JP2014058081A - 液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ及び液滴吐出記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性の高い液滴吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】液滴吐出ヘッドは、複数のノズル孔を有するノズル層と、該ノズル孔に個別に連通する個別液室を形成する流路層105と、該個別液室に流れる流体に圧力を発生させるアクチュエータ基板106と、該アクチュエータ基板の剛性を補完する保護基板107とを備えている。保護基板107は、アクチュエータ基板106の所定の接合領域123に接着剤120を介して接合されている。アクチュエータ基板106は、保護基板107が接合される面にパッド開口部119とフッ化アルミニウム層124を備えている。フッ化アルミニウム層124は、パッド開口部119から所定距離の範囲内に形成されておらず、かつ、少なくとも接合領域123に斑状に配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ及び液滴吐出記録装置に関するものである。
液滴吐出ヘッドとしては、例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNA(deoxyribonucleic acid)の試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、インクを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド等がある。
この中で、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する個別液室(インク流路、吐出室、加圧液室、流路とも称される。)と、この液室内のインクを加圧するための駆動手段(圧力発生手段)とを備えた液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドを搭載したものである。以下では上記インクジェットヘッドを中心に説明をする。
インクジェット記録装置は、記録時の騒音が極めて小さいこと、高速印字が可能なこと、インクの自由度が高く安価な普通紙を使用できることなど多くの利点を有する。この中でも記録の必要なときにのみインク液滴を吐出するいわゆるインク・オン・デマンド方式が記録に不要なインク液滴の回収を必要としないため現在主流となっている。
インク・オン・デマンド方式のインクジェットヘッドには、駆動手段が圧電素子であるもの(例えば特許文献1を参照。)や、インクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインクを吐出させる方法(例えば特許文献2を参照。)、駆動手段に静電気力を利用したもの(例えば特許文献3を参照。)などがある。
インクジェット式記録ヘッドを用いてより品質の高いカラー印刷を行おうとすると一層高い解像度が要求されるため、流路板の隔壁等のサイズが必然的に小さくなって、部材の加工、接合、部材の組み立てに高い精度が要求される。
その中で、例えば、接合においては各部品の微細化に伴い接着剤のはみ出しの課題がある。これは、本来接着剤が存在しない部位に、部品接合時にはみ出した接着剤が流れ出すことで発生する不具合である。このような不具合は、接着剤塗布量を最適化したとしても完全に無くすことは難しく、対策が求められており、そのため様々な提案がなされている。
例えば、接着剤が必要な部位は親水性に、必要でない部位は撥水性にするすることが提案されている(例えば特許文献4,5を参照。)。
しかしながら、この場合、撥水膜を形成する工程が必要であり、またその塗布工程も複雑であり、量産には適さない。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、信頼性の高い液滴吐出ヘッド並びにそれを用いた液体カートリッジ及び液滴吐出記録装置を提供することにある。
本発明にかかる液滴吐出ヘッドは、複数のノズル孔を有するノズル層と、該ノズル孔に連通する液室を形成する流路層と、該液室に流れる流体に圧力を発生させるアクチュエータ基板と、該アクチュエータ基板の剛性を補完する保護基板とを備えた液滴吐出ヘッドであって、上記保護基板は、上記アクチュエータ基板の所定の接合領域に接着剤を介して接合されており、上記アクチュエータ基板は、上記保護基板が接合される面にパッド開口部と金属フッ化物層を備え、上記金属フッ化物層は、上記パッド開口部から所定距離の範囲内に形成されておらず、かつ、少なくとも上記接合領域及び上記接合領域に隣接する領域に斑状に配置されているものである。
ここで、斑状とは、金属フッ化物層が配置されている領域と配置されていない領域とが入り混じっている状態をいう。
本発明にかかる液体カートリッジは、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと該液滴吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクを一体化した液体カートリッジであって、上記液滴吐出ヘッドが本発明の液滴吐出ヘッドであるものである。
