JP4711010B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
本発明は、RF−ID、即ちICカードやICタグ等の無線通信媒体との通信を行う無線通信媒体処理装置、あるいは無線通信媒体そのものに用いられるアンテナ装置に関するものである。
近年、携帯電話等の携帯端末にRF−ID用無線タグを内蔵したものや、非接触型ICカードやICタグを読み取る機能を搭載したものが普及してきており、ループ状のアンテナの開口面に磁性体シートを貼り合わせた(ループ状のアンテナのコイル軸が磁性シートに対して垂直)アンテナ装置が多く用いられている。
しかしながら、金属体がアンテナ裏面に近接している場合は通信性能が劣化しやすく、それを防ぐために磁性体シートを厚くすると携帯端末の小型化・薄型化を妨げることになっていた。
そこで金属体近傍での磁界分布に着目した(特許文献1)のような、近接する金属面に対して水平なコイル軸を持つコイルを用いたアンテナ装置も考案されている。
しかしながら、(特許文献1)の構造では、金属面に対して水平なコイル軸を持つコイルを用いているため、金属体に近接していない場合の通信性能がループ状のアンテナの開口面に磁性体シートを貼り合わせた従来のアンテナを用いたものと比較して劣ってしまう。そのため、設計変更等でアンテナ搭載予定場所が変更された場合には、同じアンテナが使用できなくなるという不具合が生じてしまい、アンテナの選定からやり直す必要が出てくる等、開発に支障をきたしてしまう恐れがある。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、アンテナと金属体の距離によらず、良好な通信性能を有するアンテナ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、ループ状のアンテナと、前記ループ状のアンテナの線路に挿入されているコイルと、を備え、前記コイルは、前記アンテナの線路によって囲まれる開口面に起立状態で巻回配置され、前記開口面に平行であるとともに前記開口面の外部から内部へと通じる方向のコイル軸を有したことを特徴とするアンテナ装置とした。
本発明によれば、アンテナと金属体の距離によらず、良好な通信性能を有するアンテナ装置を提供することができる。
本発明の請求項1に記載の発明によれば、ループ状のアンテナと、ループ状のアンテナの線路に挿入されているコイルと、を備え、コイルは、コイルのコイル軸が、ループ状のアンテナの開口面に平行であり、かつ、ループ状のアンテナの線路のコイルが挿入された前後の部分を流れる電流の向きに非平行であることを特徴とするアンテナ装置とすることにより、アンテナと金属体の距離によらず、良好な通信性能を有するアンテナ装置を提供することができる。
本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1記載のアンテナ装置であって、ループ状のアンテナにコイルを複数設けたことにより、複数配置したコイルによって金属体に生じる渦電流を効率よく利用することができるため、金属体が近い場合でも良好な通信性能を有するアンテナ装置を提供することができる。
本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1記載のアンテナ装置であって、コイルを構成する導体の巻回数が整数倍より略半周分多いあるいは少ないことにより、コイルの端子をコイルの両端に設けることができるので、ループ状のアンテナを構成する線路に容易に挿入することができる。
本発明の請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載のアンテナ装置であって、コイルにおける金属体側の面に巻回された導体の本数が、金属体側の面とは反対側の面に巻回された導体の本数より少ないことにより、コイルは効率よく磁界を作ることができ、また、効率よく磁界を捕捉することができる。
本発明の請求項5に記載の発明によれば、請求項2記載のアンテナ装置であって、コイルがループ状のアンテナの向かい合う2辺に挿入されていることにより、端末の、例えば左右での通信距離のバランスを取りやすくすることができる。
本発明の請求項6に記載の発明によれば、請求項1記載のアンテナ装置であって、ループ状のアンテナが金属体に近接して配置されたとき、コイルが金属体の端部にあるように構成したことにより、金属体の渦電流の密度が高い部分を利用することができるため、良好な通信性能を有するアンテナ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例におけるアンテナ装置の概念図である。
