JP2014052756A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型化を維持しつつ磁束を増大して通信距離を改善することができるアンテナ装置を提供すること。
【解決手段】 給電線FPが形成された回路基板2と、給電線に接続されて回路基板に設けられデータを受信するアンテナ部3とを備え、アンテナ部が、給電線に接続された複数のコイル状導体を有し、複数のコイル状導体のうち少なくとも1つが、回路基板上に実装された積層チップアンテナ4に内蔵され、積層チップアンテナが、全体がチップ状に形成され、積層された複数のセラミックス材料層と、隣接する前記セラミックス材料層の間に設けられたコイル状導体となるチップ側導体パターン13と、互いに対向する一対の端面に設けられチップ側導体パターンの端部に接続され給電線に接続された一対の端部電極14とを備え、複数のコイル状導体が、互いに中心軸を同じくして同方向に巻回されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、非接触でデータを読み取り又は書き込みを行うRFIDリーダ装置等に用いられるアンテナ装置に関する。
従来、RFID(Radio Frequency Identification)リーダ装置又はRFIDリーダ・ライタ装置等の非接触通信装置は、電磁誘導方式で交信する無線IC、ICカード、非接触式データキャリア及びその読み込み機・書き込み機として種々の分野に採用されてきている(特許文献1及び2参照)。近年、この非接触通信装置は、スマートフォンやタブレットPC等など小型情報端末にも搭載されてきている。
RFIDリーダ・ライタ装置の無線通信機能は、図10に示すように、例えばIC部7、整合回路部8(マッチング回路)、アンテナ部103によって構成されている。このRFIDリーダ・ライタ装置を小型化することによって、アンテナ部103、IC部7及び整合回路部8を回路基板101の極微小なスペースに配置する構成がとられてきている。
特開2012−19330号公報 特開2008−186327号公報 特開2000−261230号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
近年、図11に示すように、アンテナ部としてコイル状導体パターン102を内蔵した小型アンテナ素子100を採用して、全体をさらに小型化することが検討されている。この小型RFID用のアンテナ素子100は、チップ化されて小型であることが最大の特徴であり、図10に示すような同サイズのパターンアンテナと比較すれば磁性体の磁束収束効果によりインダクタンスが増大し、結果としてアンテナから放射される磁束(磁束φ=インダクタンスL×電流i)を大きくする特性を利用したものである。
しかしながら、小型RFIDアンテナと非接触ICカードとの通信距離は、接触状態から数十mmを想定した場合であり、特に30mm以上の通信用途においては小型のアンテナ素子100単体では実用的にはまだ磁束が足りず、通信距離が不十分であった。通信距離が短い理由はアンテナサイズも原因の一つである。
小型RFID用のアンテナ素子を利用したリーダライタ(R/W)と一般的に使用されているクレジットカードサイズの非接触ICカード(JIS X 6301で規定しているID−1型)とを通信する場合は、お互いのアンテナサイズが異なっているので、磁界結合(相互インダクタンス)が小さく、大きいアンテナ(例えばID−1型サイズに近いサイズ)を使ったR/Wと比較すると通信距離が短い。よって小型アンテナ素子の特徴を維持しつつも、更なる通信特性(通信距離や対応可能な非接触ICカードの種類)の向上のためにインダクタンスを上げ、磁束を増大する方法が望まれているが、方法としては磁束を増やすか、アンテナ自体のサイズを大きくする(アンテナコイル径を大きくする)か、どちらかになる。アンテナコイル径を大きくすることは小型化に反しているので磁束を増大する方法しかない。
磁束φは磁束密度Bに比例するが(磁束φ=磁束密度B×面積S)、その磁束密度Bを上げるにはコイルの巻き数を上げることで可能になる。アンテナの面積が制限される場合には特に有効である。しかしながら、小型RFID用のアンテナ素子は渦巻き状に巻いているので、図5の(a)に示すアンテナ素子100から図5の(b)に示すアンテナ素子100Aのように巻き数を増大すると面積Sが小さくなり、磁束密度Bは上げることができても、結果として磁束φを増大させることができなくなり、巻き数と面積とのトレードオフの関係にある。
