JP2014054680A - 段付きドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】 繊維強化プラスチックと金属材料からなる接合材料に穴加工を施す場合に、加工穴出口におけるバリ高さを軽減し、高品位な加工穴を高精度に形成することができる段付きドリルを提供することを課題とする。
【解決手段】被削材に最初に穴加工を施す小径部20と、小径部20よりも大径である大径部21と、を有する段付きドリル1であって、小径部20の切れ刃5のすくい面32にチャンファ31が設けられており、大径部21のステップ角βが180°となるように形成し、小径部20のねじれ角α1は大径部21のねじれ角α2よりも小さくなるように形成する段付きドリル1とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化プラスチックと金属材料からなる接合材料を穴加工する際に用いられる段付きドリルに関する。
一般的に、ドリルを用いて穴加工する時、被削材が繊維強化プラスチックの場合には、被削材が切れ刃などに引っ張られた状態になると、切削抵抗が大きくなり、加工穴の出口コーナや穴面に、繊維方向のバリや層間剥離(デラミネーション)が発生する。そのため、被削材が自動車分野や航空機分野などで部品用の素材として使用される繊維強化プラスチックの場合には、穴加工を施す際に高品位な加工穴が高精度に要求されることから、被削材にバリや層間剥離が発生するという問題がある場合においては、一つの目安として、穴加工時の切削抵抗を軽減する必要がある。また、被削材が繊維強化プラスチックと金属材料からなる接合材料の場合には、繊維強化プラスチックを加工する場合の切削抵抗を軽減させる必要があると同時に、金属材料を加工する場合に発生しやすい、ドリル刃先の摩耗や欠けを軽減させることも求められる。
例えば、プラスチック系の複合材からなる被削材を穴加工する場合、通常の金属加工用ドリルを用いると被削材の加工穴の出口コーナや穴面にバリやケバが発生する。そこで、特許文献1では、プラスチック系の内装壁面建材や天井建材などの複合材からなる被削材を穴加工する場合に用いるドリルが開示されている。このドリルは、先端の外周側に数ミリメートルほど突起している切れ刃(以下、突起刃という)を有し、外周コーナから軸心に至るまで平刃を有し、突起刃と平刃の間に逃げ部を形成している。このドリルを用いることで、円形状の輪郭を描くように被削材を切る穴加工を施すことでき、被削材に発生する負荷が抑えられ、バリやケバの発生が少ない穴加工をすることができる。さらに、突起刃のすくい面にチャンファを設けることで、突起刃に発生する切削抵抗が抑えられ、欠けの発生を防止することができる。
また、被削材がCFRP(炭素繊維強化プラスチック)に代表される繊維強化プラスチックの場合には、例えば、特許文献2では、小径部と大径部を有する段付きドリルが開示されている。この段付きドリルは、大径部の仕上げ刃がなす角度(以下、ステップ角と
いう)を90°〜160°の範囲に設定し、ねじれ角を40°以上に設定し、ドリル本体の表面にダイヤモンド被覆を施している。この段付きドリルを用いることで、バリが発生しない高品位な加工穴が高精度に形成され、さらに、ドリルの寿命も飛躍的に向上させることができる。
さらに、被削材が繊維強化プラスチックと金属材料からなる接合材料の場合には、例えば、特許文献3では、金属加工用ドリルと同様な先端形状の小径部に切れ刃を有し、連続してステップ角を20°〜30°の範囲に設定している。さらにステップ角に連続して、フラット状の大径部に仕上げ刃を有し、小径部の切れ刃と大径部の仕上げ刃の最大径に径差を設け、ねじれ角を20°〜30°に設定しているドリルが開示されている。このドリルを用いることで、繊維強化プラスチックに施される加工穴の出口コーナや穴面に与えるダメージを実質的に問題がない程度に十分小さくし、層間剥離の発生確率を下げることができる。そのため、繊維強化プラスチックに対しては、高品位な加工穴が高精度に形成される。
特許第3098465号公報 特開2008−836号公報 特公平7−47243号公報
