JP6082291B2 - 害虫防除剤及び害虫防除材 - Google Patents

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Description

本発明は、人その他の動物、又は住宅若しくは家具といった構造物に被害を及ぼす害虫を防除することができる害虫防除剤、及び前記構造物の一部又は全部を構成し、前記害虫防除剤を具備する害虫防除材に関する。
蚤、ダニ、白蟻等、人その他の動物、又は住宅若しくは家具といった構造物に被害を及ぼす害虫を忌避する害虫忌避剤が開発されている。
そのような害虫忌避剤として、後記する特許文献1には塩化ナトリウムを用いて白蟻を忌避させる方法が開示されている。
すなわち、濃度が11.3%の食塩水を予め調製しておき、この食塩水中に対象の木素材を5日間浸漬させることによって、食塩水を木素材の内部へ浸透させる。この木素材を食塩水から取り出して、8日間屋内にて自然乾燥することによって、その内部に食塩を含浸させた木素材を得る。そして、得られた木素材を用いて構造物を構築する。
このような木素材にあっては、食塩たる塩化ナトリウムによって白蟻による木素材の食害を防止することができた。
また、後記する特許文献2には、アルミナ、シリカ、ジルコニル及びジルコンから選択される1種又は2種以上のセラミックと、セリウム、ルビジウム、ネオジウム、ランタン又はトリウムなどの自然放射性元素を含む放射性鉱物とをブレンド焼結してなるセラミック微粉末を有効成分として含む白蟻忌避剤が開示されている。
かかる白蟻忌避剤にあっては、放射性鉱物から放射されるβ線がセラミック、水及び二酸化炭素と反応してマイナスイオンが生成され、このマイナスイオンとβ線との相乗作用によって白蟻に対する良好な忌避効果を発揮する。
特開2004−230642号公報 特開2005−119981号公報
しかしながら、特許文献1に開示された白蟻忌避剤にあっては、対象物に塩化ナトリウムを含浸させなければならないため、家具及び住宅というように、既に完成した完成品に対して事後的に適用することができないという問題があった。また、比較的高い濃度の食塩を木素材中に含浸させるため、当該木素材には鉄といった錆性の金属材を使用することができない。
一方、特許文献2に開示された白蟻忌避剤にあっては、放射性鉱物を含有するため、健康被害を及ぼす虞があり、一般家庭で使用することができないという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、錆性の金属材が使用された完成品が配置してある一般家庭であっても、金属材に悪影響を及ぼす事無く事後的に適用でき、また健康を損ねる虞なく使用することができる害虫防除剤、及び構造物の一部又は全部を構成し、害虫防除剤を具備する害虫防除材を提供する。
課題に鑑み、本発明に係るゲル状の害虫防除剤は、ベチバー抽出液と、ミント抽出物若しくはリモネンとを吸水性ポリマーに包含させて構成してある
また、本発明に係る害虫防除材は、害虫防除剤と、害虫を忌避させるべき構造物を構成する構造部材とを備える。
本発明の害虫防除剤は、白蟻を始めとした害虫を、効果的に防除することができる。特に白蟻を忌避させることによる忌避能力が高く、建造物に直接的な被害を与える害虫からの被害を低減できる。
更に、本発明の害虫防除剤は、天然素材であるベチバーを用いており、また塩化ナトリウム及び放射性元素等を殆ど含んでいないため、錆性の金属材が使用された完成品が配置してある一般家庭であっても、金属材に悪影響を及ぼす事無く事後的に適用できる。
一方、害虫防除剤は抑制剤を含有しているため、ベチバー臭を隠すことができ、従って、害虫防除剤を使用者の居住空間内で使用した場合であっても、使用者を不快にすることはない。
