JP2014052059A - ボールねじ、シール材、シール構造、シール材の製造方法、及び、シール材の前駆体 - Google Patents

ボールねじ、シール材、シール構造、シール材の製造方法、及び、シール材の前駆体 Download PDF

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洋治 石崎
Yoshiharu Kiyohara
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Masuyuki Nakai
勉之 中井
Yasuhiro Aoki
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Abstract

【課題】雄型部材と雌型部材との間への微細な異物の侵入を効果的に抑制しつつ、雄型部材と雌型部材との間での摺動抵抗を低減可能なボールねじを提供する。
【解決手段】雄型部材2と、雌型部材3と、雌型部材3の軸方向の一端部または/および他端部に設けられたシール材4と、を備え、雄型部材2と雌型部材3とが軸方向に嵌合されるボールねじ1であって、シール材4が、雌型部材3の内周面10、11と連通可能な孔15aと、短繊維を含有したゴム層であって、孔15aに雄型部材2が内挿された際に雄型部材2の雄溝7と嵌合可能な凸部15cが形成された嵌合面15bを有するゴム層15とを備え、ゴム層15に含有された繊維の長手方向の一部が、嵌合面15bから径方向の内側に向けて突出している。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種産業機械で用いられるボールねじ、該ボールねじに適用可能なシール材、シール構造、シール材の製造方法、及び、シール材の前駆体に関する。
従来、ボールねじ軸の外周にボールナットが嵌合されたボールねじ装置において、ボールナットの端部に、ボールねじ軸の周面に弾性的に接触するリップ部を有するリップ式シール部材を設けると共に、このリップ式シール部材の軸方向の外方側に、ボールねじ軸の外周に嵌合する筒状で、内周面にボールねじ軸のねじ溝に嵌合する突部を有するワイパー式シール部材を設けるようにしたものが公知となっている(特許文献1参照)。このボールねじ装置では、リップ式シール部材とワイパー式シール部材との併用によって、ボールねじ軸とボールナットとの間に微細な異物が侵入することが防止されている。
一方、ボールねじ軸の外周面と同じ形状に成形したシール材が公知となっている(特許文献2参照)。このシール材は、ボールねじ軸を嵌合する際の摺動抵抗の低下を目的として、ボールねじ軸の外周面に、合成樹脂で成形した薄肉の摺動リングを設けるとともに、該摺動リングの外周面を、合成ゴムで成形したバックアップリングで締め付けることによって構成されている。
特開2001−304372号公報 特開平1−275953号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されたボールねじ装置では、リップ式シール部材とワイパー式シール部材との併用によって、ボールねじ軸とボールナットとの間への異物の侵入を抑制できても、ボールねじ軸とシール部材との間での摺動抵抗が増加し、摺動性が悪化するという問題があった。
また、上記特許文献2で開示されたシール材では、合成樹脂に収縮性がないため、摺動リングをボールねじ軸の外周面に対して均一に沿わせることが難しく、さらに、合成ゴムで成形したバックアップリングで大きな締め付けを行うものであるため、たとえ摺動性の良い合成樹脂を使用したとしても、ボールねじ軸とシール材との間での摺動抵抗が増加し、摺動性が悪化するという問題があった。
そこで、本発明は、雄型部材と雌型部材との間への微細な異物の侵入を効果的に抑制しつつ、ボールねじ軸とシール材との間での摺動抵抗を低減可能なボールねじ、シール材、及び、シール構造を提供することを目的とする。
