JP5807380B2 - ボールねじ - Google Patents

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本発明は、ボールねじに関するものであり、特にボールねじ軸の軸線方向端部からシール部材を当該ボールねじ軸の外周に嵌め被せてボールねじナットの軸線方向端部に取付けて使用する場合に好適なものである。
ボールねじは、ボールねじ軸に雄ボールねじ溝を形成すると共に、ボールねじナットに雌ボールねじ溝を形成し、それら雌雄ボールねじ溝間にボール(転動体)を介装し、ボールが転動することにより滑らかな回転−直動運動を可能とするものである。ボールと雌雄ボールねじ溝との間に異物が介入すると滑らかな回転−直動運動を確保できないので、例えばボールねじナットの軸線方向端部にシール部材を取付け、シール外周部の内周に設けられたシールリップの内側先端部を雄ボールねじ溝の内部を含めてボールねじ軸の外形面に接触させ、もって異物の侵入を防止する場合もある。同様に、ボールねじナットの軸線方向端部にシール部材を取付け、例えばボールねじナットの内部に供給された潤滑剤の外部への漏れを防止し、内部に密封する場合もある。
このようなシール部材をボールねじナットの軸線方向端部に取付ける際、ボールねじ軸の軸線方向端部からシール部材を外周に嵌め被せて押し込む場合がある。そのため、例えば薄板状で弾性を有するシール部材の径方向にすり割りを設け、このすり割りからシール部材を押し開いてボールねじ軸の外周に嵌め被せるようにするものがある。また、下記特許文献では、ボールねじナットの雄ボールねじ溝の外周エッジに面取りを施すようにしている。
特開2006−300192号公報
しかしながら、すり割りから押し開いてボールねじ軸の外周に嵌め被せたシール部材はボールねじナットに取付けられた後もすり割り部分が開いており、シール性が不完全である。また、前記特許文献に記載されるボールねじでは、雄ボールねじ溝の不完全ねじ部にはエッジが残存するため、ボールねじ軸の軸線方向端部に不完全ねじ部が存在する場合、シール部材をボールねじ軸の軸線方向端部から当該ボールねじ軸の外周面に嵌め被せるとき、シール部材が損傷しやすい。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、シール部材によるシール性が良好で且つシール部材をボールねじ軸の外周に軸線方向端部から嵌め被せやすいボールねじを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明のボールねじは、ボールねじ軸に形成された雄ボールねじ溝とボールねじナットに形成された雌ボールねじ溝との間に複数のボールを介装し、ボールねじ軸のボールねじ軸線方向端部から当該ボールねじ軸の外周に嵌め被せたシール部材をボールねじナットのボールねじ軸線方向端部に取付け、前記シール部材のシール外周部の内側のシールリップの内側先端部がボールねじ軸の外形面に接触するボールねじであって、前記シール部材が嵌め被せられる経過中のボールねじ軸の最大外周長さをLb、前記シールリップの内側先端部の内周長さをLsとした場合、前記シール部材は、前記ボールねじ軸の外周に嵌め被せる前はLb>Lsで、当該ボールねじ軸の外周に嵌め被せている間はLb≦Lsとなる弾性を有することを特徴とするものである。
また、前記シールリップを内装する内穴が形成された補強心材をシール部材のシール外周部に設ける場合であって、前記心材の内穴輪郭に内接する最大内接円直径をDfmax、前記シール部材が嵌め被せられる経過中のボールねじ軸の最大直径をDb、シールリップの厚さをtsとした場合、Dfmax>Db+2tsを満たすことを特徴とするものである。
また、前記ボールねじ軸の雄ボールねじ溝の不完全ねじ部に面取りを施したことを特徴とするものである。
また、前記シール部材が外周に嵌め被せられるボールねじ軸の面取りを含まない端面の直径bは前記シールリップの内側先端部の最大直径Dsmaxよりも大きいことを特徴とするものである。
