JP4328843B2 - 多機能天然資材並びに多機能天然資材の製造方法 - Google Patents

多機能天然資材並びに多機能天然資材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は多機能天然資材並びに多機能天然資材の製造方法に関する。詳しくは、安全性が高い天然素材を用いた多機能天然資材並びに多機能天然資材の製造方法に係るものである。
現代人は、ペットを住宅内で飼うこともあるため、冬場でもノミ、ダニ等の害虫が発生し、各種アレルギーの原因となっている。また、日中、誰もいない一般家庭の室内は換気や通気が行なわれないことが多いため、カビが発生しカビ臭が問題となり、また、生ゴミ臭やペット臭も問題となっている。このような臭気を消臭除去することが求められている。
また、病院や老人介護施設では、尿失禁等に伴う不快な尿臭(アンモニア臭)の問題も起きている。
また、現代の住宅は、ホルムアルデヒドを使用した合板、防腐剤を使用した建築材料、殺虫剤を含有した防虫加工紙や畳等が使用されており、これらに含まれるホルムアルデヒド等の揮発性汚染物質の影響で、シックハウス症候群や化学物質過敏症が引き起こされ、社会問題となっている。
また、日本国の厚生労働省において、室内空気中に存在する揮発性有機化合物(VOC)の室内濃度指針値が設定されている。関連して、日本国の文部科学省では「学校環境衛生の基準」の改訂を、また、日本国の国土交通省では「建築基準法」や「住宅品質確保促進法」を、日本国の経済産業省では「室内空気中のホルムアルデヒド類、揮発性有機化合物の測定方法」をそれぞれJIS(日本工業規格)化している。更に、室内空気汚染物質に関する日本国の取り組みも活発化している。
このような状況から、悪臭やダニ、ゴキブリ等の害虫問題を解消し、また、シックハウス症候群や化学物質過敏症の問題を解消し、快適な環境に改善することが求められていた。そこで、従来、様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸またはそのアルカリ金属塩を使用するペット用害虫忌避剤が記載されている。
また、特許文献2には、過酸化物の水溶液を室内に噴霧することにより、シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因となる物質を除去し、室内空気を浄化する方法が記載されている。
更に、特許文献3には、ジャスモン酸系化合物とデルタラクトン類を消臭成分とした消臭剤が記載されている。
特開2001−31505号公報 特開2001−170147号公報 特開2002−253651号公報
しかしながら、これらの特許文献は、個々の環境に対する効能や効果を有することしか提案しておらず、複合的な環境の場合は多種類の薬剤を使用しなくてはならない上に、多種類の薬剤による副作用の心配があった。
従って、様々な薬剤を使用することなく、安全性の高い天然素材を用いた方法が好ましい。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、安全性の高い天然素材を用いて、空気中の汚染物質を除去できる多機能天然資材、並びにこのような多機能天然資材の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究した結果、安全性の高い天然素材である植物のベチバーの根から香り成分を除去したものが、シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因となるホルムアルデヒドを除去し、更にアンモニア等多種多様な臭気成分を除去することを知見し、本発明を完成するに至った。
特に従来の消臭剤は、精油自体の香りによるマスキング効果や、その精油成分と臭い成分との結合による消臭効果等が主要なメカニズムとして考えられてきたが、驚くべきことに、ベチバー特有の香りが除去されたベチバーの根に、優れた消臭効果があることが知見された。
本発明は上記の知見に基づくものであり、本発明の多機能天然資材は、安全性が高い天然素材を用いた多機能天然資材において、香り成分が除去された、揮発成分を除去可能なベチバーの根を有することを特徴とする。
ここで、香り成分が除去されているので、香り成分が発する香りが嫌いな人に対して不快感を与える心配がない。
また、本発明の多機能天然資材において、ベチバーの根は、害虫忌避機能、消臭機能、または、ホルムアルデヒド除去機能を備えるので、様々な用途に使用できる。
