JP2014057606A - 猫用遊具 - Google Patents

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Abstract

【課題】マタタビ粉末によるリラックス効果と消臭成分による悪臭の消臭効果の双方の効果を最適に発揮させる手段を採用した、猫と人の最適なコミュニケーションツールとして期待される猫用遊具を提供する。
【解決手段】猫用遊具100は、マタタビ粉末Spと消臭成分DpとバインダBmを塗布した印刷層Lpを備え、前記消臭成分Dpは、天然植物由来の化合物であると共に、前記印刷層Lpにおける配合率が0.5%以上かつ5%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、猫用遊具に関し、さらに詳述すれば、マタタビによるリラックス効果と消臭成分による悪臭の消臭効果をあわせ持つ猫用遊具に関する。
従来、猫の好物として知られているマタタビを利用した種々の製品が提案或いは実用化されている。例えば、マタタビを利用して猫の排尿後の砂かけ動作を抑制する排泄処理用材(特許文献1)や、マタタビで猫の注意を強く引きつける猫用の爪研ぎ器(特許文献2)、マタタビ粉末とバインダの混合物を不織布や綿布にコーティングした猫のリラックスシート(特許文献3)、マタタビ抽出物と防虫剤を含浸させた猫の爪研ぎ具(特許文献4)がある。また、マタタビを利用して猫にトイレのしつけをする砂なども商品化されている。
特開2001−169678号公報 特開2003−210061号公報 実登3119260号公報 実登3038155号公報
しかしながら、上述の排泄処理用材や爪研ぎ器は人の都合にあわせて猫の行為を規制或いは誘導することを意図したものであり、猫に喜びを与えながら、猫が飼い主等の人と一緒に遊んだり、人とは別に遊んだりできるものではない。また、猫と一緒にいる人にとっては、猫から発生する臭いは大きな問題となっている状況において、上述のリラックスシートや爪研ぎ具は、リラックス効果や防虫効果は期待されるものの、猫から発生する臭いへの対策はまったく考慮されていない。また、上述の技術をもってすれば、マタタビによるリラックス効果と消臭成分による悪臭の消臭効果をあわせ持つ製品は類推可能であるが、リラックス効果と消臭効果の双方の効果を最適に発揮させる手段については、未知なるものである。よって、本発明では、マタタビを利用して、猫に喜びを与えると共に、猫と一緒に生活する人にとっても快適であり、猫と人の最適なコミュニケーションツールとして期待される猫用遊具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る猫用遊具は、マタタビ粉末と消臭成分とバインダを塗布した印刷層を備え、前記消臭成分は、天然植物由来の化合物であると共に、前記印刷層における配合率が0.5%以上かつ5%以下である。
本発明は、猫に喜びを与えると共に、猫が人と一緒に或いは別に遊ぶことができ、人にとっても快適であり、猫と人の最適なコミュニケーションツールとしての猫用遊具を提供できる。
本発明の実施の形態に係る猫用遊具の形状を模式的に示す斜視図である。 図1の猫用遊具の要部断面図である。 本発明に係るマタタビ粉末を塗布したシート上にのせた猫の測定された脳波波形を示す図である。 図3に示した脳波波形に基づいて、α波の発生頻度を示す図である。 本発明に係るマタタビ粉末の印刷面とマタタビ臭の強さとの関係を示す図である。 本発明に係るマタタビ臭の強さに対する、消臭成分の配合割合の違いによる影響を示す図である。 本発明に係るバインダとマタタビ粉末の固定強度との関係を示す図である。 本発明に係る消臭成分による猫の臭いの消臭効果を示す図である。 本発明に係るマタタビ臭が猫に与える癒し効果を示す図である。 本発明に係るマタタビ臭の経時に伴う残存率を示す図である。 本発明に係る猫用遊具の取り得る形状の一例を示す図である。 本発明に係るマタタビ臭の強さに対する消臭成分の違いによる影響を示す図である。 本発明に係るマタタビ臭が猫の行動に及ぼす影響を示す図である。 本発明に係る消臭成分による猫の臭いの消臭効果(官能評価)を示す図である。 ガスクロマトグラフィーによるマタタビ粉末単独の分析チャートである。 ガスクロマトグラフィーによる天然植物由来消臭成分単独の分析チャートである。 ガスクロマトグラフィーによるマタタビ粉末と天然植物由来消臭成分との混合物の分析チャートである。 ガスクロマトグラフィーによるマタタビ粉末と活性炭との混合物の分析チャートである。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る猫用遊具100は、平坦なマット状に構成されている。なお、同図では猫用遊具100は矩形状である例が示されているが、円形や三角形など任意の形状に構成することができる。また、猫用遊具100は、マット状以外の形状に構成することもできる。これについては、後ほど図11を参照して、具体的に説明する。
図2に示す、図1における直線II−IIに沿って切断された断面図を参照して、猫用遊具100の構造について説明する。猫用遊具100は、好ましくは同じ形状及び大きさの2枚のシートSt及びSbと、印刷層Lpと、縁取り部Phとを含む。なお、説明の便宜上、2枚のシートSt及びSbのうち、図2において、上側に位置する方を表シートStと呼び、下側に位置する方を裏シートSbと呼ぶ。