また、本発明の害虫防除材は、このような害虫防除剤を、建造物の建材に塗布、噴霧、貼着、埋め込み等することによって構成してある。このため、前同様、錆性の金属材が使用された完成品が配置してある一般家庭であっても、金属材に悪影響を及ぼす事無く事後的に適用できる。また、本発明の害虫防除材は、天然素材であるベチバーを用いて構成してあるため、健康を損ねる虞なく使用することができる。
一方、害虫防除材は抑制剤を含有しているため、ベチバー臭を隠すことができ、害虫防除剤を使用者の居住空間内で使用した場合であっても、使用者を不快にすることはない。
第1の害虫防除剤の調製手順を説明するフローチャートである。 本発明に係る害虫防除材の一例を説明する説明図である。 第2の害虫防除剤の調製手順を説明するフローチャートである。 本発明に係る害虫防除材の他の例を説明する説明図である。 試験方法を説明するための画像図である。 試験方法を説明するための画像図である。
第1の発明に係るゲル状の害虫防除剤は、ベチバー抽出液と、ミント抽出物若しくはリモネンとを吸水性ポリマーに包含させて構成してある
この構成により、白蟻を始めとした害虫を、効果的に防除することができる。また、天然素材であるベチバーを用いており、塩化ナトリウム及び放射性元素等を殆ど含んでいないため、錆性の金属材が使用された完成品が配置してある一般家庭であっても、金属材に悪影響を及ぼす事無く事後的に適用できる。
一方、害虫防除剤は抑制剤を含有しているため、ベチバー臭を隠すことができ、従って、害虫防除剤を使用者の居住空間内で使用した場合であっても、使用者を不快にすることはない。さらに、この構成により、害虫にベチバー抽出液を接触させることができ、それによって害虫を異常状態になすことができる。
第2の発明に係る害虫防除剤は、ベチバー抽出液は、ベチバーの根の乾燥物を水及びアルコールを含む溶液で抽出して構成してある。
この構成により、ベチバーから水溶性及び脂溶性の有効成分を効率的に抽出することができる。
第3の発明に係る害虫防除剤は、溶液は酸性になしてある。
この構成により、有効成分を的確に抽出することができる。
の発明に係る害虫防除剤は、吸水性ポリマーはポリアクリル酸ナトリウムである。
の発明に係る害虫防除剤は、ビーズ状に成形してある。
の発明に係る害虫防除剤は、防除対象の害虫は白蟻である。
この構成により、白蟻を効果的に防除することができる。
の発明に係る害虫防除材は、第1から第の発明のいずれかに記載の害虫防除剤と、害虫を防除すべき構造物を構成する構造部材とを備える。
この構成により、錆性の金属材が使用された完成品が配置してある一般家庭であっても、金属材に悪影響を及ぼす事無く事後的に適用できる。また、本発明の害虫防除材は、天然素材であるベチバーを用いて構成してあるため、健康を損ねる虞なく使用することができる。
一方、害虫防除材は抑制剤を含有しているため、ベチバー臭を隠すことができ、害虫防除剤を使用者の居住空間内で使用した場合であっても、使用者を不快にすることはない。
の発明に係る害虫防除材は、前記害虫防除剤を構造部材に当接させて構成してある。
この構成により、害虫防除材を容易に構成することができ、事後的な適用を実施できる。
の発明に係る害虫防除材は、構造部材は、構造物を構成する柱、床、外壁、内壁、基礎部および屋根の少なくとも一つである。
この構成により、構造物を効果的に害虫防除材として構成することができる。
以下、本発明に係る害虫防除剤及び害虫防除材について詳述する。
なお、本実施の形態で説明する害虫防除剤及び害虫防除材は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含むことはいうまでもない。
(第1の害虫防除剤)
本発明に係る第1の害虫防除剤は次のようにして調製できる。
