JP2014054655A - 溶接電源及びタック溶接方法 - Google Patents

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    • B23K9/173Arc welding or cutting making use of shielding gas and of a consumable electrode

Abstract

【課題】タック溶接の仮付け位置での溶接停止時に、溶接トーチ4を母材2から引き上げても溶接ワイヤ1の突き出し長さを適切にすることができる溶接電源及びタック溶接方法を提供する。
【解決手段】溶接電源PSの電源主回路PMが溶接トーチ4と母材2との間に電力を供給し、送給速度制御回路FCが溶接ワイヤ1の送給速度を制御し、電流降下基準値設定回路ITNが仮付け位置で溶接を終了させる際に溶接トーチ4を母材2から引き上げたときの溶接電流の減少値である電流降下基準値Itnを設定する。溶接停止判別回路NDが電流平滑値Iavが電流降下基準値Itnに達したときに溶接トーチ4が母材2から離れて溶接が終了したと判別して、電源主回路PMへ出力停止指令を出力し、送給速度制御回路FCへ送給停止指令を出力する。この結果、溶接欠陥が生じることがない。
【選択図】図1

Description

本発明は、消耗電極ガスシールドアーク溶接の改良された終了制御方法を行うための溶接電源及びタック溶接方法に関するものである。
図3は、従来技術の溶接電源による消耗電極ガスシールドアーク溶接の制御方法を示すタイミングチャートであって、短い間隔で溶接の開始と停止を繰り返すタック溶接の場合を示す。同図(A)は溶接トーチ先端部と母材との距離L1の時間変化を示し、同図(B)は溶接開始信号Stの時間変化を示し、同図(C)はシールドガスの電磁弁EVの開閉状態の時間変化を示し、同図(D)はワイヤ送給モータWMの送給速度を制御する送給速度制御信号Fcの時間変化を示し、同図(E)はワイヤ送給モータWMの回転速度Mvの時間変化を示し、同図(F)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(G)は溶接電流Iwの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
時刻t1において、同図(A)に示すように、溶接作業者は溶接トーチを母材の最初の仮止め位置に近づけると、同図(A)に示すように、溶接トーチ先端部と母材との距離L1が減少する。そして溶接作業者はトーチスイッチを押すと、同図(B)に示すように、溶接開始信号StがHighレベル(溶接開始)になり、同図(C)に示すように、シールドガスの電磁弁EVが開となって溶接トーチの先端部にシールドガスの供給が開始される。
時刻t1から予め定めたプリフロー期間経過後の時刻t2において、同図(D)に示すように、送給速度制御信号Fcは非常に遅い速度のスローダウン速度設定値Fcb1となり、同図(E)に示すように、溶接ワイヤはこのスローダウン速度で母材へ送給が開始される。通常、このスローダウン速度は1m/min程度の非常に遅い速度である。また時刻t2において、同図(E)に示すように、溶接ワイヤの先端部と母材との間に無負荷電圧が供給される。
時刻t3において、溶接ワイヤが母材に接触するとアークが発生し、同図(G)に示すように、溶接電流Iwが通電する。同時に、同図(D)に示すように、送給速度設定信号Frは定常送給速度設定値Fcrに変化し、同図(E)に示すように、溶接ワイヤはこの定常送給速度で送給される。
時刻t4において、同図(B)に示すように、溶接作業者がトーチスイッチをOFFにして溶接開始信号StがLowレベル(溶接停止)になると、同図(D)に示すように、送給速度設定信号Frは零に変化する。しかし、同図(E)に示すように、溶接ワイヤは送給モータの慣性によって、時刻t4以後も50〜200ms程度送給が継続されて、送給された溶接ワイヤを溶融するために、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwの出力が維持されて、同図(G)の実線に示すように、この慣性期間中に溶接電流Iwの通電が継続する。
