる際には、吸気バルブおよび排気バルブが、全閉、または、バルブシートとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなるバルブ開度となる停止位置で前記出力軸の回転が停止するように、前記内燃機関の出力軸に与えられる前記電動機のトルクを制御する。一方、車両走行中に前記内燃機関を停止させる際には、一つの気筒のピストンが圧縮上死点前の所定位置となるように、前記内燃機関の出力軸に与えられる前記電動機のトルクを制御する。
つまり、車両停車中に内燃機関を停止させる場合、その後、長期間に亘って内燃機関の停止状態が継続する可能性があり、バルブとバルブシートとの隙間に水分が滞留すると、外気温度が氷点下となった際にバルブとバルブシートとの間で水分が凍結してしまう可能性がある。このため、車両停車中に内燃機関を停止させる場合には、この水分の凍結を招かない回転角度位置で出力軸を停止させる。一方、車両走行中に内燃機関を停止させる場合には、その後、比較的短時間のうちに内燃機関が再始動する可能性が高い。このため、再始動の始動性を良好に確保できるように、ピストンが圧縮上死点前の所定位置となる回転角度位置で出力軸を停止させる。このように、車両停車中に内燃機関を停止させる場合には水分の凍結防止を優先した内燃機関停止制御を行い、車両走行中に内燃機関を停止させる場合には内燃機関の再始動性を優先した内燃機関停止制御を行うようにしている。
前記ハイブリッド車両の動力伝達系の構成として具体的には以下のものが挙げられる。つまり、内燃機関の出力軸が連結されるプラネタリキャリアと、第1の電動機が連結されるサンギヤと、第2の電動機が連結されるリングギヤとを備えた遊星歯車機構により構成される動力分割機構が備えられ、前記内燃機関停止制御では、前記第1の電動機のトルクを制御することにより前記内燃機関の出力軸の回転を停止させるものとなっている。
このような動力伝達系の構成によれば、内燃機関停止制御では、第1の電動機のトルクがサンギヤおよびプラネタリキャリアを経て内燃機関の出力軸に伝達され、この出力軸の停止角度位置が調整されることになる。これにより、第1の電動機の回転が減速されて内燃機関の出力軸に伝達されることになるため、この出力軸の停止角度位置の調整を高い精度で行うことが可能となる。
本発明では、内燃機関の停止状態で、バルブとバルブシートとの隙間に水分が入り込んで滞留してしまうといったことはなくなり、仮に外気温度が氷点下になったとしても、バルブとバルブシートとの間に氷が介在されてしまうといった状況を招くことがない。このため、内燃機関の再始動時における運転を良好に行うことができる。
実施形態に係るハイブリッド車両の概略構成を示す図である。 エンジンの概略構成図である。 エンジンの1気筒のみを示す概略構成図である。 ハイブリッド車両の制御系を示すブロック図である。 エンジン始動時における動力分割機構の共線図である。 要求トルク設定マップの一例を示す図である。 エンジンの動作点を説明するための図である。 第1実施形態に係るエンジン停止制御の手順を示すフローチャート図である。 MG1トルクマップの一例を示す図である。 エンジン停止時における動力分割機構の共線図である。 第2実施形態に係るエンジン停止制御の手順を示すフローチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式のハイブリッド車両に本発明を適用した場合について説明する。
図1は本実施形態に係るハイブリッド車両HVを示す概略構成図である。この図1に示すように、ハイブリッド車両HVは、車両走行用の駆動力を発生するエンジン(内燃機関)1、主に発電機として機能する第1モータジェネレータMG1(第1の発電電動機)、主に電動機として機能する第2モータジェネレータMG2(第2の発電電動機)、動力分割機構3、リダクション機構4、カウンタドライブギヤ51、カウンタドリブンギヤ52、ファイナルギヤ53、デファレンシャル装置54、前輪車軸(ドライブシャフト)61,61、前輪(駆動輪)6L,6R、および、ECU(Electronic Control Unit)100などを備えており、このECU100により実行されるプログラムによって本発明の停止制御装置が実現される。
なお、ECU100は、例えば、HV(ハイブリッド)ECU、エンジンECU、モータECU、バッテリECUなどによって構成されており、これらのECUが互いに通信可能に接続されている。
次に、エンジン1、各モータジェネレータMG1,MG2、動力分割機構3、リダクション機構4、および、ECU100などの各部について説明する。
−エンジン−
図2および図3はエンジン1の概略構成を示す図である。なお、図3ではエンジン1の1気筒の構成のみを示している。
エンジン1は、火花点火式4気筒レシプロエンジンであり、ポート噴射式のインジェクタ(以下、単に「インジェクタ」という)10aを備え、このインジェクタ10aから噴射された燃料により燃焼室12内で混合気を生成するようになっている。
また、エンジン1の各気筒11(♯1〜♯4)内にはピストン13が設けられており、前記混合気の燃焼に伴ってこのピストン13が気筒11内で往復運動する。
前記各インジェクタ10a,10a,…は、それぞれ燃料蓄圧容器としてのデリバリパイプ10bに接続されており、このデリバリパイプ10bから燃料が供給されるようになっている。このデリバリパイプ10bには、燃料供給管10c(図2を参照)を介して燃料タンク10dが接続されており、燃料ポンプ10eが駆動されることにより、燃料タンク10d内に貯留されている燃料が供給されるようになっている。
また、インジェクタ10aによって燃焼室12内に向けて噴射された燃料は、吸気通路14の一部を構成するインテークマニホールド14aを通って燃焼室12内へ導入される空気Aと共に混合気を形成し、点火プラグ15で着火されて燃焼する。混合気の燃焼圧力はピストン13に伝えられ、ピストン13を往復運動させる。吸気バルブ16は、吸気カムシャフト16aにより駆動される。この吸気カムシャフト16aは、クランクシャフト(エンジン1の出力軸)18から取り出される動力がタイミングベルト等によって伝達されて回転駆動される。また、シリンダヘッドに形成された吸気ポートIPの開口縁部にはバルブシート16bが設けられており、吸気バルブ16の閉弁時には、吸気バルブ16のバルブフェイスがバルブシート16bに着座する構成となっている。
ピストン13の往復運動はコネクティングロッド13aを介してクランクシャフト18に伝えられ、ここで回転運動に変換されて、エンジン1の出力として取り出される。このエンジン1の出力は、クランクシャフト18およびダンパ20(図1を参照)を介してインプットシャフト21に伝達される。このダンパ20は、例えばコイルスプリング式トランスアクスルダンパであってエンジン1のトルク変動を吸収する。