図1は第1の害虫防除剤の調製手順を説明するフローチャートである。
ベチバーの根を乾燥させた乾燥ベチバーを準備する。なお、ベチバー(学名「Vetiveria zizaniodes」)は、インド原産のイネ科の多年生草木である。ここで、乾燥ベチバーは次のようにして調製することができる。すなわち、ベチバーの根を水洗い後、1〜2日程度天日乾燥し、その後約1週間程度、風通しのよいところで陰干しをする。
なお、陰干しに代えて、高温環境において、強制的に、ベチバーの根を乾燥させてもよい。例えば、水洗いしたベチバーの根に所要の温度の風を当てることで、ベチバーの根を乾燥させても良い。より具体的には、27℃〜105℃、好ましくは27℃〜60℃の温度で乾燥させると良い。なお、温風は、内蔵する加熱機で温めた空気を送出する送風機によって生起させても良く、また前述した温度になした室内の空気を送風機で送ることによって生起させても良い。
一方、市販の乾燥ベチバーを購入してもよい。
図1に示したように、ベチバーの根を乾燥させた乾燥ベチバーを裁断機に投入し、各々が1〜3cm程度の長さになるように裁断してベチバーチップを得る(ステップS1)。適宜容量を有する密閉型の容器内に所要量の抽出液を投入しておき、前述したようにして得られたベチバーチップから所要量を計量し、計量したベチバーチップを容器内の抽出液中に浸漬させベチバーチップに含有される有効成分を抽出する(ステップS2,S3)。
前述した抽出液としては、アルコールを50容量%以上85容量%以下含有し、pH4以上pH6以下になした溶液を用いることができる。アルコールの含有量が50容量%未満では所要の抽出を行うことができず、またアルコールの含有量が85容量%を超えると安全に作業をすることが困難になる。一方、抽出液がpH4以上pH6以下の範囲外であった場合、有効成分を抽出することができない。
アルコールとしてはメチルアルコールも用いることもできるが、安全性の点からエチルアルコールが好適である。また、pH調整剤としては安全性の点から乳酸、クエン酸、酢酸等の有機酸及び/又はその塩類が好適である。一方、アルコールを所定の濃度に希釈する溶媒としては、安定性、安全性及び入手容易性の点から水が好適である。
ここで、ベチバーチップと抽出液との混合比は適宜選択することができるが、ベチバーチップ1kgに対して抽出液を10L〜30L用いるのが好適である。ベチバーチップ1kgに対して抽出液の量が10L未満である場合、所要の抽出率を得ることができず、ベチバーの利用効率が低い。一方、ベチバーチップ1kgに対して抽出液の量が30Lを超える場合、抽出液の容量が過大になるため、抽出工程の作業性が低下する上に、後述する原液の保管性も低下する。
ベチバーチップを抽出液中に室温で1〜2週間程度浸漬させることによって有効成分を抽出した後、ベチバーチップを濾別して原液を分取する(ステップS4)。原液はpH4.5〜6.0程度であり、濃茶褐色をしている。
この原液を1〜10容量%になるように水で希釈して濃度調製を行い(ステップS5)、これにベチバー抽出液の臭いを抑制する抑制剤として適宜量の香料を添加して(ステップS6)第1の害虫防除剤である液状の害虫防除剤を得る。
ここで、ベチバー抽出液の臭いを抑制する抑制剤たる香料としては、ペパーミント(洋種ミント)、和種ミント、スペアミント、ウォータミント又はレモンミント等のミントから抽出したミント抽出物が好適である。ベチバーチップから前述したように調製した原液はベチバー由来の独特の臭いであるベチバー臭を有しているが、ミント抽出物から放出されるミント臭を併存させると、ヒトの臭覚はベチバー臭を感知し難くなる。従って、原液を希釈した希釈液にミント抽出物を添加して得られる害虫防除剤にあっては、ミント臭によってベチバー臭を隠すと共に、使用者にミント臭の爽快感を与えることができる。
