JP6183688B2 - アンテナ装置および無線通信装置 - Google Patents

アンテナ装置および無線通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6183688B2
JP6183688B2 JP2013111467A JP2013111467A JP6183688B2 JP 6183688 B2 JP6183688 B2 JP 6183688B2 JP 2013111467 A JP2013111467 A JP 2013111467A JP 2013111467 A JP2013111467 A JP 2013111467A JP 6183688 B2 JP6183688 B2 JP 6183688B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spiral coil
antenna
notch
planar spiral
ground electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013111467A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014232904A (ja
Inventor
真貴 中村
真貴 中村
渡辺 光弘
光弘 渡辺
三木 裕彦
裕彦 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2013111467A priority Critical patent/JP6183688B2/ja
Publication of JP2014232904A publication Critical patent/JP2014232904A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6183688B2 publication Critical patent/JP6183688B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、携帯電話等の無線通信装置に用いられる、電磁誘導を利用した近距離無線通信用のアンテナ装置に関する。
13.56MHzの通信周波数帯を利用した近距離通信規格:NFC(Near Field Communication)に代表されるRFID(Radio Frequency Identification)が、ICカードや携帯電話等を用いた個体の識別・認証、電子決済等に採用されてきている。
上記のような近距離無線通信では、通信を行うリーダ/ライタ、携帯電話等の無線通信装置内にアンテナコイルが設けられ、アンテナコイル同士が電磁誘導で結合することによって通信が行われる。携帯型の無線通信装置は、構成する部品を実装できる空間が限られており、アンテナコイルには小型化が要求される一方、十分な通信可能距離を確保できることが必要である。
かかる要求に対して、特許文献1では、通信可能最大距離を広げることを目的として以下の構成のアンテナ装置が提案されている。特許文献1に開示されたアンテナ装置は、ループ状または渦巻き状のコイル導体と、導体開口部と該導体開口部と外縁との間を連接するスリット部が設けられた導体層を備える。前記導体層は前記コイル導体よりも通信相手側のアンテナに近接する側に、前記コイル導体と前記導体層とが重なるように配置される。かかる構成は、導体層の周囲に流れる誘導電流によって発生する磁界を利用して通信距離を拡大することを目的としている。
国際公開第2010/122685号
特許文献1に開示された上記構成は、通信距離を広げる手段の一つを提供するものである。しかしながら、コイル導体と重なるように導体層が配置されるため、携帯電話、スマートフォン等の無線通信機器の低背化には不利である。また、かかる導体層を無線通信機器の筐体側に形成する場合には、コイル導体と導体層とを高精度で、かつ近接して配置することは困難である。かかる点はコイル導体と導体層との電磁界結合を利用するうえで不利であると言える。
これらの点に鑑み、本発明は、近距離無線通信用のアンテナ装置において、通信距離の拡大と無線通信装置の低背化に好適な構成を提供することを目的とする。