また、本発明は上記の知見に基づくものであり、本発明の多機能天然資材の製造方法は、安全性が高い天然素材を用いた多機能天然資材の製造方法において、ベチバーの根から香り成分を除去する香り除去工程を有することを特徴とする。
また、本発明の多機能天然資材の製造方法において、香り除去工程の後に、ベチバーの根を乾燥する乾燥工程を有する場合、ベチバーの根のカビや腐敗を予防できる。
また、本発明の多機能天然資材の製造方法において、乾燥工程は、105℃以下で行なわれる場合、ベチバーの根に含まれる油分に起因する発火を抑制できる。
また、本発明の多機能天然資材の製造方法において、香り除去工程の後に、ベチバーの根を所定の大きさに切断する切断工程を有する場合、加工しやすく、表面積が大きいベチバーの根が得られる。
また、本発明の多機能天然資材の製造方法において、切断工程の後に、ベチバーの根を温風で乾燥する温風乾燥工程を有する場合、ベチバーの根の切断残さを温風で除去することができる。
また、本発明の多機能天然資材の製造方法において、乾燥工程の後に、ベチバーの根を所定の大きさに切断する切断工程を有し、切断工程の後に、更にベチバーの根を乾燥する乾燥工程を有する場合、乾燥されたベチバーの根を切断するので、水分が充分に除去されて切断しやすくなり、また、切断後に再度、ベチバーの根を乾燥するので、乾燥後すぐにベチバーの根を袋に密封でき、袋内でのカビを予防できる。
また、本発明の多機能天然資材の製造方法において、香り除去工程は、水蒸気蒸留法によって香り成分を除去する場合、簡単で手早く香り成分を除去できる。
本発明に係る多機能天然資材は、安全性の高い天然素材を用いて、空気中の汚染物質を除去できる。
本発明に係る多機能天然資材の製造方法は、安全性の高い天然素材を用いて、空気中の汚染物質を除去できる多機能天然資材を製造できる。
水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根のアンモニアに対する消臭率を示すグラフである。 水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根のホルムアルデヒドに対する消臭率を示すグラフである。 水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根のイソ吉草酸に対する消臭率を示すグラフである。 水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根の酪酸に対する消臭率を示すグラフである。 水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根のトリメチルアミンに対する消臭率を示すグラフである。
本発明を適用した多機能天然資材は、香り成分が除去された、揮発成分を除去可能なベチバーの根を有する。ベチバー(学名「Vetiveria zizaniodes」)は、インド原産のイネ科の多年生草木である。
また、香り成分を除去できればどのような方法を用いてもよいが、例えば、前処理として、ベチバーの根を水洗い後1〜2日間天日乾燥し、その後約1週間、風通しのよいところで陰干しをする。そして、4〜5気圧の蒸気圧による水蒸気蒸留にて、12〜30時間の長い時間をかけて、ベチバーの根から香り成分を抽出(除去)する。
香り成分が除去されたベチバーの根は、次に27〜105℃、好ましくは27〜60℃の温風で乾燥されて、水分が取り除かれる。また、乾燥することができれば、必ずしも温風で乾燥しなくてもよく、例えば自然乾燥でもよい。
そして、乾燥されたベチバーの根は、例えば1〜30cmの長さに切断され、切断されたベチバーの根は、通気性の良い容器または不織布等に入れられて、用途に応じて、消臭剤や害虫忌避剤となる。
また、切断後に乾燥を行なってもよく、切断後に例えば温風乾燥することで、切断残さを除去でき、また、袋詰め密封の前に湿気を除去して袋内でのカビ発生を防ぐことができる。
また、乾燥と同時に滅菌処理を行なってもよく、滅菌処理を行なうことで、本発明の多機能天然資材は、抗菌機能も有することになる。例えば、香り成分が除去されたベチバーの根を切断し、15〜17時間、乾燥及び滅菌室に入れた後、密封袋に詰める。
また、本発明を適用した多機能天然資材が、香り成分が除去された、揮発成分を除去可能なベチバーの根を有するのであれば、必ずしも香り成分を除去した後に乾燥しなくてもよく、また、必ずしも香り成分が除去されたベチバーの根は1〜30cmの長さに切断されなくてもよく、例えば、粒状もしくは粉状に粉砕もしくは破砕して使用することができ、形状や長さ等は限定されない。
