JP5884968B2 - 積層チップ共振器 - Google Patents
積層チップ共振器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5884968B2 JP5884968B2 JP2011241516A JP2011241516A JP5884968B2 JP 5884968 B2 JP5884968 B2 JP 5884968B2 JP 2011241516 A JP2011241516 A JP 2011241516A JP 2011241516 A JP2011241516 A JP 2011241516A JP 5884968 B2 JP5884968 B2 JP 5884968B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic
- ceramic sintered
- layer
- multilayer chip
- laminated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Coils Or Transformers For Communication (AREA)
Description
一方、従来、電磁誘導方式で交信するには通信周波数(例えば、RFID(Radio Frequency Identification)システムで使用される13.56MHz)で共振する共振回路を構成するコイル共振器が使用されてきた。このコイル共振器は絶縁基材の一方の面に平面構造で形成されることが一般的である。また、カード型では、カードの外周に沿う様にしてほぼ長方形に形成されることが一般的である。そして、カード型の場合、カード形状が大きいため、平面構造でも所定のインダクタンスを確保するためのコイル共振器の巻き数は3,4回程度で十分であった。
特許文献1に記載の技術のように絶縁基材の一方の面に平面構造で形成されるコイルでは面積が大きいため小型化が難しいという不都合があった。また、特許文献2に記載のRFIDタグや特許文献3に記載のアンテナ構造では、積層構造を採用することで小型化を図っているが、実装基板等の上に設置された場合、共振器を形成するアンテナコイルの直下に金属配線が存在すると、アンテナコイルのインダクタンスはその影響で大きくなってしまい共振周波数がずれてしまう問題があった。また、これらのアンテナ構造をRFIDタグに採用した場合、リーダ/ライタからの磁界により、直下の金属配線等に渦電流が発生し、該渦電流による磁界(反磁界)がリーダ/ライタからの磁界を相殺してしまって通信が不安定になる不都合があった。そのため、実装基板上の金属配線を避けてその影響を受けないように実装する、もしくは金属配線上に実装する場合は、搭載される実装基板の種類が変わる都度、アンテナコイルの巻き数を変えてインダクタンスの調整をする必要があった。そのため、アンテナ構造の設計変更や周囲部品・配線等の配置を検討せざるを得ないなどの不都合があった。
なお、既知の磁性体シートをチップ状の共振器に貼り付ける方法も考えられるが、この場合、チップ状の共振器に比べて磁性体シートが大きいために位置合わせが難しく、貼り合わせズレが生じ易くて特性ばらつきが生じてしまう。これに対して本発明では、セラミックス焼結層と共に磁性体層も一体に積層し、チップ化しているため、さらなる小型化が可能であると共に、位置ずれも無く特性ばらつきも極めて少ない。また、既知の磁性体シートは、磁性体層を粘着層を介してPETフィルム等で挟んだ構成を有しているため、リフロー工程などの熱処理を行うことができない。これに対して本発明では、一対の端部電極が、セラミックス焼結層と共にチップ化された磁性体層の一対の側面にも形成されていると共に、PETフィルム等が無いため、リフロー工程による表面実装も可能である。
すなわち、この積層チップ共振器では、磁性体層の内部,上面又は下面に、非磁性導電体平板部が形成されているので、非磁性導電体平板部によるオンメタル(登録商標)構造を採用することで、磁束の逃げを防止して金属配線等の金属体の影響をより低減し、共振周波数のずれや通信距離が短くなることをさらに抑制することができる。
すなわち、この積層チップ共振器では、複数のコイル状導体パターンが、積層されたセラミックス焼結層の上面近傍に形成されることで、挿入損失特性において上面に近いほど減衰が深くなることから、より良好な通信特性を得ることができる。
すなわち、この積層チップ共振器では、誘電体材料が、PbO/La2O3/BaTiO3 /Ag2O/ZrO2/TiO2/WO3系リラクサー系材料であり、磁性体材料が、Fe2O3/Ni2O/CuO/ZnO系フェライト材料であるので、誘電体材料の鉛複合ペロブスカイト結晶構造と磁性体材料のスピネル結晶構造が焼結反応で破壊されず、維持される。これにより、セラミックス焼結層が、安定したDCバイアス特性の上記リラクサー系材料の誘電体材料特性で得られるキャパシタンスと、該リラクサー系材料に混合同時焼結されても信頼性の高い上記フェライト材料の磁性体材料特性で得られるインダクタンスとの両特性を兼ね備えることができる。
すなわち、この積層チップ共振器では、非磁性導電体平板部が、一対の端部電極の一方に接続されているので、一方の端部電極をグランド側に接続すれば実装基板側からの静電ノイズをグランド側に逃がして抑制することで、コイル状導体パターンで構成されるコイルへの影響を小さくすることができ、磁束の変動を抑制可能である。
すなわち、本発明に係る積層チップ共振器によれば、最下層のセラミックス焼結層下に積層され金属酸化物の磁性体材料又は該磁性体材料と焼結助剤のガラス材とを混合した材料で形成された磁性体層を備えてチップ化されているので、直下の実装基板に金属配線が存在していてもインダクタンスの変化が生じずに良好な通信が得られると共に特性ばらつきが少なく、より小型化が可能でさらに表面実装も可能になる。