ループ状のアンテナ1は、アンテナ入出力用端子4(あるいは5)からもう片方のアンテナ入出力用端子5(あるいは4)までの電流が流れる経路を提供するものとし、電流によって生じる磁界、あるいは外界からの磁界によって生じた電流によって信号の送受を行うものと定義する。また、ループ状のアンテナ1の線路で囲まれた面を、ループ状のアンテナ1の開口面と定義する。
つまり、本実施例では、ループ状のアンテナ1によって、例えばRFID(13.56MHz)の電波を送受信できるように調整してある。
本実施例では、ループ状のアンテナ1を構成する線路の途中にコイル部2が巻回されているコア3とともに2ヶ所挿入されている。ひとつのコイル部2のコイル軸をAとすると、コイル部2の配置は、コイル軸Aが、ループ状のアンテナ1の開口面に平行であり、かつ、ループ状のアンテナ1の線路のコイルが挿入された前後の部分を流れる電流の向き(本実施例では図1のCの方向)に垂直になっている。
なお、本実施例ではコイル軸AはC方向に対して垂直となっているが、平行でなければよい。
また、本実施例では、コイル部2は、距離Dを隔てて配置された金属体6の端面Bに垂直となるように配置されている。距離Dは0mmから∞まで考えられるが、後述するように、いずれの場合もアンテナ装置として良好な通信性能を有する。
また、コア3には、磁性体を用いることでコイル部2を通過する磁束を増やすことができ、金属体が近接した場合の通信性能がよくなるので好ましいが、磁性体に限らずセラミックや樹脂等で構成されていてもかまわない。
図1においてはコイル部2が2ヶ所ある場合を図示しているが、2ヶ所に限定するものではない。また図1ではコイル部2は向かい合う2辺に挿入されているが、このように配置することで、例えば端末の左右における通信距離のバランスが取れるため好ましい。
さらに図1では2ヶ所のコイル部2は同じ形状をしているが、形状や巻回数等が異なっていてもかまわない。ただし、同じ形状のコイル部2とすることで量産時の取り付けミスや部品品種削減ができるので好ましい。
また、コイル部2の導体の巻回数を本実施例では約1.5ターンで図示し、コア3の金属体に面する面に巻回されている導体の本数(コア3の金属体に面する面において、コア3に導体を巻回す際に導体が面上に巻かれる本数)がコア3の金属体に面する面と反対側の面に巻回されている導体の本数より少なくしている。
このように構成することで、少ない巻回数で効率のよいアンテナ装置にすることができる。
ここで、巻回数の実験の結果を図19に示す。横軸は巻回数、縦軸は0.5巻での磁界強度で正規化した値をプロットした。実験に用いたコイル部2はコア3に21mm×4mm×0.2mmのフェライトを使用し、厚さ0.1mmの銅薄板を、巻回数に合わせて幅1mm〜0.6mmと変化させて試作した。金属体の端にコイル部2を近接して配置し、13.56MHzにおいて50Ωに整合をとり、信号発生器より13.56MHzにおいて20dBmの正弦波信号をアンテナに入力し、金属体の主面の上空30mmにおける磁界強度を測定した。
図19に示されているように、磁界強度は巻回数が増えるに伴い増加している。しかし、増加率を考えると、巻回数が整数から半周分増えるときに大きく増えていることがわかる。金属体6に面さない側の導体は金属体6の表面の渦電流の影響は少ないが、金属体6に面した側のコイル部2の導体には、金属体6の表面の渦電流によって打ち消される方向の電流が生じるため、整数倍の巻回数のときには磁界強度の増加が少ないものと推測できる。
ここで、図19の実験は、ループ状のアンテナ1を形成していない状態で行ったが、ループ状のアンテナ1を形成した場合でも、コイル部2が金属体6から受ける影響は同様に考えられるため、ループ状のアンテナ1に挿入したコイル部2においても、少ない巻回数で効率のよいアンテナ装置にすることができると言える。
ただし、巻回数は限定されるものではなく、巻回数は図1に図示している約1.5ターンより多くても少なくてもかまわない。
なお、巻回数を整数倍より約0.5ターン増やすまたは減らすことは、コイル部2の両端(ループ状のアンテナ1との接続部)がコア3を挟んで両サイドにできるため、ループ状のアンテナ1に挿入しやすくなる。
つまり、通常のループアンテナの直線部分を置き換えるような形で挿入することができるため、挿入しやすくなる。
また、コイル部2の巻き方については、右巻きでも左巻きでもよく、配置する位置に応じて適宜選択することができる。
また、コイル部2とループ状のアンテナ1の導体との接続は、はんだやコネクタによる接続等、通常利用される接続方法を使用できる。あるいは、コイル部2とループ状のアンテナ1は1本の繋がった導体で形成してもかまわない。アンテナ入出力用端子4、5は、一般的に知られているように整合回路およびICの入出力端子に接続されるものとし、接続方法はピンやバネによる接触やはんだ付け、コネクタによる接続等通常利用される接続方法を用いることができる。