また、必ずしも香り成分を除去した後に乾燥しなくてもよいが、香り成分を除去した後に乾燥させると、カビや腐敗を予防できて好ましい。
また、必ずしも香り成分が除去されたベチバーの根は1〜30cmの長さに切断されなくてもよいが、このように所定の大きさに切断されたものであれば、加工しやすく、また表面積も大きくなって好ましい。
また、香り成分が除去されたベチバーの根は、使用目的に応じて、例えば布団、マット、クッション等の通気性を有する袋体、例えば便座カバー、トイレ用スリッパ等のトイレ用品、例えばエアコンディショナー、空気清浄機、加湿器等の空気調節装置用エアフィルター、例えばオムツ、失禁パッド、ナプキン等の介護用品、例えば壁紙や建材等の建築資材、ペット関連用品等多種多様な異臭発生源に配置したり、織り込んだりして使用することができる。また、香り成分が除去されたベチバーの根の使用量は、使用目的や使用形態等に応じて適宜選択できる。
次に、各種物質に対する消臭効果を確認するために次のような消臭試験を行なった。
〔アンモニア消臭試験〕
先ず、香り成分が除去されずに乾燥されたベチバーの根(以下、「ベチバー乾燥根」とする。)と、水蒸気蒸留によって香り成分が除去されていると共に乾燥されたベチバーの根(以下、「水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根」とする。)を、粉砕機(mill)で粉末状にし、また、活性炭を乳鉢と乳棒で粉末状にして、各種試料を得た。
次に、テドラーバッグの口元の栓をはずし、検知管に合う太さのシリコンチューブに付け替え、試料注入場所としてテドラーバッグの隅を折り曲げてテープで止めた。折り曲げていない隅に容積が変わらないように切り口を入れ、約5gに精秤した試料を切り口から入れた後にテープで切り口に封をした。
そして、ポンプでテドラーバッグ内部の空気を抜き、積算流量計を用いて圧縮空気を4リットル入れ、クリップでシリコンチューブを閉じて密閉した。折り曲げてテープで止めていた部分即ち試料が付着していない部分にマイクロシリンジ(10マイクロリットル容)を刺し、25%アンモニア水10マイクロリットルを注入した。
そして、マイクロシリンジによって穴の開いた部分は、直ちにテープで閉じ、ドライヤーでテドラーバッグ全体を熱してアンモニア水を気化させた。その後、2分後、10分後、20分後、40分後、80分後、160分後というように間隔を置き、検知器及び検知管を使用して、アンモニアの濃度(ppm)を測定し、消臭率を下記式により算出した。結果を、表1及び図1に示す。
消臭率(%)={ブランク濃度−(試料濃度/ブランク濃度)}×100
Figure 0004328843
表1及び図1から判るように、水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根粉末が、アンモニアの消臭を始めて2分経過した時点で75%も消臭しており、3つの試料の中で最も急速にアンモニアを消臭した。
〔ホルムアルデヒド消臭試験〕
先ず、ベチバー乾燥根と、水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根を、粉砕機で粉末状にし、また、活性炭を乳鉢と乳棒で粉末状にして、各種試料を得た。
次に、テドラーバッグの口元の栓をはずし、検知管に合う太さのシリコンチューブに付け替え、試料注入場所としてテドラーバッグの隅を折り曲げてテープで止めた。折り曲げていない隅に容積が変わらないように切り口を入れ、約5gに精秤した試料を切り口から入れた後にテープで切り口に封をした。
そして、ポンプでテドラーバッグ内部の空気を抜き、積算流量計を用いて圧縮空気を4リットル入れ、クリップでシリコンチューブを閉じて密閉した。折り曲げてテープで止めていた部分即ち試料が付着していない部分にマイクロシリンジ(10マイクロリットル容)を刺し、ホルムアルデヒド0.4マイクロリットルを注入した。
そして、マイクロシリンジによって穴の開いた部分は、直ちにテープで閉じ、ドライヤーでテドラーバッグ全体を熱して溶液を気化させた。その後、2分後、10分後、20分後、40分後、80分後というように間隔を置き、検知器及び検知管を使用して、ホルムアルデヒドの濃度を測定し、消臭率を算出した。結果を表2及び図2に示す。
Figure 0004328843
