JP2014052514A - 表示装置、及び、その製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】正確なドット着弾位置補正値を取得して、製造する表示装置の表示品質を保持する。
【解決手段】遮光部としての隔壁4形成領域と、該隔壁4形成領域によって区画される光透過部としての着色膜5形成領域と、を備え、着色膜5形成領域が所定方向および該所定方向と交差する交差方向に複数並んで形成された表示装置としてのカラーフィルター1であって、着色膜5形成領域の周縁部近傍である隔壁4形成領域に、略矩形の着色膜5形成領域の外形の各辺の長さを複数段階に分けて表示する目盛り90が設けられたことを特徴とするカラーフィルター1(カラーフィルター1用の基板2)。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示装置、及び、その製造方法に関する。
機能液を液滴にして吐出するインクジェット法を用いて塗布し、塗布された機能液を固化して膜を形成する方法が広く採用されている。そして、機能液には染料や顔料を含んで着色する機能を有する液状体や、金属粒子を含んで金属配線を形成する機能を有する液状体等の多種類の液状体が用いられている。
カラーフィルターの製造においては、マトリクス状に区画された領域を着色する機能液が塗布される。このとき、カラーフィルターが透過する光の色調の品質を良くするためには機能液の量を品質よく塗布する必要がある。
インクジェット法を用いて基板に機能液を塗布する液滴吐出装置が特許文献1に開示されている。液滴吐出装置は液滴吐出ヘッドを備え、液滴吐出ヘッドには液滴を吐出する複数のノズルが形成されている。液滴吐出ヘッドには各ノズルと連通するキャビティとキャビティの体積を増減させる振動子が設置されている。そして、振動子がキャビティの体積を増減させることにより、キャビティに充填された液状体が液滴となってノズルから吐出される。
液滴吐出装置はワークを移動させるワーク移動機構と液滴吐出ヘッドを移動させるヘッド移動機構とを備えている。このワークと液滴吐出ヘッドとは直交する方向に移動する。そして、機能液を塗布する場所と対向する場所に液滴吐出ヘッドが位置するときに、液滴吐出ヘッドから液滴を吐出する。これにより、所定の位置に液滴を着弾させてワークに所定のパターンを描画していた。
特開2008−94044号公報
しかしながら、インクジェット法を用いてカラーフィルターを形成するとき、液滴吐出ヘッドのノズル形成面が機能液で汚れてそれが固化したり、その他の異物が付着したりすることなどにより、ノズルから吐出する機能液の軌道を変化させ、ワーク上の液滴の着弾位置が所定の適正着弾位置からずれる虞があった。これにより、カラーフィルターの着色部の色合いが不均一になったり、望まない色との混色が生じてカラーフィルターの表示品質を劣化させる虞があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る表示装置は、遮光部と、前記遮光部によって区画される光透過部と、を備え、前記光透過部が所定方向および該所定方向と交差する交差方向に複数並んで形成された表示装置であって、前記光透過部の周縁部近傍に、前記光透過部の前記所定方向および前記交差方向のうち少なくとも一方の長さを複数段階に分けて表示する目盛りが設けられたことを特徴とする。
本発明の表示装置は、表示装置の基板に対して液滴吐出ヘッドから液体を吐出する液滴吐出装置を用いて製造される表示装置を対象としている。
本適用例によれば、表示装置そのものの光透過部の周縁部近傍に目盛りが設けられているので、液滴吐出装置の液滴吐出ヘッドから表示装置の光透過部に液体を吐出させて確認用ドットを形成し、その確認用ドットの着弾位置と、所定の適正着弾位置とのずれ量を目盛りを用いて定量的に把握して、ずれ量を補正し得る補正値を液滴吐出装置にフィードバックすることができる。
したがって、テスト印刷用のダミー基板を別に用意することなく、また、基板にテスト印刷領域を設けることなく、液滴吐出ヘッドからの液体の着弾位置を所定の適正位置に補正することができるので、効率的な製造方法により安定した表示品質を有する表示装置を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の表示装置において、前記目盛りが、前記遮光部に形成されたことを特徴とする。
本適用例によれば、遮光部は表示装置の実質的な表示品質には影響しないので、表示品質を劣化させることなく、目盛りを用いた液体の着弾位置の補正をすることが可能な表示装置とすることができる。
[適用例3]上記適用例に記載の表示装置において、前記目盛りが、当該表示装置の所望の表示品質を損ねない大きさで前記光透過部に設けられたことを特徴とする。