本発明のアンテナ装置は、平面スパイラルコイルを有するチップアンテナと、前記チップアンテナを実装する主基板とを備え、無線通信装置に組み込まれたアンテナ装置であって、前記主基板はプリント回路板であって、前記平面スパイラルコイルよりも大きく、端辺に切欠き部を有するグランド電極を備え、前記チップアンテナは、前記主基板側と反対側で前記平面スパイラルコイルと重なり、前記無線通信装置内にて通信相手側に向かうように配置された集磁板を有し、平面視で、前記平面スパイラルコイルの一部が前記グランド電極に重なるとともに、前記平面スパイラルコイルの空芯部が前記切欠き部の少なくとも一部と重な、前記空芯部と重なる前記切欠き部の面積が、前記空芯部の面積の50%以上であることを特徴とする。主基板に形成されたグランド電極を利用したかかる構成によれば、アンテナ装置を低背に維持しつつ、通信距離の拡大を図ることができる。
また、前記平面スパイラルコイルの形状が矩形であって、前記空芯部と重なる前記切欠き部は、前記平面スパイラルコイルに倣った形状であって、その面積が、前記空芯部の面積の87%〜98%であることが好ましい。
さらに、前記アンテナ装置において、前記集磁板がフェライト基板であって、平面スパイラルコイルの外形寸法以上であることが好ましい。
さらに、前記アンテナ装置において、前記切欠き部は、前記端辺の両端から離間した位置に設けられていることが好ましい。
また、本発明の無線通信装置は、前記いずれかのアンテナ装置と、前記アンテナ装置を収容する筐体とを有することを特徴とする。
本発明によれば、近距離無線通信用のアンテナ装置において、通信距離の拡大と無線通信装置の低背化に好適な構成を提供することができる。
本発明に係るアンテナ装置の実施形態を示す図である。 本発明に係るアンテナ装置の実施形態に用いるチップアンテナの例を示す図である。 チップアンテナの平面スパイラルコイルと主基板に設けた切欠き部の位置関係を示す図である。 本発明に係るアンテナ装置の実施形態に用いるチップアンテナの例を示す図である。 本発明に係るアンテナ装置の実施形態に用いるチップアンテナの他の例を示す図である。 チップアンテナの平面スパイラルコイルと主基板に設けた切欠き部の位置関係を示す図である。 無線通信装置の構成を示す図である。
本願発明のアンテナ装置は、平面スパイラルコイルを有するチップアンテナと、前記平面スパイラルコイルよりも大きいグランド電極を有する主基板とを備えるアンテナ装置に係る。本願発明のアンテナ装置では、さらに、前記グランド電極は端辺に切欠き部を有し、前記チップアンテナは、平面視で、その一部が前記グランド電極に重なるとともに、前記平面スパイラルコイルの空芯部が前記切欠き部の少なくとも一部と重なるように、前記主基板に実装され、前記空芯部と重なる前記切欠き部の面積が、前記空芯部の面積の50%以上である。
本願発明は、上記構成を採用することによって、主基板に設けられているグランド電極をブースターアンテナとして利用することを可能とし、通信距離の拡大と無線通信装置の低背化に好適なアンテナ装置が実現される。以下、本願発明に係るアンテナ装置等の実施形態について図を用いて具体的に説明するが、本願発明はこれに限定されるものではない。
本願発明に係るアンテナ装置は、NFC等の近距離無線通信を行う携帯電話等各種無線通信装置に組み込まれて使用される。ここではスマートフォンに適用する場合を例としてアンテナ装置について説明する。図1(a)は本願発明に係るアンテナ装置の実施形態を示す斜視図であり、図1(b)はその分解斜視図である。図1のz方向上側に通信相手の装置のアンテナが配置されている。アンテナ装置100は、平面スパイラルコイルを有するチップアンテナ1と、前記平面スパイラルコイルよりも大きいグランド電極3を有する主基板2とを備える。図1に示す主基板は主面が矩形であるが、主基板2の形状はこれを限定するものではない。例えば、主基板の一部に切欠きを有する形状も適用できる。なお、本願において、矩形は、長方形の他、正方形も含むものとする。
主基板2は、制御回路、電源回路、各種機能素子・部品等が実装される、多層の回路パターンから成る無線通信装置のメインボードであり、その各層には通常大面積のグランド電極が形成されている。図1には、主基板の一方の主面全体に渡って矩形のグランド電極が形成されている例を示しているが、グランド電極の形状や形成範囲はこれに限定されるものではない。例えば、主基板2の縁に沿ってグランド電極の非形成部を設けてもよいし、実装する素子等に応じてグランド電極の非形成部を設けてもよい。但し、平面スパイラルコイルの占有面積よりも大きく、所定の切欠き部を設けるに十分な大きさを備えている必要がある。なお、主基板2に実装されるチップアンテナの周辺は前記チップアンテナよりも高背な回路部品が実装されないことが好ましく、前記切欠き部の裏面側も低抵抗率な金属体等が設置されないことが好ましい。