このように、インプットシャフト21とクランクシャフト18とはトルクコンバータ等の流体継ぎ手を介することなく連結されている。このため、第1モータジェネレータMG1とクランクシャフト18も流体継ぎ手を介することなく連結された構成となっている。
また、燃焼後の混合気は排気ガスExとなり、排気バルブ17の開弁動作に伴って排気通路19の一部であるエキゾーストマニホールド19aへ排出される。排気ガスExは、エキゾーストマニホールド19aの下流側に設けられた触媒コンバータ19bにより浄化された後、大気中へ放出される。前記排気バルブ17は、排気カムシャフト17aにより駆動される。この排気カムシャフト17aは、クランクシャフト18から取り出される動力がタイミングベルト等によって伝達されて回転駆動される。また、シリンダヘッドに形成された排気ポートEPの開口縁部にもバルブシート17bが設けられており、排気バルブ17の閉弁時には、排気バルブ17のバルブフェイスがバルブシート17bに着座する構成となっている。
また、エンジン1は、吸気通路14におけるエアクリーナ14bの下流側に設けられたスロットルボディ8により吸入空気量が調整される。このスロットルボディ8は、バタフライバルブで成るスロットルバルブ81と、このスロットルバルブ81を開閉駆動するスロットルモータ82と、スロットルバルブ81の開度を検出するスロットル開度センサ103とを備えている。ECU100は、ドライバ(運転者)により操作されるアクセルの開度を検知するアクセル開度センサ101からの出力を取得して、スロットルモータ82に制御信号を送り、スロットル開度センサ103からのスロットルバルブ81の開度のフィードバック信号に基づいて、スロットルバルブ81を適切な開度に制御する。これにより、エンジン1の気筒11内へ導入する空気Aの量を調整する。
前記触媒コンバータ19bの上流側(排気流れの上流側)の排気通路19には空燃比(A/F)センサ110が配置されている。このA/Fセンサ110は、空燃比に対してリニアな特性を示すセンサである。また、触媒コンバータ19bの下流側の排気通路19にはO2センサ111が配置されている。このO2センサ111は、排気ガス中の酸素濃度に応じて起電力を発生するものであり、理論空燃比に相当する電圧(比較電圧)よりも出力が高いときはリッチと判定し、逆に比較電圧よりも出力が低いときはリーンと判定する。これらA/Fセンサ110およびO2センサ111の出力信号は空燃比フィードバック制御(例えば、特開2010−007561号公報に記載の技術を参照)に用いられる。
−モータジェネレータ−
第1モータジェネレータMG1は、前記インプットシャフト21に対して相対回転自在に支持された永久磁石からなるロータMG1Rと、3相巻線が巻回されたステータMG1Sとを備えた交流同期発電機であって、発電機として機能するとともに電動機(電動モータ)としても機能する。また、第2モータジェネレータMG2も同様に、インプットシャフト21に対して相対回転自在に支持された永久磁石からなるロータMG2Rと、3相巻線が巻回されたステータMG2Sとを備えた交流同期発電機であって、電動機(電動モータ)として機能するとともに発電機としても機能する。
図4に示すように、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2は、それぞれインバータ200を介してバッテリ(蓄電装置)300に接続されている。インバータ200はECU100によって制御され、そのインバータ200の制御により各モータジェネレータMG1,MG2の回生または力行(アシスト)が設定される。その際の回生電力はインバータ200を介してバッテリ300に充電される。また、各モータジェネレータMG1,MG2の駆動用電力はバッテリ300からインバータ200を介して供給される。
−動力分割機構−
図1に示すように、動力分割機構3は、複数の歯車要素の中心で自転する外歯歯車のサンギヤS3と、サンギヤS3に外接しながらその周辺を自転しつつ公転する外歯歯車のピニオンギヤP3と、ピニオンギヤP3と噛み合うように中空環状に形成された内歯歯車のリングギヤR3と、ピニオンギヤP3を支持するとともに、このピニオンギヤP3の公転を通じて自転するプラネタリキャリアCA3とを有する遊星歯車機構によって構成されている。プラネタリキャリアCA3はエンジン1側のインプットシャフト21に回転一体に連結されている。サンギヤS3は、第1モータジェネレータMG1のロータMG1Rに回転一体に連結されている。
そして、このような構成の動力分割機構3において、プラネタリキャリアCA3に入力されるエンジン1の出力トルクに対して、第1モータジェネレータMG1による反力トルクがサンギヤS3に入力されると、出力要素であるリングギヤR3には、エンジン1から入力されたトルクより大きいトルクが現れる。この場合、第1モータジェネレータMG1は発電機として機能する。第1モータジェネレータMG1が発電機として機能するときには、プラネタリキャリアCA3から入力されるエンジン1の駆動力が、サンギヤS3側とリングギヤR3側とにそのギヤ比に応じて分配される。
一方、エンジン1の始動要求時にあっては、第1モータジェネレータMG1が電動機(スタータモータ)として機能し、この第1モータジェネレータMG1の駆動力がサンギヤS3およびプラネタリキャリアCA3を介してクランクシャフト18に与えられてエンジン1がクランキングされる。
図5は、車両停車状態におけるエンジン始動時の共線図を示している。図中の左側のS軸はモータジェネレータMG1の回転速度Nm1であるサンギヤS3の回転速度を示し、C軸はエンジン1の回転速度NeであるプラネタリキャリアCA3の回転速度を示し、R軸は第2モータジェネレータMG2の回転速度Nm2をリダクション機構4のギヤ比Grで除した値であるリングギヤR4の回転速度Nrを示している。
この共線図に示すように、エンジン始動時には、第1モータジェネレータMG1を電動機として駆動させることによって、動力分配機構3のサンギヤS3を正回転側に駆動することにより、ピニオンギヤP3ならびにキャリヤCA3を介してエンジン1のクランクシャフト18に正回転向きの正駆動力を入力させる(図5における正駆動力を示す各矢印を参照)。これにより、エンジン1がクランキングされる。この際、車両停車状態を維持するべく第2モータジェネレータMG2による反力が付与される。このクランキングの開始と略同時に、インジェクタ10aからの燃料の供給および点火プラグ15の点火を行うことにより、エンジン1が始動される。そして、エンジン回転速度が自律回転可能な回転速度(例えば完爆時の回転速度)に上昇したときに、第1モータジェネレータMG1によるクランキングを終了する。
また、車両の走行中にあっては、動力分割機構3において、リングギヤR3の回転速度(出力軸回転速度)が一定であるときに、第1モータジェネレータMG1の回転速度を上下に変化させることにより、エンジン1の回転速度を連続的に(無段階に)変化させることができる。つまり、動力分割機構3が変速部として機能する。