(1)本発明のボールねじは、外周面にボールを転動可能な複数の雄溝が形成された雄型部材と、前記ボールを転動可能な複数の雌溝が前記雄溝と対向して形成された内周面を有するとともに、前記ボールを循環可能な循環経路が形成された雌型部材と、前記雌型部材の軸方向の一端部または/および他端部に設けられたシール材と、を備え、前記雄型部材と前記雌型部材とが軸方向に嵌合されるボールねじであって、前記シール材が、前記雌型部材の前記内周面と連通可能な孔と、前記孔に前記雄型部材が内挿された際に前記雄型部材の前記雄溝と嵌合可能な凸部が形成された嵌合面を有し、少なくとも繊維を含有するゴム層と、を備え、前記ゴム層に含有された前記繊維の長手方向の一部が、前記嵌合面から径方向の内側に向けて突出していることを特徴とする。
上記(1)の構成によれば、雄型部材の雄溝と嵌合するゴム層に繊維を含有させることで、ゴムによって繊維同士を強固にまとめ上げることができ、ひいてはゴム層の雄溝と嵌合可能な凸部の形状を維持することができる。また、含有された繊維の長手方向の一部が径方向の内側に向けて突出するゴム層を、雄型部材の雄溝と嵌合させることができる。これにより、雄型部材と雌型部材との間への微細な異物の侵入を抑制できるだけでなく、雄型部材と雌型部材とが相対的に軸方向に移動する際の摺動抵抗を低減することができるといった、互いにトレードオフの関係にある両課題を同時に解決することができる。
(2)本発明のシール材は、外周面にボールを転動可能な複数の雄溝が形成された雄型部材と、前記ボールを転動可能な複数の雌溝が前記雄溝と対向して形成された内周面を有するとともに、前記ボールを循環可能な循環経路が形成された雌型部材と、が軸方向に嵌合されるボールねじに使用されるシール材であって、前記雌型部材の前記内周面と連通可能な孔と、前記孔に前記雄型部材が内挿された際に前記雄型部材の前記雄溝と嵌合可能な凸部が形成された嵌合面を有し、少なくとも繊維を含有するゴム層と、を備え、前記ゴム層に含有された前記繊維の長手方向の一部が、前記嵌合面から径方向の内側に向けて突出していることを特徴とする。
上記(2)の構成によれば、凸部が形成された嵌合面を有するゴム層に繊維を含有させることで、ゴムによって繊維同士を強固にまとめ上げることができ、ひいてはゴム層の凸部の形状を維持することができる。また、孔に雄型部材が内挿された際に、径方向の内側に向けて繊維の一部が突出する凸部(嵌合面)を、雄型部材の雄溝に嵌合させることができる。これにより、雄型部材と雌型部材との間への微細な異物の侵入を抑制できるだけでなく、雄型部材と雌型部材とが相対的に軸方向に移動する際の摺動抵抗を低減することができるといった、互いにトレードオフの関係にある両課題を同時に解決することができる。
(3)本発明のシール構造は、外周面にボールを転動可能な複数の雄溝が形成された雄型部材と、前記ボールを転動可能な複数の雌溝が前記雄溝と対向して形成された内周面を有するとともに、前記ボールを循環可能な循環経路が形成された雌型部材と、が軸方向に嵌合されるボールねじに適用されるシール構造であって、前記雌型部材の前記内周面と連通可能な孔と、前記孔に前記雄型部材が内挿された際に前記雄型部材の前記雄溝と嵌合可能な凸部が形成された嵌合面を有し、少なくとも繊維を含有するゴム層と、を備え、前記ゴム層に含有された前記繊維の長手方向の一部が、前記嵌合面から径方向の内側に向けて突出していることを特徴とする。
上記(3)の構成によれば、凸部が形成された嵌合面を有するゴム層に繊維を含有させることで、ゴムによって繊維同士を強固にまとめ上げることができ、ひいてはゴム層の凸部の形状を維持することができる。また、孔に雄型部材が内挿された際に、ゴム層の嵌合面から径方向の内側に向けて突出する繊維の長手方向の一部によって、雄型部材と雌型部材との間への微細な異物の侵入を抑制できるだけでなく、雄型部材と雌型部材とが相対的に軸方向に移動する際の摺動抵抗を低減することができるといった、互いにトレードオフの関係にある両課題を同時に解決することができる。
