JP2014047869A - 電動アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】一連のシフト動作の所要時間を短くすることができる電動アクチュエータを提供すること。
【解決手段】電動アクチュエータは、回転駆動力を発生させる電動モータと、電動モータによって発生される回転駆動力を、操作軸を移動させる力に変換して、シフトレバーが連結されているシフトセレクト軸に伝達するシフト変換機構と、電動モータによって発生される回転駆動力の伝達を、電動モータからシフト変換機構に断続可能なシフト電磁クラッチとを含む。電動アクチュエータの制御部は、シフト電磁クラッチが接続状態にあるシフト動作の実行の際に、当該シフト動作の終了後引き続いて次のシフト動作が実行されるか否かを予測し(ステップS16)、次のシフト動作の実行が予測された場合には(ステップS17でYES)、前記シフト電磁クラッチの接続状態を続行する(ステップS19)。
【選択図】図9A

Description

この発明は、変速機における変速ギヤ段を切り換えるために、シフト動作を行うための電動アクチュエータに関する。
従来から、マニュアルトランスミッションの変速ギヤ段の変更を自動で行う機械式自動マニュアルトランスミッション(Automated Manual Transmission)の変速装置が知られている。機械式自動マニュアルトランスミッションの変速装置は、変速ギヤ等を収容する変速機と、変速機を変速駆動するための電動アクチュエータとを含んでいる。
下記特許文献1では、電動モータ等を備え、電動モータにより発生される回転駆動力によって、シフトセレクト軸を軸中心まわりに回転させてインターナルレバーをシフト動作させたり、シフトセレクト軸を軸方向移動させてインターナルレバーをセレクト動作させたりする電動アクチュエータが開示されている。
電動アクチュエータは、電動モータからの回転駆動力を、シフトセレクト軸を軸中心まわりに回転させる力に変換するためのシフト変換機構と、その回転駆動力を、シフトセレクト軸を軸方向移動させる力に変換するためのセレクト変換機構と、その回転駆動力をシフト変換機構に伝達/遮断する第1電磁クラッチと、当該回転駆動力をセレクト変換機構に伝達/遮断する第2電磁クラッチと、その回転駆動力を第1電磁クラッチおよび第2電磁クラッチに伝達するための第1伝達軸とを備えている。
特開2012−97803号公報
所定の変速ギヤ段(たとえば1速)へのギヤ入れは、シフトレバー(インターナルレバー)をシフト動作させることにより行われる。シフト電磁クラッチ(第1電磁クラッチ)を接続状態にさせつつ、電動モータを所定方向に回転駆動させることにより、電動アクチュエータを用いてシフトレバーをシフト動作させることができる。そして、シフト動作が終了し、所定の変速ギヤ段へのギヤ入れが達成した後は、接続状態にあるシフト電磁クラッチが切断される。
この状態から、当該変速ギヤ段よりも高段の変速ギヤ段(たとえば2速)にギヤ入れさせるために、シフトレバー(インターナルレバー)を、逆方向にシフト動作させる。このとき、シフト電磁クラッチ(第1電磁クラッチ)を接続状態にさせつつ、電動モータを逆方向に回転駆動させる。
車両の発進直後には、変速装置の変速ギヤ段を、1速→2速→3速→4速→5速と高段に向けて順次に切り換えるシフトアップ操作が行われる。このようなシフトアップ操作中には、所定の変速ギヤ段にギヤ入れされた後、ほとんど時を置かずに、次の高段の変速ギヤ段にギヤ入れさせる。すなわち、当該変速ギヤ段へのギヤ入れのためのシフト動作の終了後、引き続いて、当該変速ギヤ段からのギヤ抜きのためのシフト動作が行われる。
この場合、シフト電磁クラッチは、所定の変速ギヤ段へのギヤ入れのためのシフト動作の終了に伴って一旦切断されるとともに、当該変速ギヤ段からのギヤ抜きのためのシフト動作の開始に伴って再度接続される。つまり、2つのシフト動作が、ほとんど時を置かずに実行されるのにも拘らず、2つのシフト動作の間で、シフト電磁クラッチを解放状態から接続状態に切り換えるとともに、接続状態から解放状態に切り換えている。シフト電磁クラッチの解放状態から接続状態への切換え、およびシフト電磁クラッチの接続状態から解放状態への切換えには、所定の時間が必要である。そのため、ギヤ入れおよびギヤ抜きのためのシフト動作(一連のシフト動作)の所要時間が長くなるおそれがある。
本発明はこのような背景のもとでなされたものであり、一連のシフト動作の所要時間を短くすることができる電動アクチュエータを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、操作レバー(16)が連結された操作軸(15)を移動させることによって前記操作レバーをシフト動作させるための電動アクチュエータ(21)であって、回転駆動力を発生させる電動モータ(23)と、前記電動モータによって発生される回転駆動力を、前記操作軸を移動させる力に変換して、前記操作軸に伝達するためのシフト変換機構(24)と、前記電動モータによって発生される回転駆動力の伝達を、前記電動モータから前記シフト変換機構に断続するシフト電磁クラッチ(43)とを含み、前記電動モータにより前記回転駆動力が発生されている状態で、前記シフト電磁クラッチが接続状態にされることにより、前記操作軸が移動されて前記操作レバーがシフト動作されるようになっており、前記操作レバーのシフト動作の実行の際に、当該シフト動作の終了後に引き続いて次のシフト動作が実行されるか否かを予測するシフト動作継続予測手段(88)と、次のシフト動作が実行されないと予測された場合には、接続状態にある前記シフト電磁クラッチを解放するとともに、次のシフト動作が実行されると予測された場合には、前記シフト電磁クラッチの接続状態を続行する、シフト電磁クラッチ制御手段(88)とをさらに含む、電動アクチュエータである。
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符合を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。この明細書において、「シフト動作の終了後に引き続いて次のシフト動作が実行される」とは、シフト動作が終了してから微小時間の経過後に、次のシフト動作が実行される場合を含む趣旨である。
この構成によれば、シフト動作の実行の際に、当該シフト動作の終了に引き続いて次のシフト動作が実行されるか否かが予測される。そして、次のシフト動作の実行が予測された場合には、現在の接続状態からシフト電磁クラッチを切断することなく、その接続状態を続行する。そのため、先のシフト動作の終了後にシフト電磁クラッチを切断させる場合と比較して、シフト電磁クラッチの断続を行うための時間に相当する時間だけ、一連のシフト動作の所要時間の短縮を図ることができる。
請求項2に記載のように、前記シフト動作継続予測手段は、前記電動アクチュエータが搭載された車両の現在の状態に基づいて判別してもよい。
請求項3に記載の発明は、前記シフト動作継続予測手段は、前記車両におけるアクセルの開度の変化に基づいて判別する、請求項2に記載の電動アクチュエータである。
この構成によれば、車両の運転者がアクセルを強く踏み込む場合には、車両の発進直後にあり、シフトアップ操作されている可能性が高い。この場合、所定の変速ギヤ段へのギヤ入れ後、時を置かずに当該変速ギヤ段よりも高段の速ギヤ段にギヤ入れされるのが一般的であるから、所定のシフト動作の終了に引き続いて次のシフト動作が実行されることが予測される。したがって、車両におけるアクセルの開度の変化を調べることにより、シフト動作の終了に引き続いて次のシフト動作が実行されるか否かを予測することが可能になる。
請求項4に記載の発明は、前記シフト動作継続予測手段は、前記車両の車速の変化に基づいて判別する、請求項2に記載の電動アクチュエータである。