−リダクション機構−
リダクション機構4は、複数の歯車要素の中心で自転する外歯歯車のサンギヤS4と、キャリヤ(トランスアクスルケース)CA4に回転自在に支持され、サンギヤS4に外接しながら自転する外歯歯車のピニオンギヤP4と、ピニオンギヤP4と噛み合うように中空環状に形成された内歯歯車のリングギヤR4とを有する遊星歯車機構によって構成されている。リダクション機構4のリングギヤR4と、前記動力分割機構3のリングギヤR3と、カウンタドライブギヤ51とは互いに一体となっている。また、サンギヤS4は第2モータジェネレータMG2のロータMG2Rと回転一体に連結されている。
このリダクション機構4は、第2モータジェネレータMG2の駆動力を適宜の減速比で減速する。この減速された駆動力は、カウンタドライブギヤ51、カウンタドリブンギヤ52、ファイナルギヤ53、デファレンシャル装置54、および、ドライブシャフト61を介して左右の駆動輪6L,6Rに伝達される。
−シフト操作装置−
ハイブリッド車両HVにおける運転席の近傍にはシフト操作装置7(図4参照)が配置されている。このシフト操作装置7にはシフトレバー71が変位可能に設けられている。そして、この例のシフト操作装置7には、前進走行用のドライブレンジ(Dレンジ)、アクセルオフ時の制動力(エンジンブレーキ)が大きな前進走行用のブレーキレンジ(Bレンジ)、後進走行用のリバースレンジ(Rレンジ)、中立のニュートラルレンジ(Nレンジ)が設定されており、ドライバが所望のレンジへシフトレバー71を変位させることが可能となっている。これらDレンジ、Bレンジ、Rレンジ、Nレンジの各位置はシフトポジションセンサ104によって検出される。シフトポジションセンサ104の出力信号はECU100に入力される。なお、駐車ポジション(Pポジション)は別配置のPスイッチによって設定することができる。
−ECU−
ECU100は、エンジン1の運転制御、エンジン1およびモータジェネレータMG1,MG2の協調制御などを含む各種制御を実行する電子制御装置であって、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAMなどを備えている。
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは図示しないパワースイッチ(イグニッションスイッチ)のOFF時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU100には、図4に示すように、前記アクセル開度センサ101、レゾルバで構成されクランクシャフト18の回転角度位置を検出するクランクポジションセンサ102、前記スロットル開度センサ103、前記シフトポジションセンサ104、車輪6L,6Rの回転速度を検出する車輪速センサ105、ブレーキペダルに対する踏力(ブレーキ踏力)を検出するブレーキペダルセンサ106、エンジン1の冷却水温度を検出する水温センサ107、吸入空気量を計測するエアフローメータ108、吸入空気温度を検出する吸気温センサ109、前記A/Fセンサ110、O2センサ111、吸気カムシャフト16aの近傍に配設されて気筒判別センサとして使用されるカムポジションセンサ112、エンジンオイルの温度を検出する油温センサ113等が接続されており、これらの各センサからの信号がECU100に入力されるようになっている。また、バッテリ300の充放電電流を検出する図示しない電流センサ、バッテリ温度センサなども接続されており、これらの各センサからの信号もECU100に入力されるようになっている。
また、ECU100には、エンジン1のスロットルバルブ81を開閉駆動するスロットルモータ82、前記インジェクタ10a、前記点火プラグ15の点火タイミングを調整するイグナイタ15aなどが接続されている。
そして、ECU100は、前記した各種センサの出力信号に基づいて、エンジン1のスロットル開度制御(吸入空気量制御)、燃料噴射量制御、および、点火時期制御などのエンジン1の各種制御を実行する他、ハイブリッドシステム全体の制御(各モータジェネレータMG1,MG2のトルク制御等)を行う。
さらに、ECU100は、バッテリ300を管理するために、前記電流センサにて検出された充放電電流の積算値や、バッテリ温度センサにて検出されたバッテリ温度などに基づいて、バッテリ300の充電状態(SOC:State of Charge)や、バッテリ300の入力制限Winおよび出力制限Woutなどを演算する。
また、ECU100には前記インバータ200が接続されている。インバータ200は、各モータジェネレータMG1,MG2それぞれの制御用のIPM(Intelligent Power Module:インテリジェントパワーモジュール)を備えている。その各IPMは、複数(例えば6個)の半導体スイッチング素子(例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ))などによって構成されている。
インバータ200は、例えば、ECU100からの指令信号(例えば、第1モータジェネレータMG1のトルク指令値、第2モータジェネレータMG2のトルク指令値)に応じてバッテリ300からの直流電流を、モータジェネレータMG1,MG2を駆動する電流に変換する一方、エンジン1の動力により第1モータジェネレータMG1で発電された交流電流、および、回生ブレーキにより第2モータジェネレータMG2で発電された交流電流を、バッテリ300に充電するための直流電流に変換する。また、インバータ200は、第1モータジェネレータMG1で発電された交流電流を、走行状態に応じて、第2モータジェネレータMG2の駆動用電力として供給する。
−ハイブリッドシステムにおける駆動力の流れ−
このように構成されたハイブリッド車両HVは、ドライバによるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて、駆動輪6L,6Rに出力すべきトルク(要求トルク)を計算し、この要求トルクに対応する要求駆動力により走行するように、エンジン1とモータジェネレータMG1,MG2とが運転制御される。図6は、アクセル開度Accおよび車速Vに応じて要求トルクTrを求める要求トルク設定マップの一例を示している。この要求トルク設定マップは、前記ECU100のROMに記憶されており、アクセル開度Accと車速Vとが与えられることで要求トルクTrを抽出するものとなっている。
前記エンジン1およびモータジェネレータMG1,MG2の運転制御として具体的には、燃料消費量の削減を図るために、要求トルクが比較的低い運転領域にあっては、第2モータジェネレータMG2を利用して前記要求トルクが得られるようにする。一方、要求トルクが比較的高い運転領域にあっては、第2モータジェネレータMG2を利用すると共に、エンジン1を駆動し、これら駆動力源(走行駆動力源)からの駆動力により、前記要求トルクが得られるようにする。