表2及び図2から判るように、水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根粉末は、活性炭粉末と同じく70%以上の消臭率でホルムアルデヒドを消臭した。
〔イソ吉草酸消臭試験〕
先ず、ベチバー乾燥根と、水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根を、粉砕機で粉末状にし、また、活性炭を乳鉢と乳棒で粉末状にして、各種試料を得た。
次に、テドラーバッグの口元の栓をはずし、検知管に合う太さのシリコンチューブに付け替え、試料注入場所としてテドラーバッグの隅を折り曲げてテープで止めた。折り曲げていない隅に容積が変わらないように切り口を入れ、約3gに精秤した試料を切り口から入れた後にテープで切り口に封をした。
そして、ポンプでテドラーバッグ内部の空気を抜き、積算流量計を用いて圧縮空気を4リットル入れ、クリップでシリコンチューブを閉じて密閉した。折り曲げてテープで止めていた部分即ち試料が付着していない部分にマイクロシリンジ(10マイクロリットル容)を刺し、イソ吉草酸2マイクロリットルを注入した。
そして、マイクロシリンジによって穴の開いた部分は、直ちにテープで閉じ、ドライヤーでテドラーバッグ全体を熱して溶液を気化させた。その後、2分後、10分後、20分後、40分後、80分後というように間隔を置き、検知器及び検知管を使用して、イソ吉草酸の濃度を測定し、消臭率を算出した。結果を表3及び図3に示す。
Figure 0004328843
表3及び図3から判るように、消臭を始めて10分後、20分後、40分後の水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根粉末のイソ吉草酸に対する消臭率は、ベチバー乾燥根粉末のイソ吉草酸に対する消臭率よりも高い値を示した。また、消臭を始めて10分経過した後は、80%を超える高い消臭率を示した。
〔酪酸消臭試験〕
先ず、水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根を、粉砕機で粉末状にして試料を得た。また、活性炭粉末試料として、粒径約350メッシュのものを用意した。
次に、テドラーバッグの口元の栓をはずし、検知管に合う太さのシリコンチューブに付け替え、試料注入場所としてテドラーバッグの隅を折り曲げてテープで止めた。折り曲げていない隅に容積が変わらないように切り口を入れ、約5gに精秤した試料を切り口から入れた後にテープで切り口に封をした。
そして、ポンプでテドラーバッグ内部の空気を抜き、積算流量計を用いて圧縮空気を4リットル入れ、クリップでシリコンチューブを閉じて密閉した。折り曲げてテープで止めていた部分即ち試料が付着していない部分にマイクロシリンジ(10マイクロリットル容)を刺し、酪酸2マイクロリットルを注入した。
そして、マイクロシリンジによって穴の開いた部分は、直ちにテープで閉じ、ドライヤーでテドラーバッグ全体を熱して溶液を気化させた。その後、10分後、20分後、40分後、80分後というように間隔を置き、検知器及び検知管を使用して、酪酸の濃度を測定し、消臭率を算出した。結果を表4及び図4に示す。
Figure 0004328843
表4及び図4から判るように、水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根粉末は、活性炭粉末と同じく85%以上の消臭率で酪酸を消臭した。
〔トリメチルアミン消臭試験〕
先ず、水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根を、粉砕機で粉末状にして試料を得た。また、活性炭粉末試料として、粒径約350メッシュのものを用意した。
次に、テドラーバッグの口元の栓をはずし、検知管に合う太さのシリコンチューブに付け替え、試料注入場所としてテドラーバッグの隅を折り曲げてテープで止めた。折り曲げていない隅に容積が変わらないように切り口を入れ、約5gに精秤した試料を切り口から入れた後にテープで切り口に封をした。
そして、ポンプでテドラーバッグ内部の空気を抜き、積算流量計を用いて圧縮空気を4リットル入れ、クリップでシリコンチューブを閉じて密閉した。折り曲げてテープで止めていた部分即ち試料が付着していない部分にマイクロシリンジ(100マイクロリットル容)を刺し、トリメチルアミン100マイクロリットルを注入した。
