JP2011213999A - 超易分散顔料分散体およびその製造方法 - Google Patents

超易分散顔料分散体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大幅な省力化が可能で、微細化顔料が安定して分散されている超易分散顔料分散体の製造方法および超易分散顔料分散体を提供すること。
【解決手段】分散剤を含む分散安定化剤、顔料および水溶性溶剤からなる分散安定化組成ならびに水溶性無機塩を含む混合物を摩砕混練した後、洗浄、脱水して、含水顔料ペーストを得、該含水顔料ペーストをフラッシング処理することを特徴とする超易分散顔料分散体の製造方法。該製造方法では、フラッシング処理において、顔料を水相から油相に転相し、水をデカンテーションして除去した後、更に減圧蒸留をしてもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、超易分散顔料分散体およびその製造方法に関し、更に詳しくは、各種インクジェットプリンター用インキや、カラーフィルター(フォトリソグラフィー方式、およびインクジェット方式のカラーフィルターを含む)用分散体、カラートナーなどに用いられる超易分散超易分散顔料分散体およびその製造方法に関する。
従来、顔料(特にことわらない限り有機顔料を指す。)は塗料、印刷インキ、樹脂の着色材料として使用されてきたが、近年、顔料の耐熱性、耐光性、耐水性などの優れた特性が着目され、種々の用途に用いられるようになり、例えば、透明性が要求される樹脂製品用の着色材料、液晶表示装置用のカラーフィルターの着色材料、インクジェットインキ、電子写真方式現像剤などの用途においても広く使用されるようになってきている。これらの用途の中でも、カラーフィルター、インクジェットインキなどに使用される顔料は、着色力、色相、透明性等の着色効果における向上に加え、低粘度、高流動性等の取扱い性の向上などが強く要請されている。
このような着色効果の向上に対応する方法としては、より微細化された顔料を均一分散した状態で得ようとする方法が検討されており、上記のような要請に対応するには顔料の一次粒子径をできるだけ小さくすることが必要であり、所謂ソルトミリング法が広く採用されている。
しかし、ソルトミリング法により顔料を微細化する場合、一般に、粗顔料、水溶性無機塩、水溶性溶剤等を含有する組成物をニーダー等で混練後、水洗し、脱水した後、箱型乾燥機やバンド乾燥機で乾燥し、更にハンマーミル等で粉砕して粉末の微細化され、各種用途の顔料として使用される。そのため、当該一般的なソルトミリング法により一定の微細化顔料が得られたとしても、その後の乾燥粉砕工程を経て、所望の目的の顔料分散体とした段階で、強固な凝集が生じたり、容易に再凝集が生じたりすることとなる。このように、一般的なソルトミリング法により得られた微細化顔料を用いて最終的に微細化顔料の分散体を得るためには、更なる分散操作が必要である。
このような課題に対しては、ミリング時に顔料誘導体を添加したり、ミリング時の温度調整をしたり、食塩などの水溶性無機塩を微粒化したりする試みがなされている(特許献1〜3)。また、前記のような乾燥工程を経ることなく、脱水後の顔料の水ペーストと所定の溶剤とを混合し、フラッシングして顔料分散体を得る方法なども試みられている(特許文献4)。
しかし、一般に、顔料の一次粒子径が小さくなるほど、再凝集が起こり易く、顔料分散体の粘度は上昇しやすくなるため、微細化した顔料が安定して分散した状態である顔料分散体を得ることは極めて困難である。そのため、顔料を再分散させるためには相応の動力が必要になるという問題がある。
本発明者らは、既に、特定条件下でソルトミリングすることによる顔料の極めて有効な微細化法を提案しているが(特許文献5)、省力化の点で検討の余地があった。
特開2003−57425号公報 特開2006−335920号公報 特開2008−50588号公報 特開2007−191699号公報 特願2009−180130号公報
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、その目的は、大幅な省力化が可能で、微細化顔料が安定して分散されている超易分散顔料分散体の製造方法および超易分散顔料分散体を提供することである。
本発明らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、最終的に得られる顔料分散体を分散性良好にさせ得る分散剤を含む分散安定化剤を顔料の微細化時に用いることで、微細顔料粒子形成時から顔料粒子表面への保護効果が働き顔料同士の接触が妨げられる、すなわち顔料同士の凝集を妨げるという、顔料の微細化から顔料分散体の製造に至るまで一貫した非凝集の概念を取り入れ、顔料の摩砕混練時から顔料分散体の製造まで、分散安定系で一連の操作を行うことにより、顔料が分散安定化した超易分散顔料分散体の製造が可能であることを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
本発明の第1は、分散剤を含む分散安定化剤、顔料および水溶性溶剤からなる分散安定化組成ならびに水溶性無機塩を含む混合物を摩砕混練した後、洗浄、脱水して、含水顔料ペーストを得、該含水顔料ペーストをフラッシング処理することを特徴とする超易分散顔料分散体の製造方法に関する。
本発明では、前記分散安定化剤が、顔料誘導体および/または樹脂をさらに含むものであっても良い。
また本発明では、前記顔料が、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、および縮合多環系顔料から選択される少なくとも一種であっても良く、前記縮合多環系顔料としては、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、金属錯体顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料から選択される少なくとも一種であるのが好ましい。
また本発明では、前記水溶性無機塩が、芒硝または食塩であってもよい。
また本発明では、含水顔料ペーストの顔料濃度が10〜70重量%であってもよい。
また本発明では、前記フラッシング処理において、顔料を水相から油相に転相し、水をデカンテーションして除去した後、更に減圧蒸留してもよく、減圧蒸留を行った場合は、超易分散顔料分散体中の残留水分を1.0重量%以下にするのが好ましい。
また本発明では、前記超易分散顔料分散体がカラーフィルター用であってもよい。
本発明の第2は、分散剤を含む分散安定化剤、顔料および溶剤からなる分散安定化組成を含み、下式(1)を満たす超易分散顔料分散体に関する。
CR(60)/CR(0)≦1.3 (1)
(式中、CR(60)は、前記分散安定化組成を含む顔料分散体を60分間分散処理した後、形成した塗膜のコントラスト比であり、CR(0)は、前記分散安定化組成を含む顔料分散体を分散処理せずに、形成した塗膜のコントラスト比である。)
本発明によれば、顔料の微細化から顔料分散体の調製に至るまで一貫した非凝集の概念を取り入れ、最終的に調製する顔料分散体を分散性良好にさせ得る、分散剤を含む分散安定化剤、顔料および水溶性溶媒からなる分散安定化組成ならびに水溶性無機塩を含む混合物を摩砕混練し、得られた含水顔料ペーストをフラッシング処理することで、所望の顔料分散体調製時に再分散処理を行うことなく、顔料が微細かつ均一で、分散安定性に優れた超易分散顔料分散体を提供することができる。
本発明の意義は、顔料の微細化時から顔料分散体を製造するに至るまで一貫した非凝集の概念を取り入れ、かつ溶剤転相(フラッシング処理)を併用することで、微細化と同時に、極めて安定に分散した優れた顔料分散体を得ることにある。すなわち、顔料の摩砕混練時においては、特定の分散安定化剤、顔料および水溶性溶剤からなる分散安定化組成ならびに水溶性無機塩を含むソルトミリング組成物(混合物)を得、次いで該組成物(混合物)を洗浄、脱水し、フラッシング処理することにより、最終的には、微細化されかつ顔料が極めて安定して分散した超易分散顔料分散体を得ることができる。