この構成によれば、車両の車速が速まる場合には、車両の運転者がアクセルを強く踏み込む場合には、車両の発進直後にあり、シフトアップ操作されている可能性が高い。この場合、所定の変速ギヤ段へのギヤ入れ後、時を置かずに当該変速ギヤ段よりも高段の速ギヤ段にギヤ入れされるのが一般的であるから、所定のシフト動作の終了に引き続いて次のシフト動作が実行されることが予測される。したがって、車両における車速の変化を調べることにより、シフト動作の終了に引き続いて次のシフト動作が実行されるか否かを予測することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る電動アクチュエータが組み込まれた変速装置の概略構成を示す分解斜視図である。 変速操作のシフトパターンを説明するための図である。 図1に示す変速駆動装置の構成を示す斜視図である。 変速駆動装置の構成を示す底面図である。 変速駆動装置の構成を示す断面図である。 図5のA−A線に沿う断面図である。 変速駆動装置の電気的構成を示すブロック図である。 電動アクチュエータの変速制御のタイミングチャートである(その1)。 シフト動作制御の一例を示すフローチャートである。 シフト動作継続実行予測処理を示すフローチャートである。 電動アクチュエータの変速制御のタイミングチャートである(その2)。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動アクチュエータ21が組み込まれた変速装置1の概略構成を示す分解斜視図である。
変速装置1は、変速機2と、変速機2を変速駆動する変速駆動装置3とを備えている。
変速機2は、公知の常時かみ合い式の平行歯車式変速機であり、乗用車やトラックなどの車両に搭載される。変速機2は、ギヤハウジング7と、ギヤハウジング7内に収容される常時かみ合い式の平行歯車式変速機構(図示せず)とを備えている。
変速駆動装置3は、変速機2の前記変速機構(図示せず)にシフト動作またはセレクト動作を行わせるシフトセレクト軸(操作軸)15と、シフトセレクト軸15をシフト動作またはセレクト動作させるための共通の駆動源として用いられる電動アクチュエータ21とを含む。なお、図1は、各部材を簡略化して示した図なので、各部材の詳しい構成(特に電動アクチュエータ21について)は、後述する図3以降に図示されている。
シフトセレクト軸15は、所定方向(図示されたM11,M12の方向)に長手の軸状体であり、鋼材を用いて形成されている。シフトセレクト軸15は、第1および回転方向R1,R2方向に回転可能に設けられている。シフトセレクト軸15の途中部には、ギヤハウジング7内に収容されるシフトレバー(操作レバー)16の一端16Aが固定されている。シフトレバー16は、シフトセレクト軸15の中心軸線17まわりにシフトセレクト軸15と同伴回転する。シフトセレクト軸15の先端側(図1に示す右奥側)は、ギヤハウジング7外に突出している。ここで、シフトレバー16は、シフトセレクト軸15が軸回りに回転したり、軸方向M11,M12に移動したりすることに応じて、実際のシフト動作やセレクト動作を行う。具体的には、電動アクチュエータ21は、シフトセレクト軸15を回転させることでシフトレバー16をシフト動作させ、シフトセレクト軸15をスライドさせることでシフトレバー16をセレクト動作させる。
ギヤハウジング7内には、互いに平行に延びる複数のシフトロッド10A,10B,10Cが収容されている。各シフトロッド10A,10B,10Cには、シフトレバー16の他端16Bと係合可能なシフトブロック12A,12B,12Cが固定されている。また、各シフトロッド10A,10B,10Cには、変速機2内のクラッチスリーブ(図示せず)と係合するシフトフォーク11が設けられている。なお、図1では、シフトロッド10Aに設けられたシフトフォーク11のみを示している。
シフトロッド10Aは、軸方向M1,M2に移動可能に設けられている。シフトロッド10Bは、軸方向M3,M4に移動可能に設けられている。シフトロッド10Cは、軸方向M5,M6に移動可能に設けられている。軸方向M1、M3およびM5は、互いに同じ方向を向き、軸方向M2、M4およびM6は、それぞれ、軸方向M1、M3およびM5と逆向きである。シフトロッド10A,10B,10Cは、軸方向M1,M3,M5(M2,M4,M6)から見て一直線上に位置するように並置されている。
各シフトブロック12A,12B,12Cは、変速駆動装置3に対向する対向面を有している。各対向面は同一平面を有している。各対向面には、係合凹所14A,14B,14Cが形成されている。各係合凹所14A,14B,14Cは、対応するシフトロッド10A〜10Cの軸方向M1〜M6に直交する内壁面190A(図2参照)を有している。また、両端側の係合凹所14A,14Cは、シフトセレクト軸15の第1および第2軸方向M11,M12に沿う方向に直交し、各係合凹所14A,14Cの両端側の側面を閉塞する内壁面190B(図2参照)を有している。係合凹所14A,14B,14Cには、シフトレバー16の他端部16Bが進入しており、他端部16Bが係合凹所14A,14B,14Cの内壁190Aおよび内壁190Bに当接することにより、シフトブロック12A,12B,12Cと係合している。シフトレバー16の他端部16Bは、係合凹所14A,14B,14Cの内部空間を通って、各シフトブロック12A,12B,12C間を移動することができる。なお、図1には係合凹所14A,14B,14Cとして係合溝が示されているが、係合溝に代えて係合孔を採用してよいのはいうまでもない。
電動アクチュエータ21により、シフトセレクト軸15が、軸方向M11移動(スライド)されると、シフトレバー16が軸方向M11に移動される。また、電動アクチュエータ21により、シフトセレクト軸15が、軸方向M12移動(スライド)されると、シフトレバー16が軸方向M12に移動される。これらにより、シフトレバー16の他端16Bがシフトブロック12A,12B,12Cのいずれかに対して選択的に係合し、これによりセレクト動作が達成される。
一方、電動アクチュエータ21によりシフトセレクト軸15が回転方向R1に回転されると、シフトレバー16が中心軸線17まわりに、回転方向R1に揺動する。また、電動アクチュエータ21によりシフトセレクト軸15が回転方向R2に回転されると、シフトレバー16が中心軸線17まわりに、回転方向R2に揺動する。その結果、シフトレバー16と係合しているいずれかのシフトブロック12A,12B,12Cが、シフトロッド10A,10B,10Cの軸方向M1,M2,M3に移動し、これにより、シフト動作が達成される。なお、このシフト動作のために必要なシフトセレクト軸15の回転角度は360°(シフトセレクト軸15一周分)よりも著しく小さい(たとえば120°程度)。
図2は、変速操作のシフトパターン、具体的には、変速時におけるシフトレバー16(の他端部16B)の位置変化について説明するための図である。図2では、シフトレバー16の他端部16Bが第2ニュートラル位置N2にある状態を示している(図2中に太字の実線で図示)。
出力ギヤがニュートラル状態にあり、係合先のシフトブロック12A,12B,12Cに対応するシフトフォーク11がクラッチスリーブに非係合であるときのシフトレバー16の位置を、それぞれ第1、第2および第3ニュートラル位置N1,N2,N3という。前述した第2ニュートラル位置N2は、シフトレバー16の他端部16Bがシフトブロック12Bに係合しているニュートラル位置をいい、第1ニュートラル位置N1は、シフトレバー16の他端部16Bがシフトブロック12Aに係合しているニュートラル位置をいう。また、第3ニュートラル位置N3は、シフトレバー16の他端部16Bがシフトブロック12Cに係合しているニュートラル位置をいう。
シフトレバー16(他端部16B)が第2ニュートラル位置N2にある状態で、電動アクチュエータ21が駆動されてシフトセレクト軸15が軸方向M12(図1参照)移動されることにより、シフトレバー16(の他端部16B)が次に述べる図2中の白抜矢符D2)に向けて移動して、シフトレバー16が第1ニュートラル位置N1に導かれる。また、シフトレバー16が第2ニュートラル位置N2にある状態で、電動アクチュエータ21が駆動されてシフトセレクト軸15が軸方向M11(図1参照)移動されることにより、シフトレバー16(の他端部16B)が図2中の白抜矢符D1に向けて移動して、シフトレバー16が第3ニュートラル位置N3に導かれる。
1速シフト位置(図2に示す「1速」)、第1ニュートラル位置N1およびリバース位置(図2に示す「R速」)は、シフトセレクト軸15の軸方向M11,M12(セレクト方向)に関して互いに揃っている。2速シフト位置、第2ニュートラル位置N2および3速シフト位置は、シフトセレクト軸15の軸方向M11,M12(セレクト方向)に関して互いに揃っている。4速シフト位置、第3ニュートラル位置N3および5速シフト位置は、シフトセレクト軸15の軸方向M11,M12(セレクト方向)に関して互いに揃っている。