本発明にかかる液滴吐出記録装置は、液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出記録装置であって、上記液滴吐出ヘッドが本発明の液滴吐出ヘッドであるものである。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、アクチュエータ基板において保護基板との接合領域に金属フッ化物層が斑状に配置されており、金属フッ化物層が配置されている領域は接着剤の濡れ性が向上するので、アクチュエータ基板と保護基板との接合についてより大きな接合強度が得られる。また、金属フッ化物層の配置が斑状であるため、アンカー効果によってさらに接合強度を増すことができる。さらに、パッド開口部から所定距離の範囲内には金属フッ化物層が配置されておらず、かつ、上記接合領域に隣接する領域に金属フッ化物層が斑状に配置されているので、保護基板接合時の接着剤のはみ出しがパッド開口部へ流れ出すことを防止できる。これらにより、本発明の液滴吐出ヘッドは、保護基板の剥離、及びパッドコンタクト時の電気的接触不良を防止でき、信頼性の高い液滴吐出ヘッドを得ることができる。
本発明の液体カートリッジは、本発明の液滴吐出ヘッドを備えているので、液滴吐出ヘッドに関する信頼性が向上し、ひいては液体カートリッジ全体の信頼性を向上させることができる。
本発明の液滴吐出記録装置は、本発明の液滴吐出ヘッドを備えているので、液滴吐出ヘッドに関する信頼性が向上し、ひいては液滴吐出記録装置全体の信頼性を向上させることができる。
液滴吐出ヘッドの一実施例を説明するための概略的な分解斜視図である。 同実施例を説明するための概略的な断面図である。 同実施例の、パッド開口部近傍におけるアクチュエータ基板と保護基板の接合前の状態と接合後の状態を拡大して示す概略的な断面図である。 従来技術の液滴吐出ヘッドにおける、パッド開口部近傍におけるアクチュエータ基板と保護基板の接合前の状態と接合後の状態を拡大して示す概略的な断面図である。 フッ化アルミニウム層の形成工程例を説明するための、パッド開口部近傍を拡大して示す概略的な断面図である。 液体カートリッジの一実施例を説明するための概略的な斜視図である。 液滴吐出記録装置の一実施例を説明するための概略的な斜視図である。 同実施例の機構部を説明するための側面図である。
図1は、液滴吐出ヘッドの一実施例を説明するための概略的な分解斜視図である。図2は同実施例を説明するための概略的な断面図である。図2の断面は図1のA−A位置に対応している。
液滴吐出ヘッド101は、複数のノズル孔102を有するノズル板103(ノズル層)と、ノズル孔102に個別に連通する個別液室104を形成する流路層105と、個別液室104に流れる流体に圧力を発生させるアクチュエータ基板106と、アクチュエータ基板106の剛性を補完する保護基板107を備えている。この実施例では、流路層105はアクチュエータ基板106に一体的に形成されている。
ノズル板103にはインク滴を飛翔させるための微細孔である多数のノズル孔102が形成されている。ノズル孔102は、対応する個別液室104の加圧液室部108の先端位置に対応して配置されている。ノズル孔102の径は例えば10〜35μm(マイクロメートル)である。
ノズル板103は、例えばポリイミド等の樹脂フィルムで形成されている。また、ノズル板103の材料としては、例えば、電鋳工法によって製造したニッケルの金属プレートや、シリコン、その他金属材料などを用いることもできる。なお、ノズル板103には撥水性の表面処理膜が成膜されている。
個別液室104は、アクチュエータ基板106の一部として形成されており、例えばシリコンからなる流路層105が加工されて形成されている。個別液室104はノズル孔102ごとに設けられている。また、個別液室104は、対応するノズル孔102に連通する加圧液室部108、流体抵抗部109、インク供給部110を備えている。
アクチュエータ基板106は、流路層105の他に、振動板111、共通電極112、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)113、個別電極114、層間絶縁膜115、配線116、パッシベーション膜117を備えている。
PZT113は加圧液室部108に圧力を加えるためのものである。振動板111はPZT113の圧力を加圧液室部108に伝えるためのものである。共通電極112、個別電極114及び配線116は、PZT113に圧力を発生させるためにPZT113に電気を通電するためのものである。
層間絶縁膜115は、圧力発生部(PZT113、個別電極114、共通電極112)を覆って振動板111上に形成されている。配線116は層間絶縁膜115に形成されている。配線116と個別電極114は層間絶縁膜115に設けられた接続孔を介して電気的に接続されている。
パッシベーション膜117は、配線116を覆って層間絶縁膜115上に形成されており、アクチュエータ基板106の内部構造を外気から遮断している。パッシベーション膜117の材料は例えば窒化シリコン膜である。配線116のパッド部分上のパッシベーション膜117に、外部入力118と電気的接続をとるためのパッド開口部119が形成されている。
