JP2003131021A - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

カラーフィルターの製造方法

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JP2003131021A
JP2003131021A JP2001332067A JP2001332067A JP2003131021A JP 2003131021 A JP2003131021 A JP 2003131021A JP 2001332067 A JP2001332067 A JP 2001332067A JP 2001332067 A JP2001332067 A JP 2001332067A JP 2003131021 A JP2003131021 A JP 2003131021A
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film
oxo
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forming resin
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JP2001332067A
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Seiji Funakura
省二 船倉
Hiroshi Katsube
浩史 勝部
Masaaki Kishimoto
昌明 岸本
Hiroyuki Tokuda
博之 徳田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カラーフィルターの着色パターンを構成する着
色マトリクスの色相変動が小さく、レジストインキ中の
微細有機顔料の分散性を高められ、レジストインキの流
動性を高い状態に保て、生産性高く高性能のカラーフィ
ルターが得られるカラーフィルターの製造方法を提供す
る。 【解決手段】微細有機顔料の質量換算100部当たり、
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とそれ
と反応しうる官能基とを有する熱硬化性皮膜形成性樹脂
3〜25部が未硬化のまま前記微細有機顔料の表面に付
着した表面処理微細有機顔料を、光重合性単量体を含む
レジストに分散させてインキとして透明性基体に塗布
し、フォトマスク上から紫外線を照射して光重合性単量
体を硬化させ、洗浄を行って未硬化部分を除去した後
に、加熱して前記表面処理顔料上の熱硬化性皮膜形成性
樹脂を硬化させて着色マトリクスを形成する、カラーフ
ィルターの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー液晶ディスプ
レイ、ビデオカメラ、カラーエレクトロルミネッセント
ディスプレー、カラースキャナ、固体撮像素子等に使用
されるカラーフィルターに用いる表面処理顔料を用いた
カラーフィルター及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶カラーディスプレー等に用いられる
カラーフィルターは、ガラス等の透明基板上に赤色、緑
色、青色の3色のパターンが形成されたものであり、各
色の着色パターンを形成するためには、一般に赤色は、
ジケトピロロピロール顔料やジアミノアンスラキノニル
顔料が、緑色はハロゲン化銅フタロシアニン顔料が、青
色はε型銅フタロシアニン顔料が使用されている。
【0003】一方、これら有機顔料をカラーフィルター
用途に適した特性を付与させるための表面処理方法はよ
く知られている。カラーフィルター用途に限らず有機顔
料の表面処理方法としては、一般的には、例えば有機顔
料を表面処理剤の有機溶剤溶液に浸漬して濾過し乾燥粉
砕する方法、有機顔料の製造の適切な段階に表面処理剤
を導入する方法等がある。こうして表面処理されていな
い(未処理の)有機顔料の表面に表面処理剤を付着させ
て表面処理有機顔料が製造される。
【0004】この表面処理には、有機顔料の各使用用途
に応じて、例えばロジン類、金属塩、脂肪酸エステル、
或いはフェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂の
様な各種合成樹脂等が適宜選択され用いられている。
【0005】特開平7−13016号公報には、カラー
フィルター用に適した着色剤として、比較的優れた耐熱
性や耐溶剤性に優れた着色樹脂皮膜(着色マトリック
ス)を形成できる、エポキシ樹脂や(メタ)アクリル樹
脂で表面処理した有機顔料が記載されている。ここに
は、前記樹脂で表面処理された有機顔料、カルボキシル
基を有する皮膜形成性樹脂、光重合性単量体、光重合開
始剤等を含む感光性組成物を用いて得たカラーフィルタ
ーが開示されている。
【0006】また特開2001−100413号公報に
は、表面処理が行われていない有機顔料と、2−オキソ
−1,3−ジオキソラン−4−イル基とカルボキシル基
を有する熱硬化性の皮膜形成性樹脂と、光重合性単量
体、光重合開始剤等を含む感光性組成物を用いて得たカ
ラーフィルターが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−13016号公報で用いられている様なエポキシ樹
脂は、分子中に比較的反応性の高いエポキシ基を有する
ため、有機顔料の表面処理の際の熱履歴により、このエ
ポキシ基が自己反応したり破壊されたりして、予想に反
して意図した特性を発揮出来ないことがある。
【0008】そして、このエポキシ樹脂は、レジストイ
ンキに含まれるカルボキシル基を有する皮膜形成性樹脂
等と併用され、前記表面処理されたことで有機顔料の表
面にあるエポキシ基と、レジストインキ中に含まれる皮
膜形成性樹脂のカルボキシル基とが反応し硬化する様に
調製される。この樹脂で表面処理した有機顔料を用いて
得たカラーフィルターは、それを構成する着色マトリッ
クス中の樹脂自体の透明性や耐熱性や耐溶剤性には比較
的優れるもののそれは未だ不充分であるし、顔料表面に
あるエポキシ基と皮膜形成性樹脂のカルボキシル基との
距離(架橋点間距離)が大きいため、架橋の網目が比較
的大きく熱履歴により微細有機顔料粒子の結晶成長が促
進され、着色マトリックスの色相が変化しやすいという
欠点があった。熱履歴による色相変化が小さいことを本
発明においては、耐熱性に優れるということとする。ま
た、エポキシ基を有さない(メタ)アクリル樹脂等を用
いたのでは、透明性や耐熱性や耐溶剤性に優れたカラー
フィルターは得られない。
【0009】一方、特開2001−100413号公報
では、硬化後に着色マトリックスを形成する2−オキソ
−1,3−ジオキソラン−4−イル基とカルボキシル基
を有する皮膜形成性樹脂の含有率が比較的高いために、
着色マトリックスを構成する樹脂部分の耐熱性や耐溶剤
性等が格段に優れたカラーフィルターが得られるが、有
機顔料と2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル
基とカルボキシル基を有する皮膜形成性樹脂とがレジス
トインキの調製時に初めて接触されるので、微細有機顔
料粒子の表面近傍に前記皮膜形成性樹脂を充分に配置す
ることが出来ない結果、やはり熱履歴により微細有機顔
料粒子の結晶成長が促進され、着色マトリックスの色相
が変化しやすいという欠点がある。また前記樹脂の加熱
硬化を充分に行わなければならず、しかも放出される二
酸化炭素も多い。その結果、カラーフィルターの生産性
に劣るという欠点があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は上記
実情に鑑みて鋭意検討したところ、カラーフィルターの