1速シフト位置、3速シフト位置および5速シフト位置は、軸方向M1〜軸方向M6(シフト方向)に関して互いに揃っており、ニュートラル位置N1,N2,N3から見て加速方向側(図2中の白抜矢符E1、E3およびE5で示す方向)に位置している。リバース位置、2速シフト位置および4速シフト位置は、軸方向M1〜軸方向M6(シフト方向)に関して互いに揃っており、ニュートラル位置N1,N2,N3から見て減速方向側(図2中の白抜矢符ER、E2およびE4に示す方向)に位置している。
図3は、図1に示す変速装置における変速駆動装置3の構成を示す斜視図である。図4は、変速駆動装置3の構成を示す底面図である。図5は、変速駆動装置3の構成を示す断面図である。図6は、図5のA−A線に沿う断面図である。
以下では、図3〜図6を参照して、変速駆動装置3、特に、電動アクチュエータ21の構成について説明する。
電動アクチュエータ21は、ギヤハウジング7(図1参照)の外表面に固定されている。図5に示すように、電動アクチュエータ21は、その外郭をなしてシフトセレクト軸15等を収容するボックス状の本体ハウジング22を備えている。
具体的には、電動アクチュエータ21は、本体ハウジング22の他に、図3に示す取付ステー18を備えている。取付ステー18は、本体部19と、延設部20とを一体的に備えている。
本体部19は、平面視(底面視)で略矩形状の輪郭を有するブロック形状である(図4も参照)。本体部19の一側面には、凹状に窪む平面視矩形状の中空部分19Aが形成されている。
延設部20は、円管状であり、本体部19から本体ハウジング22側へ延びている。延設部20において本体ハウジング22側(図4における下側)の端部には、延設部20の径方向へ張り出すフランジ部20Aが一体的に設けられている。延設部20の延びる方向から見たときのフランジ部20Aの輪郭は、略矩形状をなしている。フランジ部20Aが本体ハウジング22に接触した状態で、フランジ部20A(四隅の部分)および本体ハウジング22に対して共通の複数(ここでは4本)のボルト14(図3参照)が組み付けられている。これにより、取付ステー18が本体ハウジング22に対して固定されている。
そして、延設部20の延びる方向から見た場合において、本体部19で延設部20の中空部分の円中心と一致する部分には、本体部19を貫通して中空部分19Aに連通する丸い挿通孔19Bが形成されている。図3では、挿通孔19Bは、本体部19において延設部20側に形成されている。
取付ステー18では、本体部19がギヤハウジング7(図1参照)に対してボルト(図示せず)によって組み付けられている。これによって、電動アクチュエータ21(換言すれば、変速駆動装置3全体)は、ギヤハウジング7の外表面に固定されている。この状態で、シフトセレクト軸15では、シフトレバー16側の部分が、本体ハウジング22の外にはみ出ている。シフトセレクト軸15における本体ハウジング22の外にはみ出た部分は、延設部20の内部および本体部19の中空部分19A内に配置されている。この状態で、当該部分は、本体部19の挿通孔19Bに対して挿通されているとともに、本体部19の中空部分19Aから外部に露出している。
シフトレバー16は、本体部19の中空部分19Aに配置されており、本体ハウジング22の外にはみ出ている。そして、シフトレバー16の他端16Bは、中空部分19Aから本体部19の外側へはみ出ており、前述したシフトブロック12A,12B,12C(図1参照)のいずれかに係合している。
図5を参照して、電動アクチュエータ21は、電動モータ23と、シフト変換機構24と、セレクト変換機構25と、切換ユニット26とを備えている。
電動モータ23は、回転方向R11(モータ出力軸側から見て時計まわり。「CW」ともいう。)と、回転方向R12(モータ出力軸側から見て反時計まわり。「CCW」ともいう)とに正逆回転可能に設けられている。電動モータ23としてたとえばブラシレスモータが採用されている。電動モータ23は、その本体ケーシングが本体ハウジング22外に露出するように取り付けられている。
シフト変換機構24は、電動モータ23の回転駆動力を、シフトセレクト軸15を中心軸線17まわり(軸回り)に回転させる力に変換してシフトセレクト軸15に伝達するためのものである。セレクト変換機構25は、電動モータ23の回転駆動力を、シフトセレクト軸15をその軸方向M11,M12(図5における紙面に直交する方向)へ移動(スライド)させる力に変換してシフトセレクト軸15に伝達するためのものである。切換ユニット26は、電動モータ23の回転駆動力の伝達先を、シフト変換機構24とセレクト変換機構25との間で切り換えるためのものである。電動モータ23が本体ハウジング22に対して外から取り付けられているのに対し、シフト変換機構24、セレクト変換機構25および切換ユニット26は、本体ハウジング22内に収容されている。
本体ハウジング22では、電動モータ23側(図5における左側)に、モータ用開口部(図示しない)が形成されている。モータ用開口部13は、略板状の蓋27によって閉塞されている。蓋27は、本体ハウジング22の一部である。これらの本体ハウジング22および蓋27は、それぞれたとえば鋳鉄やアルミニウムなどの金属材料を用いて形成されており、蓋27の外周が本体ハウジング22のモータ用開口部13に嵌め合わされている。蓋27には、その内面(図5に示す右面)と外面(図5に示す左面)とを貫通する円形の貫通孔29が形成されている。また、蓋27の外面には、電動モータ23のモータハウジング133(図3参照)が固定されている。電動モータ23は、モータケース134(図3参照)およびモータハウジング133が本体ハウジング22外に露出するように取り付けられている。電動モータ23の出力軸40は、シフトセレクト軸15と、平面視(図5において上方から見た場合)における食違い角が90°の食違い角の関係をなして配置されている。そのため、出力軸40は、軸方向M11,M12と直交する所定の方向(図5に示す左右方向)に沿って延びている。出力軸40(電動モータ23からはみ出した部分)は、蓋27の貫通孔29を介して本体ハウジング22の内部に臨んでおり、切換ユニット26に対向している。
本体ハウジング22は、前述したようにボックス状であり、シフトセレクト軸15における先端側(図1に示す右奥側)の領域や、シフト変換機構24、セレクト変換機構25および切換ユニット26の各構成部品を主に収容する。詳しくは、図6に示すように、本体ハウジング22は、側方(図6における右側)に底を有する箱状をなしている。本体ハウジング22は、底壁111と、底壁111の一端部(図6に示す上端部)と、他端部(図6に示す下端部)とからそれぞれ、互いに平行に立ち上がる一対の側壁112,113とを主に備えている。本体ハウジング22には、側壁112,113の先端部(図6に示す左端部)などによって区画された開口部115が形成されている。開口部115は平板状の蓋114によって閉塞されている。蓋114は、本体ハウジング22の一部をなしている。
図6に示すように、底壁111の内側の底面111Aは、平坦面によって形成されている。底壁111には、シフトセレクト軸15の途中部(後述するスプライン部120およびラック部122よりも基端(図6における右端)寄り)を支持するため軸ホルダ116が形成されている。軸ホルダ116は、底壁111と一体的に形成されており、底壁111の外壁面(底面111Aとは反対側の面)よりも外方に膨出してたとえば直方体状をなしている(図3も参照)。底壁111および軸ホルダ116には、断面円形の(丸い)通過孔104が形成されている。通過孔104は、軸ホルダ116および底壁111を、それらの厚み方向(図6に示す左右方向。底面111Aと直交する方向)に貫通している。通過孔104には、シフトセレクト軸15が挿通されている。通過孔104は、シフトセレクト軸15(通過孔104を塞いでいる部分)よりも若干大径である。そのため、底壁111および軸ホルダ116において通過孔104を区画する内周面とシフトセレクト軸15の外周面との間には、本体ハウジング22の内外を連通させる隙間が形成されている。
通過孔104の内周面には、すべり軸受101が内嵌固定されている。すべり軸受101は、通過孔104に挿通されているシフトセレクト軸15の途中部(後述する閉塞部150)の外周を取り囲み、当該シフトセレクト軸15の閉塞部150の外周を摺接支持している。