(a)本発明の一実施形態に係るボールねじの概略構成を示す斜視図の一例である。(b)本実施形態に係る雌型部材及びシール材の内部構造を示す説明図の一例である。 本実施形態に係るボールねじの要部の分解斜視図の一例であって、(a)が雄型部材の一例、(b)が雌型部材の一例、(c)がシール材の一例である。 図2(c)に示すA−A線の矢視断面を拡大した図である。 本実施形態に係るシール材の製造工程の一例を示した説明図である。 本実施形態に係るシール材の製造工程の別の一例を示した説明図である。
以下、図1〜図4を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るボールねじについて説明する。なお、図1(b)において、一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がないシール材4は、図面の簡略化を図るために、一方のシール材4(紙面左側のシール材)についてのみ各部位の符号を付し、もう一方のシール材4(紙面右側のシール材)については、各部位の符号を適宜省略することがあることを予め断わっておく。また、図1(b)では、ゴム層15に含有した短繊維(繊維)14の図示を省略している。
図1(a),(b)に示すように、ボールねじ1は、雄型部材2と、雌型部材3と、一対のシール材4と、を備えている。
雄型部材2は、金属からなり、図2(a)に示すように、棒状の本体部5と、本体部5の外周面6に形成された螺旋状の複数の雄溝7と、を有している。
雌型部材3は、金属からなり、図2(b)に示すように、筒状の筒状部8と、筒状部8の一端部に形成された板状の板状部9と、を有している。ここで、筒状部8及び板状部9は、一体で成形されている。図1(b)に示すように、筒状部8及び板状部9の各内周面10,11には、複数の雌溝12が形成されている。各雌溝12は、上記雄溝7と同様に螺旋状に形成されており、図1(b)に示すように、雄型部材2の雄溝7と互いに対向する位置に形成されている。また、図1(b)に示すように、筒状部8の内部には、複数のボールBが循環可能な循環経路13が形成されている。そして、図1(b)に示すように、雄溝7及び雌溝12の間には、上記循環経路13と連通可能な軌道Pが形成されている。この軌道P内には、複数のボールBが充填配置されている。
本実施形態のボールねじ1では、雄型部材2と雌型部材3とが相対回転すると、ボールBが軌道P内を転動しつつ進み、循環経路13を経由して、元の位置に再び戻るという無限循環路が構成されており、ボールBの循環が繰り返される。そして、このようなボールBの循環によって、雄型部材2及び雌型部材3が、相対的に軸方向に移動するとともに、互いに嵌合可能となっている。なお、本実施形態の雄溝7は、その条数を4条とした所謂4条ねじ構造を有しており、この条数に合わせて、4つの循環経路13が形成されている。
図1(b)に示すように、シール材4は、ゴム層15と、カバー部材16とを備えている。
ゴム層15は、例えば、ウレタンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロヒドリンゴム、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム等を単独で、又はこれらのゴムを各種変性処理したものを使用することができる。これらのゴムは、単独で使用することができるほか、複数種のゴムをブレンドして用いることもできる。また、ゴムには、加硫剤のほか、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、及び、着色剤等の従来からゴムの配合剤として使用していたものを適量配合することができる。さらに、上記ゴムの代わりに、又は上記ゴムとともに、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート、PET樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ナイロン、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂、又は熱硬化樹脂を用いることもできる。
