JP2011011146A - 液滴吐出方法及びカラーフィルター製造方法 - Google Patents

液滴吐出方法及びカラーフィルター製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各描画領域における液状体の吐出量の調節をより容易にする。
【解決手段】複数のノズルを基板に対して相対移動させながらノズル毎に設けた駆動素子の駆動により、ノズルから基板に液状体を吐出する。ノズルの吐出特性に応じてノズルに設けられた駆動素子に、駆動素子を駆動する複数の駆動波形のうちの一つを設定する設定工程と、設定した駆動波形で駆動素子を駆動して、ノズルから液状体を基板に吐出させる走査工程とを有する。設定工程では、走査工程において同一のタイミングで駆動する駆動素子の数が、複数の駆動波形の間で互いに同一の数となるように設定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、液滴吐出方法及びカラーフィルター製造方法に関するものである。
近年、液滴吐出ヘッドによってインクを吐出するインクジェット方式を用いてカラーフィルタを製造することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この製造方法では、基板に対して相対的に移動する液滴吐出ヘッドに設けられた複数のノズルから色材を含む液状体(液滴)を吐出させて液状体を配置(描画)し、さらに配置された液状体を乾燥などによって固化させて画素に対応した着色膜を形成している。
ところで、インクジェット法を用いた製造方法では、複数のノズルからの液状体の吐出量にわずかながらのバラツキが生じる。そして、液状体の吐出量のバラツキを有する状態で描画すると、カラーフィルタに筋状の濃淡ムラが生ずる場合がある。このような筋ムラは視認されやすいため、カラーフィルタを介して表示される画像の画質が低下する。そこで、液滴吐出ヘッドに供給する駆動信号(駆動波形)を調節することによって各ノズルから吐出される液状体の吐出量を均一にして各ノズル間の吐出量のバラツキを低減する補正が行われている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、例えば駆動電圧(吐出電圧)を異ならせた複数の駆動信号を設定し、これら複数の駆動信号から各ノズルの吐出特性に応じた駆動信号を選択して設定している。
特開平11−248927号公報
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
各駆動信号において液滴を吐出するノズルの数が異なると、例えば駆動電圧が変化する箇所で円滑な電圧変化が行われずに波形にオーバーシュートやアンダーシュートが生じる、いわゆる電気的なクロストークの影響で、当初設定した補正量が確保できないという問題が生じ、上述した筋状の濃淡ムラの問題が解消できない。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、各描画領域における液状体の吐出量の調節をより容易にした液滴吐出方法及びカラーフィルター製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の液滴吐出方法は、複数のノズルを基板に対して相対移動させながら前記ノズル毎に設けた駆動素子の駆動により、前記ノズルから前記基板に液状体を吐出する液滴吐出方法であって、前記ノズルの吐出特性に応じて当該ノズルに設けられた前記駆動素子に、該駆動素子を駆動する複数の駆動波形のうちの一つを設定する設定工程と、設定した駆動波形で前記駆動素子を駆動して、前記ノズルから前記液状体を前記基板に吐出させる走査工程とを有し、前記設定工程では、前記走査工程において同一のタイミングで駆動する前記駆動素子の数が、前記複数の駆動波形の間で互いに同一の数となるように設定することを特徴とするものである。