猫用遊具100が袋状になるように、表シートSt及び裏シートSbは対向した状態でその周囲が縁取り部Phによって互いに固定されている。袋状にされた状態で、表シートSt及び裏シートSbが互いに向き合う、つまり袋の内面をそれぞれ表シート内面Ist及び裏シート内面Isbと呼び、袋の外面を表シート外面Ost及び裏シート外面Osbと呼ぶ。
表シートSt及び裏シートSbの少なくとも何れか一方の内面及び外面、好ましくは表シート内面Ist及び裏シート内面Isbの少なくとも何れか一方には、印刷層Lpがスクリーン印刷などの手段により塗布されている。印刷層Lpは、マタタビの臭い成分であるマタタビラクトン、アクチニジン、イリドミルメシン及びネペタラクトンの少なくとも一つを含むマタタビ粉末Spと、猫の体臭を消す消臭成分Dpと、マタタビ粉末Sp及び消臭成分Dpとを結着させると共に、表シート内面Ist或いは裏シート内面Isbに接着させる機能を有するバインダBmを含む。マタタビ粉末Sp、消臭成分Dp、及びバインダBmについては、後ほど詳述する。
このように構成された猫用遊具100を猫に与えると、猫は表シートSt或いは裏シートSbを介して印刷層Lpのマタタビ粉末Spから発散されるマタタビ臭に引きつけられて、マット状の猫用遊具100を弄んだり、好んで猫用遊具100の上にいたり、さらには眠ったりする。マタタビ臭の猫に与える効果については、後ほど図3、図4及び図9を参照して詳述する。飼い主は猫用遊具100で猫を招き寄せて、猫と一緒に遊んだり、身近で遊ばせたりすることができ、さらに猫用遊具100をあてがうことで猫に一人遊びさせることができる。
猫が猫用遊具100で遊んでいると、やがて猫の臭いが移り、やがて猫用遊具100は人にとって好ましくなく臭うようになってくる。しかしながら、表シートSt或いは裏シートSbを介して印刷層Lpの消臭成分Dpから発散される消臭成分が、マタタビ臭を損なうことなく猫の臭いを消すことができる。これにより、猫用遊具100は室内にて長期間にわたり快適に使用できる。消臭成分Dpの配合割合の違いによる消臭効果及び持続時間については、後ほど図6を参照して詳述する。
上述のように、マタタビ粉末Spのマタタビ臭及び消臭成分Dpの消臭成分の発散を可能にするために、表シートSt及び裏シートSbの少なくとも一方は、通気性を有する必要がある。例えば、小さな通気口が所定数だけ設けられた樹脂フィルムなどでも使用可能である。また、猫が猫用遊具100を弄ぶためには、表シートSt及び裏シートSbの少なくとも一方は、猫が爪をかけることができる布や織物であることが好ましい。また、マタタビ臭効果及び消臭効果の観点からは、より多くの印刷層Lpを確実に塗布する必要があり、そのためには、少なくとも印刷層Lpを保持する面である表シートSt及び裏シートSb、好ましくは、表シート内面Ist及び裏シート内面Isbは平坦面より荒れた状態、さらに立体的に入り組んだ形状であることが望ましい。つまり、表シートSt或いは裏シートSbは、布や織物であることが好ましい。なお、不織布も通気性、印刷層Lpの塗布性の点においては好ましいが、猫の爪かけに対する耐久性を必要とする。上記の課題を考慮すれば、印刷層Lpを表シートSt及び裏シートSbの内面に保持することが好ましい。なお、表シートSt或いは裏シートSbとしては、綿、麻、絹、毛などの天然繊維や、アクリル系繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ナイロンなどの合成繊維を用いることができる。さらに、天然繊維と合成繊維の複合繊維も用いることができる。
このように、内部に印刷層Lpが塗布された状態の猫用遊具100の袋内に、猫が手を入れられないように、縁取り部Phはロック縫い等の手段により、表シートSt及び裏シートSbの周囲は強固に固定される。しかしながら、猫用遊具100の内壁に塗布された印刷層Lpを猫から守る目的が果たせるのであれば、縁取り部Phの代わりに、単に表シートSt及び裏シートSbの周囲を縫い合わせたり、接着剤で接合したりしてもよい。また、表シートSt及び裏シートSbは、それぞれ個別の2枚のシートとしてではなく、1枚の長尺のシートを折り返したり、一方が開口した袋状としたりしてもよい。
次に、図3及び図4を参照して、マタタビ臭の猫に与える効果について具体的に説明する。図3において、3つのグラフG1、グラフG2及びグラフG3の縦軸(V)は猫の脳波の測定結果を示し、横軸は経過時間(msec)を表している。なお、グラフG1は猫用遊具100ではない(印刷層Lpを含まない)通常のマットの上にのせたときの猫の脳波状態を示している。グラフG2は、新品の状態の猫用遊具100にのせたときの猫の脳波状態を示している。グラフG3は、新品状態から1ヶ月使用した状態の猫用遊具100にのせたときの猫の脳波状態を示している。また、それぞれのグラフに3本の測定結果があるのは、3回測定し、その結果を見やすいように縦方向にシフトして表示したためである。具体的には、La1、La2,La3は、特定の猫を印刷層Lpを含まない通常のマットにのせた時の脳波を3回測定した結果を表す。そして、La2及びLa3は、それぞれ縦軸に1Vずつシフトさせて表示したものである。Lb1乃至Lb3及びLc1乃至Lc3についても同じである。なお、これらは全て同じ猫についての測定結果である。