また、前記シール部材が外周に嵌め被せられるボールねじ軸の端面と雄ボールねじ溝とのエッジ部に面取りを施したことを特徴とするものである。
而して、本発明のボールねじによれば、シール部材が嵌め被せられる経過中のボールねじ軸の最大外周長さをLb、シールリップの内側先端部の内周長さをLsとした場合、シール部材は、ボールねじ軸の外周に嵌め被せる前はLb>Lsで、当該ボールねじ軸の外周に嵌め被せている間はLb≦Lsとなる弾性を有する構成としたため、シール部材をボールねじ軸の外周に軸線方向端部から嵌め被せやすく、シール部材に径方向のすり割りを設ける必要のないことからシール性がよい。
また、シールリップを内装する内穴が形成された補強心材をシール部材のシール外周部に設ける場合に、心材の内穴輪郭に内接する最大内接円直径をDfmax、シール部材が嵌め被せられる経過中のボールねじ軸の最大直径をDb、シールリップの厚さをtsとした場合、Dfmax>Db+2tsを満たすこととしたため、シールリップを損傷することなく、シール部材をボールねじ軸の外周に軸線方向端部から嵌め被せやすい。
また、ボールねじ軸の雄ボールねじ溝の不完全ねじ部に面取りを施したことにより、シール部材をボールねじ軸の軸線方向端部から嵌め被せたときにシールリップが損傷しにくい。
また、シール部材が外周に嵌め被せられるボールねじ軸の面取りを含まない端面の直径bをシールリップの内側先端部の最大直径Dsmaxよりも大きくしたことにより、シール部材の損傷を抑制防止することができる。
また、シール部材が外周に嵌め被せられるボールねじ軸の端面と雄ボールねじ溝とのエッジ部に面取りを施したことにより、シール部材をボールねじ軸の外周に軸線方向端部から嵌め被せた場合でもシールリップが損傷しにくい。
本発明のボールねじの第1実施形態を示す構成図である。 図1のボールねじ軸とシール部材の詳細図である。 図1のシール部材のシール外周部に補強心材を設ける場合の詳細図である。 図1のボールねじ軸の詳細図である。 図1のボールねじ軸とシール部材の詳細図である。 本発明のボールねじの第2実施形態を示す構成図である。 図6のボールねじ軸とシール部材の詳細図である。 従来のシール部材の詳細図である。 従来のボールねじ軸とシール部材の詳細図である。 従来のボールねじ軸とシール部材の詳細図である。
次に、本発明のボールねじの実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態を示すボールねじの構成図であり、図1aは左側面図、図1bは正面図である。図中の符号1はボールねじ軸、符号2はボールねじナットであり、ボールねじ軸1には雄ボールねじ溝3が、ボールねじナット2には図示しない雌ボールねじ溝が形成され、雄ボールねじ3と雌ボールねじ溝の間に図示しない複数のボールが介装されている。例えばボールねじナット2の回転を規制しながらボールねじ軸1を回転するとボールねじナット2が直動する。このとき、雄ボールねじ溝3と雌ボールねじ溝間に介装されているボールが転動するため、滑らかな回転−直動運動が達成される。
本実施形態のボールねじ軸1は、図1bの右方端部にフランジ4が形成されており、ボールねじナット2をボールねじ軸1の図1bの左方端部から組付けた後、シール部材5をボールねじ軸1の外周に図1bの軸線方向左方端部から同図の矢印方向、即ち右方に嵌め被せてボールねじナット2の軸線方向左方端部のシール収納部6に取付ける。また、ボールねじ軸1の雄ボールねじ溝3形成部の軸線方向図示両端部では、雄ボールねじ溝3が所謂切り上がっていて、雄ボールねじ溝3のない、ボールねじ軸1の外周面そのものの部分や、雄ボールねじ溝3の不完全ねじ部9が存在する。なお、図1bのボールねじナット2の軸線方向右方端部のシール収納部6内には予め図示しないシール部材が取付けられている。また、図中の符号7は雌雄ボールねじ溝を潤滑するための潤滑油の給油穴、符号8は排油穴である。