本発明では、最終的に得られる顔料分散体の使用用途に応じて選択される顔料、および該顔料に適した、分散剤を含む分散安定化剤の組合せを、ソルトミリングを行う段階から使用することが重要である。そして、該分散安定化剤と顔料の組合せに水溶性溶剤と加えて分散安定化組成とし、該組成に水溶性無機塩を加えてソルトミリングする。
その後、得られる含水顔料ペーストを、乾燥処理を行わずにフラッシング処理する。これにより、驚くべきことに、ソルトミリングにより微細化された状態をほぼ維持し、再分散処理を行うことなく、微細化された顔料が極めて安定に分散された超易分散顔料分散体を所望の用途に応じて容易に得ることが可能となる。
従って、本発明では、先ず顔料分散体の用途を決定すると、その用途で分散安定系を形成するのに適した顔料、および、分散剤を含む分散安定化剤の組合せを特定の手段を用いて決定し、当該組合せを顔料のソルトミリングによる微細化時から採用する。当該組合せを採用することにより、ミリングに適した任意の溶媒を用いても、微細顔料粒子形成時から顔料粒子表面への保護効果が働き、微細化した顔料同士の接触が妨げられる、即ち、微細化した顔料同士の凝集を妨げることが可能となる。また、所望の顔料分散体調製に至るまで、顔料粒子表面に分散安定化剤が保持されることから、最終的に調製される顔料分散体においても微細化された顔料が極めて安定に分散されたものとなる。
尚、前記「分散安定系を形成する」とは、顔料分散体中において、微細化された顔料がフロキュレーションやアグロメレーションといった凝集状態を形成することなく、単分散に近い状態を維持し、再凝集することがないか、再凝集が殆ど起きない状態を形成していることを意味する。
顔料が再凝集することがないか、再凝集が殆ど起きない状態を形成しているか否かを判断する指標としては、再凝集すれば顔料分散体の粘度が上昇することに着目し、ニュートニアン流動の指標であるチキソトロピックス・インデックス(TI値)を用いて、顔料分散体が分散安定系を形成した状態にあるか否かを評価する。具体的評価基準は、以下のとおりである。
即ち、顔料分散体について、剪断速度が10[1/sec]および100[1/sec]の時の粘度をレオメーターを用いて測定し、剪断速度が10[1/sec]の時の粘度が100[mPa・s]以下で、TI値=(10[1/sec]の時の粘度)/(100[1/sec]の時の粘度)が1.5以下、より好ましくは1.2以下である場合に、顔料分散体が分散安定系を形成した状態にあることとする。また、ここでいう顔料分散体とは、通常、最終的に得られる顔料分散体を意味するが、本発明では、前記した「分散安定化剤」、顔料、溶剤とを含む顔料分散体が、「分散安定系」を形成し得るか否かを評価する指標として用いる。なお、前記溶剤としては、最終的に得られる分散体において使用する溶剤を用い、顔料濃度(顔料誘導体を用いる場合は、顔料誘導体が含まれる。)を最終的に得られる分散体と同一濃度として測定する。
以下に、本発明に係る製造方法の各工程について、具体的に説明する。
<微細化(ソルトミリング)工程>
本発明では、ソルトミリング法を用いて顔料を微細化する。当該方法は、分散剤を含む分散安定化剤、顔料および溶剤からなる分散安定化組成ならびに水溶性無機塩(無機摩砕剤ともいう)を混合し、混練機等を用いて機械的に摩砕混練し(このように摩砕混練された混合物をマグマと称する場合がある。)、顔料を微細化する方法である。
前記水溶性溶剤は、顔料、水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ、用いる水溶性無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。但し、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤を用いることが好ましい。また、水溶性溶剤としては、親水性の溶剤を用いる必要があり、具体的には、例えば、水25℃における水100gに対する溶解度が3g以上の液体を用いることができる。
前記水溶性溶剤としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(へキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられ、これらを単独または2種以上併用しても良い。
水溶性溶剤の添加量としては、特に限定はないが、前記水溶性無機塩に対して5〜50重量%が好ましく、10〜40重量%がより好ましく、15〜35重量%が特に好ましい。添加量が5重量%未満であると、均一な混練が難しくなり、顔料の粒子サイズが不ぞろいになる傾向にある。また、添加量が50重量%を超えると、混練組成物が柔らかくなり過ぎ、混練組成物にシェアがかかりにくくなるために、十分な微細化効果が得られない傾向にある。
また、水溶性溶剤は、ソルトミリングする際の初期に全量添加してもよいし、ソルトミリング中に適宜分割して添加してもよい。
本発明では、使用する顔料について特に制限は無いが、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、および縮合多環系顔料から選択される少なくとも一種の有機顔料を用いることができる。また、縮合多環系顔料としてはアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、金属錯体顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等が例示できる。
前記分散安定化剤は、分散剤を必須成分として含むものであり、必要により、顔料誘導体および/または樹脂を更に含むものであっても良い。当該分散安定化剤は、上記の通り、使用する顔料との関係で、その構成を適宜選択すれば良い。従って、分散安定化剤の態様としては、分散剤のみからなるもの、分散剤と顔料誘導体または樹脂とからなるもの、分散剤、顔料誘導体および樹脂からなるもの等が例示できる。
前記分散剤は、顔料との組合せにおいて、結晶安定化、易分散化、および/または分散安定化の機能を示すものであり、例えば、樹脂型または界面活性剤型の顔料分散剤を用いることができる。分散剤の使用量としては、特に制限はないが、顔料100重量部(顔料誘導体を用いる場合は、顔料誘導体が含まれる)に対して5〜200重量部が好ましい。5重量部より少ない場合は期待する効果が乏しく、200重量部より多い場合は、例えば、最終的にカラーフィルター、インクジェットプリンター用インキまたはカラートナー用の組成物として加えられる熱硬化性樹脂、熱可塑性、感光性樹脂、モノマー、オリゴマー、光開始剤等の機能を損なうなど悪影響を及ぼす可能性がある。また分散剤は、微細化時に全量用いても良いし、微細化時に一部を使用し、後述する転相工程(フラッシング処理)時に残りの一部を使用しても良い。
樹脂型顔料分散剤として、具体的にポリウレタン、ポリエステル、不飽和ポリアミド、燐酸エステル、ポリカルボン酸及びそのアミン塩、アンモニウム塩、アルキルアミン塩、ポリカルボン酸エステル、水酸基含有ポリカルボン酸エステル、ポリシロキサン、変性ポリアクリレートなどの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体などの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物が用いられ、これらは単独もしくは2種以上を混合して用いることができる。樹脂型顔料分散剤の重量平均分子量は1000〜30000程度のものが好ましい。
