JP2014073777A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Abstract

【課題】液化ガス燃料を使用する内燃機関を搭載したハイブリッド車両に対し、燃料噴射量の適正化を図ることができるハイブリッド車両の制御装置を提供する。
【解決手段】LPG燃料を使用するエンジン1を搭載したハイブリッド車両において、EV走行中、燃料ポンプ10eが停止し且つ遮断弁10h,10iが閉鎖している状態で、デリバリパイプ10b内の燃料温度が所定温度に達した際、遮断弁10h,10iを開放すると共に燃料ポンプ10eを起動させる。これにより、燃料タンク10dとデリバリパイプ10bとの間でLPG燃料を循環させ、デリバリパイプ10b内に比較的低温度のLPG燃料を導入することにより、このデリバリパイプ10b内での気相燃料の発生を回避する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に係る。特に、本発明は、液化ガス燃料を使用する内燃機関を搭載したハイブリッド車両の燃料供給系の制御に関する。
従来より、燃料としてLPG(Liquefied Petroleum Gas)等の液化ガス燃料を使用する内燃機関(以下、「エンジン」という場合もある)を搭載した車両が知られている(例えば特許文献1および特許文献2を参照)。
この種のエンジンにあっては、燃料タンク内に貯留された液化ガス燃料が燃料ポンプによってデリバリパイプに圧送され、インジェクタの開弁動作に応じてデリバリパイプ内の液化ガス燃料がインジェクタから気筒内に向けて噴射される。
また、デリバリパイプ内の余剰燃料を燃料タンク内に戻すための還流経路にはプレッシャレギュレータが配設されている。これにより、燃料ポンプから圧送された液化ガス燃料のうちインジェクタから噴射された液化ガス燃料以外の余剰燃料が、デリバリパイプ内の圧力上昇に伴うプレッシャレギュレータの開弁動作によって還流経路から燃料タンク内に戻されるといった液化ガス燃料の循環が行われる。この液化ガス燃料の循環により、デリバリパイプ内の圧力および温度を所定範囲内に維持し、沸点が比較的低い液化ガス燃料であってもデリバリパイプ内において液相状態が維持できるようにしている。
特開2004−52560号公報 特開2009−126387号公報
ところで、特許文献2に開示されているように液化ガス燃料を使用するエンジンをハイブリッド車両(駆動力源としてエンジンおよび電動モータを備えた車両)に搭載した場合、以下に述べる課題がある。
ハイブリッド車両は、エンジンを駆動力源とする走行(以下、「エンジン走行」という)とモータを駆動力源とする走行(以下、「EV走行」という)とが切り換え可能となっているため、EV走行中にあっては、エンジンが駆動されないことになる。このため、エンジンに燃料を供給する必要がないことから前記燃料ポンプを停止してしまうと燃料供給系における液化ガス燃料の循環が停止してしまう状況になる。
このような状況において、エンジン本体からの輻射熱やエンジン本体からの熱伝導等によって燃料供給系の温度、特にデリバリパイプ内の温度が上昇し、燃料温度が飽和蒸気温度を超えた場合には、デリバリパイプ内に気相燃料が発生することになる。
このようにデリバリパイプ内に気相燃料が発生した状態で、エンジン負荷の変化などに起因してEV走行からエンジン走行に切り換わった際には、インジェクタから気相燃料が噴射されることになり、適正な燃料噴射量が得られなくなって(安定した燃焼を行うための十分な燃料噴射量が得られなくなって)、エンジン回転数が大きく変動するなどしてドライバビリティの悪化を招いてしまう可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液化ガス燃料を使用する内燃機関を搭載したハイブリッド車両に対し、燃料噴射量の適正化を図ることができるハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
−発明の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、液化ガス燃料を使用するエンジンを搭載したハイブリッド車両に対し、電動機のみを走行駆動力源とするEV走行中に、燃料供給系内の温度が液化ガス燃料の飽和蒸気温度に達する前に燃料供給系内での燃料循環を開始させ、これによって燃料供給系内での気相燃料の発生を抑制するようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、液化ガス燃料を使用する内燃機関と電動機とを駆動力源として備え、これら内燃機関および電動機のうち少なくとも一つを走行駆動力源として走行するハイブリッド車両の制御装置を前提とする。このハイブリッド車両の制御装置に対し、前記内燃機関における燃料供給系に、燃料タンクから燃料噴射弁に向けて前記液化ガス燃料を供給する燃料ポンプが備えられており、前記電動機のみを走行駆動力源として走行している際、前記燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇した場合、または、前記燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇したと推定された場合に、前記燃料ポンプを作動させる構成としている。
この特定事項により、まず、前記電動機のみを走行駆動力源とする走行が開始された際には、燃料供給系における燃料温度が所定温度未満であり且つ内燃機関は駆動しないことから、燃料タンクから燃料噴射弁に向けての液化ガス燃料の供給を停止するべく燃料ポンプは停止される。そして、この状態で、燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇した場合、または、前記燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇したと推定された場合には、燃料ポンプを作動させ、燃料供給系において液化ガス燃料を流動させ、比較的低温度となっている燃料タンク内の液化ガス燃料を燃料供給系に導入する。これにより、この燃料供給系における液化ガス燃料の温度が低下することになる。このため、燃料供給系において液化ガス燃料が飽和蒸気温度を超えて気相燃料が発生するといったことが回避される。その結果、その後に、内燃機関を走行駆動力源とする走行に切り換わった場合に気相燃料が燃料噴射弁から噴射されてしまうといったことが回避され、適正な燃料噴射量が得られることによってドライバビリティの悪化を防止することができる。
より具体的な構成および具体的な液化ガス燃料の流れとしては以下のものが挙げられる。つまり、前記燃料供給系に、前記燃料ポンプから供給された液化ガス燃料を貯留する燃料蓄圧容器と、前記燃料ポンプから前記燃料蓄圧容器へ液化ガス燃料を供給する供給経路と、前記燃料蓄圧容器から前記燃料タンクへ液化ガス燃料を還流させる還流経路とを設ける。そして、前記電動機のみを走行駆動力源として走行している際、前記燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇した場合、または、前記燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇したと推定された場合に、前記燃料ポンプが作動することにより、前記燃料タンクと前記燃料蓄圧容器との間で液化ガス燃料を循環させる。
このように燃料タンクと燃料蓄圧容器との間で液化ガス燃料を循環させることにより、燃料ポンプの停止期間中において燃料蓄圧容器に貯留されていた液化ガス燃料の略全量を、燃料タンクから供給された比較的低温度の液化ガス燃料に短期間のうちに入れ換えることができる。例えば、燃料ポンプの燃料吐出量が燃料蓄圧容器の容量に達した際に、この燃料蓄圧容器の液化ガス燃料の略全量が燃料タンクに戻され、且つこの燃料蓄圧容器内は比較的低温度の液化ガス燃料によって満たされることになる。このため、燃料ポンプが作動した後に内燃機関本体からの熱を継続して受けることで燃料蓄圧容器の一部の領域において液化ガス燃料の温度が上昇する状況が生じていたとしても、この温度上昇している液化ガス燃料を早期に燃料蓄圧容器から燃料タンクに戻すことができ、燃料蓄圧容器内で気相燃料が発生するといったことが確実に回避される。
前述の如く作動した燃料ポンプを停止させる条件として具体的には以下のものが挙げられる。つまり、前記燃料ポンプを作動させた後、前記電動機のみを走行駆動力源として走行している状態で、前記燃料供給系における燃料温度が所定温度まで下降した場合、または、前記燃料供給系における燃料温度が所定温度まで下降したと推定された場合に、前記燃料ポンプを停止させるようにしている。
つまり、燃料供給系において気相燃料が発生する可能性がなくなった時点で燃料ポンプを停止させ、必要以上に燃料ポンプが作動することがないようにしている。これにより、無駄な燃料ポンプの作動が行われないようにすることで燃料消費率の改善を図ることができる。
より具体的な構成としては以下のものが挙げられる。つまり、前記燃料供給系に、系内における燃料温度を検出する系内温度センサを設ける。そして、前記電動機のみを走行駆動力源として走行している際、この系内温度センサによって検出される燃料温度が所定のポンプ作動温度まで上昇したときに、前記燃料ポンプを作動させる構成としている。
ここで、前記所定のポンプ作動温度としては、燃料供給系に貯留されている液化ガス燃料の飽和蒸気温度よりも僅かに低い値に設定される。これにより、燃料供給系において気相燃料が発生する前に、この燃料供給系に比較的低温度の液化ガス燃料を導入することができ、気相燃料の発生を防止できる。また、系内温度センサによって燃料供給系内の燃料温度を直接的に検出するようにしているため、気相燃料の発生を確実に防止できる。
この場合に燃料ポンプを停止させる条件として具体的には以下のものが挙げられる。つまり、前記系内温度センサによって検出される燃料温度が所定のポンプ作動温度まで上昇して前記燃料ポンプが作動した後、前記系内温度センサによって検出される燃料温度が前記ポンプ作動温度よりも低い所定のポンプ停止温度まで下降したときに、前記燃料ポンプを停止させるようにしている。