階層状に巻数を増やす方法として、特許文献3に記載の技術もあるが、階層間の容量性が無視できないくらい大きく、容量性が増大し、共振周波数が低下する別の問題が出てくる。いずれにせよ、小型アンテナ素子単体での使用では、限界があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、小型化を維持しつつ磁束を増大して通信特性を改善することができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るアンテナ装置は、給電線が形成された回路基板と、前記給電線に接続されて前記回路基板に設けられデータを受信するアンテナ部とを備え、該アンテナ部が、前記給電線に接続された複数のコイル状導体を有し、前記複数のコイル状導体のうち少なくとも1つが、前記回路基板上に実装された積層チップアンテナに内蔵され、該積層チップアンテナが、全体がチップ状に形成され、積層された複数のセラミックス材料層と、隣接する前記セラミックス材料層の間に設けられた前記コイル状導体となるチップ側導体パターンと、互いに対向する一対の端面に設けられ前記チップ側導体パターンの端部に接続され前記給電線に接続された前記一対の端部電極とを備え、前記複数のコイル状導体が、互いに中心軸を同じくして同方向に巻回され前記中心軸に対して同方向に電流が流れることを特徴とする。
このアンテナ装置では、積層チップアンテナに少なくとも一つが内蔵された複数のコイル状導体が、互いに中心軸を同じくして同方向に巻回され中心軸に対して同方向に電流が流れるので、小型の積層チップアンテナが垂直方向に占有する面積をほとんど変えずに、巻き線方向が同じ複数のコイル状導体により発生する磁束が増大して通信距離を改善することができる。
第2の発明に係るアンテナ装置は、第1の発明において、前記複数のコイル状導体のうち1つが、前記回路基板上にパターン形成した基板側導体パターンであることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、複数のコイル状導体のうち1つが、回路基板上にパターン形成した基板側導体パターンであるので、回路基板上で給電線の延長として基板側導体パターンを形成することができ、部材数を増やすことなく、磁束を増大させることができる。また、小型の積層チップアンテナを採用していることで余った周囲のスペース及び積層チップアンテナの真下を活用して基板側導体パターンを配することができ、磁界を効率的に発生させることが可能である。
第3の発明に係るアンテナ装置は、第1又は第2の発明において、前記積層チップアンテナが、前記回路基板の表面と裏面とにそれぞれ実装されていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、積層チップアンテナが、回路基板の表面と裏面とにそれぞれ実装されているので、小型の積層チップアンテナが回路基板を挟んで積層されることで、アンテナ部の垂直方向に占有する面積を全く変えることなく、磁束を増大することができる。
第4の発明に係るアンテナ装置は、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記セラミックス材料層が、誘電体材料と磁性体材料とを添加した混合材料で形成され積層された複数のセラミックス材料層であり、最下層の前記セラミックス材料層に積層され金属酸化物の磁性体材料又は該磁性体材料と焼結助剤のガラス材とを混合した材料で形成された磁性体層を備えていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、セラミックス材料層が、最下層のセラミックス材料層に積層され金属酸化物の磁性体材料又は該磁性体材料と焼結助剤のガラス材とを混合した材料で形成された磁性体層を備えているので、透磁率の実部が高く虚部が低い磁性体層に磁束が集中すると共に磁性体層内で磁束が損失することなく流れ、インダクタンスの変化が生じずに良好な通信が得られる。また、チップ側導体パターンを介して積層された複数のセラミックス材料層と磁性体層とが一体に形成されてチップ化されていると共に一対の端面に端部電極が形成されているので、特性ばらつきが少なく、かつさらに小型化可能であると共にリフロー工程などによる表面実装が可能である。