外部入力118は例えばIC(Integrated Circuit)チップである。外部入力118とアクチュエータ基板106(配線116のパッド部分)との接続方法は例えばスタッドバンプ方式である。ただし、外部入力118及び接続方法はこれらに限定されない。
保護基板107は、アクチュエータ基板106の所定の接合領域に接着剤120を介して接合されている。保護基板107に、アクチュエータ基板106のインク供給部110に連通するインク供給孔121が設けられている。
インク供給孔121からクチュエータ基板106に供給されたインクは個別液室104のインク供給部110、流体抵抗109を経由して加圧液室部108に流入する。加圧液室部108にインクが充填される。
アクチュエータ基板106の配線116のパッド部分は、パッド開口部119を介して外部と電気的に接続されている。共通電極112は電気的に接地されている(図示は省略)。配線116のパッド部分に加えられた外部入力(電圧)が配線116を経由して個別電極114に加わることでPZT113に変位が発生する。PZT113の変位は振動板111を介して加圧液室部108内に圧力を発生させる。これによりノズル孔102からインク滴122が射出される。
図3は、図1及び図2に示された実施例の、パッド開口部近傍におけるアクチュエータ基板と保護基板の接合前の状態と接合後の状態を拡大して示す概略的な断面図である。
アクチュエータ基板106と保護基板107との接合について、接合前の状態を表わす図3(A)に示されるように、接着剤120は保護基板107側に塗布される。アクチュエータ基板106の接合領域123と保護基板107の接着剤塗布部分が最適に位置合せされた後、接合後の状態を表わす図3(B)に示されるように、基板106,107が重ね合わされて接合される。
アクチュエータ基板106は、パッシベーション膜117の上面(保護基板107が接合される面)にフッ化アルミニウム層125(金属フッ化物層)を備えている。フッ化アルミニウム層124は、パッド開口部119から所定距離の範囲内に形成されていない。
また、フッ化アルミニウム層124は接合領域123及び接合領域123に隣接する領域に斑状に配置されている。この実施例では、フッ化アルミニウム層124は、パッド開口部119と接合領域123との間の領域であってパッド開口部119から上記所定距離以上離れている領域、及び、接合領域123に対してパッド開口部119とは反対側の領域にも斑状に配置されている。
ただし、フッ化アルミニウム層124が配置される領域は、少なくとも、接合領域123と、接合領域123に隣接する領域であって、はみ出した接着剤120をフッ化アルミニウム層124の存在によってパッド開口部119に流れ込まないように誘導できる領域であればよい。
接合領域123において、パッシベーション膜117の上面に、接着剤120の濡れ性が高いフッ化アルミニウム層124が配置されているので、保護基板107との十分な接合強度が得られる。さらに、フッ化アルミニウム層124は斑状に配置されているので、アンカー効果により、より大きな接合強度が得られる。
また、フッ化アルミニウム層124はパッド開口部119の近傍には配置されていないので、パッド開口部119の近傍において接着剤120の濡れ性は低い。これにより、接合時にはみ出した接着剤120がパッド開口部119に流れ込むことを防止できるので、接着剤120の流れ込みに起因するパッドコンタクト不良を防止できる。
したがって、液滴吐出ヘッド1は、保護基板107の剥離、及びパッドコンタクト時の電気的接触不良を防止でき、信頼性の高い液滴吐出ヘッドを得ることができる。
なお、ここではアクチュエータ基板106に対して保護基板107が接合された後にノズル板103が接合される場合を説明したので、図3ではノズル板103は図示されていない。ただし、アクチュエータ基板106に対してノズル板103が接合された後に保護基板107が接合されてもよい。
図4は、従来技術の液滴吐出ヘッドにおける、パッド開口部近傍におけるアクチュエータ基板と保護基板の接合前の状態と接合後の状態を拡大して示す概略的な断面図である。
従来技術の液滴吐出ヘッドは、上記実施例の液滴吐出ヘッド1と比較して、フッ化アルミニウム層124を備えていない。したがって、従来技術の液滴吐出ヘッドは、上記実施例の液滴吐出ヘッド1と比較して、アクチュエータ基板106のパッシベーション膜117の接着剤120に対する濡れ性が低いためので、アクチュエータ基板106と保護基板107との接合において十分な接合強度が得られない。
また、従来技術の液滴吐出ヘッドは、接合領域123の近傍に接着剤120に対する濡れ性が高いフッ化アルミニウム層を備えていないので、接合時にはみ出した接着剤120がパッド開口部119に流れ込んでパッドコンタクト不良を招くことが懸念される。
これに対し、上記実施例の液滴吐出ヘッド1は、フッ化アルミニウム層124を備えていることによって従来技術の不具合を解消できる。
図5は、フッ化アルミニウム層の形成工程例を説明するための、パッド開口部近傍を拡大して示す概略的な断面図である。以下に説明する各工程のかっこ数字は図5中のかっこ数字に対応している。
(1)流路層105、振動板111、層間絶縁膜115、配線116、パッシベーション膜117が順次形成されたアクチュエータ基板106に対して、パッシベーション膜117上に、パッド開口部の形成領域に対応する開口部をもつレジストパターン125を形成する。ここで、配線116は、アルミニウム材料又はアルミニウムを含む金属材料で形成されている。
(2)フッ素系ガスを用いたドライエッチングによって、レジストパターン125をマスクにしてパッシベーション膜117をエッチングして、パッド開口部119を形成する。このとき、十分なオーバーエッチングをすることで、アルミニウム材料又はアルミニウムを含む金属材料で形成されている配線116がエッチングされる。そのエッチング生成物であるフッ化アルミニウム層124がレジストパターン125上に全面に均一ではなく斑状に形成される。図5(2)では、便宜上、フッ化アルミニウム層124は等間隔かつ均一な膜厚で図示されているが、斑状に形成されたフッ化アルミニウム層124は等間隔ではなく、かつ均一な膜厚ではない。
(3)例えば酸素プラズマによるドライアッシングを行なう。レジストパターン125に形成された斑状のフッ化アルミニウム層124の隙間を通して酸素プラズマ(エッチャント)がレジストパターン125に作用し、これによりレジストパターン125のみ除去される。レジストパターン125上に積層したフッ化アルミニウム層124は除去されず、結果としてパッシベーション膜117上にフッ化アルミニウム層124が残る。これにより、パッシベーション膜117上に斑状のフッ化アルミニウム層124が形成される。
(4)フッ化アルミニウム層124上に、パッド開口部119の形成位置及びパッド開口部119から所定距離の範囲に開口部をもつレジストパターン126を形成する。例えばアミン系有機溶剤を用いたウェットエッチングを行ない、パッド開口部119の近傍のフッ化アルミニウム層124の除去を行なう。これにより、パッド開口部119から所定距離の範囲内に位置するフッ化アルミニウム層124が除去される。
ここでは、パッド開口部119から所定距離の範囲内に位置するフッ化アルミニウム層124のみを除去した。ただし、フッ化アルミニウム層124が残される領域は、少なくとも、接合領域123と、接合領域123に隣接する領域であって、はみ出した接着剤120(図3を参照。)をフッ化アルミニウム層124の存在によってパッド開口部119に流れ込まないように誘導できる領域であればよい。したがって、これらの領域以外のフッ化アルミニウム層124は除去されてもよい。
(5)例えば酸素プラズマによるドライアッシングを行なって、レジストパターン126の除去を行なう。これにより、パッド開口部119の近傍には接着剤120の濡れ性がよいフッ化アルミニウム層124が配置されていないアクチュエータ基板106が形成される。また、アクチュエータ基板106においては、接合領域123、パッド開口部119と接合領域123との間の領域であってパッド開口部119から上記所定距離以上離れている領域、及び接合領域123に対してパッド開口部119とは反対側の領域にフッ化アルミニウム層124が斑状に配置されている。
このようにしてフッ化アルミニウム層124が形成されることにより、フッ化アルミニウム層124を積層するための特別な工程、例えばコーティング工程は必要ない。したがって、フッ化アルミニウム層124を別途形成する場合に比べて、工程削減が達成され、低コストで信頼性の高い液滴吐出ヘッドを得ることができる。
ただし、フッ化アルミニウム層を形成するための特別な工程を用いて、パッド開口部119から所定距離の範囲内に形成されておらず、かつ接合領域123に斑状に配置されたフッ化アルミニウム層を別途形成してもよい。
図6は、液体カートリッジの一実施例を説明するための概略的な斜視図である。
液体カートリッジ201は、ノズル202等を有する上記実施例の液滴吐出ヘッド203と、液滴吐出ヘッド203に対して液体を供給する液体タンク204とを一体化したものである。
このように液体タンク一体型のヘッドの場合、液滴吐出ヘッド203の性能はただちに液体カートリッジ201全体の性能につながるので、信頼性の高い液滴吐出ヘッド203を使用することにより、信頼性の高い液体カートリッジ201を得ることができる。
図7は、液滴吐出記録装置の一実施例を説明するための概略的な斜視図である。図8はこの実施例の機構部を説明するための側面図である。
液滴吐出記録装置301は、記録装置本体302の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した本発明を実施した液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部303等を収納している。液滴吐出記録装置301は、装置本体302の下方部には前方側から多数枚の用紙304を積載可能な給紙カセット(又は給紙トレイでもよい。)305を抜き差し自在に装着することができる。また、液滴吐出記録装置301は、用紙304を手差しで給紙するための手差しトレイ306を開倒することができる。液滴吐出記録装置301は、給紙カセット305又は手差しトレイ306から給送される用紙304を取り込み、印字機構部303によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ307に排紙する。