図2は本発明の実施例におけるアンテナ装置の概念図である。上記実施例では、コイル部2のコイル軸は、コア3の短辺に平行となるようにしているが、図2では、コイル部2のコイル軸をコア3の長辺に平行となるようにしているおり、コイル部2とコア3の形状が異なる。つまり、図2に示すように所望する特性や、搭載するスペースに合わせてコイル部2とコア3の形状は自由に選ぶことができる。
図3は本発明の実施例におけるアンテナ装置の概念図である。
金属体6に近接して配置されたループ状のアンテナ1とコイル部2、コア3とアンテナ入出力用端子4、5より構成されている。コイル部2は金属体6の端部に位置するように配置されている。外界からループ状のアンテナ1の開口面に垂直な方向の磁界が到来した場合、金属体6の面上に渦電流が生じる。この渦電流は金属体6の端部の方が密度が高いため、コイル部2を金属体6の端部に位置するように配置することで金属体6の面上を流れる渦電流を最も効率よく利用できるため好ましい。また、渦電流の密度は金属体6のカド部では低くなるため、カド部へのコイル部2の配置は避けた方が好ましい。
図3では、アンテナ装置と金属体6との間隔が確保しづらい携帯端末を想定しており、その場合、金属体6は例えば携帯端末内の基板となるが、他の金属体、例えばバッテリーや液晶表示パネル等であってもかまわない。ループ状のアンテナ1を構成する導体は、被覆銅線等で構成されてもよいが、金属体6上に形成された電極パターン等でもかまわない。コイル部2と磁性体コア3も金属体6上に実装されている構成としてもよい。図示していないが、ループ状のアンテナ1のループ内側の空いているスペースには、他の部品、例えばカメラモジュールやスピーカー、RFモジュール、他周波用のアンテナ等を実装することができる。
次に図4から図9を用いて本発明のアンテナ装置の動作概念を説明する。
図4は金属体が遠方にある場合で、アンテナから送信する場合の本発明の概念図である。アンテナ入出力用端子4、5へ入った信号によりループ状のアンテナ1に電流7が流れ、磁界8が生じる。コイル部2によって生じる磁界13は磁界8に対して直交しているため磁界8への影響はない。金属体6には電流7による磁界8を打ち消す方向の渦電流9が発生するが、遠方にあるため大きな影響はない。したがって、金属体6が遠方にある場合は従来のループ状のアンテナと同様に通信するため、本発明のアンテナ装置は金属体が遠方にある場合も良好な通信状態を得ることができる。
図5は金属体が遠方にある場合で、アンテナが外部からの磁界を受ける場合の本発明の概念図である。外界からの磁界10とループ状のアンテナ1を通過する磁界11は距離に応じた関係にあり、磁界11によってループ状のアンテナ1には電流7が誘導され、アンテナ入出力用端子4、5を通って出て行く。コイル部2のコイル軸は磁界11に対して直交しているため、電流7に影響を与えない。金属体6には磁界10による渦電流9が生じ、反対向きの磁界12ができるが遠方にあるため影響は小さい。したがって、金属体6が遠方にある場合は従来のループ状のアンテナと同様に通信するため、本発明のアンテナ装置は金属体が遠方にある場合も良好な通信状態を得ることができる。
つまり、本実施例では、渦電流9を打ち消す方向に電流が発生するように、コイル部2を配置している。
図6は金属体が近傍にある場合で、アンテナから送信する場合の本発明の概念図である。アンテナ入出力用端子4、5へ入った信号によりループ状のアンテナ1に電流7が流れ、磁界8が生じる。金属体6には電流7による磁界8を打ち消す方向の渦電流9が発生し、結果として磁界8は小さくなりアンテナの通信性能が劣化することとなるはずであるが、コイル部2を流れる電流によってコイル部2を貫く磁界13が生じ、この磁界13によって金属体6に電流14が生じる。この電流14は渦電流9と反対向きであり、打ち消し合うので、結果として磁界8は渦電流9から受ける影響が小さくて済む。したがって、金属体6が近傍にある場合も本発明のアンテナ装置は良好な通信状態を得ることができる。
図7は金属体が近傍にある場合で、アンテナが外部からの磁界を受ける場合の本発明の概念図である。外界からの磁界10によってループ状のアンテナ1には電流7が、金属体6には渦電流9が生じる。金属体6とループ状のアンテナ1が近いため、渦電流9による反対方向の磁界12によってループ状のアンテナ1を通過する磁界11が小さくなってしまい、結果として電流7は少なくなってしまうはずであるが、渦電流9によって生じる磁界がコイル部2を通過することでコイル部2には磁界13を作り出すような電流が流れ、結果として電流7が少なくならない。したがって、金属体6が近傍にある場合も本発明のアンテナ装置は良好な通信状態を得ることができる。