図2には、チップアンテナ1の具体例を示す。図2(a)は、図1に示す板状のチップアンテナ1を板面の法線方向(z方向)から見た図であり、図2(b)は、前記法線方向に垂直な方向(y方向)から見た断面図である。図2(a)に示すチップアンテナは、PCB(Printed Circuit Board)で構成した例である。絶縁基材5上にアンテナコイルとして平面スパイラルコイル6が形成され、該平面スパイラルコイル6の両端は一対の端子8に接続されている。なお、平面スパイラルコイル6の内側の巻端と端子8とは、スルーホールを用いた裏面側への配線を介して接続されている。平面スパイラルコイル6の内側は、空芯部7である。平面スパイラルコイル6が配置された面を主基板2側にして、チップアンテナ1を主基板2に実装する。平面スパイラルコイルは、ソレノイドコイルに比べてグランド電極に近接させやすいため、グランド電極との間の誘導結合が高められる、低背化しやすい等の利点がある。
本願発明においては、図1に示すようにグランド電極3は端辺に矩形の切欠き部4、すなわちグランド電極の非形成部を有する。図1に示す実施形態では、切欠き部4は、矩形のグランド電極3の二つの端辺が交差する部分、すなわち角の部分に形成されており、二辺側でグランド電極3に囲まれている。
チップアンテナ1は、平面視で(z方向から見て)、平面スパイラルコイル6の巻回部の一部が前記グランド電極3に重なるとともに、平面スパイラルコイル6の空芯部7が切欠き部4の少なくとも一部と重なるように、主基板2に実装されている。ここで、図3を用いて、本願発明に係るアンテナ装置の構成を採用することで発揮される効果について説明する。図3は図1の構成のうち、グランド電極3と平面スパイラルコイル6のみを取り出して、その配置を示したものである。また、便宜上、グランド電極はチップアンテナを実装する端辺側の一部のみを示した。なお、平面スパイラルコイルに関しては、コイル巻回部を模式的に平面スパイラルコイル6’として示してある。
アンテナコイルである平面スパイラルコイル6’に高周波電力が給電されると、平面スパイラルコイル6’の導体の周囲に誘導磁界が発生する。平面スパイラルコイル6’に近接してグランド電極3が配置されているため、グランド電極にはかかる電磁誘導によって誘導電流が流れる。このときグランド電極3には平面スパイラル6’の形状・位置に合わせて切欠き部4が設けられているので、図中の点線矢印のように、誘導電流は切欠き部4に沿った部分も含めてグランド電極3の周縁を流れる。その結果、グランド電極3の周縁を流れる誘導電流によりグランド電極から磁界が発生し、グランド電極がブースターアンテナとして機能して、通信距離が拡大する。
また、図1に示アンテナ装置においてグランド電極が果たすブースター機能を別の導体部材で代替しようとすると、その厚さ分だけ低背化に不利になる。本願発明では、もともと主基板2に形成されているグランド電極3をブースターアンテナとして利用するため、低背化を阻害する部品の数の増加が抑えられる。したがって、図1等に示す上記構成を採用することによって、通信距離の拡大と無線通信装置の低背化の両立を実現することができる。
上述のように、チップアンテナは、平面視で(z方向から見て)平面スパイラルコイルの空芯部が切欠き部の少なくとも一部と重なるように、主基板に実装されていればよいが、グランド電極が空芯部を覆う面積が多くなりすぎると、逆にロスが大きくなる。そこで、通信距離の拡大効果が得られるように、平面スパイラルコイルの空芯部と重なる切欠き部の面積が空芯部の面積の50%以上になるようにチップアンテナを配置する。
一方、平面スパイラルコイルの空芯部と重なる切欠き部の面積は、空芯部の面積に対して100%が上限となるが、切欠き部自体が空芯部よりもさらに大きい場合もこれに含まれる。但し、チップアンテナとグランド電極が全く重ならないと、平面スパイラルコイルとグランド電極との誘導結合が弱まり、通信距離拡大の効果を得ることが困難になる。したがって、チップアンテナの一部がグランド電極に重なることが必要である。かかる観点からは、平面スパイラルコイルの巻回部の少なくとも一部がグランド電極と重なることがより好ましい。なお、平面視で、チップアンテナ等とグランド電極の端辺が一致する場合も、上記重なる場合に含めることとする。通信距離拡大の効果をよりいっそう高めるためには、空芯部と重なる切欠き部の面積が空芯部の面積の85%以上かつ100未満であることがより好ましく、87〜98%であることがさらに好ましい。
切欠き部の形状はこれを特に限定するものではないが、通信距離拡大の観点からは、平面スパイラルコイルの形状に倣った形状であることが好ましい。例えば、平面スパイラルコイルが矩形であれば、切欠き部も矩形として、平面スパイラルコイルの空芯部の辺と、それに近接する切欠き部の辺とが平行になっていることが好ましい。矩形の場合は、二辺または三辺において誘導電流を効率よく高められる。切欠き部の形状は、チップアンテナの形状との整合性の観点からは、矩形のように、切欠きの奥側の幅が、開口側の幅よりも大きくならない形状が好ましい。