したがって、本発明では、必要なインダクタンス値を確保しながら、実装場所の限定無くインダクタンス及びキャパシタンスの調整も不要であり、特に、従来よりも小型で表面実装が可能であるため、13.56MHzの電磁誘導方式で交信するRFIDシステム用のチップ共振器に好適である。
上記セラミックス焼結層2は、図3に示すように、本実施形態では7層が積層され、上から4層目及び5層目のセラミックス焼結層2の上面にコイル状導体パターン3がそれぞれ中心軸を一致させて形成されている。
また、上記コイル状導体パターン3は、セラミックス複合材料グリーンシートの上に印刷又はフォトリソグラフィ法でパターン形成される。
セラミックス焼結層2の誘電体材料としては、既知の種々の材料が採用可能であるが、PbO/La2O3/BaTiO3 /Ag2O/ZrO2/TiO2/WO3系リラクサー系材料であることが好ましい。また、セラミックス焼結層2の磁性体材料としては、既知の種々の材料が採用可能であるが、Fe2O3/Ni2O/CuO/ZnO系フェライト材料であることが好ましい。
上記磁性体層4の磁性体材料としては、既知の種々の材料が採用可能であるが、Fe2O3/Ni2O/CuO/ZnO系フェライト材料であることが好ましい。
また、上記磁性体材料のFe2O3/Ni2O/CuO/ZnO系フェライト材料としては、Fe2O:55〜70wt%、ZnO:10〜20wt%、NiO:5〜15wt%、CuO:5〜10wt%を含有した成分組成を有するものが採用される。
なお、上記一対の端部電極5は、受・給電用端子、兼実装用端子となる。
すなわち、第3実施形態では、非磁性導電体平板部36の端部が一方の端部電極5まで延在して形成され、一方の端部電極5と接続され電気的に導通している。
このように第4実施形態の積層チップ共振器41では、複数のコイル状導体パターン3が、積層されたセラミックス焼結層2の上面近傍に形成されることで、挿入損失特性において上面に近いほど減衰が深くなることから、より良好な通信特性を得ることができる。
この結果からわかるように、実施例1では、搭載される基板が非金属又は金属であっても中心周波数はほとんど変化していない。このように、実施例1の積層チップ共振器は、13.56MHzの電磁誘導方式通信に対して良好な共振特性を有している。
この結果からわかるように、実施例2では、搭載される基板が非金属又は金属であっても中心周波数は実施例1よりも変化していない。このように、実施例2の積層チップ共振器は、13.56MHzの電磁誘導方式通信に対してさらに良好な共振特性を有している。
この結果からわかるように、比較例4では、本発明の上記各実施例と比較して金属基板の影響を大きく受けてしまい、中心周波数が大きくずれてしまっていることが確認された。
また、上記第2実施形態では、磁性体層の内部に非磁性導電体平板部が形成されているが、磁性体層の上面又は下面に、非磁性導電体平板部が形成されていても構わない。
Claims (4)
- 誘電体材料と磁性体材料とを添加した混合材料で形成され積層された複数のセラミックス焼結層と、
これらセラミックス焼結層の間に設けられ互いにスルーホールを介して接続された複数のコイル状導体パターンと、
最下層の前記セラミックス焼結層下に積層され金属酸化物の磁性体材料又は該磁性体材料と焼結助剤のガラス材とを混合した材料で形成された磁性体層とを備え、
全体がチップ状に形成され、互いに対向する一対の側面に前記コイル状導体パターンの端部に接続された一対の端部電極が設けられ、
前記誘電体材料が、PbO/La 2 O 3 /BaTiO 3 /Ag 2 O/ZrO 2 /TiO 2 /WO 3 系リラクサー系材料であり、
前記磁性体材料が、Fe 2 O 3 /Ni 2 O/CuO/ZnO系フェライト材料であることを特徴とする積層チップ共振器。 - 請求項1に記載の積層チップ共振器において、
前記磁性体層の内部,上面又は下面に、非磁性導電体平板部が形成されていることを特徴とする積層チップ共振器。 - 請求項1又は2に記載の積層チップ共振器において、
前記複数のコイル状導体パターンが、積層された前記セラミックス焼結層の上面近傍に形成されていることを特徴とする積層チップ共振器。 - 誘電体材料と磁性体材料とを添加した混合材料で形成され積層された複数のセラミックス焼結層と、
これらセラミックス焼結層の間に設けられ互いにスルーホールを介して接続された複数のコイル状導体パターンと、
最下層の前記セラミックス焼結層下に積層され金属酸化物の磁性体材料又は該磁性体材料と焼結助剤のガラス材とを混合した材料で形成された磁性体層とを備え、
全体がチップ状に形成され、互いに対向する一対の側面に前記コイル状導体パターンの端部に接続された一対の端部電極が設けられ、
前記磁性体層の内部,上面又は下面に、非磁性導電体平板部が形成され、
前記非磁性導電体平板部が、前記一対の端部電極の一方に接続されていることを特徴とする積層チップ共振器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011241516A JP5884968B2 (ja) | 2011-11-02 | 2011-11-02 | 積層チップ共振器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011241516A JP5884968B2 (ja) | 2011-11-02 | 2011-11-02 | 積層チップ共振器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013098428A JP2013098428A (ja) | 2013-05-20 |
JP5884968B2 true JP5884968B2 (ja) | 2016-03-15 |
Family
