JP2014050249A - 静電誘導型変換装置およびdc−dcコンバータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】交流電圧印加、もしくは自励発振によって、振動する入力側静電アクチュエータ20cと、その振動に対し、それ以上(以下)の振幅で振動する可動部材6c(1),6c(2)を介してつながっている出力側静電アクチュエータ30cを備える。入力側静電アクチュエータ20cおよび出力側静電アクチュエータ30cの可動電極もしくは固定電極のいずれかの側面にはエレクトレット層が形成されている。
【選択図】図7
Description
請求項2に係る静電誘導型変換装置は、請求項1に記載の静電誘導型変換装置において、前記第1の可動電極と、前記リンク部材と、前記第2の可動電極は、同一の材料を用いて形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る静電誘導型変換装置は、請求項2に記載の静電誘導型変換装置において、前記リンク部材の端部または所定の中間位置に設けられているヒンジ機構を中心として、前記第1の可動電極と前記リンク部材と前記第2の可動電極から成る可動部は一体的に回動することを特徴とする。
請求項4に係る静電誘導型変換装置は、請求項3に記載の静電誘導型変換装置において、前記ヒンジ機構が前記リンク部材の端部に設けられている場合には、前記端部を中心として、前記第1の可動電極および前記第2の可動電極は同一の方向に回動し、前記ヒンジ機構が前記リンク部材の前記所定の中間位置に設けられている場合には、前記所定の中間位置を中心として、前記第1の可動電極および前記第2の可動電極は互いに逆の方向に回動する、ことを特徴とする。
請求項5に係る静電誘導型変換装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載の静電誘導型変換装置において、前記入力側静電アクチュエータに交流入力信号を印加することにより前記第1の可動電極を振動させ、前記1の可動電極の振動に対応して前記前記2の可動電極を振動させることにより、前記出力側静電アクチュエータから、前記交流入力信号の電圧を昇圧または降圧した交流出力信号を得ることを特徴とする。
請求項6に係る静電誘導型変換装置は、請求項5に記載の静電誘導型変換装置において、前記交流入力信号の電圧と、前記交流出力信号の電圧との比は、前記第1の可動電極の長さと、前記リンク部材の長さと、前記第2の可動電極の長さとに基づいて決定されることを特徴とする。
請求項7に係る静電誘導型変換装置は、請求項6に記載の静電誘導型変換装置において、前記第1の可動電極が回動する支点と、前記第1の可動電極の中間位置との間の距離をakとし、前記第1の可動電極の前記中間位置と、前記第2の可動電極の中間位置との間の距離をalとしたとき、前記支点を中心として前記第1の可動電極および前記第2の可動電極が同一の方向に回動する場合には、前記交流入力信号の電圧einと、前記交流出力信号の電圧eoutとの比|eout/ein|は、|eout/ein|=|1+3al/2ak|で与えられることを特徴とする。
本発明に係るDC−DCコンバータ(請求項8)は、前記入力側静電アクチュエータを自励発振器の帰還回路中に挿入し、直流入力電圧を印加することにより前記帰還回路のゲインを設定し、前記出力側静電アクチュエータの前記第2の固定電極から得られた交流出力電圧を整流することを特徴とするものである。
<前提となる基礎技術の説明>
§前提的基礎技術(その1)
図1は、本発明を説明する前の前提的基礎技術として、ヒンジ機構を備えた静電型変換装置を示す平面図である。図2は、図1におけるヒンジの構造を示す説明図である。図3は、図1におけるヒンジの回動状態を示す説明図である。
図4は、本発明を説明する前の前提的基礎技術として、図1とは異なるヒンジ機構を備えた静電型変換装置を示す平面図である。図5は、図4におけるヒンジの構造を示す説明図である。図6は、図4におけるヒンジの回動状態を示す説明図である。入出力間で昇圧機能を果たすことは、図1に示した静電型変換装置と同じであるが、ここで説明する静電型変換装置は、可動部材6bが垂直方向(Z軸方向)に回動する点が異なっている。すなわち、ヒンジ12bを中心として、可動部材6bが垂直方向(Z軸方向)に振動することにより、出力側静電アクチュエータ30の固定電極10bから交流電流を取り出している。