このように燃料ポンプが作動する燃料温度と燃料ポンプが停止する燃料温度との間にヒステリシスを設けることにより、燃料ポンプの作動と停止とが頻繁に繰り返されてしまうといった状況を防止でき、燃料ポンプの長寿命化を図ることができる。
また、電動機のみを走行駆動力源として走行している際に燃料ポンプを作動させる他の構成としては以下のものが挙げられる。つまり、前記燃料タンクに、燃料タンク内における燃料温度を検出するタンク内温度センサおよび燃料タンク内における燃料圧力を検出するタンク内圧力センサを設ける。また、前記燃料供給系に、系内における燃料温度を検出する系内温度センサおよび系内における燃料圧力を検出する系内圧力センサを設ける。そして、前記タンク内温度センサによって検出された燃料タンク内の燃料温度および前記タンク内圧力センサによって検出された燃料タンク内の燃料圧力に基づいて液化ガス燃料の飽和蒸気温度特性を推定する。また、前記系内圧力センサによって検出された燃料供給系内の燃料圧力と前記推定された前記飽和蒸気温度特性とから燃料供給系内における液化ガス燃料の飽和蒸気温度を推定する。そして、前記燃料供給系内における燃料温度が、前記燃料供給系内における液化ガス燃料の飽和蒸気温度に対して所定温度だけ低い値であるポンプ作動閾値に達した際に、前記燃料ポンプを作動させる構成としている。
この構成によれば、現在使用されている液化ガス燃料の性状に応じた飽和蒸気温度特性に基づいて液化ガス燃料の飽和蒸気温度を推定し、燃料供給系内における燃料温度が、この飽和蒸気温度に達する前に、この燃料供給系に比較的低温度の液化ガス燃料を導入することができ、気相燃料の発生を防止できる。このため、異なる性状の液化ガス燃料が使用される場合や、液化ガス燃料の性状が変化した場合であっても気相燃料の発生を防止することができ、信頼性の向上を図ることができる。
この場合に燃料ポンプを停止させる条件として具体的には以下のものが挙げられる。つまり、前記燃料ポンプが作動した後、前記ポンプ作動閾値よりも低い所定のポンプ停止温度まで下降したときに、前記燃料ポンプを停止させるようにしている。
この場合にも、燃料ポンプが作動する燃料温度と燃料ポンプが停止する燃料温度との間にヒステリシスを設けることによって、燃料ポンプの作動と停止とが頻繁に繰り返されてしまうといった状況を防止でき、燃料ポンプの長寿命化を図ることができる。また、現在使用されている液化ガス燃料の性状に応じた飽和蒸気温度特性に基づいて液化ガス燃料の飽和蒸気温度を推定して燃料ポンプの停止タイミングを設定しているので、この停止タイミングの最適化を図ることができる。
さらに、電動機のみを走行駆動力源として走行している際に燃料ポンプを作動させる他の構成としては以下のものが挙げられる。つまり、前記燃料供給系に、系内における燃料温度を検出する系内温度センサおよび系内における燃料圧力を検出する系内圧力センサを設ける。そして、前記液化ガス燃料の性状に応じて予め設定された飽和蒸気温度特性と、前記系内圧力センサによって検出された燃料供給系内の燃料圧力とから燃料供給系内における液化ガス燃料の飽和蒸気温度を求め、前記燃料供給系内における燃料温度が、前記燃料供給系内における液化ガス燃料の飽和蒸気温度に対して所定温度だけ低い値であるポンプ作動閾値に達した際に、前記燃料ポンプを作動させる構成としている。
この場合に燃料ポンプを停止させる条件としては、前記燃料ポンプが作動した後、前記燃料供給系内における燃料温度が、前記ポンプ作動閾値よりも低い所定のポンプ停止温度まで下降したときに、前記燃料ポンプを停止させるようにしている。
これらの構成によっても液化ガス燃料の性状に応じた飽和蒸気温度特性に基づいて液化ガス燃料の飽和蒸気温度を推定し、燃料供給系内における燃料温度が、この飽和蒸気温度に達する前に、この燃料供給系に比較的低温度の液化ガス燃料を導入することができ、気相燃料の発生を防止できる。また、この構成によれば、燃料タンク内における燃料温度および燃料圧力を検出する必要がないため、タンク内温度センサおよびタンク内圧力センサが必要なくなる。
前記電動機のみを走行駆動力源として走行している際に燃料ポンプを作動させるタイミングを時間によって管理する手段としては以下のものが挙げられる。つまり、前記電動機のみを走行駆動力源とした走行が開始されてから、この電動機のみを走行駆動力源とした走行の継続時間が所定時間に達した際に、前記燃料ポンプを作動させる構成とするものである。
この場合に燃料ポンプを停止させる条件としては、前記燃料ポンプの作動が開始されてから、この燃料ポンプの作動の継続時間が所定時間に達した際に、前記燃料ポンプを停止させるようにしている。
これら構成によれば、燃料ポンプを作動させるタイミングおよび燃料ポンプを停止させるタイミングが時間によって管理されるため、燃料タンク内における燃料温度および燃料圧力、燃料供給系内における燃料温度および燃料圧力それぞれを検出する必要がなくなり、温度センサおよび内圧力センサが必要なくなる。
前記ハイブリッド車両の動力伝達系の構成として具体的には以下のものが挙げられる。つまり、前記内燃機関の出力軸が連結されるプラネタリキャリアと、第1の電動機が連結されるサンギヤと、第2の電動機が連結されるリングギヤとを備えた遊星歯車機構により構成される動力分割機構が備えられ、前記電動機のみを走行駆動力源として走行する際には、前記第2の電動機を走行駆動力源として走行する構成となっている。
本発明では、ハイブリッド車両において、電動機のみを走行駆動力源として走行している際、燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇した場合に燃料ポンプを作動させるようにしている。このため、燃料供給系において液化ガス燃料が飽和蒸気温度を超えて気相燃料が発生するといったことが回避される。
第1実施形態におけるハイブリッド車両の概略構成図である。 第1実施形態におけるエンジンの概略構成図である。 第1実施形態におけるエンジンの1気筒のみを示す概略構成図である。 第1実施形態におけるハイブリッド車両の制御系を示すブロック図である。 要求トルク設定マップの一例を示す図である。 エンジンの動作点を説明するための図である。 駆動力源マップの一例を示す図である。 第1実施形態におけるEV走行中の燃料供給制御の手順を示すフローチャート図である。 第1実施形態におけるEV走行中のデリバリパイプ内燃料温度の変化に伴う燃料ポンプおよび遮断弁の動作を示すタイミングチャート図である。 第2実施形態における燃料供給系の概略構成図である。 第2実施形態におけるEV走行中の燃料供給制御の手順を示すフローチャート図である。 燃料ポンプ作動温度設定マップを示す図である。 第4実施形態におけるEV走行中の燃料供給制御の手順を示すフローチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式のハイブリッド車両に本発明を適用した場合について説明する。また、本実施形態では液化ガス燃料としてLPGを使用するエンジン(内燃機関)に本発明を適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係るハイブリッド車両HVを示す概略構成図である。この図1に示すように、ハイブリッド車両HVは、車両走行用の駆動力を発生するエンジン1、主に発電機として機能する第1モータジェネレータMG1(第1の発電電動機)、主に電動機として機能する第2モータジェネレータMG2(第2の発電電動機)、動力分割機構3、リダクション機構4、カウンタドライブギヤ51、カウンタドリブンギヤ52、ファイナルギヤ53、デファレンシャル装置54、前輪車軸(ドライブシャフト)61,61、前輪(駆動輪)6L,6R、および、ECU(Electronic Control Unit)100などを備えており、このECU100により実行されるプログラムによって本発明の制御装置が実現される。
なお、ECU100は、例えば、HV(ハイブリッド)ECU、エンジンECU、モータECU、バッテリECUなどによって構成されており、これらのECUが互いに通信可能に接続されている。
次に、エンジン1、燃料供給系、各モータジェネレータMG1,MG2、動力分割機構3、リダクション機構4、および、ECU100などの各部について説明する。
−エンジン−
図2および図3はエンジン1の概略構成を示す図である。なお、図3ではエンジン1の1気筒の構成のみを示している。
エンジン1は、火花点火式4気筒レシプロエンジンであり、ポート噴射式のインジェクタ(燃料噴射弁;以下、単に「インジェクタ」という)10aを備え、このインジェクタ10aから噴射された液化ガス燃料(以下、「LPG燃料」という)により燃焼室12内で混合気を生成するようになっている。なお、このインジェクタ10aは、LPG燃料を液相状態でミスト状に噴射するものであって、ECU100からの制御信号に応じて開弁開始時期および開弁期間が制御されるようになっている。
また、エンジン1の各気筒11(♯1〜♯4)内にはピストン13が設けられており、前記混合気の燃焼に伴ってこのピストン13が気筒11内で往復運動する。
前記各インジェクタ10a,10a,…は、それぞれ燃料蓄圧容器としてのデリバリパイプ10bに接続されており、このデリバリパイプ10bからLPG燃料が供給されるようになっている。これらインジェクタ10a,10a,…にLPG燃料を供給する燃料供給系の構成については後述する。
また、インジェクタ10aによって燃焼室12内に向けて噴射されたLPG燃料は、吸気通路14の一部を構成するインテークマニホールド14aを通って燃焼室12内へ導入される空気Aと共に混合気を形成し、点火プラグ15で着火されて燃焼する。混合気の燃焼圧力はピストン13に伝えられ、ピストン13を往復運動させる。吸気バルブ16は、吸気カムシャフト16aにより駆動される。この吸気カムシャフト16aは、クランクシャフト(エンジン1の出力軸)18から取り出される動力がタイミングベルト等によって伝達されて回転駆動される。
