JP2019123124A - 窓を有する偽造防止媒体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明において基材(2)は、紙、フィルム、プラスチックであり、有色のものを用いる。なお、本発明において有色とは、無色透明以外の色のことであり、赤、青、黄、緑等の色の他に白色であってもよい。
図2は、図1のA−A’線における断面図である。図2に示すように、基材(2)は、基材(2)の一部が貫通して孔が開いた状態の開口部(11)を備え、図2(a)に示す構成において窓(10)は、開口部(11)が積層フィルム(12)によって覆われることで形成される。なお、図2(a)においては、表裏の積層フィルム(12)が接着した状態を示しているが、図2(b)に示すように、基材(2)の表裏の積層フィルム(12)が、離れた状態で積層されていてもよい。また、図3(a)及び図3(b)に示すように、積層フィルム(12)が、基材(2)の片側のみ覆う構成でもよい。
基材(2)に、開口部(11)を形成する方法としては、レーザ加工、ダイカット、機械的切削装置等の公知の加工技術により施すことができる。
本発明において、基材(2)に形成される開口部(11)の数、すなわち窓(10)の数は、図1に示すように一つだけ設けてもよく、図5に示すように複数設けてもよい。また、本発明において開口部(11)の形状は、「円形状」に限定されるものではなく、図6(a)に示すような「星型」、図6(b)に示すような「数字」、図6(c)に示すような「文字」等であってもよい。なお、図6においては、開口部(11)の形状について分かりやすく説明するため、便宜上、輪郭部(20)は省略して図示している。
本発明において、積層フィルム(12)は、透明又は半透明なフィルムを用い、窓(10)の奥側が透けて見えれば、着色されたフィルムでもよいが、無色透明のフィルムは、奥側を透かして見る際に視認性がよいことから好ましい。積層フィルム(12)を構成する材料の例としては、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等の樹脂がある。また、正反射光下で色彩が変化する干渉フィルムでもよい。また、異なる材料のフィルムを積層した多層フィルムでもよい。なお、基材(2)の表裏に積層フィルム(12)を積層する場合は、同じ材料のフィルムを用いてもよく、異なる材料のフィルムを用いてもよい。
本発明において、開口部(11)を充填する透明材料は、UV硬化型樹脂、透明ニス、ポリマー等の流動性のある材料を用いることができる。なお、透明材料は、窓(10)の奥側が透けて見えれば、着色されていてもよい。
図7は、図1に示す偽造防止媒体(1)において、窓(10)が形成された領域を拡大して示す図である。本発明において輪郭部(20)は、開口部(11)、すなわち窓(10)の輪郭の少なくとも一部に沿って形成され、輪郭部(20)には、輪郭要素(21)が形成されて成る。図7では、開口部(11)の形状である「円形状」の輪郭の全体に沿って、直線状の画線で構成された輪郭要素(21)が形成された状態を示している。
1つ目の輪郭部(20)の構成は、印刷材料によって形成された輪郭要素(21)から成る形態である。その構成を示す図として、図10に示すように、基材(2)と異なる色のインキで印刷された輪郭要素(21)が基材(2)の上に形成され、その上を積層フィルム(12)が覆っている状態を示している。この場合、印刷するインキの色によって、窓(10)の輪郭部(20)が強調されて、視認性が向上する効果が得られる。なお、図10は、基材(2)の一方の面に輪郭要素(21)が施されているが、基材(2)の他方の面に形成してもよく(図示せず)、基材(2)の両面に形成してもよい。
印刷によって輪郭要素(21)を形成する場合には、開口部(11)を設けてから印刷してもよく、基材(2)に開口部(11)を設ける前に輪郭要素(21)を形成してもよく、後者の場合、開口部(11)の加工に許容を持たせるために、輪郭部(20)より内側の領域にも印刷しておくとよい。輪郭要素(21)を印刷する手段としては、オフセット、フレキソ、グラビア、スクリーン、凹版印刷、インクジェット印刷機等を用いることができる。
2つ目の輪郭部(20)の構成は、基材(2)の厚さによって、透過性が変化する、いわゆる、透かしの原理を利用した形態である。その構成を示す図として、図13(a)は、輪郭部(20)の周囲の基材(2)よりも部分的に厚さを薄くすることで、透過光下で明るく視認される白透かしの効果がある輪郭要素(21)が形成された状態を示している。この場合、透過光下で観察する際に、輪郭部(20)が明るく強調されて、窓(10)の視認性が向上する効果が得られる。また、図13(b)は、輪郭部(20)の周囲の基材(2)よりも部分的に厚さを厚くすることで、透過光下で暗く視認される黒透かしの効果がある輪郭要素(21)が形成された状態を示している。この場合、透過光下で観察する際に、輪郭部(20)が暗く強調されて、窓(10)の視認性が向上する効果が得られる。なお、図13(a)に示すように、輪郭部(20)の周囲の基材(2)よりも部分的に厚さを薄くする場合及び図13(b)に示すように、輪郭部(20)の周囲の基材(2)よりも部分的に厚さを厚くする場合において、厚さの差を20μm以上設けることで立体的にも強調されて視認できることから好ましく、偽造防止媒体(1)の流通適性を考慮すると50μm以下とすることが好ましい。