ID=48620056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011241516A Expired - Fee Related JP5884968B2 (ja) | 2011-11-02 | 2011-11-02 | 積層チップ共振器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5884968B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9389587B2 (en) | 2013-01-17 | 2016-07-12 | Omega S.A. | Part for a timepiece movement |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3896965B2 (ja) * | 2002-01-17 | 2007-03-22 | 三菱マテリアル株式会社 | リーダ/ライタ用アンテナ及び該アンテナを備えたリーダ/ライタ |
JP2003272925A (ja) * | 2002-03-18 | 2003-09-26 | Mitsubishi Materials Corp | 電子部品 |
JP2004221572A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-08-05 | Tdk Corp | 電子部品及び多層基板 |
JP2006319223A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Murata Mfg Co Ltd | 積層コイル |
JP4802662B2 (ja) * | 2005-11-01 | 2011-10-26 | パナソニック株式会社 | ノイズフィルタ |
-
2011
- 2011-11-02 JP JP2011241516A patent/JP5884968B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9389587B2 (en) | 2013-01-17 | 2016-07-12 | Omega S.A. | Part for a timepiece movement |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013098428A (ja) | 2013-05-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9705192B2 (en) | Antenna device and communication terminal apparatus | |
US9490062B2 (en) | Chip electronic component | |
JP5403279B2 (ja) | Rfタグの製造方法、磁性体アンテナの製造方法及び当該rfタグを実装した基板、通信システム | |
JP6447751B2 (ja) | コイル内蔵部品 | |
JP6635116B2 (ja) | 多層基板および電子機器 | |
WO2010087413A1 (ja) | 磁性体アンテナ及びrfタグ並びに該rfタグを実装した基板 | |
KR20150058869A (ko) | 적층형 인덕터 | |
US20130214889A1 (en) | Multilayer type inductor and method of manufacturing the same | |
JP6011377B2 (ja) | アンテナ、アンテナ装置、及び携帯端末 | |
KR20140011694A (ko) | 칩소자, 적층형 칩소자 및 이의 제조 방법 | |
KR20190044262A (ko) | 코일 전자부품 | |
KR102551243B1 (ko) | 코일 부품 | |
KR101153496B1 (ko) | 적층형 인덕터 및 적층형 인덕터 제조 방법 | |
JP5924167B2 (ja) | 積層チップ共振器及びこれを備えたアンテナ装置 | |
KR101548879B1 (ko) | 칩 부품 및 이의 실장 기판 | |
JP2019008596A (ja) | 配線基板およびrfidタグ | |
JP5884968B2 (ja) | 積層チップ共振器 | |
JP2018166160A (ja) | Rfid用基板およびrfidタグ | |
JP5975280B2 (ja) | アンテナ装置 | |
JP5884538B2 (ja) | 表面実装型アンテナ | |
JP2005259774A (ja) | 開磁路型積層コイル部品 | |
JP5617614B2 (ja) | コイル内蔵基板 | |
CN107871586B (zh) | 层叠型电子部件的制造方法 | |
JP4788419B2 (ja) | コモンモードノイズフィルタ | |
JP2014086945A (ja) | アンテナ装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140925 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150824 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150908 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151030 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160113 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160126 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5884968 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |