JP2014051073A - 真偽判別が可能な印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
従来のメタメリックペアインキを用いた偽造防止技術のように、特殊な光源やフィルタのような特別な道具を必要とすることなく、印刷物を手にした万人がその色相変化を視認でき、迅速、かつ、極めて容易に真偽判別を行うことができる印刷物を提供するものである。
【解決手段】
基材の少なくとも一部に、第一の画像領域と第二の画像領域を有する印刷画像を形成する。第一の画像領域は、第一の色相を有する有色浸透インキから成る第一の画像要素群と、第一の色相と異なる第二の色相を有する着色インキから成る第二の画像要素群で構成し、第二の画像領域は、第一の色相と第二の色相の合成色である第三の色相を有する着色インキで形成し、第一の画像領域と第二の画像領域は可視光の反射光下で等色に形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、偽造防止効果を必要とするセキュリティ印刷物である銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、カード、通行券等の貴重印刷物の分野において、フィルタを通して観察した場合と、透過光で観察した場合とで、視認できる画像の色相が変化する印刷物に関わるものである。
近年のスキャナ、プリンタ、カラーコピー機等のデジタル機器の進展により、貴重印刷物の精巧な複製物を容易に作製することが可能となっている。そのような複製や偽造を防止する偽造防止技術の一つとして、メタメリックペアインキを用いた偽造防止技術や透かしインキを用いた偽造防止技術がある。
メタメリックペアインキとは、通常の可視光下では等色に観察されるが、特定の波長帯の光の下では異色に観察される関係にあるインキAとインキBをペアとしたものであり、このメタメリックペアインキを用いた偽造防止技術とは、最もシンプルな例としてはインキAでパターンAを形成し、インキBでパターンBを形成したものであって、可視光下ではパターンAとパターンBが等色に見えるが、特定の波長帯の光を選択的に透過するフィルタを通して観察した場合にはパターンAとパターンBが異色に見えることを真偽判別の基準とする技術である(例えば、特許文献1参照)。このメタメリックペアインキを用いた偽造防止技術は、フィルタを用いて観察した場合には瞬時に真偽判別が可能である一方で、インキに用いる顔料の分光反射率に関する知識が不可欠であるために偽造は容易ではない。そのため現在多くのセキュリティ製品に用いられている。
一方、透かしインキを用いた偽造防止技術とは、用紙の厚さや密度に差異を設けて形成する、用紙の偽造防止技術の代表的な技術のひとつである「透かし」に変わって、用紙中のセルロースの屈折率に近い樹脂をワニスとした透かしインキを用いて印刷で特定の画像を形成し、擬似的な「透かし」を形成するものである。この方法の一例として、特殊なインキ(例えば、特許文献2参照)を用いて疑似的な透かしに相当する透過画像を形成する偽造防止技術が存在する(例えば、特許文献3参照)。これらの印刷物は可視光に印刷物を透かすだけで判別が可能であり、メタメリックペアインキを用いた偽造防止技術と同様に、多くのセキュリティ印刷物に用いられている。
特公昭60−58711号公報 特開2000−290571号公報 特開平6−228900号公報
しかしながら、メタメリックペアインキで形成した偽造防止用印刷物は偽造が困難である一方、その真偽を判別するためには、所定の分光エネルギー分布を有する光源の下で見るか、所定のフィルタを通して見るか、あるいは所定のフィルタを通過させた光の下で見る必要があり、専用の光源か、フィルタを用いる必要があった。これは、透かしのように印刷物を手にした万人が簡便に真偽判別を行えるものではなく、真偽判別にこの技術を利用できる者が限定されるという問題があった。
一方、特許文献3に記載の技術に代表される、透かしインキを用いた偽造防止技術は、特殊な光源やフィルタ等の道具を必要とすることなく、印刷物を可視光に透かすだけで真偽判別が可能であって、印刷物を手にした万人が簡便に真偽判別を行えるという利点がある。しかし、透かしインキ自体は一般販売されているために、単純な図柄や構成であった場合には容易に偽造されてしまうという問題があった。
本発明の真偽判別可能な印刷物は、基材の少なくとも一部に、基材とは異なる色のインキから成る印刷画像を備え、印刷画像は、第一の画像領域と第二の画像領域を有し、第一の画像領域は、色材と浸透成分とを含み第一の色相を有する有色浸透インキから成る第一の画像要素が規則的に複数配置されて成る第一の画像要素群と、第一の色相と異なる第二の色相を有する着色インキから成る第二の画像要素が規則的に、かつ、第一の画像要素と重ならず複数配置されて成る第二の画像要素群とから成り、第二の画像領域は、第一の色相と第二の色相の合成色である第三の色相を有する着色インキから成り、第一の画像領域と第二の画像領域は可視光の反射光下で等色に形成され、透過光で印刷画像を観察した場合には、第一の画像領域と第二の画像領域が異なる色相で視認できることを特徴とする。
また、本発明の真偽判別可能な印刷物は、基材の少なくとも一部に、基材とは異なる色を有する印刷画像と情報画像から成る印刷情報画像を備え、印刷画像は、第二の有意情報をポジ又はネガの状態で表す第一の画像領域と第二の有意情報をネガ又はポジの状態で表す第二の画像領域を有し、第一の画像領域は、色材と浸透成分とを含み第一の色相を有する有色浸透インキから成る第一の画像要素が規則的に複数配置されて成る第一の画像要素群と、第一の色相と異なる第二の色相を有する着色インキから成る第二の画像要素が規則的に、かつ、第一の画像要素と重ならず複数配置されて成る第二の画像要素群とから成り、第二の画像領域は、第一の色相と第二の色相の合成色である第三の色相を有する着色インキから成る第三の画像要素が規則的に複数配置されて成る第三の画像要素群から成り、第一の画像領域と第二の画像領域は可視光の反射光下で等色に形成され、情報画像は、第一の画像要素、第二の画像要素及び第三の画像要素と重ならない位置に、有色浸透インキから成る情報要素が規則的に複数配置されて第一の有意情報を表して成る情報要素群から成り、可視光下での観察から透過光下での観察に変化させた場合には、第一の有意情報から第二の有意情報に視認できる画像が変化することを特徴とする。
また、本発明の真偽判別可能な印刷物は、各要素は、画線又は画素の少なくとも一つ、又はその組み合わせから成ることを特徴とする。
また、本発明の真偽判別可能な印刷物は、色材が着色顔料及び/又は着色染料であり、有色浸透インキ中の配合割合が10%以下であることを特徴とする。
本発明の真偽判別が可能な印刷物は、可視光に透かして観察することによって、反射光下では等色であった領域が、異なる色相に変化して見える。このため、従来のメタメリックペアインキを用いた偽造防止技術のように、フィルタのような特別な道具を必要とすることなく、印刷物を手にした万人がその色相変化を視認でき、迅速、かつ、極めて容易に真偽判別を行うことができる。
