JP2014056079A - カラーフィルター用顔料分散体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、平均粒径が小さくとも、低粘度の顔料分散体を収率良く得る製造方法に関する。
【解決手段】下記の第1工程及び第2工程を有する、カラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
第1工程:有機顔料と、高分子分散剤と、有機溶媒と、を含有する混合液を高速攪拌型のメディアレス分散機を用いて剪断速度900,000[1/sec]を超える攪拌条件で処理し、有機顔料を解砕して分散体を得る工程
第2工程:第1工程で得られた分散体を、分散メディア粒子を充填したメディア分散機を用いて処理する工程
【選択図】図1

Description

本発明は、カラーフィルター用顔料分散体の製造方法に関する。
液晶表示装置は、主としてパーソナルコンピュータ用のモニターや、テレビとして使用され、その発色にはカラーフィルターが用いられている。
現在、カラーフィルターの着色層は、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法で製造することが主流となっている。一般に、顔料を微細で安定な粒子として分散させることができれば、可視光に対する散乱が少なくなる。
顔料の分散方法としては、メディアミル分散機を用いて、撹拌・混合によるせん断力・摩擦力、メディア同士の衝突による衝撃力等により、粒子を解砕・粉砕する方法が知られている。
しかし、顔料を微細化すればするほど、分散した粒子が再凝集し易く、それに起因する粒子径の増大や粘度の増大が起こり、分散状態を安定化させることが困難となる。
これまで、カラーフィルターの高品質化(高輝度化、高コントラスト化等)を実現させるため、顔料や顔料分散剤を最適化すること、着色層中に含まれる顔料を微細化すること等が検討されてきた。
特許文献1には、分散安定性に優れるカラーフィルター用着色組成物を得ることを目的として、顔料、樹脂、および溶剤を含む着色組成物を、剪断速度5,000〜900,000[1/sec]で処理することを特徴とする製造方法が開示されている。当該処理は、固定刃であるステータと回転刃であるロータとからなるジェネレータを具備し、ステータとロータのクリアランスが50μm〜10mmである高速剪断機により行われることが好ましいとされている。ここでは剪断速度が、900,000を超えると、剪断作用が大きいため顔料分散状態が破壊され、不安定な顔料粒子の増加により更に安定性が低下するとされている(特許文献1段落0035)。
特許文献2には、チタンブラック粒子の沈降を抑え、分散安定性に優れ、塗布膜としたときの塗布面異常(遮光漏れ)を抑制することを課題として、チタンブラックを含む特定の混合物に対し、メディアを用いずに分散処理を行う第1の分散工程と、メディアを用いて更に分散処理を行う第2の分散工程を有する製造方法が開示されている。
特開2009−86061号公報 特開2011−89108号公報
しかし、これら特許文献1、2に記載の方法では、平均粒径が小さくすると、顔料分散体の粘度が高くなるなどの問題を有し、平均粒径が小さくとも、低粘度の顔料分散体を収率良く製造できない。
本発明は、平均粒径が小さくとも、低粘度の顔料分散体を収率良く得る製造方法に関する。
本発明者らは、有機顔料をメディア分散機で処理する前に、高速攪拌型のメディアレス分散機を用いて特に高い剪断速度で有機顔料を解砕することで、平均粒径が小さくとも、低粘度の顔料分散体を収率良く得ることができることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕に関する。
〔1〕 下記の第1工程及び第2工程を有する、カラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
第1工程:有機顔料と、高分子分散剤と、有機溶媒と、を含有する混合液を高速攪拌型のメディアレス分散機を用いて剪断速度900,000[1/sec]を超える攪拌条件で処理し、有機顔料の粒子を解砕して分散体を得る工程
第2工程:第1工程で得られた分散体を、分散メディア粒子を充填したメディア分散機を用いて処理する工程
本発明の製造方法によれば、平均粒径が小さくとも、低粘度の顔料分散体を収率良く得ることができる。
本発明において用いられるメディアレス分散機の一例を示す概略断面図である。 本発明において用いられるメディアレス分散機の一例を示す概略断面図である。
本発明のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法は、下記の第1工程及び第2工程を有する。
第1工程:有機顔料と、高分子分散剤と、有機溶媒と、を含有する混合液を高速攪拌型のメディアレス分散機を用いて剪断速度900,000[1/sec]を超える攪拌条件で処理し、有機顔料を解砕して分散体を得る工程
第2工程:第1工程で得られた分散体を、分散メディア粒子を充填したメディア分散機を用いて処理する工程
本発明の製造方法は、900,000[1/sec]を超える高い剪断速度で、メディアレス分散機を用いて顔料を粉砕する第1工程により、過粉砕を抑制しながら粗大粒子を解砕することができ、第2工程で更に、メディア分散機により、顔料分散体の平均粒径を小さくすることができる。これにより、平均粒径が小さくとも、低粘度の顔料分散体を収率良く得ることができると考えられる。