着色パターンを構成する着色マトリックスの色相変動に
は、そこに含まれる微細有機顔料の結晶成長を2−オキ
ソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とそれと反応し
うる官能基とを有する皮膜形成性樹脂の架橋硬化物で抑
制するのが効果的であること、レジストインキ中の微細
有機顔料の分散性を高め優れた発色性をもたすために
は、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基と
それと反応しうる官能基とを有する皮膜形成性樹脂で微
細有機顔料の出来るだけ粒子表面近くを表面処理するこ
と、レジストインキの流動性を高い状態に保つには、微
細有機顔料の粒子表面にある2−オキソ−1,3−ジオ
キソラン−4−イル基とそれと反応しうる官能基とを有
する皮膜形成性樹脂の架橋硬化をレジストインキ調整時
より後に行わせるのが良く、有機顔料を表面処理する際
の皮膜形成性樹脂として、エポキシ樹脂に代えて2−オ
キソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とそれと反応
しうる官能基とを有する皮膜形成性樹脂を従来より少量
の特定量を用いる様にすることで、生産性高く高性能の
カラーフィルターが得られ、上記課題が解決出来ること
を見い出した。
【0011】即ち本発明は、微細有機顔料の質量換算1
00部当たり2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−
イル基とそれと反応しうる官能基とを有する熱硬化性皮
膜形成性樹脂3〜25部が未硬化のまま前記微細有機顔
料の表面に付着した表面処理微細有機顔料を、光重合性
単量体を含むレジストに分散させてインキとして透明性
基体に塗布し、フォトマスク上から紫外線を照射して光
重合性単量体を硬化させ、洗浄を行って未硬化部分を除
去した後に、加熱して前記表面処理微細有機顔料上の熱
硬化性皮膜形成性樹脂を硬化させて着色マトリックスを
形成する、カラーフィルターの製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施形態】本発明のカラーフィルターの製造方
法で用いられる表面処理微細有機顔料は、微細有機顔料
と、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基と
それと反応しうる官能基とを有する皮膜形成性樹脂の特
定量範囲から構成されており、前記樹脂で処理されてい
ない(未処理の)微細有機顔料の表面にこの皮膜形成性
樹脂が必要量付着した構造を有する。有機顔料の表面積
に対し皮膜形成性樹脂の使用量が相対的に多ければ、有
機顔料粒子表面が皮膜形成性樹脂で被覆された構造とな
る。
【0013】本発明のカラーフィルターの製造方法で用
いられる表面処理微細有機顔料は、2−オキソ−1,3
−ジオキソラン−4−イル基とそれと反応しうる官能基
とを有する熱硬化性皮膜形成性樹脂を含むことが最大の
特徴である。
【0014】本発明において皮膜形成性樹脂とは、基体
に塗布された場合に、乾燥等によりその樹脂を溶解する
溶媒等の不存在下において、連続した樹脂皮膜を形成す
るものを言う。分子量やガラス転移温度を調整すること
で、樹脂に皮膜形成性をもたせることが出来る。樹脂
は、機能として微細有機顔料粒子に皮膜として付着して
いなければならないため、2−オキソ−1,3−ジオキ
ソラン−4−イル基が反応する前であっても後であって
も、微細有機顔料粒子表面で樹脂皮膜を形成する能力を
持っていることが必要である。皮膜形成性樹脂は、例え
ばそれを溶解する溶媒に溶解させた後に、粗製有機顔
料、有機顔料又は微細有機顔料の粒子に接触させて、前
記溶媒を除去することで、容易かつ安定的に前記粒子に
連続した樹脂皮膜を形成し、得られた樹脂皮膜は容易に
は基体たる粒子からは剥離しないので、表面処理の効果
が発現する。中でも、微細有機顔料粒子の全表面が皮膜
形成性樹脂で覆われていること(この状態を被覆とい
う)がより好ましい。
【0015】本発明における皮膜形成性樹脂に含まれる
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とは、
下記式で表される官能基である。この官能基は、遊離エ
ポキシ基の開環開始温度では極めて安定である。より高
温での熱履歴が加わった際に初めて、この官能基は、開
環反応を開始する特徴を有する。2−オキソ−1,3−
ジオキソラン−4−イル基と、それと反応しうる後述す
る様な官能基とが共存し、加熱して所定の温度に達した
際、これらの基が反応し硬化が起こる。この硬化は架橋
を伴う。常温では反応が起こらず熱の存在のもと、前記
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基と反応
しうる官能基としては、酸無水物基、カルボキシル基、
アミノ基が挙げられる。
【0016】
【化1】
【0017】(但し、式中のR1、R2及びR3は、そ
れぞれ同一であっても異なっていても良い、水素原子ま
たは炭素原子1〜4のアルキル基を表す)。
【0018】本発明のカラーフィルターの製造方法で
は、表面処理剤として用いる2−オキソ−1,3−ジオ
キソラン−4−イル基とそれと反応しうる官能基とを有
する皮膜形成性樹脂を、表面処理微細有機顔料を得る段
階では皮膜形成させるが未架橋未硬化状態のまま保ち、
レジストインキの未硬化部分を除去した後に加熱して架
橋硬化させる。この際の皮膜形成性樹脂の架橋硬化は実
質的に表面処理微細有機顔料の表面のみで行われ、微細
有機顔料表面の皮膜形成性樹脂と、レジストインキ中に
含まれる光重合性単量体や感光性樹脂との架橋硬化は起
こらない。こうすることで、レジストインキを構成する
皮膜形成性樹脂や光重合性単量体等への表面処理微細有
機顔料の優れた分散性を確保して、流動性に優れたレジ
ストインキを得ることが出来る。しかも、架橋点間距離
を小さくできるので、微細有機顔料の結晶成長による色
相変化も効果的に抑制できる。
【0019】加えて、この微細有機顔料の粒子表面の2
−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とそれと
反応しうる官能基とを有する皮膜形成性樹脂は、レジス
トに含ませる場合のレジストインキ中の含有量もより少
ないので、より硬化に要するエネルギーや時間を削減で
き、カラーフィルターの生産性を高めることができる。
この微細有機顔料の表面処理剤として用いた皮膜形成性
樹脂は、それをレジストインキの成分として加えた場合
よりも微細有機顔料のより粒子近傍に存在し(局在化
し)皮膜形成した上で硬化物となるので、同一使用量で
あればレジストインキに同様の樹脂を同量含めるのよ
り、熱履歴下で色相変化の極めて小さいカラーフィルタ
ーが得られる。
【0020】尚、表面処理微細有機顔料の粒子表面に存
在するこの皮膜形成性樹脂は、脱炭酸(二酸化炭素の放
出)を伴って硬化するので、完成品のカラーフィルター
の着色マトリックス中における、2−オキソ−1,3−
ジオキソラン−4−イル基とそれと反応しうる官能基と
を有する皮膜形成性樹脂の硬化物と微細有機顔料との質
量換算の割合は、硬化前の割合と異なり、通常、微細有
機顔料100部当たり、この皮膜形成性樹脂の硬化物2
〜24部となる。
【0021】この様な2−オキソ−1,3−ジオキソラ
ン−4−イル基とそれと反応しうる基とを有する皮膜形
成性樹脂は、上記した通り、それ自体公知のものであ
る。こうした2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−
イル基とそれと反応しうる基とを同時に有する皮膜形成
性樹脂は、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イ