本発明の偽造防止技術では、2種類のインキによって形成される第一の画像領域と、もう1種類の異なるインキによって形成される第二の画像領域とが目視上等色である必要があるために、使用する3種類のインキの色合わせにあたっては、従来のメタメリックペアインキと比較しても高度な知識が必要となる。加えて、透かした場合の効果も同時に再現するには、使用する顔料の分光反射率についての知識だけでなく、透過光下での分光透過率や特殊な透かしインキに関する知識等も必要となる。このため、偽造に対する耐性は従来のメタメリックペアインキを用いた偽造防止技術と比較しても格段に高い。
また、従来の印刷による透かし技術が、透過光の強弱(明度の大小)によってしか画像を表現できなかったのと比較して、本技術では透かした場合には、透過光の色(色相)の違いで画像を表現できるため、従来の透かし技術と比較して色彩表現に優れる。
本発明の真偽判別が可能な印刷物は、従来のメタメリックペアインキを用いて作製した偽造防止技術と同様に、特定の波長帯の光を選択的に透過するフィルタを用いて観察した場合にも、反射光下では等色であった領域が、異なる色相に変化して見える効果を有している。この効果を利用して、通常は透過光で観察して真偽判別を行い、仮に透過光下で観察される画像が不明瞭であったり、色相変化が小さかったりして、偽造の嫌疑が生じた場合にのみフィルタによってより厳格な真偽判別を実施するといった、複数の手段による厳重な真偽判別を行うことができる。
本発明の真偽判別が可能な印刷物のより高度な形態(実施の形態2で説明する形態)では、可視光下で観察できる有意情報が透過光下で観察すると消失して、全く相関のない異なる有意情報が出現する効果を得ることができる。これは一般にチェンジと呼ばれる効果で、ある有意情報が全く異なる有意情報へと変化するために、パターンの一部のみの色相が変化する比較的単純な変化と比べると、観察者に強いインパクトを与えることができ、より認証性に優れる。これに加えて、可視光下で観察した場合と透過光下で観察した場合で画像の色相も変化するため、より認証性が高い。
本発明の第1の実施の形態における真偽判別が可能な印刷物を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態における真偽判別が可能な印刷物の印刷画像の分解図である。 本発明の第1の実施の形態における真偽判別が可能な印刷物の第一の画像領域の構成の説明図である。 本発明の第1の実施の形態における真偽判別が可能な印刷物の第一の画像領域の構成の説明図である。 本発明の第1の実施の形態における真偽判別が可能な印刷物の効果を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における真偽判別が可能な印刷物を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態における真偽判別が可能な印刷物の印刷情報画像の分解図である。 本発明の第2の実施の形態における真偽判別が可能な印刷物の印刷画像の構成の説明図である。 本発明の第2の実施の形態における真偽判別が可能な印刷物の印刷情報画像の構成の説明図である。 本発明の第2の実施の形態における真偽判別が可能な印刷物の印刷情報画像を構成する、色材別の画像の説明図である。 本発明の第2の実施の形態における真偽判別が可能な印刷物の効果を示す図である。 本発明の実施例1における真偽判別が可能な印刷物を示す説明図である。 本発明の実施例1における真偽判別が可能な印刷物の印刷画像の分解図である。 本発明の実施例1における真偽判別が可能な印刷物の第一の画像領域の構成の説明図である。 本発明の実施例1における真偽判別が可能な印刷物の効果を示す図である。 本発明の実施例2における真偽判別が可能な印刷物を示す説明図である。 本発明の実施例2における真偽判別が可能な印刷物の印刷情報画像の分解図である。 本発明の実施例2における真偽判別が可能な印刷物の印刷画像の構成の説明図である。 本発明の実施例2における真偽判別が可能な印刷物の印刷情報画像の構成の説明図である。 本発明の真偽判別が可能な印刷物の実施例2における印刷情報画像を構成する、色材別の画像の説明図である。 本発明の実施例2における真偽判別が可能な印刷物の効果を示す図である。
本発明の実施の形態について図1から図5までを用いて説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
(第1の実施の形態)
図1に本発明の真偽判別が可能な印刷物(1)を示す。本発明の真偽判別が可能な印刷物(1)は基材(2)上に、基材と異なる色を有する印刷画像(3)が形成されている。基材(2)は、樹脂の浸透性と光の透過性を有する必要があり、例えば、紙を用いることができる。紙であれば上質紙であっても、コート紙、美術紙等であっても良いが、透かした場合に光が透ける程度の厚みのものである必要がある。仮に、一般的な上質紙を用いる場合には少なくとも300μm以下の厚みであることが望ましい。また、プラスティックのように、光透過性はあるが樹脂の浸透性がないものであっても、その上に浸透性と光透過性を有する塗工層を設けて基材(2)として用いても良い。塗工層としては、パルプ繊維とバインダーを混ぜた塗工液を用いても良いし、コート紙に積層されるような顔料とバインダーを混ぜた塗工液を用いても良い。基材の大きさや色彩については特に制限するものはない。
図2に印刷画像(3)の分解図を示す。印刷画像(3)は、第一の画像領域(4)と第二の画像領域(5)とから成る。第一の画像領域(4)と第二の画像領域(5)はそれぞれが隣接及び/または近接していれば、いずれもいかなる形状であっても問題ない。第一の画像領域(4)と第二の画像領域(5)とは通常の可視光下では等色に観察される。
図3に第一の画像領域(4)の詳細な構成を示す。第一の画像領域(4)は、画線幅W1の第一の画像要素(6)がピッチP1で第一の方向(図中S1方向)に規則的に複数配置されて成る第一の画像要素群と、画線幅W2の第二の画像要素(7)がピッチP1で第一の方向(図中S1方向)に規則的に複数配置されて成る第二の画像要素群とから成る。なお、本明細書でいう「画線」とは、網点を一定方向に隙間無く連続して配置して構成した画像要素であって、点線や破線の分断線、直線、曲線及び波線のことであり、如何なる画線形状で構成しても本発明の技術的思想の範囲に含まれる。
本発明において、第一の画像要素(6)が画線で形成される場合の「規則的に配置」とは、複数の第一の画像要素(6)が画線の方向と異なる第一の方向にピッチ(P1)で配置された状態のことである。第二の画像要素(7)の「規則的な配置」についても、第一の画像要素(6)と同様であり、図3に示すように、第一の画像要素(6)と第二の画像要素(7)の画線の方向及び第一の画像要素(6)と第二の画像要素(7)が配置される第一の方向(S1)は同じである。