輪郭要素(21)を形成する方法としては、紙から成る基材(2)を対象として、公知の抄き入れ加工技術とされている円網、ダンディロール、プレスロールによって形成することができ、この場合、あらかじめ、基材(2)を作製する製紙工程で加工して、輪郭要素(21)を形成すればよい。また、透過性のあるフィルム、プラスチックを基材(2)として用いる場合は、レーザ加工により、基材(2)の一部を除去して厚さを異ならせて透過性が異なる輪郭要素(21)を形成すればよい。また、紙、フィルム又はプラスチックから成る基材(2)に、エンボス加工により、基材(2)の一部を薄くして、透過性が異なる輪郭要素(21)を形成してもよい。なお、輪郭要素(21)を形成する際には、輪郭部(20)の範囲のみ抄き入れ加工してもよく、開口部(11)の加工に許容を持たせるために、輪郭部(20)より内側の領域にも加工しておくとよい。
開口部(11)に透明材料(I)を充填することで窓(10)を形成する場合、輪郭要素(21)を形成する順番に、特に限定はなく、基材(2)に輪郭要素(21)を形成してから透明材料(I)を充填してもよく、透明材料(I)を充填してから輪郭要素(21)を形成してもよい。また、図15(a)に示すように、基材(2)の一方の面に印刷による輪郭要素(21)を形成し、基材(2)の他方の面に積層フィルム(12)を積層する場合又は図15(b)に示すように、基材(2)の一方の面に抄き入れによる輪郭要素(21)を形成し、基材(2)の他方の面に積層フィルム(12)を積層する場合もまた、輪郭要素(21)を形成する順番の限定はなく、積層フィルム(12)を積層してから輪郭要素(21)を形成してもよく、輪郭要素(21)を形成してから積層フィルム(12)を積層してもよい。ただし、印刷又は抄き入れ加工によって形成された輪郭要素(21)の上に、積層フィルム(12)を積層して窓(10)を形成する場合(図10、図13)は、先に基材(2)に輪郭要素(21)を形成した後、その上に積層フィルム(12)を積層する必要がある。
基材(2)に積層フィルム(12)を積層する装置としては、公知のプレス加工機があり、あらかじめ接着剤又は接着層が施された積層フィルム(12)と基材(2)を積層して加圧することで、積層フィルム(12)を積層できる。なお、接着剤を溶かすために熱プレス加工をしてもよい。また、基材(2)がフィルムやプラスチックの場合には、積層フィルムと(12)と基材(2)同士が一度溶けて固まることで、積層フィルム(12)を積層することもできる。また、基材(2)が紙の場合においても、積層フィルム(12)を加熱して溶かし、基材(2)に浸透させることで、積層フィルム(12)を積層することもできる。なお、図2(a)に示すように、基材(2)の表裏の積層フィルム(12)を接着させる場合には、プレス加工機に用いるプレス板に凸部を設けて加工すればよい。
開口部(11)に透明材料を充填して窓(10)を形成する場合、図16(a)に示すように、開口部(11)が設けられた基材(2)を、支持部材(T)に配置する。支持部材(T)としては、透明材料に対して剥離可能であればよく、金属製の材質から成る板材を用いることができる。支持部材(T)に基材(2)を安定して固定するために、支持部材(T)に、基材(2)を固定するための吸引手段や、支持部材(T)と対向し、基材(2)を挟んで固定する押さえ付け手段を設けることが好ましい(図示せず)。なお、図16(a)に示す破線で囲む領域は、開口部(11)に相当する領域を示したものである。
実施例1は、輪郭要素(21)を印刷材料によって形成した偽造防止媒体(1)の例であり、窓(10)の図柄は、図1に対応した「円形状」であり、基材(2)及び積層フィルム(12)は、図2(a)に対応した積層状態の偽造防止媒体(1)である。以下、実施例1の偽造防止媒体(1)の詳細について説明する。
実施例2は、輪郭要素(21)を基材の厚さを異ならせて形成した偽造防止媒体(1)の例であり、窓(10)の図柄は、図1に対応した「円形状」であり、基材(2)及び積層フィルム(12)は、図13(a)に対応した積層状態の偽造防止媒体(1)である。以下、実施例2の偽造防止媒体(1)の詳細について説明する。
2 基材
10 窓
11 開口部
12 積層フィルム
20 輪郭部
21 輪郭要素
21a、21b 異なる色のインキによって形成された輪郭要素
21A 白透かしの効果を備えた輪郭要素
21B 黒透かしの効果を備えた輪郭要素
I 透明材料
Claims (4)
- 基材に、少なくとも一つの開口部を備え、前記開口部が、積層フィルムによって覆われるか又は透明材料によって充填されて成る窓が形成され、前記窓の輪郭の少なくとも一部に沿って、輪郭要素を備えた輪郭部が形成され、前記輪郭要素は、印刷材料による構成又は周囲の前記基材と厚さが異なる構成のいずれかであることを特徴とする窓を有する偽造防止媒体。
- 前記輪郭要素が前記印刷材料によって構成される場合であって、前記輪郭要素は、i)前記基材と異なる色の印刷材料によって形成、又は、ii)前記基材と同じ色又は異なる色の印刷材料により、盛り上がって形成、又は、iii)透かしインキによって形成されたことを特徴とする請求項1記載の窓を有する偽造防止媒体。
- 前記輪郭要素が、前記基材と異なる色の前記印刷材料によって形成される場合、前記輪郭部において前記輪郭要素の色が部分的に異なることを特徴とする請求項2記載の窓を有する偽造防止媒体。
- 前記輪郭要素が、前記輪郭部の周囲の前記基材の厚さと異なる構成の場合、前記輪郭部において前記輪郭要素の厚さが部分的に異なることを特徴とする請求項1記載の窓を有する偽造防止媒体。
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