印字機構部303は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド308と従ガイドロッド309とでキャリッジ310を主走査方向(図8で紙面垂直方向)に摺動自在に保持している。キャリッジ310にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッドが複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列され、インク滴吐出方向を下方に向けて装着されている。またキャリッジ310には記録ヘッドに各色のインクを供給するための各インクカートリッジ312が交換可能に装着されている。
インクカートリッジ312は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、記録ヘッドとしてここでは各色の記録ヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ310は、後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド308に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド302に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ310を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ313で回転駆動される駆動プーリ314と従動プーリ315との間にタイミングベルト316が張装されている。キャリッジ310はタイミングベルト316に固定されており、主走査モータ313の正逆回転によりキャリッジ310が往復駆動される。
給紙カセット305にセットした用紙304を記録ヘッドの下方側に搬送するために、給紙ローラ317、フリクションパッド318、ガイド部材319、搬送ローラ320、搬送コロ321及び先端コロ322が設けられている。給紙ローラ317及びフリクションパッド318は給紙カセット305から用紙304を分離給装する。ガイド部材319は用紙304を案内する。搬送ローラ320は給紙された用紙304を反転させて搬送する。搬送コロ321は搬送ローラ320の周面に押し付けられる。先端コロ322は搬送ローラ320からの用紙304の送り出し角度を規定する。搬送ローラ320は副走査モータ323によってギヤ列を介して回転駆動される。
キャリッジ310の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ320から送り出された用紙304を記録ヘッド311の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材324が設けられている。印写受け部材324の用紙搬送方向下流側には、用紙304を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ325、拍車326が設けられている。さらに用紙304を排紙トレイ307に送り出す排紙ローラ327及び拍車328と、排紙経路を形成するガイド部材329,330が配設されている。
記録時には、キャリッジ310を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド311を駆動することにより、停止している用紙304にインクを吐出して1行分を記録し、用紙304を所定量搬送後次の行の記録を行なう。記録終了信号又は用紙304の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙304を排紙する。
また、キャリッジ310の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッドの吐出不良を回復するための回復装置331が配置されている。回復装置331はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ310は印字待機中にはこの回復装置331側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッドをキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッドの吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、液滴吐出記録装置301においては本発明を実施した液滴吐出ヘッド311が搭載されている。液滴吐出ヘッド311の性能はただちに液滴吐出記録装置301全体の性能につながるので、信頼性の高い液滴吐出ヘッド311を使用することにより、信頼性の高い液滴吐出記録装置301を得ることができる。