また、第一の画像要素(6)と第二の画像要素(7)とは重なり合うことはなく配置されて成り、図3に示す例においては、ピッチP1の半分だけ第一の方向に位相がずれて配置された状態を示している。画線幅W1と画線幅W2は同じでも異なっていても良い。
第一の画像要素(6)と第二の画像要素(7)は、いずれも画線である必要はなく、図4(a)に示すように画素でも良い。また、図4(b)に示すように、いずれか一方が画素で、いずれか一方が画線であっても良い。なお、本明細書でいう「画素」とは、印刷画像(3)を構成する最小単位である印刷網点自体か、印刷網点を複数集合させて形成した一塊の画像要素であって、例えば円、三角形や四角形等を含む多角形、星形等の各種図形、文字や記号等が含まれ、画素の形状は如何なるものであっても本発明における画素に含まれるものとする。
第一の画像要素(6)が画素で形成される場合もまた、規則的に配置される構成であり、本発明において、第一の画像要素(6)が画素で形成される場合の「規則的に配置」とは、高さ(H1)、幅(R1)の第一の画像要素(6)がピッチ(P1)で二つの異なる方向にマトリクス状に配置された状態のことである。第二の画像要素(7)についても、第一の画像要素(6)と同様であり、高さ(H2)、幅(R2)の画素がマトリクス状に配置される。
第一の画像要素(6)は第一の色相を有し、かつ、有色浸透インキによって形成する必要がある。有色浸透インキとは、浸透インキに、有色の顔料や染料を混合して作製するインキであって、有色浸透インキで印刷した画像は、反射光下でははっきりと視認できる色彩を有している一方、透過光下ではその印刷画像は不可視か、ほとんど視認し難い程度の淡い色彩に変化する特徴を有する。簡潔に表現すると「透かすと画像の色が見えなくなる」あるいは「透かすと画像が消える」効果を有したインキである。なお、有色浸透インキの特徴や作製方法等は後記する。
一方の第二の画像要素(7)は第一の色相以外の第二の色相を有し、かつ、有色浸透インキ以外のインキで形成する必要があり、具体的には一般的な着色インキを用いれば良い。要求される特性としては、反射光下でも透過光下でもはっきりと視認できる色相を有していれば良い。なお、第一の画像要素(6)の第一の色相と第二の画像要素(7)の第二の色相は必ず異なっていなければならず、それぞれ赤と緑、紫と黄色等のように、色相が補色か、補色に近い関係にあることが望ましい。
前述のように、第一の画像要素(6)と第二の画像要素(7)とは異なる色相で形成されて成るが、その合成画像である第一の画像領域(4)を目視した場合には第一の画像要素(6)の色相と第二の画像要素(7)の色相はそれぞれ単独では観察されず、第一の画像要素(6)の色相と第二の画像要素(7)の色相の合成色の色相で観察される必要がある。このような効果を得るためには、お互いの要素が配置されるピッチは充分細かい必要がある。目視上、前述のような効果を得るためにはピッチP1は1mm未満である必要がある。第一の画像領域(4)は以上のような構成を満たす必要がある。なお、本明細書でいう合成色とは第一の色相と第二の色相を減法混色させた色のことを指す。
続いて、第二の画像領域(5)の構成について具体的に説明する。第二の画像領域(5)は、第一の画像領域(4)のように、2種類以上のインキで構成する必要はなく、1種類のインキで構成すれば良い。また、第一の画像領域(4)のように、2種類の画像要素に分ける必要もなく、第二の画像領域(5)全体で一つの要素とすれば良い。第二の画像領域(5)を形成するインキは、有色浸透インキでも良いし、通常の着色インキでも良く、これについては特に制約はない。ただし、第二の画像領域(5)の色相については、反射光下で第一の画像要素(6)と第二の画像要素(7)の目視上の合成色と同じ色相である、第三の色相である必要がある。例えば、第一の画像要素(6)が青色で第二の画像要素(7)が黄色であり、その合成色が緑色であれば、第二の画像領域(5)は緑色である必要がある。また例えば、第一の画像要素(6)が赤色で第二の画像要素(7)が青色であり、その合成色が紫色であれば、第二の画像領域(5)は紫色である必要がある。第二の画像領域(5)は以上のような構成を満たす必要がある。
図5に本発明の真偽判別が可能な印刷物(1)の効果を示す。図5(a)は、本発明の真偽判別が可能な印刷物(1)を反射光下で観察した場合に、観察者(9a)に視認される画像を示す。反射光下の観察においては、印刷画像(3)を構成する第一の画像領域(4)と第二の画像領域(5)とが同じ色彩で視認され、一見別々のインキによって第一の画像領域(4)と第二の画像領域(5)とが形成されているとは観察者は気が付かない。
図5(b)は特定の波長帯の光を選択的に透過するフィルタ(10)を通して本発明の真偽判別が可能な印刷物(1)を観察した場合に、観察者(9b)に視認される画像を示す。フィルタ(10)を通して観察した場合には、第一の画像領域(4)を構成する2つのインキと、第二の画像領域を構成するインキの分光反射率の違いがフィルタによって強調されるため、第一の画像領域(4)と第二の画像領域(5)が別の色相で視認される。
図5(c)は、本発明の真偽判別が可能な印刷物(1)を透過光下で観察した場合に、観察者(9c)に視認される画像を示す。透過光下の観察においては、有色浸透インキで形成した第一の画像要素(6)の明度が急激に上昇し、ほとんど色彩を認識できない程度の淡さに変化する。一方の第二の画像要素(7)は通常の着色インキで形成されていることからほとんど明度が変化しない。このため、第一の画像領域(4)は、反射光下では第一の画像要素(6)と第二の画像要素(7)の単純な合成色として視認されていたものが、透過光下では第二の画像要素群(7)の色相である第二の色相がより強調された色へと変化する。第一の画像領域(4)と対を成す第二の画像領域(5)は1種類の通常の着色インキか、あるいは有色浸透インキによって形成されているために、透過光下でも色彩に変化がないか、あるいは明度が単純に上昇するだけの変化に留まり、色相自体は変化しない。このために、反射光下では第一の画像領域(4)と第二の画像領域(5)の等色だった色の関係が、透過光下では崩れ、第一の画像領域(4)と第二の画像領域(5)とが異なる色相の色で視認される。なお、透過光下で視認される、それぞれの領域の色相は、有色浸透インキに混合した色成分に依存するため、図5(b)の図で説明したフィルタ(10)を通して観察した場合に視認される色相とは、多くの場合で異なる。以上が本発明の真偽判別が可能な印刷物(1)の効果であり、以上のような構成で真偽判別が可能な印刷物(1)を作製し、3種類の観察条件別に視認される画像を判別に用いることで、対象物の真偽を判別することができる。
(第2の実施の形態)
続いて、より高度な本発明の実施の形態について図6から図11までを用いて説明する。
図6に本発明の第2の実施の形態の真偽判別が可能な印刷物(1´)を示す。第2の実施の真偽判別が可能な印刷物(1´)は基材(2´)上に、基材と異なる色を有する印刷情報画像(11´)が形成されている。基材(2´)の材質や厚さ、大きさ、色彩等の制約については、第1の実施の形態と同じである。