軸ホルダ116において、厚み方向(図6に示す左右方向)における途中には、ロックボール106が配設されている。具体的には、通過孔104の内周面と、軸ホルダ116の外周面とを貫通する貫通孔105内にロックボール106が収容されている。ロックボール106は、通過孔104の中心軸線(すなわちシフトセレクト軸15の中心軸線17)と直交する方向に延びる略円筒状をなすとともに、当該方向に沿って移動可能に設けられている。ロックボール106の先端部は半球状をなしており、次に述べる係合溝107に係合する。
ここで、シフトセレクト軸15において通過孔104をちょうど塞ぐ部分(軸方向M11,M12において通過孔104と一致する位置にある部分)を閉塞部150ということにする。閉塞部150は、シフトセレクト軸15に対して同軸状で一体化された円筒体であって、通過孔104を塞ぐ位置に配置されている。閉塞部150の外周には、軸方向M11,M12に間隔を空けて、周方向に延びる複数本(たとえば3本)の係合溝107が形成されている。各係合溝107は全周にわたって設定されている。ロックボール106がその長手方向に移動することにより、先端部が通過孔104の内周面よりも中心軸線17側(図6に示す下方)に突出して、その先端部が係合溝107と係合して、シフトセレクト軸15の軸方向M11,M12における移動を阻止する。これにより、シフトセレクト軸15は、軸方向M11,M12への移動が阻止された状態で、一定力で保持される。ただし、この状態では、シフトセレクト軸15の不意の動きが防止されているだけであるので、この状態でも、シフトセレクト軸15の軸回りの回転および軸方向M11,M12へのスライドは可能である。
図6に示すように、シフトセレクト軸15において、通過孔104よりも先端側(本体ハウジング22の内側)の部分には、スプライン部120と、後述するピニオンギヤ36が噛み合うラック部122とが、通過孔104に近い側からこの順で設けられている。つまり、シフトセレクト軸15において、スプライン部120およびラック部122は、本体ハウジング22内側へ通過孔104から離れた位置にあり、特に、ラック部122は、スプライン部120に比べて本体ハウジング22内側へ通過孔104から離れた位置にある。スプライン部120およびラック部122は、いずれも、シフトセレクト軸15に対して同軸状で一体化される円筒体であり、軸方向に所定の長さを有している。スプライン部120およびラック部122は、シフトセレクト軸15の軸部15A(シフトセレクト軸15のうち、スプライン部120およびラック部122を除く領域)よりも大径である。
スプライン部120の外周面には、スプライン121(軸方向に延びる筋状の凸部)が周方向に間隔を隔てつつ、全域に亘って形成されている。
ラック部122の外周面には、その周方向における全域に、ラック歯形成領域125が設けられている。ラック歯形成領域125では、ラック部122の軸方向M11,M12の一端(図6に示す左端)から他端(図6に示す右端)にわたって、複数のラック歯123がそれぞれ中心軸線17に沿って互いに平行に延びている。ラック歯形成領域125のラック歯123が、後述するピニオンギヤ36と噛み合っている。
ここで、シフトセレクト軸15における、本体ハウジング22に収容される部分は、すべり軸受101によって摺接支持されている。なお、シフトセレクト軸15においてラック部122に対してスプライン部120の反対側における先端部(図6における左端部)は、本体ハウジング22の蓋114を貫通して本体ハウジング22の外に突出している。当該先端部には、円環状のすべり軸受102を介して、円筒状のキャップ100が外嵌されている。シフトセレクト軸15は、すべり軸受102によっても摺接支持されている。
図5に示すように、切換ユニット26は、電動モータ23の出力軸40と同軸状の伝達軸41と、伝達軸41と同軸にかつ、同伴回転可能に設けられた環状の回転体である第1ロータ42と、伝達軸41に同軸にかつ、同伴回転可能に設けられた環状の回転体である第2ロータ44と、第1ロータ42と第2ロータ44との間で伝達軸41の連結先を切り換えるためのクラッチ機構39とを備えている。
伝達軸41は、電動モータ23側に設けられて電動モータ23の出力軸40と一体回転可能に連結される主軸部46と、主軸部46の一端部(第1ロータ42側の端部。図5に示す右端部)に、主軸部46と一体的に設けられ、主軸部46よりも大径の大径部47とを備えている。伝達軸41は、後述するように、電動モータ23側(出力軸40側)とは反対側の大径部47において、電動モータ23の回転駆動力をシフト変換機構24およびセレクト変換機構25に伝達するためのものである。
第1ロータ42は、伝達軸41に対し電動モータ23側と反対側(図5における右側)に配置されている。第1ロータ42は、電動モータ23側の軸方向端部(図5に示す左端部)の外周から径方向外方に向けて張り出す第1アーマチュアハブ54を備えている。第1アーマチュアハブ54は、大径部47の電動モータ23側と反対側の面(図5に示す右面)に対向して配置されている。
第2ロータ44は、伝達軸41の大径部47に対し第1ロータ42と反対側、すなわち電動モータ23側(図5における左側)に配置されており、伝達軸41の主軸部46の周囲を非接触状態で取り囲んでいる。第2ロータ44は、電動モータ23側と反対側の軸方向端部(図5に示す右端部)の外周から径方向外方に向けて張り出す第2アーマチュアハブ55を備えている。第2アーマチュアハブ55は、大径部47の電動モータ23側の面(図5に示す左面)に対向して配置されている。言い換えれば、第1ロータ42(の第1アーマチュアハブ54)および第2ロータ44(の第2アーマチュアハブ55)が、伝達軸41の大径部47を挟むように配置されている。この状態で、第1ロータ42と、第2ロータ44と、伝達軸41とは、同軸状に配置されていて、それぞれが軸回りに回転可能である。
クラッチ機構39は、第1ロータ42と断続して、伝達軸41と第1ロータ42とを連結/解放するシフト電磁クラッチ43と、第2ロータ44と断続して、伝達軸41と第2ロータ44とを連結/解放するセレクト電磁クラッチ45とを備えている。シフト電磁クラッチ43は、電動モータ23からの回転駆動力を第1ロータ42に、断続可能に伝達する。セレクト電磁クラッチ45は、電動モータ23からの回転駆動力を第2ロータ44に、断続可能に伝達する。
シフト電磁クラッチ43は、第1フィールド48と第1アーマチュア49とを備えている。第1アーマチュア49は、伝達軸41の大径部47の軸方向他方側の面(図5に示す右面)に設けられ、第1アーマチュアハブ54の電動モータ23側の面(図5に示す左面)と微小間隔を隔てて配置されており、伝達軸41と同軸状をなす略円環板状をなしている。第1アーマチュア49は、伝達軸41(大径部47)とともに回転する回転体である。第1アーマチュア49は、鉄などの強磁性体を用いて形成されている。第1フィールド48は、周方向から見た断面が横に傾いたU字をなす環状のホルダ170と、ホルダ170に収容され、周方向から見た断面がU字をなす環状のボビン31と、ボビン31内(U字の内側)に内蔵される第1電磁コイル50とを含む環状体である。ホルダ170の外周面が本体ハウジング22の内周面に固定されることによって、第1フィールド48は、本体ハウジング22に固定されている。ホルダ170の内周面には、環状の転がり軸受154が嵌め込まれている。転がり軸受154の外輪がホルダ170の内周面に固定(内嵌)され、転がり軸受154の内輪が第1ロータ42に固定(外嵌)されている。これにより、ホルダ170は、第1ロータ42を回転可能に支持している。
このように、シフト電磁クラッチ43は乾式単板クラッチであり、そのため、その解放状態から接続状態への切換えのために、所定の接続時間TC1(図8および図10参照。たとえば0.01秒間程度)要し、その接続状態から解放状態への切換えのために、所定の接続時間TR1(図8および図10参照。たとえば0.01秒間程度)要する。
セレクト電磁クラッチ45は、第2フィールド51と、第2アーマチュア52とを備えている。第2アーマチュア52は、伝達軸41の大径部47の軸方向一方側の面(図5に示す左面)に設けられ、第2アーマチュアハブ55の電動モータ23と反対側の面(図5に示す右面)と微小間隔を隔てて配置されており、伝達軸41と同軸状をなす略円環板状をなしている。第2アーマチュア52は、伝達軸41(大径部47)とともに回転する回転体である。第2アーマチュア52は鉄などの強磁性体を用いて形成されている。第2フィールド51は、周方向から見た断面が横に傾いたU字をなす環状のホルダ171と、ホルダ171に収容され、周方向から見た断面がU字をなす環状のボビン32と、ボビン32内(U字の内側)に内蔵される第2電磁コイル53とを含む環状体である。ホルダ171の外周面が本体ハウジング22の内周面に固定されることによって、第2フィールド51は、本体ハウジング22に固定されている。ホルダ171の内周面には、環状の転がり軸受155が嵌め込まれている。転がり軸受155の外輪がホルダ171の内周面に固定(内嵌)され、転がり軸受155の内輪が第2ロータ44に固定(外嵌)されている。これにより、ホルダ171は、第2ロータ44を回転可能に支持している。
このように、セレクト電磁クラッチ45は乾式単板クラッチであり、そのため、その解放状態から接続状態への切換えのために、所定の接続時間TC2(図8および図10参照。たとえば0.01秒間程度)要し、その接続状態から解放状態への切換えのために、所定の接続時間TR2(図8および図10参照。たとえば0.01秒間程度)要する。
第1フィールド48および第2フィールド51は、大径部47、第1アーマチュアハブ54および第2アーマチュアハブ55を挟んで、軸方向(第1ロータ42、第2ロータ44および伝達軸41のそれぞれの中心軸の延びる方向であり、図5では左右方向)に沿って並んで配置されている。
クラッチ機構39には、シフト電磁クラッチ43およびセレクト電磁クラッチ45を駆動するためのクラッチ駆動回路205(図7参照)が接続されている。また、前述したクラッチ駆動回路205には、配線などを介して電源(たとえば24V。図示せず)から電圧供給(給電)されている。クラッチ駆動回路205は、リレー回路などを含む構成であり、シフト電磁クラッチ43およびセレクト電磁クラッチ45に対し、それぞれ個別に給電および給電停止を切換え可能に設けられている。なお、クラッチ駆動回路205は、シフト電磁クラッチ43およびセレクト電磁クラッチ45の双方を駆動する構成に限られず、シフト電磁クラッチ43を駆動するためのクラッチ駆動回路205と、セレクト電磁クラッチ45を駆動するためのクラッチ駆動回路205とを個別に設けることもできる。
クラッチ駆動回路205によるシフト電磁クラッチ43に対する給電により、第1電磁コイル50に通電されると、第1電磁コイル50が励磁状態になり、第1電磁コイル50を含む第1フィールド48に電磁吸引力が発生する。そして、第1アーマチュア49が、第1フィールド48に吸引されて第1フィールド48に向けて変形し、第1アーマチュアハブ54と摩擦接触する。したがって、第1電磁コイル50への通電により、第1アーマチュア49側の(伝達軸41の)大径部47が、第1アーマチュアハブ54(第1ロータ42)に接続され、伝達軸41が第1ロータ42に連結される。そして、第1電磁コイル50に対する電圧供給が停止され、第1電磁コイル50に電流が流れなくなることにより、第1アーマチュア49に対する吸引力もなくなり、第1アーマチュア49が元の形状に復帰する。これにより、シフト電磁クラッチ43が接続状態から切断状態になり、伝達軸41が第1ロータ42から解放(遮断)される。つまり、シフト電磁クラッチ43に対する給電/給電停止を切り換えることにより、シフト電磁クラッチ43の接続状態と切断状態とを切り換えることができる。接続状態のシフト電磁クラッチ43は、電動モータ23からの回転駆動力を、伝達軸41からシフト変換機構24に伝達することができ、切断状態のシフト電磁クラッチ43は、当該回転駆動力を、伝達軸41からシフト変換機構24に対して遮断することができる。
一方、クラッチ駆動回路205によるセレクト電磁クラッチ45に対する給電により、第2電磁コイル53に通電されると、その第2電磁コイル53が励磁状態になり、第2電磁コイル53を含む第2フィールド51に電磁吸引力が発生する。そして、第2アーマチュア52が第2フィールド51に吸引されて第2フィールド51に向けて変形し、第2アーマチュア52が第2アーマチュアハブ55と摩擦接触する。したがって、第2電磁コイル53への通電により、第2アーマチュア52側の(伝達軸41の)大径部47が、第2アーマチュアハブ55(第2ロータ44)に接続され、伝達軸41が第2ロータ44に連結される。そして、第2電磁コイル53に対する電圧供給が停止され、第2電磁コイル53に電流が流れなくなることにより、第2アーマチュア52に対する吸引力もなくなり、第2アーマチュア52が元の形状に復帰する。これにより、セレクト電磁クラッチ45が接続状態から切断状態になり、伝達軸41が第2ロータ44から解放(遮断)される。つまり、第2電磁コイル53への給電/給電停止を切り換えることにより、セレクト電磁クラッチ45の接続状態と、切断状態とを切り換えることができる。接続状態のセレクト電磁クラッチ45は、電動モータ23からの回転駆動力を、伝達軸41からセレクト変換機構25に伝達することができ、切断状態のセレクト電磁クラッチ45は、当該回転駆動力を、伝達軸41からセレクト変換機構25に対して遮断することができる。
電動アクチュエータ21の制御では、通常、シフト電磁クラッチ43およびセレクト電磁クラッチ45の一方のみが選択的に接続されるようになっている。すなわち、シフト電磁クラッチ43が接続状態にあるときには、セレクト電磁クラッチ45が切断状態にあり、セレクト電磁クラッチ45が接続状態にあるときには、シフト電磁クラッチ43が切断状態にある。
第2ロータ44の外周には、小径の円環状の第1歯車56が外嵌固定されている。第1歯車56は第2ロータ44と同軸に設けられている。第1歯車56は転がり軸受57によって支持されている。転がり軸受57の外輪は、第1歯車56に内嵌固定されている。転がり軸受57の内輪は、伝達軸41の主軸部46の外周に外嵌固定されている。
シフト変換機構24は、回転運動を直線運動に変換する減速機としてのボールねじ機構58と、ボールねじ機構58に備えられるナット59と、ナット59の軸方向移動に伴ってシフトセレクト軸15の中心軸線17まわりに回動するアーム60とを主に備えている。
ボールねじ機構58は、第1ロータ42と同軸(すなわち伝達軸41と同軸)に延びるねじ軸61と、ねじ軸61にボール(図示せず)を介して螺合する前述したナット59とを備えている。ねじ軸61は、図5の上方から見た平面視において、シフトセレクト軸15と、食違い角が90°の食違い軸の関係をなしている。言い換えれば、ねじ軸61の軸方向およびシフトセレクト軸15の軸方向M11,M12の双方に直交する方向(図5の上方)から見て、ねじ軸61およびシフトセレクト軸15は互いに直交している。
ねじ軸61は、転がり軸受64,67によって軸方向への移動が規制されつつ支持されている。具体的には、ねじ軸61の一端部(図5に示す左端部)は転がり軸受64によって支持されており、また、ねじ軸61の他端部(図5に示す右端部)は転がり軸受67によって支持されている。これらの転がり軸受64,67により、ねじ軸61がその中心軸線80(図5および図6参照)まわりに回転可能に支持されている。
転がり軸受64の内輪は、ねじ軸61の一端部に外嵌固定されている。また、転がり軸受64の外輪は、本体ハウジング22に固定されている。また、転がり軸受64の外輪には、ロックナット66が係合されて、ねじ軸61の軸方向の他方(図5に示す右方)への転がり軸受64の移動が規制されている。ねじ軸61の一端部における転がり軸受64よりも電動モータ23側(図5に示す左側)の部分は、第1ロータ42の内周に挿通されて、第1ロータ42に同伴回転可能に連結されている。転がり軸受67の内輪は、ねじ軸61の他端部に外嵌固定されている。転がり軸受67の外輪は、本体ハウジング22に固定されている。
ナット59の一側面(図5に示す手前側側面。図6に示す左側側面)、および当該一側面とは反対側の他側面(図5に示す奥側側面。図6に示す右側側面)には、それぞれシフトセレクト軸15の軸方向M11,M12に沿う方向(図5の紙面に直交する方向)に延びる円柱状の突出軸70(図5では一方のみ図示。図6を併せて参照)が突出形成されている。一対の突出軸70は、同軸状に配置されている(図6参照)。ナット59は、アーム60の第1係合部72(後述する)によって、ねじ軸61まわりの回転が規制されている。したがって、ねじ軸61が回転されると、ねじ軸61の回転に同伴して、ナット59がねじ軸61の軸方向に移動する。なお、図6では、ねじ軸61の軸方向に関し、図5に示すナット59の位置よりも、第1ロータ42に対し離反する方向(図5に示す右方)にナット59が位置するときのナット59およびアーム60の断面状態を示している。