従って、本発明の液滴吐出方法では、同じタイミングで液状体を吐出するノズルの数、すなわち同じタイミングで駆動する駆動素子の数が、複数の駆動波形の間で互いに同一であることから、駆動する駆動素子の数が異なることで生じる電気的なクロストークの悪影響を除去することができる。そのため、本発明では、ノズル毎の吐出量の差を適切に補正することが可能になり、複数のノズルからの吐出量を均一化することができる。その結果、本発明では、ノズルの配列方向に生じる筋状の濃淡ムラの発生をより確実に抑制できる。
なお、例えば駆動波形の種類がノズルの数の約数にならない場合等、同一のタイミングで駆動する駆動素子の数を、複数の駆動波形の間で互いに同一の数とできない場合には、略同一の数としてもよい。この場合には、駆動する駆動素子の数が異なることで生じる電気的なクロストークの悪影響を最小限に抑えることが可能になる。
また、上記の液滴吐出方法では、前記走査工程で複数のタイミングで前記ノズルから前記液状体を吐出させる際に、同一の前記駆動波形で駆動する前記駆動素子の数が前記複数のタイミングの間で互いに同一の数に設定する構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、吐出ヘッドと基板とを相対移動させながら、複数のタイミングで液状体を吐出する場合でも、吐出した液状体の吐出量を均一化することができ、上記相対移動方向で筋状の濃淡ムラが発生することをより確実に抑制できる。
また、上記の液滴吐出方法では、前記走査工程を複数回行う際に、前記設定工程では、各走査工程毎に同一のタイミングで駆動する前記駆動素子の数が、前記複数の駆動波形の間で互いに同一の数となるように設定する手順を採用することが好適である。
これにより、本発明では、走査工程間で使用するノズルを変更する場合でも、各走査工程でノズル毎の吐出量の差を適切に補正することが可能になる。
また、上記の液滴吐出方法においては、前記設定工程では、前記複数のノズルのうち、前記走査工程で前記液状体を吐出する前記ノズルについてのみ、前記駆動素子を駆動する複数の駆動波形のうちの一つを設定する手順を好適に採用できる。
これにより、本発明では、全てのノズルについて駆動波形を設定する手間を省くことが可能になり、生産性を向上させることができる。
そして、本発明のカラーフィルター製造方法は、先に記載の液滴吐出方法を用いることを特徴とするものである。
これにより、本発明では、筋状の濃淡むらが生じることを防止して画質の低下が抑制された高品質のカラーフィルターを製造することができる。
本発明の一実施形態における液滴吐出装置を示す斜視図である。 液滴吐出ヘッドの構成を示す図である。 駆動信号の波形を示す図である。 カラーフィルタ及びカラーフィルタ基板を示す概略平面図である。 カラーフィルタ層の配置を示す平面図である。 ノズルと平均吐出量との関係を示す図である。 液滴吐出方法を説明する概略平面図である。
以下、本発明の液滴吐出方法及びカラーフィルター製造方法の実施の形態を、図1ないし図7を参照して説明する。
なお、以下の実施の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
[液滴吐出装置]
まず、本実施形態における液滴吐出装置について説明する。
液滴吐出装置1は、図1に示すように、例えばインクジェット方式により後述するマザー基板(基板)51の所定領域に液状体を吐出して後述するカラーフィルタ層55を形成する装置である。そして、液滴吐出装置1は、装置架台11と、ワークステージ12と、ステージ移動装置13と、キャリッジ14と、液滴吐出ヘッド15と、キャリッジ移動装置16と、チューブ17と、第1から第3タンク18〜20と、制御装置21と、を備えている。
装置架台11は、ワークステージ12及びステージ移動装置13の支持台である。ワークステージ12は、装置架台11上においてステージ移動装置13によって主走査方向(相対移動方向)であるX方向に移動可能に設置されており、上流側の搬送装置(図示略)から搬送されるマザー基板51を真空吸着機構によってXY平面上に保持する。
ステージ移動装置13は、リニアガイド及びボールネジなどの直動機構を備えており、制御装置21から入力されるワークステージ12の移動先のX座標を示すステージ位置制御信号に基づいて、ワークステージ12をX方向に移動させる。