図4において、表T1、表T2及び表T3は、それぞれグラフG1、グラフG2及びグラフG3に対応する、測定された猫の脳波におけるα波の発生頻度を示している。図3及び図4より、猫用遊具100は新品の状態より、1ヶ月使用した状態のときの方が、猫はより多くのα波を出している、つまり、猫は猫用遊具100の上で、よりリラックスしていることが確認される。
次に、図5を参照して、印刷層Lpの印刷(塗布)面とマタタビ臭の強さとの関係について説明する。図5は、猫用遊具100に用いられる2枚のシートSt及びSbの一方(例えば、表シートSt)の裏面(例えば、表シート内面Ist)或いは表面(例えば、表シート外面Ost)に印刷層Lpのマタタビ粉末Sp或いは消臭成分Dpを印刷(塗布)して、表面(例えば表シート外面Ost)でのマタタビ臭の強さの経時変化を示したものである。
具体的には、4種類のシートS1a、S2a、S3a及びS4aが準備された。シートS1aは、1枚のシート(例えば、表シートSt)の裏面(例えば、表シート内面Ist)に配合率6%のマタタビ粉末Sp及び配合率3%の消臭成分Dpが印刷されている。消臭成分Dpとしては、植物系(フラボノイド、柿タンニン、イチョウ抽出液、シナレンギョウ抽出液、さとうきび抽出液、緑茶還流エキス、スギ樹皮抽出液、松・椿・オオバエキス、グラフト重合処理ブドウ糖等)及び非植物系(ベタイン化合物、ベタイン化合物・ポリアミン混合物、界面活性剤、抗菌剤、Ag化合物、ヨウ素、ビニルエーテル・酸無水物コポリマー、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、ゼオライト、活性炭等)の中から、天然植物由来である天然植物エキスRCOOH、RCHO、RNH2の構造式を有するものが用いられた。なお、ここで、天然植物とは、自然のままの植物を意味するが、人為的な栽培や肥料の施しなどが行われた植物を含む。また、Rは炭化水素基である。シートS2aは、1枚のシート(例えば、表シートSt)の表面(例えば、表シート外面Ost)に配合率6%のマタタビ粉末Sp及び配合率3%の消臭成分Dpが印刷されている。シートS3aは、1枚のシート(例えば、表シートSt)の裏面(例えば、表シート内面Ist)に3%の消臭成分Dpが印刷されている。シートS4aは、1枚のシート(例えば、表シートSt)の表面(例えば、表シート外面Ost)に配合率3%の消臭成分Dpが印刷されている。
シートS3a及びシートS4aには、マタタビ粉末Spが印刷(塗布)されていない。つまり、シートS3aはシートS1aからマタタビ粉末Spを除いたものに相当し、シートS4aはシートS2aからマタタビ粉末Spを除いたものに相当する。つまり、シートS3a及びシートS4aは、それぞれシートS1a及びシートS2aから測定されたマタタビ粉末Spと消臭成分Dpの臭いが合計された強さに、消臭成分Dpによる臭いの強さの影響を知るために、ブランク検体として用意されている。
シートS1a、S2a、S3a及びS4aのそれぞれに対して、4つの状態(新品、新品から室温で8日経過、新品から室温で14日経過、新品から室温で33日経過)の検体(大きさ:400mm×500mm)を準備し、それぞれをテーブル上に設置し、臭気強度測定装置の吸気サンプリング口を検体シート(例えば、表シートSt)の表面(表シート外面Ost)の中央部から1cmの位置に固定し臭い強度を測定した。そして、シートS1a及びシートS2aから検出されたマタタビ粉末Spと消臭成分Dpの合計臭い強度は、ブランク検体であるシートS3a及びシートS4aから検出された消臭成分Dpの臭い強度を差し引いて、補正強度を求めた。臭気強度測定装置としては、極低濃度で検知できる様々な臭いに対して数値で表示できるポータブル型ニオイセンサXP−329III(新コスモス電機(株)製)を用いた。
測定の結果、図5から読み取れるように、室温下で新品から33日経過する迄の間、それぞれの検体の表面(例えば、表シート外面Ost)から検出されたマタタビ臭は、シート(例えば、表シートSt)の裏面(例えば、表シート内面Ist)にマタタビ粉末Spが印刷されたものの方が、シート(例えば、表シートSt)の表面(例えば、表シート外面Ost)にマタタビ粉末Spが印刷されたものの方より強いことが確認される。
次に、図6を参照して、マタタビ臭の強さに対する消臭成分Dpの消臭成分の配合割合の違いによる影響について説明する。つまり、図6は、シート(例えば、表シートSt)の裏面(例えば、表シート内面Ist)に、マタタビ粉末Spと消臭成分Dpを異なる割合で印刷して、その表面(例えば、表シート外面Ost)でのマタタビ臭の強さの経時変化を示したものである。
具体的には、5種類のシートS1b、S2b、S3b、S4b及びS5bが準備された。シートS1bは、1枚のシートの裏面に配合率6%のマタタビ粉末Sp及び配合率0.5%の消臭成分Dpが印刷されている。シートS2bは、シートS1bと同様に、1枚のシートの裏面に6%のマタタビ粉末Spが印刷されているが、0.5%ではなく1%の配合率で消臭成分Dpが印刷されている。シートS3bには、シートS1b及びシートS2bと同様に、その裏面に配合率6%のマタタビ粉末Spが印刷されているが、シートS1b及びシートS2bと異なり3%の消臭成分Dpが印刷される。シートS4bには、シートS1b、シートS2b及びシートS3bと同様に、その裏面に配合率6%のマタタビ粉末Spが印刷されるが、シートS1b、シートS2b及びシートS3bと異なり消臭成分Dpは印刷されていない。シートS5bは、マタタビ粉末Sp及び消臭成分Dpのいずれも印刷されてない。