ゴム層15は、図1(b)及び図2(c)に示すように、孔15aを有した筒状またはリング状の層である。そして、この孔15aは、図1(b)に示すように、雌型部材3の各内周面10,11と連通している。また、ゴム層15は、図1(b)に示すように、孔15aを取り囲む位置に設けられた嵌合面15bと、該嵌合面15bに形成された凸部15cとを有している。この凸部15cは、孔15aに雄型部材2が内挿されたときに、雄型部材2の雄溝7と嵌合可能な部位である。
なお、ゴム層15の外周部にバックアップリングを取り付けることも可能である。この場合、ゴム層15の内周面に内圧を掛けることでシール性を高めることができる。バックアップリングは、Oリング、及び、ガータスプリング等、ゴム層15の内周面に内圧を加えられる構造であり、摺動性とのバランスから適量な内圧を発生させる種類を選定することが望ましい。
ゴム層15には、図2(c)に示すように、短繊維形状の繊維(短繊維)14が含有されている。この短繊維14は、アラミド繊維、ナイロン、ウレタン、木綿、絹、麻、アセテート、レーヨン、フッ素を含む繊維、及び、ポリエステル等によって形成可能である。本実施の形態では、短繊維14がゴム層15に含有されているが、例えば長繊維形状がゴム層15に含有されるものであってもよい。また、ゴム層15に含有される短繊維14の量は、少なくともゴム100重量部に対して5重量部〜50重量部であることが好ましい。5重量部未満の含有量では表面の摩耗性や摺動性が劣る。また50重量部を越えて含有するとゴム層15の中の繊維量が多すぎて、ゴム層15が短繊維14を保持できず、使用中に抜け落ちてしまい、結局、摩耗性、摺動性の悪化を招く恐れがある。
図3は、図2(c)に示すA−A線の矢視断面を拡大した図である。図3に示すように、ゴム層15に含有された短繊維14の長手方向の一部14aが、ゴム層15の嵌合面15bから径方向の内側に向けて突出している。ここで、ゴム層15の嵌合面15bから径方向の内側に向けての短繊維14の突出量は、シール効果を維持することができる範囲内であればとくに限定されないが、摺動面において短繊維14の量が多いほど摺動抵抗は小さくなる。なお、図3では、短繊維14の長手方向が筒状部16aの延在方向と略直交する状態を示しているが、必ずしも、短繊維14の長手方向が筒状部16aの延在方向と略直交していなくてもよく、交差するものであってもよい。短繊維14の長手方向の一部14aは、ゴム層15の孔15aに雄型部材2(図2(a)参照)が内挿された際に、雄型部材2の外周面6(図2(a)参照)と接触することにより所定の弾性力を外周面6に付与可能であるとともに、接触する外周面6に応じて撓むように構成されている。
カバー部材16は、例えば、プラスチック又は金属からなり、図1(b)及び図2(c)に示すように、筒状部16aと、リング部16bと、リング状の取り付け部16cと、を有している。ここで、筒状部16a、リング部16b、及び、取り付け部16cは、一体で成形されている。
また、カバー部材16の径方向の内側には、ゴム層15が嵌めこまれている。ゴム層15とカバー部材16とは、一般的には接着されないが、接着するようにしてもよい。ゴム層15とカバー部材16とを接着する場合、接着剤は、例えばアクリル樹脂系接着剤、オレフィン系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エチレン−酢酸ビニル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、塩化ビニル樹脂系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、シリコン系接着剤、スチレン−ブタジエンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、ホットメルト接着剤、フェノール樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、レゾルシノール系接着剤等があり、接着剤を加熱融解した状態にして流動性を付与した上で塗布し冷却することにより硬化・接着する方法、及び、接着剤を加熱することで硬化・接着させる方法等がある。接着させる面は、例えばカバー部材16の筒状部16aとゴム層15との接触面、又は、リング部16bとゴム層15との接触面などが考えられる。