具体的には、ソルスパース3000、9000、13240、17000、20000、24000、26000、28000、32000、32500、41000(以上、日本ルーブリゾール(株)製)、Disperbyk−108、110、112、140、142、145、161、162、164、166、2000、2001、2050、2070、2150(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)、EFKA−4401、4403、4406、4010、4015、4046、4047、4050、4055、4060、4080、5064、5207、5244(以上、EFKA Additive社製)、アジスパーPB821(F)、PB822、PB880(以上、味の素ファインテクノ(株)製)、ヒノアクトT−8000(川研ファインケミカル(株)製)、ディスパロンPW−36、DA−325、375、7301(楠本化成(株)製)などが挙げられる。
界面活性剤型顔料分散剤としては、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル等のアニオン活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン活性剤、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン活性剤等が挙げられる。
具体的には、デモールN、RN、MS、SN−B、エマルゲン120、430、アセタミン24、86、コータミン24P(以上、花王(株)製)、プライサーフAL、A208F(以上、第一工業製薬(株)製)、アーカードC−50、T−28、T−50(以上、ライオン(株))などが挙げられる。
前記顔料誘導体は、顔料の結晶安定化、分散安定化のために適宜使用するものである。この誘導体は、前記顔料を基本骨格とし、分子内に酸性を付与する置換基や、塩基性を付与する置換基を導入した化合物であり、分散対象となる顔料に吸着して極性を与えることで分散剤や適宜使用する樹脂との相互作用から分散効果を与えると考えられるものである。
当該顔料誘導体の具体例としては、EFKA−6745、6750(EFKA Additive社製)、BYK−Synergist2100(ビックケミー・ジャパン(株)製)、ソルスパース5000、12000、22000(以上、日本ルーブリゾール(株)製)などが挙げられる。また、公知の方法(特開2007−186681号公報)により作製することもできる。
顔料誘導体の使用量としては、顔料100重量部(顔料誘導体を用いる場合は、顔料誘導体が含まれる)に対して、0.01重量部〜50重量部である。さらに好ましくは0.5重量部〜40重量部である。これはフラッシング処理時の顔料の水相から油相への転相性、顔料分散体の色相、粘度安定性等によって決定される。
また顔料誘導体は、微細化時に全量用いても良いし、微細化時に一部を使用し、後述する転相工程(フラッシング処理)時に残りの一部を使用しても良い。
前記樹脂は、分散剤に補助的効果を付与するものであり、例えば、最終製品であるカラーフィルター、インクジェットプリンター用インキまたはカラートナーの性能に悪影響を及ぼすことが無く、水不溶性で、かつ室温では固体状態になるもの(例えば合成樹脂)を使用することができる。また、繊維素誘導体や、ゴム誘導体、タンパク誘導体も、前記樹脂に準じて同様の性能を有するものを選択して使用することができる。
前記樹脂としては、特にエポキシ樹脂および(メタ)アクリル樹脂が好適に使用される。汎用性が広く、透明性が高く、またカラーフィルターにした時の諸耐性においても優れているためである。
エポキシ樹脂とは、分子中にエポキシ基を1個以上含むエポキサイドをいい、本発明では硬化剤で架橋されていない、溶解性のものが好ましい。エポキサイドとしてはビスフェノール系、ノボラック系、アルキルフェノール系、レゾルシン系、ポリグリコール系、エステル系、N−グリシジルアミンなどのグリシジル型や,環状脂肪族エポキサイド等があげられる。
(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル酸とメタクリル酸およびそれらのエステルのモノマーの単体あるいは混合物の共重合体で、他にスチレン、酢酸ビニル、無水マレイン酸等のラジカル重合性のモノマーとの共重合体であってもよい。
これら樹脂の添加量は特に制限はないが、顔料100重量部(顔料誘導体を用いる場合は、顔料誘導体が含まれる)に対し5〜200重量部が好ましく、5重量部より少ない場合は期待する効果が乏しく、200重量部より多い場合は、例えば、最終的にカラーフィルター、インクジェットプリンター用インキまたはカラートナー用の組成物として加えられる熱硬化性樹脂、熱可塑性、感光性樹脂、モノマー、オリゴマー、光開始剤等の機能を損なうなど悪影響を及ぼす可能性がある。また、それら添加組成物との相溶性の悪さが目立ち、目的とする分散安定化に効果が発揮されないことがある。また当該樹脂は、微細化時に全量用いても良いし、微細化時に一部を使用し、後述する転相工程(フラッシング処理)時に残りの一部を使用しても良い。
前記水溶性無機塩としては、食塩(塩化ナトリウム)、芒硝(硫酸ナトリウム、無水物を含む)、塩化カリウム等が例示できる。水溶性無機塩の使用量としては、顔料100重量部に対して100重量部〜3000重量部が好ましい。上記無機塩の使用量が少な過ぎると、顔料の微細化が不十分となり、一方、上記無機塩の使用量が多過ぎると不経済である。
ソルトミリング時に使用可能な混練機等は公知のものを使用可能であるが、高速撹拌装置、またはニーダー等の高トルク混練装置を用いることにより、顔料の微細化が容易となり、高速の処理が可能となる。
<含水顔料ペーストの調製>
前記の微細化工程が終了した後、マグマを取り出し、水中に投じて撹拌分散し、ろ過と洗浄を行い、水溶性無機塩および水溶性溶剤を取り除き、含水顔料ペースト(顔料水ペーストという場合がある)を得ることができる。
この際、前記顔料水ペーストは、微細化した顔料の濃度が10〜70重量%であることが好ましく、20〜50重量%であることがより好ましい。この範囲の顔料濃度にあると、成分として含まれるその他樹脂等固形分により顔料水ペーストの取扱いが容易であり、その後のフラッシング処理(溶剤転相工程ともいう)でも、機械力の掛かり方から混練性、水分離性の点で有利である。
<溶剤転相(フラッシング処理)>
上記のようにして得られた微細化顔料を含む顔料水ペーストは、そのまま乾燥、粉砕し、さらに分散工程を経て、例えば、カラーフィルター用顔料分散体とすれば、従来のソルベントソルトミリングにより得た微細化顔料より優れた分散性を示し、カラーフィルターとしての性能も向上するが、本発明では、大幅な省力化、易分散化のために、顔料水ペーストを乾燥することなく溶剤転相を行う。これにより、超易分散顔料分散体を調製する製造方法を極めて有効に実施することができる。
即ち、上記のようにして得られた微細化顔料を含む顔料水ペーストと非水溶性溶剤をフラッシャーに仕込み、非水溶性溶剤でフラッシングし、顔料を水相から油相へ転相した後、水をデカンテーションして除去することで、超易分散顔料分散体を容易に製造するこができる。この方法により、分散処理を行うことなく、かつ顔料が微細に分散された状態で分散剤により包含処理され、乾燥工程で強い凝集を生じることがないため、より凝集性の低い微細化顔料の分散体を得ることができる。また、このように分散工程や乾燥工程を必要としないことから大きなエネルギーを必要とすることも無い。
本発明では、当該フラッシング処理において、顔料を水相から油相に転相し、水をデカンテーションして除去した後、更に減圧蒸留しても良い。またその際、得られる顔料分散体中に残存する水分含量(残留水分)としては、特に限定はないが、顔料分散体中で1.0重量%以下まで除去することが好ましい。これより残存量が多いと、例えば、最終的なカラーフィルターの製膜性やその他必要特性に悪影響を及ぼすことがある。
また減圧蒸留する前および/または後に、必要により、顔料分散体中に残存している水分をさらに吐き出させるため、混練を行っても良い。
