JP2014055417A - 回動式パネルセット - Google Patents

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Abstract

【課題】パネルを戸枠に連結した状態(連結状態)を長期間に渡って確実に維持することができ、かつパネルの歪の発生を抑制することができる回動式パネルセットを提供する。
【解決手段】戸尻を基端として回動可能なパネル4と、パネル4の戸先が連結される戸先側竪枠2bと、パネル4の戸先と、戸先側竪枠2bと、を係合離脱可能に係合する係合機10を備えており、係合機構10は、戸先側竪枠2bの軸方向に沿って複数の係合部11を有している。パネル4の戸先と戸先側竪枠2bとを係合離脱可能に係合する係合機構10を備えているので、係合機構10によってパネル4を戸先側竪枠に対して機械的に連結することができる。また、係合機構10は戸先側竪枠2bの軸方向に沿って複数箇所設けられているので、複数ヶ所でパネル4の荷重を支持することでき、しかも熱反りを抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、回動式パネルセットに関する。さらに詳しくは、パネルを確実に戸枠に連結した状態に維持しておくことができ、かつパネルに発生する歪を抑制できるパネルを備えた回動式パネルセットに関する。
一般的に、戸建住戸やマンション等の集合住宅などの住戸では、その玄関ドアの近傍の玄関側壁などにインターホンや照明器具、新聞受け等が設けられている。
従来、このようインターホン等は、玄関壁に埋め込むようにして設けられている。このため、玄関壁にインターホン等を取付けるための取付作業の工数が増加するといった問題があった。また、玄関壁に埋め込むようにして設けられているインターホン等のメンテナンスや検査などの修理点検作業が大変であった。
一方、近年、袖パネルを備えたドアセットが普及してきている。この袖パネルには、インターホンや照明器具、新聞受け等を設けることができるような構造を有している、また、袖パネルは、玄関ドアと同様に、戸尻を基端として戸先が水平方向に回動可能となるように設けられているので、この袖パネルを開けば、インターホン等の取付もインターホン等のメンテナンスや点検等も容易に行うことができる。
ところで、袖パネルは、普段、つまりインターホン等のメンテナンスや点検などを行わない場合、袖パネルが開かないように戸枠に固定されている。具体的には、戸枠を構成する竪枠に形成された錠受金具を取付けるための錠受金具収容空間からネジ止めするなどの方法によって竪枠に固定されている。このため、インターホン等のメンテナンスなどを行う場合には、錠受金具を外し、袖パネルを戸枠の竪枠に固定しているネジを外せば、袖パネルを開くことができる。一方、固定ネジは、普段、錠受金具によって覆われており外部から視認できないので、防犯上も好ましい構造となっている。
しかし、かかる袖パネルを備えたドアセットでは、固定ネジを外した状態では、袖パネルが自由に開閉してしまう。このため、インターホン等の取付作業や修理点検作業などを中断する場合や一日の作業が終了した際には、袖パネルが開かないようにするために、その都度、ネジ止めによって袖パネルを戸枠の竪枠に固定し、錠受金具を取り付けた後、ドアを施錠しなければならない。また、作業を再開する際には、袖パネルを開くために、ドアを解錠し、錠受金具を外して、ネジ止めを外すといった一連の操作を行わなければならない。また、錠受金具の取り外し等を行うには、一旦、ドアを解錠する必要があるが、ドアのカギはインターホン等の取付作業等を行う取付業者とは異なる業者(例えば、ゼネコン等の施工管理業者)によって厳重に管理されている。このため、かかる取付業者がドアを解錠するためには、煩雑な手続きを経なければドアを解錠することができないので、インターホン等の取付作業や修理点検作業等の作業工数が増加するといった問題がある。
また、かかる袖パネルを備えたドアセットでは、袖パネルは、錠受金具収容空間が設けられている位置だけで戸枠の竪枠に固定されている。
一般的に、袖パネルは、玄関等に配設してしばらくすると、袖パネルの自重に起因して歪が発生する。そして、一旦歪が発生すると、普段の状態(つまり、袖パネルを竪枠に固定する状態)では、袖パネルの歪によって袖パネルの戸先と戸枠の間に隙間が生じてしまうといった問題ある。
袖パネルを戸枠の竪枠に連結した状態(以下、単に連結状態という)を維持することができる構造として、磁石の磁力を利用することによって、袖パネルの戸先と枠とを連結する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
この特許文献1の技術では、袖パネルの戸先に設けられた磁石と、この磁石を引っ付けるための金属片を戸枠に設けることによって、袖パネルを閉じたときに、戸先に設けられた磁石の磁力によって袖パネルを戸枠に対して連結することができるようになっている。つまり、特許文献1の技術では、錠受金具収容空間が設けられている位置におけるネジなどによる固定を行わなくても、袖パネルを閉じるだけで、袖パネルと竪枠とを連結状態とすることができるのである。
このため、袖パネルに設けられたインターホン等の取付作業や修理点検作業を中断したり、一日の作業が終了した後に、ネジによって袖パネルを戸枠に固定し、再開時には再度ネジを外すといった一連の操作をすることなく、袖パネルを閉じるだけで、袖パネルを連結状態に維持できるという利点が得られる。しかも、ドアを解錠するための煩雑な手続きも不要となるといった利点も得られる。
さらに、錠受金具収容空間が設けられている位置での連結に加えて、複数ヶ所に設けられた磁石でも袖パネルと戸枠の竪枠とが連結されているので、従来よりも袖パネルと竪枠との連結状態を強くすることができる。
特開2006−22584号公報
しかるに、袖パネルと戸枠を固定する場合には、特許文献1では、複数ヶ所に設けられた磁石によっても袖パネルと戸枠の竪枠とを連結する連結力を発揮させる技術であるが、磁石による連結力を長期間に渡って、発揮させることは困難である。具体的には、袖パネルは、玄関等に配設してから長期間経過すれば、太陽光などによって袖パネルが面外方向に向かって反るといった現象(いわゆる熱反り)や、袖パネルの自重によって面内方向の歪が発生し易い。しかし、磁石による磁力では、熱反りや自重に起因する歪の発生を防止することは困難である。したがって、特許文献1の技術では、熱反りや自重に起因する歪の発生を防止することは困難である。しかも、永久磁石の場合、時間の経過に伴い磁石の磁力が劣化するので、熱反り等に起因する歪が発生しなくても、長期間、初期の状態を維持することは困難である。
そして、一旦、袖パネルに歪が発生すると、袖パネルを閉じた状態において、袖パネルの戸先と竪枠との間に隙間が生じる。磁力による連結は、連結する対象の距離が離れれば急速にその連結力が弱くなるので、一旦歪が発生してしまえば、袖パネルを再度磁力によって竪枠に連結することは難しい。つまり、特許文献1の技術では、一旦袖パネルに歪が発生してしまうと、磁力だけで袖パネルを連結状態に維持することが不可能となるのである。このため、特許文献1の技術では、ある程度の期間が経過した後、インターホン等の修理点検作業を行う場合には、磁力によって連結状態を維持することができないので、結局、従来と同様の方法で袖パネルを竪枠に連結しなければならないのである。
しかも、特許文献1の技術では、一旦袖パネルに歪が発生してしまうと磁力による連結力がなくなるので、結局、従来の技術と同様に、錠受金具収容空間が設けられている位置だけで袖パネルが戸枠の竪枠に固定された状態となる。このため、特許文献1の技術では、(i)袖パネルと戸枠の間に生じた隙間によって袖パネルの見栄えが悪くなる、(ii)ゴミ等が溜り易くなる、(iii)隙間から内部に水が浸入し易くなる、等の従来の技術の問題を解決することができないのである。
本発明は上記事情に鑑み、パネルを戸枠に連結した状態(連結状態)を長期間に渡って確実に維持することができ、かつパネルの歪の発生を抑制することができる回動式パネルセットを提供することを目的とする。
第1発明の回動式パネルセットは、戸尻を基端として回動可能なパネルと、該パネルの戸先が連結される戸先側竪枠と、前記パネルの戸先と、前記戸先側竪枠と、を係合離脱可能に係合する係合機構を備えており、該係合機構は、前記戸先側竪枠の軸方向に沿って複数の係合部を有していることを特徴とする。