第5の発明に係るアンテナ装置は、第1から第4の発明のいずれかにおいて、電磁誘導又は電磁結合によってRFIDタグに対して少なくともデータの読み取りを行うRFIDリーダ装置であることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、RFIDリーダ装置であるので、非接触でデータの良好な読み取りを行うことができると共に小型化が可能である。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るアンテナ装置によれば、積層チップアンテナに少なくとも一つが内蔵された複数のコイル状導体が、互いに中心軸を同じくして同方向に巻回され中心軸に対して同方向に電流が流れるので、小型の積層チップアンテナが垂直方向に占有する面積をほとんど変えずに、巻き線方向が同じ複数のコイル状導体により発生する磁束が増大して通信距離を改善することができる。
したがって、本発明では、小型で通信特性が良好なアンテナ装置が得られることから、RFIDリーダ装置等に好適である。
本発明に係るアンテナ装置の第1実施形態を示す分解斜視図である。 第1実施形態において、アンテナ装置を示す平面図である。 第1実施形態において、積層チップアンテナを示す簡易的な断面図である。 第1実施形態において、積層チップアンテナの端部電極を除いた分解斜視図である。 第1実施形態において、積層チップアンテナ単体でチップ側導体パターンの巻数を変えた場合(a)(b)と、基板側導体パターンを加えた場合(c)との磁束の状態を示すための説明図である。 本発明に係るアンテナ装置の第2実施形態を示す分解斜視図である。 第2実施形態において、アンテナ装置を示す背面図である。 本発明に係るアンテナ装置の実施例において、磁界強度計測方法を示す説明図である。 本発明に係る実施例及び比較例において、距離に対する磁界強度の計測結果を示すグラフである。 本発明に係るアンテナ装置の従来例において、RFIDリーダ・ライタ装置の構成を示す平面図である。 アンテナ素子を用いたRFIDリーダ・ライタ装置を示す平面図である。
以下、本発明に係るンテナ装置の第1実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
第1実施形態のアンテナ装置1は、例えば電磁誘導又は電磁結合によってRFIDタグに対して少なくともデータの読み取りを行うRFIDリーダ装置であって、図1及び図2に示すように、給電線FPが形成された回路基板2と、給電線FPに接続されて回路基板2に設けられデータを受信するアンテナ部3とを備えている。なお、給電線FPは、回路基板2上にパターン形成された金属配線である。
上記回路基板2は、プリント基板、リジット基板又はフレキシブル基板が採用可能である。
上記アンテナ部3は、給電線FPに接続された複数のコイル状導体を有し、複数のコイル状導体のうち少なくとも1つが、回路基板2上に実装された積層チップアンテナ4に内蔵されている。
該積層チップアンテナ4が、図3及び図4に示すように、全体がチップ状に形成され、積層された複数のセラミックス材料層12A〜12Dと、隣接するセラミックス材料層12A,12Bの間に設けられたコイル状導体となるチップ側導体パターン13と、互いに対向する一対の端面に設けられチップ側導体パターン13の端部に接続され給電線FPに接続された一対の端部電極14とを備えている。
また、複数のコイル状導体のうち1つが、回路基板2上にパターン形成した基板側導体パターン5である。この基板側導体パターン5は、チップ側導体パターン13に沿ってその直下及び周囲に螺旋状に設けられ、一部がスルーホールH1を介して裏面側に形成されていると共に積層チップアンテナ4の周囲にも配されている。基板側導体パターン5の材料は、例えばCu,Ag,Au,Sn又はこれらの合金系材料等が採用可能であるが、導体であれば他の材料でも構わない。
また、このアンテナ装置1は、図1及び図2に示すように、給電線FPを介してアンテナ部3に給電する回路部6とを備えている。該回路部6は、発振器(図示略)に接続されていると共に回路基板2上に実装されたリーダ/ライタ用のIC部7と、該IC部7と回路基板2上の配線で接続されていると共に給電線FPに接続されたマッチング回路である整合回路部8とを備えている。
上記複数のコイル状導体、すなわちチップ側導体パターン13と基板側導体パターン5とは、互いに中心軸を同じくして同方向に巻回され中心軸に対して同方向に電流が流れるように設定されている。本実施形態では、チップ側導体パターン13と基板側導体パターン5とは、直列に接続されているが、並列に接続しても構わない。なお、直列の方が整合回路定数を小さくすることができ、並列の場合よりも電流がアンテナ部に多く流れ、磁束も大きい。また、各図において、ある時点での電流の流れる方向を矢印で示している。
上記セラミックス材料層12A〜12Dは、誘電体材料と磁性体材料とを添加した混合材料で形成され積層された複数のセラミックス材料層である。
また、この積層チップアンテナ4は、最下層のセラミックス材料層12Dに積層され金属酸化物の磁性体材料又は該磁性体材料と焼結助剤のガラス材とを混合した材料で形成された磁性体層15を備えている。
上記チップ側導体パターン13は、金、銀、白金、パラジウム等の貴金属単体若しくはその合金等で形成された導体配線である。チップ側導体パターン13は、矩形状平板のセラミックス材料層12Bの上面において、その外周部に渦状にパターン形成されている、このチップ側導体パターン13の内側の端部は、スルーホールH2を介して下層のセラミックス材料層12C上に形成された接続用導体パターン13aに接続されている。この接続用導体パターン13aは、端部電極14に接続されている。このようにチップ側導体パターン13は、両端の端部電極14に接続されてチップアンテナを構成している。
なお、本実施形態の積層チップアンテナ4は、例えば10mm×15mm×1mmの平板チップ状サイズとされ、チップ側導体パターン13が5.5ターンで巻回されている(図1等では巻回数を省略している)。なお、チップ側導体パターン13は、1ターン以上巻かれていれば構わない。
また、上記チップ側導体パターン13は、セラミックス複合材料グリーンシートの上に印刷又はフォトリソグラフィ法でパターン形成される。
各セラミックス材料層12A〜12Dは、シートキャスティング法,印刷法又は押出成型法により形成された上記混合材料によるセラミックス複合材料グリーンシートを積層することで形成される。
セラミックス材料層12A〜12Dの誘電体材料としては、既知の種々の材料が採用可能であるが、PbO/La/BaTiO /AgO/ZrO/TiO/WO系リラクサー系材料であることが好ましい。また、セラミックス材料層12A〜12Dの磁性体材料としては、既知の種々の材料が採用可能であるが、Fe/NiO/CuO/ZnO系フェライト材料であることが好ましい。
上記磁性体層15は、シートキャスティング法,印刷法又は押出成型法により形成された金属酸化物の磁性体材料又は該磁性体材料と焼結助剤のガラス材とを混合した材料による磁性体グリーンシートを用いることで形成される。
上記磁性体層15の磁性体材料としては、既知の種々の材料が採用可能であるが、Fe/NiO/CuO/ZnO系フェライト材料であることが好ましい。
例えば、上記誘電体材料のPbO/La/BaTiO /AgO/ZrO/TiO/WO系リラクサー系材料としては、PbO:45〜60wt%、La:3〜10wt%、BaTiO:5〜10wt%、AgO:0.1〜1.0wt%、ZrO:15〜30wt%、TiO:3〜10wt%、WO:3〜10wt%を含有した成分組成を有するものが採用される。
また、上記磁性体材料のFe/NiO/CuO/ZnO系フェライト材料としては、FeO:55〜70wt%、ZnO:10〜20wt%、NiO:5〜15wt%、CuO:5〜10wt%を含有した成分組成を有するものが採用される。
この積層チップアンテナ4を作製するには、まずチップ側導体パターン13が形成されていないセラミックス複合材料グリーンシートと、チップ側導体パターン13が形成されたセラミックス複合材料グリーンシートと、磁性体グリーンシートとを所定枚数作製する。次に、これらのグリーンシートを所定の順番で積層すると共にスルーホールH2を形成してチップ側導体パターン13を接続してシート積層体とする。
さらに、このシート積層体をチップ状に切断した後に、焼成してチップ状焼結体とする。なお、シート積層体を焼成した後にチップ状に切断してチップ状焼結体としても構わない。次に、上記チップ状焼結体の一対の側面に印刷又はロールコート法等の手法で一対の端部電極14を形成して積層チップアンテナ4が作製される。
なお、上記一対の端部電極14は、受・給電用端子、兼実装用端子となる。また、端部電極14直下に配された基板側導体パターン5の端部には、端部電極14とはんだ材等で接着される実装用のパッド部(図示略)が形成されている。
このように本実施形態のアンテナ装置1では、積層チップアンテナ4に少なくとも一つが内蔵された複数のコイル状導体が、互いに中心軸を同じくして同方向に巻回され中心軸に対して同方向に電流が流れるので、小型の積層チップアンテナ4が垂直方向に占有する面積をほとんど変えずに、巻き線方向が同じ複数のコイル状導体により発生する磁束が増大して通信距離を改善することができる。すなわち、図5の(c)に示すように、積層チップアンテナ4のチップ側導体パターン13の直下で同方向に巻回される基板側導体パターン5により、互いに同方向に電流が流れ、チップ側導体パターン13の巻き数を増やすことなく、磁束を増大させることができる。
また、上記複数のコイル状導体のうち1つが、回路基板2上にパターン形成した基板側導体パターン5であるので、回路基板2上で給電線FPの延長として基板側導体パターン5を形成することができ、部材数を増やすことなく、磁束を増大させることができる。また、小型の積層チップアンテナ4を採用していることで余った周囲のスペース及び積層チップアンテナの真下を活用して基板側導体パターン5を配することができ、磁界を効率的に発生させることが可能である。
また、最下層のセラミックス材料層12Dに積層され金属酸化物の磁性体材料又は該磁性体材料と焼結助剤のガラス材とを混合した材料で形成された磁性体層15を備えているので、透磁率の実部が高く虚部が低い磁性体層15に磁束が集中すると共に磁性体層15内で磁束が損失することなく流れ、インダクタンスの変化が生じずに良好な通信が得られる。また、チップ側導体パターン13を介して積層された複数のセラミックス材料層12A〜12Dと磁性体層15とが一体に形成されてチップ化されていると共に一対の端面に端部電極14が形成されているので、特性ばらつきが少なく、かつさらに小型化可能であると共にリフロー工程などによる表面実装が可能である。
なお、セラミックス材料層12A〜12Dの誘電体材料が、PbO/La/BaTiO /AgO/ZrO/TiO/WO系リラクサー系材料であり、磁性体材料が、Fe/NiO/CuO/ZnO系フェライト材料であるので、誘電体材料の鉛複合ペロブスカイト結晶構造と磁性体材料のスピネル結晶構造は焼結で変化せず、維持される。これにより、セラミックス材料層12A〜12Dが、安定したDCバイアス特性の上記リラクサー系材料の誘電体材料特性で得られるキャパシタンスと、該リラクサー系材料に混合同時焼成されても信頼性の高い上記フェライト材料の磁性体材料特性で得られるインダクタンスとの両特性を兼ね備えることができる。
次に、本発明に係るアンテナ装置の第2実施形態について、図6及び図7を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、複数のコイル状導体として、積層チップアンテナ4に内蔵のチップ側導体パターン13と回路基板2上に形成した基板側導体パターン5とを採用しているのに対し、第2実施形態のアンテナ装置21では、図6及び図7に示すように、チップ側導体パターン13を内蔵する積層チップアンテナ4が、回路基板2の表面と裏面とにそれぞれ実装されている点である。
すなわち、第2実施形態では、表面側の積層チップアンテナ4のチップ側導体パターン13と裏面側の積層チップアンテナ4のチップ側導体パターン13とが、互いに中心軸を同じにして同方向に巻回されている。なお、基板側導体パターン5は、スルーホールH3を介して裏面側まで延ばされ、その端部に実装用のパッド部(図示略)が設けられており、パッド部にはんだ材等で積層チップアンテナ4の端部電極14が接着されている。
このように第2実施形態のアンテナ装置21では、積層チップアンテナ4が、回路基板2の表面と裏面とにそれぞれ実装されているので、小型の積層チップアンテナ4が回路基板2を挟んで積層されることで、アンテナ部の垂直方向に占有する面積を全く変えることなく、磁束を増大することができる。
基板側導体パターン5を設けずに積層チップアンテナ4を1つだけ実装したアンテナ装置の比較例1と、上記第1実施形態のアンテナ装置である実施例1とにおいて、それぞれ磁界強度を計測した。
この計測では、図8の(a)に示すように、アンテナ部中心(積層チップアンテナ4の中心)の垂直方向の磁界強度を計測した。このとき計測した磁界強度計測プローブ201と積層チップアンテナ4の距離0における磁界強度を表1上段に示す。
また、上記2つのアンテナ装置をリーダ・ライタとして用いて、FeliCa規格の非接触ICカードについて、それぞれ通信距離試験を行った。その結果を表1下段に示す。なお、表1では、比較例1を「積層小型チップRFIDアンテナのみの場合」、実施例1を「積層小型チップRFIDアンテナ1個と真下にPCBパターン(6ターン)を形成させた場合」と表記している。
これらの試験の結果、実施例1では、FeliCa規格の非接触ICカードとの通信距離が26mmから33mmに改善され、アンテナ部中心の垂直方向の磁界強度も25A/mから34A/mに増加した。