比較例として、図8は金属体が近傍にある場合で、アンテナから送信する場合の従来例の概念図である。金属体から離れている場合には、もちろん金属体の影響は受けないが、図8に示すように、アンテナ入出力用端子4、5へ入った信号によりループ状のアンテナ101に電流7が流れ、磁界8が生じる。金属体6には電流7による磁界8を打ち消す方向の渦電流9が発生し、結果として磁界8は小さくなりアンテナの通信性能が劣化することとなる。したがって、金属体6が近傍にある場合は従来のループ状のアンテナ101では十分な通信性能が得られない。
図9は金属体が近傍にある場合で、アンテナが外部からの磁界を受ける場合の従来例の概念図である。外界からの磁界10によってループ状のアンテナ101には電流7が、金属体6には渦電流9が生じる。金属体6とループ状のアンテナ101が近いため、渦電流9による反対方向の磁界12によってループ状のアンテナ101を通過する磁界11が小さくなってしまい、結果として電流7は少なくなってしまう。したがって、金属体6が近傍にある場合は従来のループ状のアンテナ101では十分な通信性能が得られない。
図8や図9の状況では、金属体6の影響を小さくするため図10に示すように磁性体シート115を利用することが一般的であるが、アンテナ占有面積と厚みが増えてしまい、アンテナを搭載する携帯電話等の小型化が困難となってしまう。
本実施例である図6および図7の状態では、金属体6に流れる電流を利用して金属体6をアンテナとして利用しているとも言える。携帯端末における金属体はアンテナ装置より大きい場合が多いため、狭い占有面積のアンテナで大きい金属体をアンテナ装置として利用できることは今後の携帯端末の小型薄型化に大きく貢献できると考えられる。
以上の各図においてループ状のアンテナ1および101は1ターンで描かれているが、巻回数は1ターンに限定されるものではなく複数ターンにしてもかまわない。複数ターンにした場合は、ループ状のアンテナ1の最外周の線路の一部のみをコイル部2で構成する、あるいは、各ターンの線路に挿入し、各コイル部2のコイル軸が共通となるように配置することで、金属体が近接した場合の通信性能劣化が少なくなるので好ましい。また線1本で図示しているが、図面の簡略のためであり、実際には幅や厚みを持っている。
図14は、本発明のアンテナ装置と、図13に示すような従来構造で構成した比較用のアンテナとで実験した結果である。横軸に金属体とアンテナの距離、縦軸には、アンテナを13.56MHzで50Ωに整合して、13.56MHz、20dBmの正弦波信号を入力したときにアンテナから30mm上空で測定した磁界強度をプロットしたものである。
実験に用いた本発明のアンテナ装置は、ループの外形を40mm×25mmにして、2つある25mmの辺を、21mm×4mm×0.2mmの磁性体コアに線幅1mmで厚み0.1mmの銅薄板を用いて1.5ターン巻回したコイル1個ずつで置き換えた、図1の実施例1のような構成で試作した。従来構造の比較用のアンテナは、外形は同じく40mm×25mmとし、線幅1mmで厚み0.1mmの銅薄板を用いて1ターンで構成した、図13に示すような構成で試作した。金属体には40mm×110mmの携帯端末を想定したサイズのベタ基板を用いた。
図14からわかるように、従来のものは金属体から離れているときと比較して、近づいている場合には、磁界強度が10分の1以下となってしまい通信特性を維持できないのに対して、本発明のアンテナ装置では金属体が近づいても磁界強度の劣化が小さく、金属体が近くにある場合でも通信特性を維持することができる。したがって、本発明は、アンテナと金属体の距離によらず、良好な通信性能を有するアンテナ装置を提供することができると言える。
次に、本発明の通信範囲について、図15〜図18を用いて説明する。
図15は、図14の実験で用いたアンテナを図16および図17のように配置して、アンテナ側面から30mmの距離における磁界強度を0°から90°まで測定した結果である。基板27は携帯端末を模した40mm×110mmサイズのベタ基板を使用し、従来構成の比較用アンテナの測定には、0°方向の磁界強度が図16とほぼ同じになるように、図17に示すようにループ状のアンテナ101と基板27の間に41mm×26mm×0.2mmの磁性体シートを挿入している。
図15からわかるように、本発明のアンテナ装置は90°方向の磁界強度が従来構成の比較用アンテナより強い。これは、コイル軸が基板に平行であるために、90°方向の磁界が強められたと考えられる。
つまり、従来は、ループ状のアンテナのコイル軸が基板に垂直であるため、基板に垂直な方向(つまり、0°方向)の場合には、通信特性が維持できるが、90°方向の場合には、ループ状のアンテナのコイル軸が磁界の向きと垂直になるため通信特性が悪くなるが、本実施例では、90°方向の場合には、コイル部のコイル軸が磁界の向きと一致するため、通信特性を維持することができる。