そして、マイクロシリンジによって穴の開いた部分は、直ちにテープで閉じ、ドライヤーでテドラーバッグ全体を熱して溶液を気化させた。その後、2分後、10分後、20分後、40分後、80分後というように間隔を置き、検知器及び検知管を使用して、トリメチルアミンの濃度を測定し、消臭率を算出した。結果を表5及び図5に示す。
Figure 0004328843
表5及び図5から判るように、消臭を始めて10分経過した後、水蒸気蒸留後ベチバー乾燥根粉末は、活性炭粉末と同じ消臭率でトリメチルアミンを消臭した。
また、本発明の害虫忌避効果を確認するために、次のような忌避試験を行なった。
〔ダニ忌避試験〕
外径約90mm、高さ約20mmの円形の第1のガラスシャーレ内に、生存ダニ(ヤケヒョウヒダニ)数約3000匹を含む量のダニ培地を均一に広げ、直径100mm以上の昆虫用粘着トラップ上に置いた。次に、第1のガラスシャーレ内の中央に、外径約45mm、高さ約15mmの円形の第2のガラスシャーレを置いた。
そして、第2のガラスシャーレ内には、予め第2のガラスシャーレの内径と略同じサイズに切り抜いた試料(香り成分が除去されたベチバーの根で構成されたもの)を敷きこみ、第2のガラスシャーレの中心から半径約5mmの範囲内に、ダニを誘引するための誘引用粉末飼料0.05gを置いた。
そして、昆虫用粘着トラップと共にこれらガラスシャーレを、飽和食塩水の入った食品保存用プラスチック製容器に入れて密封した。
次に、この食品保存用プラスチック製容器を全暗状態の恒温器中に静置し、容器内が25±1℃、75±5%RHを維持している状態で24±1時間飼育した後、第2のガラスシャーレ内の試料からウォータージェット方式にてダニを回収し、ダニの数を計数した。なお、香り成分が除去されたベチバーの根で構成された試料の代わりに、通常のベニヤ板を試料として第2のガラスシャーレ内に敷きこんだ場合についても同様に試験を行なった。試験は、ばらつきを考慮して再び試料を戻し、3回繰り返して行なった。
ここで、ウォータージェット方式とは、試料を、直径18cm、30メッシュの篩の上に広げ、この篩の下に篩と同径のパット(容量5リットル)を置いて、シャワーで勢いよく試料に水を吹き付ける方式である。この操作により、試料に付着したダニは洗い出され、下のパットに落ち、パットが満水になったら、パット内の水を全て吸引ろ過した。この操作を、ダニが試料に見られなくなるまで2〜3回繰り返した。
試験を3回繰り返して、下記式により忌避率を算出した。
忌避率(%)={1−(試料のダニ数/ダニ培地のダニ数)}×100
結果を表6に示す。表中、「アカルB−150」は、香り成分が除去されたベチバーの根で構成された試料を示し、ダニ数は試験3回分の合計である。
また、比較のために、「アカルB−150」の代わりに香り成分が除去されていないベチバーの根で構成された試料(ペーパーホルダーカバー)を用いた点と、生存ダニ(ヤケヒョウヒダニ)数約2400匹を含む量のダニ培地を用いた点以外は、上記と同様に試験を行なった。結果を表7に示す。
Figure 0004328843
Figure 0004328843
〔ゴキブリ忌避試験〕
(財)日本環境衛生センターの試験方法(検体を処理したシェルター中への供試虫の潜伏状況から効力を判定する方法)に準拠して試験を行なった。以下、詳述する。
高さ20cm×横26cm×縦15cmの紙製で内部が樹脂加工された容器(対照区)中に、7×7cmに切った試料即ち、「アカルB−150」(香り成分が除去されたベチバーの根で構成されたもの)と通常のベニヤ板を対にして置いた。また、同じく7×7cmの大きさのベニヤ板の4辺に、互いに接触しないよう角材を貼り付け、角材が貼り付けられたベニヤ板の角材を試料面に当てて、試料面とベニヤ板との間に5mmの隙間が形成されたシェルターを作製した。
そして、容器の中央部には、水を含ませた脱脂綿と固形飼料を置き、供試虫(チャバネゴキブリ成虫)が自由に摂取できるようにした。また、供試虫の逃亡を防止するために、容器内壁にワセリンを薄く塗った後に、供試虫20匹を容器内に入れた。
試験開始24時間後に、アカルB−150のシェルター(処理区)、通常のベニヤ板のシェルター(未処理区)それぞれに潜伏するゴキブリの数を計数し、下記式によって忌避率を算出して忌避効果を判定した。
忌避率(%)={1−(処理区のゴキブリ数/対照区のゴキブリ数)}×100
なお、忌避試験は容器を3つ用意して行なったが、アカルB−150のシェルター内のゴキブリ数が、通常のベニヤ板のシェルター内のゴキブリ数を超えるものがあった時は、忌避効果は認められないものとして、全体の忌避率は0%とした。結果を表8に示す。