しかし、特許文献1に開示されているドリルは、被削材が繊維強化プラスチックと金属材料からなる場合には、金属材料を加工する際に、ドリル先端の突起刃に応力が集中し、摩耗や欠けが発生し、穴加工が困難であるという問題があった。
また、特許文献2に開示されているドリルは、被削材が繊維強化プラスチックと金属材料からなる接合材料である場合において、繊維強化プラスチック側から穴加工を施すと、繊維強化プラスチックに対しては高品位な加工穴が高精度に形成されるが、金属材料に対しては穴加工時に、小径部の切れ刃や大径部の仕上げ刃に大きな切削抵抗がかかり、早期に刃先に欠けが発生する。刃先に欠けがあるドリルで、継続して金属材料へ穴加工を施すと、加工穴の出口コーナや穴面にバリが発生して、金属材料の加工穴出口の品質や精度を確保することが困難になるという問題があった。
さらに、特許文献3に開示されているドリルは、小径部先端の刃先形状は金属加工用に特化しているが、ステップ角から大径部に至る仕上げ刃の刃先形状は金属加工用に適したものになっていない。そのため、特許文献2に開示されている段付きドリルと同様に、繊維強化プラスチックに対しては高品位な加工穴が高精度に形成されるが、金属材料の加工穴出口の品質や精度を確保することが困難になるという問題があった。
そこで、本発明においては前述した問題点に鑑みて、被削材が繊維強化プラスチックと金属材料からなる接合材料であり、繊維強化プラスチック側から穴加工を施す際に、金属材料の加工穴出口におけるバリ高さを軽減することができ、かつ、高品位な加工穴を高精度に施すことができる段付きドリルを提供することを課題とする。
前述した課題を解決するために、本発明においては、被削材に最初に穴加工を施す小径部と、小径部よりも大径である大径部と、を有する段付きドリルであって、小径部の切れ刃のすくい面にチャンファを設けて、大径部のステップ角を180°に形成して、小径部のねじれ角を大径部のねじれ角よりも小さく形成している段付きドリルとした。本発明に係る段付きドリルを用いることで、被削材に穴加工を施す場合に、大径部の仕上げ刃による取り代が減少するため、過剰な切削抵抗が発生せず、刃先への負荷が軽減される。
本発明に係る段付きドリルは、被削材に最初に穴加工を施す小径部と、小径部よりも大径である大径部と、を有する段付きドリルであって、小径部の切れ刃のすくい面にチャンファを設けて、大径部のステップ角を180°に形成して、小径部のねじれ角を大径部のねじれ角よりも小さく形成している段付きドリルとしている。そうすることで、大径部の仕上げ刃による取り代が減少するため、過剰な切削抵抗が発生せず、刃先への負荷が軽減されることにより、被削材が繊維強化プラスチックと金属材料からなる接合材料である場合において、繊維強化プラスチック側から穴加工を施す場合に、金属材料の加工穴出口におけるバリ高さを軽減し、高品位な加工穴が高精度に形成されるという効果を奏する。
本発明の実施の形態の一例である段付きドリル1の正面図である。 図1の段付きドリル1の左側面図である。 図2のA方向から見た段付きドリル1先端の斜視図である。 図2の段付きドリル1先端の底面図である。 切削試験を行った段付きドリルに発生した切削抵抗(スラスト)の測定結果である。 切削試験を行った段付きドリルに発生した切削抵抗(トルク)の測定結果である。
本発明の実施の形態について、本発明に係る段付きドリル1を二つのねじれ溝8、8を有するツイストドリルに適用した場合について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例である段付きドリル1の正面図、図2は図1の段付きドリル1の左側面図、図3は図2のA方向から見た段付きドリル1先端の斜視図、図4は図2の段付きドリル1先端の底面図である。
段付きドリル1は、図1に示すように、小径部20と大径部21から構成され、小径部20の直径D1は大径部21の直径D2よりも小さくなるように設定されている。まず、小径部20が最初に被削材に下穴をあけることで、大径部21の仕上げ刃22による取り代が減少し、大径部21の仕上げ刃22の切削抵抗が軽減され、穴加工時に発生しやすいチッピングや摩耗を防ぐ効果によりバリ高さが抑制される。