このことは図18に示すように、端末28、29同士を横並びで画面を見ながらのデータ交換等を行う端末間通信(ピアツーピア)において有利であり、また、従来主に行われている支払いや改札等の端末背面方向への通信(図15の0°方向)と両立できているため、本発明は非常に有効であると言える。
なお、本実施例ではループ状のアンテナを利用しているが、図11に示すように、金属体6上に実装されたコイル部2の端子16が、金属体6のグランドへ接続されている形状にしてもよい。
この場合、端子16同士を金属体6に密着させた被覆銅線で接続した場合を考えてみると、この部分の銅線で誘導される電流はないため、端子16同士の電位は等しいことがわかる。
したがって、端子16を金属体6へ接続することができ、アンテナ入出力用端子4からコイル部2、端子16を通って金属体6を経由しもう一方の端子16とコイル部2を通って入出力端子5へと繋がるループ状の経路が形成される。こうすることでループ状のアンテナ1の導体の一部を省略でき、端末設計が簡略化できる。
次に、本発明のアンテナ装置を携帯端末に搭載する場合について、詳細に説明する。図12は本発明の実施例における携帯端末を分解した場合の斜視図である。
携帯端末20は液晶パネル21、操作用のボタン22、筐体25と筐体26、その中に収められる基板23、バッテリー24等で構成されている。本発明のループ状のアンテナ1およびコイル部2、コア3、アンテナ入出力用端子4、5は筐体26内側の形成されている。ループ状のアンテナ1の線路、アンテナ入出力用端子4、5は板金や金属箔テープ、あるいは印刷等によって形成され、コイル部2は粘着テープによる貼り付けやビスによる固定等で所定の場所に取り付ける。ループ状のアンテナ1の線路とコイル部2の接続は、コネクタや圧着等の接触接続、あるいは、はんだ付けや溶接等によって行われ、アンテナ入出力用端子4、5とICの接続はピンによる接触やコネクタ接続、導線のはんだ付け等が考えられる。筐体26と基板23の間にできる空間にはRF−ID用ICや整合回路、他周波用アンテナ、カメラユニット、スピーカー、RFモジュール等の部品が配置され、これらの部品とループ状のアンテナ1およびコイル部2、コア3が接していても離れていても良好な通信ができる。
また、図1〜3では金属体6の端面は平面で形成されており、コイル部2も直線の導体で形成されているが、図20のように金属体6の端面は曲面であってもよく、コイル部2も金属体6の曲面に合わせた曲線状で形成されていてもよい。
本発明のアンテナ装置によれば、アンテナとアンテナを搭載する筐体にある金属体との距離によらず、アンテナの通信特性を維持することができるため、携帯電話等の様々な電子機器のアンテナとして有用である。
1 ループ状のアンテナ
2 コイル部
3 コア
4、5 アンテナ入出力用端子
6 金属体
7、14 電流
8、10、11、12、13 磁界
9 渦電流
16 端子
20 携帯端末
21 液晶パネル
22 ボタン
23 基板
24 バッテリー
25、26 筐体
27 基板
2 コイル部
3 コア
4、5 アンテナ入出力用端子
6 金属体
7、14 電流
8、10、11、12、13 磁界
9 渦電流
16 端子
20 携帯端末
21 液晶パネル
22 ボタン
23 基板
24 バッテリー
25、26 筐体
27 基板
Claims (6)
- ループ状のアンテナと、
前記ループ状のアンテナの線路に挿入されているコイルと、を備え、
前記コイルは、前記アンテナの線路によって囲まれる開口面に起立状態で巻回配置され、前記開口面に平行であるとともに前記開口面の外部から内部へと通じる方向のコイル軸を有したことを特徴とするアンテナ装置。 - 前記ループ状のアンテナに前記コイルを複数設けたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
- 前記コイルを構成する導体は、1周または複数周より略半周分多い巻回数だけ巻回されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
- 前記ループ状のアンテナの開口面の一方の面に設けた金属体を設け、前記コイルにおける前記金属体側の面に巻回された前記導体の本数が、前記金属体側の面とは反対側の面に巻回された前記導体の本数より少ないことを特徴とする請求項3記載のアンテナ装置。
- 前記コイルが前記ループ状のアンテナの向かい合う2辺に挿入されていることを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
- 前記ループ状のアンテナが金属体に近接して配置されたとき、前記コイルが前記金属体の端部にあるように構成したことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
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