この溶剤転相の工程(フラッシング処理)で用いられる溶剤としては、顔料の水ペーストから溶剤ペーストに転相でき、そのまま目的の最終顔料分散体の溶剤とするもの、または転相後、最終分散体溶剤で置換できる(即ち、蒸留で除去することが可能である)ものから選択し、使用している各種分散剤、顔料誘導体、樹脂等を考慮して選択する必要がある。
前記溶剤としては、非水溶性溶剤であることが必要であり、例えば、カラーフィルター用の顔料分散体を調製する場合は、アルコール系溶剤(非水溶性のものに限る)、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤などが挙げられる。
前記のアルコール系溶剤としては、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール;ケトン系溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケントン、シクロヘキサノン;エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル;脂肪族炭化水素系溶剤としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン;芳香族炭化水素系溶剤としては、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン;エーテル系溶剤としては、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテートなどが挙げられる。前記の溶剤は、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。尚、上記エーテル系溶剤は顔料分散体を調製する際に用いる溶剤でもある。
尚、顔料種によっては、ソルトミリング後の顔料の水ペーストをトルエンなどでフラッシングした後、そのトルエンを除去した上で、分散体で使用する溶剤に置換し、所望の顔料分散体を得ることができる。
また、フラッシャーとしては、公知のものを用いることができ、例えば、ニーダー、サンドグラインダーミル、双腕型混練機、3軸遊星運動方式の縦型混練機などが挙げられるが、顔料を水相から油(溶剤)相に転相することが可能であれば、その他装置を用いてもよく、何ら制限されるものではない。
例えば、上記のようにして得られる顔料分散体は、分散剤を含む分散安定化剤、顔料および溶剤からなる分散安定化組成を含み、下式(1)を満たす超易分散顔料分散体である。
CR(60)/CR(0)≦ 1.3 (1)
(式中、CR(60)は、前記分散安定化組成を含む顔料分散体を60分間分散処理した後、形成した塗膜のコントラスト比であり、CR(0)は、前記分散安定化組成を含む顔料分散体を分散処理せずに、形成した塗膜のコントラスト比である。)
尚、分散処理、塗膜の調製、コントラスト比の測定は、後述する方法を用いる。
CR(60)/CR(0)が1.3より大きいと、到達品質に達するためには更に相応の分散力が必要であることを意味し、超易分散とは言い難く、補完的に分散処理が必要な場合がある。従って、当該比としては、好ましくは1.2以下であり、より好ましくは1.1以下である。
また当該比の値は、基本的に1に近い(分散処理前後で変化が小さい)ほうが良いといえるが、顔料分散体のコントラスト比が、分散処理を行う前より後のほうが低下する場合は、分散力を追加しても分散性は向上しない、即ち、分散処理せずとも既に到達品質に達していることを意味しており、CR(60)/CR(0)の値が1より小さくなる場合は、下限値に限定はない。但し、分散処理後にコントラスト比が低下するものについては分散剤等の分散安定化剤の不足によって顔料粒子の凝集が発生したと考えられ、このような顔料分散体は分散処理前も概して長期保存安定性が不良の傾向にあることから当該比の値は、0.7以上であると好ましい。
以下に、本発明を、実施例および比較例により、カラーフィルター用として用いる場合についてより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<微細化工程>
ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.Pigment Blue15:6(Blue15:6と略称する場合がある。)、DIC(株)製、「FASTOGEN Blue EP−207」)80g、中性無水芒硝(平均粒径約5μm、三田尻化学工業(株)製)480g、顔料誘導体(日本ルーブリゾール(株)製、「顔料誘導体系分散剤 ソルスパース5000」)8.88g(全顔料に対して10重量%)、高分子分散剤(味の素ファインテック(株)製、「アジスパーPB821F」)44.5g(全顔料に対して50重量%)、アクリル系樹脂(新中村化学工業(株)製、「バナレジンPSY−C1」)17.8g(固形分換算、全顔料に対して20重量%)、水溶性溶剤としてエチレングリコール(以下、EGと略す。(株)日本触媒製)35gを双腕型混練機(以下、ニーダーという。(株)モリヤマ製、1LニーダーΣ型。)に添加し、ニーダー中の混練物の温度が50℃になるように温度コントロールして8時間摩砕混練した(以下、混練物をマグマという。)。以上により微細化工程が終了した。
尚、前記組成物のうち中性無水芒硝およびEGを含めず、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PMAという。協和発酵ケミカル(株)製、「アーコソルブPMA」)を用いて顔料分10重量%に濃度調整した系で、別途、ペイントコンディショナー(以下、PCと称する場合がある。)で分散調製して得られる分散体(以下、PC−B−1と略称する。)の粘度測定の結果より、TI値が1.5以下であることから、分散安定系が形成されている(分散安定化組成である)ことを予め確認した。これらの確認方法等は後述のとおりである。
微細化工程が終了したマグマを取り出し、40℃の温水1.5Lに撹拌分散し、その後ヌッチェに移してろ過し、芒硝が完全に取り除けるまで水洗を繰り返した。水洗された水分を多く含んだ顔料水ペーストは、顔料濃度が23.6重量%であった。
<溶剤転相(フラッシング処理)>
微細化後の顔料水ペースト(固形分40.2重量%)42.3g(顔料純分で10gに相当)を、実験用自動乳鉢に投入し、撹拌運転しながら、溶剤PMA8gを加えて10分間混練した。その後、デカンテーションにより分離水を取り除いた後、実験用自動乳鉢により1時間混練し、PMAを主体に多く含む微細化顔料のペーストを得た。次に、更にPMAを加えて顔料濃度が約9重量%になるまで希釈し、60℃の減圧蒸留により残留する水を1.0%以下まで脱水した。この段階で顔料濃度約11重量%の顔料分散体を得た。該顔料分散体にPMAを添加して、顔料濃度10重量%の顔料分散体を得た(当該顔料分散体をCF1−0と称する。)。
<評価用サンプルの調製>
次いで、顔料分散体(CF1−0)20g(顔料純分で2.0gに相当)を秤量し、70mLのガラス製の瓶に入れ、0.5mmφのジルコニアビーズ80gを加えてPCで所定時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して顔料分散体を得た。5分間分散後と60分間分散後のものを後述のカラーフィルター評価用の分散体として使用した。尚、5分間分散後の顔料分散体をCF1−5と、60分間分散後のものをCF1−60と称する。
ここで、PCの分散時間として前記2点の試料を評価する理由は以下の通りである。
前記のとおり、本発明の課題の一つとして、大幅な省力分散による製造コストの削減が挙げられるが、本発明の超易分散顔料分散体の分散の容易さを確認するために、溶剤転相を経た顔料分散体にごく僅かな分散力を加えたタイプとしてPCの分散時間が5分間である分散体を作製した(以下、PC5分と称する場合がある)。一方、十分分散エネルギーを加えたタイプ、即ち到達品質確認用としてPCの分散時間が60分間である分散体を作製した(以下、PC60分と称する場合がある)。両者の特性値の開きが小さいほど易分散性であると判断する指標とした。但し、溶剤転相を経た顔料分散体の特性値が、PC分散を行った後と同等あるいは上まわる場合は、分散力を追加しても向上しない、即ち、到達品質に達していることを意味しており、超易分散と判断した。