本適用例によれば、例えば、表示装置としてのカラーフィルターの場合のように、遮光部となる隔壁(バンク)に撥液処理を有している場合などに、密着力が確保された目盛りを形成することができる。
[適用例4]上記適用例に記載の表示装置において、前記目盛りが、前記光透過部の外形形状の非直線的な変化により形成されていることを特徴とする。
本適用例によれば、インクや金属薄膜、あるいは罫書きするなどの加工を別に施すことなく、光透過部の外形形状の変化を目盛りとして、液体の着弾位置の補正に利用することができる。
[適用例5]本適用例の表示装置の製造方法は、遮光部と、前記遮光部によって区画される光透過部と、を備え、前記光透過部が所定方向および該所定方向と交差する交差方向に複数並んで形成され、前記光透過部の周縁部近傍に、前記光透過部の前記所定方向および前記交差方向のうち少なくとも一方の長さを複数段階に分けて表示する目盛りが設けられた表示装置を、液滴吐出装置を用いて製造する表示装置の製造方法であって、前記光透過部に液体を吐出して確認用ドットを形成する確認用ドット形成ステップと、前記確認用ドットの着弾位置と、所定の適正ドット着弾位置とのずれ量を、前記目盛りを用いて定量的に検知するずれ量検知ステップと、前記ずれ量検知ステップで検知した前記ずれ量に基づいて、前記確認用ドットの着弾位置を前記所定の適正ドット着弾位置に補正する補正値を取得する補正値取得ステップと、前記補正値を前記液滴吐出装置にフィードバックする補正制御ステップと、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、液滴吐出装置の液滴吐出ヘッドから表示装置の光透過部に液体を吐出させて確認用ドットを形成し、その確認用ドットの着弾位置と、所定の適正着弾位置とのずれ量を、表示装置そのものに設けられた目盛りを用いて定量的に検知することができ、検知した着弾位置のずれ量を補正し得る補正値を取得して液滴吐出装置にフィードバックすることができる。
したがって、テスト印刷用のダミー基板を別に用意することなく、また、基板にテスト印刷領域を設けることなく、液滴吐出ヘッドからの液体の着弾位置を所定の適正位置に精度よく補正することが可能になるので、安定した表示品質を有する表示装置を効率的に製造することが可能な表示装置の製造方法を提供することができる。
第1の実施形態に係る表示装置の一部としてのカラーフィルターを示す模式平面図。 (a)は、図1のD部を拡大して示す模式平面図、(b)は、図1のA−A’線断面図。 第1の実施形態のカラーフィルターの製造方法に係る液滴吐出装置の構成を示すものであり、(a)は、液滴吐出装置の全体の構成を示す概略斜視図、(b)は、液滴吐出ヘッドの配置を示す模式平面図、(c)は、液滴吐出ヘッドの構造を説明するための要部模式断面図。 液滴吐出装置の電気制御ブロック図。 基板に液滴を吐出してカラーフィルターを製造する製造工程を示すフローチャート。 第2の実施形態に係るカラーフィルターの一部(図2と同じ部分)を拡大して示す模式平面図。 第3の実施形態に係るカラーフィルターの一部(図2、図6と同じ部分)を拡大して示す模式平面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態における液滴吐出装置の例と、この液滴吐出装置を用いて液滴を吐出して形成する表示装置としてのカラーフィルター、および、カラーフィルターを形成する特徴的な製造方法の例とについて図面に沿って説明する。
(カラーフィルター)
最初に、カラーフィルター1について図1を用いて説明する。図1は、カラーフィルターの一実施形態を示す模式平面図である。また、図2(a)は、図1のカラーフィルターのD部を拡大して示す模式平面図、(b)は、図1のA−A’線に沿う模式断面図である。
カラーフィルター1は、液晶テレビ等の表示装置に用いられ、画像信号に応じた輝度分布をもつ白色光をカラーフィルター1に通過させることにより、カラー画像を形成する。図1に示すように、カラーフィルター1は基材としての基板2を備えている。この基板2は光透過性があり、張力に対して破れ難い強度があればよく、ガラス板、プラスチック板、プラスチックシート等を用いることができる。本実施形態においては、例えば、ガラス板を採用している。基板2の上面には着色素子3が縦横並んで配列して形成されている。そして、着色素子3は赤、青、緑色の着色素子3により構成され、各色の着色素子3が列毎に配列して配置されている。図1(a)において、上から赤色素子列3a、青色素子列3b、緑色素子列3cの順に着色素子3が配列して配置されている。そして、赤色素子列3a、青色素子列3b、緑色素子列3cが、図中の上から下へ、この順番を繰り返してストライプ状に配置されている。
着色素子3は格子状に形成された遮光部としての隔壁(バンク)4を備えている。隔壁4は、基板2上にスパッタリングや蒸着などの方法により形成された金属膜4aと、その金属膜上に樹脂材料により形成された壁部4bとにより構成され、金属膜4aにより隔壁4を光が透過しないようになっている。なお、隔壁4を、着色された樹脂材料によって形成した壁部4bにより形成する構成としてもよい。
隔壁4によって略矩形に区画された場所には、赤色着色膜5a、青色着色膜5b、緑色着色膜5c等の光透過部としての着色膜5が形成されている。赤色素子列3aの着色素子3には赤色着色膜5aが形成され、青色素子列3b、緑色素子列3cにはそれぞれ青色着色膜5b、緑色着色膜5cが形成されている。これにより、カラーフィルター1には、光透過部として赤色着色膜5a、青色着色膜5b、緑色着色膜5cが、所定方向、および該所定方向と交差する交差方向に複数並んで形成されている。各着色膜5a〜5cは、各着色膜5a〜5cの形成材料となる機能性液体を液滴吐出法により光透過部に吐出して着弾させ、それを定着させることにより形成される。
基板2の着色素子3形成面において、光透過部としての各着色膜5a〜5cの周縁部近傍には、略矩形状の各着色膜5a〜5cの所定方向および該所定方向と交差する交差方向のうち、少なくとも一方の長さを複数段階に分ける目盛り90が設けられている。本実施形態では、各着色膜5a〜5cの所定方向および交差方向の四辺の全てにおいて、各辺の長さを複数に分けて検知可能な目盛り90が、遮光部としての隔壁4に設けられている。
なお、目盛り90は、金属膜4a上、または、壁部4b上のいずれに設けてもよい。
また、目盛り90は図2に示すような大目盛りと小目盛りを規則正しく配置したものに限らず、目盛り間隔や目盛りの大きさを不規則に配置するものであってもよい。
(液滴吐出装置)
次に、基板2に液滴を吐出して着色膜5を形成する液滴吐出装置6について図3に従って説明する。液滴吐出装置に関しては様々な種類の装置があるが、インクジェット法を用いた装置が好ましい。インクジェット法は微小な液滴の吐出が可能であるため、微細加工に適している。
図3(a)は、カラーフィルター1の製造に係る液滴吐出装置6の構成を示す概略斜視図である。液滴吐出装置6により液滴が吐出される。
図3(a)に示すように、液滴吐出装置6には直方体形状に形成された基台7を備えている。本実施形態では、この基台7の長手方向をY方向とし水平面上でY方向と直交する方向をX方向とする。そして、鉛直方向をZ方向とする。液滴を吐出するときに液滴吐出ヘッド22と被吐出物とが相対移動する方向を主走査方向とする。そして、主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。副走査方向は改行するときに液滴吐出ヘッド22と被吐出物とが相対移動する方向である。本実施形態ではY方向を主走査方向とし、X方向を副走査方向とする。
基台7の上面7aには、Y方向に延在する一対の案内レール8がY方向全幅にわたり凸設されている。その基台7の上側には、一対の案内レール8に対応する図示しない直動機構を備えたステージ9が取付けられている。そのステージ9の直動機構にはリニアモーターやネジ式直動機構等の機構を用いることができる。本実施形態では、例えば、リニアモーターを採用している。そして、ステージ9はY方向に沿って所定の速度で往動または復動するようになっている。往動と復動を繰り返すことを走査移動と称す。さらに、基台7の上面7aには案内レール8と平行に主走査位置検出装置10が配置され、主走査位置検出装置10によりステージ9の位置が検出される。
そのステージ9の上面には載置面11が形成され、その載置面11には図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。載置面11上には基板2が設置され、基板2は基板チャック機構により載置面11に固定されている。この基板2には隔壁4が形成されている。
基台7のX方向両側には一対の支持台12が立設され、その一対の支持台12にはX方向に延びる案内部材13が架設されている。その案内部材13の上側には吐出する機能液26を供給可能に収容する収容タンク14が設置されている。収容タンク14には染料または顔料を含む機能液26が収納されている。
案内部材13の下側にはX方向に延びる案内レール15がX方向全幅にわたって設置されている。案内レール15に沿って移動可能に取り付けられるキャリッジ16は略直方体形状に形成されている。そのキャリッジ16は直動機構を備え、その直動機構は、例えば、ステージ9が備える直動機構と同様の機構を用いることができる。そして、キャリッジ16が案内レール15に沿って走査移動する。案内部材13とキャリッジ16との間には副走査位置検出装置17が配置され、キャリッジ16の位置が計測される。キャリッジ16の下側にはヘッドユニット18が設置され、このヘッドユニット18のステージ9側には図示しない液滴吐出ヘッド22が凸設されている。