つまり、シートS4bはシートS1b、シートS2b及びシートS3bから、消臭成分Dpを除いたものに相当する。つまり、シートS4bはシートS1b、シートS2b及びシートS3bのそれぞれから測定された臭いから、消臭成分Dpの濃度の違いによる影響を知るための対照検体として用意されている。そして、シートS5bは、シートS1b、シートS2b、シートS3b及びシートS4bのそれぞれから測定された臭いから、マタタビ粉末Spと消臭成分Dpの影響を知るためのブランク検体として用意されている。
以降、上述のシートS1a、S2a、S3a及びS4aに対するのと同様に、シートS1b、S2b、S3b、S4b及びS5bのそれぞれに対して、4つの状態(新品と、新品から室温でそれぞれ8日、14日及び33日経過)の検体(大きさ:400mm×500mm)を準備し、それぞれをテーブル上に設置し、臭気強度測定装置の吸気サンプリング口を検体シートの表面の中央部から1cmの位置に固定し臭気強度を測定した。そして、シートS5bから検出された臭気強度に基づいて、シートS1b、シートS2b、シートS3b及びシートS4bから検出された臭気強度を補正した。
測定の結果、図6から読み取れるように、室温下で新品から33日経過する迄の間、日数の経過とともにマタタビ臭の強度は低下したものの、消臭成分Dpの配合率の相違(或いは有無)に関わらず、マタタビ臭の強度はほぼ同一であることが確認される。
上述のように、図5に示すように、消臭成分Dpの成分及び配合率を一定に保つ一方で、印刷面(表・裏)を違えた検体毎のマタタビ臭強度の経時変化が確認された。そして、図6に示すように、印刷面を同一(裏)として、消臭成分Dpの配合率を変化させた検体毎のマタタビ臭強度の経時変化が確認された。さらに、マタタビ臭を損なわない消臭成分Dpの確認試験を行い、その結果を以下に示す図12及び図13に纏めると共に、消臭成分Dpによる猫の臭いに対する消臭効果の確認試験(官能評価)を行い、その結果を以下に示す図14に纏めた。
図12について説明する前に、消臭成分Dpの確認試験について具体的に述べる。猫用遊具に適した消臭成分Dpを確認するために、同一の配合率(6%)のマタタビ粉末Spと、配合率は同一(3%)であるが異なる消臭成分Dpとの6種類の組み合わせでそれぞれ印刷された6種類の検体に対して、マタタビ臭強度を測定した。具体的には、表シートSt(図1)に相当する、6枚のシートS1f、S2f、S3f、S4f、S5f及びS6f(不図示)のそれぞれの裏面(表シート内面Istに相当)に、マタタビ粉末Spと4種類の消臭成分Dpとを異なる6種類の組み合わせで印刷したものを検体とした。
マタタビ粉末Sp(配合率6%)は、シートS1f〜S5fに印刷されている。なお、シートS6fにはマタタビ粉末Spは、印刷されていない。消臭成分Dp(配合率3%)は、シートS1f、S2f、S3f及びS4fには、それぞれ、イチョウ抽出液、シナレンギョウ抽出液、ゼオライト及び活性炭が印刷されている。イチョウ抽出液及びシナレンギョウ抽出液は、その構造式において、Rとしてベンゼン環上にヒドロキシ基を持つポリフェノール類を有するものが用いられた。ゼオライトは、粒径が0.2mm以下の粉体状のものが用いられた。活性炭は、平均粒径が10μmの食用竹炭パウダーが用いられた。
シートS5f及びS6fには、消臭成分Dpは印刷されていない。つまり、シートS5fにはマタタビ粉末Sp(配合率6%)のみが印刷され、シートS6fにはマタタビ粉末Spも消臭成分Dpのいずれも印刷されていない。つまり、シートS5fはシートS1f、シートS2f、シートS3f及びシートS4fのそれぞれから測定された臭いから、消臭成分Dpの種類の違いによる影響を知るための対照検体として用意されている。そして、シートS6fは、シートS1f、シートS2f、シートS3f、シートS4f及びシートS5fのそれぞれから測定された臭いから、マタタビ粉末Spと消臭成分Dpの影響を知るためのブランク検体として用意されている。
なお、シートS1f、S2f、S3f、S4f、S5f及びS6fのそれぞれのマタタビの臭気強度は、図6を参照して説明したシートS1b、S2b、S3b、S4b及びS5bの臭気強度測定と同様の方法で測定した。但し、シートS1b、S2b、S3b、S4b及びS5b(図6)に対する臭気強度測定は経時変化が確認されたが、シートS1f、S2f、S3f、S4f、S5f及びS6f(本試験)では経時変化ではなくそれぞれの新品時の臭気強度を3度にわたり繰り返し測定した。
図12に測定の結果を示す。同図より、シートS1f(消臭成分Dpとしてイチョウ抽出液を使用)及びシートS2f(消臭成分Dpとしてシナレンギョウ抽出液を使用)のマタタビ臭の強度はほぼ同一であった。さらにこれらのシートS1f及びS2fのマタタビ臭の強度は、シートS5f(消臭成分Dpが印刷されていない場合)ともほぼ同一であった。
一方、シートS3f(消臭成分Dpとしてゼオライトを使用)及びシートS4f(消臭成分Dpとして活性炭を使用)の場合は、マタタビ臭はほとんど無くなった。つまり、マタタビ臭の強度を持続する(損なわない)上で、イチョウ抽出液及びシナレンギョウ抽出液は、ゼオライト及び活性炭に比べて著しい効果があることが確認された。
次に、図13を参照して、上述のシートS1f、S2f、S3f、S4f、S5f及びS6fのマタタビ臭が猫の行動に及ぼす影響について説明する。各シートに対する猫の行動については、被験猫(猫A、猫B及び猫C)を使い、被験猫がシートをなめた回数及びシート上、或いはシートのまわりに停滞していた時間を30分間観察した。なお、被験猫(猫A、猫B及び猫C)は本願出願人が飼っている、三匹の2歳の雄猫である。