次に、図1に示すアンテナ装置に用いるチップアンテナの他の実施形態について図4を参照しつつ説明する。図4は、図2(b)と同様、板状のチップアンテナの板面の法線方向に垂直な方向から見た断面図である。図4に示すチップアンテナは、図2に示すチップアンテナの構成に加えて、さらに、フェライト基板9を有する。フェライト基板9の主面の形状は絶縁基材5の主面の形状と同じであり、かかる主面同士を合わせてフェライト基板9と絶縁基材5が貼り合わされている。フェライト基板には集磁効果があるため、磁束の広がりを制御することができる。フェライト基板9を平面スパイラルコイル6の主基板2側に配置して用いることもできるが、平面スパイラルコイル6の主基板側とは反対の上面側、すなわち通信相手の装置側にフェライト基板9を有する構成を採用することで、通信距離拡大の効果がいっそう大きくなる。
フェライト基板を上面側に配置する構成は、平面スパイラルコイルをグランド電極に近接配置するうえでも有効である。フェライト基板を主基板側に配置する場合でも、平面スパイラルコイルとグランド電極を面間隔で1.0mm以下に近接させることも可能であるが、上面側に配置する場合には、両者を0.5mm以下に近接させることが容易になる。
なお、前記集磁効果を発揮する集磁板はフェライト基板に限定するものではなく、フェライト粉末等の磁性粉末を樹脂に混合したシート、Fe-Si系合金、Fe基やCo基のアモルファス系合金、超微結晶軟磁性合金などの磁性合金を用いることも出来る。但し、高抵抗率の観点からはフェライト基板が好ましい。フェライト基板の材質等はこれを特に限定するものではない。各種フェライト焼結体を用いることができるが、中でもNi系フェライト焼結体が抵抗率も高く好適である。また、NFCの動作周波数である13.56MHzにおいて100〜1000の透磁率を示すものがより好ましい。また、フェライト基板9の主面の形状、大きさも、これを限定するものではない。但し、高い集磁効果を発揮するためには平面スパイラルコイルの外形寸法以上であることが好ましい。一方、フェライト基板9の主面を、絶縁基材の主面と同じか、小さい形状にしておくと、チッピング等の可能性を下げることができる。また、必要に応じて切欠きやアールを設けてもよい。
次にチップアンテナの平面スパイラルコイルについてさらに説明する。チップアンテナ1は、絶縁基材としてセラミック基板を用いて構成することもできるが、PCBのような樹脂基板を用いて構成した方がコストの観点から好ましい。また、図2に示すチップアンテナは、PCBの片面だけに平面スパイラルコイルを構成した例であるが、PCBの両面に平面スパイラルコイルを形成し、それらをスルーホールで接続して、一つのアンテナコイルを構成してもよい。かかる構成はアンテナの実効断面積を高める上で好ましい。図5にその具体例を示す。
図5(a)はPCBで構成したチップアンテナの実装面側のプリントコイルパターンを示し、図5(b)は上面側のプリントコイルパターンを示す。実装面の四隅には矩形の端子パターンが形成されている。このうち隣り合う一対の端子10は給電用の端子であり、他の一対の端子11は実装強度を高めるためのダミー端子である。
一端が端子10に接続されたプリント配線12は、矩形の絶縁基材の外周縁に沿って巻回されて平面スパイラルコイルが構成されている。端子10および11が配置された四隅では、プリント配線12は端子10および11の形状に倣って屈曲し、平面スパイラルコイルの外周側に不要な空間が形成されることを回避している。プリント配線12の他端はスルーホール13に接続され、該スルーホール13を介して上面のプリント配線14に接続されている。上面のプリント配線14も絶縁基材の外周縁に沿って巻回されて平面スパイラルコイルが構成されている。プリント配線14はスルーホール15を介して実装面の端子10に接続されている。上記構成によって、低背かつ、実効断面積が大きいチップアンテナが実現される。しかも、チップアンテナの実装強度の向上も可能となっている。なお、図5に示す平面スパイラルコイルのように、実装面側と上面側でプリントコイルパターンが異なっている場合は、空芯部の面積としては小さい方のプリントコイルパターンの面積を用いる。
図5に示すチップアンテナは、それ単体で用いることもできるし、図4に示した実施形態と同様にフェライト基板を重ねたチップアンテナを構成することもできる。これらのチップアンテナの構成は、本願発明に係るアンテナ装置に限らず、他のアンテナ装置や無線通信装置にも広く適用可能なものである。