また、ヘッドユニット18には着弾位置ずれ量検知装置19が配置されている。この着弾位置ずれ量検知装置19は、CCDカメラ等の撮像手段などにより構成され、液滴吐出ヘッド22から吐出される液滴の着弾位置を検知する機能を備えている。
図3(b)は、液滴吐出ヘッド22の配置を示す模式平面図である。図3(b)に示すように、1つのヘッドユニット18には、3個の吐出部としての液滴吐出ヘッド22がY方向において等間隔に配列して配置されている。3個の液滴吐出ヘッド22には赤色、青色、緑色の機能液26が供給されている。そして、この各色の機能液26を吐出する液滴吐出ヘッド22はそれぞれX方向に千鳥状に配列して配置されている。
そして、液滴吐出ヘッド22の表面にはノズルプレート23が配置され、ノズルプレート23にはノズル24が複数形成されている。ノズル24の数や配列は吐出するパターンと基板2の大きさに合わせて設定すればよい。本実施形態においては、例えば、1個のノズルプレート23にはノズル24の配列が1列形成され、各列には15個のノズル24が配置されている。
図3(c)は、液滴吐出ヘッド22の構造を説明するための要部模式断面図である。図3(c)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、ノズルプレート23を備え、ノズルプレート23には、ノズル24が形成されている。ノズルプレート23の図中上側であって、ノズル24と対向する位置には、ノズル24と連通する圧力室としてのキャビティ25が形成されている。そして、液滴吐出ヘッド22のキャビティ25には、収容タンク14に貯留されている液状体としての機能液26が図示しない流路を介して供給される。
キャビティ25の上側には、上下方向(Z方向)に振動して、キャビティ25内の容積を拡大縮小する振動板27と、上下方向に伸縮して振動板27を振動させる駆動素子としての圧電素子28が配設されている。そして、液滴吐出ヘッド22が圧電素子28を制御駆動するための素子駆動信号を受けると、圧電素子28が伸縮する。これにより、振動板27がキャビティ25内の容積を拡大縮小してキャビティ25を加圧する。その結果、液滴吐出ヘッド22のノズル24から、縮小した容積分の機能液26が液滴29として吐出される。
図4は、液滴吐出装置6の電気制御ブロック図である。図5に示すように、液滴吐出装置6は液滴吐出装置6の動作を制御する制御部としての制御装置41を備えている。そして、制御装置41はプロセッサーとして各種の演算処理を行うCPU(中央演算処理装置)42と、各種情報を記憶する記憶部としてのメモリー43とを備えている。
主走査駆動装置44、主走査位置検出装置10、副走査駆動装置45、副走査位置検出装置17は、入出力インターフェイス46及びデータバス47を介してCPU42に接続されている。さらに、液滴吐出ヘッド22を駆動するヘッド駆動回路48、着弾位置ずれ量検知装置19、入力装置49、表示装置50も入出力インターフェイス46及びデータバス47を介してCPU42に接続されている。
主走査駆動装置44はステージ9の移動を制御する装置であり、副走査駆動装置45はキャリッジ16の移動を制御する装置である。主走査位置検出装置10がステージ9の位置を検出し、主走査駆動装置44がステージ9を駆動することにより、ステージ9を所望の位置に移動及び停止することが可能になっている。同じく、副走査位置検出装置17がキャリッジ16の位置を検出し、副走査駆動装置45がキャリッジ16を駆動することにより、キャリッジ16を所望の位置に移動及び停止することが可能となっている。
入力装置49は液滴29を吐出する各種加工条件を入力する装置であり、例えば、基板2に液滴29を吐出する座標を図示しない外部装置から受信して入力する装置である。表示装置50は加工条件や作業状況を表示する装置であり、操作者は表示装置50に表示される情報を基に入力装置49を用いて操作を行う。
メモリー43は、RAM、ROM等といった半導体メモリーや、ハードディスク、DVD−ROMといった外部記憶装置を含む概念である。機能的には液滴吐出装置6における動作の制御手順が記述されたプログラムソフト51を記憶する記憶領域が設定される。さらに、基板2上に吐出する吐出位置の座標データである吐出位置データ52を記憶するための記憶領域も設定される。
他にも、液滴吐出ヘッド22を駆動するときの駆動波形と吐出量の関係を示すデータである駆動電圧データ53や液滴吐出ヘッド22を駆動する駆動波形データ54等の吐出条件を複数記憶するための記憶領域が設定される。さらに、吐出する各場所における駆動電圧のデータである吐出計画データ55を記憶するための記憶領域が設定される。さらに、CPU42のためのワークエリアやテンポラリーファイル等として機能する記憶領域やその他各種類の記憶領域が設定される。