ピストン13の往復運動はコネクティングロッド13aを介してクランクシャフト18に伝えられ、ここで回転運動に変換されて、エンジン1の出力として取り出される。このエンジン1の出力は、クランクシャフト18およびダンパ20(図1を参照)を介してインプットシャフト21に伝達される。このダンパ20は、例えばコイルスプリング式トランスアクスルダンパであってエンジン1のトルク変動を吸収する。
また、燃焼後の混合気は排気ガスExとなり、排気バルブ17の開弁動作に伴って排気通路19の一部であるエキゾーストマニホールド19aへ排出される。排気ガスExは、エキゾーストマニホールド19aの下流側に設けられた触媒コンバータ19bにより浄化された後、大気中へ放出される。前記排気バルブ17は、排気カムシャフト17aにより駆動される。この排気カムシャフト17aは、クランクシャフト18から取り出される動力がタイミングベルト等によって伝達されて回転駆動される。
また、エンジン1は、吸気通路14におけるエアクリーナ14bの下流側に設けられたスロットルボディ8により吸入空気量が調整される。このスロットルボディ8は、バタフライバルブで成るスロットルバルブ81と、このスロットルバルブ81を開閉駆動するスロットルモータ82と、スロットルバルブ81の開度を検出するスロットル開度センサ103とを備えている。ECU100は、ドライバ(運転者)により操作されるアクセルの開度を検知するアクセル開度センサ101からの出力を取得して、スロットルモータ82に制御信号を送り、スロットル開度センサ103からのスロットルバルブ81の開度のフィードバック信号に基づいて、スロットルバルブ81を適切な開度に制御する。これにより、エンジン1の気筒11内へ導入する空気Aの量を調整する。
前記触媒コンバータ19bの上流側(排気流れの上流側)の排気通路19には空燃比(A/F)センサ110が配置されている。このA/Fセンサ110は、空燃比に対してリニアな特性を示すセンサである。また、触媒コンバータ19bの下流側の排気通路19にはO2センサ111が配置されている。このO2センサ111は、排気ガス中の酸素濃度に応じて起電力を発生するものであり、理論空燃比に相当する電圧(比較電圧)よりも出力が高いときはリッチと判定し、逆に比較電圧よりも出力が低いときはリーンと判定する。これらA/Fセンサ110およびO2センサ111の出力信号は空燃比フィードバック制御(例えば、特開2010−007561号公報に記載の技術を参照)に用いられる。
−燃料供給系−
前記各インジェクタ10a,10a,…にLPG燃料を供給する燃料供給系は、図2に示すように、燃料タンク10d、燃料ポンプ10e、前記デリバリパイプ10b、燃料タンク10dとデリバリパイプ10bとを接続する燃料供給管(供給経路)10cおよび燃料還流管(還流経路)10fを備えている。
燃料タンク10dにはLPG燃料が液相状態で貯留されている。この燃料タンク10dは、耐圧性が要求されるため、ボンベ形状を成す金属製のものが使用されている。
燃料ポンプ10eは、電動ポンプで構成されており、前記ECU100からの制御信号に応じて作動と停止とが切り換えられる。また、この燃料ポンプ10eは、燃料タンク10dの底部に設置されており、燃料タンク10d内のLPG燃料が減少したときにも、確実にLPG燃料を汲み出すことができるようになっている。そして、この燃料ポンプ10eが作動すると、燃料タンク10d内のLPG燃料が燃料供給管10cを経てデリバリパイプ10bに圧送されることになる。
デリバリパイプ10bは、圧送された燃料を液相のまま貯留する燃料蓄圧容器としての機能を有している。また、このデリバリパイプ10bには、デリバリパイプ10b内のLPG燃料の温度を検出し、その検出結果に応じた電気信号を出力する燃料温度センサ(系内温度センサ)113が取り付けられている。
また、デリバリパイプ10b内の余剰燃料は燃料還流管10fを経て燃料タンク10dに還流される。具体的に、この燃料還流管10fにはプレッシャレギュレータ10gが設けられており、デリバリパイプ10b内の燃料圧力が燃料タンク10d内の圧力よりも所定圧力(例えば0.4MPa)だけ高くなった際にプレッシャレギュレータ10gが開放されて燃料の一部が燃料タンク10dに還流されることになる。これにより、デリバリパイプ10bの内部圧力は所定値(燃料タンク10d内の圧力に対して所定値だけ高い圧力)に調圧され、インジェクタ10aからの燃料噴射が安定的に行われるようになっている。例えば、燃料タンク10d内の圧力が0.4MPaとなっており、プレッシャレギュレータ10gが開弁する差圧(プレッシャレギュレータ10gのデリバリパイプ側圧力と燃料タンク側圧力との差圧)も0.4MPaとなっている場合には、デリバリパイプ10b内の燃料圧力は0.8MPaに調整されることになる。これら値はこれに限定されるものではなく適宜設定される。
なお、前記燃料供給管10cの2箇所には遮断弁10h,10iが配設されている。これら遮断弁10h,10iは、前記ECU100からの制御信号に応じて開放状態と閉鎖状態とが切り換えられる。また、これら遮断弁10h,10iは、デリバリパイプ10b内の燃料圧力が過剰上昇した場合に、このデリバリパイプ10b内のLPG燃料を燃料タンク10dに戻し得るように逆流を許容する構成となっている。
このような燃料供給系の構成により、エンジン1の駆動時にあっては、燃料ポンプ10eからデリバリパイプ10bに圧送されたLPG燃料のうちインジェクタ10aから気筒内に噴射されたLPG燃料以外の余剰のLPG燃料が、デリバリパイプ10b内の圧力上昇に伴うプレッシャレギュレータ10gの開弁動作によって燃料還流管10fから燃料タンク10d内に戻されるといったLPG燃料の循環が行われることになる。このエンジン1の駆動時におけるLPG燃料の循環により、デリバリパイプ10b内の圧力および温度を所定範囲内に維持し、沸点が比較的低いLPG燃料であってもデリバリパイプ10b内において液相状態が維持できるようにしている。
−モータジェネレータ−
前記第1モータジェネレータMG1は、前記インプットシャフト21に対して相対回転自在に支持された永久磁石からなるロータMG1Rと、3相巻線が巻回されたステータMG1Sとを備えた交流同期発電機であって、発電機として機能するとともに電動機(電動モータ)としても機能する。また、第2モータジェネレータMG2も同様に、インプットシャフト21に対して相対回転自在に支持された永久磁石からなるロータMG2Rと、3相巻線が巻回されたステータMG2Sとを備えた交流同期発電機であって、電動機(電動モータ)として機能するとともに発電機としても機能する。
図4に示すように、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2は、それぞれインバータ200を介してバッテリ(蓄電装置)300に接続されている。インバータ200はECU100によって制御され、そのインバータ200の制御により各モータジェネレータMG1,MG2の回生または力行(アシスト)が設定される。その際の回生電力はインバータ200を介してバッテリ300に充電される。また、各モータジェネレータMG1,MG2の駆動用電力はバッテリ300からインバータ200を介して供給される。
−動力分割機構−
図1に示すように、動力分割機構3は、複数の歯車要素の中心で自転する外歯歯車のサンギヤS3と、サンギヤS3に外接しながらその周辺を自転しつつ公転する外歯歯車のピニオンギヤP3と、ピニオンギヤP3と噛み合うように中空環状に形成された内歯歯車のリングギヤR3と、ピニオンギヤP3を支持するとともに、このピニオンギヤP3の公転を通じて自転するプラネタリキャリアCA3とを有する遊星歯車機構によって構成されている。プラネタリキャリアCA3はエンジン1側のインプットシャフト21に回転一体に連結されている。サンギヤS3は、第1モータジェネレータMG1のロータMG1Rに回転一体に連結されている。
そして、このような構成の動力分割機構3において、プラネタリキャリアCA3に入力されるエンジン1の出力トルクに対して、第1モータジェネレータMG1による反力トルクがサンギヤS3に入力されると、出力要素であるリングギヤR3には、エンジン1から入力されたトルクより大きいトルクが現れる。この場合、第1モータジェネレータMG1は発電機として機能する。第1モータジェネレータMG1が発電機として機能するときには、プラネタリキャリアCA3から入力されるエンジン1の駆動力が、サンギヤS3側とリングギヤR3側とにそのギヤ比に応じて分配される。
一方、エンジン1の始動要求時にあっては、第1モータジェネレータMG1が電動機(スタータモータ)として機能し、この第1モータジェネレータMG1の駆動力がサンギヤS3およびプラネタリキャリアCA3を介してクランクシャフト18に与えられてエンジン1がクランキングされる。
また、車両の走行中にあっては、動力分割機構3において、リングギヤR3の回転速度(出力軸回転速度)が一定であるときに、第1モータジェネレータMG1の回転速度を上下に変化させることにより、エンジン1の回転速度を連続的に(無段階に)変化させることができる。つまり、動力分割機構3が変速部として機能する。
−リダクション機構−
リダクション機構4は、複数の歯車要素の中心で自転する外歯歯車のサンギヤS4と、キャリヤ(トランスアクスルケース)CA4に回転自在に支持され、サンギヤS4に外接しながら自転する外歯歯車のピニオンギヤP4と、ピニオンギヤP4と噛み合うように中空環状に形成された内歯歯車のリングギヤR4とを有する遊星歯車機構によって構成されている。リダクション機構4のリングギヤR4と、前記動力分割機構3のリングギヤR3と、カウンタドライブギヤ51とは互いに一体となっている。また、サンギヤS4は第2モータジェネレータMG2のロータMG2Rと回転一体に連結されている。
このリダクション機構4は、第2モータジェネレータMG2の駆動力を適宜の減速比で減速する。この減速された駆動力は、カウンタドライブギヤ51、カウンタドリブンギヤ52、ファイナルギヤ53、デファレンシャル装置54、および、ドライブシャフト61を介して左右の駆動輪6L,6Rに伝達される。
−ECU−
ECU100は、エンジン1の運転制御、エンジン1およびモータジェネレータMG1,MG2の協調制御などを含む各種制御を実行する電子制御装置であって、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAMなどを備えている。
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは図示しないパワースイッチ(イグニッションスイッチ)のOFF時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU100には、図4に示すように、前記アクセル開度センサ101、レゾルバで構成されクランクシャフト18の回転角度位置を検出するクランクポジションセンサ102、前記スロットル開度センサ103、シフト操作装置7に備えられたシフトレバー71の操作位置を検出するシフトポジションセンサ104、車輪6L,6Rの回転速度を検出する車輪速センサ105、ブレーキペダルに対する踏力(ブレーキ踏力)を検出するブレーキペダルセンサ106、エンジン1の冷却水温度を検出する水温センサ107、吸入空気量を計測するエアフローメータ108、吸入空気温度を検出する吸気温センサ109、前記A/Fセンサ110、O2センサ111、吸気カムシャフト16aの近傍に配設されて気筒判別センサとして使用されるカムポジションセンサ112、デリバリパイプ10bに備えられた前記燃料温度センサ113等が接続されており、これらの各センサからの信号がECU100に入力されるようになっている。また、バッテリ300の充放電電流を検出する図示しない電流センサ、バッテリ温度センサなども接続されており、これらの各センサからの信号もECU100に入力されるようになっている。
また、ECU100には、エンジン1のスロットルバルブ81を開閉駆動するスロットルモータ82、前記インジェクタ10a、前記点火プラグ15の点火タイミングを調整するイグナイタ15a、前記燃料ポンプ10e、各遮断弁10h,10iなどが接続されている。
そして、ECU100は、前記した各種センサの出力信号に基づいて、エンジン1のスロットル開度制御(吸入空気量制御)、燃料噴射量制御、および、点火時期制御などのエンジン1の各種制御を実行する他、ハイブリッドシステム全体の制御(各モータジェネレータMG1,MG2のトルク制御等)を行う。また、後述するEV走行中の燃料供給制御も行う。
さらに、ECU100は、バッテリ300を管理するために、前記電流センサにて検出された充放電電流の積算値や、バッテリ温度センサにて検出されたバッテリ温度などに基づいて、バッテリ300の充電状態(SOC:State of Charge)や、バッテリ300の入力制限Winおよび出力制限Woutなどを演算する。
また、ECU100には前記インバータ200が接続されている。インバータ200は、各モータジェネレータMG1,MG2それぞれの制御用のIPM(Intelligent Power Module:インテリジェントパワーモジュール)を備えている。その各IPMは、複数(例えば6個)の半導体スイッチング素子(例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ))などによって構成されている。
インバータ200は、例えば、ECU100からの指令信号(例えば、第1モータジェネレータMG1のトルク指令値、第2モータジェネレータMG2のトルク指令値)に応じてバッテリ300からの直流電流を、モータジェネレータMG1,MG2を駆動する電流に変換する一方、エンジン1の動力により第1モータジェネレータMG1で発電された交流電流、および、回生ブレーキにより第2モータジェネレータMG2で発電された交流電流を、バッテリ300に充電するための直流電流に変換する。また、インバータ200は、第1モータジェネレータMG1で発電された交流電流を、走行状態に応じて、第2モータジェネレータMG2の駆動用電力として供給する。
−ハイブリッドシステムにおける駆動力の流れ−
このように構成されたハイブリッド車両HVは、ドライバによるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて、駆動輪6L,6Rに出力すべきトルク(要求トルク)を計算し、この要求トルクに対応する要求駆動力により走行するように、エンジン1とモータジェネレータMG1,MG2とが運転制御される。図5は、アクセル開度Accおよび車速Vに応じて要求トルクTrを求める要求トルク設定マップの一例を示している。この要求トルク設定マップは、前記ECU100のROMに記憶されており、アクセル開度Accと車速Vとが与えられることで要求トルクTrを抽出するものとなっている。
前記エンジン1およびモータジェネレータMG1,MG2の運転制御として具体的には、燃料消費量の削減を図るために、要求トルクが比較的低い運転領域にあっては、第2モータジェネレータMG2を利用して前記要求トルクが得られるようにする。一方、要求トルクが比較的高い運転領域にあっては、第2モータジェネレータMG2を利用すると共に、エンジン1を駆動し、これら駆動力源(走行駆動力源)からの駆動力により、前記要求トルクが得られるようにする。
より具体的には、車両の発進時や低速走行時等であってエンジン1の運転効率が低い場合には、第2モータジェネレータMG2のみにより走行(以下、「EV走行」または「モータ走行」という)を行う。また、車室内に配置された走行モード選択スイッチによってドライバがEV走行モードを選択した場合にもEV走行を行う。
一方、通常走行(以下、「HV走行」または「エンジン走行」という)時には、例えば前記動力分割機構3によりエンジン1の駆動力を2経路に分け、その一方の駆動力で駆動輪6L,6Rの直接駆動(直達トルクによる駆動)を行い、他方の駆動力で第1モータジェネレータMG1を駆動して発電を行う。このとき、第1モータジェネレータMG1の駆動により発生する電力で第2モータジェネレータMG2を駆動して駆動輪6L,6Rの駆動補助を行う(電気パスによる駆動)。
このように、前記動力分割機構3が差動機構として機能し、その差動作用によりエンジン1からの動力の主部を駆動輪6L,6Rに機械的に伝達し、そのエンジン1からの動力の残部を第1モータジェネレータMG1から第2モータジェネレータMG2への電気パスを用いて電気的に伝達することにより、電気的に変速比が変更される電気式無段変速機としての機能が発揮される。これにより、駆動輪6L,6Rの回転速度およびトルクに依存することなく、エンジン回転速度およびエンジントルクを自由に操作することが可能となり、駆動輪6L,6Rに要求される駆動力を得ながらも、燃料消費率が最適化されたエンジン1の運転状態(後述する最適燃費動作ライン上の運転状態)を得ることが可能となる。
具体的に、図6を用いて説明する。この図6は横軸をエンジン回転速度とし、縦軸をエンジントルクとしたエンジン1の動作点を表す図である。図中の実線は最適燃費動作ラインであって、前述した動力分割機構3を利用した電気的変速機能によって、エンジン1を、この最適燃費動作ライン上の運転状態に制御することが可能となっている。具体的には、アクセル開度等に応じて決定される要求パワーライン(図中に二点鎖線で示すライン)と、前記最適燃費動作ラインとの交点(図中の点A)をエンジン1の目標動作点(目標運転点)としてハイブリッドシステムが制御されることになる。
また、高速走行時には、さらにバッテリ300からの電力を第2モータジェネレータMG2に供給し、この第2モータジェネレータMG2の出力を増大させて駆動輪6L,6Rに対して駆動力の追加(駆動力アシスト;力行)を行う。
前記モータ走行(EV走行)とエンジン走行(HV走行)との切り換えは図7に示す駆動力源マップに従って行われる。この駆動力源マップは、車速Vと要求トルクTrとに基づいて走行モード(モータ走行およびエンジン走行)を選択するためのマップである。この駆動力源マップにおける実線Bよりも低車速側および低要求トルク側がモータ走行領域とされ、バッテリ300の充電量SOCが所定量以上であることを条件として、第2モータジェネレータMG2のみを走行駆動力源とした走行を行う。また、実線Bよりも高車速側および高要求トルク側がエンジン走行領域とされ、エンジン1を走行駆動力源とした(また、必要に応じて第2モータジェネレータMG2の駆動力を併用した)走行を行う。
さらに、減速時には、第2モータジェネレータMG2が発電機として機能して回生発電を行い、回収した電力をバッテリ300に蓄える。なお、バッテリ300の充電量(前記残容量;SOC)が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン1の出力を増加して第1モータジェネレータMG1による発電量を増やしてバッテリ300に対する充電量を増加する。また、低速走行時においても必要に応じてエンジン1の出力を増加する制御を行う場合もある。例えば、前述のようにバッテリ300の充電が必要な場合や、エアコンディショナ等の補機を駆動する場合や、エンジン1の冷却水の温度を所定温度まで上げる場合などである。
また、本実施形態のハイブリッド車両HVにおいては、車両の運転状態やバッテリ300の状態によって、燃費を改善させるために、エンジン1を停止させる。そして、その後も、ハイブリッド車両HVの運転状態やバッテリ300の状態を検知して、エンジン1を再始動させる。このように、ハイブリッド車両HVにおいては、エンジン1が間欠運転(エンジン停止と再始動とを繰り返す運転)される。
−EV走行中の燃料供給制御−
次に、本実施形態の特徴とする動作であるEV走行中における燃料供給制御について説明する。
まず、このEV走行中における燃料供給制御の概略について説明する。
前記EV走行中にあっては、エンジン1が駆動されないため、エンジン1に燃料を供給する必要がないことから燃料ポンプ10eを停止してしまうと燃料供給系(燃料供給管10c、デリバリパイプ10b、燃料還流管10fなど)にLPG燃料が流れない状況になる。つまり、上述した燃料供給系におけるLPG燃料の循環が行われない状況になる。このような状況において、エンジン本体からの輻射熱やエンジン本体からの熱伝導等によって燃料供給系、特にデリバリパイプ10b内の温度が上昇し、燃料温度が飽和蒸気温度を超えた場合には、デリバリパイプ10b内に気相燃料が発生することになる。このようにデリバリパイプ10b内に気相燃料が発生した状態で、エンジン負荷の変化などに起因してEV走行からHV走行に切り換わった際には、インジェクタ10aから気相燃料が噴射されることになり、適正な燃料噴射量が得られなくなって、エンジン回転数が大きく変動するなどしてドライバビリティの悪化を招いてしまう可能性がある。
この点に鑑み、本実施形態では、EV走行中に燃料供給系の燃料温度が所定温度まで上昇した場合、または、燃料供給系の燃料温度が所定温度まで上昇したと推定された場合には、前記燃料ポンプ10eを作動させ、これにより、燃料供給系におけるLPG燃料の循環を行わせて、燃料タンク10d内の比較的低温度の燃料を燃料供給系(デリバリパイプ10b)に導入することで気相燃料の発生を抑制するようにしている。
次に、EV走行中における燃料供給制御の具体的な手順について説明する。図8はEV走行中における燃料供給制御の手順を示すフローチャート図である。この図8に示すフローチャートは、ハイブリッドシステムの稼働中において数msec毎に実行される。
まず、ステップST1において、前記ECU100に予め記憶されているEV走行フラグがONとなっているか否かを判定する。このEV走行フラグは後述するEV走行条件が成立してEV走行が実施されている場合にONとされ、このEV走行条件が成立していない場合(EV走行条件が解除された場合)にはOFFとされる。
EV走行フラグがOFFでありステップST1でNO判定された場合にはステップST2に移る一方、EV走行フラグがONでありステップST1でYES判定された場合にはステップST9に移る。
ステップST2では、EV走行条件が成立したか否かを判定する。つまり、前記間欠運転においてエンジン1を停止させてEV走行に移行する条件が成立したか否かを判定する。このEV走行条件として具体的には、車速Vおよび要求トルクTrが、前記駆動力源マップ(図7)におけるエンジン走行領域からモータ走行領域に移行した際に成立する。つまり、車速Vの低下によってエンジン走行領域からモータ走行領域に移行した場合や、要求トルクTrの低下によってエンジン走行領域からモータ走行領域に移行した場合にエンジン停止条件が成立することになる(バッテリ300の充電量SOCが所定量以上である場合)。また、車両走行中に、ドライバが前記走行モード選択スイッチを操作してEV走行モードを選択した場合にもEV走行条件が成立したと判定される。なお、EV走行条件としては、これらには限定されない。
このEV走行条件が成立しておらず、ステップST2でNO判定された場合には、そのままリターンされる。つまり、ハイブリッド車両HVは停車中またはHV走行中であるので、現在の状態が継続されることになる。
一方、EV走行条件が成立し、ステップST2でYES判定された場合には、ステップST3に移る。このステップST3では、エンジン1を停止させてEV走行が開始される。つまり、インジェクタ10aからの燃料噴射および点火プラグ15の点火動作を共に停止してエンジン1を停止させ、前記第2モータジェネレータMG2のみを走行駆動力源とするEV走行が開始される。また、このEV走行の開始に伴い、前記燃料ポンプ10eが停止されると共に、各遮断弁10h,10iが閉鎖される。これにより、燃料供給系におけるLPG燃料の流れが停止されることになる。さらに、前記EV走行フラグがONとされる。これら燃料ポンプ10eの停止や各遮断弁10h,10iの閉鎖は、EV走行の開始と略同時に実行するようにしてもよいし、EV走行が開始された後、所定時間(例えば数sec)経過後に実行するようにしてもよい。
このようにしてEV走行が開始された後、ステップST4に移り、燃料温度情報の取得を行う。具体的には、前記燃料温度センサ113によって検出されるデリバリパイプ10b内のLPG燃料の温度情報を取得する。
その後、ステップST5に移り、この取得した燃料温度が所定値(ポンプ作動温度)T1以上となっているか否かを判定する。この所定値T1としては、デリバリパイプ10b内のLPG燃料の沸点よりも所定温度だけ低い値となっている。例えば、デリバリパイプ10b内の圧力に応じて決定される沸点に対して5℃程度低い値として設定される。具体的に、LPG燃料の沸点が52℃であった場合には前記所定値T1としては47℃に設定される。この値は適宜設定される。
HV走行からEV走行に切り換わった時点では、直前まで燃料供給系でのLPG燃料の循環が行われていたため、燃料温度は所定値T1未満となっている。つまり、ステップST5ではNO判定されてステップST6に移ることになる。このステップST6では、前記取得した燃料温度が所定値(ポンプ停止温度)T2以下であるか否かを判定する。この所定値T2としては、前記所定値T1未満の値であって任意に設定される。例えば40℃に設定される。この値も適宜設定される。
燃料温度が所定値T2以下であり、ステップST6でYES判定された場合には、ステップST7に移り、前記燃料ポンプ10eの停止状態および各遮断弁10h,10iの閉鎖状態が維持されてリターンされる。また、ステップST6での判定がNOである場合には、そのままリターンされる。この場合にも、現在、燃料ポンプ10eは停止状態であり、各遮断弁10h,10iは閉鎖状態であるため、この状態が維持されることになる。
このようにEV走行が開始されて燃料温度が所定値T1に達するまでの期間中にあっては、EV走行が継続されていることを条件として、つまり、ステップST1でEV走行フラグがONとなっていてYES判定され、ステップST9でEV走行解除条件が成立していないことでNO判定されることを条件として、ステップST1、ST9、ST4、ST5、ST6の動作が繰り返されることになり、燃料ポンプ10eの停止状態および各遮断弁10h,10iの閉鎖状態が維持されることになる。つまり、EV走行開始後、燃料温度が所定値T1に達するまで、燃料供給系でのLPG燃料の循環が停止されることになる。
そして、この状態から、エンジン本体からの輻射熱やエンジン本体からの熱伝導等によって燃料供給系の温度が上昇し、前記燃料温度センサ113によって検出されているデリバリパイプ10b内の燃料温度が所定値T1以上となって、ステップST5でYES判定された場合(本発明における「燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇した場合」)には、ステップST8に移る。このステップST8では、燃料ポンプ10eを起動すると共に、各遮断弁10h,10iを開放させる。つまり、燃料供給系でのLPG燃料の循環を再開させる。なお、インジェクタ10aの燃料噴射停止状態および点火プラグ15の点火停止状態は継続され、エンジン1の停止状態が維持される。つまり、EV走行中であっても燃料供給系でのLPG燃料の循環を行い、燃料タンク10d内のLPG燃料をデリバリパイプ10bに供給すると共に、このデリバリパイプ10b内のLPG燃料を燃料タンク10d内に戻すことにより、デリバリパイプ10b内のLPG燃料を比較的低温度のものに入れ換える。これにより、デリバリパイプ10b内での気相燃料の発生を抑制する。
このようにして燃料供給系でのLPG燃料の循環が行われると、デリバリパイプ10b内のLPG燃料の温度は次第に低下していく。
このように、EV走行中において燃料ポンプ10eが起動され且つ各遮断弁10h,10iが開放される状態が、燃料温度が所定値T2以下に達しないことを条件として継続される。つまり、ステップST1、ST9、ST4、ST5、ST8の動作が繰り返されることになる。
そして、前記燃料供給系でのLPG燃料の循環に伴って、デリバリパイプ10b内の燃料温度が所定値T1未満となり、ステップST5でNO判定された場合には、ステップST6に移り、前記取得した燃料温度が所定値T2以下であるか否かを判定する。燃料温度が所定値T2を超えており、ステップST6でNO判定された場合には、そのままリターンされる。つまり、燃料ポンプ10eの作動状態および各遮断弁10h,10iの開放状態が維持されることになる。これにより、デリバリパイプ10b内のLPG燃料の温度は更に低下していくことになる。
そして、前記燃料供給系でのLPG燃料の循環に伴って燃料温度が所定値T2以下となり、ステップST6でYES判定された場合(本発明における「燃料供給系における燃料温度が所定温度まで下降した場合」)には、ステップST7に移り、前記燃料ポンプ10eが停止されると共に各遮断弁10h,10iが閉鎖される。つまり、燃料供給系でのLPG燃料の循環を停止させる。これにより、燃料供給系でのLPG燃料の循環を停止した状態でのEV走行に戻される。このようにLPG燃料の循環を停止したとしても、燃料温度は沸点に対して十分に低下しているのでデリバリパイプ10b内で気相燃料が発生することはない。
一方、EV走行中(ステップST1でYES判定されている際)にEV走行条件が解除された場合には、ステップST9でYES判定され、ステップST10に移ってEV走行からHV走行に移行すると共に、EV走行フラグをOFFにする。この場合、ステップST8において、燃料ポンプ10eを起動すると共に、各遮断弁10h,10iを開放させ、デリバリパイプ10bへのLPG燃料の供給を開始して、このLPG燃料を使用したエンジン1の駆動を可能にする。
以上の動作が繰り返されることにより、デリバリパイプ10b内の燃料温度が飽和蒸気温度を超えて気相燃料が発生するといった状況を招かないようなEV走行が実現されることになる。
図9は、本実施形態におけるEV走行中のデリバリパイプ10b内のLPG燃料温度の変化に伴う燃料ポンプ10eおよび各遮断弁10h,10iの動作を示すタイミングチャート図である。
EV走行の開始に伴って燃料ポンプ10eが停止され且つ各遮断弁10h,10iが閉鎖されると(図8におけるステップST2でYES判定されたことによるステップST3の動作)、デリバリパイプ10b内のLPG燃料温度が次第に上昇していく。そして、このLPG燃料温度が所定値T1に達すると(図中のタイミングt1;図8におけるステップST5でYES判定された場合)、燃料ポンプ10eを起動すると共に、各遮断弁10h,10iを開放させ、燃料供給系でのLPG燃料の循環を行わせる(図8におけるステップST8の動作)。
その後、LPG燃料温度が所定値T2まで低下すると(図中のタイミングt2;図8におけるステップST6でYES判定された場合)、前記燃料ポンプ10eを停止すると共に各遮断弁10h,10iを閉鎖して、燃料供給系でのLPG燃料の循環を停止させる(図8におけるステップST7の動作)。
このようなヒステリシスをもって燃料ポンプ10eおよび各遮断弁10h,10iの動作が切り換えられることにより、燃料ポンプ10eの作動期間を必要最小限に抑えながらも、デリバリパイプ10b内での気相燃料の発生を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態では、EV走行中にデリバリパイプ10b内における燃料温度が所定温度まで上昇した場合には、各遮断弁10h,10iを開放すると共に燃料ポンプ10eを作動させ、燃料供給系においてLPG燃料を循環させ、比較的低温度となっている燃料タンク10d内のLPG燃料をデリバリパイプ10b内に導入するようにしている。これにより、デリバリパイプ10bにおけるLPG燃料の温度を低下させることができ、燃料供給系においてLPG燃料の温度が飽和蒸気温度を超えて気相燃料が発生するといったことが回避される。その結果、その後に、エンジン1を走行駆動力源とするHV走行に切り換わった場合に気相燃料がインジェクタ10aから噴射されてしまうといったことが回避され、適正な燃料噴射量が得られることによってドライバビリティの悪化を防止することができる。
また、前述した如く燃料ポンプ10eが作動する燃料温度と燃料ポンプ10eが停止する燃料温度との間にヒステリシスを設けていることにより、燃料ポンプ10eの作動と停止とが頻繁に繰り返されてしまうといった状況を防止でき、燃料ポンプ10eの長寿命化を図ることもできる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
本実施形態は、使用するLPG燃料の性状に応じた飽和蒸気温度を求め、この飽和蒸気温度に応じて前記EV走行中における燃料ポンプ10eの起動タイミングおよび各遮断弁10h,10iの開放タイミングを設定するようにしたものである。
まず、本実施形態における燃料供給系の構成について説明する。図10は本実施形態における燃料供給系の概略構成図である。
この図10に示すように、前記第1実施形態における燃料供給系の構成に加えて、前記燃料タンク10d内のLPG燃料の温度を検出し、その検出結果に応じた電気信号を出力するタンク内温度センサ115、および、前記燃料タンク10d内のLPG燃料の圧力を検出し、その検出結果に応じた電気信号を出力するタンク内圧力センサ116が設けられている。
また、デリバリパイプ10b内のLPG燃料の温度を検出し、その検出結果に応じた電気信号を出力する前記燃料温度センサ(以下、「デリバリパイプ内温度センサ」という)113に加えて、デリバリパイプ10b内のLPG燃料の圧力を検出し、その検出結果に応じた電気信号を出力するデリバリパイプ内圧力センサ(系内圧力センサ)114が設けられている。
これら各センサ113〜116の出力信号が前記ECU100に入力されるようになっている。
その他の燃料供給系の構成およびハイブリッド車両HVの構成は前記第1実施形態のものと略同一である。
本実施形態におけるEV走行中の燃料供給制御の概略について説明する。本実施形態では、まず、前記タンク内温度センサ115によって検出された燃料タンク10d内の燃料温度と、タンク内圧力センサ116によって検出された燃料タンク10d内の燃料圧力とを用いて、LPG燃料の性状に応じた飽和蒸気温度特性を求める。これにより、LPG燃料の性状に応じた燃料圧力と飽和蒸気温度との関係を特定する。
一般にLPG燃料はプロパンおよびブタンを主成分とする燃料であり、これらの混合割合やそれぞれの蒸発量によって飽和蒸気温度特性が変化するが、前述の如く、燃料タンク10d内の燃料温度と燃料圧力とを用いてLPG燃料の性状に応じた飽和蒸気温度特性を求めておくことにより、この圧力と飽和蒸気温度との関係を正確に特定することができる。つまり、燃料圧力が得られれば、そのLPG燃料の飽和蒸気温度が求められることになる。
そして、前記デリバリパイプ内圧力センサ114によって検出されたデリバリパイプ10b内の燃料圧力を、前記飽和蒸気温度特性に当て嵌めることで、デリバリパイプ10b内におけるLPG燃料の飽和蒸気温度を推定する。そして、この推定された飽和蒸気温度に対して所定温度(例えば5℃程度)だけ低い温度を閾値とし、前記デリバリパイプ内温度センサ113によって検出されたデリバリパイプ10b内の燃料温度が、この閾値に達した際に燃料ポンプ10eの起動および各遮断弁10h,10iの開放を行って、燃料供給系でのLPG燃料の循環を開始させるようにしている。
次に、本実施形態におけるEV走行中の燃料供給制御の具体的な手順について説明する。図11はEV走行中における燃料供給制御の手順を示すフローチャート図である。この図11に示すフローチャートも、ハイブリッドシステムの稼働中において数msec毎に実行される。
このフローチャートにおけるステップST1〜ST3、ステップST5〜ST10の動作は、前記第1実施形態において図8で示したフローチャートにおけるステップST1〜ST3、ステップST5〜ST10の動作と同様であるので、これらステップにおける動作についての説明は省略する。
EV走行条件が成立し(ステップST2でYES判定され)、前記燃料ポンプ10eを停止させ、各遮断弁10h,10iを閉鎖させたEV走行が開始されるとともに前記EV走行フラグがONとされた後(ステップST3の動作)、ステップST21に移る。
このステップST21では、タンク内温度、タンク内圧力、デリバリパイプ内温度、デリバリパイプ内圧力を取得する。タンク内温度は前記タンク内温度センサ115によって検出される。タンク内圧力は前記タンク内圧力センサ116によって検出される。デリバリパイプ内温度は前記デリバリパイプ内温度センサ113によって検出される。デリバリパイプ内圧力は前記デリバリパイプ内圧力センサ114によって検出される。
その後、ステップST22に移り、タンク内温度およびタンク内圧力を用いて、LPG燃料の性状に応じた飽和蒸気温度特性を求める。この飽和蒸気温度特性は、LPG燃料の圧力と飽和蒸気温度との関係を特定するものである。図12は、前記ECU100のRAMに記憶された燃料ポンプ作動温度設定マップである。この図12に示すように、タンク内温度および圧力タンク内圧力から飽和蒸気温度特性(図中に実線で示す推定飽和蒸気温度特性)が推定され、現在使用しているLPG燃料の性状に応じた飽和蒸気温度特性が燃料ポンプ作動温度設定マップに記憶される。例えば、前記ECU100のROMに複数種類のLPG燃料の性状毎に飽和蒸気温度特性が格納されており、前記検出されたタンク内温度とタンク内圧力との関係に合致した飽和蒸気温度特性が読み出されて燃料ポンプ作動温度設定マップに記憶される。
その後、ステップST23に移り、デリバリパイプ10b内の燃料の飽和蒸気温度を推定する。この飽和蒸気温度の推定動作として具体的には、前記デリバリパイプ内圧力センサ114によって検出されたデリバリパイプ内圧力を、前記飽和蒸気温度特性に当て嵌め、このデリバリパイプ内圧力に対応するデリバリパイプ内温度を飽和蒸気温度として推定する。つまり、現在のLPG燃料の性状およびデリバリパイプ内圧力に対応したデリバリパイプ10b内の燃料の飽和蒸気温度(図12におけるデリバリパイプ内推定飽和蒸気温度)を推定することになる。
その後、この推定された飽和蒸気温度に対して所定温度(例えば5℃)だけ低い値として設定された閾値(図12におけるポンプ作動閾値)T1とデリバリパイプ内温度とをステップST5で比較し、このデリバリパイプ内温度が閾値T1以上となっているか否かを判定する。
そして、デリバリパイプ内温度が閾値T1未満であってステップST5でNO判定された場合にはステップST6に移り、デリバリパイプ内温度が閾値T1以上であってステップST5でYES判定された場合(本発明における「燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇した場合」)にはステップST8に移る。これらステップST6およびステップST8の動作、および、それ以外のステップST7,ST9,ST10の動作は前記第1実施形態のものと略同一であるので、ここでの説明は省略する。
以上説明したように、本実施形態では、前記第1実施形態の効果に加えて以下の効果を奏することができる。つまり、現在使用されているLPG燃料の性状に応じた飽和蒸気温度特性に基づいてLPG燃料の飽和蒸気温度を推定し、デリバリパイプ10b内における燃料温度が、この飽和蒸気温度に達する前に、このデリバリパイプ10b内に比較的低温度のLPG燃料を導入することができ、気相燃料の発生を防止できる。このため、異なる性状のLPG燃料が使用される場合や、LPG燃料の性状が変化した場合であっても気相燃料の発生を防止することができ、信頼性の向上を図ることができる。
また、現在使用されているLPG燃料の性状に応じた飽和蒸気温度特性に基づいて燃料ポンプ10eの停止タイミングおよび各遮断弁10h,10iの閉鎖タイミングを設定しているので、これらタイミングの最適化を図ることもできる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。