図5および図6に示すように、アーム60は、ナット59に係合するための第1係合部72と、シフトセレクト軸15のスプライン部120にスプライン嵌合するための第2係合部73(図6参照)と、第1係合部72と第2係合部73とを接続する直線状の接続ロッド74とを備えている。接続ロッド74は、たとえば、その全長にわたって断面矩形状をなしている。第2係合部73は、リング状(円環状)をなし、シフトセレクト軸15のスプライン部120に対して外嵌されている。第2係合部73の内周面には、スプライン75が形成されており、第2係合部73のスプライン75とスプライン部120のスプライン121とが噛み合うことで、第2係合部73とスプライン部120とのスプライン嵌合が達成されている。なお、第2係合部73は、円環板状をなしているが、円筒状(軸方向に所定の厚みを有する形状)をなしていてもよい。
第1係合部72は、互いに対向する一対の支持板部76(図5では、一方の支持板部76のみを図示)と、一対の支持板部76の基端辺同士を連結する連結板部77とを備え、側面視で略U字状をなしている。各支持板部76には、各突出軸70の外周と、当該突出軸70の回転を許容しつつ係合するU字係合溝78が形成されている。U字係合溝78は、前記の基端辺と反対側の先端辺(図5および図6における上端辺)から切り欠かれている。そのため、第1係合部72は、ナット59に、突出軸70まわりに相対回転可能にかつ、ねじ軸61の軸方向に同行移動可能に係合している。また、各U字係合溝78と各突出軸70との係合により、ナット59では、アーム60の第1係合部72によってねじ軸61まわりの回転が規制されている。したがって、ねじ軸61の回転に伴って、ナット59および第1係合部72がねじ軸61の軸方向に移動する。
前述したように、シフトセレクト軸15のスプライン部120の外周と、第2係合部73の内周とはスプライン嵌合している。具体的には、第2係合部73の内周に設けられたスプライン75に、スプライン部120の外周に設けられたスプライン121が噛み合っている。このとき、スプライン121とスプライン75との間には噛合いのための隙間が確保されている。言い換えれば、シフトセレクト軸15のスプライン部120の外周に対して、第2係合部73が、当該シフトセレクト軸15に対して相対回転不能にかつ相対軸方向移動が許容された状態で連結されている。したがって、シフト電磁クラッチ43が接続状態にあって、ねじ軸61が回転し、これに伴ってナット59がねじ軸61の軸方向に移動すると、アーム60がシフトセレクト軸15の中心軸線17まわりに回動し、アーム60の揺動に同伴してシフトセレクト軸15が、中心軸線17まわりに回転する。つまり、スプライン部120が電動モータ23の回転駆動力を第2係合部73から受けることで、シフトセレクト軸15が軸回りに回転する。これにより、前述したシフト動作が達成される。
図5に示すように、セレクト変換機構25は、前述した第1歯車56と、伝達軸41と平行に延びた状態で回転可能に設けられたピニオン軸95と、ピニオン軸95の一端部(図5に示す左端部)寄りの所定位置に同軸に固定されて第1歯車56と噛み合う第2歯車81と、ピニオン軸95の他端部(図5に示す右端部)寄りの所定位置に同軸に固定された小径のピニオンギヤ36とを備え、全体として減速機を構成している。なお、第2歯車81は、第1歯車56およびピニオンギヤ36の双方よりも大径に形成されている。
ピニオン軸95の一端部(図5に示す左端部)は、本体ハウジング22に固定された転がり軸受96によって支持されている。転がり軸受96の内輪は、ピニオン軸95の一端部(図5に示す左端部)に外嵌固定されている。また、転がり軸受96の外輪は、蓋27の内面に形成された円筒状の凹部97内に固定されている。また、ピニオン軸95の他端部(図5に示す右端部)は、転がり軸受84によって支持されている。ピニオンギヤ36とラック部122(図6参照)とがラック・アンド・ピニオン機構により噛み合っているので、セレクト電磁クラッチ45が接続状態にあって、伝達軸41の回転に伴ってピニオン軸95が回転すると、これに伴って、シフトセレクト軸15が軸方向M11,M12(図1参照)に移動する。つまり、ラック部122が電動モータ23の駆動力をピニオンギヤ36から受けることで、シフトセレクト軸15が軸方向にスライドする。これにより、前述したセレクト動作が達成される。なお、シフトセレクト軸15がスライドしても、第2係合部73とスプライン部120とのスプライン嵌合は維持されている。
ピニオン軸95の他端部82(図6に示す右端部)に関連して、ピニオン軸95の回転角度を検出するためのピニオン角センサ87が配設されている。ピニオン角センサ87によるピニオン軸95の回転角度検出に基づいて、シフトセレクト軸15の軸方向位置が検出される。
本体ハウジング22の底壁(蓋27とは反対側の壁。図5に示す右壁)には、その内外面を貫通するセンサ用孔85が形成されている。ピニオン角センサ87は、センサ部(図示しない)と、センサ部に連結された第1センサ軸99とを備えている。第1センサ軸99の先端部は、センサ用孔85を通ってピニオン軸95の他端部82に同伴回転可能に連結されている。ピニオン軸95が回転すると、そのピニオン軸95に同伴して第1センサ軸99がその軸まわりに回転する。ピニオン角センサ87は第1センサ軸99の回転角度に基づいて、ピニオン軸95の回転角度を検出する。
ここで、図3を参照して、前述した本体ハウジング22は、第1本体ハウジング22Aと、第2本体ハウジング22Bとを有している。なお、第1本体ハウジング22Aと第2本体ハウジング22Bとは一体化されていて、これらのハウジングの継ぎ目に隙間は存在しない。そのため、第1本体ハウジング22Aと第2本体ハウジング22Bとの継ぎ目から本体ハウジング22の内外が連通することはない。
第1本体ハウジング22Aは、図3における本体ハウジング22の右側部分をなす略直方体のボックス形状であり、主にシフトセレクト軸15、ボールねじ機構58、アーム60およびピニオンギヤ36(図5参照)を収容している。第1本体ハウジング22Aは、前述した底壁111、側壁112、側壁113および蓋114(図6参照)等によって区画されている。
第2本体ハウジング22Bは、第1本体ハウジング22Aから、平面視においてシフトセレクト軸15に直交する方向(図3における左側)へ延び出る中空円筒状である。第2本体ハウジング22Bにおいて第1本体ハウジング22Aとは反対側の端面には、前述したモータ用開口部13が形成されていて、この端面に対して、蓋27を介して電動モータ23(モータハウジング133)が取り付けられている(図5参照)。図5を参照して、第2本体ハウジング22B内には、前述した切換ユニット26や第2歯車81等が収容されている。
図1、図5および図6に示すように、シフト電磁クラッチ43の接続状態で、電動モータ23が回転方向R11(図5参照)に回転していると、ねじ軸61が、その中心軸線80(図5および図6参照)まわりに回転方向R21に回転し、シフトセレクト軸15が回転方向R1に回転する。シフトセレクト軸15の回転により、シフトレバー16がシフトセレクト軸15まわりに回転し、これにより、シフトレバー16と連結されているシフトロッド10A,10B,10C(図1参照)は、軸方向M2,M4,M6(図1参照)に軸方向移動する。
一方、シフト電磁クラッチ43の接続状態で、電動モータ23が回転方向R12(図5参照)に回転していると、ねじ軸61が、その中心軸線80まわりに回転方向R22(図5参照)に回転し、シフトセレクト軸15が回転方向R2(図1参照)に回転する。シフトセレクト軸15の回転により、シフトレバー16がシフトセレクト軸15まわりに回転し、これにより、シフトレバー16と連結されているシフトロッド10A,10B,10Cは、軸方向M1,M3,M5(図1参照)に軸方向移動する。