図7に印刷情報画像(11´)の分解図を示す。印刷情報画像(11´)は、印刷画像(3´)と情報画像(12´)から成り、印刷画像(3´)は第1の実施の形態と同様に第一の画像領域(4´)と第二の画像領域(5´)とから成る。本実施の形態においては、第一の画像領域(4´)と第二の画像領域(5´)とは通常の可視光下では等色に観察され、かつ、第一の画像領域(4´)と第二の画像領域(5´)とは互いに濃淡が反転した関係にある画像の組合せである必要がある。なお、第2の実施の形態の真偽判別が可能な印刷物(1´)において、第一の画像領域(4´)と第二の画像領域(5´)が表す画像の濃淡が反転する関係については特に限定はない。本実施の形態の例では、図7に示すように、第一の画像領域(4´)が「B」の文字をネガで表し、第二の画像領域(5´)が「B」の文字をポジで表す構成について説明するが、第二の画像領域(5´)が「B」の文字をネガで表し、第一の画像領域(4´)が「B」の文字をポジで表す構成であっても良い。
図8に印刷画像(3´)の詳細な構成を示す。印刷画像(3´)は、第一の画像領域(4´)と第二の画像領域(5´)から成る。図8(a)に示す第一の画像領域(4´)は、画線幅W1の第一の画像要素(6´)がピッチP1で第一の方向(図中S1方向)に規則的に複数配置されて第二の有意情報であるアルファベットの「B」の文字をネガで表して成る第一の画像要素群と、画線幅W2の第二の画像要素(7´)がピッチP1で第一の方向(図中S1方向)に規則的に複数配置されて第二の有意情報であるアルファベットの「B」の文字をネガで表して成る第二の画像要素群とから成る。また、第一の画像要素(6´)と第二の画像要素(7´)とは重なり合うことはなく配置されて成り、図8(a)に示す例においては、S1方向に位相がずれて配置されて成る。
第一の画像要素(6´)は第一の色相であって、かつ、有色浸透インキによって形成する必要がある。一方の第二の画像要素(7´)は第二の色相であって、有色浸透インキ以外のインキで形成する必要があり、具体的には一般的な着色インキを用いれば良い。要求される特性としては、反射光下でも透過光下でもはっきりと視認できるだけの色彩を有していれば良い。なお、第一の色相と第二の色相は第1の実施の形態と同様に異なっていなければならず、赤と緑、紫と黄色等のように、色相が補色か、色相が補色に近い関係にあることが望ましい。
前述のように、第一の画像要素(6´)と第二の画像要素(7´)とは異なるインキで形成されて成るが、その合成画像である第一の画像領域(4´)を目視した場合には第一の画像要素(6´)の色相と第二の画像要素(7´)の色相はそれぞれ単独では観察されず、第一の画像要素(6´)の色相と第二の画像要素(7´)の色相の合成色が観察される必要がある。このような効果を得るためには、お互いの要素が配置されるピッチは充分細かい必要がある。目視上、前述のような効果を得るためにはピッチP1は1mm未満である必要がある。第一の画像領域(4´)は以上のような構成を満たす必要がある。
続いて、第二の画像領域(5´)の構成について具体的に説明する。第二の画像領域(5´)は、第一の画像領域(4´)のように、2種類以上のインキで構成する必要はなく、1種類のインキで構成すれば良い。第二の画像領域(5´)を形成するインキは、有色浸透インキでも良いし、通常の着色インキでも良く、これについては特に制約はない。第二の画像領域(5´)は、画線幅W3の第三の画像要素(13´)がピッチP1で第一の方向(図中S1方向)に規則的に複数配置されて第二の有意情報であるアルファベット「B」の文字をポジで表して成る第三の画像要素群から成る。図8(b)では、第三の画像要素(13´)が画線で形成される例を示しているが、第三の画像要素(13´)は、画素で形成されても良い。また、第三の画像要素(13´)が画線又は画素で形成されるときの規則的な配置についても、前述した第一の画像要素(6)及び第二の画像要素(7)と同様である。第三の画像要素(13´)は第三の色相を有し、第三の色相は、第一の画像要素(6´)の色相と第二の画像要素(7´)の色相の合成色と色相が同じである必要がある。また、第三の画像要素群から成る第二の画像領域(5´)の目視上の色彩は、第一の画像領域(4´)と等色である必要がある。
また、第一の画像要素(6´)、第二の画像要素(7´)及び第三の画像要素(13´)についてはお互いに重なり合ってはならない。
本実施の形態において、第一の画像領域(4´)と第二の画像領域(5´)は互いに同じ第二の有意情報であるアルファベットの「B」の文字がネガポジ反転した画像を表して成り、かつ、第一の画像領域(4´)と第二の画像領域(5´)は等色に観察される色彩で成ることから、印刷画像(3´)を目視した場合には、アルファベットの「B」の文字は視認できず、フラットな階調で見える。
本実施の形態では、図8に示すように、第二の有意情報がアルファベットの「B」の文字の例で説明するが、本発明において第二の有意情報は、アルファベットの「B」の文字に限定されるものではなく、他の文字で形成されても良いし、数字、記号、図形、図柄、マーク及び模様のいずれか又はその組み合わせで形成されても良い。
第一の画像領域(4´)と第二の画像領域(5´)の構成については、以上に説明したとおりであるが、前述のように、第一の画像領域(4´)が「B」の文字をポジで表し、第二の画像領域(5´)が「B」の文字をネガで表す構成とする場合、第一の画像要素(6´)と第二の画像要素(7´)を規則的に複数配置して、ポジの状態の「B」の文字を形成し、第三の画像要素(13´)を規則的に複数配置して、ネガの状態の「B」の文字を形成すれば良い。
次に、情報画像(12´)について説明する。図9(b)に示す情報画像(12´)は、画線幅W4の情報要素(14´)がピッチP1で第一の方向(図中S1方向)に規則的に複数配置されて第一の有意情報であるアルファベットの文字「A」を表して成る情報要素群から成る。情報要素(14´)は、有色浸透インキで形成する必要があり、その色彩は、透過光下での第一の有意情報「A」の消失効果を考慮すると、第一の画像要素(6´)と同じであることが望ましい。情報要素(14´)は、図9の拡大図に示すように、第一の画像要素(6´)、第二の画像要素(7´)及び第三の画像要素(13´)と重なり合うことはなく配置される。図9(b)では、情報要素(14´)が画線で形成される例を示しているが、情報要素(14´)は、画素で形成されても良い。また、情報要素(14´)が画線又は画素で形成されるときの規則的な配置についても、前述した第一の画像要素(6)、第二の画像要素(7)及び第三の画像要素(13´)と同様である。
図10に印刷情報画像(11´)を構成するインキ別の画像を示す。有色浸透インキで15c´の画像を形成し、通常の着色インキで15b´の画像を形成し、15c´及び15b´を印刷するために用いたインキとは異なるインキ(有色浸透インキでも通常の着色インキでもよい)で15a´を形成する。以上のように、印刷情報画像(11´)を構成 するためには、少なくとも3種類のインキが必要となる。