図13から、シートS1f(消臭成分Dpとしてイチョウ抽出液を使用)及びS2f(消臭成分Dpとしてシナレンギョウ抽出液を使用)は、猫がシートをなめた回数及び、シート上、或いはシートのまわりに停滞していた時間が、シートS5f(消臭成分無添加)と同程度であることから、マタタビ臭の効果が高い、つまり、消臭成分Dpによってマタタビ臭の効果が損なわれていないと判断される。一方、シートS3f(消臭成分Dpとしてゼオライトを使用)及びS4f(消臭成分Dpとして活性炭を使用)は、シートS1f及びS2fに比べて、マタタビ臭の効果が低い。シートS6fは、マタタビ粉末も消臭成分も印刷されていないため、マタタビ臭の効果は認められない。
次に、図14を参照して、消臭成分Dpによる猫の臭いの消臭効果について説明する。図14は、上述のシートS1f、S2f、S3f、S4f、S5f及びS6fそれぞれについて、猫がその上で生活した後の臭気強度の、人の臭覚による評価(官能評価)を示したものである。
具体的には、猫用飼育ケージ内に1枚のシートを敷き、猫が2日間その上で生活する条件とした(ケージ内のシートの交換は2日ごとに行った)。その後、回収したシートに対して4名のパネルメンバーで臭気官能試験を実施した。臭気官能試験は、パネルメンバーが各シートに鼻を近づけてシートの臭気強度を6段階で評価して行った。パネルメンバーの評価に対応する0から5までの数値(下記参照)の平均値をシートごとに求めて、当該シートの消臭成分Dpによる消臭効果の指標として用いた。
5:鼻をシートに近づけなくても分かる強烈な臭い。鼻を近づけて嗅ぐことは耐えられない。
4:強い臭い。鼻を近づけられるが、息を深く吸い込むことは耐えられない。
3:はっきりわかる臭い。
2:弱い臭い。
1:わずかな臭いだが、注意深く嗅ぐと悪臭を感じる。
0:悪臭を感じない。
図14から、シートS1f(消臭成分Dpとしてイチョウ抽出液を使用)及びS2f(消臭成分Dpとしてシナレンギョウ抽出液を使用)は、わずかな悪臭しか感知されず、高い消臭効果が認められる。また、シートS3f(消臭成分Dpとしてゼオライトを使用)及びS4f(消臭成分Dpとして活性炭を使用)も高い消臭効果が認められる。一方、消臭成分無添加のシートS5f及びS6fは、はっきりと悪臭が感知された。
図12、図13及び図14にその結果を示した消臭成分Dpの確認試験より、マタタビ臭の強度を持続(損なわない)しながら猫の悪臭を消臭する上で、イチョウ抽出液及びシナレンギョウ抽出液は、ゼオライト及び活性炭に比べて著しい効果があることが確認された。
一般的に、臭いを消す或いは緩和するにはいくつかの方法が考えられる。代表的には、化学的方法、物理的方法の2種類である。イチョウ抽出液及びシナレンギョウ抽出液は天然植物由来の消臭成分であり、化学的方法で臭いを消す或いは緩和する。具体的には、消臭成分が悪臭成分と選択的に結合して高分子化することにより、悪臭成分を改変すると考えられる。一方、ゼオライト及び活性炭は、物理的方法で臭いを消す或いは緩和する。具体的には、ゼオライト及び活性炭は、粒子表面に形成された微小な孔に臭いの分子を物理的に吸着させると考えられる。
この観点から図12、図13及び図14の結果を考察すると、マタタビ臭の主たる成分であるマタタビラクトン、アクチニジン、イリドミルメシン及びネペタラクトンといった物質は、悪臭成分とされるアンモニア、メチルメルカプタン、アセトアルデヒド、トリメチルアミンといった物質より分子量が大きく、イチョウ抽出液及びシナレンギョウ抽出液といった物質と簡単には結合できないと考えられる。
一方、ゼオライト及び活性炭のように物理的に分子を吸着させるものに対しては、マタタビラクトン、アクチニジン、イリドミルメシン及びネペタラクトンといった物質は、悪臭成分と同様に捕獲される。つまり、イチョウ抽出液及びシナレンギョウ抽出液に代表されるような天然植物由来の消臭成分は、マタタビ臭に対しては消臭効果を示さないが、分子量の小さい悪臭成分に対しては消臭効果を示すという選択的な消臭効果を発揮すると考えられる。従って、本実施の形態の猫用遊具では、図12、図13及び図14に示した実施例のイチョウ抽出液及びシナレンギョウ抽出液に限定されることなく、天然植物由来の消臭成分を使用することができるといえる。これは言い換えると、化学吸着する消臭成分を利用する、若しくは物理吸着でない消臭成分を使用できるともいえる。
この点について、さらに詳述する。図15、図16、図17及び図18に、ガスクロマトグラフ(島津製作所製)による分析を行った結果を示す。キャピラリーカラム(DB17)は、0.53mm×30mのものを使用し、キャリアガスはヘリウムガスで、圧力は120kPaとした。また、検体の注入量は、それぞれ2μLである。分析は、120℃にしたキャピラリーカラムに検体を注入し、10分間そのままの温度に維持した。その後120℃から200℃まで、昇温レート5℃/minの昇温分析を行い、温度が200℃に達した後は200℃で維持して分析を行った。
検体は以下の4種類とした。
(1)マタタビ粉末約30mgをエタノール5mLに溶かした溶液(図15)。
(2)天然植物由来消臭成分約15mgをエタノール5mLに溶かした溶液(図16)。
(3)マタタビ粉末約30mgに天然植物由来消臭成分約15mgを加えてエタノール5mLに溶かした溶液(図17)。