CPU42は、メモリー43内に記憶されたプログラムソフト51に従って基板2上の所定の位置に液滴29を吐出するための制御を行うものである。具体的な機能実現部として、液滴吐出ヘッド22から液滴29を吐出して描画するための制御を行う描画制御部56を有する。描画制御部56を詳しく分割すれば、描画制御部56はステージ9を主走査方向へ所定の速度で走査移動させるための制御を行う主走査制御部57を有する。他にも、描画制御部56は液滴吐出ヘッド22を副走査方向へ所定の副走査量で移動させるための制御を行う副走査制御部58を有する。さらに、描画制御部56は液滴吐出ヘッド22内に複数あるノズルのうち、どのノズルに対応する液滴吐出ヘッド22を作動させて液滴29を吐出するかを制御する吐出制御部59等といった各種の演算部や制御部を有する。
他にも、液滴吐出ヘッド22及び着弾位置ずれ量検知装置19により検知した適正ドット着弾位置に対する確認用ドットの実際の着弾位置とのずれ量に基づいて取得する補正値を描画制御部56にフィードバックして、液滴吐出ヘッド22が吐出する液滴29の基板2への着弾位置を補正する着弾位置補正制御部60を有する。さらに、塗布領域に吐出する機能液26の量と吐出特性からノズル24から吐出する液滴29の吐出量と吐出回数を設定する吐出条件設定部61を有する。他にも液滴29を吐出する各場所における圧電素子28の駆動波形を設定する吐出計画設定部62を有する。
(描画方法)
次に、上述した液滴吐出装置6を使って、液滴吐出ヘッド22から基板2に吐出して描画する描画方法について図面に沿って説明する。図5は、液滴吐出装置6を用いてカラーフィルターを製造する製造工程を示すフローチャートである。
まず、図5のステップS1において、オペレーターは、基板2をステージ9の載置面11上に載置する。基板2には予め隔壁4が形成されている。隔壁4は、スパッタリングや蒸着などにより金属膜4aを、フォトリソグラフィーなどの方法を用いて壁部4bを、それぞれ形成することにより製造することができる。尚、隔壁4を液滴吐出装置6を用いて形成することもできる。
液滴吐出装置6は吸引式の基板チャック機構を駆動させることにより基板2を載置面11に固定する。
そして、基板2が載置されたステージ9を、主走査位置検出装置10を用いて、基板2が液滴吐出ヘッド22のノズル面と対向し次のステップの確認用ドット形成を行なえるポジションになるまで移動させ、給材は完了する。
次に、ステップS2において、基板2の隔壁4によって略矩形に区画された光透過部としての着色膜5形成領域に、液滴吐出ヘッド22のノズル24から液体を吐出して、1ドットもしくは複数ドットの確認用ドットを形成する。確認用ドットの形成は、液滴吐出ヘッド22のノズル面にインクや異物が付着したり、ノズル24が目詰まりしたりすることによって、ドット着弾位置が所定の適正ドット着弾位置からずれているか否か、また、ずれている場合は、どれくらいずれているかを検知する目的で行なう。
次に、ステップS3において、着色膜5形成領域に着弾した確認用ドットの位置と、所定の適正ドット着弾位置とのずれ量を検知する。本実施形態のカラーフィルター1の基板2には、各色の着色膜5形成領域を囲む隔壁4形成領域に、略矩形の着色膜5形成領域の外形四辺の長さを複数段階に分けて表示する目盛り90が設けられているので、着色膜5形成領域に着弾した確認用ドットの位置が、所定の適正ドット着弾位置に対してずれているか否か、また、ずれている場合はどれくらいずれているかを定量的に検知することができる。確認用ドットの着弾位置のずれ量の検知は、CCDカメラ等の撮像手段などにより構成された着弾位置ずれ量検知装置19を用いて行なうことができるが、着弾位置ずれ量検知装置として拡大鏡を適用し、人の目によって目盛り90を用いて着弾位置のずれ量を検知することもできる。
次に、前のずれ量検知ステップ(ステップS3)で検知した所定の適正ドット着弾位置に対する確認用ドットの着弾位置のずれ量に基づいて、確認用ドットの着弾位置を所定の適正ドット着弾位置に補正し得る補正値を取得し(ステップS4)、その補正値を液滴吐出装置6にフィードバックして制御する補正制御を行なう(ステップS5)。
次に、ステップS6において、描画制御部56はステージ9とキャリッジ16とを駆動させることにより液滴29を吐出する場所と対向する場所に液滴吐出ヘッド22を移動させる。そして、吐出制御部59は、補正出制御(ステップS5)により求められた補正値を反映させた吐出条件にてノズル24から塗布領域である各色の着色膜5形成領域に所定の色の機能液26の液滴29を吐出して描画をおこない、カラーフィルター1を形成する。
