JP2014050179A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲートの寄生容量を低く抑えて高速スイッチング性能を保ったままサージ電圧に対する耐量を高める。
【解決手段】オフ駆動信号によりFET5がオフすると、サージ電圧が発生してFET5のドレイン・ソース間電圧VDSが電圧Vm1以上になる。このとき、電圧検出回路6による検出電圧はしきい値電圧Vthよりも高くなり、制御回路9のFET13がオフ、FET14がオンになり、FET11のゲート電圧VGSがほぼ0Vになる。これにより、FET11がオフし、スイッチ回路8は高インピーダンスになる。その結果、FET5のゲートがオープン状態になり、FET5がセルフターンオンするので、サージ電圧のエネルギーがソース側に逃れる。
【選択図】図1

Description

本発明は、過電圧耐量を高めた半導体装置に関する。
コイルなどのインダクタンス素子は勿論、抵抗負荷であっても配線インダクタンスなどの存在により誘導性を持つことが多い。トランジスタがこうした誘導性を持つ負荷を駆動する場合、ターンオフする時に逆起電力が発生する。負荷駆動回路、スイッチング電源回路、インバータ回路などにおいては、逆起電力の発生を防止するため、トランジスタまたは負荷と並列に還流用のダイオードが設けられている。しかし、この場合であってもスイッチングに伴うサージ電圧が発生するので、トランジスタをサージ電圧から保護する手段が必要となる。
特許文献1には、MOSFETのゲート・ドレイン間にツェナーダイオード群が接続され、ドレインにサージ電圧が印加されるとツェナーダイオード群がブレークダウンする保護回路が開示されている。ブレークダウンによるゲート電圧の上昇を抑えるため、MOSFETのゲート・ソース間にもツェナーダイオード群が接続されている。
特開2000−77537号公報
上述した保護回路のように、ゲート・ドレイン間およびゲート・ソース間にツェナーダイオードが接続されると、ゲートに寄生容量が付加されてスイッチング速度が低下する。AlGaN/GaN接合を有する半導体デバイス(以下、GaN−HEMTと称す)は、従来のSiデバイスに比べオン抵抗が格段に低く、電流遮断特性に優れているため、次世代パワーデバイスとして上述した種々の回路への適用が期待されている。
しかし、直流伝達コンダクタンスgmが高いGaN−HEMTは、デバイス自体が持つゲート容量が小さいので(例えば従来素子の1/4程度)、従来の半導体素子よりも寄生容量の影響を受け易くなる。GaN−HEMTは、ゲートしきい値が低く(例えば2V程度)、ゲート耐圧も低い(例えば5V程度)ので、ゲート電圧を高めてスイッチング速度を改善するような手段もとりにくい。
また、従来のSiデバイス、例えばMOSトランジスタは、アバランシェ耐量を有しているため、ドレイン・ソース間に耐圧を超える電圧が印加されても、ある一定のエネルギーに達するまでは故障することはない。これに対し、GaN−HEMTは、アバランシェ耐量がないため、僅かであっても耐圧を超えることができない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ゲートの寄生容量を低く抑えて高速スイッチング性能を保ったままサージ電圧に対する耐量を高めることができる半導体装置を提供することにある。
請求項1に記載した半導体装置は、ゲート端子と第1端子との間に印加されるゲート電圧に応じて第2端子と第1端子との間の導通状態を変化させるスイッチング素子に、電圧検出回路、スイッチ回路および制御回路が付加された構成を備えている。ここで、第1端子はソースまたはエミッタ、第2端子はドレインまたはコレクタに相当し、スイッチング素子はGaN−HEMT、MOSFET、IGBTなどの絶縁ゲート型の半導体素子である。
電圧検出回路は、スイッチング素子の第2端子と第1端子との間に印加される電圧に応じた検出電圧を出力する。スイッチ回路は、スイッチング素子のゲート端子に繋がるゲート駆動線に直列に設けられており、制御信号に応じて高インピーダンス状態または低インピーダンス状態に切り替わる。制御回路は、検出電圧がしきい値電圧以下になると、スイッチ回路を低インピーダンス状態に切り替える制御信号を出力する。これにより、駆動信号がスイッチ回路を通してゲート端子に与えられ、スイッチング素子は駆動信号に従ってオンオフ動作する。
一方、制御回路は、サージ電圧の発生などにより検出電圧がしきい値電圧を超えると、スイッチ回路を高インピーダンス状態に切り替える制御信号を出力する。これにより、スイッチング素子のゲート端子は遮断されてハイインピーダンス状態になり、これ以降のゲート電圧は、第2端子と第1端子との間に印加される電圧とゲート容量(例えばゲート・ドレイン間容量とゲート・ソース間容量)に基づいて定まる。ターンオフなどにより第2端子と第1端子との間の電圧が急上昇すると、ゲート電圧も上昇し、スイッチング素子はセルフターンオンする。サージ電圧のエネルギーは、セルフターンオンしたスイッチング素子を通して逃され、スイッチング素子の第2端子と第1端子との間の電圧は、素子耐圧以下に制限される。
しきい値電圧は、スイッチング素子の第2端子と第1端子との間にスイッチング素子の電圧保護動作が行われるべき範囲の電圧が印加されたときに電圧検出回路が出力する検出電圧よりも低く設定されている。電圧保護動作が行われるべき範囲の電圧は、少なくともスイッチング素子の耐圧を超える電圧を含んでいる。さらに、しきい値電圧は、スイッチング素子の第2端子と第1端子との間にスイッチング素子の電圧保護動作が不要とされるべき範囲の電圧が印加されたときに電圧検出回路が出力する検出電圧よりも高く設定されている。電圧保護動作が不要とされるべき範囲の電圧は、スイッチング素子の耐圧よりも低い電圧であって、スイッチング素子を何ら保護する必要がない電圧である。
本手段によれば、スイッチング素子のゲートへの寄生容量の追加がない(または小さい)ので、高速スイッチング性能を保ったまま、第2端子と第1端子との間に加わるサージ電圧に対する耐量を高めることができる。
請求項2記載の手段によれば、電圧検出回路は、スイッチング素子の第2端子と第1端子との間に、検出電圧の出力端子を挟んで直列に接続された第1回路と第2回路から構成されている。請求項3、4記載の第1回路と第2回路は、それぞれCスナバ、RCスナバを兼用しているので、サージ電圧の抑制効果が得られるとともに部品数および搭載スペースを節約できる。請求項5、6記載の第1回路と第2回路は更に並列に抵抗を備えているので、分圧比が確定され易くなり、より精度よく且つ確実に電圧を検出できる。請求項7記載の第1回路と第2回路は、抵抗から構成されているので一層精度よく且つ確実に電圧を検出できる。
請求項8記載の第1回路と第2回路は、印加電圧が規定電圧を超えるときに通電状態に移行する通電回路から構成されているので、その通電状態において検出電圧が第2回路の規定電圧に定まり、安定した検出電圧の下で保護動作を行うことができる。請求項9記載の手段によれば、通電回路は、ダイオード、ツェナーダイオード、MOSトランジスタおよびバイポーラトランジスタの中から選択された1または複数の半導体素子から構成されており、その順方向電圧、ツェナー電圧、しきい値電圧または当該電圧の組み合わせにより規定電圧が構成されている。これにより、規定電圧を生成する際の自由度が高まる。
請求項12記載の手段によれば、スイッチング素子の第2端子とゲート端子との間に、当該端子間の電圧がスイッチング素子の第2端子と第1端子との間の耐圧よりも低く設定された規定電圧を超えるときに通電状態に移行する第1電圧制御回路を備えている。上述した各手段の場合、ゲート容量の比(例えばゲート・ドレイン間容量とゲート・ソース間容量との比)によっては、検出電圧がしきい値電圧を超えても、第2端子と第1端子との間の電圧が素子耐圧まで上昇する間にセルフターンオンしない場合が生じる可能性がある。第1電圧制御回路は素子耐圧に達する前に通電するので、スイッチング素子を確実にターンオンさせることができる。
ここで用いる第1電圧制御回路は、サージ電圧のエネルギーを逃す作用を奏するものではなく、スイッチング素子のゲートを駆動できれば十分なので、小型の回路でよく、ゲートの寄生容量を増大させることは殆どない。第1電圧制御回路は小型の回路であるため、ゲートを駆動した状態を維持できない場合も生じ得る。この場合でも、第2端子と第1端子との間の電圧上昇過程とゲート駆動によるサージエネルギーの消散過程を繰り返すので、高速スイッチング性能を保ったままサージ電圧に対する耐量を高めることができる。
請求項13、14記載の手段によれば、スイッチング素子のゲート端子と第1端子との間に、それぞれ当該端子間の電圧(絶対値)がスイッチング素子の第1端子を基準とするゲート端子の正方向、負方向の耐圧(絶対値)よりも小さく設定された規定電圧を超えるときに通電状態に移行する第2電圧制御回路を備えている。これによりゲートを保護することができる。また、負のゲート電圧に対して保護することにより、負の駆動電圧を用いたターンオフの高速化およびノーマリオンタイプのスイッチング素子の駆動を行うことができる。
請求項15記載の手段によれば、第1、第2電圧制御回路は、ダイオード、ツェナーダイオード、MOSトランジスタおよびバイポーラトランジスタの中から選択された1または複数の半導体素子から構成されており、その順方向電圧、ツェナー電圧、しきい値電圧または当該電圧の組み合わせにより規定電圧が構成されている。これにより、規定電圧を生成する際の自由度が高まる。
請求項16記載の手段によれば、スイッチ回路は、Nチャネル型MOSトランジスタから構成されており、ゲート駆動線を通してスイッチング素子のゲート端子に至る向きに順方向となるダイオードを備えている。この構成によれば、スイッチ回路が高インピーダンス状態に切り替わった状態でも、ダイオードを介してオン駆動信号をゲート端子に与えることができる。
請求項17記載の手段によれば、スイッチング素子はGaNデバイスである。GaNデバイス例えばGaN−HEMTは、アバランシェ耐量がなく、ゲート耐圧が低く、素子自体のゲート容量が小さい特性を持つ。上述した各手段をGaNデバイスに適用すれば、スイッチング速度を殆ど低下させることなく、サージ電圧に対する耐量を高めることができる。その結果、素子耐圧を超える電圧が印加される虞があり、高速スイッチングを必要とする回路環境、例えば誘導性の負荷を通断電する回路においても、GaNデバイスを適用することが可能になる。
第1の実施形態を示す負荷駆動装置の構成図 波形図 第2の実施形態を示す図1相当図 第3の実施形態を示す図1相当図 第4の実施形態を示す図1相当図 第5の実施形態を示す図1相当図 第6の実施形態を示す図1相当図 第7の実施形態を示す図1相当図 第8の実施形態を示す図1相当図 第9の実施形態を示す図1相当図 第10の実施形態を示す図1相当図 実測した波形図 第11の実施形態を示す図1相当図 第12の実施形態を示す図1相当図 第13の実施形態を示す図1相当図 第14の実施形態を示す図1相当図 第15の実施形態を示す図1相当図
各実施形態において先に記載した実施形態の構成と実質的に同一の部分には同一符号を付して説明を省略する。また、第2以降の各実施形態は、当該各実施形態に特有の構成に基づく作用、効果を除いて、基本的に第1の実施形態と同様の作用、効果を奏する。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について図1および図2を参照しながら説明する。負荷駆動装置1(半導体装置に相当)は、例えば車両に搭載された電子制御装置に用いられるもので、外部回路(図示せず)から入力される駆動信号に従ってオン・オフ動作を行うことで、バッテリ電圧VBの供給を受けた誘導性負荷であるコイル2に電流を流す。負荷駆動装置1は、素子モジュール3と駆動IC4とから構成されている。
素子モジュール3は、Nチャネル型のFET5と電圧検出回路6とが1つのパッケージにモールドされて構成されている。FET5は、ゲート端子Gとソース端子S(第1端子に相当)との間に印加されるゲート電圧VGSに応じて、ドレイン端子D(第2端子に相当)とソース端子Sとの間の導通状態を変化させるMOSFET、GaN−HEMTなどのスイッチング素子である。FETに替えてIGBTであってもよい。FET5には、寄生のダイオード5aが形成されている。
電圧検出回路6は、FET5のドレインとソースとの間に出力端子n1を挟んで直列に接続されたコンデンサC1、C2(第1回路、第2回路に相当)から構成されている。これらのコンデンサC1、C2は、FET5のドレイン・ソース間に印加される電圧を分圧した検出電圧を出力するとともにCスナバとして作用する。コンデンサC1の容量値はコンデンサC2の容量値よりも小さく、例えばC1:C2=1:(5〜500)程度の比に設定されている。
駆動IC4は、駆動回路7、スイッチ回路8および制御回路9を備えている。駆動回路7は、マイコンなどの外部回路から入力される駆動信号に従って、FET5に対するゲート駆動信号(以下、単に駆動信号と称す)を出力する。スイッチ回路8は、FET5のゲートに繋がるゲート駆動線10に直列に設けられたNチャネル型のMOSFET11から構成されている。MOSFET11には、ゲート駆動線10を通してFET5のゲートに至る向きに順方向となる寄生のダイオード11aが形成されている。
制御回路9は、電源12の端子間に出力端子n2を挟んでインバータ接続されたPチャネル型のMOSFET13とNチャネル型のMOSFET14とから構成されている。MOSFET13、14には、それぞれ寄生のダイオード13a、14aが形成されている。MOSFET13、14の素子サイズは、MOSFET11を駆動するのに十分な素子サイズであればよく、小さい素子サイズで十分である。
MOSFET13、14のゲートは、電圧検出回路6の出力端子n1に接続されている。出力端子n2は、MOSFET11のゲートに接続されて制御信号を与える。電源12が供給する直流電圧Vcは、MOSFET11をオン/オフさせる制御信号を出力するのに必要な電圧であればよい。
次に、本実施形態の作用について図2も参照しながら説明する。電圧検出回路6は、FET5のドレイン・ソース間電圧VDSに対し(1)式で示す検出電圧を出力する。
検出電圧=(C1/(C1+C2))・VDS …(1)
制御回路9は、FET5の電圧保護動作に用いるしきい値電圧Vthを有している。耐圧VDSSを超える電圧からFET5を確実に保護するため、FET5の耐圧VDSSよりも所定のマージンだけ低く設定された電圧Vm1以上の範囲を、FET5の電圧保護動作が行われるべき電圧範囲としている。しきい値電圧Vthは、FET5のドレイン・ソース間に上記電圧保護動作が行われるべき範囲の電圧が印加されたときに、電圧検出回路6が出力する検出電圧よりも低く設定されている。これを式で表すと(2)式のようになる。
Vth<(C1/(C1+C2))・Vm1<(C1/(C1+C2))・VDSS…(2)
一方、負荷駆動装置1に与えられるバッテリ電圧VBよりも所定のマージンだけ高く設定された電圧Vm2以下の範囲(上記電圧保護動作が行われるべき電圧範囲よりも低い範囲)を、FET5の電圧保護動作が不要とされるべき範囲としている。しきい値電圧Vthは、FET5のドレイン・ソース間に上記電圧保護動作が不要とされるべき範囲の電圧が印加されたときに、電圧検出回路6が出力する検出電圧よりも高く設定されている。これを式で表すと(3)式のようになる。
Vth>(C1/(C1+C2))・Vm2>(C1/(C1+C2))・VB …(3)
制御回路9を構成するMOSFET13、14の素子自体のしきい値電圧は、上記しきい値電圧Vthに等しく設定されており、それに合わせて適切な直流電圧Vcが設定されている。
図2は、FET5のドレイン電流ID、ドレイン・ソース間電圧VDSおよびゲート電圧VGSを示す波形図である。時刻t1からt2までの期間T1ではオフ駆動信号が入力されており、FET5はオフしている。時刻t2からt3までの期間T2ではオン駆動信号が入力されており、FET5はオンしている。期間T1、T2におけるFET5のドレイン・ソース間電圧VDSは、それぞれバッテリ電圧VB、ほぼ0V(厳密にはFET5のオン抵抗とドレイン電流IDの関係で定まる電圧)になっている。
期間T1、T2に電圧検出回路6が出力する検出電圧は、上記しきい値電圧Vthよりも低い。このため、MOSFET13がオン、MOSFET14がオフになり、MOSFET11のゲートにはMOSFET13を介して電圧Vcが与えられる。その結果、MOSFET11はオンになり、スイッチ回路8は駆動回路7とFET5のゲートとの間を低インピーダンスで接続する。これにより、FET5は、駆動信号に従ってスイッチング動作を行う。
時刻t3においてオフ駆動信号が入力されてFET5がオフすると、逆起電力によるサージ電圧(逆起電力自体を含む)が発生し、FET5のドレイン・ソース間電圧VDSが電圧Vm1以上になる。このとき、電圧検出回路6が出力する検出電圧は、MOSFET13、14のゲート耐圧以下であって、上記しきい値電圧Vthよりも高くなる。このため、MOSFET13がオフ、MOSFET14がオンになり、MOSFET11のゲート電圧VGSは0Vになる。その結果、MOSFET11はオフになり、スイッチ回路8は駆動回路7とFET5のゲートとの間を高インピーダンスで遮断する。これに伴い、FET5のゲートはオープン状態になる。
これ以降のFET5のゲート電圧VGSは、ドレイン・ソース間電圧VDSとゲート・ドレイン間容量CGDとゲート・ソース間容量CGSに基づいて、最終的に(4)式のように定まる。
VGS=(CGD/(CGD+CGS))・VDS …(4)
FET5は、このゲート電圧VGSが自らのしきい値電圧を超えるとセルフターンオンする。FET5がオンすると、ドレイン・ソース間に印加されたサージ電圧のエネルギーがFET5を通してソース側に逃され、ドレイン・ソース間電圧VDSは素子耐圧以下の電圧(例えば600V)でバランスする(期間T3)。その後、このバランス状態を保持してエネルギーの開放が終了すると(時刻t4)、ドレイン・ソース間電圧VDSが低下し、電圧検出回路6が出力する検出電圧がしきい値電圧Vth以下になる。これにより、スイッチ回路8は駆動回路7とFET5のゲートとの間を低インピーダンスで接続し、FET5は、駆動信号に従ったスイッチング動作に復帰する。
以上の動作において、FET5のゲート電流の最大値は数A程度になるが、ゲート電流が流れるターンオン時間/ターンオフ時間は非常に短いので、MOSFET11の定格電流は小さくてよい。また、MOSFET13、14は、MOSFET11を駆動するものなので、同様に小さいサイズの素子で十分である。このため、スイッチ回路8と制御回路9は、FET5よりも十分に小さい素子サイズで構成できる。
コンデンサC1、C2は、検出電圧に応じてMOSFET13、14のゲート容量を充放電する作用を持つ。従って、コンデンサC1、C2は、MOSFET13、14のゲート容量を十分に駆動できるだけの容量値が必要である。一例を示せば、コンデンサC1、C2の容量値は、MOSFET13、14のゲート容量の1倍から100倍程度の大きさに設定することが好ましい。
スイッチ回路8を構成するMOSFET11には、駆動回路7側をアノード、FET5のゲート側をカソードとする寄生ダイオード11aが存在する。そのため、スイッチ回路8が遮断状態にあっても、駆動回路7が出力する正の電圧を持つオン駆動信号を、寄生ダイオード11aを通してFET5のゲートに与えることができる。これにより、スイッチ回路8の状態にかかわらず、駆動回路7からのオン駆動信号を優先してFET5をオン動作させることができる。なお、MOSFET11に替えてIGBTやバイポーラトランジスタを用いる場合には、並列ダイオードを付けることにより同様の効果が得られる。
本実施形態によれば、FET5のドレイン・ソース間電圧VDSがその素子耐圧VDSSより低く設定された電圧Vm1以上になると、ゲート駆動線10に介在するスイッチ回路8が遮断してFET5のゲートがオープン状態になり、FET5に積極的なセルフターンオンが誘発される。FET5のゲートにサージを逃すためのダイオードが接続されていないので、従来構成よりもゲートに追加される寄生容量が小さくなり、FET5の高速スイッチング性能(特にターンオン特性)を保ったまま電圧耐量を確保することができる。
負荷駆動装置1は、特にGaNデバイス例えばGaN−HEMTからなるFET5に好適である。GaN−HEMTは、アバランシェ耐量(L負荷耐量)がなく、ゲート耐圧が低く、素子自体のゲート容量が小さい特性を持つ。本実施形態によれば、スイッチング速度を殆ど低下させることなく、サージ電圧に対する耐量を高めることができる。勿論、MOSFETやIGBTにも適用できる。
電圧検出回路6は、Cスナバの構成を備えているので、ターンオフ時のdV/dtおよびリンギングを抑制できるとともに、部品数および搭載スペースを節約できる。また、コンデンサC1、C2の容量比とFET5の素子耐圧との関係に基づいて、電圧保護動作の条件を容易に設定できる。
FET5と同一の半導体基板上にコンデンサC1、C2を作り込むことにより素子モジュール3を構成してもよい。また、ディスクリート部品であるFET5とコンデンサC1、C2を基板上に搭載した後にモールドしてもよい。さらに、FET5、コンデンサC1、C2、スイッチ回路8および制御回路9を同一の半導体基板上に作り込んでもよい。この場合、さらに駆動回路7も併せて作り込むことができる。また、コンデンサC1、C2だけを外付けの構成としてもよい。このように、回路構成上の自由度が高く小型化を図ることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図3を参照しながら説明する。負荷駆動装置21の駆動IC22は制御回路23を備えている。制御回路23は、電源12の端子間に出力端子n2を挟んで直列に接続された抵抗24とMOSFET14から構成されている。MOSFET14のしきい値電圧は、上述したしきい値電圧Vthに等しく設定されている。
サージ電圧が印加されていないとき、検出電圧はしきい値電圧Vthよりも低くなる。このため、MOSFET14がオフになり、MOSFET11のゲートに抵抗24を介して電圧Vcが与えられる。一方、サージ電圧が発生してFET5のドレイン・ソース間電圧VDSが電圧Vm1以上になると、検出電圧は、MOSFET14のゲート耐圧以下であって、しきい値電圧Vthよりも高くなる。これにより、MOSFET14がオンになり、スイッチ回路8が遮断するので、FET5はセルフターンオンする。
本実施形態によれば、制御回路23を1つのMOSFET14から構成できるので、回路面積を一層低減できる。ただし、MOSFET14がオンした時に電源12から抵抗24とMOSFET14を介した経路で電流が流れる。しかし、MOSFET14がオンする頻度は低く、オンする時間も短いので、消費電力の増加は殆どない。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図4を参照しながら説明する。負荷駆動装置25の駆動IC26は制御回路27を備えている。制御回路27は、電源12の端子間に出力端子n2を挟んで直列に接続されたMOSFET13と抵抗28とから構成されている。検出電圧がしきい値電圧Vthを超えると、MOSFET13がオフするように構成されている。
サージ電圧が印加されていないとき、検出電圧はしきい値電圧Vthよりも低くなる。このため、MOSFET13がオンになり、MOSFET11のゲートにMOSFET13を介して電圧Vcが与えられる。一方、サージ電圧が発生してFET5のドレイン・ソース間電圧VDSが電圧Vm1以上になると、検出電圧は、MOSFET13のゲート耐圧以下であって、しきい値電圧Vthよりも高くなる。これにより、MOSFET13がオフになり、スイッチ回路8が遮断するので、FET5がセルフターンオンする。本実施形態によれば、制御回路23を1つのMOSFET13から構成できるので、回路面積を一層低減できる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態について図5を参照しながら説明する。負荷駆動装置29は、素子モジュール30と駆動IC4とから構成されており、素子モジュール30は、FET5と電圧検出回路31とから構成されている。電圧検出回路31は、抵抗R1とコンデンサC1との直列回路からなる第1回路31aと、抵抗R2とコンデンサC2との直列回路からなる第2回路31bとが、出力端子n1を挟んで直列に接続された構成を備えている。
コンデンサC1の容量値はコンデンサC2の容量値よりも小さく、例えばC1:C2=1:(5〜500)程度の比に設定されている。抵抗R1の抵抗値は抵抗R2の抵抗値よりも大きく、例えばR1:R2=(5〜500):1程度の比に設定されている。
本実施形態の電圧検出回路31はRCスナバの構成を備えているので、コンデンサC1、C2に蓄積されたサージエネルギーを抵抗R1、R2で消費させることができ、電圧サージを一層抑制する効果が得られる。また、直列に抵抗R1、R2を備えているので、コンデンサC1、C2に流れるリプル電流を低減できる。τ=C1・R1≒C2・R2になるように定数を設定すれば、第1回路31aと第2回路31bの充放電状態が互いに等しくなり、電圧検出回路31の分圧比を所望の値に安定化することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態について図6を参照しながら説明する。負荷駆動装置32は、素子モジュール33と駆動IC4とから構成されており、素子モジュール33は、FET5と電圧検出回路34とから構成されている。電圧検出回路34は、出力端子n1を挟んで直列に接続された第1回路34aと第2回路34bから構成されている。第1回路34a、第2回路34bは、それぞれ上述した第1回路31a、第2回路31b(図5参照)に対し並列に抵抗R3、R4を備えている。
コンデンサC1、C2の容量比および抵抗R1、R2の抵抗比は第4の実施形態に等しい。抵抗R3の抵抗値は抵抗R4の抵抗値よりも大きく、例えばR3:R4=(5〜500):1程度の比に設定されている。
本実施形態の電圧検出回路34もRCスナバの構成を備えているので、第4の実施形態と同様に電圧サージを一層抑制する効果が得られる。また、τ=C1・R1≒C2・R2、C2:C1≒R1:R2≒R3:R4になるように定数を設定すれば、第1回路34aと第2回路34bの充放電状態が互いに等しくなり、電圧検出回路34の分圧比を所望の値に安定化することができる。特にバランス抵抗R3、R4を備えたことにより、電圧変化に対する追従性が高まり、過渡時における分圧比を一層安定化することができる。なお、抵抗R3、R4の抵抗値は、分圧比の安定化と抵抗損失との兼ね合いから決定すればよい。
(第6の実施形態)
第6の実施形態について図7を参照しながら説明する。負荷駆動装置35は、素子モジュール36と駆動IC4とから構成されており、素子モジュール36は、FET5と電圧検出回路37とから構成されている。電圧検出回路37は、コンデンサC1と抵抗R3との並列回路からなる第1回路37aと、コンデンサC2と抵抗R4との並列回路からなる第2回路37bとが、出力端子n1を挟んで直列に接続された構成を備えている。コンデンサC1、C2の容量比および抵抗R3、R4の抵抗比は第5の実施形態と同様に設定されている。
C2:C1≒R3:R4になるように定数を設定すれば、第1回路37aと第2回路37bの充放電状態が互いに等しくなり、電圧検出回路37の分圧比を所望の値に安定化することができる。特にバランス抵抗R3、R4を備えたことにより、電圧変化に対する追従性が高まり、過渡時における分圧比を一層安定化することができる。なお、抵抗R3、R4の抵抗値は、分圧比の安定化と抵抗損失との兼ね合いから決定すればよい。
(第7の実施形態)
第7の実施形態について図8を参照しながら説明する。負荷駆動装置38は、素子モジュール39と駆動IC4とから構成されており、素子モジュール39は、FET5と電圧検出回路40とから構成されている。電圧検出回路40は、FET5のドレインとソースとの間に出力端子n1を挟んで直列に接続された抵抗R3、R4(第1回路、第2回路に相当)から構成されている。抵抗R3、R4は、R3:R4=(5〜500):1程度の比であって、抵抗損失が低減するように比較的高い抵抗値に設定されている。電圧検出回路40は、抵抗分圧により検出電圧を出力するので、電圧変化に対する追従性がよく、精度がよく安定した分圧比が得られる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態について図9を参照しながら説明する。負荷駆動装置41は、素子モジュール42と駆動IC4とから構成されており、素子モジュール42は、FET5と電圧検出回路43とから構成されている。電圧検出回路43は、FET5のドレインとソースとの間に出力端子n1を挟んで直列に接続された図示極性のツェナーダイオードZD1、ZD2(第1回路、第2回路に相当)から構成されている。ツェナーダイオードZD1、ZD2は、印加電圧がツェナー電圧(規定電圧に相当)を超えるときに通電状態に移行する通電回路である。
本実施形態によれば、FET5のドレイン・ソース間電圧VDSが電圧Vm1以上になると、ツェナーダイオードZD1、ZD2が通電し、出力端子n1の電圧がほぼ一定に維持される。これにより、スイッチ回路8を安定的に遮断状態にでき、FET5をセルフターンオンさせることができる。なお、ツェナーダイオードZD1、ZD2は、サージ電圧のエネルギーを逃すものではなく、電圧を検出するためのものである。従って、ツェナーダイオードZD1、ZD2は、MOSFET13、14のゲート容量を駆動するのに十分な素子サイズがあればよい。
(第9の実施形態)
第9の実施形態について図10を参照しながら説明する。負荷駆動装置44は、素子モジュール45と駆動IC4とから構成されており、素子モジュール45は、FET5と電圧検出回路46とから構成されている。電圧検出回路46は、第1回路に相当する抵抗R3と、ツェナーダイオードZD2と抵抗R4との直列回路からなる第2回路46bとが、出力端子n1を挟んで直列に接続された構成を備えている。抵抗R3、R4の抵抗比は第5の実施形態と同様に設定されている。
FET5のドレイン・ソース間電圧VDSが電圧Vm1以上になると、ツェナーダイオードZD2が通電し、出力端子n1の電圧がツェナー電圧と抵抗R4の電圧降下とで定まる電圧に維持される。これにより、スイッチ回路8を安定的に遮断状態にでき、FET5をセルフターンオンさせることができる。ツェナーダイオードZD2の素子サイズは、第8の実施形態で説明したように小さくてよい。また、抵抗R3、R4の抵抗値は、分圧比の安定化と抵抗損失との兼ね合いから決定すればよい。
(第10の実施形態)
第10の実施形態について図11および図12を参照しながら説明する。負荷駆動装置51は、図11に示すように素子モジュール52と駆動IC4とから構成されている。素子モジュール52は、FET5、電圧検出回路6および第1電圧制御回路53とから構成されている。
電圧制御回路53は、FET5のドレインとゲートとの間に接続されており、ドレイン・ゲート間の電圧がFET5のドレイン・ソース間の耐圧VDSSよりも低く設定された規定電圧を超えるときに通電状態に移行する。具体的には、逆方向の3つのツェナーダイオード53a〜53cと、順方向のダイオード53dとの直列回路により構成されている。ダイオード53dは、ゲート電圧VGSがドレイン・ソース間電圧VDSよりも高いときに、ゲート電流がドレイン側に抜けることを防止する。
サージ電圧が発生してFET5のドレイン・ソース間電圧VDSが電圧Vm1以上になると、制御回路9はMOSFET11をオフする。これにより、FET5のゲートはオープン状態になり、ゲート電圧VGSは(4)式で示した値にまで上昇し、FET5がセルフターンオンする。しかし、ゲート容量比(CGS/CGD)が極端に大きいと、ドレイン・ソース間電圧VDSが耐圧VDSSに達しても、ゲート電圧VGSがFET5のしきい値電圧を超えずセルフターンオンに移行しない虞がある。
そこで、本実施形態の電圧制御回路53は、ドレイン・ソース間電圧VDSが耐圧VDSSよりも低く設定された規定電圧に達すると通電し、規定電圧を差分電圧にしてゲートをドレイン電圧にクランプする。これにより、ドレイン・ソース間電圧VDSの上昇に伴ってゲート電圧VGSが引き上げられてFET5がオンするので、サージ電圧のエネルギーはFET5を通してソース側に逃される。
電圧制御回路53はサージ電圧のエネルギーを逃すものではないので、ツェナーダイオード53a〜53cおよびダイオード53dは、FET5のゲートを駆動するのに十分なだけの小さい素子サイズがあればよい。その一方で、ゲートをクランプした状態のまま保持できない場合がある。図12は、ターンオフ時のゲート電圧VGS、ドレイン・ソース間電圧VDS、ドレイン電流ID、バッテリ電圧VBの実測波形を示している。ゲート電圧VGSの上昇と下降により、FET5がオンとオフを繰り返していることが分かる。この場合であっても、ドレイン・ソース間電圧VDSのピーク値は規定電圧以下に制限され、ドレイン電流IDが減少する。
本実施形態によれば、FET5がゲートオープン状態のときにセルフターンオンできないようなゲート容量比を有している場合でも、電圧制御回路53が通電することによりFET5を確実にターンオンさせることができ、過大な電圧からFET5を保護することができる。また、FET5のゲートに接続される電圧制御回路53の素子サイズは小さいので、スイッチング速度を殆ど低下させることなく、サージ電圧に対する耐量を高めることができる。
(第11の実施形態)
第11の実施形態について図13を参照しながら説明する。負荷駆動装置54は、素子モジュール55と駆動IC4とから構成されている。素子モジュール55は、電圧制御回路53に加え、FET5のゲートとソースの間にゲート側をカソードとするツェナーダイオード56(第2電圧制御回路に相当)を備えている。ツェナーダイオード56は、FET5のゲート・ソース間の電圧がゲート・ソース間の正方向の耐圧VGSSよりも小さく設定された規定電圧を超えるときに通電状態に移行する。
FET5がノーマリオフタイプの素子である場合、電圧制御回路53が通電してゲートが引き上げられたときに、ゲート電圧VGSがゲート耐圧VGSSよりも低い値にクランプされる。これにより、FET5のゲートを保護することができる。また、ツェナーダイオード56は、ゲート電圧VGSをクランプするのに十分なだけの小さい素子サイズがあればよい。このため、本実施形態によっても第10の実施形態と同様の効果が得られる。
(第12の実施形態)
第12の実施形態について図14を参照しながら説明する。負荷駆動装置57は、素子モジュール58と駆動IC4とから構成されている。素子モジュール58は、電圧制御回路53に加え、FET5のゲートとソースの間にゲート側をアノードとするツェナーダイオード59(第2電圧制御回路に相当)を備えている。ツェナーダイオード59は、FET5のゲート・ソース間の電圧がゲート・ソース間の負方向の耐圧VGSSよりも小さく設定された規定電圧を超えるときに通電状態に移行する。
FET5がノーマリオンタイプの素子である場合、オフ駆動信号は負の電圧になる。また、FET5がノーマリオフ、ノーマリオンの何れのタイプであっても、ターンオフ時間を短縮するためにFET5の負方向のゲート耐圧に近い電圧を持つオフ駆動信号を印加する場合がある。このような場合に、ゲート電圧VGS(絶対値)がゲート耐圧VGSS(絶対値)よりも小さい値にクランプされる。これにより、FET5のゲートを保護することができる。また、ツェナーダイオード59は、ゲート電圧VGSをクランプするのに十分なだけの小さい素子サイズがあればよい。このため、本実施形態によっても第10の実施形態と同様の効果が得られる。
(第13の実施形態)
第13の実施形態について図15を参照しながら説明する。負荷駆動装置60は、素子モジュール61と駆動IC4とから構成されている。素子モジュール61は、電圧制御回路53に加えて第2電圧制御回路62を備えている。電圧制御回路62は、第11、第12の実施形態で説明したツェナーダイオード56、59の直列回路から構成されている。本実施形態によれば、第11、第12の実施形態で説明した作用および効果が得られる。
(第14の実施形態)
第14の実施形態について図16を参照しながら説明する。負荷駆動装置71は、素子モジュール3と駆動IC72とから構成されている。駆動IC72が備えるスイッチ回路73において、MOSFET11と並列に抵抗74が接続されている。抵抗74の抵抗値Rpは、通常のゲート抵抗Rgon、Rgoffよりも格段に高い抵抗値に設定されている。
サージ電圧が発生してFET5のドレイン・ソース間電圧VDSが電圧Vm1以上になると、制御回路9によりMOSFET11がオフに制御される。このとき、駆動回路7の出力端子とFET5のゲートとの間のインピーダンスはRpとなり、FET5のゲートはオープン状態に近くなる。抵抗74を設けることにより、FET5がセルフターンオンする電圧値を調整することが可能になる。
(第15の実施形態)
第15の実施形態について図17を参照しながら説明する。負荷駆動装置81は、素子モジュール3と駆動IC82とから構成されている。駆動IC82が備える制御回路83は、電源12の出力電圧Vcを電源電圧として動作するマイコン84から構成されている。マイコン84は、温度補正、過電圧保護、過電流保護などを制御する演算装置(CPU)である。
マイコン84の端子84aは、しきい値電圧Vthを有するデジタル入力端子であり、その立ち上がりにより割り込みを発生させる。端子84bは、0V(Lレベル)/Vc(Hレベル)を出力するデジタル出力端子である。サージ電圧が発生してFET5のドレイン・ソース間電圧VDSが電圧Vm1以上になると、電圧検出回路6が出力する検出電圧はしきい値電圧Vthよりも高くなる。この時、マイコン84は、過電圧保護の割り込み処理に移行し、端子84bからLレベルの電圧(0V)を出力する。これにより、MOSFET11がオフしてFET5のセルフターンオンが促される。
本実施形態によれば、温度補正等の目的で駆動IC82内に既に存在するマイコン84を利用して制御回路83を構成できるので、サージ電圧に対する保護回路を構成する際の追加回路が一層少なくなる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、拡張を行うことができる。
各実施形態では、誘導性負荷であるコイル2への通電を遮断した時に生じるサージ電圧(逆起電力を含む)がFET5に印加された場合について説明した。誘導ノイズ、バッテリ電圧VBの変動などに起因する過電圧が印加されたときも同様である。
第8の実施形態では、第1回路と第2回路を構成する通電回路としてツェナーダイオードZD1、ZD2を用いたが、通電回路は、印加電圧が規定電圧を超えるときに通電状態に移行する回路であれば他の回路構成でもよい。また、第10〜第13の実施形態では、電圧制御回路としてツェナーダイオード53a〜53c、56、59を用いたが、電圧制御回路は、印加電圧が規定電圧を超えるときに通電状態に移行する回路であれば他の回路構成でもよい。例えば、ダイオード、ツェナーダイオード、MOSトランジスタおよびバイポーラトランジスタの中から選択された1または複数の半導体素子から構成し、その順方向電圧、ツェナー電圧、しきい値電圧またはこれらの電圧の組み合わせにより規定電圧を構成してもよい。
第2、第3、第15の実施形態で説明した制御回路23、27、83は、第4〜第14の実施形態に対しても同様に適用できる。
第10〜第13の実施形態で説明した第1電圧制御回路53、ツェナーダイオード56、59(第2電圧制御回路)、第2電圧制御回路62は、第2〜第9、第14、第15の実施形態に対しても同様に適用できる。
第14の実施形態で説明したスイッチ回路73は、第2〜第13、第15の実施形態に対しても同様に適用できる。
電圧検出回路は、FET5のドレイン・ソース間に印加される電圧VDSに応じた検出電圧を出力する回路であればよく、必ずしも第1回路と第2回路の直列回路から構成する必要はない。
上述した各電圧検出回路6、31、34、37、40、43、46は、第1回路と第2回路の直列回路から構成した。これらにおいて、電圧検出回路の全体回路を複数設けてもよい。また、第1回路または第2回路をそれぞれ複数設けてもよい。
負荷駆動装置への適用について説明したが、これに限らずスイッチング電源回路、インバータ回路などにも適用できる。
図面中、1、21、25、29、32、35、38、41、44、51、54、57、60、71、81は負荷駆動装置(半導体装置)、5はFET(スイッチング素子)、6、31、34、37、40、43、46は電圧検出回路、8、73はスイッチ回路、9、23、27、83は制御回路、10はゲート駆動線、11、14はNチャネル型MOSFET(Nチャネル型トランジスタ)、13はPチャネル型MOSFET(Pチャネル型トランジスタ)、31a、34a、37aは第1回路、31b、34b、37b、46bは第2回路、53は第1電圧制御回路、56、59はツェナーダイオード(第2電圧制御回路)、C1、C2はコンデンサ(第1回路、第2回路)、R3、R4は抵抗(第1回路、第2回路)、ZD1、ZD2はツェナーダイオード(通電回路/第1回路、第2回路)、n1、n2は出力端子である。

Claims (17)

  1. ゲート端子(G)と第1端子(S)との間に印加されるゲート電圧に応じて第2端子(D)と第1端子(S)との間の導通状態を変化させるスイッチング素子(5)と、
    前記スイッチング素子の第2端子と第1端子との間に印加される電圧に応じた検出電圧を出力する電圧検出回路(6,31,34,37,40,43)と、
    前記スイッチング素子のゲート端子に繋がるゲート駆動線(10)に直列に設けられ、制御信号に応じて高インピーダンス状態または低インピーダンス状態に切り替わるスイッチ回路(8,73)と、