より具体的には、車両の発進時や低速走行時等であってエンジン1の運転効率が低い場合には、第2モータジェネレータMG2のみにより走行(以下、「EV走行」ともいう)を行う。また、車室内に配置された走行モード選択スイッチによってドライバがEV走行モードを選択した場合にもEV走行を行う。
一方、通常走行(以下、HV走行ともいう)時には、例えば前記動力分割機構3によりエンジン1の駆動力を2経路に分け、その一方の駆動力で駆動輪6L,6Rの直接駆動(直達トルクによる駆動)を行い、他方の駆動力で第1モータジェネレータMG1を駆動して発電を行う。このとき、第1モータジェネレータMG1の駆動により発生する電力で第2モータジェネレータMG2を駆動して駆動輪6L,6Rの駆動補助を行う(電気パスによる駆動)。
このように、前記動力分割機構3が差動機構として機能し、その差動作用によりエンジン1からの動力の主部を駆動輪6L,6Rに機械的に伝達し、そのエンジン1からの動力の残部を第1モータジェネレータMG1から第2モータジェネレータMG2への電気パスを用いて電気的に伝達することにより、電気的に変速比が変更される電気式無段変速機としての機能が発揮される。これにより、駆動輪6L,6Rの回転速度およびトルクに依存することなく、エンジン回転速度およびエンジントルクを自由に操作することが可能となり、駆動輪6L,6Rに要求される駆動力を得ながらも、燃料消費率が最適化されたエンジン1の運転状態(後述する最適燃費動作ライン上の運転状態)を得ることが可能となる。
具体的に、図7を用いて説明する。この図7は横軸をエンジン回転速度とし、縦軸をエンジントルクとしたエンジン1の動作点を表す図である。図中の実線は最適燃費動作ラインであって、前述した動力分割機構3を利用した電気的変速機能によって、エンジン1を、この最適燃費動作ライン上の運転状態に制御することが可能となっている。具体的には、アクセル開度等に応じて決定される要求パワーライン(図中に二点鎖線で示すライン)と、前記最適燃費動作ラインとの交点(図中の点A)をエンジン1の目標動作点(目標運転点)としてハイブリッドシステムが制御されることになる。
また、高速走行時には、さらにバッテリ300からの電力を第2モータジェネレータMG2に供給し、この第2モータジェネレータMG2の出力を増大させて駆動輪6L,6Rに対して駆動力の追加(駆動力アシスト;力行)を行う。
さらに、減速時には、第2モータジェネレータMG2が発電機として機能して回生発電を行い、回収した電力をバッテリ300に蓄える。なお、バッテリ300の充電量(前記残容量;SOC)が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン1の出力を増加して第1モータジェネレータMG1による発電量を増やしてバッテリ300に対する充電量を増加する。また、低速走行時においても必要に応じてエンジン1の出力を増加する制御を行う場合もある。例えば、前述のようにバッテリ300の充電が必要な場合や、エアコンディショナ等の補機を駆動する場合や、エンジン1の冷却水の温度を所定温度まで上げる場合などである。
また、本実施形態のハイブリッド車両HVにおいては、車両の運転状態やバッテリ300の状態によって、燃費を改善させるために、エンジン1を停止させる。そして、その後も、ハイブリッド車両HVの運転状態やバッテリ300の状態を検知して、エンジン1を再始動させる。このように、ハイブリッド車両HVにおいては、エンジン1が間欠運転(エンジン停止と再始動とを繰り返す運転)される。
−エンジン停止制御−
次に、本実施形態の特徴とする動作として、駆動中のエンジン1を停止させるエンジン停止制御(内燃機関停止制御)について説明する。
まず、このエンジン停止制御の概略について説明する。本実施形態に係るハイブリッドシステムでは、エンジン1の停止要求が生じた場合、前記第1モータジェネレータMG1のトルク(以下、「MG1トルク」という場合もある)を制御することで、エンジン1の停止状態におけるクランクシャフト18の回転角度位置を調整することが可能となっている。つまり、第1モータジェネレータMG1にトルクを発生させ、この第1モータジェネレータMG1のロータMG1Rの回転を、前記サンギヤS3、プラネタリキャリアCA3およびインプットシャフト21を介してクランクシャフト18に伝達し、このクランクシャフト18を所定の回転角度位置(停止角度位置)で停止させる。
この場合に、吸気バルブ16および排気バルブ17のうち少なくとも一方の開度が微小な状態でエンジン1が停止してしまうと、外気温度が低い状況(例えば0℃以下)である際に、バルブ16(17)とバルブシート16b(17b)との隙間に入り込んだ水分(例えば吸気中に含まれている水分)が凍結してしまう可能性がある。このような水分の凍結が生じてしまうと、次回のエンジン1の始動初期時に、バルブ16(17)を全閉とすべきタイミング(例えば圧縮行程)において、バルブ16(17)とバルブシート16b(17b)との間に氷が介在することで、バルブ16(17)を全閉にすることができなくなって、混合気の圧縮不足を招くなどして、エンジン1の運転に悪影響を及ぼす可能性がある。
この点に鑑み、本実施形態では、第1モータジェネレータMG1からのトルクをクランクシャフト18に与えて、エンジン1の停止位置(クランクシャフト18の停止角度位置)を調整するエンジン停止制御において、吸気バルブ16および排気バルブ17と、それぞれに対応するバルブシート16b,17bとの間隔が、所定の微小隙間範囲(例えば0.5mm〜3.0mm)とならない各バルブ開度となるように、前記クランクシャフト18に与えられる第1モータジェネレータMG1からのトルク(MG1トルク)を制御するようにしている。つまり、各気筒11,11,…の全ての吸気バルブ16および全ての排気バルブ17が、全閉、または、バルブシート16b,17bとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなる(例えば3.0mmよりも大きくなる)バルブ開度となるクランクシャフト18の回転角度位置でエンジン1が停止(クランクシャフト18の回転が停止)するように、第1モータジェネレータMG1のトルクを制御する。言い換えると、吸気バルブ16および排気バルブ17が、全閉、または、バルブシート16b,17bとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなるバルブ開度となる停止位置でクランクシャフト18の回転が停止するように、前記エンジン停止制御において前記クランクシャフト18に与えられる第1モータジェネレータMG1のトルクを制御している。これにより、エンジン1が停止した場合には、全てのバルブ16,17が全閉である状態、または、一部のバルブ16,17が全閉で、他のバルブ16,17が、バルブシート16b,17bとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなる(例えば3.0mmよりも大きくなる)バルブ開度である状態となる。なお、前記微小隙間範囲としては、前記の値には限定されず、実験またはシミュレーションによって設定される。