図11に本発明の真偽判別が可能な印刷物(1´)の効果を示す。図11(a)は、本発明の真偽判別が可能な印刷物(1´)を反射光下で観察した場合に、観察者(9a´)に視認される画像を示す。反射光下の観察においては、印刷画像(3´)を構成する第一の画像領域(4´)と第二の画像領域(5´)とが等色に視認され、アルファベットの「B」の文字に観察者は気が付かず、アルファベットの「A」の文字が視認される。
図11(b)は特定の波長帯の光を選択的に透過するフィルタ(10´)を通して本発明の真偽判別が可能な印刷物(1´)を観察した場合に、観察者(9b´)に視認される画像を示す。フィルタ(10´)を通して観察した場合には、第一の画像領域(4´)を構成する2つのインキの色相と、第二の画像領域(5´)を構成するインキの色相の分光反射率の違いがフィルタによって強調されるため、第一の画像領域(4´)と第二の画像領域(5´)が別の色相で視認され、アルファベットの「B」の文字が視認できる。
図11(c)は、本発明の真偽判別が可能な印刷物(1´)を透過光下で観察した場合に、観察者(9c´)に視認される画像を示す。透過光下の観察においては、情報画像(12´)も淡く変化して不可視に近くなり、かつ、第1の実施の形態の効果と同様に、印刷画像(3´)を構成する第一の画像領域(4´)と第二の画像領域(5´)とが互いに異なる色相へと変化するため、アルファベットの「A」の文字が消失して「B」の文字が出現する。
以上が本発明の真偽判別が可能な印刷物(1´)の効果であり、以上のような構成で真偽判別が可能な印刷物(1´)を作製し、前述3種類の視認画像を判別に用いることで、対象物の真偽を判別することができる。本実施の形態においては、画像の一部分の色相が変化するだけでなく、画像中の有意情報が異なる有意情報へと変化するため、より認証性が高く、より偽造に対する抵抗力が高い。
以下に、本発明の真偽判別が可能な印刷物(1)を印刷インキで形成する場合に、それぞれのインキを設計する上での基本的な概念について説明する。まず、フィルタを用いた判別において重要となる各インキの色設計に関して説明する。第一の画像要素(6、6´)や情報要素(14´)の形成に用いるインキをインキAとし、第二の画像要素(7、7´)の形成に用いるインキをインキBとし、第二の画像領域(5、5´)や第三の画像要素(13´)の形成に用いるインキをインキCとして説明する。
仮に、インキAを青色とし、インキBを黄色とした場合、インキCは青色と黄色の合成色である緑色とする必要がある。単に緑色を作製するのなら、インキAとインキBを混ぜ合わすか、インキAとインキBに用いた色材を用いて混合することが最も容易であるが、本発明の真偽判別が可能な印刷物(1)に用いるインキCを作製するにあたってはこのような方法は用いてはならない。このような方法では、インキ中に含まれる顔料や染料等の色材が同じとなり、いかなる波長帯においても分光反射率の違いが生じず、いかなるフィルタを使用したとしても、第一の画像領域(4)と第二の画像領域(5)の色相が変化する効果を生じさせることが不可能となるためである。
まず、本発明の効果の一つである、フィルタを用いて観察した場合にそれぞれの要素の色相を大きく変えるという効果を満たすためには、それぞれのインキに含まれる顔料や染料等を共用しないことが重要である。これはそれぞれのインキの分光反射率を異ならせるために必要となる。インキAには青色の色材を、インキBには黄色の色材を、インキCには緑色の色材を用い、それぞれ別の色相の色材を用いてインキを作製することが最も望ましく、この場合には、特定のフィルタで観察した場合に色相が変化する効果を容易に実現することができる。
ただし、色合わせの最終段階においては、同じ色相の色材を必要とする場合もある。例えばインキCの緑に青味が足りない場合、当然のことながら青色の色材を追加して添加する必要がある。このような場合、仮にインキAにシアニンブルーを用いて青色を再現しているとしたら、インキCにおいて青味を追加して色調整する色材としては例えばコバルトブルーを選択すれば良い。コバルトブルーとシアニンブルーを比較すると、コバルトブルーの500nm前後に存在する反射光の1つのピークの波長はシアニンブルーよりも長波調側にあり、かつ、650nm以上の波長帯にも反射波長を有している等、近い色彩で見える色材同士であっても分光反射率が大きく異なる特徴を有している。このようにある程度等色に見えるけれども、分光反射率は大きく異なる色材をインキ別に使い分けることが重要である。以上のように、各インキの分光反射率を可能な限り大きく異ならせることを重視して色材を選択することで、特定のフィルタを使用した場合に大きな色相変化を生じさせるインキを作製することが可能となる。
真偽判別が可能な印刷物(1、1´)を真偽判別する際に使用するフィルタ(10)に関しては、第一の画像領域(4)と第二の画像領域(5)の分光反射率が最も大きく異なる波長帯の光を選択的に透過する特性を有したフィルタ(10)を用いることが望ましい。例えば、第一の画像領域(4)と第二の画像領域(5)の分光反射率が、650nm以上の波長帯で大きく異なるのであれば、650nm以上の波長を選択的に透過するシャープカットフィルタを使用すれば良いし、500nm以下の波長帯で大きく異なるのであれば、500nm以上の波長を選択的に透過するシャープカットフィルタを用いれば良い。このようなフィルタは透過する波長帯別にカットフィルタやパスフィルタ等として市販されている。分光反射率を測定することが不可能である場合には、総当たりにそれらのフィルタを通して真偽判別が可能な印刷物(1,1´)を観察して、それらの中から最も色相が変化したフィルタを選択しても問題ない。
続いて、有色浸透インキについて具体的に説明する。前述の第1の実施の形態では第一の画像要素(6)を、第2の実施の形態では第一の画像要素(6)と情報要素(14´)の形成に用いたインキである。有色浸透インキとは、印刷画像が透過光下で透けて見える(非印刷部よりも明るく観察される)効果を有する浸透成分を含む浸透型インキに、色材をわずかに混合することで形成したインキであり、淡い色を有した浸透型インキを指す。ここで言う「淡い色」とは、拡散反射光下で明度の高い色彩であること指し、具体的には有色浸透インキを網点面積率100%のベタで印刷した場合には、拡散反射光下のL*が70を超える値を有することとする。
従来の技術では、前述した浸透型インキは、「透かすと画像が現れる」効果、いわゆる透かしを形成するインキとして認識され、直接、透過画像を形成することが一般的であった。
本発明の真偽判別が可能な印刷物を形成するために用いる有色浸透インキは、浸透成分と色材とを含んで構成され、浸透成分が基材内部の光の散乱を抑制することで生じさせる透過率の上昇と、色材が光を吸収することで生じる透過率の低下とが絶妙にバランスすることで、透過光下の観察において色彩が極めて淡く変化する特徴を有し、これまでの浸透型インキにはなかった「透かすと画像の色が見えなくなる」あるいは「透かすと画像が消える」効果を生じさせる。