(4)マタタビ粉末約30mgに活性炭約15mgを加えてエタノール5mLに溶かした溶液(図18)。
図15を参照して、検出時間が約2分までにある大きなピークはエタノールのものと考えられる。これはすべての結果(図15から図18まで)について同じである。マタタビ粉末からは35分(200℃)までの間に多くの成分が検出された。
図16を参照すると、天然植物由来消臭成分は、18分前後、23分前後、26分前後に小さなピークが出るものの、大きなピークは見られなかった。
図17は、マタタビ粉末と天然植物由来消臭成分との混合物の溶液の分析結果であり、本発明の猫用遊具のシートに印刷する塗布材と、バインダ成分を除いてほとんど同じ成分である。この検査結果を図15のマタタビ粉末単独の場合と比較すると、ほとんどすべてのピークについて、マタタビ粉末単独の場合とピークの大きさが変わっていない。
図18は、マタタビ粉末と活性炭との混合物の溶液の分析結果である。この図18とマタタビ粉末単独の結果である図15を比較すると、マタタビ粉末の成分の多くが検出されなかったことがわかる。これは、図12で示したマタタビ臭強度の試験とよく一致する結果であり、エタノールを使用した溶出されやすい条件下にもかかわらず、活性炭がマタタビ粉末の臭い成分を吸着していることを示すものである。
すなわち、本発明で用いる消臭成分は、物理吸着でない消臭成分である。また、言い換えると、本発明の天然植物由来の消臭成分(化合物)は、マタタビ粉末と一緒に用いても、マタタビ粉末の臭い成分を吸着せず(図17)、悪臭成分は消臭する(図14)成分であるといえる。
消臭成分を抽出する天然植物としては、カルボキシル基、ホルミル基、アミノ基のいずれかを持つ芳香性化合物を有する天然植物が望ましい。これらの芳香性化合物は、より具体的には、RCOOH、RCHO、RNH2と表すことができる。なお、ここで、Rは炭化水素を表す。また、これらの成分は少なくとも1種類あればよく、3種類全て若しくは2種類を同時に含んでいなくてもよい。
上記のような芳香性化合物(消臭成分)を抽出できる天然植物として、以下のような天然植物が挙げられる。例えば、ヒイラギモクセイ、キリ、ツワブキ、シナレンギョウ、ライラック、フキ、カキノキ、コナラ、ヤマナラシ、シダ、コバノトネリコ、イチジク、ゼンマイ、オオバコ、ヨモギ、ヤマモミジ、サルスベリ、シロバナハギ、ムラサキカタバミ、ドクダミ、クロマツ、クヌギ、シナノキ、カナメモチ、アスパラガス、レンギョウ、イチョウ、トキワマンサク、カツラ、タニウツギ、アセビ、チョウセンレンギョウ、カシ、ポプラ、サクラ、クスノキ、アカシア、ツツジ、アベリア、シダレヤナギ、ヤナギ、マツ、スギ、モミ、ツガ、ヒメコマツ、セコイヤ、メタセコイヤ、ウラジロモミ、トドマツ、アカエゾマツ、エゾマツ、トウヒ、アカマツ、チョウセンマツ、ヒメコマツ、キタゴヨウマツ、クロマツ、ハイマツがある。つまり、これらの天然植物由来の芳香性化合物は、本実施の形態の猫用遊具における消臭成分として利用することができる。
次に、図7を参照して、高堅牢度のバインダBmを用いて、印刷層Lpを印刷した場合のマタタビ粉末Spの固定化について説明する。図7は、シート(例えば、表シートSt)の裏面(例えば、表シート内面Ist)に、異なる堅牢度のバインダBmでマタタビ粉末Spを印刷固定して、水洗い後のマタタビ臭の強度の変化(低下)の程度を示したものである。
具体的には、4種類のシートS1c、S2c、S3c及びS4cが準備された。シートS1cは、1枚のシートの裏面に配合率6%のマタタビ粉末Sp及び配合率3%の消臭成分Dpが高堅牢度バインダBmで印刷されている。具体的には、バインダBmはアクリル酸エステル共重合体樹脂、メタアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、グリオキザ−ル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−アクリレート−メタアクリレ−ト共重合体樹脂などの中から高堅牢度のアクリル酸エステル共重合体樹脂を選択し、配合率88.5%で用いられている。バインダBmは、5%以上99%以下の配合率で使用できる。シートS2cは、シートS1cと同様に、1枚のシートの裏面に配合率6%のマタタビ粉末Spと配合率3%の消臭成分Dpが、通常のバインダBmで印刷されている。具体的には、バインダBmはポリエステル系樹脂からなり、配合率88.5%で用いられている。
シートS3cには、マタタビ粉末Spも消臭成分Dpも無く、シートS1cで用いられた高堅牢度バインダBmのみが88.5%の配合率で、裏面に印刷されている。シートS4cは、シートS3cと同様に、マタタビ粉末Spも消臭成分Dpも無く、シートS2cで用いられた通常のバインダBmのみが88.5%の配合率で印刷されている。シートS2cは、バインダBmの違いによる影響を知るための、シートS1cに対する対照検体として用意されている。
シートS3c及びシートS4cは、それぞれシートS1c及びシートS2cから、マタタビ粉末Spと消臭成分Dpを除いたものに相当する。つまり、シートS3c及びシートS4cは、シートS1c及びシートS2cのそれぞれから測定された臭いから、マタタビ粉末Sp及び消臭成分Dpの影響を知るためのブランク検体として用意されている。