ル基とそれと反応しうる前記したような官能基により自
身で硬化し得る。
【0022】本発明における皮膜形成性樹脂としては、
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とそれ
と反応しうる官能基との両方を有しかつ皮膜形成性を有
するものがいずれも使用できるが、例えば、2−オキソ
−1,3−ジオキソラン−4−イル基とカルボキシル基
とを有する(メタ)アクリル樹脂、同様のポリエステル
樹脂、ラクトン変性ポリエステル樹脂、ポリエステルア
ミド樹脂、アルキド樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ポリ
エーテル樹脂、ポリチオエーテル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、エ
ポキシ変性樹脂、シリコーン樹脂、またはフッ素樹脂な
どから選択することが出来る。
【0023】ここで(メタ)アクリル樹脂とは、メタア
クリル酸、アクリル酸、またはこれらのエステルを必須
成分として重合した樹脂であり、メタアクリル樹脂とア
クリル樹脂の総称である。以下、(メタ)アクリル又は
(メタ)アクリレートと称する場合は、メタアクリルと
アクリルの両方を包含する。
【0024】具体的には、2−オキソ−1,3−ジオキ
ソラン−4−イル基を有する(メタ)アクリレートと、
無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸、ジメチルアミノ
メチル(メタ)アクレート等を必須成分として重合させ
たり、有機ポリイソシアネートに2−オキソ−1,3−
ジオキソラン−4−イル基を有するアルコールとジメチ
ロールプロピオン酸とを(重)付加反応させたりして製
造することも出来る。
【0025】しかしながら、前記皮膜形成性樹脂として
は、表面処理微細有機顔料を得る際の表面処理条件と、
硬化条件の温度差を広げられる観点と従来の現像方式が
そのまま採用できる観点から、2−オキソ−1,3−ジ
オキソラン−4−イル基とカルボキシル基とを有する皮
膜形成性樹脂が最適である。中でもその様な(メタ)ア
クリル樹脂は、任意の割合で2−オキソ−1,3−ジオ
キソラン−4−イル基とカルボキシル基とを分子構造中
に容易に含ませることが出来る点で好ましい。
【0026】本発明において好適に使用される、2−オ
キソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とカルボキシ
ル基とを有する(メタ)アクリル樹脂は、例えば2−オ
キソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する(メ
タ)アクリレートと(メタ)アクリル酸とを必須成分と
して、(メタ)アクリル酸エステル或いはその他の芳香
族ビニル単量体等と、重合触媒の存在下に(共)重合さ
せることにより容易に得ることが出来る。
【0027】皮膜形成性樹脂中における2−オキソ−
1,3−ジオキソラン−4−イル基とカルボキシル基と
の割合は、前者基1当量当たり後者基0.2〜5.0当
量となる様にするのが好ましい。この範囲となる様に2
−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する
(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合
割合を選定するのが好ましい。
【0028】本発明における表面処理された微細有機顔
料としては、微細有機顔料に表面処理が施されたもので
も良いし、有機顔料を表面処理と同時に微細化したもの
でもよいし、粗製有機顔料を表面処理と顔料化と微細化
とを同時にしたものでも良い。
【0029】本発明における有機顔料または微細有機顔
料としては、赤色、橙色、黄色、青色、紫色、緑色等の
各種有機顔料がいずれも使用できるが、好適には、無金
属フタロシアニン顔料、ハロゲン化無金属フタロシアニ
ン顔料の他、中心金属が銅、コバルト、アルミニウム、
ヴァナジウム、亜鉛等の各種結晶型金属フタロシアニン
顔料、これら各種金属フタロシアニンに塩素原子や臭素
原子が付加した構造のポリハロゲン化金属フタロシアニ
ン顔料の様なフタロシアニン系顔料や、その他の縮合多
環系有機顔料が挙げられる。有機顔料は、平均一次粒子
径0.1〜0.01μmの解れた粒子からなる。
【0030】前記縮合多環系有機顔料としては、例えば
ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、
フタロン系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ジケトピ
ロロピロール系顔料等がある。これら有機顔料は1種の
みまたは2種以上を併用することも出来る。後述する本
発明の製造方法では、上記に対応する粗製有機顔料も同
様に使用される。
【0031】尚、本発明における粗製有機顔料、有機顔
料及び微細有機顔料等の平均一次粒子径及び縦横のアス
ペクト比は、それらを溶媒に超音波分散させてから、透
過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡により測定するこ
とが出来る。平均一次粒子径は、具体的には、電子顕微
鏡内の視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の、凝集体
を構成する顔料一次粒子の50個につき、その長い方の
径(長径)を各々求め、それを平均した値である。表面
処理微細有機顔料は平均一次粒子径が小さいほど、より
透明性に富んだものとすることが出来る。また縦横のア
スペクト比は、短径と前記長径とから求められる。短径
は、具体的には、電子顕微鏡内の視野内の粒子を撮影
し、二次元画像上の、凝集体を構成する顔料一次粒子の
50個につき、その最短の径(短径)を各々求め、それ
を平均した値である。以下、同様である。表面処理微細
有機顔料は縦横のアスペクト比1〜3であると、塗料や
インキ等の用途において、より流動性に富んだものとす
ることが出来る。表面処理微細有機顔料の製造方法とし
てソルベントソルトミリングを適用すると縦横のアスペ
クト比が前記好適な範囲とすることができ好ましい。
【0032】後述する本発明の製造方法では、必要であ
れば粗製有機顔料、有機顔料または微細有機顔料にはそ
の誘導体を極少量併用することも出来る。この様な顔料
誘導体としては、例えばスルホン酸誘導体、スルホン酸
塩誘導体、スルホンアミド誘導体、ジアルキルアミノ誘
導体、イミドアルキル誘導体等が挙げられる。
【0033】上記の表面処理微細有機顔料における微細
有機顔料と皮膜形成性樹脂との割合は質量換算で、微細
有機顔料100部当たり皮膜形成性樹脂3〜25部であ
る。皮膜形成性樹脂がこれより少なければ、微細有機顔
料粒子表面を被覆することが出来ず所望の表面処理効果
が得られ難く、一方、これを越えても表面処理効果の程
度はあまり変わらない。後述する本発明の製造方法で
は、上記範囲となる様に粗製有機顔料または有機顔料と
前記皮膜形成性樹脂との割合を調節して表面処理微細有
機顔料を調製する。
【0034】本発明における表面処理微細有機顔料を得
るには公知慣用の製造方法がいずれも採用できる。粗製
有機顔料や有機顔料を表面処理剤の有機溶剤溶液に浸漬
して攪拌し濾過し乾燥粉砕する方法や、微細有機顔料の
製造の適切な段階に表面処理剤を導入する方法がある。
例えば、前記皮膜形成性樹脂の水性分散体を有機顔料や
微細有機顔料の水性スラリー中に添加し攪拌し濾過し乾
燥粉砕する方法等がある。
【0035】本発明における表面処理微細有機顔料を得
る方法としては、粗製有機顔料または有機顔料を前記皮