次に、切欠き部の形成位置を変えた、アンテナ装置の他の実施形態について図5を参照しつつ説明する。図6に示す実施形態では、切欠き部17は、矩形のグランド電極16の一つの端辺にのみ係る。すなわち、切欠き部は、端辺の両端から離間した位置に設けられており、三辺側がグランド電極16に囲まれている。なお、図3と同様に、平面スパイラルコイルは、巻回部のみを図示してある。
平面スパイラルコイル18に高周波電力が給電されると、切欠き部17に沿った部分も含めたグランド電極16の周縁に誘導電流(図中の点線矢印)が流れる点は、図3に示した実施形態と同様である。しかしながら、矩形の平面スパイラルコイルの三辺に沿って三方にグランド電極があるため、図3に示す実施形態よりも、誘導結合が強く、より多くの誘導電流が流れる。その結果、通信距離をさらに拡大することが可能となる。図6の実施形態では、切欠き部17は端辺の中央に設けられているが、端辺の両端の一方側に偏った位置に設けることもできる。
上記アンテナ装置を適用する無線通信装置としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、ICカード、ICタグ等である。スマートフォンを例として、図7を参照しつつ、無線通信装置の構成について説明する。図7(a)は無線通信装置の矩形の主面の法線方向(z方向)から見た図である。主基板19と、該主基板19に実装されたチップアンテナ20とを有するアンテナ装置が筐体21に収容されて無線通信装置200が構成される。無線通信装置200の内部に収容されるアンテナ装置に係る前記部分は点線で示してあり、それ以外の構成の図示は省略してある。筐体21の構成はこれを特に限定するものではなく、樹脂、金属等を筐体に用いることができる。但し、筐体に金属を用いる場合は、金属部分がチップアンテナと重ならないようにすることが好ましい。
図7(b)は無線通信装置を、側面方向(矩形の主面の法線方向に垂直な方向)から見た図であり、通信相手であるリーダ/ライタの配置も併せて示してある。図7(a)と同様、無線通信装置の内部に収容されるアンテナ装置に係る部分は点線で示してある。主基板21の図面下側にはディスプレイ(図示せず)が配置され、チップアンテナ20はその反対側(図面上側)に実装されている。アンテナコイル24を備えたリーダ/ライタ25と、無線通信装置200が、コイル同士が対向するように配置される。図7(b)に示すチップアンテナ20は、図4に示す構成と同様に、平面スパイラルコイルを形成した絶縁基材22の主基板19側とは反対側に、フェライト基板23を有する。すなわち、フェライト基板は平面スパイラルコイルよりも通信相手側に配置されるため、リーダ/ライタからの信号磁束、グランド電極から発生するブースト磁束の両方に対し、集磁効果を発揮する。その結果、通信距離のさらなる拡大に寄与する。
図1および図3のように角の部分に切欠き部を設けたグランド電極を有する主基板を用いて、切欠き部の大きさと通信距離との関係を評価した。主基板であるPCBに切欠き部を除き全面ベタでグランド電極が形成されており、その外形は50mm×100mmとした。切欠き部は正方形とし、各辺の長さを7.0〜14.0mmまで変えた主基板を用意した。
また、チップアンテナは、PCBの両面に構成した平面スパイラルコイルとフェライト基板とを用いて構成した。フェライト焼結体にはNi系フェライト焼結体(日立金属株式会社製 NL45S)を用いた。フェライト基板を平面スパイラルコイルの主基板側に配置する場合(主基板側配置)と、その反対側に配置する場合(上方配置)の二通りの構成で準備した。チップアンテナに構成された平面スパイラルコイルの形態は図5と同様である。PCBおよびフェライト基板の外形寸法はともに14.0mm×14.0mm、厚さはそれぞれ0.3mm、0.8mmであり、接着剤も含めた全体厚さは1.3mmであった。平面スパイラルコイルは両面全体で8ターンで、コイルの巻回部の外形寸法が13.0mm×13.0mm、内形寸法が12.0mm×12.0mmである。平面スパイラルコイルの概形は正方形であるが、四隅に屈曲部分があるため、空芯部の実質的な面積は128.0mmであった。なお、上記主基板側配置の場合、主基板の主面の法線方向における平面スパイラルコイルとグランド電極との距離は0.2mmであった。
チップアンテナと、非接触データ通信に必要な信号処理回路および情報を格納したNFC信号制御用ICとを、インピーダンス整合を図るための平衡型整合回路を介して接続した。主基板とチップアンテナを用いたアンテナ装置に対向するように、リーダ/ライタのアンテナを配置し、前記制御ICによってISO14443TypeAの条件でチップアンテナを動作させて通信距離を評価した。主基板を伴わないチップアンテナ単体の場合の通信距離を基準として、通信距離の変化率を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006183688