このため、浸透成分の「透かすと透かし画像が現れる」効果が低くとも、色材の混合量を浸透成分の性能に応じた量に調整することで、印刷方式による制限によって多くのインキを転移させられない場合でも「透かすと画像の色が見えなくなる」あるいは「透かすと画像が消える」効果を生じさせることができる。
なお、有色浸透インキ中の浸透成分は、従来の浸透型インキの浸透成分と同じで良く、市販されている浸透型インキと色材を混合して作製しても良い。
有色浸透インキの浸透成分の性能が高い(印刷領域の透過率を上昇させる効果が高い)ほど、色材の混合量を増やすことができるために、有色浸透インキの色濃度を濃くすることができることから、拡散反射光下の観察において、より視認性の高い画像を形成することができる。
逆に、有色浸透インキの浸透成分の性能が低い(印刷領域の透過率を上昇させる効果が低い)場合には、色材の混合量を減らして、有色浸透インキの色濃度を淡く抑える必要があり、この場合には拡散反射光下の画像の視認性は低くなる。
ただし、いずれの場合であっても、浸透成分が透かしインキとして一般に販売されているインキに相当する程度の性能を備えていれば、一定量の色材を混合して「透かすと画像が消える」効果を有する有色浸透インキとすることは可能であり、この有色浸透インキを用いて印刷した画像は、拡散反射光下で容易に視認できる。透かしインキとして販売されていない低粘度のOPニスやグロスニス等でも同様な効果を得ることはできるが、透かしインキと比較すると「透かすと画像の色が見えなくなる」あるいは「透かすと画像が消える」効果は低くなる。最も望ましい特性を有するのは前述の通り、透かしインキである。
有色浸透インキに混合する色材は、着色顔料や着色染料として販売されている印刷色材を用いれば良い。印刷物として市場に流通させることを目的とすると、長期にわたる堅牢性が得られやすい着色顔料を用いることが望ましい。
また、本発明で使用する有色浸透インキは淡い色彩である必要があり、淡い色彩のインキを高い再現性で安定して製造するためには、透過性顔料や微粒子顔料と呼ばれる顔料を選択することが望ましい。
これらの顔料は、一般の顔料と比較して透過性が高く、かつ、着色力が低いことから、有色浸透インキに使用する色材としては最も適している。このような透過性顔料や微粒子顔料としては、コバルト系顔料やシアニン系顔料が存在し、色数も豊富であって、印刷用の色材として一般に販売されている。
前述したような印刷用の色材を使用して有色浸透インキを作製する場合、色材のインキ中の混合量は、重量部で10%以下に留めることが望ましい。なお、「透かすと画像の色が見えなくなる」あるいは「透かすと画像が消える」効果は、有色浸透インキの性能だけに依存するのではなく、形成する画像の面積率にも大きく影響を受ける。
例えば、網点面積率100%の、いわゆるベタで画像を形成した場合と、ハーフトーンからハイライトの低い網点面積率で画像を形成した場合には、同じ有色浸透インキを用いたとしても「透かすと画像の色が見えなくなる」あるいは「透かすと画像が消える」効果は後者の画像のほうが高くなる(ただし、拡散反射光下での視認性は前者の画像のほうが高い)。
このことから、有色浸透インキに混合する色材の量は、色材自体の着色力や浸透成分の性能、形成する画像の面積率等に応じて適性量をその都度見極める必要があるが、色材を10%以上配合した有色浸透インキでは、如何なる方法を用いたとしても、「透かすと画像の色が見えなくなる」あるいは「透かすと画像が消える」効果を高いレベルで獲得することが困難となるため避けるべきである。
なお、本発明における浸透成分とは、印刷時に用紙内部へと浸透して印刷領域の透過率を上昇させる働きを成す成分のことを指し、具体的には、セルロースの屈折率(1.49)に近い樹脂やワックス、動植物油等を指す。これらの成分は、印刷した場合に用紙の中に存在するセルロース繊維間の空隙を埋め、主として用紙内部における光の散乱を抑制することで光の透過率を上げる働きを成す。
また、本発明における浸透型インキとは、前述した浸透成分を含み、一般に透かしインキとして販売されているインキを指す。このようなインキとしては、T&K TOKA製ベストワン透かしインキ、帝国インキ製ユニマーク、東洋インキ製SMXすかしインキ、合同インキ製E2ニス等が存在する。本発明の有色浸透インキは、これらのインキを用いても作製可能である。以上が本発明の有色浸透インキの具体的な特徴と作製方法である。
また、真偽判別が可能な印刷物(1)を形成するにあたって使用する3種類のインキに、機能性材料を混合して特殊な認証機能を付与することも容易に考えられる。例えばいずれかのインキに発光顔料を混合してブラックライト照射時に発光する特性を付与したり、赤外線吸収材料を混合して赤外線による認証機能を付与することは可能である。
真偽判別が可能な印刷物は、オフセット印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、凹版印刷等のあらゆる印刷方式で形成することが可能である。また、浸透性の高いインクを用いることが可能であればIJP等でも形成でき、この場合には一枚、一枚の出力物の情報を変える、いわゆる可変印刷を実施することができる。
最後に、本発明における「等色」と「色相が同じ」であることの違いを以下に説明する。第一の画像領域(4)と第二の画像領域(5)は目視上「等色」である必要があり、同じ色彩に見えること必要がある。一方、第一の画像領域(4)を構成する第一の画像要素(6)の第一の色相と、第二の画像要素(7)の第二の色相と、第二の画像領域(5)の第三の色相とは、第一の色相と第二の色相の合成色と、第三の色相とが「色相が同じ」であれば良いのであって、必ずしも「等色」である必要はなく、完全に同じ色彩に見える必要はない。これは、第一の画像要素(6)の集まりである第一の画像要素群と、第二の画像要素(7)の集まりである第二の画像要素群の1ピッチ中の面積率と、第二の画像領域(5)の面積率は自由に設計可能であることから、それぞれの面積率を異ならせた場合には、各要素の色相自体は大きく変化しないものの、各画像領域の色彩は変わり得るためである。
なお、本発明でいう「色彩」とは、色相、彩度、明度の概念を含んで色を表したものである。また、「色相」とは、赤、青、黄といった色の様相のことであり、具体的には、可視光領域(400〜700nm)の特定の波長の強弱の分布を示すものである。加えて、本発明でいう「等色」とは、観察者が色彩を有する二つの観察対象を特に注意せずに一瞥した場合に、二つの観察対象が異なった色彩ではなく、同じ色彩であると感じる状態のこととする。例えば、色差ΔE6.0以下程度の値とする。また、本発明でいう「色相が同じ」とは、二つの色において赤、青、黄といった色の様相が一致し、可視光領域の波長の強弱の分布が二つの色において相関を有することである。