<実施の形態1>
図7は、本発明に係る実施の形態1を示す平面図である。本図に示す静電誘導型変換装置は、先に説明した図4と同様に、可動部材6c(1),6c(2)がZ軸方向に回動する構成となっている。ここで、一方の可動部材6c(1)の端部(図7の左端部)は、図5に示したようなヒンジ12cとなっている。換言すると、ヒンジ12cに接続されている可動部材6c(1)と、可動部材6c(1)の延長側(図7の右側)に接続されている可動部材6c(2)とにより構成されるリンク機構部材により、可動電極4cの変位量と可動電極8cの変位量に差を生じさせている。但し、基本的には、大きく振動する櫛歯のほうが昇圧時の入力側となっているので、図7の右側が入力側櫛歯、図7の左側が出力側櫛歯となる(その理由は、以下に説明していく)。
相違点2:図1および図4に示した入力側静電アクチュエータ20a,20bは単なる励振機構であるのでエレクトレット層は不要であったが、図7に示す静電誘導型変換装置では、可動電極4cまたは固定電極2cの対向電極面上にもエレクトレット層を形成してある。その理由は、後に詳述する。
は、いわゆる錘部(図7のalに含まれている部分)の質量を線p上に換算した等価質量である。
(数4)
駆動点行列
である。
n0:出力側櫛歯組数
n2:入力側櫛歯組数
ε0:真空誘電率
d0:出力側櫛歯ギャップ
d2:入力側櫛歯ギャップ
e0:出力電圧
e2:入力電圧
R:インピーダンスマッチング抵抗
ω:角周波数
である。
より、
,
のとき
となる。
|eout/ein|=|1+3al/2ak|
で与えられることになる。
(i)3端子の静電トランス構造を有している。
他方、図11および図12に示した櫛歯静電トランスでは、入力側および出力側の両方にエレクトレットを形成し、図1,図4の場合とは逆にした入出力接続とすることにより、インピーダンス(出力インピーダンス)が高い出力側から昇圧された電圧を取り出すことができる。したがって、単に入力側と出力側を逆に接続することにより、昇圧トランスと降圧トランスを切り替えることが可能となる。
なお、入力側櫛歯と出力側櫛歯とでは、振動の振幅が異なることが望ましいが、振幅を共通とした場合であっても、[数6],[数7],[数13]にあるように、櫛歯の容量やエレクトレットの荷電量などによって、電気機械結合係数([数13]におけるAおよびB)に違いを与えることによって、昇圧ないし降圧を実現することが可能である。
そして振幅を共通としない場合、すなわちその振幅の違いは[数7]における寸法alおよびakによって表される。したがって[数13]におけるBがそのぶん変化するので、昇圧ないし降圧する際の増幅率ないし低減率を大きくすることができる。
図13は、静電型トランス(櫛歯静電トランス)を用いたDC−DCコンバータを示す回路図である。本図に示す静電型トランス50は、これまで説明してきた図7,図11,図12と同じく複数の櫛歯を備えているが、図13では1つの可動櫛歯のみを描いてある。AGC(Auto Gain Control)機能付きのゲイン可変型増幅器60の入力端子と出力端子との間に、この静電型トランス50が挿入されている。ここで、上記AGC機能を実現するための基準電圧として、直流電圧Vinを発生する直流電圧源が用いられている。発振信号の振幅は、直流電圧Vinの大きさに比例する。そして、整流回路70を介して、直流電圧Voutが出力される。
図16は、可動部材の中間部にヒンジを設けた変形例1を示す図である。本図に示す静電型変換装置は、実施の形態1で説明した通り、入出力間で昇圧/降圧機能を果たすことができる。但し、可動部材6eがヒンジ12eを中心に、X−Y平面上を回転する点が異なっている。すなわち、可動部材6eの中間部を挟持する支持部材によりヒンジ12eが実現されており、このヒンジ12eの左側にある可動電極4eと、このヒンジ12eの右側にある可動電極8eとはそれぞれ逆の方向に回動する。