表1においてマイナスの通信距離変化率は、グランド電極によるロスの方が大きいことを示し、プラスの通信距離変化率はグランド電極によるブースター効果が得られていることを示す。表1に示すように、フェライト基板の配置にかかわらず、空芯部の面積に対する、空芯部と重なる切欠き部の面積の比率が50%以上になると通信距離拡大の効果が得られた。特に、87〜98%の範囲の面積比において、特に通信距離拡大の効果が大きいことがわかる。かかる範囲を満たすNo5、6、14、15のアンテナ装置では、平面視でグランド電極の端辺がわずかに(空芯部の対辺距離の4.2〜7.5%)空芯部内にはみ出している状態であり、かかる状態で特に通信距離拡大の効果が大きくなることがわかる。
また、表1の結果からは、グランド電極が設けられた主基板側ではなく、上方側にフェライト基板を配置した方が通信距離拡大の効果が大きいことがわかる。
次に、切欠き部を図3のようにグランド電極の角に配置した場合と、図6のようにグランド電極の端辺の両端から離間した中央位置に配置した場合とで、上記実施例と同様にして通信距離の評価を行った。チップアンテナの平面スパイラルコイルの空芯部の寸法は12.0mm×12.0mmとし、切欠き部の寸法は10.0mm×12.0mmとした。また、フェライト基板は上方配置とした。結果を表2に示す。
Figure 0006183688
表2に示すように、切欠き部をグランド電極の端辺の両端から離間した位置に配置することによって、角に配置する場合に比べて通信距離はさらに拡大されることがわかった。
1:チップアンテナ
2:主基板
3:グランド電極
4:切欠き部
5:絶縁基材
6:平面スパイラルコイル
7:空芯部
8:端子
9:フェライト基板
10:端子
11:端子
12:プリント配線
13:スルーホール
14:プリント配線
15:スルーホール
16:グランド電極
17:切欠き部
18:平面スパイラルコイル(巻回部)
19:主基板
20:チップアンテナ
21:筐体
22:絶縁基材
23:フェライト基板
24:アンテナコイル
25:リーダ/ライタ
100:アンテナ装置
200:無線通信装置

Claims (5)

  1. 平面スパイラルコイルを有するチップアンテナと、前記チップアンテナを実装する主基板とを備え、無線通信装置に組み込まれたアンテナ装置であって、
    前記主基板はプリント回路板であって、前記平面スパイラルコイルよりも大きく、端辺に切欠き部を有するグランド電極を備え
    前記チップアンテナは、前記主基板側と反対側で前記平面スパイラルコイルと重なり、前記無線通信装置内にて通信相手側に向かうように配置された集磁板を有し、平面視で、前記平面スパイラルコイルの一部が前記グランド電極に重なるとともに、前記平面スパイラルコイルの空芯部が前記切欠き部の少なくとも一部と重な
    前記空芯部と重なる前記切欠き部の面積が、前記空芯部の面積の50%以上であることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記平面スパイラルコイルの形状が矩形であって、
    前記空芯部と重なる前記切欠き部は、前記平面スパイラルコイルに倣った形状であって、その面積が、前記空芯部の面積の87%〜98%であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記集磁板がフェライト基板であって、平面スパイラルコイルの外形寸法以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記切欠き部は、前記端辺の両端から離間した位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のアンテナ装置と、前記アンテナ装置を収容する筐体とを有することを特徴とする無線通信装置。
JP2013111467A 2013-05-28 2013-05-28 アンテナ装置および無線通信装置 Active JP6183688B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013111467A JP6183688B2 (ja) 2013-05-28 2013-05-28 アンテナ装置および無線通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013111467A JP6183688B2 (ja) 2013-05-28 2013-05-28 アンテナ装置および無線通信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014232904A JP2014232904A (ja) 2014-12-11