筒状部16aは、図1(b)に示すように、ゴム層15の嵌合面15bと反対側の面を覆うように設けられている。リング部16bは、図1(b)に示すように、筒状部16aの一端部に設けられている。リング部16bは、図1(b)に示すように、ゴム層15において雌型部材3が形成されている側の面と反対側の面を覆うように設けられている。
取り付け部16cは、図1(b)に示すように、筒状部16aの他端部に設けられている。取り付け部16cは、筒状部16a及びリング部16bの各部材でカバーされたゴム層15を、雌型部材3の軸方向に関する両端部に、締結部材(図示せず)を用いて取り付け可能に構成されている。
カバー部材16の形状は、雌型部材3の軸方向の端部に取り付けできる形状であれば、この形状に限定されない。たとえば、雌型部材3の軸方向の端部に彫り込みを設け、この部分にゴム層15を入れ込み、雄型部材2が入る孔の空いた板状のカバー部材とゴム層15の側面とを接着し、雌型部材3の軸方向の端部の両方または片方に、締結部材(図示せず)を用いて取り付けても良い。
また、上記のように雌型部材3の軸方向の端部に彫り込みを設け、この部分にゴム層15を入れ込んで、雌型部材3の筒状部8、または板状部9の外周部からこのゴム層15に向けて固定ネジ(図示せず)を打ち込み固定した場合、カバー部材16が不要となる場合もありうる。
図4は、本実施形態に係るシール材の製造工程の一部を示している。ここで、シール材4(図3参照)の製造工程の一例としては、(A)ゴムに含有された複数の短繊維14の長手方向が所定方向にほぼ揃えられたシート17を作成する工程(図4(a)参照)、(B)上記所定方向に対して略直交する方向に2枚以上のシート17(本実施形態では9枚)を重ねて積層することにより積層材18を作成する工程(図4(b)参照)、(C)上記所定方向に対して略直交する方向に積層材18を切断することによりゴム層15の前駆体19を作成する工程(図4(c)参照)、(D)雄型部材2の外周面6(図2(a)参照)に前駆体19を巻き付けた後、前駆体19の外周面に所定の圧力を加えることによって、雄型部材2の雄溝7(図2(a)参照)と嵌合可能な凸部15cを有する嵌合面15b(図1(b)参照)を前駆体19の内周面に形成し、ゴム層15を作成する工程、(E)ゴム層15を雄型部材2(図2(a)参照)の周方向に回動させて雄型部材2から抜き出す工程、(F)ゴム層15に接着剤を用いてカバー部材16を貼り付ける工程、を順次行うことによる製法を挙げることができる。当然、カバー部材16が不要な場合は、上記工程(F)は不要となる。ここで、図4(c)に示す前駆体19は、各ブロック体20に含有されている短繊維14の長手方向が所定方向に揃えられた状態で、少なくとも雄型部材2の外周面6を被覆可能なように各ブロック体20を積層したものである。よって、前駆体19の積層方向の長さは、少なくとも雄型部材2の外周面6を被覆可能な長さであればよい。
図4(d)は、雄型部材2から抜き出したゴム層15の正面視図(孔15aが正面となるように視た図)である。図4(d)中の符号14は、ゴム層15に含有された短繊維14である。図4(d)に示すように、短繊維14の長手方向の一部(先端部)14aは、ゴム層15の嵌合面15bから径方向の内側に向けて突出している。なお、実際には、ゴム層15の嵌合面15bから突出せずにゴム層15の内部においてのみ内在する短繊維14も存在しているが、図4(d)では、便宜上、嵌合面15bから径方向の内側に向けて一部14aが突出している短繊維14のみを図示している。
(本実施形態に係るボールねじの特徴)