    前記スイッチング素子の第2端子と第1端子との間に前記スイッチング素子の電圧保護動作が行われるべき範囲の電圧が印加されたときに前記電圧検出回路が出力する検出電圧よりも低く設定され、且つ、前記スイッチング素子の第2端子と第1端子との間に前記スイッチング素子の電圧保護動作が不要とされるべき範囲の電圧が印加されたときに前記電圧検出回路が出力する検出電圧よりも高く設定されたしきい値電圧を有し、前記検出電圧が前記しきい値電圧以下になるときには前記スイッチ回路を低インピーダンス状態に切り替え、前記検出電圧が前記しきい値電圧を超えるときには前記スイッチ回路を高インピーダンス状態に切り替える前記制御信号を出力する制御回路(9,23,27,83)とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記電圧検出回路は、前記スイッチング素子の第2端子と第1端子との間に、検出電圧の出力端子を挟んで直列に接続された第1回路と第2回路から構成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記第1回路と第2回路は、それぞれコンデンサ(C1,C2)を備えて構成されていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  4. 前記第1回路(31a)と第2回路(31b)は、それぞれ前記コンデンサと直列に抵抗(R1,R2)を備えていることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
  5. 前記第1回路(37a)と第2回路(37b)は、それぞれ前記コンデンサと並列に抵抗(R3,R4)を備えていることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
  6. 前記第1回路(34a)と第2回路(34b)は、それぞれ前記コンデンサと前記抵抗との直列回路に対し並列に抵抗(R3,R4)を備えていることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
  7. 前記第1回路と第2回路は、それぞれ抵抗(R3,R4)から構成されていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  8. 前記第1回路と第2回路は、それぞれ印加電圧が規定電圧を超えるときに通電状態に移行する通電回路(ZD1,ZD2)から構成されていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  9. 前記通電回路は、ダイオード、ツェナーダイオード、MOSトランジスタおよびバイポーラトランジスタの中から選択された1または複数の半導体素子から構成されており、その順方向電圧、ツェナー電圧、しきい値電圧または当該電圧の組み合わせにより前記規定電圧が構成されていることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
  10. 前記制御回路(9)は、前記制御信号を出力するのに必要な直流電圧を供給する電源線間に、前記制御信号の出力端子(n2)を挟んで、前記しきい値電圧を持つPチャネル型トランジスタ(13)とNチャネル型トランジスタ(14)とがインバータ接続された構成を備え、これらトランジスタのゲートに前記検出電圧が与えられていることを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の半導体装置。
  11. 前記制御回路(23,27)は、前記制御信号を出力するのに必要な直流電圧を供給する電源線間に、前記制御信号の出力端子(n2)を挟んで、抵抗(24,28)と前記しきい値電圧を持つトランジスタ(14,13)とが直列に接続された構成を備え、当該トランジスタのゲートに前記検出電圧が与えられていることを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の半導体装置。
  12. 前記スイッチング素子の第2端子とゲート端子との間に、当該端子間の電圧が前記スイッチング素子の第2端子と第1端子との間の耐圧よりも低く設定された規定電圧を超えるときに通電状態に移行する第1電圧制御回路(53)を備えていることを特徴とする請求項1ないし11の何れかに記載の半導体装置。
  13. 前記スイッチング素子のゲート端子と第1端子との間に、当該端子間の電圧が前記スイッチング素子の第1端子を基準とするゲート端子の正方向の耐圧よりも小さく設定された規定電圧を超えるときに通電状態に移行する第2電圧制御回路(56)を備えていることを特徴とする請求項12記載の半導体装置。
  14. 前記スイッチング素子のゲート端子と第1端子との間に、当該端子間の電圧が前記スイッチング素子の第1端子を基準とするゲート端子の負方向の耐圧よりも小さく設定された規定電圧を超えるときに通電状態に移行する第2電圧制御回路(59)を備えていることを特徴とする請求項12記載の半導体装置。
  15. 前記電圧制御回路は、ダイオード、ツェナーダイオード、MOSトランジスタおよびバイポーラトランジスタの中から選択された1または複数の半導体素子から構成されており、その順方向電圧、ツェナー電圧、しきい値電圧または当該電圧の組み合わせにより前記規定電圧が構成されていることを特徴とする請求項12ないし14の何れかに記載の半導体装置。
  16. 前記スイッチ回路は、Nチャネル型MOSトランジスタ(11)から構成されており、前記ゲート駆動線を通して前記スイッチング素子のゲート端子に至る向きに順方向となるダイオード(11a)を備えていることを特徴とする請求項1ないし15の何れかに記載の半導体装置。
  17. 前記スイッチング素子は、GaNデバイスであることを特徴とする請求項1ないし16の何れかに記載の半導体装置。
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