膜形成性樹脂の不存在下でソルベントソルトミリングし
洗浄して得た水性スラリーと、前記皮膜形成性樹脂の有
機溶剤溶液とを混合攪拌し前記樹脂を微細有機顔料表面
で析出させる方法や、粗製有機顔料または有機顔料を前
記皮膜形成性樹脂の存在下でソルベントソルトミリング
する方法が、一次粒子のより細かい微細有機顔料を得る
ことが出来、前記皮膜形成性樹脂を粒子近傍へより均一
に付着させることが出来、流動性を効果的に向上できる
点で好ましい。洗浄、濾過、乾燥等の工程を共通に行っ
た場合において、スラリー時添加による前者と混練時添
加の後者との対比では、後者は前者に比べて着色力等に
優れる点で特に好ましい。
【0036】尚、ソルベントソルトミリングとは、粗製
有機顔料、有機顔料または微細有機顔料と有機溶剤と水
溶性無機塩とを混練する操作をいう。本発明の最適な製
造方法では、前記皮膜形成性樹脂の存在下にて、この操
作を行う。
【0037】本発明における表面処理微細有機顔料の製
造方法は、前出の有機顔料の市販品や、有機顔料から得
た微細有機顔料を用いて実施すること出来るが、着色力
等の点においてそのままでは顔料としての適性を有さな
い粗製有機顔料を用いて、上記した製造方法を同様に実
施することも出来る。
【0038】粗製有機顔料は、一般に有機顔料よりも一
次粒子径が大きい粒子であり、例えば比表面積等は有機
顔料より著しく小さな値をとる。ワイラー法やフタロニ
トリル法で製造されたフタロシアニン等は、通常この様
な粗製有機顔料であり、これをソルベントソルトミリン
グに代表される顔料化処理(仕上げ処理と呼ばれる場合
もある)することにより有機顔料または微細有機顔料と
される。
【0039】より具体的には、例えば粗製有機顔料また
は有機顔料、前記皮膜形成性樹脂および水溶性無機塩の
混合物に少量の有機溶剤を加え混練する。この混練に
は、一般的にはニーダーが使用される。
【0040】水溶性無機塩としては、例えば塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウウム等が挙げられ
る。
【0041】有機溶剤としては、公知慣用のものが採用
できるが、前記皮膜形成性樹脂の少なくとも一部を溶解
し水溶性であることが好ましい。混練時に蒸発し難く、
安全性の点から沸点が高い有機溶剤が好ましい。この様
な有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、
ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチ
レングリコール、トリエチレングリコールモノアルキル
エーテル、液体ポリエチレングリコール、アルコキシア
ルカノール、ジプロピレングリコール,ジプロピレング
リコールモノアルキルエーテル、低分子量ポリプロピレ
ングリコール等が用いられる。
【0042】ここで、ソルベントソルトミリングを行う
に当たっての、粗製有機顔料または有機顔料と、前記皮
膜形成性樹脂と、水溶性無機塩と、有機溶剤との割合
は、一般的にはいずれも質量換算で、粗製有機顔料また
は有機顔料100部あたり、前記皮膜形成性樹脂(固形
分換算)3〜25部、水溶性無機塩300〜2000
部、有機溶剤1〜500部である。前記皮膜形成性樹脂
を有機溶剤溶液として用いた場合は、その溶液の樹脂濃
度に応じて有機溶剤を加減することが出来る。
【0043】こうして、粗製有機顔料または有機顔料
と、前記皮膜形成性樹脂と、水溶性無機塩と、有機溶剤
との混合物は、極一般的な条件、例えば温度30〜15
0℃で5〜20時間、ソルベントソルトミリングされ
る。2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の
開環反応の温度は一般に200〜250℃の範囲にあ
り、通常のソルベントソルトミリング条件では分解も反
応も起こさず、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4
−イル基は安定に保たれる。前記皮膜形成性樹脂とし
て、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基と
カルボキシル基とを有するものを用いた場合も、上記し
た両者の官能基が反応しない上記したソルベントソルト
ミリングの条件を選択することが出来る。2−オキソ−
1,3−ジオキソラン−4−イル基は、温度30〜15
0℃では開環しないので、カルボキシル基が存在してい
ても硬化反応は起こらない。
【0044】このソルベントソルトミリングにより、原
料として用いた粗製有機顔料は凝集が解され、一方、原
料として用いた有機顔料はより微細化され、微細有機顔
料とる。このソルベントソルトミリングで、粒子の微細
化と前記皮膜形成性樹脂による表面処理が同時に行われ
る。
【0045】こうして得られた混練物は、水と混合し攪
拌し懸濁液となし、水と有機溶剤とを濾過等により分離
することにより、表面処理微細有機顔料を含むウエット
ケーキを取り出すことが出来る。ここに含まれる粒子
は、平均一次粒子径0.1〜0.01μmの解れた表面
処理微細有機顔料粒子からなる。このウエットケーキは
洗浄し乾燥することにより、粉体の表面処理微細有機顔
料とすることが出来る。
【0046】洗浄には、水、湯のいずれも使用でき、必
要ならば表面処理に影響を及ぼさない範囲において酸や
アルカリを併用することも出来る。洗浄は、1〜10回
行うことが出来る。特に、金属を含む粗製有機顔料や有
機顔料、或いは酸やアルカリを反応時に使用する粗製有
機顔料や有機顔料を本発明の製造方法に用いる場合は、
遊離イオン濃度を出来るだけゼロに近づけるのが好まし
い。
【0047】乾燥は、加熱乾燥や凍結乾燥等により行う
ことが出来る。勿論、前記懸濁液からスプレードライす
る方法も採用出来る。しかしながら、加熱乾燥の場合に
は、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の
開環反応が起こらない温度、例えば150℃以下で乾燥
を行うことが望ましい。
【0048】尚、濾過、洗浄、乾燥、粉砕等の操作は、
ソルベントソルトミリングを行う上記の表面処理顔料の
最適な製造方法以外の製造方法でも同様に行うことが出
来る。
【0049】本発明の製造方法で得られた表面処理微細
有機顔料は、ウエットケーキのままでも使用できるし、
乾燥して粉体としても使用することが出来る。ウエット
ケーキの場合は、有機溶剤やバインダー樹脂と共にフラ
ッシングして用いることが出来る。
【0050】こうして得られた表面処理微細有機顔料
は、微細有機顔料の表面に前記皮膜形成性樹脂が薄層と
なって付着した構造をとっている。組成未知の着色剤が
本発明の表面処理微細有機顔料であるかは、例えば、2
−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の分解時
に発生する二酸化炭素の生成をガス分析やガスクロマト
グラフィーにより確認する方法、2−オキソ−1,3−
ジオキソラン−4−イル基自体の特異赤外線吸収ピーク
に基づいて確認する方法、前記皮膜形成性樹脂を溶解す
る有機溶剤及び皮膜形成性樹脂がカルボキシル基をも有
している場合は必要に応じてアルカリを併用して、組成
未知の着色剤を加えて樹脂分の抽出を行い、分解前の2
−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の特異赤
外線吸収ピークに基づいて確認する方法で同定できる。
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の特異
赤外線吸収ピークの強度と含有量について検量線を作成
しておけば、前記皮膜形成性樹脂の定量を行うことも出
来る。
【0051】尚、赤外線吸収スペクトルによれば、2−
オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の特異赤外
線吸収ピークは1760〜1820cm−1に出現し、
一方、エポキシ基及びカルボキシル基の特異赤外吸収ピ
ークは、各々順に1200〜1300cm−1及び17
00〜1740cm−1に出現するため、これら官能基
の存否は容易に判別できる。
【0052】カラーフィルター用レジストインキを調製
するには、当該表面処理微細有機顔料と、感光性樹脂
と、光重合開始剤と、前記樹脂を溶解する有機溶剤とを
必須成分として混合する。その製造方法としては、当該
表面処理微細有機顔料と有機溶剤と必要に応じて分散剤
を用いて分散液を調製してから、そこに感光性樹脂等を
加えてレジストインキとする方法が一般的である。
【0053】必要に応じて用いる分散剤としては、例え
ば、ビックケミー社のディスパービック130、ディス
パービック161、ディスパービック162、ディスパ
ービック163、ディスパービック170、エフカ社の
エフカ46、エフカ47、アビシア社のソルスパース、
味の素株式会社のアジスパーなどを用いることも可能で
ある。また、アクリル系、ポリエチレン系のような樹脂
型分散剤なども使用可能である。また、レベンリグ剤、
カップリング剤、カチオン系の界面活性剤なども併せて
使用可能である。
【0054】有機溶剤としては、トルエンやキシレン、
メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸
ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピ
オネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタ
ノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系
溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジ
メチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル
−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物
系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カル
バミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混
合物のようなカルバミン酸エステル、水等がある。有機
溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、
エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系、水
等の極性溶媒で水可溶のものが適している。
【0055】質量換算で、当該表面処理顔料100部当
たり、300〜1000部の有機溶剤と、必要に応じて
0〜100部の分散剤及び/又は0〜20部の顔料誘導
体とを、均一となる様に攪拌分散して分散液を得ること
ができる。次いでこの分散液に、質量換算で当該表面処
理顔料1部当たり、3〜20部の感光性樹脂、感光性樹
脂1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に
応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分
散してレジストインキを得ることができる。
【0056】レジストインキの調製の際に使用可能な感
光性樹脂としては、皮膜形成性があるもので、例えばウ
レタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、
ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレ
ン無水マレイン酸系樹脂等の熱可塑性樹脂や、例えば
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−
メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官
能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス
(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタアクリレート等のような多官能モノマー等の
光重合性単量体が挙げられる。
【0057】前記表面処理微細有機顔料以外のレジスト
インキ成分としては、2−オキソ−1,3−ジオキソラ
ン−4−イルとそれと反応しうる官能基とを有する熱硬
化性皮膜形成性樹脂以外の感光性を有する皮膜形成性樹
脂と光重合性単量体とを含む様に構成するのが好まし
い。2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルとそ
れと反応しうる官能基とを有する熱硬化性皮膜形成性樹
脂は、表面処理微細有機顔料上のみにある様にして、レ
ジストインキ中にはこの熱硬化性皮膜形成性樹脂を含ま
せずその代替としてのその他の皮膜形成性樹脂を含ませ
る様にするのが、より少ない使用量でレジストインキの
流動性を向上させカラーフィルターの着色パターンの熱
履歴による色相変化を最小限とし、硬化に手間がかから
ずカラーフィルターの生産性が向上し経済性も高いので
好ましい。
【0058】得られるカラーフィルターの諸特性と生産
性の観点から、着色マトリックス中に含まれる、2−オ
キソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とそれと反応
しうる官能基とを有する熱硬化性皮膜形成性樹脂の硬化
物が、質量換算で0.1〜25%となる様にレジストイ
ンキの組成割合を調節して調製を行うのが好ましい。
【0059】光重合開始剤としては、例えばアセトフェ
ノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、
ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサント
ン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−プロ
パン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−プ
ロパン−2'−スルホン酸、4,4'−ジアジドスチルベ
ン−2,2'−ジスルホン酸等が挙げられる。市販の光
重合開始剤としては、たとえば、チバスペシャルティー
ケミカルズ社製「イルガキュア−184」、「イルガキ
ュア−369」、「ダロキュア−1173」、BASF
社製「ルシリン−TPO」、日本化薬社製「カヤキュア
ーDETX」、「カヤキュアーOA」、ストーファー社
製「バイキュアー10」、「バイキュアー55」、アク
ゾー社製「トリゴナールPI」、サンド社製「サンドレ
ー1000」、アップジョン社製「デープ」、黒金化成
社製「ビイミダゾール」などがある。
【0060】また上記光重合開始剤に公知慣用の光増感
剤を併用することもできる。光増感剤としては、たとえ
ば、アミン類、尿素類、硫黄原子を有する化合物、燐原
子を有する化合物、塩素原子を有する化合物またはニト
リル類もしくはその他の窒素原子を有する化合物等が挙
げられる。これらは、単独で用いることも、2種以上を
組み合わせて用いることもできる。
【0061】光重合開始剤の配合率は、特に限定される
ものではないが、質量換算で、光重合性あるいは光硬化
性官能基を有する化合物に対して0.1〜30%の範囲
が好ましい。0.1%未満では、光硬化時の感光度が低
下する傾向にあり、30%を超えると、顔料分散レジス