前述した第2実施形態では、タンク内温度センサ115によって検出された燃料タンク10d内の燃料温度と、タンク内圧力センサ116によって検出された燃料タンク10d内の燃料圧力とを用いてLPG燃料の性状に応じた飽和蒸気温度特性を推定していた。
本実施形態は、これに代えて、予め燃料性状を把握しておき、この燃料性状に応じた飽和蒸気温度特性を特定(固定された飽和蒸気温度特性として特定)して前記燃料ポンプ作動温度設定マップに記憶させておき、この記憶された飽和蒸気温度特性を利用して、デリバリパイプ10b内におけるLPG燃料の飽和蒸気温度を推定するようにしたものである。つまり、燃料タンク10dに導入されるLPG燃料の性状を特定しておき、このLPG燃料の性状に応じた飽和蒸気温度特性を利用してLPG燃料の飽和蒸気温度を推定するようにしたものである。以下、具体的に説明する。
本実施形態では、まず、前記特定された飽和蒸気温度特性によって、LPG燃料の圧力と飽和蒸気温度との関係が予め特定されている。そして、前記デリバリパイプ内圧力センサ114によって検出されたデリバリパイプ10b内の燃料圧力を、前記飽和蒸気温度特性に当て嵌めることで、デリバリパイプ10b内におけるLPG燃料の飽和蒸気温度を推定する。そして、この推定された飽和蒸気温度に対して所定温度(例えば5℃程度)だけ低い温度を閾値とし、前記デリバリパイプ内温度センサ113によって検出されたデリバリパイプ10b内の燃料温度が、この閾値に達した際に燃料ポンプ10eの起動および各遮断弁10h,10iの開放を行って、燃料供給系でのLPG燃料の循環を開始させるようにしている。
その他の構成および動作は前記第2実施形態のものと略同一であるので、ここでの説明は省略する。
本実施形態によれば、前記第1実施形態および第2実施形態の効果に加えて以下の効果を奏することができる。つまり、本実施形態では燃料性状に応じた飽和蒸気温度特性が予め特定されているため、燃料タンク10d内における燃料温度および燃料圧力を検出する必要がない。このため、前記タンク内温度センサ115およびタンク内圧力センサ116が必要なくなり、構成の簡素化が図れる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。
本実施形態は、前記EV走行中における燃料ポンプ10eの起動および各遮断弁10h,10iの開放を、EV走行開始時点からの経過時間に応じて実行するようにしたものである。つまり、EV走行開始時点から所定時間経過後に燃料ポンプ10eを起動させると共に各遮断弁10h,10iを開放させる。また、この燃料ポンプ10eの起動および各遮断弁10h,10iの開放後の所定時間経過後に燃料ポンプ10eを停止させると共に各遮断弁10h,10iを閉鎖させるようにしている。
以下、本実施形態におけるEV走行中の燃料供給制御の具体的な手順について説明する。図13はEV走行中における燃料供給制御の手順を示すフローチャート図である。この図13に示すフローチャートも、ハイブリッドシステムの稼働中において数msec毎に実行される。
このフローチャートにおけるステップST1〜ST3、ステップST9、ST10の動作は、前記第1実施形態において図8で示したフローチャートにおけるステップST1〜ST3、ステップST9,ST10の動作と同様であるので、これらステップにおける動作についての説明は省略する。
EV走行条件が成立し(ステップST2でYES判定され)、前記燃料ポンプ10eを停止させ、各遮断弁10h,10iを閉鎖させたEV走行が開始されるとともに前記EV走行フラグがONとされた後(ステップST3の動作)、ステップST31に移る。
このステップST31では、前記ECU100に設けられた第1タイマのカウントを開始する。この第1タイマは所定時間経過後にカウントアップするものである。このカウントアップまでの経過時間は、デリバリパイプ10b内の燃料温度が飽和蒸気温度に達しない時間として、予め実験やシミュレーションによって設定されている。例えば、エンジン負荷が比較的高い運転状態からEV走行に移行した場合に、デリバリパイプ10b内の燃料温度が飽和蒸気温度に達する(気相燃料が発生する)までの時間を求めておき、この時間よりも僅かに短い時間(例えば数十secだけ短い時間)として前記カウントアップまでの経過時間は設定されている。
第1タイマのカウントが開始された後、ステップST32で第1タイマのカウント値がインクリメントされ、ステップST33で第1タイマがカウントアップしたか否かを判定する。第1タイマのカウントが開始された直後では、未だカウントアップしていないため、ステップST33ではNO判定されてリターンされる。この場合、次回のルーチンでは、EV走行が継続されている場合(ステップST9でNO判定されている場合)、ステップST34(第1タイマのカウント中であるか否かの判定)でYES判定され、ステップST32で第1タイマのカウント値がインクリメントされていくことになる。
そして、所定時間が経過して第1タイマがカウントアップし、ステップST33でYES判定された場合(本発明における「燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇したと推定された場合」)には、ステップST35に移り、燃料ポンプ10eを起動すると共に、各遮断弁10h,10iを開放させる。つまり、燃料供給系でのLPG燃料の循環を再開させる。これにより、デリバリパイプ10b内での気相燃料の発生を抑制する。
このようにして燃料ポンプ10eの起動および各遮断弁10h,10iの開放を行った後、ステップST36に移り、第1タイマをリセットすると共に、前記ECU100に設けられた第2タイマのカウントを開始する。この第2タイマは所定時間経過後にカウントアップするものである。このカウントアップまでの経過時間は、燃料ポンプ10eの起動および各遮断弁10h,10iの開放を行った後にデリバリパイプ10b内の燃料温度が飽和蒸気温度に対して所定温度だけ低い値まで低下する時間として、予め実験やシミュレーションによって設定されている。
第2タイマのカウントが開始されると、ステップST34でNO判定されて、ステップST37に移り、第2タイマのカウント値がインクリメントされ、ステップST38で第2タイマがカウントアップしたか否かを判定する。第2タイマのカウントが開始された直後では、未だカウントアップしていないため、ステップST38ではNO判定されてリターンされる。この場合、次回のルーチンでは、EV走行が継続されている場合(ステップST9でNO判定されている場合)、ステップST34でNO判定され、ステップST37で第2タイマのカウント値がインクリメントされていくことになる。
そして、所定時間が経過して第2タイマがカウントアップされ、ステップST38でYES判定された場合(本発明における「燃料供給系における燃料温度が所定温度まで下降したと推定された場合」)には、ステップST39に移り、前記燃料ポンプ10eが停止されると共に各遮断弁10h,10iが閉鎖される。つまり、燃料供給系でのLPG燃料の循環を停止させる。これにより、燃料供給系におけるLPG燃料の循環を停止した状態でのEV走行に戻される。
このようにして燃料ポンプ10eの停止および各遮断弁10h,10iの閉鎖を行った後、ステップST40に移り、第2タイマをリセットすると共に、第1タイマのカウントを開始する。これにより、再び、第1タイマのカウント値のインクリメントが開始され(ステップST32)、この第1タイマがカウントアップするまで(ステップST33でYES判定されるまで)の期間中、燃料ポンプ10eの停止状態および各遮断弁10h,10iの閉鎖状態が維持されることになる。
このように、第1タイマのカウントが開始された際には、この第1タイマがタイムアップするまで燃料ポンプ10eは停止され且つ各遮断弁10h,10iは閉鎖される。また、第1タイマがタイムアップして第2タイマのカウントが開始された際には、この第2タイマがタイムアップするまで燃料ポンプ10eは作動され且つ各遮断弁10h,10iは開放される。さらに、第2タイマのタイムアップ後には、再び第1タイマのカウントが開始され、この第1タイマがタイムアップするまで燃料ポンプ10eは停止され且つ各遮断弁10h,10iは閉鎖される。このような動作が繰り返されることになる。
その他の構成および動作は前記第1実施形態のものと略同一であるので、ここでの説明は省略する。
本実施形態によれば、前記第1実施形態の効果に加えて以下の効果を奏することができる。つまり、本実施形態では燃料ポンプ10eを作動させるタイミングおよび停止させるタイミング、各遮断弁10h,10iを開放するタイミングおよび閉鎖するタイミングそれぞれを時間によって管理している。このため、燃料タンク10d内における燃料温度および燃料圧力、デリバリパイプ10b内における燃料温度および燃料圧力それぞれを検出する必要がなくなり、温度センサおよび内圧力センサが必要なくなり、構成の大幅な簡素化が図れる。
−他の実施形態−
以上説明した各実施形態では、FF方式のハイブリッド車両に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られることなく、FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式のハイブリッド車両や、4輪駆動方式のハイブリッド車両にも適用できる。
また、前記各実施形態では、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の2つの発電電動機が搭載されたハイブリッド車両HVに本発明を適用した場合について説明したが、1つの発電電動機が搭載されたハイブリッド車両や3つ以上の発電電動機が搭載されたハイブリッド車両にも本発明は適用可能である。
また、本発明の適用が可能なエンジン1としては、気筒数やエンジン形式(直列型やV型や水平対向型等の別)については特に限定されない。
また、液化ガス燃料を使用するエンジン1としてはLPGを使用するものに限らず、液化天然ガス(LNG)、ジメチルエーテル、液体水素等を使用するものであってもよい。