このように準備されたシートS1c、シートS2c、シートS3c及びシートS4c(大きさ:400mm×500mm)のそれぞれのマタタビ臭強度を上述と同様の方法で検出した後に、容積が約10Lのバケツに入れた約5Lの水中に30分間浸漬する。その後、浸漬されたシートを、約1分間手もみ洗いをし、水を絞った後に、50℃に設定された乾燥機内で30分間乾燥させる。乾燥したシートをテーブル上に広げ、上述と同じ方法で臭い強度を測定した。なお、シートS1c及びシートS2cから検出されたマタタビ臭の強度は、それぞれのブランク検体であるシートS3c及びシートS4cから検出された臭気強度により補正されている。
測定の結果、図7から読み取れるように、通常のバインダBmを用いたシートS2cのマタタビ臭強度(補正値)は洗浄前後で約半減しているが、高堅牢度バインダBmを用いたシートS1cのマタタビ臭強度(補正値)は洗浄前後でも殆ど低下していないことが確認される。これにより、本例では、アクリル酸エステル共重合体樹脂を用いた高堅牢度バインダBmを用いることによって、印刷層Lpを安定してシート(表シートSt或いは裏シートSb)に固定できることが分かる。
次に、図8を参照して、消臭成分Dpによる猫の臭いの消臭効果について説明する。図8は、シート(例えば、表シートSt)の表面(例えば、表シート外面Ost)に、同一の配合率のマタタビ粉末Spと異なる配合率の消臭成分Dpを印刷したものに、異なる悪臭成分を添加して、検出される臭気強度の経時変化を示したものである。
具体的には、4種類のシートS1d、S2d、S3d及びS4dが準備された。シートS1d、S2d、S3d及びS4dの表面には、配合率6%のマタタビ粉末Spと、それぞれ0.5%、1%及び3%と異なる配合率の消臭成分Dpが印刷されている。シートS1d及びシートS2dには悪臭成分が添加されるが、シートS3d及びシートS4dには悪臭成分は添加されない。つまり、シートS3d及びシートS4dは、それぞれ、シートS1d及びシートS2dに対する悪臭成分の影響を知るためのブランク検体として用意されている。
シートS1d、S2d、S3d及びS4dのそれぞれに対して、2つの状態(新品と、新品から室温で33日経過)の検体(大きさ:100mm×400mm)を準備し、それに臭源溶液を処理し、速やかに容積が2Lのデシケーター内の底部に置き、密封して室温下で30分間放置した。その後、臭気強度測定装置の吸気サンプリング口をデシケーター上部より入れ、内部の臭気強度を測定した。なお、各検体から検出された悪臭の強度は、ブランク検体で表示された強度で差し引き補正した。図8において、悪臭成分としてアセトアルデヒド及びトリメチルアミンを用いた場合の結果をそれぞれ表T4及び表T5に示している。
表T4から、1%及び3%の配合率で消臭成分Dpが印刷されたシートS1d及びシートS2dに対して、アセトアルデヒドを処理した場合、いずれも消臭率は50%を超えており消臭効果が認められる。また、表T5からは、1%及び3%の配合率で消臭成分Dpが印刷されたシートS1d及びシートS2dに対してトリメチルアミンを処理した場合、いずれも消臭率は98%を超えており、高い消臭効果が認められる。つまり、消臭成分Dpの配合率としては、0.1%以上10%以下が好ましく、より好ましくは0.5%以上5%以下である。なお、配合率が0.1%以下では、消臭効果がなく、また10%以上では、消臭率が一定となり配合率を増やす必要がなくなる。したがって、経済的な面からも消臭成分を10%以上とする必要はない。
次に、図9を参照して、マタタビ臭が猫の脳に与える癒し効果について説明する。既に図3及び図4を参照して、猫用遊具100上にのせた猫の脳波について説明したが、ここでは猫の脳波と共に、猫の行動に関して述べる。図9は、マタタビ粉末Spと消臭成分Dpを所定の配合率で印刷したシートの新品と33日経過したものの猫に対する効果を示している。
具体的には、4種類のシートS1e、S2e、S3e及びS4eが準備された。シートS1eは、裏面に配合率6%のマタタビ粉末Sp及び配合率3%の消臭成分Dpを印刷したシートの新品である。シートS2eは、シートS1eを室温下で33日経過させたものである。また、シートS3eは、シートS1eを同じく室温下で40日経過させたものである。シートS4eは、マタタビ粉末Sp及び消臭成分Dpが印刷されていないものである。つまり、シートS4eはシートS1e、S2e及びシートS3eに対するブランク検体として用意されている。
このように準備されたシートS1e、シートS2e、シートS3e及びシートS4eをそれぞれ、外界の刺激(音など)が入らない部屋にて、椅子に座った人のひざ上に検体シートを置き、その上で被験猫を抱き、被験猫をリラックスした状態とした。なお、被験猫は上述の、三匹の2歳の雄猫(猫A、猫B及び猫C)である。被験猫Aには脳波測定用+電極を頭頂部中央の1箇所、−電極及びGRD電極は右耳内部に電極用ペーストを塗って取り付けた後、約2分間、猫の脳波を計測した。計測後、24秒間の範囲内で基礎律動波(α波の脳波成分;Slowα、及びMiddleα、Fastα)の発生頻度及び大きさを全数抽出し、3反復の平均値を算出した。なお、脳波計測は、電磁波を遮断したシールドルーム内に設置した陰極線オシロスコープ(三栄測器(株)製)を用い、出力信号を波形解析装置((株)キーエンス製NR−500、NR−HA08)により2分間収集し解析した。なお、シートS3eについては、脳波は測定していない。シートに対する猫の行動については、猫A、猫B及び猫Cを使い、猫がシートをなめた回数及びシート上、或いはシートのまわりに停滞していた時間を30分間観察した。