次に、基板側導体パターン5を設けずに積層チップアンテナ4を1つだけ実装したアンテナ装置の比較例1と、上記第2実施形態のアンテナ装置である実施例2とにおいて、それぞれ磁界強度を計測した。
この計測では、図8の(b)に示すように、アンテナ部中心(積層チップアンテナ4の中心)の垂直方向の磁界強度を計測した。このとき計測した磁界強度計測プローブ201と表面側の積層チップアンテナ4との距離と、その距離における磁界強度とを表2及び図9に示す。
また、上記2つのアンテナ装置をリーダ・ライタとして用いて、FeliCa規格の非接触ICカード及びTypeA規格の非接触ICカードについて、それぞれ通信距離試験を行った。その際の最大通信距離を表3に示す。なお、表3では、比較例1を「表面1個の場合」、実施例2を「表面と裏面2個の場合」と表記している。
これらの試験の結果、実施例2では、アンテナ部中心の垂直方向の磁界強度が24.55A/mから26.61A/mに増加し、FeliCa規格の非接触ICカードとの通信距離も26mmから33mmに改善された。また、TypeA規格の非接触ICカードとの通信距離が17mmから27mmに改善された。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態及び上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、上記各実施形態では、コイル状導体が矩形の渦状に巻かれているが、円形又は楕円の渦状に巻かれていても構わない。また、1層のチップ側導体パターンだけでなく、スルーホールを介して接続した複層構造としてもよく、立体的なコイル状又は渦状としても構わない。
また、上記各実施形態では、磁性体層をセラミックス材料層と共に同時焼成しているが、別々に焼成してガラス材等の接着剤で互いに接着して一体化しても構わない。
1,21…アンテナ装置、2…回路基板、3…アンテナ部、4…積層チップアンテナ、5…基板側導体パターン、12…セラミックス材料層、13…チップ側導体パターン、14…端部電極、15…磁性体層、FP…給電線

Claims (5)

  1. 給電線が形成された回路基板と、
    前記給電線に接続されて前記回路基板に設けられデータを受信するアンテナ部とを備え、
    該アンテナ部が、前記給電線に接続された複数のコイル状導体を有し、
    前記複数のコイル状導体のうち少なくとも1つが、前記回路基板上に実装された積層チップアンテナに内蔵され、
    該積層チップアンテナが、全体がチップ状に形成され、積層された複数のセラミックス材料層と、隣接する前記セラミックス材料層の間に設けられた前記コイル状導体となるチップ側導体パターンと、互いに対向する一対の端面に設けられ前記チップ側導体パターンの端部に接続され前記給電線に接続された一対の端部電極とを備え、
    前記複数のコイル状導体が、互いに中心軸を同じくして同方向に巻回され前記中心軸に対して同方向に電流が流れることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 請求項1に記載のアンテナ装置において、
    前記複数のコイル状導体のうち1つが、前記回路基板上にパターン形成した基板側導体パターンであることを特徴とするアンテナ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
    前記積層チップアンテナが、前記回路基板の表面と裏面とにそれぞれ実装されていることを特徴とするアンテナ装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
    前記セラミックス材料層が、誘電体材料と磁性体材料とを添加した混合材料で形成され積層された複数のセラミックス材料層であり、
    最下層の前記セラミックス材料層に積層され金属酸化物の磁性体材料又は該磁性体材料と焼結助剤のガラス材とを混合した材料で形成された磁性体層を備えていることを特徴とするアンテナ装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
    電磁誘導又は電磁結合によってRFIDタグに対して少なくともデータの読み取りを行うRFIDリーダ装置であることを特徴とするアンテナ装置。
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