上記構成によれば、雄型部材2の雄溝7と嵌合するゴム層15に短繊維14を含有させることで、ゴムによって短繊維14同士を強固にまとめ上げることができ、ひいてはゴム層15の雄溝7と嵌合可能な凸部15cの形状を維持することができる。また、本実施形態のシール材4によれば、雄型部材2と雌型部材3との間への微細な異物の侵入をの抑制できるだけでなく、ゴム層15の嵌合面15bから径方向の内側に向けて短繊維14の一部14aが突出していることによって、雄型部材2と雌型部材3とが相対的に軸方向に移動する際の摺動抵抗を低減することができる。これにより、微細な異物の侵入の抑制、及び、雄型部材2と雌型部材3が相対的に軸方向に移動する際の摺動抵抗の低減といった、互いにトレードオフの関係にある両課題を同時に解決することが可能となる。
また、ゴム層15において嵌合面15bから径方向の内側に向けて突出する短繊維14の一部14aが、接触する雄型部材2の外周面6に弾性力を付与しつつ該外周面6に応じて撓むように構成されている。したがって、短繊維14の一部14が嵌合面15bから径方向の内側に向けて突出していたとしても、雄型部材2の外周面とシール材4内周面との当接を阻害することがないことは言うまでもない。
また、複数の短繊維14をゴムに含有させたシート17は、複数の短繊維14の長手方向が所定方向にほぼ揃えられているので、ゴム層15における嵌合面15bから短繊維14の一部14aが径方向の内側に向けて突出するシール材4を、ここから容易に形成することができる。その結果、雄型部材2と雌型部材3との間への微細な異物の侵入の抑制、及び、雄型部材2と雌型部材3とが相対的に軸方向に移動する際の摺動抵抗の低減といった、互いにトレードオフの関係にある両課題を同時に解決することができるシール材4(ゴム層15)を容易に製造できる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、一対のシール材4を雌型部材3の軸方向の両端部に取り付ける例について述べたが、本発明はこれに限定されず、使用環境に応じて、シール材4が雌型部材3の軸方向に関する両端部のいずれか一方に取り付けられるものであってもよい。
なお、上記実施形態では、雄型部材2の雄溝7が所謂4条ねじ構造を有する例について述べたが、本発明はこれに限定されず、雄溝7の条数は、ボールねじ1の使用状況に応じて変更することができる。
なお、上記実施形態では、各工程(A)〜(F)を順に行うことにより、シール材を製造する例について述べたが、本発明はこれに限定されるものではない。図5は、本実施形態に係るシール材の製造工程の一部を示している。ここで、シール材の製造工程の別の一例としては、(i)ゴムに含有された複数の短繊維(繊維)24の長手方向が所定方向にほぼ揃えられたシート27を作成する工程(図5(a)参照)、(ii)上記所定方向に対して略直交する方向にシート27を切断することにより、短冊状の複数のブロック体21(本実施形態では9つ)を作成する工程(図5(b)参照)、(iii)各ブロック体21に含有されている短繊維24の長手方向が所定方向に揃えられた状態で各ブロック体21を重ねて積層することにより、各ブロック体21を一列に並べたシート状物22を、ゴム層25の前駆体29として作成する工程(図5(c)参照)、(iv)雄型部材2の外周面6(図2(a)参照)に前駆体29を巻き付けた後、前駆体29の外周面に所定の圧力を加えることによって、雄型部材2の雄溝7(図2(a)参照)と嵌合可能な凸部を有する嵌合面25b(図5(d)参照)を前駆体29の内周面に形成し、ゴム層25(図5(d)参照)を作成する工程、(v)ゴム層25を雄型部材2(図2(a)参照)の周方向に回動させて雄型部材2から抜き出す工程、(vi)ゴム層25に接着剤を用いてカバー部材を貼り付ける工程、を順次行うことによる製法を挙げることができる。当然、カバー部材が不要な場合は、上記工程(vi)は不要となる。なお、実際には、ゴム層25の嵌合面25bから突出せずにゴム層25の内部においてのみ内在する短繊維24も存在しているが、図5(d)では、便宜上、嵌合面25bから径方向の内側に向けて一部24aが突出している短繊維24のみを図示している。上記工程(i)〜(vi)を順に行うことによっても、ゴム層25における嵌合面25bから短繊維24の一部24aが径方向の内側に向けて突出するシール材を、容易に形成することができる。その結果、雄型部材2と雌型部材3との間への微細な異物の侵入の抑制、及び、雄型部材2と雌型部材3とが相対的に軸方向に移動する際の摺動抵抗の低減といった、互いにトレードオフの関係にある両課題を同時に解決することができるシール材(ゴム層25)を容易に製造できる。