第2発明の回動式パネルセットは、第1発明において、戸尻を基端として回動可能であって、その戸先が前記戸先側竪枠に連結可能に設けられたドアを備えた回動式パネル付ドアセットであり、前記戸先側竪枠が、前記パネルの戸先と、前記ドアの戸先の間に配置される共用竪枠であることを特徴とする。
第3発明の回動式パネルセットは、第1または第2発明において、前記パネルが、上下方向に移動可能に設けられており、前記係合機構の係合部は、前記パネルの戸先側の端部に設けられた係合片を備えており、前記共用竪枠には、前記パネルが閉じた状態において、前記係合片が挿通されるスリット孔が形成されており、該スリット孔は、前記共用竪枠の軸方向に沿って延びた長孔であり、その軸方向の長さが、前記係合片の上端と下端の距離よりも長くなるように形成されており、前記係合片は、その下端部に係合突起を備えていることを特徴とする。
第4発明の回動式パネルセットは、第1、第2または第3発明において、前記係合片は、その先端部に基端から先端に向かって上傾した上傾面を有していることを特徴とする。
第5発明の回動式パネルセットは、第4発明において、前記係合片は、前記パネルを前記共用竪枠から離間するように開いた状態において、前記係合片の上傾面の上端縁が、前記スリット孔の下端縁よりも上方に位置するように形成されていることを特徴とする。
第6発明の回動式パネルセットは、第1、第2、第3、第4または第5発明において、前記パネルの戸尻と、前記パネルの戸尻側に位置する戸尻側枠と、を連結する連結機構を備えており、該連結機構は、先端部が前記パネルの戸尻側に位置する戸尻側枠の軸方向に沿って延びた長穴である連結孔に挿通され、基端部が前記パネルの戸尻部に連結された板状の揺動部を備えており、該揺動部は、該揺動部を前記連結孔に挿入する方向に沿って移動可能であることを特徴とする。
第7発明の回動式パネルセットは、第6発明において、前記揺動部は、前記連結孔の幅方向に沿って移動可能であることを特徴とする。
第8発明の回動式パネルセットは、第6または第7発明において、前記揺動部は、該揺動部の表面が前記パネルの表面と非平行となるように形成されていることを特徴とする。
第1発明によれば、パネルの戸先と戸先側竪枠とを係合離脱可能に係合する係合機構を備えているので、係合機構によってパネルを戸先側竪枠に対して機械的に連結することができる。つまり、係合機構によってパネルを戸先側竪枠に対して連結した状態(以下、単に連結状態という)に維持することができる。また、係合機構は戸先側竪枠の軸方向に沿って複数箇所設けられているので、複数ヶ所でパネルの荷重を支持することでき、熱反りを抑制することができる。しかも、所定の間隔を空けて係合機構が設けられていれば、パネルの荷重をほぼ均一に分散させて支持することができ、熱反りを抑制するために必要な力をほぼ均一に分散させて負担させることができる。このため、パネルを閉じた状態で長期間保持しても、パネルに歪が発生することを抑制できるので、見た目を綺麗にすることができ、しかも隙間からパネル内にゴミや水等が侵入するのを防止できる。
第2発明によれば、係合機構によって回動式袖パネル付ドアセットの袖パネルと共用竪枠に対して機械的に連結することができる。つまり、係合機構によって袖パネルを共用竪枠に対して連結した状態(以下、単に連結状態という)に維持することができる。また、係合機構は共用竪枠の軸方向に沿って複数箇所設けられているので、複数ヶ所で荷重を支持することでき、熱反りを抑制することができる。しかも、所定の間隔を空けて係合機構が設けられていれば、パネルの荷重をほぼ均一に分散させて支持することができ、熱反りを抑制するために必要な力をほぼ均一に分散させて負担させることができる。このため、袖パネルを閉じた状態で長期間保持しても、袖パネルに歪が発生することを抑制できるので、見た目を綺麗にすることができ、しかも隙間からゴミや水等が侵入するのを防止できる。さらに、係合機構は機械的に袖パネルと共用竪枠を連結するので、袖パネルに歪等が生じて変形した場合であっても、ある程度の変形であれば、係合機構によって袖パネルと共用竪枠を連結することができる。すると、ある程度の期間が経過した後、インターホン等の修理点検作業をする場合でも、係合機構だけで、袖パネルを共用竪枠に連結することができる。
第3発明によれば、係合片をスリット孔に挿通した状態とすれば、スリット孔の下端部に係合片の下端がのった状態になる。すると、袖パネルを開けようとすれば、係合片の係合突起がスリット孔の下端部に引っ掛かるので、袖パネルが開くのを防止できる。つまり、確実に袖パネルが竪枠に連結した状態(連結状態)を維持することができるのである。しかも、スリット孔の軸方向の長さが、係合片の上端下端間の距離よりも長くなるように形成されているので、袖パネルを持ち上げれば、係合片の係合突起の下端をスリット孔の下端部よりも上方に位置するようにできる。すると、係合片をスリット孔から離脱、つまり袖パネルを開くことができる。つまり、袖パネルを持ち上げるだけで、袖パネルを開いたり、連結状態に維持したりることができるのである。言い換えれば、袖パネルを持ち上げるだけで、袖パネルの開閉を行うことができるのである。さらに、袖パネルの連結状態において、袖パネルは、複数箇所で係合片の下端をスリット孔の下端部にのせた状態に維持することができるので、袖パネルの荷重を確実に分散し、かつ支持することができ、熱反りを抑制するために必要な力をほぼ均一に分散させて負担させて熱反りを抑制することができる。
第4発明によれば、係合片がその先端部に基端から先端に向かって上傾した上傾面を有しているので、係合片をスリット孔に挿入するときに、係合片の先端部の上傾面をスリット孔の下端部に沿ってスライドするように挿入できる。つまり、係合片をスリット孔に挿通する動作をスムースに行うことができる。
第5発明によれば、係合片の先端部の上傾面の上端縁が、スリット孔の下端縁よりも上方に位置するので、袖パネルを開いた状態から袖パネルを共用竪枠に接近させて、袖パネルを共用竪枠に向かって押圧すれば、係合片をスリット孔に挿通することができる。しかも、係合片をスリット孔に挿通する際に袖パネルを上方に持ち上げる必要がないので、よりスムースに係合片をスリット孔に挿通する動作を行うことができる。
第6発明によれば、基端部がパネルの戸尻側に連結した板状の揺動部の先端部を戸尻側竪枠の連結孔に挿通するだけで、パネルを戸尻側竪枠に対して連結することができる。しかも、揺動部の先端部を連結孔に挿通した状態において、揺動部の先端部の下端が連結孔の下端にのるようにすれば、連結機構によってパネルの荷重を支持することができる。したがって、連結機構を戸尻側竪枠の軸方向に沿って複数箇所設ければ、複数ヶ所でパネルの荷重を支持することができる。しかも、連結機構が所定の間隔を空けて設けられていれば、パネルの荷重をほぼ均一に分散させて支持することができる。また、揺動部を連結孔に挿通してパネルを戸尻側竪枠に対して連結しており、しかも、揺動部は、連結孔に挿通される方向に沿って移動できる。すると、パネルを閉じた状態において、パネルの戸尻と戸尻側竪枠をほぼ接触させることができる。つまり、パネルを閉じた状態において、パネルの戸尻と戸尻側竪枠の間にほぼ隙間ができない構造とすることができるのである。
第7発明によれば、揺動部は、連結孔の幅方向に沿って移動可能であるので、パネルを開いたときのパネルの姿勢の自由度を高くすることができる。
第8発明によれば、揺動部は、その表面がパネルの表面と非平行となるように形成しているので、揺動部の先端部を戸尻側竪枠の連結孔に挿通し易くなる。しかも、パネルを戸尻側竪枠に連結した状態において、パネルを開いたときに、その開口をより大きくできる。
本実施形態の回動式袖パネル付ドアセット1の概略説明図であり、(A)は住戸玄関に配置した状態の概略正面図あり、(B)は回動式袖パネル付ドアセット1の袖パネル4を開いた状態の概略正面図である。 図1(A)の袖パネル4を閉じた状態の要部拡大説明図である。 図1(B)の袖パネル4を開いた状態の要部拡大説明図である。 本実施形態の回動式袖パネル付ドアセット1の袖パネル4の部分の概略横断面図である。 図4のVの概略拡大説明図と、その中の要部拡大概略説明図である 図4のVI−VI線断面矢視要部拡大図である。 係合機構10の作動状況を説明した概略説明図である。 固定機構の概略説明図である。 袖パネル4と竪枠2bを連結する連結機構の他の実施形態の概略説明図である。 図4の袖パネル4を戸尻側竪枠2bに連結するための連結機構20の概略説明図であって(A)は袖パネル4を開いた状態の概略説明図であり、(B)は袖パネル4を閉じた状態の概略説明図である。 (A)は図10(A)の概略断面図であり、(B)は図10(B)の概略断面図である。 連結機構20の要部概略説明図であり、図11(B)のVIIの概略拡大説明図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の回動式パネルセットは、パネルを戸枠の竪枠に連結した状態(以下、連結状態という)を長期間に渡って確実に維持することができ、かつパネルの歪の発生を抑制することができるようにしたものである。
本発明の回動式パネルセットは、戸建やマンション等の集合住宅などの住戸の玄関に設けられる回動式袖パネル付ドアセットや、引戸等の戸袋、点検口等を有するパネルセットなどパネルが戸枠によって囲まれたパネルセットが含まれるが、かかるパネルセットに限られず、パネルが戸枠に対して回動できるように設けられているものであれば、本発明の回動式パネルセットに含まれる。
なお、上記ドアセットとは、居室や部屋の内外または屋内と屋外など一の空間とこれに隣接する他の空間とを連通する出入口に設けられた開閉可能な部材一式をいう。例えば、集合住宅の住戸の玄関のほか、複数個の部屋を有する事務所において、かかる部屋の出入口に取り付けて使用されるドアセットのいずれも含む概念である。
また、本発明の回動式パネルセットは、パネルが回動できるように設けられているものであればよく、パネルが戸枠に対して回動できるように設けられたものに限られない。つまり、本発明の回動式パネルセットは、パネルの近傍に配置されるドアセットの竪枠をパネルの戸先を連結するための竪枠として利用する構造や、パネルの戸先側にパネル専用の竪枠だけ設けた構造をも含む概念である。かかる構造を有する回動式パネルセットとしては、例えば、ロングエントランスパネルを挙げることができる。
以下では、本発明の回動式パネルセットは、戸建住戸やマンション等の集合住宅の住戸などの玄関用の袖パネルを有する回動式袖パネル付ドアセットについて説明する。この回動式袖パネルセットの用途は、住戸用の玄関に限定されない。例えば、上述した事務所用やビルなどのテナント用のドアセットなどとしても使用することができるのはいうまでもない。
なお、本明細書において、錠受金具は、一般的に戸枠に形成された収容空間に取り付けて使用されるものを採用することができ、かかる錠受金具を戸枠に取り付けた状態において、ドアを戸枠に固定するためにドアの戸先に設けられたデッドボルトやラッチボルト等も一般的な錠に使用されるものを採用することができ、その形状等はとくに限定されない。
つぎに、本実施形態の回動式袖パネル付ドアセット1(以下、単に回動式袖パネル付ドアセット1という)を説明する。
図1において、符号EWは住戸の玄関出入口のドアセットを取付けるための開口部を有する玄関側壁を示しており、符号Fは共用廊下を示している。
図1に示すように、回動式袖パネル付ドアセット1は、ドア3と、このドア3に隣接する袖パネル4と、ドア3と袖パネル4を囲む戸枠2と、を備えている。戸枠2の一対の竪枠2a、2b間には、ドア3の戸先および袖パネル4の戸先が連結される共用竪枠2eが設けられている。この共用竪枠2eは、その両端が上枠2dと下枠2cに連結して取り付けられている。そして、回動式袖パネル付ドアセット1は、袖パネル4を閉じた状態において、袖パネル4と共用竪枠2eを連結した状態(以下、単に連結状態という)に維持する機構として、係合機構10と、固定機構と、を備えている。
係合機構10は、袖パネル4と共用竪枠2eを機械的に連結する機構である。固定機構は、連結状態から袖パネル4が開閉しないように袖パネル4を共用竪枠2eに対して固定する機構である。
まず、回動式袖パネル付ドアセット1の特徴である係合機構10について説明する前に、回動式袖パネル付ドアセット1の概略について説明する。
(戸枠2の説明)
図1に示すように、戸枠2は、平面視略正方形に形成され、その内部に外径と略相似形の扉取付開口部を有する部材である。
具体的には、戸枠2は、一対の竪枠2a、2bと、この一対の竪枠2a、2bの上端部間を連結するように配設された上枠2dと、この一対の竪枠2a、2bの下端部間を連結するように配設された下枠2cと、を備えている。そして、上枠2dおよび下枠2cの両者間を連結し、かつ一対の竪枠2a、2bの間に位置するように共用竪枠2eが設けられている。つまり、一対の竪枠2a、2bと上枠2dおよび下枠2cで囲まれた空間に扉取付開口部が形成されている。そして、この扉取付開口部は、共用竪枠2eによって、竪枠2a、共用竪枠2e、上枠2dおよび下枠2cによって囲まれたドア取付開口部と、竪枠2b、共用竪枠2e、上枠2dおよび下枠2cによって囲まれた袖パネル取付開口部と、に分割されている。
上述した扉取付開口部において、ドア取付開口部が後述するドア3が取り付けられる部分であり、袖パネル取付開口部が後述する袖パネル4が取り付けられる部分である。つまり、袖パネル取付開口部において、袖パネル4を取り付けたときに、袖パネル4の戸尻側に位置する枠が上述する竪枠2bであり、袖パネル4の戸先側に位置する枠が共用竪枠2eである。
(共用竪枠2e、ドア3および袖パネル4の説明)
図1に示すように、戸枠2の扉取付開口部には、ドア取付開口部および袖パネル取付開口部をそれぞれ展開できるようにドア3および袖パネル4が取り付けられている。後述するように、かかるドア3と袖パネル4は、両者が観音開きの関係になるようにドア取付開口部および袖パネル取付開口部にそれぞれ取り付けられている。つまり、ドア3および袖パネル4は、共用竪枠2eに連結したそれぞれの戸先が共用竪枠2eから離れるように開くのである。
(共用竪枠2eについて)
図5または図8に示すように、共用竪枠2eは、内部に中空な空間を有する断面略矩形の長尺部材であり、後述するドア3および後述する袖パネル4を閉じた状態において、それぞれの戸先に対向する面を有する側壁S1、S3(以下、ドア側側壁S1、袖パネル側側壁S3という)を備えており、ドア側側壁S1と袖パネル側側壁S3の間には、両端間を連結するように正面側壁S2が設けられている。つまり、共用竪枠2eは、正面側壁S2が住戸の屋外側(図1では共用廊下F側)に向いた状態となるように配置されているのである。
図5および図6に示すように、共用竪枠2eの正面側壁S2には、内部と外部を連通するスリット孔10hが形成されている。このスリット孔10hは、後述する袖パネル4の戸先に設けられた係合機構10の係合部11の係合片13が挿通することができる大きさに形成されている。例えば、図6または図8に示すように、スリット孔10hは、共用竪枠2eの軸方向に沿って延びた長孔に形成されている。
また、図4および図5に示すように、共用竪枠2eのドア側側壁S1には、錠受金具SKを取付けることができる錠受金具取付開口部が形成されている。この錠受金具取付開口部は、その大きさおよび形状が錠受金具SKを共用竪枠2eの内部に収容した状態で取付けることができるように形成されている。そして、この錠受金具取付開口部に取り付けられる錠受金具SKは、公知の錠受金具を使用することができる。つまり、錠受金具SKは、ドア3の戸先から出没可能に設けられたデッドボルトDBやラッチボルト等を介して、ドア3を共用竪枠2eに対して固定することができるものであれば使用することができ、その構造等はとくに限定されない。例えば、錠受金具SKは、図4および図5に示すように、その一面に開口を有し、かつ内部に断面矩形に形成された中空な空間を有する箱状であって、その開口からデッドボルトDBやラッチボルト等を、内部に挿入させることができる構造を有するものを採用することができる。
(ドア3について)
図1に示すように、ドア3は、平面視略長方形に形成された略板状の部材である。具体的には、ドア3は、戸枠2に形成されたドア取付開口部と略相似形に形成されたものである。そして、ドア3は、図示しない連結手段によって戸枠2の竪枠2aに設けられている。具体的には、ドア3は、一の側端部(つまり戸尻)と、ドア3の戸尻側の戸枠2の竪枠2aとの間に設けられた連結手段によって戸尻を支点として水平方向に揺動可能に設けられている。つまり、ドア3は、戸尻を支点として先端部(つまり戸先)を水平方向に揺動させることによって、ドア3を開閉することができるのである。
また、図4および図5に示すように、ドア3の戸先には、出没可能に取り付けられたデッドボルトDBやラッチボルトなどが設けられている。そして、上述したように、このデッドボルトDBやラッチボルトをドア3の戸先から出没させることによって、錠受金具SKを介して、ドア3を共用竪枠2eに固定開放することができるのである。
なお、ドア3には、取っ手やドアノブなどの把手手段や、ドアガードなどの施錠手段などを設けてもよいのは、言うまでもない。
(袖パネル4について)
図1に示すように、袖パネル4は、平面視略長方形に形成された略板状の部材である。具体的には、袖パネル4は、戸枠2に形成された袖パネル取付開口部と略相似形に形成されたものである。
例えば、図1(B)に示すように、袖パネル4は、背面に形成された梯子状のフレームと、この梯子状に形成されたフレームに取り付けられた板状の正面壁と、から形成されている。この正面壁は、袖パネル取付開口部と略相似形であって、平面視略長方形の板状に形成されている。かかる構造を有する袖パネル4では、梯子状のフレームの長手方向に沿って設けられた一対のフレームが、それぞれ後述する袖パネル4の戸先側先端部4aおよび戸尻側基端部4bを構成する(図4参照)。
図4に示すように、袖パネル4は、ドア3と同様に連結機構20によって戸枠2の竪枠2bに設けられている。具体的には、袖パネル4は、袖パネル4の一の側端部4b(戸尻側基端部4b)と、袖パネル4を閉じた状態において袖パネル4の戸尻に対向する戸枠2の竪枠2b(以下、戸尻側竪枠2bという)との間に設けられた連結機構20によって戸尻側基端部4bを支点として水平方向に揺動可能に設けられている。つまり、袖パネル4は、戸尻側基端部4bを支点として袖パネル4の先端部4a(以下、戸先側先端部4aという)を水平方向に揺動させることによって、袖パネル4を開閉することができるのである。なお、連結機構20の詳細については後述する。
なお、図9に示すように、連結機構として、袖パネル4と戸枠2の竪枠2bの間に設けられたヒンジや丁番、ドアの長手方向に沿って取り付けた軸を支点としてドアを揺動させることができる軸吊り丁番(いわゆるピポットヒンジ)などの連結機構2hgを採用してもよいのはいうまでもない。連結機構として一般的なヒンジや丁番、ピポットヒンジなどを採用した連結機構2hgを、袖パネル4の戸尻と戸枠2の竪枠2b(戸尻側竪枠2b)を連結するように両者間に設ける。例えば、連結機構2hgとして丁番を採用する場合、一般的な丁番は、一対のプレートと、一対のプレートを連結する軸とを備えているので、この丁番の一のプレートを袖パネル4の戸尻に連結し、他のプレートを戸尻側竪枠2bに連結する。すると、袖パネル4の戸尻側基端部4bを支点として戸先側先端部4aを水平方向に揺動させることができる。
また、図4および図5に示すように、袖パネル4の戸先側先端部4aには、袖パネル4を構成する正面壁の面方向に対して略直交、言い換えれば、正面壁の法線と略平行になるように後述する係合部11が設けられている。
なお、本明細書の上記戸枠2を構成する竪枠のうち、袖パネル4の戸尻側基端部4b側に位置する竪枠2bが特許請求の範囲にいう戸尻側竪枠に相当し、袖パネル4の戸先側先端部4a側に位置する共用竪枠2eが特許請求の範囲にいう戸先側竪枠に相当する。
(係合機構10の説明)
係合機構10は、係合部11を備えている。
この係合部11は、上述したように、その大きさが上述した共用竪枠2eの正面側壁S2に形成されたスリット孔10hに挿通できる大きさに形成されている。
また、係合部11は、スリット孔10hに挿通した状態において、このスリット孔10hを囲む共用竪枠2eの正面側壁S2の内端縁(例えば、スリット孔10hの下端部)に引っかかる、つまりスリット孔10hに係合するように形成されている。具体的には、スリット孔10hに係合部11を挿通した状態において、係合部11が袖パネル4の開く力に抗して係合部11がスリット孔10hに挿通された状態を維持できるように形成されている。より具体的には、係合部11をスリット孔10hに挿通した状態において、係合部11の外面とスリット孔10hの内端面が接するように形成されている。
例えば、図2、図6または図8に示すように、係合部11は、袖パネル4の戸先側先端部4aに取り付けるための固定部12と、この固定部12に基端が連結し、かつ袖パネル4の戸先側先端部4aに取り付けた状態において、袖パネル4の正面壁の法線方向に延びた板状の係合片13と、を備えている。そして、図6および図8に示すように、係合片13は、その先端部をスリット孔10hに挿通した状態において、係合片13の先端部の下端とスリット孔10hの下端内面が接するように形成されている。
また、図2および図3に示すように、係合部11は、袖パネル4の戸先側先端部4aにおいて、袖パネル4の長手方向に沿って所定の間隔を空けて複数設けてられている。
一方、共用竪枠2eの正面側壁S2にも、複数のスリット孔10hが形成されている。具体的には、袖パネル4を閉じたときに、複数の係合部11の係合片13をそれぞれ挿通できる位置に、複数のスリット孔10hが形成されている。
なお、複数のスリット孔10hのうち、一のスリット孔10hは、上述した鍵受金具SKを収容する収容空間2ehと外部とを連通するように設けられていることが好ましい。言い換えれば、袖パネル4を閉じたときに、複数の係合部11のうち、一の係合部11の係合片13が収容空間2eh内に突出するように設けられていることが好ましい。かかる構成とすれば、後述する固定機構を設ける上で好ましい。なお、詳細については後述する。
(固定機構の説明)
固定機構は、係合部11の係合片13をスリット孔10hに挿通した状態において、係合片13がスリット孔10hから外れないように係合片13を固定する機能を有するものであれば、とくに限定されない。
例えば、固定機構は、係合片13に表裏を貫通する固定用貫通孔13hを形成し、その固定用貫通孔13hに棒状の固定部材15を挿入する。すると、棒状の固定部材15の長さが係合片13を挿通するためのスリット孔10hの開口幅よりも長くなるように形成されていれば、係合片13がスリット孔10hから外れないようにすることができる。
具体的には、固定機構の固定部材15としてビスを使用できる。この場合、係合部11の係合片13の先端部に雌ねじ孔13hを形成しておく。すると、係合部11の係合片13をスリット孔10hに挿通した状態において、固定部材15を係合片13の貫通孔13hに螺合させれば、係合部11の係合片13がスリット孔10hから抜けないように固定できる。つまり、袖パネル4を共用竪枠2eに固定できるのである。
とくに、ビスは、軸の長さが係合片13の貫通孔13hの挿入側面から共用竪枠2eの袖パネル側側壁S3までの距離よりもやや長くなるように形成されている、のが好ましい。この場合、袖パネル側側壁S3には、雌ねじ孔を形成する。そして、雌ねじ孔をその軸が、係合片13をスリット孔10hの下端部にのせた状態(図8(B)参照)において、係合片13の貫通孔13hの軸と略同軸上に位置するように形成する。すると、ビスを係合片13の貫通孔13hおよび袖パネル側側壁S3の雌ねじ孔に螺合させることができるので、より強固に袖パネル4を共用竪枠2eに固定できる。
以上のごとき構成であるので、袖パネル4を閉じたときに、袖パネル4の戸先側先端部4aに設けられた係合部11の係合片13を、共用竪枠2eの正面側壁S2に形成されたスリット孔10hに挿通することができる。
しかも、図6および図8に示すように、袖パネル4を閉じた状態、つまり係合部11の係合片13をスリット孔10hに挿通した状態において、係合片13はスリット孔10hの下端部に引っかかるように形成されている。つまり、袖パネル4を閉じた状態において、袖パネル4と共用竪枠2eは、係合部11の係合片13とスリット孔10hによって構成された係合機構10によって機械的に連結することができる。つまり、係合機構10によって袖パネル4を共用竪枠2eに対して連結した状態(以下、単に連結状態という)に維持することができる。
また、係合機構10は袖パネル4と共用竪枠2eを機械的に連結するので、袖パネル4に歪等が生じて変形した場合であっても、ある程度の変形であれば、かかる変形の力に抗して係合機構10によって袖パネル4と共用竪枠2eの連結状態を維持することができる。すると、ある程度の期間が経過した後、インターホン等(図1(A)の袖パネル4参照)の修理点検作業をした場合でも、係合機構10だけで、袖パネル4を共用竪枠2eに連結しておくことができる。
一般的に、袖パネルは、玄関等に配設してからしばらくすると、袖パネルの自重に起因して面内方向の歪が発生したり、太陽光等による熱によって面外方向(つまり、袖パネル4の表面に対して交差する方向)に反る歪(いわゆる熱反り)が発生したりする。しかし、従来の技術では、袖パネル4を機械的に共用竪枠2eに連結するものではないため、かかる歪が生じた袖パネル4を閉じても、袖パネル4と共用竪枠2eとの間に隙間が生じた状況となる、のが一般的であった。一方、本実施形態の回動式袖パネル付ドアセット1は、係合機構10によって袖パネル4と共用竪枠2eとを機械的に連結するので、長期間に渡って袖パネル4の連結状態を維持することができ、かつ袖パネル4の歪の発生を抑制することができるのである。
また、係合部11の係合片13は、その先端部をスリット孔10hに挿通した状態において、係合片13の先端部の下端がスリット孔10hの下端内面にのるように形成されている、のが好ましい。この場合、袖パネル4の荷重をスリット孔10hの下端部で支持した状態を維持しつつ、係合片13の先端部の下端とスリット孔10hの下端部の両者間により大きな抵抗を形成することができる。つまり、かかる状態から係合片13を外すには、係合片13とスリット10h間に形成された抵抗力に抗する力を加えなければならないので、係合片13の先端部をスリット孔10hから抜けにくくできる。言い換えれば、袖パネル4の連結状態をより強く維持することができるのである。
しかも、係合機構10は共用竪枠2eの軸方向に沿って複数箇所設けられているので、複数ヶ所で袖パネル4を共用竪枠2eに連結することができる。つまり、係合部11の係合片13の先端部をスリット孔10hに挿通した状態において、袖パネル4を複数ヶ所で共用竪枠2eに連結した状態に維持できる。
とくに、袖パネル4の戸先側先端部4aに、係合機構10の係合部11が所定の間隔を空けて複数設けられていれば、熱反りや自重に起因して袖パネル4が変形しようとしたときに、袖パネル4から共用竪枠2eに加わる力をほぼ均一に分散させて共用竪枠2eに支持させることができる。
すると、袖パネルを閉じた状態(つまり、袖パネル4の連結状態)で長期間保持しても、袖パネル4に歪が発生することを抑制できる。言い換えれば、長期間に渡って、袖パネル4の歪を抑制できるので、袖パネル4に歪が生じることによって袖パネル4と共用竪枠2eの間に隙間が生じた場合に比べて、見た目も綺麗にすることができる。
そして、袖パネル4と共用竪枠2eの間に隙間が生じないので、図4に示すように、袖パネル4の連結状態において、袖パネル4の背面と玄関側壁EWにおける袖パネル4側の側壁との間に形成された空間4h(以下、袖パネル背面収容空間4hという)内にゴミや水等が侵入することも防止できる。
例えば、袖パネル4の上端部、下端部および両者間の中間部を係合機構10によって共用竪枠2eに対して連結すれば、袖パネル4の自重や熱反りによって発生する力を確実に分散して袖パネル4を支持できるので、確実に袖パネル4の熱反りを防止できる。
また、係合部11の係合片13は、その先端部をスリット孔10hに挿通した状態において、スリット孔10hから外れにくい構成とする、のが好ましい。
例えば、係合片13は、その下端に係合突起13fを備えた構造を採用することができる。この係合突起13fは、スリット孔10hに係合片13を挿通した状態において、このスリット孔10hに挿通した係合片13がスリット孔10hに係合し得るように形成されている。つまり、係合片13の先端部をスリット孔10hに挿通した状態において、スリット孔10hを介して係合片13の基端部に対向する位置に係合突起13fが配置されるように形成する。かかる構造の場合、係合片13の先端部をスリット孔10hに挿通すれば、係合突起13fの先端部をスリット孔10hの下端よりも下方に位置するように配置できる。すると、係合突起13fがスリット孔10hの下端部にひっかかるように配置できるので、袖パネル4が自重や風等によって勝手に開くのを防止できる。
なお、戸枠2の形状は、上記形状に限定されず、戸枠2を設置する場所やドア3および袖パネル4の形状などに応じて適宜適切な大きさとすることができる。例えば、ドア3と袖パネル4を合わせた平面視が略長方形であれば、平面視で略長方形にしてもよい。
上記のごとく、係合片13に係合突起13fを設けた場合には、袖パネル4が上下に移動可能となるように、袖パネル4を戸枠2の竪枠2bに取り付けた構造を採用するのが好ましい。例えば、その袖パネル4の上下方向の移動に追従可能な機能を有する連結機構によって、袖パネル4の戸尻4bを戸枠2の竪枠2bに連結する。袖パネル4は、その上下方向の長さが、戸枠2の上枠2dの下端縁と下枠2cの上端縁の距離よりもやや短くなるように形成する。そして、袖パネル4を開いた状態において、袖パネル4の上端縁と戸枠2の上枠2dの距離が、係合片13の下端縁とこの係合片13を挿通するスリット孔10hの下端縁の距離よりも若干長くなるように形成する。例えば、袖パネル4を開いた状態において、スリット孔10hの下端縁と係合片13の下端縁との距離が2〜4mmであれば、かかる状態における袖パネル4の上端縁と上枠2dの距離が3〜6mmとなるように形成する。すると、袖パネル4を閉じるときに、袖パネル4を上方に持ち上げれば、袖パネル4の上端縁が戸枠2の上枠2dの下端縁と干渉することなく係合片13の先端部をスリット孔10hに挿通できる。そして、係合片13の先端部の下端がスリット孔10hの下端部にのせれば、上記の効果を奏することができる。
なお、本明細書の袖パネルが、特許請求の範囲にいうパネルに相当し、戸尻側竪枠2bが特許請求の範囲にいう戸尻側枠に相当する。
また、本発明の回動式パネルセットをロングエントランスパネルとして使用する場合、上述したように、ロングエントランスパネルの近傍に配置したドアセットの戸枠の一の竪枠を、ロングエントランスパネルの戸先を連結する竪枠として利用する構造を採用することができる。ロングエントランスパネルは、連結機構によって戸枠を介さず建造物等に直接取り付けられる。つまり、ロングエントランスパネルは、戸尻側基端部を支点として戸先側が水平方向に揺動可能となるように建造物等に取付けられる。一方、ロングエントランスパネルの戸先側先端部は、後述する係合機構10によってドアセットの竪枠に機械的に連結できるようになる。すると、ロングエントランスパネルを閉じたときに、係合機構によってロングエントランスパネルの戸先側先端部をドアセットの戸枠にしっかりと連結できるので、ロングエントランスパネルの自重に起因して面内方向の歪や、太陽光等による熱によって面外方向に反る歪(いわゆる熱反り)を防止することができる。
(係合機構10の詳細な説明)
以下では、係合機構10の各部について、詳細に説明する。
係合機構10の係合部11は、上述したように、固定部12と、この固定部12に基端が連結した係合片13と、を備えており、固定部12は背面が袖パネル4の戸先側先端部4aに連結するように形成されている。固定部12は、平面視略長方形の板状の部材である。係合片13は、平面視長方形の板状の部材であって、係合部11を袖パネル4の戸先側先端部4aに取り付けた状態において、一の長手方向の端面が下方を向くように固定部12の表面に立設して連結されている。
例えば、図5の拡大図および図6に示すように、平面視略T字状に形成された板状部材を略直角に折り曲げれば、固定部12と係合片13とが一体となった係合部11を形成することができる。
(係合突起13fについて)
図6に示すように、係合部11の係合片13の先端部下端には、係合片13の係合突起13fが設けられている。この係合突起13fは、スリット孔10hに係合片13を挿通した状態において、このスリット孔10hに挿通した係合片13がスリット孔10hに係合し得るように形成されている。例えば、図6に示すように、係合突起13fは、側面視略三角形状であって、その一の辺が係合片13の下端と連結した状態となるように形成されている。つまり、係合片13は、その先端部の下端部が略矢印状に形成されているのである。
とくに、図6に示すように、係合突起13fは、係合片13に取り付けた状態において、係合部11の固定部12に対向する一の端面と固定部12の距離L1が、戸枠2の共用竪枠2eの正面側壁S2の厚さL2よりも同等か若干長くなるように形成されている、のが好ましい。距離L1と正面側壁S2の厚さL2の差が、袖パネル4と共用竪枠2eの間に形成される隙間に相当するので、かかる差が数ミリ以下となるように形成すれば、見た目も綺麗にできるし、かかる差が数ミリ以下であれば、かかる隙間にバール等が挿入しにくくなるので防犯性能も高めることができる。
(スリット孔10hについて)
共用竪枠2eの正面側壁S2に形成されたスリット孔10hは、係合部11の係合片13を挿通することができ、かつ挿通した係合片13の先端部がスリット孔10hの下端部等に引っかかるように形成されていれば、その大きさおよび形状はとくに限定されない。
例えば、スリット孔10hは、係合片13の断面形状と略相似形であって、その大きさが係合片13の断面形状よりもやや大きくなるように形成されていれば、係合片13の先端部を引っかかり易くできる。
例えば、係合片13が断面略長方形であれば、スリット孔10hは、共用竪枠2eの長手方向に沿って延びた長穴であって、その軸方向の長さが、係合片13の上端から先端(係合片13が係合突起13fを有する場合には、係合突起13fの先端)までの距離よりもやや長くなるように形成する。
とくに、スリット孔10hは、袖パネル4を開いた状態において、その下端縁が袖パネル4の戸先側先端部4aに設けられた係合部11の係合片13の下端縁よりもやや上方に位置するように共用竪枠2eの正面側壁S2に形成されている、のが好ましい。この場合、係合片13をスリット孔10hに挿通した状態とすれば、スリット孔10hの下端部に係合片13の下端がのった状態になる。つまり、図2または図6に示すように、スリット孔10hの下端内面と係合片13の下端面が接する状態となる。すると、図6に示すように、袖パネル4を開けようとすれば、係合片13の係合突起13fがスリット孔10hの下端部に引っ掛かるので、袖パネル4が開くのを防止できる。つまり、確実に袖パネル4を共用竪枠2eに連結した状態(袖パネルの連結状態)を維持することができるのである。
なお、上記のごとき構造を採用する場合には、上述したように、袖パネル4は上下に移動可能に戸枠2の竪枠2bに取り付けられた構成を採用する、のが好ましい。
上記のごとき構造を有する係合機構10の作動方法を図7に基いて説明する。
まず、図7(A)は、袖パネル4を開いた状態における、係合片13とスリット孔10hの関係を示している(実線)。かかる状態において、スリット孔10hの下端縁は、係合片13の下端に設けられた係合突起13fの下端よりも上方に位置するように形成されている。
かかる状態から、係合突起13fの下端がスリット孔10hの下端縁よりも上方に位置するまで袖パネル4を上方に持ち上げる(図7(A)の矢印方向、破線)。この状態から袖パネル4を共用竪枠2eに対して略水平方向に移動させる(図7(B)の矢印方向)。そして、図7(C)に示すように、係合片13の係合突起13fが完全にスリット孔10hの内方に位置するまで袖パネル4を略水平方向に移動させたのち、袖パネル4を下方に移動させる(つまり袖パネル4を下ろす)(図7(C)の矢印方向、破線)。
スリット孔10hは、その軸方向の長さが、係合片13の上端と下端または係合片13の上端と係合突起13fの下端の距離よりも長くなるように形成されている。このため、袖パネル4を持ち上げれば、係合片13の係合突起13fの下端をスリット孔10hの下端部よりも上方に位置するようにできる。すると、係合片13をスリット孔10hから離脱、つまり袖パネル4を開くことができる。つまり、袖パネル4を持ち上げるだけで、袖パネル4を開いたり、連結状態に維持したりることができるのである。言い換えれば、袖パネル4を持ち上げるだけで、袖パネル4の開閉を行うことができるのである。
また、図2に示すように、袖パネル4の連結状態において、袖パネル4は、複数箇所で係合片13の下端をスリット孔10hの下端部にのせた状態に維持することができる。つまり、かかる状態において、袖パネル4の荷重を確実に分散して支持することができるので、袖パネル4の自重による変形を防止することができるのである。
さらに、係合片13に係合突起13fが設けられていれば、袖パネル4が熱反り等によって面外方向に反ろうとしても(図7では左側に反ろうとしても)、係合片13の係合突起13fが正面側壁S2に引っ掛かって、袖パネル4は反ることができない。つまり、袖パネル4が熱反りしようとする力を、係合片13を介して正面側壁S2、つまり、共用竪枠2eに負担させることができるので、確実に袖パネル4の熱反りによる変形を防止することができる。
とくに、係合部11の係合片13は、その先端部に基端から先端に向かって上傾する上傾面を有するように形成されている、のが好ましい。例えば、図3または図6に示すように、係合片13の下端に先端部の先端面から連続するように側面視略三角形の係合突起13fを設ける。すると、係合片13の先端部をスリット孔10hに挿入するときに、係合片13の先端部の上傾面をスリット孔10hの下端部に沿ってスライドするように挿入できる。つまり、係合片13をスリット孔10hに挿通する動作をスムースに行うことができる。言い換えれば、袖パネル4を閉じるときに、袖パネル4の正面壁等を水平方向に押圧するだけで、係合部11の係合片13をスリット孔10hに挿通することができる。
しかも、袖パネル4を開いた状態において、係合片13の先端部の上傾面の上端縁(図6では、係合突起13fと係合片13の先端部が連結した連結部)が、スリット孔10hの下端縁よりも上方に位置するように上傾面を形成する、のが好ましい。
この場合、袖パネル4を共用竪枠2eに向かって押圧するだけで、係合片13をスリット孔10hに挿通することができる。つまり、袖パネル4を共用竪枠2eに向かって押圧するだけで、係合片13をスリット孔10hに挿入きるのである。しかも、かかる挿入操作では、袖パネル4を上方に持ち上げる必要がないので、よりスムースに係合片13をスリット孔10hに挿通する動作を行うことができる。
(固定機構の詳細な説明)
以下では、係合機構10を構成する係合部11とスリット孔10hを固定するための固定機構について詳細に説明する。
固定機構は、上述したように、係合部11の係合片13をスリット孔10hに挿通した状態において、係合片13がスリット孔10hから外れないように係合片13を固定する機能を有するものである。この固定機構は、共用竪枠2eに形成された錠受金具取付開口部を有する錠受金具SKを収容する収容空間2eh内に設けられている、のが好ましい。
(固定機構の他の実施形態)
固定機構の固定部材15は、上述した棒状のビス部材の他に、例えば、固定部材15は、一対の側壁を有し、かつ基端が連結した箸状の部材であって、その長さがスリット孔10hの幅(スリット孔10hの長手方向に対して略直交する方向の幅)よりも長くなるように形成されたものを使用してもよい。この固定部材15は、鉄製の棒状の部材をその略中間部で両先端が接近するように曲げて形成することができる。この場合、共用竪枠2eの収容空間2ehを構成する正面側壁S2に形成されたスリット孔10hに挿通する係合部11の係合片13には、その先端部に固定機構の固定部材15を挿通するための貫通孔13hを形成する。そして、かかる固定部材15を構成する一対の側壁が接近するように(言い換えれば一対の側壁の先端同士が接近するように)ペンチや手でつかみ、係合片13の先端部に形成された貫通孔13hに挿通する。固定部材15を貫通孔13hに挿通した状態において、固定部材15の一対の側壁に加えていた力を緩めれば、一対の側壁は反力によって貫通孔13h内面に押圧される。すると、固定部材15は、一対の側壁による反力によって貫通孔13h内面に付勢されるようにして取り付けられる。しかも、この固定部材15は、その長さが、スリット孔10hの幅よりも長くなるように形成されているので、かかる固定部材15を片13の先端部に形成された貫通孔13hに挿通するだけで、確実に係合片13を共用竪枠2eに固定することができる。つまり、袖パネル4は、固定機構によって確実に共用竪枠2eに対して固定することができるのである。
しかも、かかる固定機構は、上記のごとく共用竪枠2eに形成された錠受金具取付開口部を有する錠受金具SKを収容する収容空間2eh内に設けられているので、固定機構の固定部材15を取り付けたのち、錠受金具SKを取り付ければ、外部から固定機構を隔離できる。つまり、固定機構は、外部から視認することができない状態となるので、防犯上も好ましい。
(連結機構20の詳細な説明)
以下では、本実施形態の回動式袖パネル付ドアセット1の連結機構20について、詳細に説明する。
上述したように、本実施形態の回動式袖パネル付ドアセット1の連結機構として、袖パネル4は、戸尻側基端部4bと戸枠2の竪枠2bとの間に設けられたヒンジや丁番等の連結機構2hgを使用することもできるが、本実施形態の回動式袖パネル付ドアセット1の連結機構20は、袖パネル4の戸尻側基端部4bを支点として、袖パネル4の戸尻側に位置する戸枠2の竪枠2b(以下、戸尻側竪枠2bという)に対して水平方向に揺動可能に連結することができるものであれば、とくに限定されない。
例えば、図9または図10に示すように、連結機構20として、先端部を戸尻側竪枠2bに形成された連結孔2bhに挿通し、基端部が袖パネル4の戸尻側基端部4bに連結した板状の揺動部21を備えた構成を採用してもよい。
図9または図10に示すように、板状の揺動部21は、袖パネル4の戸尻側基端部4bに取付けるための固定部22と、この固定部22に基端が連結された板状の揺動本体部23と、を備えている。この揺動本体部23は、固定部22を袖パネル4の戸尻側基端部4bに取り付けた状態において、袖パネル4の戸尻から突出するように設けられている。
図10に示すように、揺動本体部23は、略長方形の板状のプレートであって、基端が固定部22に連結した部材である。この揺動本体部23は、袖パネル4を戸尻側竪枠2bに取り付けた状態において、袖パネル4を戸枠2に取り付けたときに、その表面が鉛直方向を向くように、固定部22に立設されている。つまり、揺動本体部23を袖パネル4の戸尻側基端部4bに取り付けた状態において、揺動本体部23は、その表面が袖パネル4の表面と非平行となるように取り付けられているのである。
また、図9または図10に示すように、戸枠2の竪枠のうち、袖パネル4の戸尻側に位置する戸尻側竪枠2bにおいて、袖パネル4を閉じたときに、袖パネル4の戸尻と対向する側壁には、戸尻側竪枠2bの軸方向に沿って延びた長穴である連結孔2bhが形成されている。例えば、連結孔2bhは、その形状が揺動本体部23の先端部の断面形状と略相似形になるように形成されており、その大きさが、揺動本体部23の先端部の断面形状よりもやや大きくなるように形成されている。具体的には、連結孔2bhは、その幅方向に沿って揺動本体部23の先端部が移動可能であり、かつ、揺動本体部23の先端部が連結孔への挿入方向に沿って移動可能となるように設けられている。
以上のごとき構成とすれば、袖パネル4の戸尻側基端部に揺動部21の固定部22を連結すれば、袖パネル4の戸尻から外方に向かって揺動部21の揺動本体部23を突出するように取付けることができる。そして、かかる状態の揺動本体部23の先端部を戸尻側竪枠2bに形成された連結孔2bhに挿通すれば、袖パネル4を戸尻側竪枠2bに対して揺動可能となるように取り付けることができる。つまり、袖パネル4の戸尻側に基端部が連結した板状の揺動部21の揺動本体部23の先端部を戸尻側竪枠2bの連結孔2bhに挿通するだけで、袖パネル4を戸尻側竪枠2bhに対して揺動可能に連結することができる。
具体的には、袖パネル4の戸尻と戸尻側竪枠2bの連結孔2bhが形成された側壁を略接するように袖パネル4を配置すれば、袖パネル4を閉じることができる(図11(B)参照)。逆に、袖パネル4の戸尻と戸尻側竪枠2bの連結孔2bhが形成された側壁とが離間し、両者が互いに傾斜した状態となるようにすれば、袖パネル4を開くことができるのである(図11(A)参照)。
しかも、揺動本体部23の先端部を戸尻側竪枠2bの連結孔2bhに挿通すれば、揺動本体部23の先端部を連結孔2bhの下端部にのせるようにして挿通することができる。つまり、揺動本体部23の先端部を連結孔2bhの下端部にのせた状態を維持しながら、袖パネル4を戸尻側竪枠2bhに対して揺動可能に連結することができるのである。つまり、揺動本体部23の先端部を連結孔2bhに挿通するだけで、連結機構20によって袖パネル4の荷重を戸尻側竪枠2bに支持させることができるのである。
しかも、連結機構20を戸尻側竪枠2bの軸方向に沿って複数箇所設ければ、複数ヶ所で袖パネル4の荷重を支持することがでる。しかも、連結機構が、所定の間隔を空けて設ければ、袖パネル4の荷重をほぼ均一に分散させて支持することができる。また、揺動部23を連結孔2bhに挿通して袖パネル4を戸尻側竪枠2bに対して連結しており、しかも、揺動部23は、連結孔2bhに挿通される方向に沿って移動できる。すると、袖パネル4を閉じた状態において、袖パネル4の戸尻と戸尻側竪枠2bをほぼ接触させることができる。つまり、袖パネル4を閉じた状態において、袖パネル4の戸尻と戸尻側竪枠2bの間にほぼ隙間ができない構造とすることができるのである。
また、図10に示すように、揺動本体部23には、その先端部の下端に係合部23aが設けられているのが、好ましい。つまり、係合部23aが、揺動本体部23の先端部の下端から下方に向かって突出するように設けられているのが、好ましい。この場合、揺動本体部23の先端部を連結孔2bhに挿通した状態において、係合部23aが連結孔2bhの下端にひっかかるので、袖パネル4を開けたときに、揺動本体部23が連結孔2bhから外れにくくできる。
例えば、揺動本体部23は、その先端に、下方向に突出するように係合部23aが設けられた形状、つまり、略L字状に形成した係合部23aを設ける。このL字状の先端部の上下端間の距離が、連結孔2bhの長穴の軸方向の長さよりもやや短くなるように形成されていれば、揺動本体部23が連結孔2bhからより外れにくい状態とすることができる。
なお、揺動本体部23は、その先端の形状が、先端部を連結孔2bhに挿通した状態において、係合部23aが連結孔2bhの下端にひっかかることができる形状であれば、とくに限定されない。例えば、図10に示すように、揺動本体部23は、その先端の上端から上方に突出した上部突起と先端の下端から下方に突出した下部突起を有する係合部23aが設けられた形状、つまり、揺動本体部23と係合部23aによって揺動部21が略T字状に形成された構造を採用することもできる。このように係合部23aを揺動本体部23の先端部に設けた場合、戸尻側竪枠2bの軸方向に沿って延びた長穴の上端部の一部が近傍の上端部に比べて上下方向に長くなるように連結孔2bhを形成するのが好ましい。例えば、連結孔2bhが形成されている戸尻側竪枠2bの側壁を正面から見たときに正面視略逆L字状に連結孔2bhを形成する。言い換えれば、上下方向に長い部分(以下、係合挿入部という)と、この係合挿入部よりも上下方向の長さが短い部分(以下、係合保持部という)とによって、かかる連結孔2bhは形成する。この場合、係合挿入部は、その上下方向の長さが係合部23aの略T字状の上下端距離(上部突起と下部突起の上下端距離)と同等またはやや大きくなるように形成し、幅方向の長さが係合部23aの厚さと同等またはやや大きくなるように形成する。一方、係合保持部は、揺動本体部23の上下端距離と同等またはやや大きくなるように形成する。
すると、揺動本体部23の係合部23aに上部突起が設けられていても、揺動本体部23の先端部を係合挿入部から挿入することができる。そして、その状態から、揺動本体部23が係合保持部に位置するように配置すれば、揺動本体部23を、係合部23aが設けられた先端部が戸尻側竪枠2b内に配置され、かつ、この先端部よりも基端側の部分が係合保持部に配置された状態とすることができる。つまり、揺動本体部23を連結孔2bhに挿通した状態において、揺動本体部23の先端部に設けた係合部23aの上部突起が係合保持部の上端部に、一方、係合部23aの下部突起が係合保持部の下端部に、それぞれ干渉するように袖パネル4を戸尻側竪枠2bに連結するように取付けることができる。すると、袖パネル4を戸尻側竪枠2bに対して水平方向に揺動させても、揺動本体部23の先端部の係合部23aの上下突起が連結孔2bhの係合保持部の上下端部によって干渉される。したがって、揺動本体部23が連結孔2bhからより外れにくい状態とすることができるから、インターホン等の点検作業などの短時間であれば、袖パネル4を水平に搖動させたまま作業を行うことができるし、インターホン等の点検作業が終了したらすぐに袖パネル4を閉じた状態にすることができる。つまり、簡易な点検作業を行う場合に、その作業性を向上させることができる。
また、袖パネル4を戸尻側竪枠2bに対して揺動した状態において、揺動本体部23の先端部に設けられた係合部23aが連結孔2bhの係合挿入部に位置するように配置すれば、容易に揺動本体部23を連結孔2bhから外すことができる。つまり、袖パネル4を戸尻側竪枠2bに対して揺動し、揺動本体部23を所定の位置に配置するだけで、容易に袖パネル4を戸尻側竪枠2bから外すことができる。したがって、インターホン等の修理作業などのように長時間を要する作業を行う場合には、袖パネル4を戸尻側竪枠2bから外して、より安定した場所(例えば、水平な地面等)に袖パネル4を配置することができる。すると、インターホン等の修理作業等において、袖パネル4が邪魔にならないから、修理作業等をより効率よく行うことができる。
まとめると、連結機構20を上記のごとき構成とすれば、袖パネル4に設けたインターホン等の付属物を点検や検査等する際の短時間であれば、袖パネル4を戸尻側竪枠2bに対して確実に連結した状態を維持することができる。一方、袖パネル4に設けたインターホン等の付属物を修理等する際の長時間であれば、簡単に袖パネル4を戸尻側竪枠2bから外すことができるのである。したがって、連結機構20を上記のごとき構成とすれば、インターホン等の付属物等の点検や修理など作業内容に係わらず、その作業性を向上することができるのである。
とくに、図11(B)に示すように、揺動部21の揺動本体部23は、その軸CL2が揺動部21を袖パネル4の戸尻側基端部4bに取り付けた状態で袖パネル4を閉じたときに、袖パネル4の幅方向(図11(B)では左右方向)の軸CL1と交差するように形成されていることが好ましい。言い換えれば、揺動部21の揺動本体部23は、その表面が袖パネル4の表面と非平行となるように形成されていることが好ましい。この場合、揺動本体部23表面が袖パネル4の表面に対して屈曲している分、袖パネル4を開いたときに、揺動本体部23の表面が袖パネル4の表面と平行となっている場合に比べてより広い開口を形成することができる。具体的には、図11(A)に示すように、揺動本体部23の軸CL2と袖パネル4の幅方向の軸CL1が形成する角θ分だけ、袖パネル4を開いたときに、より広い開口を形成することができる。
しかも、揺動本体部23表面が袖パネル4の表面に対して屈曲している分、揺動本体部23の先端部を戸尻側竪枠2bの連結孔2bhに挿通しやすくなる。つまり、袖パネル4の戸尻を戸尻側竪枠2bの連結孔2bhが形成された側壁に対して傾けた状態で揺動本体部23の先端部を連結孔2bhに挿通することができる(図11(A)参照)ので、揺動本体部23の先端部を連結孔2bhに挿通し易くできるのである。
また、図10、図11または図12に示すように、揺動部21の固定部22の他端に、板状の舌状部22aが設けられているのが、好ましい。
具体的には、図11に示すように、舌状部22aは、その表面が固定部22の表面と非平行となるように固定部22の先端に連結するように形成されているのが、好ましい。この舌状部22aは、その基端部を固定部22の先端部に連結した状態において、その先端部が袖パネル4の背面から若干突出するように形成されている。この舌状部22aを固定部22に設けた場合、連結機構20として、戸尻側竪枠2bの軸方向に沿って連結孔2bhが形成された側壁の端縁から外方に向かって突出した板状の押部2bfを備えた構成を採用するのが、好ましい。この場合、袖パネル4を閉じた状態において、舌状部22aは、その先端部が押部2bfによって袖パネル4側に押さえこまれた状態となる。一方、揺動本体部23は、その基端部(固定部22に連結した部分)が押部2bfによって舌状部22aが押されるので、その反力によって連結孔2bhの正面側の端縁に押し付けられた状態となる。このため、袖パネル4を閉じた状態において、袖パネル4の戸尻と戸尻側竪枠2bとを接触させた状態とすれば、袖パネル4を戸尻側竪枠2bにガタツキがないようにしっかりと閉じた状態を維持することができる。以下、より具体的に説明する。
図12に示すように、舌状部22aの先端部から揺動本体部23が袖パネル4の戸尻面から突出する部分までの距離L2が、連結孔2bhの正面側の長手方向の端縁(以下、正面側端縁という)から戸尻側竪枠2bの押部2bfの内表面までの距離L1と同等または若干長くなるように形成する。つまり、図12に示すように、舌状部22aは、その距離L2が、上記距離L1からDtanθ分引いた長さと同等または若干長くなるように形成する。すると、図12に示すように、袖パネル4を閉じた状態において、揺動部21の固定部22に設けられた舌状部22aの先端部が押部2bfによって袖パネル4側(つまり面外方向)に押されるので、その反力によって揺動部21の揺動本体部23を連結孔2bhの正面側端縁に押さえつける力が発生させることができる。
なお、図12において、符号Dは、揺動本体部23と戸尻の端縁が当接する部分から揺動本体部23と連結孔2bhの端縁が当接する部分までの水平方向(図12では左右方向)の距離を示す。
本発明の回動式パネルセットは、戸建やマンション等の集合住宅などの住戸の玄関に設けられる玄関ドアのドアセットに適している。
1 回動式袖パネル付ドアセット
2 戸枠
2b 戸尻側竪枠
2bh 連結孔
2e 共用竪枠
3 ドア
4 袖パネル
4a 袖パネルの戸先
4b 袖パネルの戸尻
10 係合機構
10h スリット孔
11 係合部
13 係合片
20 連結機構
21 揺動部
22 固定部
23 揺動本体部
23a 係合部

Claims (8)

  1. 戸尻を基端として回動可能なパネルと、
    該パネルの戸先が連結される戸先側竪枠と、
    前記パネルの戸先と、前記戸先側竪枠と、を係合離脱可能に係合する係合機構を備えており、
    該係合機構は、
    前記戸先側竪枠の軸方向に沿って複数の係合部を有している
    ことを特徴とする回動式パネルセット。
  2. 戸尻を基端として回動可能であって、その戸先が前記戸先側竪枠に連結可能に設けられたドアを備えた回動式パネル付ドアセットであり、
    前記戸先側竪枠が、
    前記パネルの戸先と、前記ドアの戸先の間に配置される共用竪枠である
    ことを特徴とする請求項1記載の回動式パネルセット。
  3. 前記パネルが、
    上下方向に移動可能に設けられており、
    前記係合機構の係合部は、
    前記パネルの戸先側の端部に設けられた係合片を備えており、
    前記共用竪枠には、
    前記パネルが閉じた状態において、前記係合片が挿通されるスリット孔が形成されており、
    該スリット孔は、
    前記共用竪枠の軸方向に沿って延びた長孔であり、その軸方向の長さが、前記係合片の上端と下端の距離よりも長くなるように形成されており、
    前記係合片は、
    その下端部に係合突起を備えている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の回動式パネルセット。
  4. 前記係合片は、
    その先端部に基端から先端に向かって上傾した上傾面を有している
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の回動式パネルセット。
  5. 前記係合片は、
    前記パネルを前記共用竪枠から離間するように開いた状態において、前記係合片の上傾面の上端縁が、前記スリット孔の下端縁よりも上方に位置するように形成されている
    ことを特徴とする請求項4記載の回動式パネルセット。
  6. 前記パネルの戸尻と、前記パネルの戸尻側に位置する戸尻側枠と、を連結する連結機構を備えており、
    該連結機構は、
    先端部が前記パネルの戸尻側に位置する戸尻側枠の軸方向に沿って延びた長穴である連結孔に挿通され、基端部が前記パネルの戸尻部に連結された板状の揺動部を備えており、
    該揺動部は、
    該揺動部を前記連結孔に挿入する方向に沿って移動可能である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の回動式パネルセット。
  7. 前記揺動部は、
    前記連結孔の幅方向に沿って移動可能である
    ことを特徴とする請求項6記載の回動式パネルセット。
  8. 前記揺動部は、
    該揺動部の表面が前記パネルの表面と非平行となるように形成されている
    ことを特徴とする請求項6または7記載の回動式パネルセット。
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