また、前記各実施形態では、液化ガス燃料のみを使用するエンジン1を搭載したハイブリッド車両HVに本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、複数種類の燃料を使用するバイフューエルタイプのエンジンを搭載したハイブリッド車両に対しても適用可能である。例えばLPG燃料とガソリンとを使用するエンジンを搭載した場合には、前記EV走行中に限らず、ガソリンを使用してエンジンを駆動した走行中においても前記各実施形態と同様に、デリバリパイプ10b内の温度上昇に伴って燃料ポンプ10eを起動させることになる。
さらに、燃料供給系における燃料温度の検出箇所としては、デリバリパイプ10b内には限定されず、燃料供給管10cにおけるデリバリパイプ10bと遮断弁10iとの間や、燃料還流管10fにおけるデリバリパイプ10bとプレッシャレギュレータ10gとの間であってもよい。
本発明は、LPG等の液化ガス燃料を使用するエンジンを搭載したハイブリッド車両に対し、燃料供給系での気相燃料の発生を防止する制御に適用可能である。
1 エンジン(内燃機関)
10a インジェクタ(燃料噴射弁)
10b デリバリパイプ(燃料貯留容器)
10c 燃料供給管(供給経路)
10d 燃料タンク
10e 燃料ポンプ
10f 燃料還流管(還流経路)
100 ECU
113 燃料温度センサ、デリバリパイプ内温度センサ(系内温度センサ)
114 デリバリパイプ内圧力センサ(系内圧力センサ)
115 タンク内温度センサ
116 タンク内圧力センサ
MG1 第1モータジェネレータ(第1の電動機)
MG2 第2モータジェネレータ(第2の電動機)
HV ハイブリッド車両
S3 サンギヤ
R3 リングギヤ
CA3 プラネタリキャリア

Claims (12)

  1. 液化ガス燃料を使用する内燃機関と電動機とを駆動力源として備え、これら内燃機関および電動機のうち少なくとも一つを走行駆動力源として走行するハイブリッド車両の制御装置において、
    前記内燃機関における燃料供給系には、燃料タンクから燃料噴射弁に向けて前記液化ガス燃料を供給する燃料ポンプが備えられており、
    前記電動機のみを走行駆動力源として走行している際、前記燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇した場合、または、前記燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇したと推定された場合に、前記燃料ポンプを作動させる構成となっていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料供給系には、前記燃料ポンプから供給された液化ガス燃料を貯留する燃料蓄圧容器と、前記燃料ポンプから前記燃料蓄圧容器へ液化ガス燃料を供給する供給経路と、前記燃料蓄圧容器から前記燃料タンクへ液化ガス燃料を還流させる還流経路とが設けられており、
    前記電動機のみを走行駆動力源として走行している際、前記燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇した場合、または、前記燃料供給系における燃料温度が所定温度まで上昇したと推定された場合に、前記燃料ポンプが作動することにより、前記燃料タンクと前記燃料蓄圧容器との間で液化ガス燃料が循環される構成となっていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1または2記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料ポンプを作動させた後、前記電動機のみを走行駆動力源として走行している状態で、前記燃料供給系における燃料温度が所定温度まで下降した場合、または、前記燃料供給系における燃料温度が所定温度まで下降したと推定された場合に、前記燃料ポンプを停止させる構成となっていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1,2または3記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料供給系には、系内における燃料温度を検出する系内温度センサが設けられ、
    前記電動機のみを走行駆動力源として走行している際、この系内温度センサによって検出される燃料温度が所定のポンプ作動温度まで上昇したときに、前記燃料ポンプを作動させる構成となっていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項4記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記系内温度センサによって検出される燃料温度が所定のポンプ作動温度まで上昇して前記燃料ポンプが作動した後、前記系内温度センサによって検出される燃料温度が前記ポンプ作動温度よりも低い所定のポンプ停止温度まで下降したときに、前記燃料ポンプを停止させる構成となっていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項1,2または3記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料タンクには、燃料タンク内における燃料温度を検出するタンク内温度センサおよび燃料タンク内における燃料圧力を検出するタンク内圧力センサが設けられ、
    前記燃料供給系には、系内における燃料温度を検出する系内温度センサおよび系内における燃料圧力を検出する系内圧力センサが設けられており、
    前記タンク内温度センサによって検出された燃料タンク内の燃料温度および前記タンク内圧力センサによって検出された燃料タンク内の燃料圧力に基づいて液化ガス燃料の飽和蒸気温度特性を推定し、
    前記系内圧力センサによって検出された燃料供給系内の燃料圧力と前記推定された前記飽和蒸気温度特性とから燃料供給系内における液化ガス燃料の飽和蒸気温度を推定し、
    前記燃料供給系内における燃料温度が、前記燃料供給系内における液化ガス燃料の飽和蒸気温度に対して所定温度だけ低い値であるポンプ作動閾値に達した際に、前記燃料ポンプを作動させる構成となっていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  7. 請求項6記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料ポンプが作動した後、前記燃料供給系内における燃料温度が、前記ポンプ作動閾値よりも低い所定のポンプ停止温度まで下降したときに、前記燃料ポンプを停止させる構成となっていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  8. 請求項1,2または3記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料供給系には、系内における燃料温度を検出する系内温度センサおよび系内における燃料圧力を検出する系内圧力センサが設けられており、
    前記液化ガス燃料の性状に応じて予め設定された飽和蒸気温度特性と、前記系内圧力センサによって検出された燃料供給系内の燃料圧力とから燃料供給系内における液化ガス燃料の飽和蒸気温度を求め、
    前記燃料供給系内における燃料温度が、前記燃料供給系内における液化ガス燃料の飽和蒸気温度に対して所定温度だけ低い値であるポンプ作動閾値に達した際に、前記燃料ポンプを作動させる構成となっていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  9. 請求項8記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料ポンプが作動した後、前記燃料供給系内における燃料温度が、前記ポンプ作動閾値よりも低い所定のポンプ停止温度まで下降したときに、前記燃料ポンプを停止させる構成となっていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  10. 請求項1,2または3記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記電動機のみを走行駆動力源とした走行が開始されてから、この電動機のみを走行駆動力源とした走行の継続時間が所定時間に達した際に、前記燃料ポンプを作動させる構成となっていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  11. 請求項10記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料ポンプの作動が開始されてから、この燃料ポンプの作動の継続時間が所定時間に達した際に、前記燃料ポンプを停止させる構成となっていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  12. 請求項1〜11のうち何れか一つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記ハイブリッド車両の動力伝達系には、前記内燃機関の出力軸が連結されるプラネタリキャリアと、第1の電動機が連結されるサンギヤと、第2の電動機が連結されるリングギヤとを備えた遊星歯車機構により構成される動力分割機構が備えられており、
    前記電動機のみを走行駆動力源として走行する際には、前記第2の電動機を走行駆動力源として走行する構成となっていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016080404A1 (ja) * 2014-11-20 2016-05-26 いすゞ自動車株式会社 ジメチルエーテル自動車用燃料供給装置
JP2019152162A (ja) * 2018-03-05 2019-09-12 株式会社デンソー 燃料供給システム

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