図2は、図1のボールねじ軸1とシール部材5の詳細図であり、図2aは左側面図、図2bは正面図である。本実施形態のシール部材5は、例えば図2に示すように、シール外周部10と、その内側のシールリップ11が同一素材からなる。シール部材5の素材としてはゴムやエラストマーが挙げられる。本実施形態のような薄板状のシール部材5がボールねじナット2の軸線方向端部に取付けられる場合、シール部材5のシールリップ11の内側先端部が対向するボールねじ軸1の外形は、ボールねじ軸1自体の外周面であったり、雄ボールねじ溝3の溝内であったり、溝底であったりする。そのため、シールリップ11の内側先端部は、例えば図2aに実線で示すような形状をしている。なお、図2aの最も内側の実線の円は便宜的に雄ボールねじ溝3の溝底を示し、図2aの破線の円はボールねじ軸1の外周面を示す。
例えば図2aに示すシールリップ11の場合、雄ボールねじ溝3の溝内に接触する部分が、ボールねじ軸1の外周面に接触する部分よりも内側に張り出しているので、シール部材5をボールねじ軸1の外周に軸線方向図示左方端部から嵌め被せる場合には、雄ボールねじ溝3の内部に接触する部分の方がボールねじ軸1の外周面に接触する部分よりも大きく変形する。なお、シール部材5がシール性を発揮するためには、シール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せた後、シールリップ11の内側先端部が少し変形してボールねじ軸1の外形面に所定の弾性力で接触する必要がある。このシールリップ12の変形代が、例えば図2bのボールねじ軸1の外周面とのオーバーラップ部分であり、本実施形態ではしめ代とも記す。
本実施形態では、シールリップ12の内側先端部の内周長さをLs、シール部材5が嵌め被せられる経過中のボールねじ軸1の最大外周長さ(ボールねじ軸1の外周面及び雄ボールねじ溝3の溝内面を含む)をLbとしたとき、シールリップ12の内側先端部は前記しめ代を有するので、シール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せる前はLb>Lsが満たされなければならない。一方、シール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せている間は、シール部材5の弾性がLb≦Lsを満たすようにシールリップ11の内側先端部が弾性変形範囲内で伸びればシール部材5が塑性変形したり、シールリップ11が損傷したりすることがない。
図8は、従来のボールねじ軸1とシール部材5の詳細であり、図8aは左側面図、図8bは正面図、図8cはボールねじ軸1の外周に嵌め被せているときのシール部材5の右側面図である。なお、本実施形態と同等の構成には同等の符号を用いた。この従来のシール部材5には径方向にすり割り101が設けられており、シール部材5をボールねじ軸1の外周面に嵌め被せる際には、図8cに示すように、シール部材5をすり割り101から押し開く。前述したように、シール部材5のシールリップ11の内側先端部にはしめ代があるので、シール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せた後も、厳密にはすり割り101は僅かに開いたままであり、シール性が不完全である。これに対し、本実施形態のシール部材5にはすり割りが不要であることからシール性に優れる。
図3は、シール部材5のシール外周部10に補強心材12を設ける場合の変形例であり、図3aは左側面図、図3bは正面図、図3cはシール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せた後の心材12の内穴13とボールねじ軸1の外周面の状態説明図、図3dはシール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せているときの心材12の内穴13とボールねじ軸1の外周面の状態説明図である。心材12は、シールリップ11と同一素材であっても、別素材であってもよいが、心材であるからシールリップ11よりも強度の高いことが望まれる。心材12の内部には、シールリップ11を内装する(両者が同一素材である場合は両者の接続部に相当する)内穴13が設けられている。