なお、ミント抽出物は精油体又は結晶体のいずれでもよく、また前述した各種ミントを単独又は組み合わせたものであってもよい。また、添加量は害虫防除剤に含まれる原液の量に応じて定めればよいが、ミント精油の場合、添加量は害虫防除剤に対して0.2〜1.2質量%程度添加するとよい。
一方、前述した香料としてはミント抽出物に代えてリモネンを用いることもできる。リモネンから放出されるリモネン臭もミント臭と同様、ヒトがベチバー臭を感知し難くすることができる。
なお、害虫防除剤には適宜量の防腐剤を添加して保存性を向上させておくとよい。
また、必要に応じて、前述したステップS5においてアルコールを添加してもよい。これによって、害虫防除剤の揮発性を増大させて、有効成分の拡散性を向上させることができる。
このような液状の害虫防除剤にあっては、例えば、建物の床下部材、床部材、柱、天井部材若しくは天井裏部材、又は家具の脚部材、底板部材若しくは背板部材というように、害虫を防除すべき構造物を構成する構造部材に塗布又は噴霧等しておくことによって、白蟻、ゴキブリ、ダニ、その他の害虫を防除することができる。特に、白蟻(イエシロアリその他の白蟻)を効率的に忌避させることができる。
このように本害虫防除剤が害虫を防除させ得るのは、ベチバーから抽出した有効成分を有しているからである。
一方、本害虫防除剤は前述したように香料を含有しているため、ベチバー臭を隠すと共に、使用者に香料による爽快感、安定感等を与えることができる。
従って、害虫防除剤を使用者の居住空間内で使用した場合であっても、使用者は快適な生活を送ることができる。
更に、本害虫防除剤はアルコールを含有しているため、水だけの場合に比べて金属の錆化力が弱い。従って、錆性の金属材が使用された完成品が配置してある一般家庭であっても、金属材に悪影響を及ぼす事無く事後的に適用できる。
ところで、このように害虫防除剤を構造部材に塗布、噴霧又は含浸等しておくことによって、害虫を防除する作用を奏するため、害虫防除剤が付着された構造部材は害虫防除材であると認識することができる。従って、前述した建物の床下部材、床部材、壁部材、壁紙、柱、天井部材若しくは天井裏部材等、又は家具の脚部材、底板部材若しくは背板部材等であって、害虫防除剤が付着されたものは、それぞれ害虫防除材であり、害虫を防除する作用を奏する。
図2は、本発明に係る害虫防除材の一例を説明する説明図であり、住宅に適用した場合を示している。
図2に示したように、住宅4は、床5、床下に配設され床5を担持する床束3,3,…、及び壁2,2,…等を備えている。床5の周縁部、床束3,3,…の下縁部、及び壁2,2,…の下縁部には、前述した害虫防除剤が塗布してあり、これによってそれぞれが害虫防除材8,8,…になっている。
このような害虫防除材8,8,…を備える住宅4にあっては、害虫防除材8,8,…を構成する害虫防除剤によって、白蟻、ゴキブリ、ダニ、その他の害虫を防除することができる。
一方、本害虫防除剤は前述したように香料を含有しているため、ベチバー臭を隠すと共に、使用者に香料による爽快感、安定感等を与えることができる。
なお、図2に示した例では、住宅4の床5の周縁部、床束3,3,…の下縁部、壁2,2,…の下縁部を害虫防除材8,8,…になした場合について示したが、本発明はこれに限らず、建物の基礎部材、他の床下部材、壁部材、壁紙、柱、梁、天井部材若しくは天井裏部材等の一部又は全部を害虫防除材になしてもよい。
また、建物に限らず、家具の脚部材、底板部材若しくは背板部材等の一部又は全部を害虫防除材になしてもよい。
(第2の害虫防除剤)
次に、本発明に係る第2の害虫防除剤について説明する。
図3は第2の害虫防除剤の調製手順を説明するフローチャートである。
図3に示したように、ベチバーの根を乾燥させた乾燥ベチバーを裁断したベチバーチップを抽出液に浸漬させて、有効成分を抽出した原液を得、この原液及び香料を含む液状の害虫防除剤を調製するまでの各工程(ステップS11〜ステップS16)は、図1に示したステップS1〜ステップS6までの各工程と同様に操作する。
このようにして得られた液状の害虫防除剤を適宜量だけ計量し(ステップS17)、適当な容器内へ投入する。一方、吸水性ポリマーを容器内へ投入した液状の害虫防除剤の量に応じて計量し(ステップS17)、計量した吸水性ポリマーを容器内へ投入して十分に撹拌混合させる(ステップS18)。
ここで、吸水性ポリマーとしては、グラフト重合又はカルボキシメチル化によるデンプン系及びセルロース系、又はポリアクリル酸塩系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系若しくはポリオキシエチレン系等の合成ポリマー系等、種々の材料を用いることができるが、ポリアクリル酸ナトリウム系を用いるのが好適である。
撹拌混合が終了すると、一昼夜程度静置することによってゲル化させ(ステップS19)、液状の害虫防除剤を吸水性ポリマーに吸収させた第2の害虫防除剤たるゲル状の害虫防除剤を得る。そして、この害虫防除剤をシート状、枠状、筒状、粒状、ブロック状等、所要の形状になす(ステップS20)。
なお、この工程は、ゲル状の害虫防除剤を、成形することなく、又は所要の形状に成形した後、適宜の容器に投入することによって実施してもよい。但し、容器としては、その表面の一部領域又は全領域から害虫防除剤の有効成分及び香料を含む液体又は雰囲気を放出し得るようになしたものを用いる。
ここで、液状の害虫防除剤と吸水性ポリマーとの混合比は、成形の有無等、最終製品の様態に応じた硬度になるように適宜定める。
このような害虫防除剤にあっては、建物の床下部材、床部材、柱、天井部材若しくは天井裏部材、又は家具の脚部材、底板部材若しくは背板部材というように、害虫を防除すべき構造物を構成する構造部材に当接させ、又は構造部材の近傍に配置しておくことによって、前同様、白蟻、ゴキブリ、ダニ、その他の害虫を防除することができる。
なお、本害虫防除剤を構造部材に当接させる場合、釘、線条材又は帯材等、適宜の固定具を用いてもよいし、接着剤を用いてもよい。また、構造部材に溝を形成し、該溝内に害虫防除剤を埋設してもよい。
本害虫防除剤もベチバー抽出液の臭いを抑制する抑制剤たる香料を含有しているため、ベチバー臭を隠すと共に、使用者に香料による爽快感、安定感等を与えることができる。
従って、害虫防除剤を使用者の居住空間内で使用した場合であっても、使用者は快適な生活を送ることができる。
更に、本害虫防除剤はアルコールを含有しているため、水だけの場合に比べて金属の錆化力が弱い。従って、錆性の金属材が使用された完成品が配置してある一般家庭であっても、金属材に悪影響を及ぼす事無く事後的に適用できる。
ところで、このように害虫防除剤を構造部材に当接させておくことによって、害虫を防除する作用を奏するため、本害虫防除剤が当接された構造部材は害虫防除材であると認識することができる。従って、前述した建物の床下部材、基礎部材、床部材、壁部材、壁紙、柱、天井部材若しくは天井裏部材等、又は家具の脚部材、底板部材若しくは背板部材等であって、害虫防除剤が当接されたものは、それぞれ害虫防除材であり、害虫を防除する作用を奏する。
図4は、本発明に係る害虫防除材の他の例を説明する説明図であり、住宅に適用した場合を示している。
図4に示したように、住宅4は、床5、床下に配設され床5を担持する床束3,3,…、及び壁2,2,…等を備えている。
床5の周縁部及び壁2,2,…の下縁部には、シート状に成形した害虫防除剤9,9,…が貼着してあり、また床束3,3,…には、当該床束3,3,…の外形に応じて筒状に成形した害虫防除剤9,9,…が外嵌固定させてあり、これによってそれぞれが害虫防除材10,10,…になっている。
このような害虫防除材10,10,…を備える住宅4にあっては、害虫防除材10,10,…を構成する害虫防除剤9,9,…によって、白蟻、ゴキブリ、ダニ、その他の害虫を防除することができる。
一方、本害虫防除剤は前述したように香料を含有しているため、ベチバー臭を隠すと共に、使用者に香料による爽快感、安定感等を与えることができる。
なお、図4に示した例では、住宅4の床5の周縁部、床束3,3,…、壁2,2,…の下縁部を害虫防除材10,10,…になした場合について示したが、本発明はこれに限らず、建物の他の床下部材、壁部材、壁紙、柱、梁、天井部材若しくは天井裏部材等の一部又は全部を害虫防除材になしてもよい。
また、建物に限らず、家具の脚部材、底板部材若しくは背板部材等の一部又は全部を害虫防除材になしてもよい。
次に、本発明に係る害虫防除剤の効果について試験を行った結果について説明する。
(害虫防除剤)
後述する本発明例1の害虫防除剤は液状の害虫防除剤であり、以下の組成になしたものを用いた。
すなわち、17Lの抽出液内へ前述したベチバーチップ1200gを投入し、室温で2週間程度、有効成分を抽出した。なお、本実施例で使用した抽出液の組成は、エタノール67.89容量%、乳酸0.0125容量%、クエン酸ナトリウム0.025容量%、精製水32.0725容量%である。
抽出工程が終了すると、No.2の濾紙にてベチバーチップを濾別して14L程度の原液を得た。この原液が3容量%になるように水で希釈するとともに、ペパーミント精油が0.5質量%、防腐剤(坂本薬品工業株式会社製 SYプランテックスKN)が0.1質量%になるように添加混合した。この希釈溶液1Lに、原液50ml、エタノール220ml、ペパーミント精油5g、水730mlを添加し、十分に混合して害虫防除剤とした。
これに対して本発明例2の害虫防除剤はゲル状の害虫防除剤であり、前述した希釈液40Lにポリアクリル酸ナトリウム578gを添加混合し、24時間静置してゲル化させた後、8mm程度の直径のビーズ状に成形して害虫防除剤とした。
(試験方法)
図5及び図6は試験方法を説明するための画像図であり、図5は前述した本発明例1に係る害虫防除剤を用いた場合を、また図6は前述した本発明例2に係る害虫防除剤を用いた場合をそれぞれ示している。なお、供試虫には、イエシロアリ(Coptoteemes formosanus)(住化テクノサービス株式会社保有系統)を用いた。
図5及び図6に示したように、直径が90mmの2枚の無菌シャーレ内にそれぞれ、直径が82mmの濾紙を2等分になるように切断してなる一対の半円形の濾紙片を、対向する両切断辺が略0.5mmの間隙を隔てるように配置し、一方の濾紙片には水道水を1ml含浸させて無処理区とした。他方の濾紙片には、図5に示した本発明例1の場合、液状の害虫防除剤1mlを含浸させ、図6に示した本発明例2の場合、ビーズ状の害虫防除剤略2gを載置した後、水道水1mlを含浸させて、それぞれ処理区とした。
両シャーレの中央位置に供試虫を10頭ずつ放飼し、略25℃の温度で72時間管理した。そして、両シャーレ内の処理区及び無処理区に寄生する供試虫の頭数を適宜の時間間隔で計数し、次の(1)式に従って忌避率を求めた。同様の操作を4回実施し、その平均値を求めた結果を表1に示す。なお、対照例として、両方の濾紙片に水道水1mlを含浸させた以外は前同様に操作した結果も示す。
忌避率(%)=100×(無処理区に寄生した供試虫の頭数−処理区に寄生した供試虫の頭数)/無処理区に寄生した供試虫の頭数 …(1)
なお、(1)式で求められた値が負であった場合、忌避率は0%とした。