(実施例2)
実施例1において作製した微細化後の顔料水ペーストを用いて溶剤転相を行った。即ち、当該顔料水ペースト(固形分40.2重量%)634g(顔料純分で150gに相当)を、3軸遊星運動方式の縦型混練機(トリミックスTX−2、株式会社井上製作所製)に投入し、撹拌運転しながら溶剤PMA120gを加えて10分間混練した。その後、デカンテーションにより分離水を取り除いた後、60℃の減圧蒸留により残留する水を1.0%以下まで脱水した。その後1時間混練し、PMAを主体に多く含む微細化顔料のペーストを得た。
尚、本実施例の混合組成は実施例1と同じであるため、実施例1におけるPC−B−1と同様に分散安定系が形成されている。
次にPMAを加えて希釈することで、顔料濃度10重量%の顔料分散体を得た(当該顔料分散体をCF2−0と称する。)。
<評価用サンプルの調製>
次いで、得られた顔料分散体(CF2−0)20g(顔料純分で2.0gに相当)を秤量し、70mLのガラス製の瓶に入れ、0.5mmφのジルコニアビーズ80gを加えてPCで所定時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去してCF評価用分散体2種を得た。尚、5分間分散後の顔料分散体をCF2−5と、60分間分散後のものをCF2−60と称する。
(実施例3)
ε型銅フタロシアニン顔料の微細化工程においてアクリル系樹脂を使用せず、溶剤転相工程においてアクリル系樹脂を使用したことを除き、実施例1と同様にして顔料濃度10重量%の顔料分散体(当該顔料分散体をCF3−0と称する。)を得た。また実施例1と同様にして評価用サンプル、5分間分散後の顔料分散体CF3−5と、60分間分散後の顔料分散体CF3−60を得た。
尚、微細化工程における組成物のうち中性無水芒硝およびEGを含めず、PMAを用いて顔料分10重量%に濃度調整した系で、別途、PCで分散調製して得られる分散体(以下、PC−B−2と略称する。)の粘度測定の結果より、TI値が1.5以下であることから、分散安定系が形成されている(分散安定化組成である)ことを予め確認した。これらの確認方法等は後述のとおりである。
(比較例1)
ε型銅フタロシアニン顔料の微細化工程において、高分子分散剤を使用せず、溶剤転相工程において高分子分散剤を使用したことを除き、実施例1と同様にして顔料濃度10重量%の顔料分散体(当該顔料分散体をCF4−0と称する。)を得た。また実施例1と同様にして評価用サンプル、5分間分散後の顔料分散体CF4−5と、60分間分散後の顔料分散体CF4−60を得た。
尚、微細化工程における組成物のうち中性無水芒硝及びEGを含めず、PMAを用いて顔料分10重量%に濃度調整した系で、別途PCで分散調製して得られる分散体(以下、PC−B−3と略称する。)の粘度測定の結果から、TI値は1.5より大きく、分散安定系が形成されていない(分散安定化組成でない)ことを予め確認した。これらの確認方法等は後述のとおりである。
(比較例2)
ε型銅フタロシアニン顔料の微細化工程において、高分子分散剤およびアクリル系樹脂を使用せず、溶剤転相工程において高分子分散剤およびアクリル系樹脂を使用したことを除き、実施例1と同様にして顔料濃度10重量%の顔料分散体(当該顔料分散体をCF5−0と称する。)を得た。また実施例1と同様にして評価用サンプル、5分間分散後の顔料分散体CF5−5と、60分間分散後の顔料分散体CF5−60を得た。
尚、微細化工程における組成物のうち中性無水芒硝及びEGを含めず、PMAを用いて顔料分10重量%に濃度調整した系で、別途PCで分散調製して得られる分散体(以下、PC−B−4と略称する。)の粘度測定の結果から、TI値は1.5より大きく、分散安定系が形成されていない(分散安定化組成でない)ことを予め確認した。これらの確認方法等は後述のとおりである。
(比較例3)
ε型銅フタロシアニン顔料の微細化工程において、高分子分散剤、顔料誘導体およびアクリル系樹脂を使用せず、溶剤転相工程において高分子分散剤、顔料誘導体およびアクリル系樹脂を使用したことを除き、実施例1と同様にして顔料濃度10重量%の顔料分散体(当該顔料分散体をCF6−0と称する。)を得た。また実施例1と同様にして評価用サンプル、5分間分散後の顔料分散体CF6−5と、60分間分散後の顔料分散体CF6−60を得た。
尚、微細化工程における組成物のうち中性無水芒硝及びEGを含めず、PMAを用いて顔料分10重量%に濃度調整した系で、別途PCで分散調製して得られる分散体(以下、PC−B−5と略称する。)の粘度測定の結果から、TI値は1.5より大きく、分散安定系が形成されていない(分散安定化組成でない)ことを予め確認した。これらの確認方法等は後述のとおりである。
(比較例4)
ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.Pigment Blue15:6(Blue15:6と略称する場合がある。)、DIC(株)製、「FASTOGEN Blue EP−207」)80g、中性無水芒硝(平均粒径約5μm、三田尻化学工業(株)製)480g、水溶性溶剤としてEG130gをニーダーに添加し、ニーダー中の混練物の温度が50℃になるように温度コントロールして8時間混練した。以上により微細化工程が終了した。
尚、前記微細化工程における組成物のうち中性無水芒硝およびEGを含めず、PMAを用いて顔料分10重量%に濃度調整した系で、別途、PCで分散調製して得られる分散体(以下、PC−B−6と略称する。)の粘度測定の結果より、TI値が1.5より大きく、分散安定系が形成されていない(分散安定化組成でない)ことを予め確認した。これらの確認方法等は後述のとおりである。
微細化工程が終了したマグマを取り出し、40℃の温水1.5Lに撹拌分散し、その後ヌッチェに移してろ過し、芒硝が完全に取り除けるまで水洗を繰り返し、顔料水ペーストを得た。
水洗後の顔料水ペーストを取り出し、乾燥用棚(材質、SUS304)に採り、乾燥機に移して80℃で20時間乾燥させた(乾燥後の微細化顔料を乾燥ブロックと称する。)。乾燥ブロックを粉砕機(協立理工(株)製、小型粉砕機、サンプルミルSK−M2)で粉砕した。このものをカラーフィルター用微細化顔料として用いた。
<評価用サンプルの調製>
次いで、得られた前記微細化顔料を2.0g、ソルスパース5000を全顔料に対して10重量%、アジスパーPB821Fを全顔料に対して50重量%、バナレジPSY−C1を全顔料に対して固形分換算で20重量%となるように70mLのガラス製の瓶に入れ、顔料濃度が10重量%となるようにPMAを添加した。このときの顔料分散体をCF7−0とする。
次いで、0.5mmφのジルコニアビーズ80gを加えてPCで所定時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して顔料分散体を得た。5分間分散後と60分間分散後のものを後述のカラーフィルター評価用の分散体として使用した。尚、5分間分散後の顔料分散体をCF7−5と、60分間分散後のものをCF7−60と称する。
(実施例4)
<微細化工程>
赤色顔料(C.I.Pigment Red 254(Red254と略称する場合がある。)、Ciba社製、イルガホア レッド BT−CF)80g、中性無水芒硝(平均粒径約5μm、三田尻化学工業(株)製)400g、高分子分散剤(川研ファインケミカル(株)製、「ヒノアクト T−8000」)44.5g(全顔料に対して50重量%)、赤色顔料誘導体(山陽色素(株)製、特開2007−186681号公報記載の誘導体)8.88g(全顔料に対して10重量%)、アクリル系樹脂(新中村化学工業(株)製、「バナレジPSY−C1」)26.7g(固形分換算、全顔料に対して30重量%)、水溶性溶剤としてジエチレングリコール(DEG)((株)日本触媒製)45gをニーダーに添加し、ニーダー中の混練物の温度が50℃になるように温度コントロールして8時間摩砕混練した。以上により微細化工程が終了した。