以下、前述の発明を実施するための最良の形態にしたがって、具体的に作製した真偽判別が可能な印刷物の実施例について詳細に説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の実施例1について図12から図15を用いて説明をする。図12は実施例1の真偽判別が可能な印刷物(1−1)を示す図であり、厚さ80μmの白色上質紙(しらおい 日本製紙製)を基材(2−1)とし、桜の図柄を成す印刷画像(3−1)が緑色で印刷されて成る。
印刷画像(3−1)は、図13に示すように第一の画像領域(4−1)と第二の画像領域(5−1)とに分かれる。第一の画像領域(4−1)は、図14の拡大図に示すように、画線幅0.2mmの第一の画像要素(6−1)を0.5mmピッチで第一の方向(S1方向)に複数配置した第一の画像要素群と、画線幅0.2mmの第二の画像要素(7−1)を0.5mmピッチで第一の方向(S1方向)に複数配置した第二の画像要素群とから成る。第一の画像要素(6−1)は、表1に示す配合の青色の有色浸透インキをオフセット印刷で印刷し、第二の画像要素(7−1)は通常の黄色インキ(DIC製ダイキュア アビリオ プロセス透明黄)を同じくオフセット印刷で印刷した。第一の画像領域(4−1)が青色と黄色の合成色である緑色で視認されたため、第二の画像領域(5−1)は、表2に示す配合のインキをベースに若干の黄色顔料を混合して色調整を行って作製した第一の画像領域(4−1)と等色の緑色インキを作製し、網点面積率100%で同じくオフセット印刷で印刷した。
Figure 2014051073
Figure 2014051073
表1に示すインキは、浸透型インキに青色顔料を若干量添加した青色の有色浸透インキであり、反射光下では青色に見えるが、透過光下ではほとんど視認できない程度の淡い青色へと変化する特性を有する。
以上の構成で作製した、実施例1の真偽判別が可能な印刷物(1−1)の効果について図15を用いて説明する。実施例1の真偽判別が可能な印刷物(1−1)を反射光で観察した場合には、図15(a)に示すように、印刷画像(3−1)全体が緑色で視認された。
また、実施例1の真偽判別が可能な印刷物(1−1)を反射光下で特殊なフィルタ(10−1)(写真製版マスキング用フィルター FUJI FILTER SP−6 フジフィルム製)を通して観察した場合、第一の画像領域(4−1)は橙色で、第二の画像領域(5−1)は暗い緑色で視認された。なお、本フィルタは、主に500nmから600nmの光を減衰させ、その他の波長の光は選択的に透過する透過特性を有するため、緑から黄色の一部の光は弱くなる。このため、第一の画像領域(4−1)の青色と黄色の合成色の緑は、橙色(淡い青成分と黄味の赤味成分が透過した合成色)で視認され、第二の画像領域(5−1)の緑は、大きく減衰されて暗い緑へと変化して視認される。
また、実施例1の真偽判別が可能な印刷物(1−1)を複写機で複写すると、フィルタを通して観察した場合と同様に、第一の画像領域(4−1)と第二の画像領域(5−1)が区分けされて再現され、複写防止効果を備えていることが確認できた。
最後に、実施例1の真偽判別が可能な印刷物(1−1)を透過光下で観察した場合、第一の画像領域(4−1)は黄色で、第二の画像領域(5−1)は緑色で視認された。透過光下では有色浸透インキで形成された第一の画像要素(6−1)の青色の明度が上昇してほぼ認識できない程度の淡さに変化した一方で、第二の画像要素(7−1)と第二の画像領域(5−1)の色は変化せず、結果として緑色だった第一の画像領域(4−1)が黄色に見え、同じく緑色だった第二の画像領域(5−1)はそのまま緑色で視認されたものである。
以上のように、反射光下では第一の画像領域(4−1)と第二の画像領域(5−1)は等色で視認され、フィルタを通して観察した場合には第一の画像領域(4−1)と第二の画像領域(5−1)は異なる色相で視認され、透過光下では第一の画像領域(4−1)と第二の画像領域(5−1)は異なる色相で視認され、3つの異なる観察条件でそれぞれ色相が変化して視認できることが確認できた。
(実施例2)
本発明の実施例2について図16から図21を用いて説明をする。図16に実施例2の真偽判別が可能な印刷物(1−2)を示す。本発明の真偽判別が可能な印刷物(1−2)は基材(2−2)上に、基材と異なる色を有する印刷情報画像(11−2)が形成されている。基材(2−2)には、実施例1同様に厚さ約80μmの白色上質紙(しらおい 日本製紙製)を用いた。
図17に印刷情報画像(11−2)の分解図を示す。印刷情報画像(11−2)は、印刷画像(3−2)と情報画像(12−2)から成り、印刷画像(3−2)は第一の画像領域(4−2)と第二の画像領域(5−2)とから成る。第一の画像領域(4−2)と第二の画像領域(5−2)とは通常の可視光下では等色に観察され、かつ第一の画像領域(4−2)と第二の画像領域(5−2)とは互いに濃淡が反転した関係にある画像の組合せである。
図18に印刷画像(3−2)の詳細な構成を示す。印刷画像(3−2)は、第一の画像領域(4−2)と第二の画像領域(5−2)から成る。図18(a)に示す第一の画像領域(4−2)は、画線幅0.1mmの第一の画像要素(6−2)が0.4mmピッチで第一の方向(図中S1方向)に複数配置された第一の画像要素群と、画線幅0.1mmの第二の画像要素(7−2)が0.4mmピッチで第一の方向(図中S1方向)に複数配置された第二の画像要素群とから成る。また、第一の画像要素(6−2)と第二の画像要素(7−2)とは重なり合うことはなく、S1方向に位相がずれて配置されて成る。
続いて、第二の画像領域(5−2)の構成について、図18(b)を用いて具体的に説明する。第二の画像領域(5−2)は、画線幅0.25mmの第三の画像要素(13−2)が0.4mmピッチで第一の方向(図中S1方向)に複数配置された第三の画像要素群から成る。
次に、情報画像(12−2)について、図19を用いて説明する。情報画像(12−2)は、印刷画像(3−2)中に隠蔽された第二の有意情報である「B」の文字とは異なる第一の有意情報である、アルファベットの「A」の文字を表して成る。この情報画像(12−2)は、画線幅0.1mmの情報要素(14−2)が0.4mmピッチで第一の方向(図中S1方向)に複数配置された情報要素群から成る。
第一の画像要素(6−2)、第二の画像要素(7−2)及び第三の画像要素(13−2)並びに情報要素(14−2)は、すべてお互いに重なり合うことはない。
第一の画像要素(6−2)と情報要素(14−2)は、表1に示した青色の有色浸透インキをオフセット印刷で印刷し、第二の画像要素(7−2)は、黄色の通常の着色インキ(DIC製ダイキュア アビリオ プロセス透明黄)をオフセット印刷で印刷し、第三の画像要素(13−2)は、表2に示した緑色の通常の着色インキで印刷した。
図20に印刷情報画像(11−2)を構成するインキ別の画像を示す。青の有色浸透インキで15c−2の画像を形成し、黄色の着色インキ(通常のインキ)で15b−2の画像を形成し、青色と黄色の合成色である緑色のインキで15a−2の画像を印刷した。