以下、本発明に用いる各種材料や、製造方法について詳細に説明する。
<有機顔料>
本発明に用いられる有機顔料(以下、単に「顔料」ともいう)としては、カラーフィルターに好適に用いられるものであれば特に制限はなく、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、縮合多環顔料、レーキ顔料等が挙げられる。
アゾ顔料としてはC.I.ピグメントレッド3等の不溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド48:1等の溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド144等の縮合アゾ顔料が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:6等の銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
縮合多環顔料としては、C.I.ピグメントレッド177等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド123等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ66等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー138等のキノフタロン系顔料、C.I.ピグメントイエロー150等のニッケルアゾ錯体系顔料、C.I.ピグメントレッド88等のインジゴ系顔料、C.I.ピグメントグリーン8等の金属錯体顔料、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントオレンジ71等のジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。
これらの中では、本発明の効果をより有効に発現させる観点から、下記一般式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料が好ましい。
式(1)中、X1及びX2は、それぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を示し、Y1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子又は−SO3H基を示す。
ジケトピロロピロール系顔料の市販品の好適例としては、BASF社製、C.I.ピグメントレッド254、商品名「Irgaphor Red BK-CF」、「Irgaphor Red BT-CF」、「Irgazin DPP Red BO」、「Irgazin DPP Red BL」、「Cromophtal DPP Red BP」、「Cromophtal DPP Red BOC」等が挙げられる。
一般式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料の製造方法に特に制限はない。例えば、ベンゾニトリル又はハロゲン化ベンゾニトリルとブロモ酢酸エステル等のハロゲン化酢酸エステルを、亜鉛粉末等の還元剤の存在下で反応させることにより、又は得られた化合物を更にスルホン化することにより製造することができる。
上記の顔料は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<高分子分散剤>
本発明で用いられる高分子分散剤は、有機顔料を有機溶媒中で安定に微細化した状態で分散させ、粗大粒子を減少し、コントラスト比を高くする観点から、顔料への吸着性が比較的高いものが好ましい。
このような高分子分散剤としては、特に限定されないが、例えば、主鎖にアミド系骨格を有し、側鎖がメタクリル酸エステルによるマクロモノマーからなるグラフトポリマー、脂肪族ヒドロキシカルボン酸残基を有するポリエステル系オリゴマー、オルガノシロキサンポリマー、(メタ)アクリル酸系(共)重合体及び塩基性ウレタン樹脂から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらの中でも、塩基性ウレタン樹脂が好ましく用いられる。
塩基性ウレタン系樹脂としては、ポリイソアネート化合物のイソシアネート基に、分子内に水酸基を1個以上有する数平均分子量300〜10,000の化合物、及び分子内にイソシアネート基と反応可能な官能基を有する塩基性基含有化合物を反応させて得られものが好ましい。
ここで、ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートをもとにしたイソシアヌル基を有するポリイソシアネートが好ましい。
分子内に水酸基を1個以上有する化合物としては、ポリエーテル化合物、ポリエステル化合物等が挙げられ、例えば、ポリエチレングリコール等である。
分子内にイソシアネート基と反応可能な官能基を有する塩基性基含有化合物としては、N,N−ジ置換アミノ基又は複素環窒素原子を有するポリオール、ポリチオール及びアミン類から選ばれる1種以上の化合物等が挙げられ、例えば、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン等である。