時刻t5において、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwを下げて、溶接停止時に溶接ワイヤの先端が母材に溶着しないようにするために、ワイヤ先端と母材との距離(ワイヤ燃上り高さ)が3〜5mm程度になるように、上記慣性期間中にワイヤ先端部をアークによって燃え上らせるいわゆるアンチスティック制御が行われ、溶接ワイヤの先端形状が整えられる。これによって、溶接停止時のワイヤ燃上り高さは略一定値となる。時刻t5は、例えば時刻t4から200msと設定される。
時刻t6において、同図(E)に示すように、ワイヤ送給モータWMの回転が完全に停止し、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwの出力を停止し、同図(G)に示すように、溶接電流Iwの通電が停止する。
時刻t4からの予め定めたアフターフロー期間経過後の時刻t7において、同図(C)に示すように、シールドガスの電磁弁EVが閉となって溶接トーチの先端部へのシールドガスの供給が停止される。
時刻t7以降、同図(A)の実線に示すように、溶接作業者は溶接トーチを母材から引き離して、次の仮止め位置に移動させる。時刻t8において、溶接作業者は溶接トーチを母材の次の仮止め位置に近づける。そして同図(B)に示すように、溶接作業者はトーチスイッチを押して溶接開始信号StがHighレベル(溶接開始)になると、同図(C)に示すように、シールドガスの電磁弁EVが開となって溶接トーチの先端部へのシールドガスの供給が開始される。
時刻t8以降は、上述した時刻t1〜時刻t7の動作を繰り返してタック溶接を終了する。(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−276088号公報
上述した従来技術の溶接電源による消耗電極ガスシールドアーク溶接の制御方法において、タック溶接のそれぞれの仮止め位置での溶接が終わったときには、通常、溶接作業者は溶接トーチを移動させないで、トーチスイッチをOFFとする。しかし、それぞれの仮止め位置での溶接が終わったときに、トーチスイッチをOFFすることと、次の仮止め位置へ溶接トーチを移動させることとを同時期に行い、かつひとつの仮止め位置の溶接が終わって次の仮止め位置へ溶接トーチを移動させる時間を少しでも短縮して生産性を上げることを意識して、トーチスイッチをOFFにすることが遅れることがたまにある。即ち、図3(A)の時刻t31において波線で示すように、溶接作業者は溶接トーチを母材から離して引き上げながら、時刻t4において、トーチスイッチをOFFにする場合がたまにある。
その場合、時刻t31において、溶接トーチの給電チップの先端部と母材との間の距離L1が長くなるために、同図(G)に示すように、溶接電流Iwが減少する。その後時刻t4において、トーチスイッチをOFFにするので、溶接ワイヤが給電チップの先端部から突き出している長さである溶接ワイヤの突き出し長さが、溶接トーチを母材から離す前にトーチスイッチをOFFにするときと比較して、長くなっている。そのために、ワイヤ送給モータが完全に停止したときの溶接ワイヤの突き出し長さも長いままである。
溶接ワイヤの突き出し長さが長いままで、次の仮止め位置へ移動して、溶接を開始させると、溶接ワイヤの突き出し長さが長いために、正常な突き出し長さに戻るまで溶接電流Iwが低く、そのために溶接開始部の溶け込みが浅くなって、継手の強度が低下する。また溶接ワイヤの突き出し長さが長いために、溶接トーチのノズル先端部と母材との間の距離も長くなり、シールドガスの流れが乱れて、アークと溶融池とが大気から十分に保護されず、溶接欠陥が生じることになる。
本発明は、タック溶接のそれぞれの仮止め位置での溶接終了時に、溶接作業者が溶接トーチを移動させるときに溶接トーチを母材から引き上げても、溶接ワイヤの突き出し長さを適切にすることができる溶接電源及びタック溶接方法を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
溶接トーチと母材との間に電力を供給する電源主回路と、
溶接ワイヤの送給速度を制御する送給速度制御回路と、
溶接電流を検出して電流検出信号を出力する電流検出器と、
前記電流検出信号の絶対値を平滑化して、電流平滑値信号を出力する電流平滑化回路と、
前記電流平滑値信号を入力して前記電流平滑値の降下値と相関する電流降下相関値が検出される電流降下相関値検出回路と、
予め定めた電流降下基準値が設定される電流降下基準値設定回路と、
前記電流降下相関値が前記電流降下基準値に達したときに、前記電源主回路へ出力停止指令を出力し、前記送給速度制御回路へ溶接ワイヤの送給停止指令を出力して溶接を停止する溶接停止判別回路と、