キャリッジ14は、液滴吐出ヘッド15を保持しており、キャリッジ移動装置16によって副走査方向であるY方向及びZ方向に移動可能に設けられている。
液滴吐出ヘッド15は、液状体のR(赤)、G(緑)及びB(青)に対応して設けられており、それぞれキャリッジ14を介してチューブ17と連結されている。
そして、R(赤)に対応する液滴吐出ヘッド15には、チューブ17を介して第1タンク18からR(赤)用の液状体が供給され、G(緑)に対応する液滴吐出ヘッド15には、チューブ17を介して第2タンク19からG(緑)用の液状体が供給され、B(青)に対応する液滴吐出ヘッド15には、チューブ17を介して第3タンク20からB(青)用の液状体が供給される。
液滴吐出ヘッド15は、図2(a)に示すように、Y方向で等間隔に配列された複数(例えば180)のノズルN1〜N180(以下、総称してノズルNと称することもある)を備えている。これらノズルN1〜N180によってノズル列NAが形成される。
なお、液滴吐出ヘッド15は、ノズル列NAを1列のみ備えているが、複数列備えていてもよく、ノズル列NAを構成するノズルNの数は、180に限られない。また、キャリッジ14内に配置される液滴吐出ヘッド15の数は、任意に変更可能である。さらに、キャリッジ14は、サブキャリッジ単位で複数設けられてもよい。
ここで、複数のノズルN1〜N180のうち両端のノズル(例えばノズルN1〜N9、ノズルN171〜N180)については、液状体の吐出量のバラツキが大きいことから、液状体の吐出に使用しない場合があってもよい。
液滴吐出ヘッド15は、図2(b)に示すように、チューブ17に連結される材料供給孔31aが設けられた振動板31と、ノズルN1〜N180が設けられたノズルプレート32と、振動板31及びノズルプレート32の間に設けられたリザーバ33と、複数の隔壁34と、複数の液溜部35と、を備えている。
振動板31上には、各ノズルN1〜N180に対応して駆動素子PZ1〜PZN(以下、総称して駆動素子PZと称することもある)が配置されている。駆動素子PZは、例えばピエゾ素子等の圧電素子である。
リザーバ33には、材料供給孔31aを介して供給される液状体が充填されるようになっている。
液溜部35は、振動板31と、ノズルプレート32と、一対の隔壁34とによって囲まれることによって形成されている。また、液溜部35は、各ノズルN1〜N180に1対1で対応して形成されている。さらに、各液溜部35には、一対の隔壁34間に設けられた供給口35aを介して、リザーバ33から液状体が導入されるようになっている。
駆動素子PZは、図2(c)に示すように、圧電材料36と圧電材料を挟持する一対の電極37とを備えている。そして、駆動素子PZは、一対の電極37間に駆動信号を印加することで圧電材料36を収縮させ、圧電材料36の収縮によって振動板31を駆動素子PZと共に同時に外側(液溜部35の反対側)へ撓曲させて液溜部35の容積を増大させる構成となっている。
したがって、液溜部35内に増大した容積分に相当する液状体がリザーバ33から供給口35aを介して流入する。また、このような状態から駆動素子PZへの駆動信号の印加を停止すると、駆動素子PZ及び振動板31は、元の形状に戻り、液溜部35も元の容積に戻る。これにより、液溜部35内の液状体の圧力が上昇し、ノズルN1からマザー基板51に向けて液状体の液滴Lが吐出される。
キャリッジ移動装置16は、図1に示すように、装置架台11を跨ぐ橋梁構造をなしており、Y方向及びZ方向に沿ってリニアガイド及びボールネジなどの直動機構を備え、制御装置21から入力されるキャリッジ14の移動先のY座標及びZ座標を示すキャリッジ位置制御信号に基づいてキャリッジ14をY方向及びZ方向に移動させる。
チューブ17は、第1から第3タンク18〜20とキャリッジ14とを連結する液状体の供給用チューブである。
第1タンク18は、R(赤)用の液状体を貯蔵すると共にチューブ17を介してR(赤)に対応する液滴吐出ヘッド15に液状体を供給する。第2タンク19は、G(緑)用の液状体を貯蔵すると共にチューブ17を介してG(緑)に対応する液滴吐出ヘッド15に液状体を供給する。第3タンク20は、B(青)用の液状体を貯蔵すると共にチューブ17を介してB(青)に対応する液滴吐出ヘッド15に液状体を供給する。