図21に実施例2の真偽判別が可能な印刷物(1−2)の効果を示す。図21(a)は、実施例2の真偽判別が可能な印刷物(1−2)を反射光下で観察した場合に、観察者(9a−2)に視認される画像を示す。反射光下の観察においては、印刷情報画像(11−2)を構成する第一の画像領域(4−2)と第二の画像領域(5−2)とが同じ緑で視認され、アルファベットの「B」の文字に観察者は気が付かず、アルファベットの「A」が視認された。
図21(b)は特定の波長帯の光を選択的に透過するフィルタ(10−2)(写真製版マスキング用フィルター FUJI FILTER SP−14 フジフィルム製)を通して実施例2の真偽判別が可能な印刷物(1−2)を観察した場合に、観察者(9b−2)に視認される画像を示す。フィルタ(10−2)を通して観察した場合には、情報画像(12−2)は消失し、第一の画像領域(4−2)が淡い橙色、第二の画像領域(5−2)が暗い緑色で視認され、色相の違いからアルファベットの「B」の文字が視認できた。なお、本フィルタは、主に400nmから500nmまでの光を減衰させ、500nmから600nmまでの光を透過させず、その他の波長の光は選択的に透過する透過特性を有するため、青色は弱くなり、緑から黄色の一部の光はカットされる。このため、青色の情報画像(12−2)はほぼ不可視となり、第一の画像領域(4−1)の青色と黄色の合成色の緑は、極めて淡い橙色(黄味の赤味成分が透過した色)で視認され、第二の画像領域(5−1)の緑は、大きく減衰されて暗い緑色へと変化して視認されたものである。本例で使用したフィルタは、実施例1で使用したフィルタよりも光を減衰する割合が高いために、フィルタを通して観察した場合のそれぞれの領域の色相変化の大きさは、実施例1と比較すると小さくなる。
図21(c)は、実施例2の真偽判別が可能な印刷物(1−2)を透過光下で観察した場合に、観察者(9c−2)に視認される画像を示す。透過光下の観察においては、情報画像(12−2)も淡く変化してほぼ不可視となり、かつ、実施例1の効果と同様に、印刷画像(3−2)を構成する第一の画像領域(4−2)が黄色に変化し、第二の画像領域(5−2)が緑色のままで視認されるため、アルファベットの「A」の文字が消失して「B」の文字が視認できた。透過光下では有色浸透インキで形成された情報要素(14−2)と第一の画像要素(6−2)の青色の明度が上昇してほぼ認識できない程度の淡さに変化した一方で、第二の画像要素(7−2)と第二の画像領域(5−2)の色は変化せず、結果として緑色だった第一の画像領域(4−2)が黄色に見え、同じく緑色だった第二の画像領域(5−2)はそのまま緑色で視認されたものである。
以上のように、反射光下では情報画像(12−2)が表す第一の有意情報であるアルファベットの「A」という文字が視認され、フィルタを通して観察した場合には情報画像(12−2)の青色が弱くなってアルファベットの「A」の文字が不可視となり、かつ、第一の画像領域(4−2)と第二の画像領域(5−2)は異なる色相に変化することで、第二の有意情報であるアルファベットの「B」の文字が視認され、透過光下では同様に情報画像(12−2)が淡く変化してアルファベットの「A」の文字が不可視となり、かつ、第一の画像領域(4−2)と第二の画像領域(5−2)は異なる色相に変化することで、第二の有意情報であるアルファベットの「B」の文字が視認された。以上のことから、3つの異なる観察条件でそれぞれ色相が変化して視認でき、かつ、画像のチェンジ効果が生じることが確認できた。
1、1´、1−1、1−2 真偽判別が可能な印刷物
2、2´、2−1、2−2 基材
3、3´、3−1、3−2 印刷画像
4、4´、4−1、4−2 第一の画像領域
5、5´、5−1、5−2 第二の画像領域
6、6´、6−1、6−2 第一の画像要素
7、7´、7−1、7−2 第二の画像要素
8、8´、8−1、8−2 光源
9a、9b、9c、9a´、9b´、9c´、9a−1、9b−1、9c−1、9a−2、9b−2、9c−2 観察者の視点
10、10´、10−1、10−2 フィルタ
11´、11−2 印刷情報画像
12´、12−2 情報画像
13´、13−2 第三の画像要素
14´、14−2 情報要素
15a´、15b´、15c´、15a−2、15b−2、15c−2、インキ別の画像

Claims (4)

  1. 基材の少なくとも一部に、前記基材とは異なる色のインキから成る印刷画像を備え、前記印刷画像は、第一の画像領域と第二の画像領域を有し、前記第一の画像領域は、色材と浸透成分とを含み第一の色相を有する有色浸透インキから成る第一の画像要素が規則的に複数配置されて成る第一の画像要素群と、前記第一の色相と異なる第二の色相を有する着色インキから成る第二の画像要素が規則的に、かつ、前記第一の画像要素と重ならず複数配置されて成る第二の画像要素群とから成り、前記第二の画像領域は、前記第一の色相と前記第二の色相の合成色である第三の色相を有する着色インキから成り、前記第一の画像領域と前記第二の画像領域は可視光の反射光下で等色に形成され、透過光で前記印刷画像を観察した場合には、前記第一の画像領域と前記第二の画像領域が異なる色相で視認できることを特徴とする真偽判別が可能な印刷物。
  2. 基材の少なくとも一部に、前記基材とは異なる色を有する印刷画像と情報画像から成る印刷情報画像を備え、前記印刷画像は、第二の有意情報をポジ又はネガの状態で表す第一の画像領域と前記第二の有意情報をネガ又はポジの状態で表す第二の画像領域を有し、前記第一の画像領域は、色材と浸透成分とを含み第一の色相を有する有色浸透インキから成る第一の画像要素が規則的に複数配置されて成る第一の画像要素群と、前記第一の色相と異なる第二の色相を有する着色インキから成る第二の画像要素が規則的に、かつ、前記第一の画像要素と重ならず複数配置されて成る第二の画像要素群とから成り、前記第二の画像領域は、前記第一の色相と前記第二の色相の合成色である第三の色相を有する着色インキから成る第三の画像要素が規則的に複数配置されて成る第三の画像要素群から成り、前記第一の画像領域と前記第二の画像領域は可視光の反射光下で等色に形成され、前記情報画像は、前記第一の画像要素、前記第二の画像要素及び前記第三の画像要素と重ならない位置に、前記有色浸透インキから成る情報要素が規則的に複数配置されて第一の有意情報を表して成る情報要素群から成り、可視光下での観察から透過光下での観察に変化させた場合には、前記第一の有意情報から前記第二の有意情報に視認できる画像が変化することを特徴とする真偽判別が可能な印刷物。
  3. 前記各要素は、画線又は画素の少なくとも一つ、又はその組み合わせから成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の真偽判別が可能な印刷物。
  4. 前記色材が着色顔料及び/又は着色染料であり、前記有色浸透インキ中の配合割合が10%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の真偽判別が可能な印刷物。
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