トの塗膜を乾燥させたときに、光重合開始剤の結晶が析
出して塗膜物性の劣化を引き起こすことがある。
【0062】上記で得られた表面処理微細有機顔料に
は、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基が
そのまま含まれているので、調製されたレジストインキ
の流動性を損なう心配が少ない。また、後述する様に、
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を反応
させるための触媒も200℃以上となる様に加熱を行う
のであれば必要ない。しかしがら、レジストインキの流
動性低下や得られたカラーフィルターの色相変化を起こ
さない範囲において、この表面処理微細有機顔料には、
必要に応じて、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4
−イル基同士、または2−オキソ−1,3−ジオキソラ
ン−4−イル基とそれと反応しうる官能基との反応を促
進させる触媒をレジストインキに含ませて使用し、着色
後硬化させることが出来る。勿論、表面処理微細有機顔
料中の皮膜形成性樹脂にこの触媒を含めておき、同様に
着色後硬化させることも出来る。
【0063】こうして光重合性単量体を含むレジストに
分散させてインキとして、これを透明性基体に塗布し、
フォトマスク上から紫外線を照射して光重合性単量体を
硬化させ、洗浄を行って未硬化部分を除去した後に、加
熱して前記表面処理微細有機顔料上の熱硬化性皮膜形成
性樹脂を硬化させて着色マトリックスを形成してカラー
フィルターを製造する(以下、この処理をパターニング
処理という。)。
【0064】透明性基体としては、例えばソーダライム
ガラス、低アルカリガラス、石英ガラス、ポリアリレー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエ
ステル、エポキシ等のフィルムやシートが使用できる。
【0065】当該カラーフィルター用レジストインキを
透明性基体表面に塗布する方法は特に限定されず、例え
ば印刷法、スプレー法、ロールコート法、バーコート
法、カーテンコート法、スピンコート法など各種の方法
を用いることができる。
【0066】パターニング処理を施す場合の皮膜作成方
法例を示すと、まず透明性基体に塗布された当該カラー
フィルター用レジストインキは加熱(プレベーク)され
る。こうすることで、未硬化のレジストインキの乾燥皮
膜が形成される。この過程では表面処理微細有機顔料上
の熱硬化性皮膜形成性樹脂は硬化しない様にする。加熱
条件は各成分の種類、配合割合などによっても異なる
が、通常50〜150℃で1〜15分間程度である。次
にプレベークされた皮膜に所定パターンのフォトマスク
を介して、このフォトマスクの上から紫外線などを照射
して光重合性単量体を硬化させた後、洗浄を行って未硬
化部分を除去する。
【0067】この未硬化部分の除去は、2−オキソ−
1,3−ジオキソラン−4−イル基とそれと反応しうる
官能基とを有する熱硬化性皮膜形成性樹脂に含まれる官
能基の種類や、レジストインキ調製に用いる皮膜形成性
樹脂の種類により現像液の組成を工夫する。これら官能
基がアミノ基の場合には、酸を含む現像液を用いて、こ
の未硬化部分(不要部分)を洗浄除去すれば良いし、カ
ルボキシル基の場合には、アルカリを含む現像液を用い
て、この未硬化部分(同前)を洗浄除去すれば良い。
【0068】一般的なレジストインキには、アルカリ可
溶性の皮膜形成性樹脂が多様されているので、これと、
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とカル
ボキシル基とを有する熱硬化性皮膜形成性樹脂とを併用
し、アルカリを含む現像液と組み合わせて用いる様にす
るのが、最も好ましい。
【0069】現像液としては、たとえば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウ
ム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミ
ン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プ
ロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミ
ン、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒド
ロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テ
トラブチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペ
リジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウ
ンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−
ノナンなどのアルカリ類の水溶液を使用することができ
る。また上記アルカリ水溶液に、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコールなどの水溶性有機溶剤、界
面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用す
ることもできる。
【0070】現像の方法は、液盛り法、ディッピング
法、スプレー法などのいずれでもよい。現像後、流水洗
浄を行い圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによっ
て、前記未硬化部分(同前)を除去し、カラーフィルタ
ーの暫定パターンが形成される。その後、このパターン
中に含まれる表面処理微細有機顔料上の熱硬化性皮膜形
成性樹脂を加熱により硬化させる。紫外線の照射により
光重合性単量体は既に硬化しているので、この加熱硬化
では、熱硬化性皮膜形成性樹脂の硬化のみが行われる。
この加熱硬化により着色マトリックスからなる着色パタ
ーンが形成され、カラーフィルターとなる。この加熱硬
化は、この暫定パターンをホットプレート、オーブンな
どの加熱装置により、所定温度たとえば200〜250
℃で、所定時間、例えば0.1〜3時間加熱処理をする
ことで行うことが出来る。こうして表面処理微細有機顔
料上の熱硬化性皮膜形成性樹脂を硬化させ、耐熱性、透
明性、硬度などに優れた着色マトリックスからなるパタ
ーンを有したカラーファイルターを得ることができる。
【0071】熱硬化性皮膜形成性樹脂の硬化の有無は、
発生する二酸化炭素の生成をガス分析やガスクロマトグ
ラフィーにより確認したり、質量変化により確認するこ
とが出来る。本発明の製造方法では、2−オキソ−1,
3−ジオキソラン−4−イル基とカルボキシル基とそれ
と反応しうる基とを有する熱硬化性皮膜形成性樹脂を従
来よりも少量しか用いていないので、同じ温度の加熱で
あれば、加熱処理の時間は、従来よりも短くすることが
出来る。また、反応に伴う二酸化炭素の発生量もより少
ないので、急激に加熱しても着色マトリックスのパター
ンの平滑性を損なうことも少なくピンホール等の発生も
より少なくなる。
【0072】カラーフィルターは、ブラックマトリック
スと呼ばれる遮光薄膜を設けた透明基板上に、それぞれ
赤、緑、青の3原色を選択的に透過するように、色材を
各画素部に配置することにより形成されている。前記し
た如き方法を用いて、複数の異なった色ごとに基板上に
当該カラーフィルター用レジストインキを塗布、露光、
現像、焼き付けの各工程を繰り返し行うことで、赤、
緑、青の3原色および遮光に用いられる黒などの各着色
画素を形成することができる。その他、電着法、転写