以下に、本発明を実施することにより生じる作用(あるいは効果)を列挙する。
実施の形態と変形例の一つとを組み合わせること、もしくは、実施の形態と変形例の複数とを組み合わせることも可能である。
変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
さらに、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
4 可動電極
6 可動部材
8 可動電極
10 固定電極
20 入力側静電アクチュエータ
30 出力側静電アクチュエータ
Claims (8)
- 第1の固定電極と、前記第1の固定電極に対向した第1の可動電極を有する入力側静電アクチュエータと、
前記第1の可動電極に生じる変位量を拡大もしくは縮小させるリンク機構部材を介して前記第1の可動電極に連結されている第2の可動電極と、前記第2の可動電極に対向した第2の固定電極を有する出力側静電アクチュエータとを備え、
前記入力側静電アクチュエータおよび前記出力側静電アクチュエータの可動電極側または固定電極側の電極面上に永久帯電膜を設けたことを特徴とする静電誘導型変換装置。 - 請求項1に記載の静電誘導型変換装置において、
前記第1の可動電極と、前記リンク部材と、前記第2の可動電極は、同一の材料を用いて形成されていることを特徴とする静電誘導型変換装置。 - 請求項2に記載の静電誘導型変換装置において、
前記リンク部材の端部または所定の中間位置に設けられているヒンジ機構を中心として、前記第1の可動電極と前記リンク部材と前記第2の可動電極から成る可動部は一体的に回動することを特徴とする静電誘導型変換装置。 - 請求項3に記載の静電誘導型変換装置において、
前記ヒンジ機構が前記リンク部材の端部に設けられている場合には、前記端部を中心として、前記第1の可動電極および前記第2の可動電極は同一の方向に回動し、
前記ヒンジ機構が前記リンク部材の前記所定の中間位置に設けられている場合には、前記所定の中間位置を中心として、前記第1の可動電極および前記第2の可動電極は互いに逆の方向に回動する、
ことを特徴とする静電誘導型変換装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の静電誘導型変換装置において、
前記入力側静電アクチュエータに交流入力信号を印加することにより前記第1の可動電極を振動させ、前記1の可動電極の振動に対応して前記前記2の可動電極を振動させることにより、前記出力側静電アクチュエータから、前記交流入力信号の電圧を昇圧または降圧した交流出力信号を得ることを特徴とする静電誘導型変換装置。 - 請求項5に記載の静電誘導型変換装置において、
前記交流入力信号の電圧と、前記交流出力信号の電圧との比は、前記第1の可動電極の長さと、前記リンク部材の長さと、前記第2の可動電極の長さとに基づいて決定されることを特徴とする静電誘導型変換装置。 - 請求項6に記載の静電誘導型変換装置において、
前記第1の可動電極が回動する支点と、前記第1の可動電極の中間位置との間の距離をakとし、
前記第1の可動電極の前記中間位置と、前記第2の可動電極の中間位置との間の距離をalとしたとき、
前記支点を中心として前記第1の可動電極および前記第2の可動電極が同一の方向に回動する場合には、
前記交流入力信号の電圧einと、前記交流出力信号の電圧eoutとの比|eout/ein|は、
|eout/ein|=|1+3al/2ak|
で与えられることを特徴とする静電誘導型変換装置。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の前記入力側静電アクチュエータを自励発振器の帰還回路中に挿入し、直流入力電圧を印加することにより前記帰還回路のゲインを設定し、前記出力側静電アクチュエータの前記第2の固定電極から得られた交流出力電圧を整流することを特徴とするDC−DCコンバータ。
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