制御装置21は、液滴吐出ヘッド15の走査を制御する走査制御部41と、各ノズルNからの液状体の吐出を制御する吐出制御部(補正手段)42と、を備えている。
走査制御部41は、ワークステージ12の移動によるマザー基板51の位置決め動作と、キャリッジ14の移動による液滴吐出ヘッド15の位置決め動作とを制御する。また、走査制御部41は、ステージ移動装置13にステージ位置制御信号を出力してマザー基板51の位置決め動作を行い、キャリッジ移動装置16にキャリッジ位置制御信号を出力して液滴吐出ヘッド15の位置決め動作を行う。
吐出制御部42は、液滴吐出ヘッド15に描画データ及び駆動信号を出力し、各ノズルNから液状体を吐出させる。ここで、各ノズルNに対応する駆動素子PZに対して同一の駆動信号を供給して液状体を吐出させると、各ノズルNから吐出される液状体の吐出量には、バラツキが発生する。
そこで、吐出制御部42は、各ノズルNに対応する各駆動素子PZに複数(ここでは5種)の駆動信号を供給し、各ノズルNからの吐出量を5段階で補正・制御する。
具体的には、吐出制御部42は、図3に示すような駆動波形を有する駆動信号における電圧成分によって各ノズルNからの液状体の吐出量を補正している。
そして、吐出量は、最大電位VHと最小電位VLとの差VSに応じて大きくなることから、吐出制御部42は、例えば最大電位VHを補正電圧1〜5として、大きい値から順次小さくなるように異ならせた5種類の駆動波形の駆動信号を設定し、各ノズルNの吐出量に応じて補正する駆動信号を選択して割り当てて、各ノズルNからの吐出量を補正する。これの詳細については、後述する。
[カラーフィルター]
次に、以上のような構成の液滴吐出装置1を用いて製造されるカラーフィルターについて説明する。
カラーフィルター50は、図4(a)及び図4(b)に示すように、ガラス、プラスチックなどで形成された大面積のマザー基板51に複数のパネル領域CAが設けられたカラーフィルター基板52をパネル領域CAごとに分割することによって製造される。
パネル領域CAは、マトリクス状に配置されており、バンク53によって区画された複数の描画領域54を有する。描画領域54は、マトリクス状に配置されており、内部にカラーフィルター層55が形成されている。
カラーフィルター層55の配列は、一方向で同色となっており、これと直交する方向でR(赤)、G(緑)、B(青)の順で繰り返されている。すなわち、カラーフィルター層55の配列は、一方向で直線状に設けられた同色のカラーフィルター層55がこれと直交する方向で交互に配列された、ストライプ型となっている。
なお、カラーフィルター層55の配置は、図5(a)に示すようなストライプ型に限らず、図5(b)に示すようなモザイク型や図5(c)に示すようなデルタ型など、他の配置であってもよい。
[液滴吐出方法]
次に、以上のような構成の液滴吐出装置1を用いた液滴吐出方法について説明する。本実施形態では、液滴吐出方法を用いてカラーフィルターを製造する。
本実施形態では、マザー基板51に対して液状体を吐出する前に、実際に液状体を吐出するノズルNに対応する各駆動素子PZに対して、上述した5種類の駆動信号のうちの一つを選択して設定する。
図6(a)には、予め求められた各ノズルNにおける平均吐出量(pl)が示されている。なお、ここでは、理解を容易にするために、便宜上ノズルNの数を30個としている。そして、図6(b)に示すように、これらノズルNについて、例えば吐出量が少ない順序でソートを行う。ここで、従来では全ノズルを対象としてソートを行っていたが、本実施形態では、走査工程で、あるタイミングで同時に液状体をマザー基板51に対して吐出するノズルN(ここでは、No.1、4、7、10、13、16、19、22、25、28の10個)を対象としてソートを行う。