高分子分散剤のアミン価は、顔料への吸着率を高くする観点から、好ましくは3〜20mgKOH/g、より好ましくは5〜17mgKOH/g、更に好ましく5〜15mgKOH/gが、より更に好ましくは5〜9mgKOH/gである。高分子分散剤を2種以上用いる場合は、高分子分散剤の個々のアミン価の加重平均として求める。
上記の分散剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。第1工程及び第2工程とも同じ分散剤を用いてもよいし、別の分散剤を用いてもよい。
<有機溶媒>
有機溶媒は特に限定されず、分散処理を行う条件下で液状の有機溶媒であればよい。
有機溶媒の好適例としては、有機顔料と水不溶性分散剤との分散性の観点から、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜4の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;プロピレングリコール等の多価アルコール;エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル等の他、酢酸エチル、シリコーンオイル、高級アルコール、油脂等及び下記一般式(2)で表される化合物等が挙げられる。
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R5は水素原子又はメチル基を示す。)
一般式(2)において、R3及びR4の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、及びtert−ブチル基が挙げられる。これらの中では、メチル基及びエチル基が好ましい。
カラーフィルター用途等においては、ジケトピロロピロール系顔料等の顔料の分散性と、高分子分散剤の溶解性又は分散性の観点から、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)、及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる1種以上が特に好ましい。
上記の有機溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<組成>
本発明の顔料分散体中の顔料の量は、分散時の生産性を向上させる観点から、顔料分散体全量に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。また、分散時のハンドリング性を確保する観点から、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。
顔料分散体中の高分子分散剤の量は、分散処理過程で不足する事のない添加量とすることが分散安定性を向上させる観点から好ましい。具体的には、顔料質量に対して、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。また、適度な粘度の分散体を得る観点から、顔料質量に対して、200質量%以下、好ましくは150質量%以下、より好ましくは100質量%以下である。
顔料分散体中の有機溶媒の量は、顔料濃度や水不溶性分散剤、その他添加剤を除いた量であるが、各製造工程での分散処理時の操作性及び顔料を微細化させるという観点から、各製造工程において適宜選択される。
[カラーフィルター用顔料分散体の製造]
カラーフィルター用顔料分散体の製造方法は、下記の第1工程及び第2工程を有する。また、第2工程の後に、第3工程を有していてもよい。
[第1工程]
本発明の製造方法における第1工程では、有機顔料と、高分子分散剤と、有機溶媒と、を含有する混合液(以下、単に「混合液」ともいう)を高速攪拌型のメディアレス分散機を用いて剪断速度900,000[1/sec]を超える攪拌条件で処理し、有機顔料の粒子を解砕する。
この第1工程で高速攪拌型のメディアレス分散機を用いて高い剪断速度で処理することにより、混合液中の顔料の粗大粒子は解砕される。一方で、比較的小さな粒径の粒子については、粉砕されにくく微小粒子が生成しにくいと考えられる。このため、第1工程により、顔料粒子の粒径分布が狭い分散体が得られると考えられる。なお、ここで粗大粒子とは、特に制限されるものではないが、例えば5μm以上の粒子である。
<メディアレス分散機>
第1工程において使用される分散機としては、高速攪拌型のメディアレス分散機から選択される。高速攪拌型のメディアレス分散機とは、分散メディア(例えば、ビーズ、サンド(砂)、ボール、等)を実質的に用いず、剪断力を利用して分散処理を行う分散機を意味する。
メディアレス分散機としては、特に限定はされないが、例えば、IKA社製DR−PILOT2000、ULTRA−TURRAXシリーズ、Dispax−Reactorシリーズ;プライミクス株式会社製T.K.ホモミクサー、T.K.パイプラインホモミクサー;シルバーソン社製ハイ・シアー・ミキサー;大平洋機工株式会社製マイルダー、キャビトロン;エムテクニック株式会社製クレアミックス:みずほ工業株式会社製ホモミキサー、パイプラインミキサー等が挙げられる。