ステップS7の描画の終了判断工程において、予定した総ての場所に液滴29を吐出したことを確認するまでステップS11の描画工程が行われる。
ここで、次の描画を続けて実行する場合(ステップS7でYES)、次の描画の前に着弾ドット位置の確認が必要か否かを判断する(ステップS8)。なお、着弾ドット位置確認の頻度は、事前の確認結果に基づいて所定の描画回数毎に実施するように予め設定しておいてもよい。
吐出工程(ステップS6)の前に着弾ドット位置確認をする場合(ステップS8でYES)は、ステップS2の確認用ドット形成からの描画工程S11を行なう。
また、着弾ドット位置確認をしない場合(ステップS8でNO)は、ステップS6の吐出工程からの描画工程S11を行なう。
ステップS7において、予定した総ての場所に液滴29を吐出して、その次に描画を実行しない(ステップS7でNO)、ステップS9の除材工程に移行する。ステップS9では、オペレーターが基板チャック機構を解除して基板2を載置面11から次工程(ステップS10)に移動する。
ステップS10では、描画工程S11で基板2に塗布された液体の固化を行なう。固化工程では、例えば、機能液26が塗布された基板2を乾燥装置の内部の乾燥室内の載置台(図示せず)に配置し、乾燥室内に乾燥気体を供給する。次に、乾燥気体は基板2に塗布された機能液26に沿って流動し、このとき、機能液26に含まれる溶媒及び分散媒を乾燥気体に蒸発させて除去することにより、機能液26を乾燥させる。そして、機能液26が乾燥することにより、着色膜5が形成される。
以上、説明した工程を経て、基板2に液滴29を吐出してカラーフィルター1を製造する製造工程を終了する。
上述したように、本実施形態によれば、光透過部として着色膜5形成領域の周縁部近傍に、略矩形の着色膜5形成領域の外形各辺の長さを複数段階に分けて表示する目盛り90が設けられている。そして、液滴吐出装置6を用いたカラーフィルター1の製造工程において、描画を行なう吐出工程(ステップS6)の前に、着色膜5形成領域に液滴29を吐出して確認用ドットを形成するステップ(ステップS2)と、所定の適正ドット着弾位置に対する確認用ドットの着弾位置のずれ量を目盛り90を用いて定量的に検知するずれ量検知ステップ(ステップS3)と、ずれ量検知ステップで検知したずれ量に基づいてドットの着弾位置を前記所定の適正ドット着弾位置に補正する補正値を取得する補正値取得ステップ(ステップS4)と、補正値を液滴吐出装置6にフィードバックする補正制御ステップ(ステップS5)とを含んでいる。
これにより、確認用ドットの着弾位置と、所定の適正着弾位置とのずれ量を、基板2そのものに設けられた目盛り90を用いて定量的に検知することができ、検知した着弾位置のずれ量を補正し得る補正値を取得して液滴吐出装置6にフィードバックすることができる。したがって、テスト印刷用のダミー基板を別に用意することなく、また、基板2にテスト印刷領域を設けることなく、液滴吐出ヘッド22から吐出する液滴29の着弾位置を所定の適正位置に精度よく補正することが可能になるので、安定した表示品質を有する表示装置を効率的に製造することが可能なカラーフィルター1の製造方法を提供することができる。
また、本実施形態によれば、目盛り90が、基板2の遮光部としての隔壁4形成領域に形成されている。基板2の遮光部はカラーフィルター1の実質的な表示品質には影響しないので、表示品質を劣化させることなく、目盛り90を用いた液滴29の着弾位置の補正をすることが可能になる。
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係るカラーフィルターの一部(図2と同じ部分)を拡大して示す模式平面図である。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、図2に示した目盛り90の形成位置が異なる点にあるので、第1の実施形態と同じ点については同一符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、第2の実施形態の表示装置としてのカラーフィルター101は、基板2の着色素子3形成面において、各着色膜5形成領域の所定方向および交差方向の四辺の全てにおいて、各辺の長さを複数に分けて検知可能な目盛り91が、光透過部としての着色膜5形成領域に設けられている。目盛り91は、カラーフィルター101の所望の表示品質を損ねないように、矩形の着色膜5形成領域の周縁部に、極力小さめに設けられている。