を備えたことを特徴とする溶接電源である。
請求項2の発明は、
前記電流降下相関値が、予め定めた期間ごとにサンプリングされた前記電流平滑値のサンプリング値とひとつ前のサンプリング値との差であることを特徴とする請求項1記載の溶接電源である。
請求項3の発明は、
前記電流降下相関値が、前記電流平滑値の微分値であることを特徴とする請求項1記載の溶接電源である。
請求項4の発明は、
前記電流降下相関値が、前記電流平滑値信号が出力されてから予め定めた期間経過後の定常溶接電流値からの減少値であることを特徴とする請求項1記載の溶接電源である。
請求項5の発明は、
前記電源主回路へ出力停止指令が出力されてから予め定めた期間経過後に溶接開始信号が入力されているときは、前記電源主回路を再び起動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶接電源である。
請求項6の発明は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶接電源を使用したことを特徴とするタック溶接方法である。
本発明の溶接電源は、溶接を終了させる際に、溶接作業者が溶接トーチを母材から離して引き上げながらトーチスイッチをOFFにしても、溶接トーチを母材から離したときの溶接電流の減少値等を検出して、その検出値が予め設定した基準値に達したときに溶接が終了したと判別して、アーク溶接の終了制御を行う。従って、溶接ワイヤの突き出し長さを適切にすることができるので、溶接欠陥が生じることがない。
本発明の実施の形態1に係る溶接電源のブロック図である。 本発明の溶接電源による消耗電極ガスシールドアーク溶接の制御方法を示すタイミングチャートである。 従来技術の溶接電源による消耗電極ガスシールドアーク溶接の制御方法を示すタイミングチャートである。
本発明の実施の形態1〜3を実施例に基づき図面を参照して説明する。本発明の溶接電源は、溶接作業者が溶接停止時に溶接トーチを母材から離しして引き上げながらトーチスイッチをOFFとすることによって溶接ワイヤの突き出し長さが、溶接トーチを母材から離す前にトーチスイッチをOFFにするときと比較して、長くなることを防止するものである。
消耗電極ガスシールドアーク溶接方法において、溶接電源の外部特性は一般的に定電圧特性である。溶接作業者が溶接トーチを母材から離して引き上げると、アーク長が伸びて、さらに溶接ワイヤの突き出し長さも伸びることによって、アーク長及び溶接ワイヤの突き出し長さの抵抗値が増加して、溶接電流が減少する。そこで、本発明の溶接電源は、タック溶接のそれぞれの仮止め位置での溶接終了時に、溶接作業者がトーチスイッチをOFFにする前に溶接トーチを母材から離すことによって生じる溶接電流の減少値を検出して、その検出値が予め設定した基準値に達したときに溶接が終了したと判別して、アーク溶接の終了制御を行うものである。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る溶接電源のブロック図である。同図において、溶接電源PSの電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する駆動信号Dvに従ってインバータ制御による出力制御を行い、アーク溶接に適した溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力する。溶接ワイヤ1は、ワイヤ送給モータWMに直結した送給ロール5の回転によって溶接トーチ4を通って送給されて、母材2との間にアーク3が発生する。
図示は省略するが、電源主回路PMは、例えば、商用電源を整流する1次整流器と、整流された直流を平滑するコンデンサと、平滑された直流を高周波交流に変換するインバータ回路と、高周波交流をアーク溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器と、降圧された高周波交流を整流する2次整流器とを含んで構成される。
溶接開始信号発生回路STは、溶接開始信号Stを出力する。この溶接開始信号発生回路STは、半自動溶接の場合には溶接トーチ4のトーチスイッチに対応する。電圧設定回路VRは、所望値の電圧設定信号Vrを出力する。電圧検出回路VDは、溶接電圧Vwを検出して、電圧検出信号Vdを出力する。誤差増幅回路EAは、上記の電圧設定信号Vrと上記の電圧検出信号Vdとの誤差を増幅して、誤差増幅信号Eaを出力する。駆動回路DVは、上記の溶接開始信号Stが入力されているとき(Highレベル)には上記の誤差増幅信号Eaに従って駆動信号Dvを出力する。これによって、溶接電圧Vwが電圧設定信号Vrの値に制御される。
送給速度設定回路FRは、予め定めた送給速度設定信号Frを出力する。送給速度制御回路FCは、この送給速度設定信号Frを入力として、その値に対応した送給速度で溶接ワイヤ1を送給するための送給速度制御信号Fcを上記のワイヤ送給モータWMに出力する。電流検出回路IDは、溶接電流Iwを検出して、電流検出信号Idを出力する。電流平滑化回路IAVは、カットオフ周波数が例えば20〜100Hzのローパスフィルタであって、この電流検出信号Idの絶対値を平滑化して、電流平滑値信号Iavを出力する。この電流平滑化回路IAVは、溶接電流Iwの波形制御、短絡制御やアークの変動による誤動作を無くすために設けている。
電流降下相関値検出回路IREは、電流平滑値信号Iavを入力として電流平滑値Iavの降下値と相関する電流降下相関値Ireが設定される。電流降下基準値設定回路ITNは、予め定めた電流降下基準値Itnが設定されて、電流降下基準値信号Itnを出力する。この電流降下基準値Itnは溶接ワイヤの材質や直径、溶接電流、溶接電圧等の種々の溶接条件において実験によって求められた数値であって、例えば電流平滑値Iavの減少値が50Aと設定される。
溶接停止判別回路NDは、電流降下相関値信号Ireと電流降下基準値信号Itnとを入力として、電流平滑値Iavを例えば20msごとにサンプリングして、電流平滑値信号Iavの減少値が、ひとつ前にサンプリングした電流平滑値Iavからの減少値が、電流降下基準値Itn、例えば50Aに達したときに溶接が停止したと判別して、溶接停止判別信号Ndを出力する。送給速度制御回路FCは、溶接停止判別信号Ndが入力されたときに送給速度制御信号Fcの出力を停止する。駆動回路DVは、溶接停止判別信号Ndが入力されたときに駆動信号Dvの出力を停止する。
出力停止期間設定回路TMは、タック溶接におけるそれぞれの仮付け溶接の終了後の出力停止期間Tmを設定し、電源主回路PMへの駆動信号Dvの入力が停止されてから例えば1secと設定される。駆動回路DVは、この出力停止期間信号Tmと溶接開始信号Stとを入力として、駆動信号Dvの出力を停止した後に、この出力停止期間Tm中に溶接開始信号StがLowレベルとならずにHighレベルを維持していると、駆動信号Dvを再度出力する。
図2は、本発明の溶接電源による消耗電極ガスシールドアーク溶接の制御方法を示すタイミングチャートであって、短い間隔で溶接の開始と停止を繰り返すタック溶接の場合を示す。同図(A)は溶接トーチ先端部と母材との距離L1の時間変化を示し、同図(B)は溶接開始信号Stの時間変化を示し、同図(C)はシールドガスの電磁弁EVの開閉状態の時間変化を示し、同図(D)はワイヤ送給モータWMの送給速度を制御する送給速度制御信号Fcの時間変化を示し、同図(E)はワイヤ送給モータWMの回転速度Mvの時間変化を示し、同図(F)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(G)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(H)は溶接停止判別信号Ndの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
時刻t1〜t3においては、上述した図3に示した従来技術の溶接電源による消耗電極ガスシールドアーク溶接の制御方法を示すタイミングチャートで説明した時刻t1〜t3と同じであるので説明を省略する。
時刻t4において、最初の仮止め位置の溶接が終わって次の仮止め位置へ溶接トーチを移動させる時間を短縮して生産性を上げるために、溶接作業者は溶接トーチを母材から離
して引き上げようとする。その場合、溶接トーチ先端部と母材との間の距離が長くなるために、アーク長及び溶接ワイヤの突き出し長さの抵抗値が増加して、同図(G)に示すように、溶接電流Iwが減少する。
時刻t5において、同図(H)に示すように、溶接停止判別回路NDは、溶接が停止したと判別したときに、溶接停止判別信号Ndを出力する。同図(D)に示すように、送給速度制御回路FCは、溶接停止判別信号Ndを入力して送給速度制御信号Fcの出力を停止する。また駆動回路DVは、溶接停止判別信号Ndを入力して駆動信号Dvの出力を停止する。しかし、同図(E)に示すように、溶接ワイヤは送給モータの慣性によって、時刻t5以後も50〜200ms程度送給が継続されて、送給された溶接ワイヤを溶融するために、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwの出力が維持されて、同図(G)に示すように、この慣性期間中も溶接電流Iwの通電が継続する。
時刻t6において、溶接停止時に溶接ワイヤの先端が母材に溶着しないようにするために、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwを下げて、ワイヤ先端と母材との距離(ワイヤ燃上り高さ)が3〜5mm程度になるように、上記慣性期間中にワイヤ先端部をアークによって燃え上らせるいわゆるアンチスティック制御が行われる。この結果、溶接ワイヤの先端形状が整えられ、溶接停止時のワイヤ燃上り高さは略一定値となる。
時刻t7において、同図(E)に示すように、ワイヤ送給モータWMの回転が完全に停止し、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwの出力を停止し、同図(G)に示すように、溶接電流Iwの通電が停止する。
時刻t7以降も同図(C)に示すように、シールドガスの電磁弁EVは開のままでシールドガスが供給されるアフターフロー期間が継続する。
時刻t5から出力停止期間設定回路TMによって設定された出力停止期間Tmに、同図(B)に示すように、トーチスイッチをOFFとしないで溶接開始信号StがHighレベルを維持していると、出力停止期間Tmの経過後の時刻t8において、駆動回路DVは駆動信号Dvの出力を再開する。電源主回路PMは駆動信号Dvが入力されて、同図(F)に示すように、無負荷電圧である溶接電圧Vwが供給される。出力停止期間Tmは、この期間に溶接作業者がトーチスイッチをOFFとしなければタック溶接が継続され、この期間に溶接作業者がトーチスイッチをOFFとすれば一連のタック溶接が終了する期間に予め定められている。
時刻t9において、同図(A)に示すように、溶接作業者が溶接トーチを母材の次の仮止め位置に近づけて、溶接ワイヤが母材に接触するとアークが発生し、同図(G)に示すように、溶接電流Iwが通電する。同時に、同図(D)に示すように、送給速度制御信号Fcは定常送給速度設定値Fcrに変化し、同図(E)に示すように、溶接ワイヤはこの定常送給速度で送給される。
上述した時刻t9においては、前回の溶接停止時のワイヤ突き出し長さが適正範囲内であり、また前回の溶接停止時からほとんど時間が経過していないので溶接ワイヤの先端部の温度が高いのでアークが発生しやすい。そのために、上述した時刻t2において行ったように、溶接ワイヤをスローダウン速度で母材へ送給する必要は無い。従って、時刻t9においては、この溶接ワイヤをスローダウン速度で母材へ送給する時間を短縮することができる。
時刻t10〜t13は、上述した時刻t4〜時刻t7の動作と同じであるので説明を省略する。その後上述した時刻t7〜時刻t13の動作を繰り返して一連のタック溶接を行う。
一連のタック溶接を終了して、出力停止期間Tmに相当する期間内の時刻t14において、同図(B)に示すように、溶接作業者がトーチスイッチをOFFにして溶接開始信号StがLowレベル(溶接停止)になる。
時刻t14から予め定めたアフターフロー期間経過後の時刻t15において、同図(C)に示すように、シールドガスの電磁弁EVが閉となってシールドガスの供給が停止される。
この結果、本発明の溶接電源は、タック溶接におけるそれぞれの仮付け溶接を終了させる際に、溶接作業者が溶接トーチ4を母材から離して引き上げても、溶接ワイヤ1の突き出し長さを適切にすることができるので、溶接欠陥が生じることがない。また、ひとつの仮止め位置の溶接が終わって次の仮止め位置へ溶接トーチ4を移動させるとき、溶接作業者はトーチスイッチをOFFにすることなく、溶接トーチ4を母材から離しただけで溶接電源の出力を停止することができるので、タック溶接の時間を短縮して生産性を向上させることができる。さらに、溶接作業者は溶接トーチ4のトーチスイッチを押し続けるだけで、何度もトーチスイッチをONしたりOFFしたりする必要がないので、負荷を大幅に低減することができる。
なお、上述した時刻t6において、アンチスティック制御を行っているが、溶接トーチを母材から離して引き上げる速度が速い場合、溶接ワイヤの先端部が溶着することが無いのでアンチスティック制御を省略してタック溶接の時間をさらに短縮しても良い。