また、この実施形態では、セレクト電磁クラッチ45の接続状態で、電動モータ23が回転方向R11に回転していると、ピニオン軸95が回転方向R31(図5参照)に回転し、シフトセレクト軸15が軸方向M11移動する。シフトセレクト軸15の軸方向M11に同伴して、シフトレバー16が軸方向M11移動し、これにより、シフトレバー16と係合するシフトロッド10B,10Cが選択される。
一方、セレクト電磁クラッチ45の接続状態で、電動モータ23が回転方向R12に回転していると、ピニオン軸95が回転方向R32(図5参照)に回転し、シフトセレクト軸15が軸方向M12移動する。シフトセレクト軸15の軸方向M12に同伴して、シフトレバー16が軸方向M12移動し、これにより、シフトレバー16と係合するシフトロッド10A,10Bが選択される。
図7は、変速駆動装置3の電気的構成を示すブロック図である。変速駆動装置3は、マイクロコンピュータを含む構成の制御部(シフト動作継続予測手段、シフト電磁クラッチ制御手段)88を備えている。制御部88の一例としてECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)を挙げることができる。
制御部88は、モータドライバ(図示しない)を介して電動モータ23を駆動制御する。また、制御部88は、クラッチ駆動回路205を介してシフト電磁クラッチ43およびセレクト電磁クラッチ45を駆動制御する。
制御部88には、車両本体部200からシフト操作レバー93の位置情報が入力されるようになっている。
さらには、車両本体部200には、アクセルペダルの操作量、すなわちアクセル開度を検出するアクセル開度センサ201が搭載されており、アクセル開度センサ201の検出出力が制御部88に入力されるようになっている。
図8は、シフトレバー16を、第1ニュートラル位置N1から1速を経て2速にシフトアップさせるときの電動アクチュエータ21の変速制御のタイミングチャートである。図8には、電動モータ23の回転駆動(ON)/回転停止(OFF)および回転方向、ならびにシフト電磁クラッチ43およびセレクト電磁クラッチ45の断続状態の変化を示している。以下、図1、図2、図5、図7および図8を参照しつつ説明する。
まず、図2および図8に示すように、シフトレバー16の他端部16Bが、第1ニュートラル位置N1から1速シフト位置(図2および図8の「1速」)に移動される。このようなシフトレバー16を移動させるべく、シフト電磁クラッチ43への給電が開始される(シフト電磁クラッチ43がON)。そして、シフト電磁クラッチ43への給電開始から接続期間TC1が経過して、シフト電磁クラッチ43の接続が完了した後、電動モータ23が回転方向R11に回転させられる。これにより、シフトレバー16がシフトセレクト軸15まわりに回転方向R1に揺動し、シフトブロック12Aおよびシフトロッド10Aが軸方向M1移動される(図2中の白抜矢符E1)。シフトレバー16の他端部16Bが1速シフト位置に達するまで、電動モータ23の駆動回転が続行させられる。
シフトレバー16の他端部16Bが1速シフト位置に達することにより、1速へのギヤ入れが達成される。シフトレバー16の他端部16Bが1速シフト位置に達すると、電動モータ23の駆動が停止させられるとともに、シフト電磁クラッチ43への給電が停止される(シフト電磁クラッチ43がOFF)。その後、解放時間TR1経過後、シフト電磁クラッチ43の解放が完了する。
次いで、シフトレバー16の他端部16Bが、1速シフト位置から2速シフト位置(図2および図8の「2速」)に移動される。
具体的には、シフト電磁クラッチ43への給電が再開される。給電再開から接続期間TC1が経過して、シフト電磁クラッチ43の接続が完了した後、電動モータ23が回転方向R12に回転させられる。これにより、シフトレバー16がシフトセレクト軸15まわりに回転方向R2に揺動し、シフトブロック12Aおよびシフトロッド10Aが軸方向M2移動される(図2中の白抜矢符ER)。シフトレバー16の他端部16Bが第1ニュートラル位置N1に達するまで、電動モータ23の駆動が続行させられる。シフトレバー16の他端部16Bが第1ニュートラル位置N1に達すると、電動モータ23の駆動が停止されられるとともに、シフト電磁クラッチ43への給電が停止される(シフト電磁クラッチ43がOFF)。その後、解放時間TR1経過後、シフト電磁クラッチ43の解放が完了する。
次いで、セレクト電磁クラッチ45への給電が開始される。給電開始から接続期間TC2が経過して、セレクト電磁クラッチ45の接続が完了した後、電動モータ23が回転方向R11に回転させられる。これにより、シフトレバー16が軸方向M11移動される(図2中の白抜矢符D1)。シフトレバー16の他端部16Bが第2ニュートラル位置N2に達するまで、電動モータ23の駆動が続行させられる。シフトレバー16の他端部16Bが第2ニュートラル位置N2に達すると、電動モータ23の駆動が停止させられるとともに、セレクト電磁クラッチ45への給電が停止される(シフト電磁クラッチ43がOFF)。その後、解放時間TR2経過後、シフト電磁クラッチ43の解放が完了する。
次いで、シフト電磁クラッチ43への給電が再開される。給電再開から接続期間TC1が経過して、シフト電磁クラッチ43の接続が完了した後、電動モータ23が回転方向R12に回転させられる。これにより、シフトレバー16がシフトセレクト軸15まわりに回転方向R2に揺動し、シフトブロック12Bおよびシフトロッド10Bが軸方向M2移動される(図2中の白抜矢符E2)。シフトレバー16の他端部16Bが2速シフト位置に達するまで、電動モータ23の駆動が続行させられる。
シフトレバー16の他端部16Bが2速シフト位置に達することにより、2速へのギヤ入れが達成される。シフトレバー16の他端部16Bが2速シフト位置に達すると、電動モータ23の駆動が停止させられるとともに、シフト電磁クラッチ43への給電が停止される(シフト電磁クラッチ43がOFF)。その後、解放時間TR1経過後、シフト電磁クラッチ43の解放が完了する。
車両の発進直後には、シフトアップ操作が行われることが多い。シフトアップ操作では、変速装置1の変速ギヤ段が、1速→2速→3速→4速→5速と高段数に向けて順次に切り換えられる。このようなシフトアップ操作中には、1速にギヤ入れされた後、ほとんど時を置かずに、2速に向けたギヤ入れ操作が行われる。すなわち、1速へのギヤ入れのためのシフト動作の終了後、引き続いて、1速からのギヤ抜きのためのシフト動作が開始される。この場合、不必要なシフト電磁クラッチ43の断続が行われ、その結果、シフトレバー16をシフト動作の所要時間が長くなるおそれがある。
これに対し、この実施形態では、第1ニュートラル位置N1から1速シフト位置へのシフト動作の実行時に、そのシフト動作の終了後引き続いてシフト動作(1速シフト位置から第1ニュートラル位置N1へのシフト動作)が実行されるか否かを予測し、そのシフト動作の実行が予測された場合には、シフト電磁クラッチ43の接続状態を続行することとしている。
図9Aは、制御部88によるシフト動作制御の一例を示すフローチャートである。
図1、図4、図7および図9Aに示すように、シフト動作時には、制御部88は、セレクト電磁クラッチ45を切断したままシフト電磁クラッチ43を接続状態にし(ステップS11)、かつ電動モータ23を所望の回転方向R11または回転方向R12に所定回転量だけ回転させる(ステップS12)。これにより、シフトレバー16がシフトセレクト軸15まわりに回転方向R1または回転方向R2に揺動し、対応するシフトロッド10A〜10Cが軸方向M1〜M6移動される。これにより、シフト動作が実行される。
そして、シフトレバー16(他端16B)が、目標先のシフト位置に到達すると(ステップS13でYES)、制御部88は電動モータ23を駆動停止させるとともに(ステップS14)、所定の場合に、シフト電磁クラッチ43を解放する(ステップS18)。
具体的には、そのシフト動作が、予め定める種別のシフト動作、たとえば第1ニュートラル位置N1から1速シフト位置へのシフト動作である場合(ステップS15でYES)、次に述べるシフト動作継続実行予測処理(ステップS16)が実行される。そして、ステップS16において、次のシフト動作(1速シフト位置から第1ニュートラル位置N1へのシフト動作)が実行されると予測された場合(ステップS16でYES)、シフト電磁クラッチ43は解放されない。そして、当該次のシフト動作まで、シフト電磁クラッチ43の接続が続行され(ステップS19)、当該シフト動作制御処理は終了される。