例えば、シール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せた後、当該シール部材5をボールねじナット2の軸線方向端部に取付けると、図3cに示すように、シール部材5とボールねじ軸1は同心となり、心材12の内穴13がボールねじ軸1の外周面とオーバーラップする場合もある。しかしながら、シール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せているときには、図3dのように、シール部材5とボールねじ軸1が同心である必要はない。前述のように、心材12はシールリップ11よりも強度が高いので、シール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せているときに心材12は変形しない、或いは変形しにくい。そこで、図3dに示すように、心材12の内穴13の輪郭に内接する最大内接円14の直径をDfmax、シール部材5が嵌め被せられる経過中のボールねじ軸1の最大直径をDb、シールリップ12の厚さをtsとした場合、Dfmax>Db+2tsを満たせば、シールリップ12が心材12の内穴13とボールねじ軸1の外周面の間に挟まってしまうことがなく、従ってシールリップ12を損傷することなく、シール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せやすい。
図4は本実施形態のボールねじ軸1の詳細図であり、図4aは正面図、図4bは雄ボールねじ溝3の不完全ねじ部9の縦断面図である。図4bの雄ボールねじ溝3の縦断面図は、完全ねじ部と不完全ねじ部9の複数の縦断面図を積層状態に示している。本実施形態では、雄ボールねじ溝3の完全ねじ部だけでなく、不完全ねじ部9にも、ボールねじ軸1の外周面、所謂ランド部にできるエッジ部にR面取り15を施した。面取り15はR面取りに限らず、C面取りなどであってもよい。前記特許文献2には、雄ボールねじ溝3に面取りを施すことは記載されているが、雄ボールねじ溝3の不完全ねじ部9に面取りを施すことは記載されていない。実質的に、雄ボールねじ溝3に面取りを施す場合には、雄ボールねじ溝3と面取りを同時に加工する総型の切削用チップや砥石を用いて加工するが、不完全ねじ部では、これらの加工具の面取り部がワークであるボールねじ軸1の外周面、つまりランド部から離れてしまうため、面取り加工ができない。本実施形態では、個別の加工具を用いて、この雄ボールねじ溝3の不完全ねじ部9にも面取り15を設けることにより、ボールねじ軸1の外周に軸線方向端部から嵌め被せられるシール部材5のシールリップ11が不完全ねじ部9を通過する際の損傷を抑制防止することができる。
図5は、本実施形態のボールねじ軸1とシール部材5の詳細図であり、図5aは図2と同等のシール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せている状態の説明図、図5bは図2のシール部材5の変形例をボールねじ軸1の外周に嵌め被せている状態の説明図である。本実施形態では、シール部材5はボールねじ軸1のうちの雄ボールねじ溝3が形成されている部分に嵌め被せられるのであるが、本実施形態では、この雄ボールねじ溝3形成部のボールねじ軸1に対するシール部材5のしめ代よりも当該雄ボールねじ溝3形成部のボールねじ軸1の軸線方向端面の面取り16を小さくした。本実施形態のシール部材5は、シールリップ11の内側先端部の径方向対向部が互いにボールねじ軸1の外周面に接触する部分も存在するので、ボールねじ軸1に対するシール部材5のしめ代よりもボールねじ軸1の軸線方向端面の面取り16を小さくするためには、シール部材5が外周に嵌め被せられるボールねじ軸1の面取りを含まない端面の直径bをシールリップ11の内側先端部の最大直径Dsmaxよりも大きくしなければならない。