そして、走査工程で液状体を吐出する10個のノズルNに対して、吐出量が少ないノズルから、大きな値の補正電圧1〜5を有する駆動波形の駆動信号を、各ノズルに対応する駆動素子PZに対して設定する(設定工程)。このとき、吐出制御部42は、5種類の駆動信号について、各駆動信号を設定するノズルN(すなわち駆動素子PZ)の数が同一の数となるように、ここでは2つずつのノズルN(すなわち駆動素子PZ)に対して同じ駆動信号を設定する。これにより、図6(c)に示すように、特定のノズルNについてのみ駆動信号が設定される。
また、図4で示したパネル領域CAのように、走査方向で描画領域54が離間しており、所定の間隔をあけたタイミングで液状体を吐出する場合には、各タイミングで駆動素子PZが駆動するノズルNの数を、各駆動信号のそれぞれで同じ数(ここでは2個)にするとともに、いずれのタイミングにおいても各駆動信号が設定されるノズルの数を同一とする。
さらに、走査工程を複数回行う場合に、走査工程間で液状体を吐出するノズルNの組み合わせが異なる場合には、各走査工程で各駆動信号を設定するノズルN(すなわち駆動素子PZ)の数が同一の数となるように駆動信号を設定する。
これは、一般的に同時に吐出するノズルが多い場合には、多くの液状体が吐出されることから駆動素子PZの負荷が大きくなり、駆動波形に沿った円滑な挙動が困難になる。一方、同時に吐出するノズルが少ない場合には、吐出される液状体が少ないことから駆動素子PZの負荷が大きくなく、駆動波形に沿った円滑な挙動が可能になる。そのため、各駆動信号において設定されるノズルの数が異なる場合には、補正電圧値と補正吐出量との相関関係が一定でなくなり、吐出量を高精度に補正することが困難になる。
そのため、本実施形態では、各タイミングで駆動素子PZが駆動するノズルNの数を、各駆動信号のそれぞれで同じ数にすることにより、駆動波形に沿った円滑な挙動が困難な場合でも、補正電圧値と補正吐出量との相関関係を、各駆動信号において設定されるノズルの数に応じて一定にすることができる。従って、この一定の相関関係に基づいて補正電圧値を設定することにより、適切な補正吐出量を設定することができる。
このように、液状体を吐出するノズルNに対応する駆動素子PZに駆動信号を設定したら、走査工程に移行する。
まず、図1に示すように、バンク53が形成されたマザー基板51をワークステージ12上に載置し、マザー基板51の上面と液滴吐出ヘッド15とを対向させる。
そして、ステージ移動装置13及びキャリッジ移動装置16をマザー基板51に対して相対的に移動(走査)させながら液滴吐出ヘッド15の上述した複数のノズルNから描画領域54に向けて液状体を吐出させる(走査工程)。ここでは、液滴吐出ヘッド15は、マザー基板51に対して図7に示す主走査方向である矢印A1に沿って相対的に移動しながら、マザー基板51上に区画された各描画領域54に液状体を吐出する。
このとき、各ノズルNからは、設定された補正電圧を有する駆動波形の駆動信号に応じた一定の吐出量で液状体が吐出される。
その後、液滴吐出ヘッド15は、副走査方向であるY方向で相対的に所定距離だけ移動され、再び主走査方向である矢印A2に沿って相対的に移動される(走査工程)。このとき、吐出制御部42は、この走査工程で吐出するノズルNの組み合わせに応じた駆動信号で駆動素子PZを駆動して、この駆動素子PZに対応するノズルNから液状体を吐出させる。
なお、液滴吐出ヘッド15は、副走査方向であるY方向に沿って配置されているが、ノズルNのピッチと描画領域54のピッチとを所定の対応関係とするためにY方向に対して斜めに傾けられてもよい。また、吐出量の平均値が複数のノズルグループNG間で略均等としてもよい。
以上のようにして、カラーフィルター基板52を製造する。その後、パネル領域CAごとにマザー基板51を分割して個別のカラーフィルター50を製造する。
以上のように、本実施形態では、走査工程において同一のタイミングで駆動する駆動素子PZの数が、複数の駆動信号(駆動波形)の間で互いに同一の数となるように設定しているため、補正電圧値と補正吐出量との相関関係を、各駆動信号において設定されるノズルの数に応じて一定にすることができ、適切な補正吐出量を設定することができる。そのため、本実施形態では、各描画領域54における液状体の液面の高さを均等にできるため、筋状の濃淡ムラの発生が抑制されたカラーフィルター層55を形成することができる。