大径部21と小径部20の直径差(D2−D1)については、0.2mm以上1.0mm以下の範囲とすることが好ましい。大径部21と小径部20の直径差(D2−D1)の範囲を限定する理由は、0.2mm未満では大径部21と小径部20の直径差(D2−D1)が小さいため、大径部21の仕上げ刃22による取り代が少なくなり、先に小径部20があけた下穴に発生したバリを、大径部21の仕上げ刃22で十分に除去することができないからである。また、1.0mmを超えると、大径部21の仕上げ刃22による取り代が大きくなるため、大径部21の仕上げ刃22に過剰な切削抵抗がかかり、大径部21の仕上げ刃22の刃先にチッピング(小さな欠け)が発生するからである。そして、大径部21の仕上げ刃22の刃先にチッピングが発生した状態で、そのまま穴加工を継続すると、さらに切削抵抗が大きくなり、小径部20の切れ刃5および大径部21の仕上げ刃22の刃先のチッピングの発生を助長して、チッピングが多数発生するため、大径部21の仕上げ刃22で加工された加工穴出口のバリ高さが大きくなるだけでなく、段付きドリルが折損することもありうる。
小径部20のねじれ角α1ならびに大径部21のねじれ角α2については、図1に示すように、ねじれ溝8の延長線Hと軸心Oがなす角度であり、切り屑の排出特性の点から、それぞれ15°以上30°以下、かつα1<α2の範囲とすることが好ましい。小径部20のねじれ角α1と大径部21のねじれ角α2、それぞれの範囲が限定される理由は、ねじれ角が15°未満では、切削加工時に発生する切り屑の排出特性が足りないことから、加工穴に切り屑が詰まると、段付きドリル1に大きな負荷が発生することで、摩耗が進行したり、折損したりするためである。また、30°を超えると、大径部21の仕上げ刃22の刃先の厚みが小さくなり、大径部21の仕上げ刃22の刃先の耐久性が低下し、金属材料に切り込む場合に、大径部21の仕上げ刃22の刃先に発生する衝撃が大きくなり、大径部21の仕上げ刃22の刃先にチッピングが発生するためである。
小径部20のねじれ角α1が大径部21のねじれ角α2よりも小さく(α1<α2)なるように設定される理由は、小径部20のねじれ溝8よりも大径部21のねじれ溝8の切り屑の排出特性を高くするためである。例えば、ねじれ溝を成形する一般的な製造方法は、ねじれ溝がドリルを一周する長さ(以下、リードという)を設定値とし、ねじれ角をθ、ドリル直径をD、リードをL、円周率をπとすると、「θ=tan−1(πD/L)」なる関係式が成立する。そのため、ドリル直径Dを大きくするとねじれ角θも大きくすることができる。そして、ドリルを製造する際にリードLを一定にすると、小径部20の直径D1よりも大径部21の直径D2が大きい(D1<D2)ため、小径部20のねじれ角α1が大径部21のねじれ角α2よりも小さく(α1<α2)なるように設定することができ、かつ、段付きドリル1の切り屑の排出特性を高くすることもできる。ねじれ溝8を形成する際に小径部20から大径部21まで一工程で加工できる点と、穴加工時の切り屑の排出特性を向上させることができる点を考慮して、小径部20のねじれ角α1が大径部21のねじれ角α2よりも小さく(α1<α2)なるように、ねじれ角を限定することが望ましい。
小径部20については、図2および図3に示すように、先端に位置するチゼルエッジ2を含むチゼルエッジコーナ3から外周コーナ6へ延びる稜線を有し、シンニング面4、4と隣り合うすくい面32と、すくい面32と隣り合う逃げ面30を有し、シンニング面4はチゼルエッジコーナ3とねじれ溝8に面取りを施すように形成されている。また、小径部20の切れ刃5は逃げ面30とすくい面32が隣り合うことで形成された稜線で、小径部20の切れ刃5と、小径部20の切れ刃5に隣接するすくい面32に面取りを施してチャンファ31が形成されている。小径部20の切れ刃5のすくい面32にチャンファ31を設ける理由は、小径部20の切れ刃5が被削材、特に金属材料に切り込む場合に、小径部20の切れ刃5の刃先にかかる切削抵抗を軽減するためである。