液滴吐出装置6を用いたインクジェット法によりカラーフィルターの製造を行なう場合、隔壁4(バンク)の表面には撥液処理を施すことが多い。第2の実施形態のカラーフィルター101によれば、撥液処理が施された隔壁4の表面ではなく基板2の着色膜5形成領域の一部に目盛り91を形成するので、基板2との密着力が確保された目盛り91を形成することができるので、目盛り91の剥離するなどの不具合が抑えられる。
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態に係る表示装置としてのカラーフィルター201の一部(図2、図6と同じ部分)を拡大して示す模式平面図である。なお、本実施形態が第1および第2の実施形態と異なるところは、光透過部としての着色膜5’形成領域の外形に意図した変化を設けて目盛りとした点にあるので、第1および第2の実施形態と同じ点については同一符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、第3の実施形態の表示装置としてのカラーフィルター201は、基板2の着色素子3形成面において、光透過部としての着色膜5’形成領域の略矩形状の外形において、各辺が直線状ではなく、意図した間隔で形成された複数の屈曲部を有している。そして、この着色膜5’形成領域の外形の各辺に設けられた複数の屈曲部を目盛り92として用いる。
この着色膜5’の外形形状の変化は、カラーフィルター201の所望の光学特性を損ねないレベルで設計されている。
なお、ここでは光透過部としての着色膜5’形成領域の外形形状の変化を目盛り92として利用すると記したが、光透過部を区画する遮光部としての隔壁4の外形形状を変化させて形成すると換言することもできる。
また、本実施形態では、着色膜5’形成領域の外形形状に複数の屈曲部を設けて目盛り92を形成したが、これに限らず、例えば、外形形状に円弧を含む変化をつけて目盛りを形成してもよい。
第3の実施形態によれば、インクや金属薄膜、あるいは罫書きするなどの加工を別に施すことをしなくても、光透過部としての形成領域の外形形状の非直線的な変化を目盛り92とすることにより、液体(液滴)の着弾位置の補正に利用することができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1〜第3の実施形態では、光透過部としての着色膜5,5’形成領域の略矩形(状)の外形の四辺近傍に目盛り90,91,92を設けた構成について説明した。これに限らず、確認用ドットの着弾位置を定量的に検知することが可能であれば、例えば対向する二辺のうち一方の辺の近傍のみに目盛りを設けてもよいし、所定方向の辺、および、所定方向と交差する交差方向のうちの一方向側にのみ目盛りを設けた構成としてもよい。
また、光透過部としての着色膜形成領域の形状は、矩形(状)に限らず、例えば、平行四辺形や、正多角形に近似な形状であってもよい。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、キャビティ25を加圧する加圧手段に、圧電素子28を用いたが、他の方法でも良い。例えば、コイルと磁石とを用いて振動板27を変形させて加圧しても良い。他に、キャビティ25内にヒーター配線を配置して、ヒーター配線を加熱することにより、機能液26を気化させたり、機能液26に含む気体を膨張させたりして加圧しても良い。他にも、静電気の引力及び斥力を用いて振動板27を変形させて加圧しても良い。尚、コイルやヒーター配線のように駆動する電流で吐出量を制御できる場合には、駆動波形は電流の波形でも良い。前記実施形態と同様に同時吐出ノズル数に対応して加圧手段を駆動する駆動波形を切り替えることにより吐出量を吐出目標値にすることができる。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、着色する機能を有する機能液26を塗布して、表示装置としてのカラーフィルター1を製造する例を示した。塗布する機能液26はこれに限らない。例えば、通電性の機能液26を塗布して配線や電極を形成しても良い。他にも、正孔輸送層や発光層の材料を含む機能液26を塗布して有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置を形成しても良い。これらの場合にも、液滴29の着弾位置を所定の適正着弾位置に補正して描画品質を保持することができる。そして、形成される表示装置の表示品質を向上させて製造することができる。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、カラーフィルター1の基板2に機能液26を吐出して塗布したが、塗布する基材は基板2に限らず、直方体等のようにZ方向の高さがある物や凹凸のある物にも適用することができる。この場合にも吐出目標値の液滴29を吐出することができる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンターについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の噴射装置、印刷方法、記録方法、液体の噴射方法、印刷システム、記録システム、コンピューターシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