(第1実施形態)
次に、エンジン停止制御の具体的な手順について説明する。図8は、第1実施形態に係るエンジン停止制御の手順を示すフローチャート図である。この図8に示すフローチャートは、ハイブリッドシステムの稼働中において数msec毎に実行される。
まず、ステップST1において、エンジン停止要求が生じたか否かを判定する。このエンジン停止要求は、例えば、車両の停車中にドライバがパワースイッチをOFF操作(パワースイッチを押し込み操作)した場合に生じる。また、車両の停車中にエンジン1が自動停止し、その後に、ドライバがパワースイッチをOFF操作した場合にもエンジン停止要求が生じたと判定される。
エンジン停止要求が生じておらず、ステップST1でNO判定された場合には、エンジン停止制御(前述した凍結防止のためにバルブ開度調整を行うエンジン停止制御)を実行することなくリターンされる。つまり、この場合(ステップST1でNO判定された場合)には、エンジン1の運転が継続されるか(前記SOCが低くなっておりバッテリ300の充電が必要な場合や、エンジン1の暖機運転中など)、または、エンジン1が停止する場合(EV走行への移行に伴ってエンジン1が停止する場合(前記間欠運転におけるエンジン停止))であっても、前述した吸気バルブ16および排気バルブ17の開度を考慮したエンジン停止制御(吸気バルブ16および排気バルブ17が、全閉、または、バルブシート16b,17bとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなるバルブ開度となるようにクランクシャフト18の停止角度位置を設定するエンジン停止制御)を行うことなく、エンジン1を停止させる。例えば、エンジン1の再始動時においてピストン13が圧縮上死点を乗り越えるのに必要なトルクが最小となる位置を目標停止位置(例えば、クランクシャフト18の回転角度位置において、一つの気筒11のピストン13が圧縮上死点前15°(BTDC15°);本発明でいう「一つの気筒のピストンが圧縮上死点前の所定位置となる内燃機関の出力軸の停止位置」)として第1モータジェネレータMG1のトルク制御が行われる。このクランクシャフト18の目標停止位置はこれに限定されるものではなく、実験またはシミュレーションによって設定される。
一方、エンジン停止要求(前述したパワースイッチを押し込み操作)が生じ、ステップST1でYES判定された場合には、ステップST2に移り、前記水温センサ107からの検出信号に基づき、エンジン1の冷却水温度を取得する。そして、ステップST3において、予め前記ECU100のROMに記憶されているMG1トルクマップに従い、冷却水温度およびクランクシャフト18の回転角度位置に応じたMG1トルクを求める。
図9は、MG1トルクマップの一例を示している。このMG1トルクマップは、前記エンジン停止制御を実行する際に、前記クランクシャフト18に与えられる第1モータジェネレータMG1のトルクを規定するものである。このMG1トルクマップは、予め実験またはシミュレーションによって作成されている。
このMG1トルクマップにおけるクランクシャフト回転角度位置(横軸)の範囲Xは、クランクシャフト18の目標停止位置の範囲である。つまり、この範囲X内の回転角度位置でクランクシャフト18が停止した場合には、吸気バルブ16および排気バルブ17が、全閉、または、バルブシート16b,17bとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなるバルブ開度となる。即ち、吸気バルブ16または排気バルブ17とバルブシート16b,17bとの間に微小な隙間(例えば0.5mm〜3.0mm)が生じることがないクランクシャフト18の停止角度位置となるようになっている。より具体的に、この範囲Xの進角側の起点(図中のXa)は、吸気行程が終了する気筒11の吸気バルブ16が全閉になった時点(吸気バルブ16が全閉になった時点のクランクシャフト18の回転角度位置)として規定される。また、この範囲Xの遅角側の終点(図中のXb)は、排気行程が開始される気筒11の排気バルブ17が全閉から開放側に作動する時点(排気バルブ17の開放動作が開始されるクランクシャフト18の回転角度位置)として規定される。
そして、このMG1トルクマップにおける実線は、冷却水温度が比較的高い(例えば80℃)場合におけるクランクシャフト18の回転角度位置に応じたMG1トルクを規定しており、破線は、冷却水温度が比較的低い(例えば30℃)場合におけるクランクシャフト18の回転角度位置に応じたMG1トルクを規定している。クランクシャフト18の回転角度位置は、前記クランクポジションセンサ102からの検出信号に基づいて算出される。
このMG1トルクマップに示すように、クランクシャフト18の回転角度位置が目標停止位置の範囲Xに達するまで、つまり、範囲Xよりも進角側にあっては、冷却水温度が低いほど第1モータジェネレータMG1のトルクを高く設定している。これは、冷却水温度が低い場合には、エンジン1の各所におけるフリクションが大きいので、範囲Xに達するまでにクランクシャフト18の回転が停止してしまうことを防止するためである。
逆に、クランクシャフト18の回転角度位置が目標停止位置の範囲Xを超えた場合、つまり、範囲Xよりも遅角側となった場合には、冷却水温度が低いほど第1モータジェネレータMG1のトルクを低く設定している。
なお、クランクシャフト18の回転角度位置が目標停止位置の範囲Xを超えた場合に、冷却水温度が低いほど第1モータジェネレータMG1のトルクを高く設定するようにしてもよい。
なお、一般にエンジン1の動弁系にはVVT(Variable Valve Timing)機構が備えられ、エンジン負荷(例えば、車両の停車中にはエアコンディショナ等の補機類の稼働状況)に応じて吸気バルブ16および排気バルブ17のバルブタイミング(開閉タイミング)が可変となっている。このため、MG1トルクマップにおける範囲Xは、吸気バルブ16および排気バルブ17のバルブタイミングに応じて、言い換えるとエンジン負荷等に応じて、その進角側の起点Xaとなるクランクシャフト18の回転角度位置および遅角側の終点Xbとなるクランクシャフト18の回転角度位置も変更されるようになっている。例えば、エンジン負荷に応じた複数のMG1トルクマップがROMに記憶されており、現在のエンジン負荷に対応したMG1トルクマップがROMから読み出されて、そのMG1トルクマップに従って、冷却水温度およびクランクシャフト18の回転角度位置に応じたMG1トルクが求められることになる。
また、冷却水温度が前記各値(30℃および80℃)以外である場合には、補間計算によって現在の冷却水温度に応じたMG1トルクが求められることになる。