表1から明らかなように、対照例にあっては、忌避率は経時的に高い値であったり低い値であったりと変動し、その変動幅も大きいことから、供試虫は水道水によっては何らの影響も受けていないことが分かる。
これに対し、本発明例1にあっては、試験開始から2時間経過した後から忌避率の値が上昇し、24時間経過すると、イエシロアリを95%以上忌避させていた。
一方、本発明例2にあっては、前述した(1)式による忌避率はいずれの計数時間であっても零であった。
しかしながら、本発明例2にあっては、表1に示した各時間で、両シャーレ内の処理区に寄生した供試虫の状態を観察すると、正常に行動していない供試虫、即ち殆ど動かない、又はもがいている供試虫が存在していた。
そこで、それらの供試虫は異常状態に陥ったものと判断し、異常率として次の(2)式によりその値を求めた。その結果を表2に示す。
異常率(%)=100×(処理区に寄生して異常状態に陥った供試虫の頭数/処理区に寄生した供試虫の全頭数) …(2)
表2から明らかなように、本発明例2にあっては、試験開始から30分経過した時点において、既に42%の異常率を示しており、試験開始から2時間から24時間経過すると100%の異常率であった。その後、異常率は若干低下したものの、72時間経過した後も異常率は88%と、略9割の高率で発生していた。
なお、前述した対照例にあっては、異常率は表2に示した全ての時間で零であった。
表1及び表2の結果より、本発明例2にあっては、ベチバーチップから抽出した有効成分を吸水性ポリマーに含有させたゲル状になしてあるので、有効成分が外部に漏出拡散し難く、従って忌避率は零であったものと判断できる。
一方で、供試虫は本発明例2に係るゲル状の害虫防除剤に接近し、又は接触することができる。ゲル状の害虫防除剤に包含されている有効成分は、濾紙片の害虫防除剤が載置されている極狭い領域には漏出しているため、本発明例2の害虫防除剤に接近又は接触した場合、有効成分が供試虫に付着するので、これによって供試虫に異常が発生したものと思われる。
このように、本発明に係る害虫防除剤にあっては、害虫に異常を発生させて、当該害虫による被害を防止することも可能である。
なお、本発明例1及び本発明例2の両シャーレを卓上に配置したが、ベチバーに起因する臭気は殆ど感じられず、ペパーミント臭が僅かに感じられるだけであった。このため、ベチバーの特有の香りをなくしつつ、さわやかな香りと消臭との両面での効果を奏することができる。
2 壁
3 床束
4 住宅
5 床
8 害虫防除材
9 害虫防除剤
10 害虫防除材

Claims (9)

  1. ベチバー抽出液と、ミント抽出物若しくはリモネンとを吸水性ポリマーに包含させて構成してあることを特徴とするゲル状の害虫防除剤。
  2. 前記ベチバー抽出液は、ベチバーの根の乾燥物を水及びアルコールを含む溶液で抽出して構成してある請求項1に記載の害虫防除剤。
  3. 前記溶液は酸性になしてある請求項2に記載の害虫防除剤。
  4. 前記吸水性ポリマーはポリアクリル酸ナトリウムである請求項1から3のいずれかに記載の害虫防除剤。
  5. ビーズ状に成形してある請求項1から4のいずれかに記載の害虫防除剤。
  6. 防除対象の害虫は白蟻である請求項1からのいずれかに記載の害虫防除剤。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の害虫防除剤と、害虫を防除すべき構造物を構成する構造部材とを備えることを特徴とする害虫防除材。
  8. 前記害虫防除剤を前記構造部材に当接させて構成してある請求項記載の害虫防除材。
  9. 前記構造部材は、構造物を構成する柱、床、外壁、内壁、基礎部および屋根の少なくとも一つである請求項7又は8に記載の害虫防除材。
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