法、ミセル電解法、PVED(Photovoltai
c Electrodeposition)法の方法で
色パターンを形成して、カラーフィルターを製造しても
よい。
【0073】本発明のカラーフィルターは、カラー液晶
ディスプレイ、ビデオカメラ、カラーエレクトロルミネ
ッセントディスプレー、カラースキャナ、固体撮像素子
などに好適に用いることができる。
【0074】
【実施例】次に本発明を製造例と実施例と比較例により
詳細に説明する。以下、部及び%は質量基準である。
【0075】[製造例1]大日本インキ化学工業株式会
社製の「ファーストゲン ブルー EPC」(ε型銅フ
タロシアニンブルークルード。一次粒子の平均粒子径
0.1〜10μm。)1部、粉砕した塩化ナトリウム1
0部、ジエチレングリコール1部、銅フタロシアニンフ
タルイミドメチル誘導体0.05部、2−オキソ−1,
3−ジオキソラン−4−イル基を有する皮膜形成性樹脂
溶液A(メタクリル樹脂(2,3−カーボネートプロピ
ルメタクリレート/メタクリル酸/ベンジルメタクリレ
ート=25/11.5/63.5、ポリスチレン換算の
数平均分子量=5100、分散度Mw/Mn=2.4
9)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート溶液(樹脂固形分40%))0.25部を双腕型ニ
ーダーに仕込み、80℃〜90℃で10時間混練した。
この時ソルベントソルトミリング時のゲル化は無かっ
た。混練後80℃の1%塩酸水溶液100重量部に取り
出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕し、ε型
銅フタロシアニン表面処理顔料(a)を得た。また、平
均粒子径については、透過型電子顕微鏡JEM−201
0(日本電子株式会社製)で測定し、平均粒子径は0.
03μmであった。縦横のアスペクト比は2であった。
顔料(a)の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、
1810cm−1に2−オキソ−1,3−ジオキソラン
−4−イル基の特異赤外線吸収ピークが判別できた。
【0076】[製造例2]大日本インキ化学工業株式会
社製の「ファーストゲン ブルー EPC」(ε型銅フ
タロシアニンブルークルード。一次粒子の平均粒子径
0.1〜10μm。)1部、粉砕した塩化ナトリウム7
部、ジエチレングリコール1部、銅フタロシアニンフタ
ルイミドメチル誘導体0.03部、を双腕型ニーダーに
仕込み、120℃〜130℃で7時間混練した。混練後
80℃の1%塩酸水溶液100重量部に取り出し、1時
間攪拌後、濾過、湯洗し、水10部に分散した80℃の
水性スラリーに、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−
4−イル基を有する皮膜形成性樹脂溶液B(メタクリル
樹脂(2,3−カーボネートプロピルメタクリレート/
メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸
−2−ヒドロキシエチル=28/25/41/6、ポリ
スチレン換算の数平均分子量=5300、分散度Mw/
Mn=2.36)の樹脂固形分4%、水酸化ナトリウム
4%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート6%、水86%)2.5部を加え、30分間80℃
で攪拌の後、塩酸でpHを6として、30分間80℃で
攪拌の後、濾過、湯洗し、乾燥、粉砕し、ε型銅フタロ
シアニン表面処理顔料(b)を得た。また、平均粒子径
については、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本
電子株式会社製)で測定し、平均粒子径は0.07μm
であった。縦横のアスペクト比は2であった。顔料
(b)の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、18
10cm−1に2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4
−イル基の特異赤外線吸収ピークが判別できた。
【0077】[比較参考用製造例3]製造例1の2−オ
キソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する皮膜
形成性樹脂溶液Aを無添加に変更し、ε型銅フタロシア
ニン微細顔料(c)を得た。また、平均粒子径について
は、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式
会社製)で測定し、平均粒子径は0.03μmであっ
た。縦横のアスペクト比は2であった。
【0078】[比較参考用製造例4]製造例1の2−オ
キソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する皮膜
形成性樹脂溶液Aをエポキシ樹脂エピクロン940−8
0M(大日本インキ化学株式会社製、エポキシ樹脂樹脂
固形分80%、メチルエチルケトン20%)0.125
部に変更し、ε型銅フタロシアニン表面処理顔料(d)
を得た。この時ソルベントソルトミリング時のゲル化は
若干見られた。また、平均粒子径については、透過型電
子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式会社製)で測
定し、平均粒子径は0.03μmであった。縦横のアス
ペクト比は2であった。
【0079】[比較参考用製造例5]製造例2の2−オ
キソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する皮膜
形成性樹脂溶液Aをアクリル樹脂ジョンクリル61(ジ
ョンソンポリマー株式会社製、アクリル樹脂35%、ア
ンモニア7.5%、エチレングリコール1.5%、イソ
プロピルアルコール5.0%、水51%)0.29部に
代える以外は実施例2と同様の操作を行い、ε型銅フタ
ロシアニン表面処理顔料(e)を得た。また、平均粒子
径については、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日
本電子株式会社製)で測定し、平均粒子径は0.07μ
mであった。縦横のアスペクト比は2であった。
【0080】[実施例1〜2]上記の製造例で得られた
表面処理顔料a)、b)を用い、フォトリソグラフィー
でカラーフィルター、を製造した。
【0081】カラーフィルターの製造方法としては、表
面処理顔料9.5部、銅フタロシアニンモノスルホン酸
(フタロシアニン誘導体)0.5部、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート49部、アジスパー
PB814(味の素株式会社社製)7.5部、を0.5
mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー
(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、顔料分散液を
得た。この顔料分散液75.00部とポリエステルアク
リレート樹脂(アロニックスM7100、東亜合成化学
工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリスレートヘ
キサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化
薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYA
CURE BP−100、日本化薬株式会社製)1.0
0部、ユーカーエステルEFP13.5部を分散攪拌機
で攪拌し、孔径1.0μmのフィルターで濾過し、カラ