これらの中でも、メディアレス分散機が、ロータとステータとを備える分散機が好ましく、そのような高速攪拌型のメディアレス分散機の例として、図1に示す分散機1(IKA社製)が挙げられる。図1は、分散機1の概略断面図を示す。分散機1は、ステータ11と、前記ステータの内部で回転するロータ12とを備える。これらのステータ11とロータ12の間には、隙間が形成されている。ロータ12を回転させて、ステータ11とロータ12の間に混合液を通過させることで、剪断力を与えることができる。ステータ11とロータ12の距離を、剪断部クリアランスCとする。
また、分散機は、図1に示すものに限定されず、例えば、図2に示すようにステータ21及びロータ22が多段階に設置されている分散機2を用いてもよい。
本発明のメディアレス分散機としては、処理を均一に行う観点から、該分散機の中を混合液が循環するインライン循環式のものを用いることが好ましい。
第1工程における剪断速度は、900,000[1/sec]を超える。剪断速度が900,000[1/sec]以下である場合には、第1工程の処理により十分に粗大粒子が解砕されず、第2工程においても十分に解砕されず、結果的に顔料分散体における顔料の平均粒径が十分に低下しない、又は、平均粒径を下げようとすると過粉砕されて粘度が高くなる。剪断速度は実施例の方法により求められる。
また、第1工程の処理後の分散体中に含まれる顔料粒子の粗大粒子を解砕して低減する観点から、当該剪断速度は、920,000[1/sec]以上が好ましく、950,000[1/sec]以上がより好ましく、1,000,000[1/sec]以上が更に好ましい。また、最終的に得られる顔料分散体の粘度をより低くする観点から、剪断速度は、2,000,000[1/sec]以下が好ましく、1,500,000[1/sec]以下が好ましく、1,200,000[1/sec]以下がより好ましい。
メディアレス分散機の剪断部クリアランスは、上記の剪断速度に応じて適宜設定されるが、最適な顔料粒径を得る観点から、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましい。また、分散機の回転速度を適切な数値に保つ観点から、当該クリアランスは、100μmが以下好ましく、50μm以下がより好ましく、40μm以下がより更に好ましい。
メディアレス分散機の回転周速は、上記剪断速度に応じて適宜設定されるが、最適な顔料粒径を得る観点から、18m/s以上が好ましく、20m/s以上がより好ましく、23m/s以上がより好ましい。また、最適な粒子径を得る観点から、当該回転周速は、50m/sが以下好ましく、40m/s以下がより好ましく、35m/s以下がより更に好ましい。回転周速は、ロータの最先端部分の周速である。
第1工程により得られる顔料分散体の平均粒径(体積分率で計算した累積体積頻度が小粒径側から累積して50%になる粒径:D50)は、特に限定されないが、第2工程後に得られる分散体のろ過収率を高める観点から、15μm以下が好ましく、13μm以下がより好ましく、10μm以下が好ましく、生産性の観点から、2μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましい。平均粒径の測定方法は実施例の測定方法による。
第1工程における処理時間は、粗大粒子を解砕する観点から、5分以上が好ましく、30分以上がより好ましく、1時間以上が更に好ましい。当該処理時間は、より低粘度の分散体を得る観点から、10時間以下が好ましく、8時間以下がより好ましく、5時間以下がより更に好ましい。
[第2工程]
第2工程では、前記第1工程で得られた分散体を、分散メディア粒子を充填したメディア分散機を用いて処理する。
この工程を行うことにより、第1工程で得られた分散体中の顔料をさらに微細化して、平均粒径が小さくとも、低粘度の顔料分散体を得ることができる。第1工程で粗大粒子が解砕されているので当該工程により得られる分散体中に含まれる粗大粒子も少なくなる。更に、第1工程で微小な粒子の含有量が少ない分散体が得られるので、第2工程において顔料粒子を処理しても分散体の高粘度化の原因となる微小な粒子の含有量を減らすことができるため、低粘度の顔料分散体が得られると考えられる。
使用する分散メディア粒子径は、分散処理の効率化の観点から、0.08mm以下が好ましく、0.07mm以下がより好ましく、0.06mm以下が更に好ましい。一方、分散メディア粒子径が小さすぎると分散が進行しにくいことから、0.01mm以上が好ましく、0.02mm以上がより好ましく、0.03mm以上が更に好ましい。
用いる分散メディア粒子の材質としては、特に限定されないが、分散体への金属不純物を低減するという観点から、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミックス製のメディアが好ましい。
メディア分散機の分散室内の分散メディア粒子の充填率は、分散室内の空間を基準にして、30体積%以上が好ましく、50体積%以上がより好ましく、60体積%以上が更に好ましい。当該充填率は、90体積%以下が好ましく、80体積%がより好ましい。この範囲では、分散メディア粒子による粉砕、剪断、衝突といった効果が発揮される。なお、分散メディア粒子の「充填率」とは、分散機容器の内部空間部分の容積に対する、充填したビーズの見かけ体積の比率で表される。ここで「ビーズの見かけ体積」とは、ビーズの質量をその占める嵩密度で割った値であり、嵩密度はビーズを1Lの容器に充填し、その質量より求めることができる。
メディア分散機の回転周速は、5〜15m/sが好ましく、6〜13m/sがより好ましく、7〜12m/sが更に好ましい。回転周速は、ロータの最先端部分の周速である。
第2工程の処理時間は、顔料分散体の平均粒径を小さくする観点から、5分以上が好ましく、10分以上がより好ましく、30分以上が更に好ましい。当該処理時間は、より低粘度の分散体を得る観点から、240分以下が好ましく、180分以下が好ましく、120分以下が更に好ましい。
第2工程で用いるメディア式分散機としては、特に限定されないが、スターミルナノゲッター、スターミルZRS(アシザワ・ファインテック株式会社、商品名)、ウルトラアペックスミル、デュアルアペックスミル(寿工業株式会社、商品名)、ペイントシェーカー、ピコグレンミル(淺田鉄工株式会社、商品名)、マイクロメディア(ビューラー株式会社、商品名)、MSCミル(日本コークス工業株式会社、商品名)、サンドミル等が挙げられるが、寿工業株式会社製のウルトラアペックスミルがより好ましい。
[第3工程]
前記の第1工程及び第2工程により、粗大粒子が少なく、低粘度で保存安定性に優れたカラーフィルター用の顔料分散体を製造することができるが、分散体中に残存する粗大粒子や分散メディア粒子の破片等の残存を低減するという観点、及び分散中に存在する不要な分散剤を除去するという観点から、第3工程として、分散体をろ過する工程を組み合わせることもできる。また、顔料分散体の更なる粘度低減及び顔料微細化という観点から、第2工程と第3工程との間に、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等を用いる工程を適宜組み合わせることもできる。
ろ過に用いられるフィルターは、得ようとする分散体の平均粒径にあわせて設定されるが、フィルターの目開きは、適度な収率を得る観点から、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、4μm以上が更に好ましい。当該目開きは、粗大粒子を除く観点から、10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましく、7μm以下が更に好ましい。
本発明の製造方法により得られる顔料分散体の平均粒径(体積分率で計算した累積体積頻度が小粒径側から累積して50%になる粒径:D50)は、カラーフィルター着色組成物により形成する膜の透明度を高める観点から、60nm以下が好ましく、40nm以下がより好ましく、34nm以下が更に好ましい。当該平均粒径は、10nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましく、30nm以上が更に好ましい。平均粒径は実施例に記載の方法により測定される。
また本発明で得られる顔料分散体の粘度は、カラーフィルター組成物の取り扱いの容易性の観点から、100mPa・s(20℃)以下が好ましく、50mPa・s(20℃)以下がより好ましく、40mPa・s(20℃)以下が更に好ましい。当該粘度は、1mPa・s(20℃)以上が好ましく、5mPa・s(20℃)以上がより好ましく、10mPa・s(20℃)以上が更に好ましい。
本発明で得られる顔料分散体の目開き5μmのフィルターでのろ過収率は、98質量%以上が好ましい。ろ過収率が高いことは、平均粒径が小さく低粘度の顔料分散体が収率よく得られることを意味する。ろ過収率は、実施例の方法により求められる値とする。
<カラーフィルター用着色組成物>
本発明の製造方法により得られたカラーフィルター用顔料分散体は、顔料の粒径が小さく、低粘度であるため、カラーフィルター用着色組成物として有用である。カラーフィルター用着色組成物(カラーレジスト色材)は、バインダー、多官能モノマー、光重合開始剤、熱硬化性化合物、溶剤及び添加剤等から選ばれる1種又は2種以上と、本発明の顔料分散体とを含む。
バインダーとしては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体とアルコール類との反応物等を挙げることができる。その質量平均分子量は、5000〜200,000が好ましい。バインダーの含有量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して20〜80質量%が好ましい。
多官能モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエステル等を挙げることができる。多官能モノマーの含有量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して10〜60質量%が好ましい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類を挙げることができる。特に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の組み合わせ、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン]が好ましい。光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の含有量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して0.2〜20質量%が好ましい。
熱硬化性化合物としては、加熱により膜硬化を行うものであれば特に限定はなく、熱硬化性官能基を有する化合物を用いることができる。例えば、エポキシ基、メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基を有するものが好ましい。熱硬化性化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱硬化性化合物の含有量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましい。
以上、本明細書においては以下のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法、カラーフィルター用顔料分散体及びカラーフィルター用着色組成物を開示する。
<1> 下記の第1工程及び第2工程を有する、カラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
第1工程:有機顔料と、高分子分散剤と、有機溶媒と、を含有する混合液を高速攪拌型のメディアレス分散機を用いて剪断速度900,000[1/sec]を超える攪拌条件で処理し、有機顔料の粒子を解砕して分散体を得る工程
第2工程:第1工程で得られた分散体を、分散メディア粒子を充填したメディア分散機を用いて処理する工程
<2> 有機顔料がジケトピロロピロール系顔料である、<1>に記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<3> 高分子分散剤が、塩基性ウレタン樹脂である、<1>又は<2>に記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<4> 高分子分散剤がアミン価3〜20mgKOH/g、より好ましくは5〜17mgKOH/g、更に好ましく5〜15mgKOH/gが、より更に好ましくは5〜9mgKOH/gの塩基性ウレタン樹脂である、<1>〜<3>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<5> 顔料分散体中の顔料の量が、顔料分散体全量に対して、1〜60質量%、より好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である、<1>〜<4>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<6> 顔料分散体中の高分子分散剤の量が、顔料質量に対して、10〜200質量%、より好ましくは20〜150質量%、更に好ましくは30〜100質量%である、<1>〜<5>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<7> メディアレス分散機が、ロータとステータとを備える、<1>〜<6>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<8> メディアレス分散機が、インライン循環式である、<1>〜<7>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<9> 第1工程における、剪断速度が920,000〜2,000,000[1/sec]、好ましくは950,000〜1,500,000[1/sec]であり、より好ましくは1,000,000〜1,200,000[1/sec]である、<1>〜<8>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<10> メディアレス分散機の剪断部クリアランス(ステータとロータのクリアランス)が、10〜100μm、好ましくは15〜50μm、より好ましくは20〜40μmである、<1>〜<9>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<11> 第1工程により得られる顔料分散体の平均粒径(D50)は、2〜15μm、好ましくは3〜13μmであり、5〜10μmである、<1>〜<10>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<12> 第1工程における処理時間は、5分〜10時間、好ましくは30分〜8時間、より好ましくは1時間〜5時間である、<1>〜<11>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<13> 分散メディア粒子径が0.01〜0.08mm、好ましくは0.02〜0.07mm、より好ましくは0.03〜0.06mmである、<1>〜<12>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<14> 分散メディア粒子の材質は、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素及び窒化ケイ素から選ばれる1種又は2種以上のセラミックスである、<1>〜<13>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<15> 第2工程の処理時間が5〜240分、好ましくは10〜180分、より好ましくは30〜120分である、<1>〜<14>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<16> 以下の第3工程を更に有する、<1>〜<15>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
第3工程:第2工程の後に、分散体をろ過する工程
<17> 顔料分散体の平均粒径が、10〜60nm、より好ましくは20〜60nm、更に好ましくは30〜34nmである、<1>〜<16>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<18> 顔料分散体の粘度が、1〜100mPa・s(20℃)、より好ましくは5〜50mPa・s(20℃)、更に好ましくは10〜40mPa・s(20℃)である、<1>〜<17>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<19> 顔料分散体の目開き5μmのフィルターでのろ過収率が、98質量%以上である、<1>〜<18>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<20> <1>〜<19>のいずれかに記載の製造方法により得られるカラーフィルター用顔料分散体。
<21> <20>に記載の顔料分散体と、バインダーと、多官能モノマーと、光重合開始剤とを含有するカラーフィルター用着色組成物。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「質量部」及び「質量%」である。
実施例における各種数値の測定または算出方法、評価方法は以下のとおりである。
(1)剪断速度
メディアレス分散機の剪断速度は、下記計算式(1)により算出した。なお、下記回転周速はロータや攪拌羽等の剪断刃の最先端部分の値であり、剪断刃が複数ある場合は、最大の回転速度を用いる。
また、下記剪断部クリアランスは、上記の最大の回転速度となる剪断刃の最先端部分と内壁(ローターの場合はステーターの内壁)との距離である。クリアランスが複数ある場合は、最狭の距離を用いる。
剪断速度[1/sec]=回転周速[m/s]÷剪断部クリアランス[m] (1)
(2)平均粒径(D50)
第1工程後の顔料分散体の平均粒径(D50)は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−950(堀場製作所(株)製)を用いて測定した。
最終工程後(ろ過後)の顔料分散体の平均粒径(D50)は、マルバーン社製ゼータサイザー(粒子径、ゼータ電位、分子量測定装置)を用いて測定した。
上記平均粒径は、いずれも体積平均粒度分布における50%通過粒子径(D50)を平均粒径とする。
粒径は顔料分散体をジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)で300倍に希釈し、上記粒度分析計を用いて、20℃で測定した。尚、分散質屈折率:1.51、分散質密度:1.45g/cm3、分散媒屈折率:1.43、分散媒粘度:3.6cpsを用いた。
平均粒径は、小さいことが好ましく、35nm未満がより好ましい。
(3)粘度
ろ過(第3工程)後の顔料分散体を、固形分濃度17%となるようにBCAを添加し、色材粘度として、E型粘度計〔測定温度:20℃、測定時間:1分、回転数:20rpm、標準ローター(1°34′×R24)〕(東機産業株式会社製、TV−25)を用いて測定した。粘度は、小さいことが好ましい。
(4)ろ過収率
ろ過(第3工程)前後の固形分濃度変化を対比して、下記計算式(2)によりろ過収率を求め、評価した。
ろ過収率=ろ過後の固形分濃度/ろ過前の固形分濃度 (2)
(固形分濃度測定)
固形分濃度は、分散体液をアルミカップに1g精秤し、130℃のオーブン中で20時間乾燥した後の質量から測定でき、下記計算式(3)より求められる。
分散体の固形分濃度(質量%)=[(乾燥後の総質量−アルミカップ質量)/(乾燥前の総質量−アルミカップ質量)]×100 (3)
<実施例1>
(第1工程)
ステータとロータを備えるインライン循環式メディアレス分散機(IKAジャパン株式会社製、DR−PILOT2000、ジェネレータ8SF、剪断部クリアランス25μm)の原料フィードタンクにBCA79.6部、高分子分散剤として塩基性ウレタン系樹脂であるアジスパーPB−821(商品名、味の素ファインテクノ株式会社製:アミン価9mgKOH/g)8.4部を入れ、回転数6563rpm、回転周速25m/s、剪断速度1,000,000[1/sec]の条件下、顔料としてジケトピロロピロール系顔料12部(BASF株式会社製、PR254:表品名「IRGAPHOR BT−CF」)(全量15Kg)を投入し、3時間回転混合処理して分散体を得た。
(第2工程)
得られた分散体を、0.05mmφのジルコニアビーズを充填(充填率64体積%)したウルトラアペックスミル015(内容積0.17L、寿工業株式会社製、商品名)を回転周速8m/s、処理時間100分の条件で処理し、顔料分散体を得た。
(第3工程)
次に、得られた顔料分散体を、手押しのシリンジを用いて、フィルターろ過(ザルトリウス株式会社製、ポリ4フッ化エチレン、目開き5μm)により処理した。
第1工程後の平均粒径を上記の方法に従って測定した。また、第3工程におけるろ過収率、第3工程後の顔料分散体の平均粒径、及び第3工程後の顔料分散体の粘度を上記の方法に従って、測定、評価した。結果を表1に示す
<実施例2>
インライン循環式メディアレス分散機を回転数7,875rpm、回転周速30m/s、剪断速度1,200,000[1/sec]の条件に変えた以外は、実施例1と同様の処理をおこなった。結果を表1に示す。
<比較例1>
インライン循環式メディアレス分散機を回転数5,906rpm、回転周速22.5m/s、剪断速度900,000[1/sec]に変えた以外は、実施例1と同様の操作をおこなった。結果を表1に示す。
<比較例2>
ポリ容器にBCA79.6部、高分子分散剤(アジスパーPB−821)8.4部、ジケトピロロピロール系顔料を12部入れ、ポリ容器を手で混合して第1工程とし、その他は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
<比較例3>
BCA79.6部、高分子分散剤(アジスパーPB−821)8.4部を混合したものを1Lのポリ容器(φ98mm)に入れ、回転翼径3.3cmのディスパー(プライミックス株式会社製)回転数7,000rpm、攪拌周速12.1m/sの攪拌下、ジケトピロロピロール系顔料12部を投入し(全量0.6kg)、5時間攪拌混合して第1工程とし、その他は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
尚、クリアランス=(9.8−3.3)/2=3.25cmとなるので、剪断速度は、12.1/(0.0325)=372 [1/s]である。
<比較例4>
ポリ容器にBCA79.6部、高分子分散剤(アジスパーPB−821)8.4部、ジケトピロロピロール系顔料を12部入れ、内容物(全量15kg)が均一になるようにポリ容器を手で5分程度混合し、さらに0.3mmφのジルコニアビーズを充填(充填率60vol%)したピコミル(内容積2.0L、浅田鉄工株式会社製、PCMH−C2M、商品名)を攪拌周速8m/s、滞留時間1分、処理時間0.6時間の条件で処理して第1工程とし、その他は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
<比較例5>
比較例4のピコミルを、滞留時間5分、処理時間3.0時間に変えた以外は、比較例4と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
第1工程の剪断速度900,000[1/sec]とした比較例1、ディスパーで第1工程の分散を行った比較例3、ピコミルで第1工程の分散を0.6時間行った比較例4では、ろ過収率が低下したが、これは第1工程における分散が十分ではなかったためと考えられる。
第1工程の分散を手で攪拌を行った比較例2では、第1工程の分散が全く不十分であった。
ピコミルで第1工程の分散3.0時間を行った比較例5では、粘度が上昇した。これは、顔料が過粉砕されたものと考えられる。
なお、比較例1で第2工程を行わなかったものは、平均粒径が大きく、ろ過収率も劣る。
1 2 : 分散機
11 21 : ステータ
12 22 : ロータ
C : 剪断部クリアランスC

Claims (7)

  1. 下記の第1工程及び第2工程を有する、カラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
    第1工程:有機顔料と、高分子分散剤と、有機溶媒と、を含有する混合液を高速攪拌型のメディアレス分散機を用いて剪断速度900,000[1/sec]を超える攪拌条件で処理し、有機顔料を解砕して分散体を得る工程
    第2工程:第1工程で得られた分散体を、分散メディア粒子を充填したメディア分散機を用いて処理する工程
  2. メディアレス分散機が、ロータとステータとを備える、請求項1に記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
  3. メディアレス分散機の剪断部クリアランスが、10〜100μmである、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
  4. 第1工程における、剪断速度が920,000〜1,500,000[1/sec]である、請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
  5. メディアレス分散機が、インライン循環式である、請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
  6. 高分子分散剤がアミン価3〜20mgKOH/gの塩基性ウレタン樹脂である、請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
  7. 分散メディア粒子径が、0.01〜0.08mmである、請求項1〜6のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
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