また、チャンファ31の角度δについては、図4に示すように、段付きドリル1の外周コーナ6を通り軸心Oと平行な直線Pと、小径部20の切れ刃5のすくい面32に形成されたチャンファ31の延長線Qと、のなす角度であり、5°以上15°以下とすることが望ましい。チャンファ31の角度δの範囲が限定される理由は、5°未満では、小径部20の切れ刃5の刃先が金属材料に切り込む切削力が足りないため穴加工を施すことができず、15°を超えると、小径部20の切れ刃5の刃先の厚みが小さく耐久性が不十分になり、チッピングが発生するためである。
大径部21については、図1に示すように、小径部20との境界(段付き部)に二つの仕上げ刃22、22を有し、大径部21の二つの仕上げ刃22、22は軸心Oを基準にして対称の関係にあり、大径部21の二つの仕上げ刃22、22がなす角度をステップ角βとしている。大径部21の仕上げ刃22のステップ角βについては、小径部20が最初に被削材に下穴をあけることで発生するバリを除去する性能を確保する点から180°に設定する。大径部21の仕上げ刃22のステップ角βが180°に設定される理由は、180°未満では、大径部21の仕上げ刃22が被削材へ切り込む切削力が弱いため、大径部21で加工された加工穴の出口に新たなバリが発生するためである。また、180°を超えると、大径部21の仕上げ刃22の刃先の厚みが小さくなり、耐久性が不十分になる。さらに、被削材に極度に強く切り込むため仕上げ刃22に大きな衝撃が発生し、大径部21の仕上げ刃22の刃先にチッピングが発生するためである。
また、同様に図1に示すように、大径部21の仕上げ刃22の延長線Iと、大径部21の外周コーナ7を通り軸心Oと垂直な直線Jとがなす角度をγ(大径部21の仕上げ刃22の逃げ角)としている。大径部21の仕上げ刃22の逃げ角γについては、大径部21の仕上げ刃22の刃先の耐久性を確保する点から5°以上15°以下の範囲に限定することができる。大径部21の仕上げ刃22の逃げ角γの範囲が限定される理由は、5°未満では、大径部21の仕上げ刃22が被削材へ切り込む場合に、大径部21の仕上げ刃22の刃先への負荷が大きくなり、また、15°を超えると、大径部21の仕上げ刃22の刃先の耐久性が不十分であるために、チッピングが発生するためである。
なお、本発明に係る段付きドリルは、材質は超硬合金または高速度工具鋼である。また、必要に応じて、先端部に油穴を設けることやTiAlN系やDLC系のコーティング膜を工具表面に施すこともできる。
本発明に係る段付きドリル(以下、本発明品という)および従来の段付きドリル(以下、従来品という)を用いて以下の加工条件で切削試験を行った。切削試験に用いた本発明品および従来品は、材質は超硬合金、小径部の直径4.4mm、大径部の直径4.8mm、ドリル全長80mm、シャンク径6mm、チャンファの角度10°、先端角120°とすることを共通仕様とした。また、本発明品は、小径部のねじれ角17°、大径部のねじれ角19°、ステップ角180°とする段付きドリルとした。従来品は、小径部のねじれ角45°、大径部のねじれ角47°、ステップ角160°とする段付きドリルとした。
・被削材:CFRP(炭素繊維強化プラスチック)とTi(チタン)合金の接合材料
・被削材の肉厚:15mm(CFRP;10mm、Ti;5mm)
・被削材の接合方法:ボルトによる対角2点締めつけ固定
・切削油:水溶性油剤
・加工態様:CFRP側からTi合金側への貫通穴加工
・切削速度:17.8mm/min
・送り量:0.05mm/rev
・送り速度:59.0mm/min
・回転数:1180min―1
切削試験後の被削材へ与えた影響、段付きドリルの各部位への影響および切削抵抗を確認した結果について、表1および表2ならびに図5および図6を用いて説明する。切削試験後の被削材の加工穴(接合していた被削材を分離して、CFRPとTi合金の入口側及び出口側の加工穴)については目視よる外観観察とバリ高さの測定を、段付きドリルの各部位については拡大鏡による外観観察を行った。また、切削抵抗の測定は切削試験と同時に行った。
表1は切削試験後の被削材の加工穴の入口側と出口側のバリ高さを測定した結果である。表2は切削試験後の段付きドリルの小径部および大径部の各部位におけるチッピング及び摩耗の発生状況を観察した結果をまとめた表である。
Figure 2014054680
Figure 2014054680