ーレジストを得た。カラーレジストは1mm厚ガラスに
乾燥膜厚1μmとなるようにスピンコーターを用いて塗
布し、その後60℃で5分間予備乾燥して塗膜を形成さ
せた。次いでフォトマスクを介して紫外線によるパター
ン露光を行った後、未露光部分を0.5%の炭酸ナトリ
ウム水溶液中で洗浄した後、純水で更に洗浄し、次いで
得られた塗膜を230℃で15分間加熱処理して塗膜を
硬化させ、カラーフィルターとした。
【0082】[比較例1,2,3]上記の比較用製造例
で得られた顔料c)、表面処理顔料d)、e)を用い、
フォトリソグラフィーでカラーフィルター、、を
製造した。
【0083】[比較例4]上記の製造例で得られた顔料
c)を用い、顔料8.55部、銅フタロシアニンモノス
ルホン酸(フタロシアニン誘導体)0.5部、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート49部、ア
ジスパーPB814(味の素株式会社社製)7.5部、
を0.5mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディ
ショナー(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、顔料
分散液を得た。この顔料分散液75.00部と上記2−
オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する皮
膜形成性樹脂溶液A 2.38部、ポリエステルアクリ
レート樹脂(アロニックスM7100、東亜合成化学工
業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリスレートヘキ
サアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬
株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYAC
URE BP−100、日本化薬株式会社製)1.00
部、ユーカーエステルEFP13.5部を分散攪拌機で
攪拌し、孔径1.0μmのフィルターで濾過し、カラー
レジストを得た。カラーレジストは1mm厚ガラスに乾
燥膜厚1μmとなるようにスピンコーターを用いて塗布
し、その後60℃で5分間予備乾燥して塗膜を形成させ
た。次いでフォトマスクを介して紫外線によるパターン
露光を行った後、未露光部分を0.5%の炭酸ナトリウ
ム水溶液中で洗浄した後、純水で更に洗浄し、次いで得
られた塗膜を230℃で15分間加熱処理して塗膜を硬
化させ、カラーフィルターとした。
【0084】(試験例) <性能試験及び評価基準> 保存安定性:上記で得られた顔料分散液を40℃で24
時間保存した際の粘度を測定し、初期粘度に対する変化
率が10%未満のものを○、10%以上のものを×とし
た。なお粘度測定は東機産業社製R型粘度計を用いて行
った。 透明性:上記の方法で塗布し硬化させたガラス板を用い
て、オリンパス製顕微鏡MX−50と大塚電子製分光光
度計MCPD−3000顕微分光測光装置CIE発色系
色度におけるx=0.136、y=0.141における
Y値を測定した。Y値が大きいほど、透明性が高いと評
価した。 耐熱性:上記の方法で塗布し硬化させたガラス板を用い
て、280℃で30分加熱し、加熱前後のY値の変化に
より評価した。この時の変化率の差ΔYが0.5未満の
ものを○、0.5以上のものを×とした。なお色度測定
はオリンパス製顕微鏡MX−50と大塚電子製分光光度
計MCPD−3000を用いて行った。
【0085】
【表1】表 1
【0086】表1に示した結果から、2−オキソ−1,
3−ジオキソラン−4−イル基とを有する熱硬化性皮膜
形成性樹脂と有機顔料とを含む表面処理顔料を用いて製
造したカラーフィルターは対応する比較例のカラーフィ
ルターに比べて、透明性、耐熱性のいずれにも優れてい
ることが明らかである。またレジストインキを調製する
前の顔料分散液の保存安定性にも優れている。
【0087】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られたカラーフィ
ルターは、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イ
ル基を有する皮膜形成性樹脂の硬化物と有機顔料を含む
ものであり、工程中での組成物の安定性が極めて良く、
透明性、耐熱性が良好である。また、表面処理の際の熱
履歴により、このエポキシ基が自己反応したり破壊され
ることがないという格別顕著な効果を奏する。また、こ
の表面処理微細有機顔料は、フィルター製造工程の加熱
時に閉環反応を行わせることが出来、耐熱性や耐溶剤性
に優れたカラーフィルターを得ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳田 博之 千葉県佐倉市鍋山町97−7 Fターム(参考) 2H048 BA45 BA47 BA48 BB42 BB46

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細有機顔料の質量換算100部当たり、
    2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とそれ
    と反応しうる官能基とを有する熱硬化性皮膜形成性樹脂
    3〜25部が未硬化のまま前記微細有機顔料の表面に付
    着した表面処理微細有機顔料を、光重合性単量体を含む
    レジストに分散させてインキとして透明性基体に塗布
    し、フォトマスク上から紫外線を照射して光重合性単量
    体を硬化させ、洗浄を行って未硬化部分を除去した後
    に、加熱して前記表面処理顔料上の熱硬化性皮膜形成性
    樹脂を硬化させて着色マトリックスを形成する、カラー
    フィルターの製造方法。
  2. 【請求項2】前記表面処理有機顔料が、粗製有機顔料ま
    たは有機顔料の質量換算100部当たり2−オキソ−
    1,3−ジオキソラン−4−イル基とそれと反応しうる
    官能基とを有する皮膜形成性樹脂を3〜25部の存在下
    でソルベントソルトミリングした表面処理微細有機顔料
    である請求項1記載のカラーフィルターの製造方法。
  3. 【請求項3】レジストインキとして、2−オキソ−1,
    3−ジオキソラン−4−イルとそれと反応しうる官能基
    とを有する熱硬化性皮膜形成性樹脂以外の皮膜形成性樹
    脂と光重合性単量体とを含むレジストインキを用いる請
    求項1または2記載のカラーフィルターの製造方法。
  4. 【請求項4】着色マトリックス中に含まれる、2−オキ
    ソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とそれと反応し
    うる官能基とを有する熱硬化性皮膜形成性樹脂の硬化物
    が、質量換算で0.1〜25%となる様に調製を行う請
    求項1、2または3のいずれか記載のカラーフィルター
    の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009092749A (ja) * 2007-10-04 2009-04-30 Fujifilm Corp 着色画素用硬化性組成物及びカラーフィルタ
JP2011213999A (ja) * 2010-03-18 2011-10-27 Sanyo Shikiso Kk 超易分散顔料分散体およびその製造方法
CN102955188A (zh) * 2011-08-17 2013-03-06 Jsr株式会社 彩色滤光片、液晶显示元件及彩色滤光片的制造方法

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