図5bは、シール部材5のシールリップ11が軸線方向図示右方に傾斜している、換言すればシール部材5の嵌め込み方向に傾斜している変形例であるが、この場合も含めて、シール部材5が外周に嵌め被せられるボールねじ軸1の面取りを含まない端面の直径bをシールリップ11の内側先端部の最大直径Dsmaxよりも大きくすることにより、ボールねじ軸1に対するシール部材5のしめ代よりもボールねじ軸1の軸線方向端面の面取り16を小さくすると、シールリップ11の内側先端部が全周にわたって同時に変形する。このとき、前述のようにシールリップ11の内側先端部の一部がその他の部分に対して内側に張り出しているような場合でも、シール部材5の中心とボールねじ軸1の中心をずらしてシール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せればよいので、シールリップ11の変形量は局所的に大きくなったり小さくなったりすることがなく、シールリップ11の内側先端部は、どの部分もシール部材5の嵌め込み方向と反対側に変形する。このようにシールリップ11の内側先端部がシール部材5の嵌め込み方向と反対側に変形すれば、その変形量が弾性変形範囲を超えることがなく、従ってボールねじ軸1の外周に嵌め被せたシール部材5をボールねじナット2の軸線方向端部に取付けた後は、シールリップ11は所定のしめ代でボールねじ軸1の外形面に接触する。
図9は、従来のボールねじ軸1とシール部材5の詳細図であり、図9aは図2と同等のシール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せている状態の説明図、図9bは図2のシール部材5の変形例をボールねじ軸1の外周に嵌め被せている状態の説明図である。なお、同等の構成には同等の符号を用いた。また、図9bは、前記図5bと同様のシールリップ11の変形例である。この従来例は、例えばシール部材5が外周に嵌め被せられるボールねじ軸1の面取りを含まない端面の直径bをシールリップ11の内側先端部の最大直径Dsmaxよりも小さくすることにより、ボールねじ軸1に対するシール部材5のしめ代よりもボールねじ軸1の軸線方向端面の面取り102を大きくしたものである。
このようにボールねじ軸1に対するシール部材5のしめ代よりもボールねじ軸1の軸線方向端面の面取り102を大きくすると、例えば他の部分よりも内側に張り出したシールリップ11の内側先端部はシール部材5を嵌め被せるボールねじ軸1の端面に接触しても、そのほかの部分は面取り102に位置して接触していないといった状態が生じる。その状態からシール部材5をボールねじ軸1の外周に嵌め被せると、シールリップ11の最初にボールねじ軸1の端面に接触した部分のみが大きく変形し、そのほかの部分が変形しない(図9b)場合や、変形方向が逆向きになる(図9a)場合がある。このような場合、何れもシールリップ11の変形量が局所的に大きくなり、著しい場合には弾性変形範囲を超えて塑性変形したり損傷したりすることもある。そして、シールリップ11が塑性変形したり損傷したりしてしまうと、当然ながらシール性が悪化してしまう。
本実施形態では、シール部材5が外周に嵌め被せられるボールねじ軸1の面取りを含まない端面の直径bをシールリップ11の内側先端部の最大直径Dsmaxよりも大きくすることにより、ボールねじ軸1に対するシール部材5のしめ代よりもボールねじ軸1の軸線方向端面の面取り16を小さくすることで、シールリップ11の内側先端部の変形量が局所的に大きくなるのを回避し、もってシールリップ11の塑性変形や損傷を抑制防止することができる。
図6は、本発明のボールねじの第2実施形態を示す正面図である。本実施形態では、ボールねじ軸1の雄ボールねじ溝3形成部の軸線方向図示左方端部に当該雄ボールねじ溝3が所謂切り通っている例である。このようにボールねじ軸1の軸線方向端部におるボールねじ溝3が切り通っている場合、図10の従来例に示すように、シール部材5が外周に嵌め被せられるボールねじ軸1の端面に雄ボールねじ溝3のエッジ部が残っており、このエッジ部にシール部材5が接触してシールリップ11が損傷することがあった。本実施形態では、図7に示すように、シール部材5が外周に嵌め被せられるボールねじ軸1の端面と雄ボールねじ溝3とのエッジ部に面取り17を施し、シールリップ11の損傷を抑制防止する構成とした。なお、面取り17は、C面取りやR面取りが望ましいが、例えばグラインダなどによりエッジ部を除去してなだらかな形状としてもよい。