このようにして第1モータジェネレータMG1のトルクを求めた後、ステップST4に移り、現在のクランクシャフト18の回転位置に応じた前記MG1トルクが得られるように第1モータジェネレータMG1を制御し、このMG1トルクをクランクシャフト18に与える。
その後、ステップST5に移り、エンジン1が停止したか否かを判定する。この判定は、前記クランクポジションセンサ102からの検出信号に基づいて行われる。
未だエンジン1が停止しておらず、ステップST5でNO判定された場合には、ステップST3に戻り、前述したように、冷却水温度およびクランクシャフト18の回転角度位置に応じたMG1トルクを求める。つまり、MG1トルクが更新される。
ここで更新されるMG1トルクとしては、現在のクランクシャフト18の回転角度位置が前記目標停止位置範囲よりも進角側(水温が80℃である際には図9における範囲Y1、水温が30℃である際には図9における範囲Y2)である場合には、前回ルーチンで求められたMG1トルクよりも小さいMG1トルクが求められ、クランクシャフト18の回転速度が更に低くなるように制御されることになる。一方、現在のクランクシャフト18の回転角度位置が前記目標停止位置範囲よりも遅角側(水温が80℃である際には図9における範囲Z1、水温が30℃である際には図9における範囲Z2)である場合には、前回ルーチンで求められたMG1トルクよりも大きなMG1トルクが求められ、クランクシャフト18の回転速度を高くして、更に遅角側に位置する目標停止位置範囲(例えば、クランクシャフト18の回転角度で180°だけ遅角側に設定された目標停止位置範囲)に向けてクランクシャフト18を回転させるようにMG1トルクが制御されることになる。
このように、クランクシャフト18の回転角度位置が前記目標停止位置範囲Xに近づいていく際には、MG1トルクが徐々に低減するように更新されていき、クランクシャフト18の回転速度が低下され、クランクシャフト18の回転角度位置が目標停止位置範囲Xに入ると、MG1トルクが「0」とされる。そして、クランクシャフト18の回転角度位置が目標停止位置範囲Xを超えてしまった場合には、MG1トルクが徐々に増大するように更新されていき、クランクシャフト18の回転速度が上昇され、更に遅角側に位置する目標停止位置範囲に向けてクランクシャフト18を回転させるようにしている。
なお、本実施形態では、クランクシャフト18の回転角度位置が前記目標停止位置範囲Xを超えてしまった場合において、冷却水温度が比較的低い(例えば30℃)場合におけるMG1トルクの最大値は、冷却水温度が比較的高い(例えば80℃)場合におけるMG1トルクの最大値よりも高くなっている。これは、前述した如く、エンジン1の各所におけるフリクションの大きさを考慮したものである。
図10は、車両停車状態においてエンジン1を停止させる際の共線図を示している。この共線図に実線αで示す状態からエンジン1を停止させる際には、インジェクタ10aからの燃料の供給および点火プラグ15の点火を停止した状態で、第1モータジェネレータMG1を電動機として駆動させることによって、動力分配機構3のサンギヤS3を正回転側に駆動させながら、この第1モータジェネレータMG1の回転速度を低下させていくことにより、ピニオンギヤP3ならびにキャリヤCA3を介してエンジン1のクランクシャフト18に付与する正回転向きの正駆動力を減少させていく。これにより、現在のクランクシャフト18の回転角度位置が前記目標停止位置範囲Xよりも進角側にある場合には、エンジン1の回転速度を低下させていく(図10における破線βは、第1モータジェネレータMG1の回転速度を低下させていく途中の状態を示しており、破線の矢印は第1モータジェネレータMG1の回転速度の変化の方向を示している)。
一方、クランクシャフト18の回転角度位置が前記目標停止位置範囲Xを超えて遅角側に移った場合には、第1モータジェネレータMG1の回転速度を上昇させていくことによって、ピニオンギヤP3ならびにキャリヤCA3を介してエンジン1のクランクシャフト18に付与する正回転向きの正駆動力を増加させていく(図10における一点鎖線γは、第1モータジェネレータMG1の回転速度を上昇させていく途中の状態を示しており、一点鎖線の矢印は第1モータジェネレータMG1の回転速度の変化の方向を示している)。これにより、現在のクランクシャフト18の回転角度位置を遅角側に位置する目標停止位置範囲に向けて回転させ、このクランクシャフト18の回転角度位置が目標停止位置範囲に近づいた時点で、前述した如く第1モータジェネレータMG1の回転速度を低下させていき、クランクシャフト18の回転角度位置が前記目標停止位置範囲内となるようにエンジン1の回転速度を低下させていく(図10における破線βおよび破線の矢印を参照)。
以上のようにしてMG1トルクを更新していき、クランクシャフト18の回転角度位置が前記目標停止位置範囲に達して、エンジン1が停止(クランクシャフト18の回転が停止)した場合には、ステップST5でYES判定され、エンジン停止制御を終了する。
以上説明したように、本実施形態では、エンジン1を停止させる際、クランクシャフト18の回転が停止する回転角度位置としては、バルブ(吸気バルブ16および排気バルブ17)が全閉となるか、または、バルブ16,17とバルブシート16b,17bとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなるように調整される。このため、エンジン1の停止状態で、バルブ16,17とバルブシート16b,17bとの隙間に水分が入り込んで滞留してしまうといったことはなくなり、仮に外気温度が氷点下になったとしても、バルブ16,17とバルブシート16b,17bとの間に氷が介在されてしまうといった状況を招くことがない。このため、エンジン1の再始動時における圧縮行程において混合気の圧縮不足を招くことがなくなり、エンジン1の運転を良好に行うことができ、失火や異音の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、流体継ぎ手を介することなく第1モータジェネレータMG1とクランクシャフト18とが連結されているため、第1モータジェネレータMG1のトルクに応じた回転量だけクランクシャフト18が回転されることになり、このクランクシャフト18の回転を停止させる位置を高い精度で調整することが可能である。
さらに、本実施形態では、前述したエンジン停止制御を車両停車中にエンジン1を停止する際に行うようにしている。つまり、車両停車中にエンジン1を停止させる際には、吸気バルブ16および排気バルブ17が、全閉、または、バルブシート16b,17bとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなるバルブ開度となる停止位置でクランクシャフト18の回転が停止するようにしている。また、車両走行中にエンジン1を停止させる際には、一つの気筒11のピストン13が圧縮上死点前の所定位置となるように、クランクシャフト18に与えられるMG1トルクを制御するようにしている。