JP6183688B2 true JP6183688B2 (ja) 2017-08-23

Family

ID=52126080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013111467A Active JP6183688B2 (ja) 2013-05-28 2013-05-28 アンテナ装置および無線通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6183688B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN209045773U (zh) * 2016-06-28 2019-06-28 株式会社村田制作所 天线装置以及电子设备
JP6380718B2 (ja) * 2016-06-28 2018-08-29 株式会社村田製作所 アンテナ装置および電子機器
JP6485608B1 (ja) 2017-04-28 2019-03-20 株式会社村田製作所 Rfidタグ
DE112018004846T5 (de) 2017-09-04 2020-06-18 Sony Semiconductor Solutions Corporation Antennenvorrichtung und kommunikationsvorrichtung

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1125244A (ja) * 1997-06-27 1999-01-29 Toshiba Chem Corp 非接触データキャリアパッケージ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014232904A (ja) 2014-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9997834B1 (en) Antenna device and communication terminal apparatus
US9219301B2 (en) Antenna device, battery pack with antenna, and communication terminal device
JP5673906B1 (ja) 通信端末
JP4883125B2 (ja) アンテナ
JP4894960B2 (ja) 電子機器
JP5561336B2 (ja) アンテナ装置及び携帯端末
US20170194711A1 (en) Antenna device and electronic apparatus
JP5590274B1 (ja) キー入力装置および電子機器
JP4894945B2 (ja) アンテナ
US8730120B2 (en) Transmission/reception antenna and transmission/reception device using same
JP6183688B2 (ja) アンテナ装置および無線通信装置
US10522911B2 (en) Antenna device, card-type information medium, and communication terminal apparatus
JP5593834B2 (ja) 近接型アンテナ及び無線通信機器
JP4883208B2 (ja) アンテナ装置及びこれを備えた通信装置
JP5152395B2 (ja) アンテナ、アンテナ装置及び通信装置
JP4831252B1 (ja) 通信装置
JP2011249936A (ja) 近接型アンテナ及び無線通信機器
JP2011249938A (ja) 近接型アンテナ及び無線通信機器
JP4711010B2 (ja) アンテナ装置
JP5077477B2 (ja) アンテナおよび携帯電話端末
JP4807463B2 (ja) アンテナ装置
JP5712506B2 (ja) 近接型アンテナ及び無線通信機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170713

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6183688

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350