なお、上記実施例においては、本発明の液滴吐出ヘッドをインクジェットヘッドに適用したが、インク以外の液滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する液滴吐出ヘッドにも適用することできる。
以上、本発明の実施例を説明したが、上記実施例での数値、材料、配置、個数等は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本発明の液滴吐出ヘッドにおいて、パッド開口部から所定距離の範囲内に形成されておらず、かつ接合領域に斑状に配置されている金属フッ化物層はフッ化アルミニウム層に限定されない。当該金属フッ化物層は、例えば銀、銅、錫、ニッケル等の他の金属の金属フッ化物層であってもよい。
本発明の液滴吐出ヘッドは、アルミニウム以外の金属フッ化物層であっても、金属フッ化物層の配置が斑状であるため、アンカー効果によってさらに接合強度を増すことができる。さらに、パッド開口部から所定距離の範囲内には金属フッ化物層が配置されておらず、かつ、上記接合領域に隣接する領域に金属フッ化物層が斑状に配置されているので、保護基板接合時の接着剤のはみ出しがパッド開口部へ流れ出すことを防止できる。
なお、金属フッ化物層に含まれる金属は配線に適した金属であることが好ましい。また、金属フッ化物層は複数種類の金属を含むフッ化物層であってもよい。
また、金属フッ化物層は、例えばパッド開口部形成予定領域の下地に金属材料が配置された状態でフッ素系ガスを用いたドライエッチングによってパッド開口部が形成された際の生成物として形成される。ただし、金属フッ化物層の形成方法はこれに限定されない。
また、フッ化アルミニウム層の配置領域は、フッ化アルミニウム層がパッド開口部から所定距離の範囲内に形成されておらず、かつ、少なくとも接合領域及び接合領域に隣接する領域に斑状に配置されている状態であれば、どのような配置領域であってもよい。
また、本発明の液滴吐出ヘッドにおいて、アクチュエータ基板の構成は上記実施例のアクチュエータ基板106の構成に限定されない。例えば、アクチュエータ基板106において保護基板107が接合される面はパッシベーション膜117の上面であるが、当該接合される面はパッシベーション膜に限定されず、他の材料で形成されていてもよい。
101,203,311 液滴吐出ヘッド
102,202 ノズル孔
103 ノズル板(ノズル層)
104 液室
105 流路層
106 アクチュエータ基板
107 保護基板
119 パッド開口部
120 接着剤
123 接合領域
124 フッ化アルミニウム層(金属フッ化物層)
201 液体カートリッジ
204 液体タンク
特公平2−51734号公報 特公昭61−59911号公報 特開平5−50601号公報 特開2007−050673号公報 特開平11−020160号公報

Claims (4)

  1. 複数のノズル孔を有するノズル層と、該ノズル孔に連通する液室を形成する流路層と、該液室に流れる流体に圧力を発生させるアクチュエータ基板と、該アクチュエータ基板の剛性を補完する保護基板とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記保護基板は、前記アクチュエータ基板の所定の接合領域に接着剤を介して接合されており、
    前記アクチュエータ基板は、前記保護基板が接合される面にパッド開口部と金属フッ化物層を備え、
    前記金属フッ化物層は、前記パッド開口部から所定距離の範囲内に形成されておらず、かつ、少なくとも前記接合領域及び前記接合領域に隣接する領域に斑状に配置されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記アクチュエータ基板において、前記パッド開口部に金属材料が露出しており、
    前記金属フッ化物層は、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによって前記パッド開口部を形成した際の生成物である請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと該液滴吐出ヘッドに液体を供給する液体タンクを一体化した液体カートリッジにおいて、
    前記液滴吐出ヘッドが請求項1又は2のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする液体カートリッジ。
  4. 液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出記録装置において、
    前記液滴吐出ヘッドが請求項1又は2のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする液滴吐出記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017042923A (ja) * 2015-08-24 2017-03-02 セイコーエプソン株式会社 電子デバイス、および、液体噴射ヘッド

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