つまり、車両停車中にエンジン1を停止させる場合、その後、長期間に亘ってエンジン1の停止状態が継続する可能性があり、バルブ16,17とバルブシート16b,17bとの隙間に水分が滞留すると、外気温度が氷点下となった際に、バルブ16,17とバルブシート16b,17bとの間で水分が凍結してしまう可能性がある。このため、車両停車中にエンジン1を停止させる場合には、この水分の凍結を招かないような回転角度位置でクランクシャフト18を停止させる。一方、車両走行中にエンジン1を停止させる場合には、その後、比較的短時間のうちにエンジン1が再始動する可能性が高い。このため、再始動の始動性を良好に確保できるように、ピストン13が圧縮上死点前の所定位置となる回転角度位置でクランクシャフト18を停止させるようにしている。このように、車両停車中にエンジン1を停止させる場合には水分の凍結防止を優先することができ、車両走行中にエンジン1を停止させる場合にはエンジン1の再始動性を優先することができる。
(第2実施形態)
次に、エンジン停止制御の第2実施形態について説明する。前述した第1実施形態は、目標停止位置範囲X内でクランクシャフト18の回転を停止させるものとしていた。本第2実施形態は、クランクシャフト18の目標停止位置(最適なクランクシャフト18の停止位置;例えば前記目標停止位置範囲Xの中心の回転角度位置)を規定しておき、この目標停止位置でクランクシャフト18の回転を停止させることを目的としたものである。
具体的には、前述したエンジン停止制御によってエンジン1が停止した際、クランクシャフト18の回転角度位置と目標停止位置との間に偏差が生じている場合に、次回のエンジン停止制御にあっては、この偏差を小さくするように、MG1トルクの補正学習を行うものである。
つまり、エンジン1が停止した際のクランクシャフト18の回転角度位置(停止角度位置)が目標停止位置よりも進角側であった場合(目標停止位置に対して進角側にずれを生じている場合)には、MG1トルクを増量側に補正学習する。一方、エンジン1が停止した際のクランクシャフト18の回転角度位置が目標停止位置よりも遅角側であった場合(目標停止位置に対して遅角側にずれを生じている場合)には、MG1トルクを減量側に補正学習するようにしている。
図11は、第2実施形態に係るエンジン停止制御の手順を示すフローチャート図である。この図11に示すフローチャートも、ハイブリッドシステムの稼働中において数msec毎に実行される。このフローチャートにおけるステップST1,ST2,ST4,ST5の各動作は、前述した第1実施形態のものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
ステップST2でエンジン1の冷却水温度を取得した後、ステップST3’に移り、前記MG1トルクマップに従って、冷却水温度およびクランクシャフト18の回転角度位置に応じたMG1トルクマップ値を求める。このMG1トルクマップ値を求めるためのMG1トルクマップは、前述した第1実施形態におけるMG1トルクマップと同様のものが利用可能である。また、MG1トルクマップ値を求める動作も、前述した第1実施形態におけるMG1トルクを求める動作と同様に行われる。
MG1トルクマップ値を求めた後、ステップST10に移り、MG1トルクの算出を行う。このMG1トルクの算出は、以下の式(1)によって行われる。
MG1トルク=MG1トルクマップ値×補正学習値 …(1)
前記補正学習値は、後述するステップST11で算出される。この補正学習値の算出動作については後述する。
このようにしてMG1トルクを算出した後、ステップST4に移り、このMG1トルクが得られるように第1モータジェネレータMG1を制御し、このMG1トルクをクランクシャフト18に与える。
そして、ステップST5のエンジン停止判定において、エンジン1が停止(クランクシャフト18の回転が停止)し、ステップST5でYES判定されると、ステップST11に移って、前記補正学習値の算出が行われる。この補正学習値の算出は、まず、前記クランクポジションセンサ102からの検出信号に基づいて求められるクランクシャフト18の停止角度位置(実際に停止している角度位置)と、クランクシャフト18の目標停止角度位置との差を求める。
そして、クランクシャフト18の停止角度位置が目標停止角度位置よりも進角側であった場合には、次回のエンジン停止制御において前記ステップST10で算出されるMG1トルクが増大するように補正学習値が設定される。例えば、現在の補正学習値(初期値は「1.0」)に対して「0.01」が加算されて補正学習値が更新される。これにより、次回のエンジン停止制御では、今回のエンジン停止制御で設定されたMG1トルクに対して1%だけトルクが増大する側に補正されることになる。これにより、次回のエンジン停止制御では、クランクシャフト18の停止角度位置が遅角側に移行し、目標停止角度位置との差が小さくなる。つまり、クランクシャフト18の停止角度位置を目標停止角度位置に近付けることができる。
一方、クランクシャフト18の停止角度位置が目標停止角度位置よりも遅角側であった場合には、次回のエンジン停止制御において前記ステップST10で算出されるMG1トルクが減少するように補正学習値が設定される。例えば、現在の補正学習値(初期値は「1.0」)に対して「0.01」が減算されて補正学習値が更新される。これにより、次回のエンジン停止制御では、今回のエンジン停止制御で設定されたMG1トルクに対し1%だけトルクが減少する側に補正されることになる。これにより、次回のエンジン停止制御では、クランクシャフト18の停止角度位置が進角側に移行し、目標停止角度位置との差が小さくなる。つまり、クランクシャフト18の停止角度位置を目標停止角度位置に近付けることができる。
本実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果に加えて以下の効果を奏することができる。つまり、クランクシャフト18の実際の停止角度位置と目標停止位置との間に偏差が生じている場合に、次回のエンジン停止制御にあっては、この偏差を小さくするように、MG1トルクの補正学習を行うようにしている。このため、エンジン1の各所のフリクション等の経時変化に応じたMG1トルクを適切に得ることが可能である。
−他の実施形態−
以上説明した各実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式のハイブリッド車両に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られることなく、FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式のハイブリッド車両や、4輪駆動方式のハイブリッド車両にも適用できる。