尚、前記微細化工程における組成物のうち中性無水芒硝およびDEGを含めず、PMAを用いて顔料分10重量%に濃度調整した系で、別途PCで分散調製して得られる分散体(以下、PC−R−1と略称する。)の粘度測定の結果より、TI値が1.5以下であることから、分散安定系が形成されている(分散安定化組成である)ことを予め確認した。
これらの確認方法等は後述のとおりである。
微細化工程が終了したマグマを取り出し、40℃の温水1.5Lに撹拌分散し、その後ヌッチェに移してろ過し、芒硝が完全に取り除けるまで水洗を繰り返し、顔料水ペーストを得た。水洗された水分を多く含んだ顔料水ペーストは、顔料濃度が25.0重量%であった。
<溶剤転相(フラッシング処理)>
微細化後の顔料水ペースト(固形分45.5重量%)39.7g(顔料純分で10gに相当)を、実験用自動乳鉢に投入し、撹拌運転しながら溶剤PMA8gを加えて10分間混練した。その後、デカンテーションにより分離水を取り除いた後、実験用自動乳鉢により1時間混練し、PMAを主体に多く含む微細化顔料のペーストを得た。
次にPMAを加えて顔料濃度が約9重量%になるまで希釈し、60℃の減圧蒸留により残留する水を1.0%以下まで脱水した。この段階で顔料濃度約11重量%の顔料分散体を得た。該顔料分散体にPMAを添加して、顔料濃度10重量%の顔料分散体を得た(当該顔料分散体をCF8−0と称する。)。
<評価用サンプルの調製>
次いで、得られた顔料分散体(CF8−0)20g(顔料純分で2.0gに相当)を秤量し、70mLのガラス製の瓶に入れ、0.5mmφのジルコニアビーズ80gを加えてPCで所定時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去してCF評価用分散体2種を得た。尚、5分間分散後の顔料分散体をCF8−5と、60分間分散後のものをCF8−60と称する。
(実施例5)
実施例4において作製した微細化後の顔料水ペーストを用いて溶剤転相を行った。即ち、当該顔料水ペースト(固形分45.5重量%)79.4g(顔料純分で20gに相当)を、双腕型混練機(ラボプラストミル4C150。株式会社東洋精機製作所製)に投入し、撹拌運転しながら溶剤PMA16gを加えて10分間混練した。その後、デカンテーションにより分離水を取り除いた後、1時間混練し、PMAを主体に多く含む微細化顔料のペーストを得た。
尚、本実施例の混合組成は実施例4と同じであるため、実施例4におけるPC−R−1と同様に分散安定系が形成されている。
次にPMAを加えて顔料濃度が約9重量%になるまで希釈し、60℃の減圧蒸留により残留する水を1.0%以下まで脱水した。この段階で顔料濃度約11重量%の顔料分散体を得た。該顔料分散体にPMAを添加して、顔料濃度10重量%の顔料分散体を得た(当該顔料分散体をCF9−0と称する。)。
<評価用サンプルの調製>
次いで、得られた顔料分散体(CF9−0)20g(顔料純分で2.0gに相当)を秤量し、70mLのガラス製の瓶に入れ、0.5mmφのジルコニアビーズ80gを加えてPCで所定時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去してCF評価用分散体2種を得た。尚、5分間分散後の顔料分散体をCF9−5と、60分間分散後のものをCF9−60と称する。
(実施例6)
実施例4において作製した微細化後の顔料水ペーストを用いて溶剤転相を行った。即ち、当該顔料水ペースト(固形分45.5重量%)595.5g(顔料純分で150gに相当)を、3軸遊星運動方式の縦型混練機(トリミックスTX−2、株式会社井上製作所製)に投入し、撹拌運転しながら溶剤PMA110gを加えて10分間混練した。その後、デカンテーションにより分離水を取り除いた後、60℃の減圧蒸留により残留する水を1.0%以下まで脱水した。その後1時間混練し、PMAを主体に多く含む微細化顔料のペーストを得た。
尚、本実施例の混合組成は実施例4と同じであるため、実施例4におけるPC−R−1と同様に分散安定系が形成されている。
次にPMAを加えて希釈することで、顔料濃度10重量%の顔料分散体を得た(当該顔料分散体をCF10−0と称する。)。
<評価用サンプルの調製>
次いで、得られた顔料分散体(CF10−0)20g(顔料純分で2.0gに相当)を秤量し、70mLのガラス製の瓶に入れ、0.5mmφのジルコニアビーズ80gを加えてPCで所定時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去してCF評価用分散体2種を得た。尚、5分間分散後の顔料分散体をCF10−5と、60分間分散後のものをCF10−60と称する。
(実施例7)
赤色顔料の微細化工程において、赤色顔料誘導体及びアクリル系樹脂を使用せず、溶剤転相工程中に赤色顔料誘導体及びアクリル系樹脂を使用したことを除き、実施例3と同様にして顔料濃度10重量%の顔料分散体を得た(当顔料分散体をCF11−0と称する)。さらに実施例3と同様にして、評価用サンプル、5分間分散後の顔料分散体CF11−5と、60分間分散後の顔料分散体CF11−60を得た。
尚、微細化工程における組成物のうち無水芒硝及びDEGを含めず、PMAを用いて顔料分10重量%に濃度調製した系で、別途、PCで分散調製して得られる分散体(以下、PC−R−2と略称する。)の粘度測定の結果より、TI値が1.5以下であることから、分散安定系が形成されている(分散安定化組成である)ことを予め確認した。これらの確認方法等は後述のとおりである。
(比較例5)
<微細化工程>
赤色顔料(C.I.Pigment Red 254、Ciba社製、イルガホア レッド BT−CF)80g、中性無水芒硝(平均粒径約5μm、三田尻化学工業(株)製)400g、水溶性溶剤としてジエチレングリコール(DEG)((株)日本触媒製)120gをニーダーに添加し、混練物の温度が50℃になるように温度コントロールして8時間摩砕混練した。以上により微細化工程が終了した。
尚、前記微細化工程における組成物のうち中性無水芒硝およびDEGを含めず、PMAを用いて顔料分10%に濃度調整した系で、別途PCで分散調製して得られる分散体(以下、PC−R−3と略称する。)の粘度測定の結果より、TI値が1.5より大きく、分散安定系が形成されていない(分散安定化組成でない)ことを予め確認した。これらの確認方法等は後述のとおりである。
微細化工程が終了したマグマを取り出し、40℃の温水1.5Lに撹拌分散し、その後ヌッチェに移してろ過し、芒硝が完全に取り除けるまで水洗を繰り返し、顔料水ペーストを得た。
水洗後の顔料水ペーストを取り出し、乾燥用棚(材質、SUS304)に採り、乾燥機に移して80℃で20時間乾燥させた(乾燥後の微細化顔料を乾燥ブロックと称する。)。乾燥ブロックを粉砕機(協立理工(株)製、小型粉砕機、サンプルミルSK−M2)で粉砕した。このものをカラーフィルター用微細化顔料として用いた。
<評価用サンプルの調製>
70mLのガラス製の瓶に得られた微細化顔料2.0gを秤量し、さらに、ヒノアクトT−8000を全顔料に対して顔料50重量%、バナレジンPSY−C1を固形分換算で全顔料に対して顔料20重量%、赤色顔料誘導体(山陽色素(株)製、特開2007−186681号公報記載の誘導体)を全顔料に対して10重量%となるように添加し、顔料濃度が全組成物に対して10重量%になるようにPMAを加えた。このときの顔料分散体をCF12−0とする。
さらに、0.5mmφのジルコニアビーズ100gを加えてPCで所定時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去してCF評価用分散体2種を得た。尚、5分間分散後の顔料分散体をCF12−5と、60分間分散後のものをCF12−60と称する。