また、比較のために、「アカルB−150」の代わりに香り成分が除去されていないベチバーの根で構成された試料(ペーパーホルダーカバー)を用いた点以外は、上記と同様に試験を行なった。結果を表9に示す。
Figure 0004328843
Figure 0004328843
表6及び表8から判るように、香り成分が除去されたベチバーの根は、ダニやゴキブリが寄り付きにくく、優れた害虫忌避効果を奏する。特に、ゴキブリの忌避効果については、香り成分が除去されていないベチバーの根(芳香)よりも、香り成分が除去されたベチバーの根(無香)の方が優れていることが判る。
以上のように、本発明の多機能天然資材は、香り成分が除去された、揮発成分を除去可能なベチバーの根を有するので、安全性の高い天然素材を用いており、アンモニア、イソ吉草酸、酪酸、トリメチルアミンというように様々な臭い物質を吸着除去でき、優れた消臭効果を備えている。
また、ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質の一つであり、ホルムアルデヒドの消臭即ちホルムアルデヒドの除去は、シックハウス症候群の予防に役立つ。
また、香り成分が除去されているので、香り成分が発する香りが嫌いな人に対して不快感を与える心配がなく、本発明の多機能天然資材は、消費者に広く受け入れられることが期待できる。
また、本発明の多機能天然資材は、ゴキブリを寄せ付けにくくし、害虫忌避効果も備えている。
また、本発明の多機能天然資材は、天然素材を用いているので、廃棄しても自然へ戻り、通常の廃棄物として処理できる。

Claims (11)

  1. 安全性が高い天然素材を用いた、揮発成分の除去機能を有する多機能天然資材において、
    ベチバーの根から香り成分を除去したものを有する
    ことを特徴とする、揮発成分の除去機能を有する多機能天然資材。
  2. 前記ベチバーの根は、害虫忌避機能を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の揮発成分の除去機能を有する多機能天然資材。
  3. 前記ベチバーの根は、消臭機能を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の揮発成分の除去機能を有する多機能天然資材。
  4. 前記ベチバーの根は、ホルムアルデヒド除去機能を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の揮発成分の除去機能を有する多機能天然資材。
  5. 安全性が高い天然素材を用いた、揮発成分の除去機能を有する多機能天然資材の製造方法において、
    ベチバーの根から香り成分を除去する香り除去工程を有する
    ことを特徴とする、揮発成分の除去機能を有する多機能天然資材の製造方法。
  6. 前記香り除去工程の後に、ベチバーの根を乾燥する乾燥工程を有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の揮発成分の除去機能を有する多機能天然資材の製造方法。
  7. 前記乾燥工程は、105℃以下で行なわれる
    ことを特徴とする請求項6に記載の揮発成分の除去機能を有する多機能天然資材の製造方法。
  8. 前記香り除去工程の後に、ベチバーの根を所定の大きさに切断する切断工程を有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の揮発成分の除去機能を有する多機能天然資材の製造方法。
  9. 前記切断工程の後に、ベチバーの根を温風で乾燥する温風乾燥工程を有する
    ことを特徴とする請求項8に記載の揮発成分の除去機能を有する多機能天然資材の製造方法。
  10. 前記乾燥工程の後に、ベチバーの根を所定の大きさに切断する切断工程を有し、
    該切断工程の後に、更にベチバーの根を乾燥する乾燥工程を有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の揮発成分の除去機能を有する多機能天然資材の製造方法。
  11. 前記香り除去工程は、水蒸気蒸留法によって香り成分を除去する
    ことを特徴とする請求項5に記載の揮発成分の除去機能を有する多機能天然資材の製造方法。
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