図9から、シートS4eに比べて、シートS1e及びシートS2eの方が、猫のα波発生頻度が増え出力も大きくなった。特に陶酔効果が出始めると増えるSlowαの頻度が多くなっている。また、猫の行動に関しても、シートをなめたり、その上や周辺でじゃれついたりする行動が顕著に見受けられたことから、脳波のα波発生頻度と連動した結果となった。つまり、人の脳波の医学的知見とほぼ一致した陶酔状態に近い脳波(Slowαなど)がマタタビ臭により認められた。また、シートS3eでは、シートをなめたり、その上や周辺でじゃれついたりする行動が全く見られなかったので、マタタビ臭の効果が失活してしまったと判断できる。
次に、図10を参照して、経時に伴うマタタビ臭の残存率の変化について説明する。図10(a)は、室温(25℃)下でマタタビ粉末Spからマタタビ臭の成分を自然蒸散させたときの経過日数とマタタビ臭の残存率(%)を示している。同図において、縦軸はマタタビ臭の残存率(%)を示し、横軸は経過日数を示している。つまり、マタタビ臭の残存率は、経過日数がゼロの場合を100%として、10日目を経過するまでに30%ほどまでに急激に減少し、その後なだらかに減少して35日目頃でゼロになる。
図10(b)は、マタタビ粉末Spの印刷(塗布)量が異なる場合の室温(25℃)下でのマタタビ臭残存量の経時変化を示している。なお、マタタビ臭残存量は、シートに印刷されたマタタビ粉末Spと乾燥後の固形物の量に基づいて算出される。同図において、縦軸はマタタビ臭残存量(mg/m)を示し、横軸は経過日数を示す。線L1、線L2、線L3、線L4及び線L5はそれぞれ、経過日数がゼロの時のマタタビ臭残存量が2739.9mg/m、548.0mg/m、465.8mg/m、91.3mg/m及び15.5mg/mの場合のマタタビ臭残存量の日数経過による変化を示している。なお、マタタビ臭残存量が15.0mg/m未満の場合は、猫はシートに反応を示さず、マタタビ臭残存量が15.0mg/mが猫に対するマタタビ臭の効力閾値であることを本願発明者は確認した。よって、経過日数がゼロの時点での初期マタタビ臭残存量が2739.9mg/m、548.0mg/m、465.8mg/m、91.3mg/m及び15.5mg/mのそれぞれが効力閾値である15.0g/mまでに減衰するまでの日数を調べたものである。
図10(c)は、図10(b)における縦軸の尺度をより細かくすると共に、横軸の尺度をより粗くして表示している。同図に示すように、効力閾値である15.0mg/mまで減衰するまでの日数は、線L1(初期マタタビ臭残存量が2739.9mg/m)で約47日であり、線L2(初期マタタビ臭残存量が548.0mg/m)は約33日であり、線L3(初期マタタビ臭残存量が465.8mg/m)は約31日であり、線L4(初期マタタビ臭残存量が91.3mg/m)は約16日であることが見て取れる。
これより、猫用遊具100におけるマタタビ粉末Spの印刷(塗布)量は、効力閾値である15.0mg/mをマタタビ臭残存量の下限値と設定する。なお、上限値は大きいほど有効日数の増大が予期されるが、スクリーン印刷の技術的制約(スクリーンの目の粗さとマタタビ粒度の関係)より、現時点では2739.9mg/mをマタタビ臭残存量の上限値として設定する。つまり、マタタビ粉末Spの印刷(塗布)量は、マタタビ臭残存量として15.0mg/m以上2739.9mg/m以下が好ましく、より好ましくは18.3mg/m以上146.1mg/m以下である。
このように、好ましい本発明の形態としては、内部に印刷層Lpが塗布された状態の猫用遊具100の袋内に、猫が手を入れられないように、縁取り部Phはロック縫い等の手段により、表シートSt及び裏シートSbの周囲を強固に固定される。しかしながら、猫用遊具100の内壁に塗布された印刷層Lpを猫から守る目的が果たせるのであれば、縁取り部Phの変わりに、単に表シートSt及び裏シートSbの周囲を縫い合わせたり、接着剤で接合したりしてもよい。バイアステープやパイピングより張りを待たせるように、表シートStと裏シートSbを縫い合わせてもよい。また、表シートSt及び裏シートSbは、それぞれ個別の2枚のシートとしてではなく、1枚の長尺のシートを折り返したり、一方が開口した袋状としたりすることもできる。
また、猫用遊具100は、図1に示した矩形のマット状に構成されるばかりでなく、様々な形状に構成してもよいことは上述の通りである。また、図11(a)に示すように、印刷層Lpは任意の模様を有して表シートSt或いは裏シートSbに印刷することにより、商品としての見栄えを改善することもできる。
図11(b)に、猫用遊具100の取り得る形状の一例を示す。猫用遊具100の上部に透明或いは不透明のシートを付加して封筒状或いはテント・ドーム状に構成してもよい。また、ハンカチ状或いはバンダナ状として構成してもよい。さらに、動物に似せた形状或いは、抱き枕状に構成することもできる。
本発明は、猫の遊具として利用できる。
100 猫用遊具
St 表シート
Sb 裏シート
Lp 印刷層
Sp マタタビ粉末
Dp 消臭成分
Bm バインダ

Claims (1)

  1. マタタビ粉末と消臭成分とバインダを塗布した印刷層を備え、
    前記消臭成分は、天然植物由来の化合物であると共に、前記印刷層における配合率が0.5%以上かつ5%以下であることを特徴とする猫用遊具。
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