(実施例8)
<微細化工程>
黄色顔料(C.I.Pigment Yellow 150(Yellow150と略称する場合がある。)、LANXESS製、イエローE4GN−GT)90g、中性無水芒硝(平均粒径約5μm、三田尻化学工業(株)製)540g、高分子分散剤(川研ファインケミカル(株)製、「ヒノアクトT−8000」)45g(全顔料に対して50重量%)、黄色顔料誘導体(山陽色素(株)製、特願2007−305680に記載の誘導体)10g(全顔料に対して10重量%)、アクリル系樹脂(新中村化学工業(株)製、「バナレジンPSY−C1」)13.5g(固形分換算、全顔料に対して15重量%)、水溶性溶剤としてEG139gを1Lニーダーに添加し、ニーダー中の混練物の温度が60℃になるように温度コントロールして3時間摩砕混練した。以上により微細化工程が終了した。
尚、前記組成物のうち中性無水芒硝およびEGを含めず、PMAを用いて顔料分10重量%に濃度調整した系で、別途PCで分散調製して得られる分散体(以下、PC−Y−1と略称する。)の粘度測定の結果より、TI値が1.5以下であることから、分散安定化組成であることを予め確認した。これらの確認方法等は後述のとおりである。
微細化工程が終了したマグマを取り出し、40℃の温水1.5Lに撹拌分散し、その後ヌッチェに移してろ過し、芒硝が完全に取り除けるまで水洗を繰り返し、顔料水ペーストを得た。水洗された水分を多く含んだ顔料水ペーストは、顔料濃度が27.3重量%であった。
<溶剤転相(フラッシング処理)>
微細化後の顔料水ペースト(固形分45.0重量%)36.6g(顔料純分で10gに相当)を、実験用自動乳鉢に投入し、撹拌運転しながら溶剤PMA8gを加えて10分間混練した。その後、デカンテーションにより分離水を取り除いた後、実験用自動乳鉢により1時間混練し、PMAを主体に多く含む微細化顔料のペーストを得た。
次にPMAを加えて顔料濃度が約9重量%になるまで希釈し、60℃の減圧蒸留により残留する水を1.0%以下まで脱水した。この段階で顔料濃度約11重量%の顔料分散体を得た。次にPMAを加えて、顔料濃度が10重量%の顔料分散体(CF13−0と称する)を得た。
<評価用サンプルの調製>
次いで、得られた顔料分散体(CF13−0)20g(顔料純分で2.0gに相当)を秤量し、70mLのガラス製の瓶に入れ、0.5mmφのジルコニアビーズ80gを加えてPCで所定時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去してCF評価用分散体2種を得た。尚、5分間分散後の顔料分散体をCF13−5と、60分間分散後のものをCF13−60と称する。
(比較例6)
<微細化工程>
黄色顔料(C.I.Pigment Yellow 150、LANXESS製、イエローE4GN−GT)90g、中性無水芒硝(平均粒径約5μm、三田尻化学工業(株)製)540g、水溶性溶剤としてエチレングリコール(EG)((株)日本触媒製)139gを1Lニーダーに添加し、混練物の温度が60℃になるように温度コントロールして3時間摩砕混練した。以上により微細化工程が終了した。
尚、前記微細化工程における組成物のうち中性無水芒硝およびEGを含めず、PMAを用いて顔料分10%に濃度調整した系で、別途PCで分散調製して得られる分散体(以下、PC−Y−2と略称する。)の粘度測定の結果から、TI値が1.5より大きく、分散安定系が形成されていない(分散安定化組成でない)ことを予め確認した。これらの確認方法等は後述のとおりである。
微細化工程が終了したマグマを取り出し、40℃の温水30Lに撹拌分散し、その後ヌッチェに移してろ過し、芒硝が完全に取り除けるまで水洗を繰り返し、顔料水ペーストを得た。
水洗後の顔料水ペーストを取り出し、乾燥用棚(材質、SUS304)に採り、乾燥機に移して80℃で20時間乾燥させた(乾燥後の微細化顔料を乾燥ブロックと称する。)。乾燥ブロックを粉砕機(協立理工(株)製、小型粉砕機、サンプルミルSK−M2)で粉砕した。このものをカラーフィルター用微細化顔料として用いた。
<評価用サンプルの調製>
70mLのガラス製の瓶に得られた微細化顔料2.0gを秤量し、さらに、ヒノアクトT−8000を固形分換算で全顔料に対して50重量%、黄色顔料誘導体(山陽色素(株)製、特願2007−305680記載の誘導体)を全顔料に対して10重量%、バナレジンPSY−C1を固形分換算で全顔料に対して15重量%になるよう添加し、顔料濃度が全組成物に対して10重量%になるようにPMAを加えた。このときの顔料分散体をCF14−0とする。
さらに0.5mmφのジルコニアビーズ80gを加えて、PCで所定時間分散処理した後、ジルコニアピーズを除去してCF評価用分散体2種を得た。尚、5分間分散後の顔料分散体をCF14−5と、60分間分散後のものをCF14−60と称する。
(分散安定系確認用分散体の評価)
<分散安定系確認用分散体の調製>
≪Blue15:6の分散安定化組成確認用分散体の調製≫
[PC−B−1の調製]
35mLのガラス製の瓶に、FASTOGEN Blue EP−207を0.9g、ソルスパース5000を0.1g(全顔料に対して10重量%)、アジスパーPB821Fを0.5g(全顔料に対して50重量%)、バナレジンPSY−C1を0.2g(固形分換算、全顔料に対して20重量%)、溶剤としてPMAを8.5g、組成中の顔料分が10重量%となるように加えた。0.5mmφのジルコニアビーズ40gを加えてPCで60分間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して分散安定化組成確認用分散体であるPC−B−1を得た。尚、前記顔料分には、FASTOGEN Blue EP−207とソルスパース5000が含まれる。
[PC−B−2の調製]
バナレジンPSY−C1を未添加としたことを除き、PC−B−1の調製と同様にして、PC−B−2を調製した。
[PC−B−3の調製]
アジスパーPB821Fを未添加としたことを除き、PC−B−1の調製と同様にして、PC−B−3を調製した。
[PC−B−4の調製]
バナレジンPSY−C1およびアジスパーPB821Fを未添加としたことを除き、PC−B−1の調製と同様にして、PC−B−4を調製した。
[PC−B−5、PC−B−6の調製]
ソルスパース5000、バナレジンPSY−C1およびアジスパーPB821Fを未添加としたことを除き、PC−B−1の調製と同様にして、PC−B−5およびPC−B−6を調製した。
≪Red254の分散安定化組成確認用分散体の調製≫
[PC−R−1の調製]
35mLのガラス製の瓶に、イルガホア レッド BT−CFを0.9g、赤色顔料誘導体を0.1g(全顔料に対して10重量%)、ヒノアクトT−8000を0.5g(全顔料に対して50重量%)、バナレジンPSY−C1を0.30g(固形分換算、全顔料に対して30重量%)、溶剤としてPMAを8.2g添加し、組成中の顔料分を10重量%とした。さらに、0.5mmφのジルコニアビーズ40gを加えてPCで60分間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して分散安定組成確認用分散体であるPC−R−1を得た。尚、前記顔料分には、イルガホア レッド BT−CFと赤色顔料誘導体が含まれる。
[PC−R−2の調製]
赤色顔料誘導体およびバナレジンPSY−C1を未添加としたことを除き、PC−R−1の調製と同様にして、PC−R−2を得た。
[PC−R−3の調製]
赤色顔料誘導体、ヒノアクトT−8000及びバナレジンPSY−C1を未添加としたことを除き、PC−R−1の調製と同様にして、PC−R−3を得た。
≪Yellow150の分散安定化組成確認用分散体の調製≫
[PC−Y−1の調製]