また、上記実施の形態においては、液体の一例であるインクを噴射(吐出)する液滴吐出装置(インクジェットプリンター)6を用いて表示装置としてのカラーフィルター1を製造する方法について詳細に説明したが、これに限定されるものではなく、インク以外の他の液体を噴射(吐出)する液体噴射(吐出)装置に具体化することも可能である。例えば、有機ELディスプレイ等の他の表示装置の製造に用いることも可能である。
また、上記実施の形態においては、液滴吐出装置6(インクジェットプリンター)の一例として、ノズルを備えたヘッドが前記媒体に対して前記所定方向に移動して該ノズルからインクを噴射するシリアルプリンターを挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば、ノズルを備えた移動しないラインヘッドに対し前記所定方向に移動する媒体に該ノズルからインクを噴射するラインプリンターであってもよい。
1,101,201…表示装置としてのカラーフィルター、2…基板、3…着色素子、3a…赤色素子列、3b…青色素子列、3c…緑色素子列、4…遮光部としての隔壁(バンク)、4a…金属膜、4b…壁部、5…着色膜、5a…赤色着色膜、5b…青色着色膜、5c…緑色着色膜、6…液滴吐出装置、7…基台、7a…上面、8…案内レール、9…ステージ、10…主走査位置検出装置、11…載置面、12…支持台、13…案内部材、14…収容タンク、15…案内レール、16…キャリッジ、17…副走査位置検出装置、18…ヘッドユニット、19…着弾位置ずれ量検知装置、22…液滴吐出ヘッド、23…ノズルプレート、24…ノズル、25…キャビティ、26…機能液、27…振動板、28…圧電素子、29…液滴、41…制御装置、42…CPU、43…メモリー、44…主走査駆動装置、45…副走査駆動装置、46…入出力インターフェイス、47…データバス、48…ヘッド駆動回路、49…入力装置、50…表示装置、51…プログラムソフト、52…吐出位置データ、53…駆動電圧データ、54…駆動波形データ、55…吐出計画データ、56…描画制御部、57…主走査制御部、58…副走査制御部、59…吐出制御部、60…着弾位置補正制御部、61…吐出条件設定部、62…吐出計画設定部。

Claims (5)

  1. 遮光部と、
    前記遮光部によって区画される光透過部と、を備え、
    前記光透過部が所定方向および該所定方向と交差する交差方向に複数並んで形成された表示装置であって、
    前記光透過部の周縁部近傍に、前記光透過部の前記所定方向および前記交差方向のうち少なくとも一方の長さを複数段階に分けて表示する目盛りが設けられたことを特徴とする表示装置。
  2. 請求項1に記載の表示装置において、
    前記目盛りが、前記遮光部に形成されたことを特徴とする表示装置。
  3. 請求項1に記載の表示装置において、
    前記目盛りが、当該表示装置の所望の表示品質を損ねない大きさで前記光透過部に設けられたことを特徴とする表示装置。
  4. 請求項1に記載の表示装置において、
    前記目盛りが、前記光透過部の外形形状の非直線的な変化により形成されていることを特徴とする表示装置。
  5. 遮光部と、前記遮光部によって区画される光透過部と、を備え、前記光透過部が所定方向および該所定方向と交差する交差方向に複数並んで形成され、前記光透過部の周縁部近傍に、前記光透過部の前記所定方向および前記交差方向のうち少なくとも一方の長さを複数段階に分けて表示する目盛りが設けられた表示装置を、液滴吐出装置を用いて製造する表示装置の製造方法であって、
    前記光透過部に液体を吐出して確認用ドットを形成する確認用ドット形成ステップと、
    前記確認用ドットの着弾位置と、所定の適正ドット着弾位置とのずれ量を、前記目盛りを用いて定量的に検知するずれ量検知ステップと、
    前記ずれ量検知ステップで検知した前記ずれ量に基づいて、前記確認用ドットの着弾位置を前記所定の適正ドット着弾位置に補正する補正値を取得する補正値取得ステップと、
    前記補正値を前記液滴吐出装置にフィードバックする補正制御ステップと、を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
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