このように前記各実施形態のボールねじでは、シール部材5が嵌め被せられる経過中のボールねじ軸1の最大外周長さをLb、シールリップ11の内側先端部の内周長さをLsとした場合、シール部材5は、ボールねじ軸1の外周に嵌め被せる前はLb>Lsで、当該ボールねじ軸1の外周に嵌め被せている間はLb≦Lsとなる弾性を有することとしたため、シール部材5をボールねじ軸1の外周に軸線方向端部から嵌め被せやすく、シール部材5に径方向のすり割りを設ける必要のないことからシール性がよい。
また、シールリップ11を内装する内穴13が形成された補強心材12をシール部材5のシール外周部10に設ける場合に、心材12の内穴13輪郭に内接する最大内接円14の直径をDfmax、シール部材5が嵌め被せられる経過中のボールねじ軸1の最大直径をDb、シールリップ11の厚さをtsとした場合、Dfmax>Db+2tsを満たすことにより、シールリップ11を損傷することなく、シール部材5をボールねじ軸1の外周に軸線方向端部から嵌め被せやすい。
また、ボールねじ軸1の雄ボールねじ溝3の不完全ねじ部9に面取り15を施したことにより、シール部材5をボールねじ軸1の軸線方向端部から嵌め被せたときにシールリップ11が損傷しにくい。
また、シール部材5が外周に嵌め被せられるボールねじ軸1の面取り16を含まない端面の直径bをシールリップ11の内側先端部の最大直径Dsmaxよりも大きくしたことにより、シール部材5の損傷を抑制防止することができる。
また、シール部材5が外周に嵌め被せられるボールねじ軸1の端面と雄ボールねじ溝3とのエッジ部に面取り17を施したことにより、シール部材5をボールねじ軸1の外周に軸線方向端部から嵌め被せた場合でもシールリップ11が損傷しにくい。
1はボールねじ軸
2はボールねじナット
3は雄ボールねじ溝
4はフランジ
5はシール部材
6はシール収納部
7は給油穴
8は排油穴
9は不完全ねじ部
10はシール外周部
11はシールリップ
12は心材
13は内穴
14は内接円
15、16、17は面取り

Claims (4)

  1. ボールねじ軸に形成された雄ボールねじ溝とボールねじナットに形成された雌ボールねじ溝との間に複数のボールを介装し、ボールねじ軸のボールねじ軸線方向端部から当該ボールねじ軸の外周に嵌め被せたシール部材をボールねじナットのボールねじ軸線方向端部に取付け、前記シール部材のシール外周部の内側のシールリップの内側先端部がボールねじ軸の外形面に接触するボールねじであって、前記シール部材が嵌め被せられる経過中のボールねじ軸の最大外周長さをLb、前記シールリップの内側先端部の内周長さをLsとした場合、前記シール部材は、前記ボールねじ軸の外周に嵌め被せる前はLb>Lsで、当該ボールねじ軸の外周に嵌め被せている間はLb≦Lsとなる弾性を有し、前記シール部材が外周に嵌め被せられるボールねじ軸の面取りを含まない端面の直径Dbは前記シールリップの内側先端部の最大直径Dsmaxよりも大きいことを特徴とするボールねじ。
  2. 前記シールリップを内装する内穴が形成された補強心材をシール部材のシール外周部に設ける場合であって、前記心材の内穴輪郭に内接する最大内接円直径をDfmax、前記シール部材が嵌め被せられる経過中のボールねじ軸の最大直径をDb、シールリップの厚さをtsとした場合、Dfmax>Db+2tsを満たすことを特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
  3. 前記ボールねじ軸の雄ボールねじ溝の不完全ねじ部に面取りを施したことを特徴とする請求項1又は2に記載のボールねじ。
  4. 前記シール部材が外周に嵌め被せられるボールねじ軸の端面と雄ボールねじ溝とのエッジ部に面取りを施したことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のボールねじ。
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