35mLのガラス製の瓶に、イエローE4GN−GTを0.9g、黄色顔料誘導体を0.1g(全顔料に対して10重量%)、ヒノアクトT−8000を0.5g(全顔料に対して50重量%)、バナレジンPSY−C1を0.15g(固形分換算、全顔料に対して15重量%)、溶剤としてPMAを8.35g添加し、組成中の顔料分を10重量%とした。さらに、0.5mmφのジルコニアビーズ40gを加えてPCで60分間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して分散安定組成確認用分散体であるPC−Y−1を得た。尚、前記顔料分には、イエローE4GN−GTと黄色顔料誘導体が含まれる。
[PC−Y−2の調製]
黄色顔料誘導体、ヒノアクトT−8000およびバナレジンPSY−C1を未添加としたことを除き、PC−Y−1の調製と同様にして、PC−Y−2を得た。
<分散安定系確認用分散体の物性測定>
得られた各分散安定化組成確認用分散体について、剪断速度が10[1/s]の時の粘度と100[1/s]の時の粘度を粘弾性測定装置(アントンパール社製、Physica MCR−301)を用いて測定し、さらにTI値を算出した。
粘度の測定結果およびTI値の算出結果を表1に示す。
Figure 2011213999
(実施例および比較例の評価)
<分散液物性の測定、およびコントラスト評価用カラーフィルターの作製>
実施例1〜8および比較例1〜6で得られた顔料分散体について、コントラスト比測定のために各分散体を用いてスピンコート液(以下、SPC液という。)を調製した。SPC液中の顔料以外の固形分が顔料に対して1:1(重量比)になるようにバインダー樹脂(新中村化学(株)製、バナレジンPSY−C1)を加えて調製した。SPC液を厚さ1mm、100mm角のガラス板にスピンコーター(ミカサ(株)製、スピンコーターMS−150A)で回転数3段階に設定して個々に塗布し、エアバス内で90℃、2.5分間乾燥させた(プリベイク工程)。このようにして、各試料につき、3枚のガラス塗板を作製した。
<コントラストの測定>
続いてプリベイク工程後の3枚のガラス塗板を分光測色計(コニカミノルタセンシング(株)製、分光測色計 CM−3700d)で測色した。
次に、ガラス塗板の輝度を色彩輝度計(コニカミノルタセンシング(株)製、LS−100)で測定した。バックライト上に偏光板を設置し、偏光板とガラス塗板の間隔が1mmになるように設置した。バックライトの輝度が十分安定したことを確認した後、ガラス塗板の輝度を測定した。偏光板をクロスニコルの位置に調節して輝度を測定し、次いで90°回転させ、パラレルの位置で輝度を測定した。ある色度の位置でYxy色度と各々の輝度を、解析ソフトを用いて解析した。標準品のコントラストの測定値を基準に、評価対象の本発明の顔料分散体を用いて作製したCFのコントラストの相対比を求め比較した。その結果を表2に示す。尚、実施例1〜3並びに比較例1〜4では、CF7−60を標準品とし、実施例4〜7ならびに比較例5では、CF12−60を標準品とし、実施例8および比較例6ではCF14−60を標準品とした。これら標準品が従来の製造方法による顔料分散体である。
<易分散性の確認>
実施例および比較例の60分間PC分散を行った顔料分散体(例えばCF1−60)およびPC分散を行わなかった顔料分散体(例えばCF1−0)について上記のようにしてコントラストを測定し、60分間PC分散を行った顔料分散体のコントラスト比をCR(60)とし、PC分散を行わなかった顔料分散体のコントラスト比をCR(0)としたときのCR(60)とCR(0)の比を算出し、易分散性の指標とした。即ち、易分散性指標値をaとし、a=CR(60)/CR(0)とした場合に、a≦1.3を満たすものを超易分散とする。算出結果を表2に示す。
Figure 2011213999
前述の従来の製造方法(得られた顔料水ペーストを乾燥・粉砕した後にビーズミル分散行う方法。比較例4〜6)では、弱い分散力(PC5分)では、著しく分散性が悪くコントラスト相対比の評価が不可能であった。また乾燥による疑集を免れるため弱い分散力で分散することが知られているフラッシング法では、標準品作製方法と比較して弱い分散力で高度な分散状態を得ることが可能なものの、標準品並みの品質を得るには追加でのビーズ分散が必要である(比較例3)。
これに対して、本発明においては、最終的に得られる顔料分散体を分散性良好になしうる分散安定化剤を微細化工程時に添加して、フラッシング処理することで得られた分散体は、追加のビーズ分散が不要で標準品以上の高度な分散(超易分散)状態を有し、カラーフィルターとして優れた性能を示すことが分かる。また標準品作製方法に比べて、乾燥・粉砕工程及びビーズミル分散工程を省略し得ることから省力製造が可能になることが分かる。
本発明の超易分散顔料分散体の製造方法によれば、特定の分散安定化剤を顔料の微細化時から用いるとともに、乾燥工程等を経ないで顔料水ペーストの状態で顔料分散体の調整に使用できるため、再分散処理を行わずとも、再凝集することが殆どなく、微細化顔料の分散安定性に優れた超易分散顔料分散体を提供することができる。しかも、このように乾燥工程や再分散処理等が不要となり、大幅な省力化が可能となるため、当該超易分散顔料分散体を安価に提供することができる。
従って、本発明は、溶剤系分散体を用いて得られる顔料分散体に広く使用可能であり、カラーフィルターだけでなく、インクジェットインク、カラートナー、その他特に優れた光透過性を必要としたり、高着色力を求められる分野など、安定して分散した微細化顔料が要請される用途に極めて有用である。



Claims (10)

  1. 分散剤を含む分散安定化剤、顔料および水溶性溶剤からなる分散安定化組成ならびに水溶性無機塩を含む混合物を摩砕混練した後、洗浄、脱水して、含水顔料ペーストを得、該含水顔料ペーストをフラッシング処理することを特徴とする超易分散顔料分散体の製造方法。
  2. 前記分散安定化剤が、顔料誘導体および/または樹脂をさらに含む請求項1記載の超易分散顔料分散体の製造方法。
  3. 前記顔料が、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、および縮合多環系顔料から選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の超易分散顔料分散体の製造方法。
  4. 前記縮合多環系顔料が、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、金属錯体顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料から選択される少なくとも一種である請求項3記載の超易分散顔料分散体の製造方法。
  5. 前記水溶性無機塩が、芒硝または食塩である請求項1〜4のいずれかに記載の超易分顔料分散体の製造方法。
  6. 前記含水顔料ペーストの顔料濃度が10〜70重量%である請求項1〜5のいずれかに記載の超易分散顔料分散体の製造方法。
  7. 前記フラッシング処理において、顔料を水相から油相に転相し、水をデカンテーショして除去した後、更に減圧蒸留する請求項1〜6のいずれかに記載の超易分散顔料分散体の製造方法。
  8. 前記減圧蒸留により顔料分散体中の残留水分を1.0重量%以下にする請求項7記載の超易分散顔料分散体の製造方法。
  9. 前記超易分散顔料分散体がカラーフィルター用である請求項1〜8のいずれかに記載の超易分散顔料分散体の製造方法。
  10. 分散剤を含む分散安定化剤、顔料および溶剤からなる分散安定化組成を含み、下式(1)を満たす超易分散顔料分散体。
    CR(60)/CR(0)≦1.3 (1)
    (式中、CR(60)は、前記分散安定化組成を含む顔料分散体を60分間分散処理した後、形成した塗膜のコントラスト比であり、CR(0)は、前記分散安定化組成を含む顔料分散体を分散処理せずに、形成した塗膜のコントラスト比である。)


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