また、各実施形態におけるMG1トルクマップは、冷却水温度およびクランクシャフト18の回転角度位置に応じたMG1トルク(またはMG1トルクマップ値)を求めるものであった。本発明はこれに限らず、油温(油温センサ113によって検出されるエンジンオイルの温度)およびクランクシャフト18の回転角度位置に応じてMG1トルク(またはMG1トルクマップ値)を求めるものとしてもよい。
また、各実施形態では、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の2つの発電電動機が搭載されたハイブリッド車両HVの制御に本発明を適用した例を示したが、1つの発電電動機が搭載されたハイブリッド車両や3つ以上の発電電動機が搭載されたハイブリッド車両の制御にも本発明は適用可能である。
また、本発明の適用が可能なエンジン1としては、気筒数やエンジン形式(直列型やV型や水平対向型等の別)については特に限定されない。
また、前記第2実施形態では、クランクシャフト18の停止角度位置と目標停止角度位置との差に基づいて補正学習値を算出するようにしていた。本発明はこれに限らず、MG1トルク自体を補正するようにしてもよい。つまり、クランクシャフト18の停止角度位置が目標停止角度位置よりも進角側であった場合には、次回のエンジン停止制御では、今回のMG1トルクに対して所定量または所定割合だけMG1トルクを増大させるようにする。また、クランクシャフト18の停止角度位置が目標停止角度位置よりも遅角側であった場合には、次回のエンジン停止制御では、今回のMG1トルクに対して所定量または所定割合だけMG1トルクを減少させるようにするものである。
本発明は、内燃機関と電動機とが搭載されたハイブリッド車両において、内燃機関を停止させる際の電動機のトルク制御に適用可能である。
1 エンジン(内燃機関)
11 気筒
13 ピストン
16 吸気バルブ
17 排気バルブ
16b,17b バルブシート
18 クランクシャフト(出力軸)
3 動力分割機構
100 ECU
102 クランクポジションセンサ
107 水温センサ
113 油温センサ
MG1 第1モータジェネレータ(第1の電動機)
MG2 第2モータジェネレータ(第2の電動機)
HV ハイブリッド車両
S3 サンギヤ
R3 リングギヤ
CA3 プラネタリキャリア

Claims (8)

  1. 内燃機関と、この内燃機関の出力軸に連結された電動機とを備え、前記内燃機関を停止させる際に、前記電動機からのトルクを前記出力軸に与えて、この出力軸の回転が停止する位置を調整する内燃機関停止制御を行う内燃機関の停止制御装置において、
    前記内燃機関に備えられた吸気バルブおよび排気バルブが、全閉、または、バルブシートとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなるバルブ開度となる停止位置で前記出力軸の回転が停止するように、前記内燃機関停止制御において前記内燃機関の出力軸に与えられる前記電動機のトルクが制御される構成となっていることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の停止制御装置において、
    前記電動機は、流体継ぎ手を介することなく内燃機関の出力軸に連結されていることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。
  3. 請求項1または2記載の内燃機関の停止制御装置において、
    前記所定の微小寸法は、吸気バルブまたは排気バルブバルブとバルブシートとの間に流れ込んだ水分が滞留することのない寸法であることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。
  4. 請求項1、2または3記載の内燃機関の停止制御装置において、
    前記内燃機関停止制御において前記内燃機関の出力軸に与えられる前記電動機のトルクは、内燃機関の冷却水温度または油温に応じて変更されることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。
  5. 請求項4記載の内燃機関の停止制御装置において、
    前記内燃機関停止制御において前記内燃機関の出力軸に与えられる前記電動機のトルクは、内燃機関の冷却水温度または油温が低いほど、大きく設定されることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。
  6. 請求項1〜5のうち何れか一つに記載の内燃機関の停止制御装置において、
    前記内燃機関停止制御によって前記内燃機関が停止した際の実際の出力軸の回転の停止位置と、目標とする停止位置とに応じて前記電動機のトルクの補正学習を行うようになっており、
    前記実際の出力軸の回転の停止位置が、目標とする停止位置よりも進角側であった場合には、次回の内燃機関停止制御では前記電動機のトルクが増大される側に補正され、実際の出力軸の回転の停止位置が、目標とする停止位置よりも遅角側であった場合には、次回の内燃機関停止制御では前記電動機のトルクが減少される側に補正される構成となっていることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。
  7. 請求項1〜6のうち何れか一つに記載の内燃機関の停止制御装置において、
    駆動力源として前記内燃機関および電動機を備えたハイブリッド車両に搭載され、
    車両停車中に前記内燃機関を停止させる際には、吸気バルブおよび排気バルブが、全閉、または、バルブシートとの間隔が所定の微小寸法よりも大きくなるバルブ開度となる停止位置で前記出力軸の回転が停止するように、前記内燃機関の出力軸に与えられる前記電動機のトルクが制御され、
    車両走行中に前記内燃機関を停止させる際には、一つの気筒のピストンが圧縮上死点前の所定位置となるように、前記内燃機関の出力軸に与えられる前記電動機のトルクが制御される構成となっていることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。
  8. 請求項7記載の内燃機関の停止制御装置において、
    前記ハイブリッド車両の動力伝達系には、前記内燃機関の出力軸が連結されるプラネタリキャリアと、第1の電動機が連結されるサンギヤと、第2の電動機が連結されるリングギヤとを備えた遊星歯車機構により構成される動力分割機構が備えられており、
    前記内燃機関停止制御では、前記第1の電動機のトルクを制御することにより前記内燃機関の出力軸の回転を停止させることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。
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