ここで、図5(c)に示すシート状物22(ゴム層25の前駆体29に相当するシート状物)は、各ブロック体21に含有されている短繊維24の長手方向が所定方向にほぼ揃えられた状態で、少なくとも雄型部材2の外周面6を被覆可能なように各ブロック体21を積層したものである。よって、シート状物22の積層方向の長さは、少なくとも雄型部材2の外周面6を被覆可能な長さであればよい。このようなシート状物22を形成することによっても、雄型部材2と雌型部材3との間への微細な異物の侵入の抑制、及び、雄型部材2と雌型部材3とが相対的に軸方向に移動する際の摺動抵抗の低減といった、互いにトレードオフの関係にある両課題を同時に解決することができるシール材(ゴム層25)を容易に製造できる。
1 ボールねじ
2 雄型部材
3 雌型部材
4 シール材
5 本体部
6 外周面
7 雄溝
8 筒状部
9 板状部
10、11 内周面
12 雌溝
13 循環経路
14、24 短繊維(繊維)
14a、24a 短繊維の一部
15、25 ゴム層
15a 孔
15b、25b 嵌合面
15c 凸部
16 カバー部材
16a 筒状部
16b リング部
16c 取り付け部
17、27 シート
18 積層材
19、29 前駆体
20、21 ブロック体
22 シート状物
B ボール
P 軌道

Claims (3)

  1. 外周面にボールを転動可能な複数の雄溝が形成された雄型部材と、
    前記ボールを転動可能な複数の雌溝が前記雄溝と対向して形成された内周面を有するとともに、前記ボールを循環可能な循環経路が形成された雌型部材と、
    前記雌型部材の軸方向の一端部または/および他端部に設けられたシール材と、
    を備え、前記雄型部材と前記雌型部材とが軸方向に嵌合されるボールねじであって、
    前記シール材が、
    前記雌型部材の前記内周面と連通可能な孔と、
    前記孔に前記雄型部材が内挿された際に前記雄型部材の前記雄溝と嵌合可能な凸部が形成された嵌合面を有し、少なくとも繊維を含有するゴム層と、
    を備え、
    前記ゴム層に含有された前記繊維の長手方向の一部が、
    前記嵌合面から径方向の内側に向けて突出している
    ことを特徴とするボールねじ。
  2. 外周面にボールを転動可能な複数の雄溝が形成された雄型部材と、
    前記ボールを転動可能な複数の雌溝が前記雄溝と対向して形成された内周面を有するとともに、前記ボールを循環可能な循環経路が形成された雌型部材と、
    が軸方向に嵌合されるボールねじに使用されるシール材であって、
    前記雌型部材の前記内周面と連通可能な孔と、
    前記孔に前記雄型部材が内挿された際に前記雄型部材の前記雄溝と嵌合可能な凸部が形成された嵌合面を有し、少なくとも繊維を含有するゴム層と、
    を備え、
    前記ゴム層に含有された前記繊維の長手方向の一部が、
    前記嵌合面から径方向の内側に向けて突出していることを特徴とするシール材。
  3. 外周面にボールを転動可能な複数の雄溝が形成された雄型部材と、
    前記ボールを転動可能な複数の雌溝が前記雄溝と対向して形成された内周面を有するとともに、前記ボールを循環可能な循環経路が形成された雌型部材と、
    が軸方向に嵌合されるボールねじに適用されるシール構造であって、
    前記雌型部材の前記内周面と連通可能な孔と、
    前記孔に前記雄型部材が内挿された際に前記雄型部材の前記雄溝と嵌合可能な凸部が形成された嵌合面を有し、少なくとも繊維を含有するゴム層と、
    を備え、
    前記ゴム層に含有された前記繊維の長手方向の一部が、
    前記嵌合面から径方向の内側に向けて突出していることを特徴とするシール構造。
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