[実施形態2]
本発明の実施の形態2に係る溶接電源は、図1に示した実施の形態1に係る溶接電源のブロック図の電流降下相関値検出回路IREで検出される電流降下相関値が、電流平滑値Iavの微分値である。また電流降下基準値Itnは電流平滑値Iavの微分値であって、溶接ワイヤの材質や直径、溶接電流、溶接電圧等の種々の溶接条件において実験によって求められ数値であって、例えば20msの期間に40A減少する40A/20msが設定される。その他の機能及び動作は図1に示した実施の形態1に係る溶接電源のブロック図の同機能と同じであるので説明を省略する。
[実施形態3]
本発明の実施の形態3に係る溶接電源は、図1に示した実施の形態1に係る溶接電源のブロック図の電流降下相関値検出回路IREで検出される電流降下相関値Ireが、電流平滑値信号Iavが出力されてから予め定めた期間経過後の溶接電流Iw、即ち定常溶接電流値からの減少値である。また電流降下基準値Itnは定常電流検出値からの減少値であって、溶接ワイヤの材質や直径、溶接電流、溶接電圧等の種々の溶接条件において実験によって求められ数値であって、例えば定常電流検出値からの減少値として20Aが設定される。その他の機能及び動作は図1に示した実施の形態1に係る溶接電源のブロック図の同機能と同じであるので説明を省略する。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
DV 駆動回路
Dv 駆動信号
EA 誤差増幅回路
Ea 誤差増幅信号
EV 電磁弁
FC 送給速度制御回路
Fc 送給速度制御信号
Fcb1 スローダウン速度設定値
Fcr 定常送給速度設定値
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
IAV 電流平滑化回路
Iav 電流平滑値(信号)
ID 電流検出回路
Id 電流検出値(信号)
Ire 電流降下相関値(信号)
IRE 電流降下相関値検出回路
Itn 電流降下基準値(信号)
ITN 電流降下基準値設定回路
Iw 溶接電流
L1 溶接トーチ先端部と母材との距離
Mv 回転速度
ND 溶接停止判別回路
Nd 溶接停止判別信号
PM 電源主回路
PS 溶接電源
St 溶接開始信号
ST 溶接開始信号発生回路
Tm 出力停止期間(信号)
TM 出力停止期間設定回路
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
VR 電圧設定回路
Vr 電圧設定信号
Vw 溶接電圧
WM ワイヤ送給モータ

Claims (6)

  1. 溶接トーチと母材との間に電力を供給する電源主回路と、
    溶接ワイヤの送給速度を制御する送給速度制御回路と、
    溶接電流を検出して電流検出信号を出力する電流検出器と、
    前記電流検出信号の絶対値を平滑化して、電流平滑値信号を出力する電流平滑化回路と、
    前記電流平滑値信号を入力して前記電流平滑値の降下値と相関する電流降下相関値が検出される電流降下相関値検出回路と、
    予め定めた電流降下基準値が設定される電流降下基準値設定回路と、
    前記電流降下相関値が前記電流降下基準値に達したときに、前記電源主回路へ出力停止指令を出力し、前記送給速度制御回路へ溶接ワイヤの送給停止指令を出力して溶接を停止する溶接停止判別回路と、
    を備えたことを特徴とする溶接電源。
  2. 前記電流降下相関値が、予め定めた期間ごとにサンプリングされた前記電流平滑値のサンプリング値とひとつ前のサンプリング値との差であることを特徴とする請求項1記載の溶接電源。
  3. 前記電流降下相関値が、前記電流平滑値の微分値であることを特徴とする請求項1記載の溶接電源。
  4. 前記電流降下相関値が、前記電流平滑値信号が出力されてから予め定めた期間経過後の定常溶接電流値からの減少値であることを特徴とする請求項1記載の溶接電源。
  5. 前記電源主回路へ出力停止指令が出力されてから予め定めた期間経過後に溶接開始信号が入力されているときは、前記電源主回路を再び起動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶接電源。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶接電源を使用したことを特徴とするタック溶接方法。
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