また、本実施形態では、走査工程で複数のタイミングでノズルNから液状体を吐出させる際に、同一の駆動信号で駆動する駆動素子PZの数が複数のタイミングの間で互いに同一の数に設定しているため、走査方向に筋状の濃淡ムラが発生することをより確実に抑制することができる。
さらに、本実施形態では、走査工程を複数回行う際に、各走査工程毎に同一のタイミングで駆動する駆動素子PZの数が、複数の駆動波形の間で互いに同一の数となるように設定しているため、走査工程間で使用するノズルを変更する場合でも、各走査工程でノズル毎の吐出量の差を適切に補正することが可能になり、筋状の濃淡ムラの発生が抑制されたカラーフィルター層55を形成することができる。
また、本実施形態では、走査工程で液状体を吐出するノズルNについてのみ、駆動素子を駆動する複数の駆動波形のうちの一つを選択して設定しているため、全てのノズルNについて駆動波形を設定する手間を省くことが可能になり、生産性を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記液滴吐出方法は、カラーフィルターにおけるカラーフィルター層の形成に用いられているが、例えば有機EL装置における発光層を構成する各層の形成など、液状体を基板上の所定領域に吐出することによって薄膜を形成するものであれば、他の用途に用いられてもよい。
移動機構は、ステージ移動装置及びキャリッジ移動装置によって構成されているが、液滴吐出ヘッドがマザー基板に対して相対的に移動できればよく、キャリッジ移動装置がXY面内で移動可能である構成など、他の構成であってもよい。
1…液滴吐出装置、 50…カラーフィルター、 51…マザー基板(基板)、 L…液滴、 N…ノズル、 PZ…駆動素子

Claims (5)

  1. 複数のノズルを基板に対して相対移動させながら前記ノズル毎に設けた駆動素子の駆動により、前記ノズルから前記基板に液状体を吐出する液滴吐出方法であって、
    前記ノズルの吐出特性に応じて当該ノズルに設けられた前記駆動素子に、該駆動素子を駆動する複数の駆動波形のうちの一つを設定する設定工程と、
    設定した駆動波形で前記駆動素子を駆動して、前記ノズルから前記液状体を前記基板に吐出させる走査工程とを有し、
    前記設定工程では、前記走査工程において同一のタイミングで駆動する前記駆動素子の数が、前記複数の駆動波形の間で互いに同一の数となるように設定することを特徴とする液滴吐出方法。
  2. 請求項1記載の液滴吐出方法において、
    前記走査工程で複数のタイミングで前記ノズルから前記液状体を吐出させる際に、同一の前記駆動波形で駆動する前記駆動素子の数が前記複数のタイミングの間で互いに同一の数に設定することを特徴とする液滴吐出方法。
  3. 請求項1または2記載の液滴吐出方法において、
    前記走査工程を複数回行う際に、前記設定工程では、各走査工程毎に同一のタイミングで駆動する前記駆動素子の数が、前記複数の駆動波形の間で互いに同一の数となるように設定することを特徴とする液滴吐出方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の液滴吐出方法において、
    前記設定工程では、前記複数のノズルのうち、前記走査工程で前記液状体を吐出する前記ノズルについてのみ、前記駆動素子を駆動する複数の駆動波形のうちの一つを設定することを特徴とする液滴吐出方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の液滴吐出方法を用いることを特徴とするカラーフィルター製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016166965A1 (ja) * 2015-04-13 2016-10-20 セイコーエプソン株式会社 液滴吐出方法、液滴吐出装置、プログラム

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