切削試験後の被削材へ与えた影響に関しては、表1に示すように、本発明品を用いて穴加工を施した被削材では、CFRPとTi合金の入口側および出口側のバリ高さは0.02〜0.07mmであり、0.1mm未満と良好であった。しかし、従来品を用いて穴加工を施した被削材では、Ti合金出口側のバリ高さが0.1mmを超え、高いところでは約1.5mmもあったため、穴加工後に新たにバリを除去する工程が必要になった。
また、段付きドリルの各部位への影響に関しては、表2に示すように、本発明品では小径部のチゼルエッジ、切れ刃、外周コーナ、マージン、および大径部の仕上げ刃、外周コーナ、マージンにおいて、チッピング及び大きな摩耗は認められなかった。しかし、従来品ではチゼルエッジ以外の各部位でチッピング及び摩耗が観察された。例えば、小径部の切れ刃と外周コーナ、および大径部の仕上げ刃と外周コーナにおいてはチッピングが観察され、さらに、小径部と大径部のマージンにおいては大きな摩耗が観察された。以上より、本発明品は各部位でのチッピング及び摩耗を低減することで、金属材料の加工穴出口におけるバリ高さを軽減することができ、かつ、高品位な加工穴を高精度に施すことができた。
次に、図5は切削試験を行った段付きドリルに発生した切削抵抗(スラスト)の測定結果であり、図6は切削抵抗(トルク)の測定結果である。また、両図において縦軸は切削抵抗(図5:スラスト、図6:トルク)、横軸は加工時間を示し、図5および図6ともに本発明品の測定結果を太く濃い曲線で、従来品の測定結果を細く薄い曲線で示している。
切削抵抗(スラスト)に関しては、図5に示すように加工開始から終了まで従来品と本発明品のスラストの最大値は共に約300Nであり、差は認められなかった。しかし、加工時間が25秒以降から30秒までの間においては従来品と本発明品とのスラストに差が認められ、従来品が90N以上であるのに対し、本発明品は20N以下であり、本発明品は従来品と比較すると、切削抵抗(スラスト)が80%以上低減された。
また、切削抵抗(トルク)に関しては、図6に示すように加工開始から加工時間が20秒までは、従来品と本発明品とのトルクに差は認められなかった。しかし、加工時間が20秒以降で約20N・cmの差が認められ、さらに加工が進んで加工時間が25秒においては、従来品、本発明品ともにトルクが最大値に達した。そして、従来品の最大トルクは130N・cm以上であるのに対し、本発明品の最大トルクは約80N・cmであり、本発明品は従来品と比較すると、切削抵抗(最大トルク)が約40%低減された。
このことから、本発明品は小径部の切れ刃や外周コーナ、及び大径部の仕上げ刃や外周コーナに発生した衝撃(スラスト)が小さかったために、チッピングが少なく、段付きドリルと被削材が接する場合に発生したトルクが小さくなり、最大トルクが抑えられた。また、本発明品は最大トルクを従来品よりも低く抑えられたため、段付きドリルの各部位の温度上昇が抑えられ、摩耗による損傷も少なくなり、金属材料の加工穴出口におけるバリ高さを軽減することができ、かつ、高品位な加工穴を高精度に施すことができた。
なお、被削材が繊維強化プラスチックと金属材料からなる接合材料である場合において、繊維強化プラスチック側から穴加工を施す場合だけでなく、金属材料側から穴加工を施す場合にも高品位な加工穴が高精度に形成されること、また、チッピングや摩耗が軽減されたことによって段付きドリルの寿命が向上されることは言うまでもない。
1 段付きドリル
5 切れ刃
20 小径部
21 大径部
31 チャンファ
32 すくい面
α1 小径部20のねじれ角
α2 大径部21のねじれ角
β ステップ角

Claims (1)

  1. 被削材に最初に穴加工を施す小径部と、前記小径部よりも大径である大径部と、を有する段付きドリルであって、前記小径部の切れ刃のすくい面にチャンファが設けられており、前記大径部のステップ角が180°となるように形成され、前記小径部のねじれ角は前記大径部のねじれ角よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする段付きドリル。























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