一方、シフト動作継続実行予測処理(ステップS16)において、次のシフト動作(1速シフト位置から第1ニュートラル位置N1へのシフト動作)が実行されないと予測された場合(ステップS17でNO)には、シフト電磁クラッチ43は解放され(ステップS18)、その後、当該シフト動作制御処理は終了される。
また、そのシフト動作が第1ニュートラル位置N1から1速シフト位置へのシフト動作以外のシフト動作である場合(ステップS15でNO)、シフト電磁クラッチ43は解放され(ステップS18)、当該シフト動作制御処理は終了される。
1速シフト位置から第1ニュートラル位置N1へのシフト動作時に、ステップS16において、次のシフト動作(第1ニュートラル位置N1から1速シフト位置へのシフト動作)が実行されないと予測された場合(ステップS17でNO)、図8で前述したような変速制御が実行される。
一方、1速シフト位置から第1ニュートラル位置N1へのシフト動作時に、ステップS16において、次のシフト動作(第1ニュートラル位置N1から1速シフト位置へのシフト動作)が実行されると予測された場合(ステップS17でYES)、図10で後述するような変速制御が実行される。
図9Bは、図9Aのシフト動作継続実行予測処理を示すフローチャートである。
図9AのステップS16のシフト動作継続実行予測処理の実行に際して、制御部88は、アクセル開度センサ201の検出出力を参照し(ステップS21)、所定の短期間におけるアクセル開度の変化量を算出する(ステップS22)。そして、このアクセル開度の変化量が予め定める閾値以上である場合(ステップS23でYES)、次のシフト動作(たとえば、1速シフト位置から第1ニュートラル位置N1へのシフト動作)の実行を予測できるものとし(ステップS24)、このアクセル開度の変化量が前記の閾値未満である場合(ステップS23でNO)、次のシフト動作の実行を予測できないものとする(ステップS24)。
図10は、シフトレバー16を、第1ニュートラル位置N1から1速を経て2速にシフトアップさせるときの電動アクチュエータ21の変速制御のタイミングチャートである。図10では、シフト動作継続実行予測の結果、次のシフト動作(第1ニュートラル位置N1から1速シフト位置へのシフト動作)の実行が予測されて、シフト電磁クラッチ43の接続が続行された場合(ステップS17でYES)の制御を示している。
図10の制御に関連して、図8と相違する制御のみを説明し、図8と重複する制御については、その説明を省略する。
シフトレバー16の他端部16Bが1速シフト位置に達した後、シフト電磁クラッチ43が解放されずに接続状態が続行される。そして、シフトレバー16の他端部16Bが2速シフト位置(図2および図10の「2速」)に向けて移動されるタイミングになると、シフト電磁クラッチ43の接続状態のまま電動モータ23が回転方向R12に回転させられる。これにより、シフトレバー16がシフトセレクト軸15まわりに回転方向R2に揺動し、シフトブロック12Aおよびシフトロッド10Aが軸方向M2移動される(図2中の白抜矢符ER)。シフトレバー16の他端部16Bが第1ニュートラル位置N1に達するまで、電動モータ23の駆動が続行させられる。シフトレバー16の他端部16Bが第1ニュートラル位置N1に達すると、電動モータ23の駆動が停止させられるとともに、シフト電磁クラッチ43への給電が停止される(シフト電磁クラッチ43がOFF)。その後、解放時間TR1経過後、シフト電磁クラッチ43の解放が完了する。
以上のようにこの実施形態によれば、第1ニュートラル位置N1から1速シフト位置へのシフト動作の実行の際に、当該シフト動作の終了に引き続いて、1速シフト位置から第1ニュートラル位置N1へのシフト動作が実行されるか否かが予測される。そして、第1ニュートラル位置N1へのシフト動作の実行が予測された場合には、現在の接続状態からシフト電磁クラッチ43を切断することなく、その接続状態を続行する。そのため、1速シフト位置へのシフト動作の終了後にシフト電磁クラッチ43を切断させる場合と比較して、接続期間TC1(図8参照)および解放期間(図8参照)TR1だけ、一連のシフト動作の所要時間の短縮を図ることができる。
また、車両におけるアクセルの開度の変化に基づいて、次のシフト動作が引き続いて実行されるか否かが予測される。車両の運転者がアクセルを強く踏み込む場合には、車両の発進直後にあり、シフトアップ操作されている可能性が高い。この場合、1速へのギヤ入れ後、時を置かずに2速にギヤ入れされるのが一般的であるから、1速シフト位置へのシフト動作の終了に引き続いて第1ニュートラル位置N1へのシフト動作が実行されることが予測される。したがって、車両におけるアクセルの開度の変化を調べることにより、シフト動作の終了に引き続いて次のシフト動作が実行されるか否かを予測することが可能になる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、本発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば、次のシフト動作が引き続いて実行されるか否かを、車両の車速の変化に基づいて予測してもよい。この場合、車両本体200に搭載された車速センサからの検出出力が制御部88に入力されることにより、制御部88は車両の車速を求めることができる。
車両の車速が速まる場合には、車両の発進直後にあり、シフトアップ操作されている可能性が高い。この場合、1速へのギヤ入れ後、時を置かずに2速にギヤ入れされるのが一般的であるから、1速シフト位置へのシフト動作の終了に引き続いて第1ニュートラル位置N1へのシフト動作が実行されることが予測される。したがって、車両におけるアクセルの開度の変化を調べることにより、シフト動作の終了に引き続いて次のシフト動作が実行されるか否かを予測することが可能になる。
さらに、1速シフト位置へと向かうシフト動作の終了後にシフト電磁クラッチ43の接続を続行する場合を例に挙げて説明したが、他のシフト位置(2速以上のシフト位置)へと向かうシフト動作の終了後にシフト電磁クラッチ43の接続を続行させてもよい。
また、シフトアップ操作中の場合を例に挙げて説明したが、本発明をシフトダウン操作の場合に適用することもできる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
15…シフトセレクト軸(操作軸)、16…シフトレバー(操作レバー)、21…電動アクチュエータ、23…電動モータ、24…シフト変換機構、43…シフト電磁クラッチ、88…制御部(シフト動作継続予測手段、シフト電磁クラッチ制御手段)

Claims (4)

  1. 操作レバーが連結された操作軸を移動させることによって前記操作レバーをシフト動作させるための電動アクチュエータであって、
    回転駆動力を発生させる電動モータと、
    前記電動モータによって発生される回転駆動力を、前記操作軸を移動させる力に変換して、前記操作軸に伝達するためのシフト変換機構と、
    前記電動モータによって発生される回転駆動力の伝達を、前記電動モータから前記シフト変換機構に断続するシフト電磁クラッチとを含み、
    前記電動モータにより前記回転駆動力が発生されている状態で、前記シフト電磁クラッチが接続状態にされることにより、前記操作軸が移動されて前記操作レバーがシフト動作されるようになっており、
    前記操作レバーのシフト動作の実行の際に、当該シフト動作の終了後に引き続いて次のシフト動作が実行されるか否かを予測するシフト動作継続予測手段と、
    次のシフト動作が実行されないと予測された場合には、接続状態にある前記シフト電磁クラッチを解放するとともに、次のシフト動作が実行されると予測された場合には、前記シフト電磁クラッチの接続状態を続行する、シフト電磁クラッチ制御手段とをさらに含む、電動アクチュエータ。
  2. 前記シフト動作継続予測手段は、前記電動アクチュエータが搭載された車両の現在の状態に基づいて判別する、請求項1に記載の電動アクチュエータ。
  3. 前記シフト動作継続予測手段は、前記車両におけるアクセルの開度の変化に基づいて判別する、請求項2に記載の電動アクチュエータ。
  4. 前記シフト動作継続予測手段は、前記車両の車速の変化に基づいて判別する、請求項2に記載の電動アクチュエータ。
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