JP2014092226A - 電動アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】電動モータの1相への通電異常が生じた場合であっても、変速操作を実行可能な電動アクチュエータを提供すること。
【解決手段】電動アクチュエータは、回転トルクを発生させるための単一の電動モータ23と、シフトおよびセレクト電磁クラッチ43,45と、シフトおよびセレクト電磁クラッチ43,45を制御するクラッチ制御部と、電動モータ23の相電流Iの値に基づいて、電動モータ23に付与される回転トルクを演算により推定するトルク推定部とを含む。クラッチ制御部は、電動モータ23の1相への通電異常が生じた場合、トルク推定部160から与えられる推定トルクTの値が基準トルクT以上になる期間中には、シフト電磁クラッチ43またはセレクト電磁クラッチ45を連結状態にし、トルク推定部160から与えられる推定トルクTの値が基準トルクT未満になる期間中には電磁クラッチ43,45を解除状態にする。
【選択図】図7

Description

この発明は、シフトセレクト軸を軸まわりに回転させてシフトレバーをシフト動作させ、またはシフトセレクト軸を軸方向移動させてシフトレバーをセレクト動作させるための電動アクチュエータに関する。
従来から、マニュアルトランスミッションの変速が自動化された自動制御式マニュアルトランスミッション(Automated Manual Transmission)の変速装置が知られている。このような変速装置には、途中部にシフトレバーが固定されたシフトセレクト軸と、シフトセレクト軸を軸まわりに回転させてシフトレバーをシフト動作させ、またはシフトセレクト軸を軸方向移動させてシフトレバーをセレクト動作させるための電動アクチュエータとが備えられている。
たとえば下記特許文献1では、シフトセレクト軸を、単一の電動モータの回転トルクによってその軸まわりに回転させたり(シフトレバーにシフト動作を行わせたり)、電動モータの回転トルクによってシフトセレクト軸を軸方向に移動させたり(シフトレバーにセレクト動作を行わせたり)するシフト/セレクト駆動装置が、電動アクチュエータの一例として開示されている。このシフト/セレクト駆動装置は、電動モータの回転トルクを、シフトセレクト軸を回転させるための力に変換するためのシフト変換機構と、当該回転トルクを、シフトセレクト軸を軸方向移動させるための力に変換するためのセレクト変換機構と、電動モータからの回転トルクの伝達を、第1変換機構に断続可能なシフト電磁クラッチと、電動モータからの回転トルクの伝達を、第2変換機構に断続可能なセレクト電磁クラッチとを備えている。
特開2011−75097号公報
特許文献1のシフト/セレクト駆動装置の電動モータとして、3相ブラシモータを採用することが考えられる。このような3相ブラシモータからなる電動モータでは、電動モータの1相に通電されない異常(以下、「電動モータの1相への通電異常」という場合がある)が考えられる。このような異常の原因として、電動モータ内部の断線や駆動回路の故障等が挙げられる。
通常、車両の走行中に何らかの異常が生じると、運転者は走行中の車両を直ちに停止させ、異常箇所の特定や車両の点検などを行う。この場合、できることであるならば、その車両を自走させ、修理工場にまで運ぶことが望ましい。また、路側帯のような安全な場所に、取り敢えず、車両を移動させたいような場合もある。
電動モータの1相への通電異常が発生した場合には、電動モータの回転トルクが不足するので、電動アクチュエータによるシフトレバーの変速操作が良好に行えない。このような場合に、スムーズな変速操作でなくても、電動アクチュエータによる変速操作を行うことが望ましい。この場合、停止後の車両を再度発進させることができるように、車両を低速(たとえば1速)にギヤ入れすることが望ましい。
そこで、本発明の目的は、電動モータの1相への通電異常が生じた場合であっても、変速操作を実行可能な電動アクチュエータを提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、シフトレバー(16)が連結されたシフトセレクト軸(15)を軸まわりに回転させることによって前記シフトレバーをシフト動作させ、前記シフトレバーを軸方向(M1〜M6)移動させることによって前記シフトレバーをセレクト動作させるための電動アクチュエータ(21)であって、回転トルクを発生させるための3相ブラシモータからなる単一の電動モータ(23)と、前記電動モータにより発生させられた回転トルクを、前記シフトセレクト軸を軸まわりに回転させる力に変換して、前記シフトセレクト軸に伝達するためのシフト駆動機構(24)と、前記電動モータにより発生させられた回転トルクを、前記シフトセレクト軸を軸方向移動させる力に変換して、前記シフトセレクト軸に伝達するためのセレクト駆動機構(25)と、前記電動モータにより発生させられた回転トルクを、前記シフト駆動機構に伝達/遮断するためのシフト電磁クラッチ(43)と、前記電動モータにより発生させられた回転トルクを、前記セレクト駆動機構に伝達/遮断するためのセレクト電磁クラッチ(45)と、前記シフト電磁クラッチおよび前記セレクト電磁クラッチの少なくとも一方を制御するクラッチ制御手段(152)と、前記電動モータの回転トルクの大きさを検出するモータトルク検出手段(159,160)とを含み、前記クラッチ制御手段は、前記電動モータの1相への通電異常が生じた場合、前記モータトルク検出手段による検出値が所定値以上である期間中には、前記回転トルクを伝達させ、かつ前記検出値が所定値未満である期間中には、前記回転トルクを遮断させるように制御対象の電磁クラッチを制御するモータ異常制御手段(152)を含む、電動アクチュエータである。
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符合を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。
電動モータの1相への通電異常が生じた場合、電動モータの回転トルクが変動する。
この構成によれば、電動モータの1相への通電異常が生じた場合、回転トルクが高い期間中のみ、シフトまたはセレクト電磁クラッチを伝達状態にし、回転トルクが低い期間中には、シフトまたはセレクト電磁クラッチを遮断状態にする。電動モータの回転トルクの低い期間に当該回転トルクの伝達を遮断することにより、電動モータに負荷を加えることなく、高い回転トルクのみを、シフトまたはセレクト駆動機構に伝達することができる。
これにより、電動モータの1相への通電異常が生じた場合、通常の変速操作に比べて変速時間を長く要するものの、変速操作の実行を行うことが可能である。この場合、電動アクチュエータによる変速操作により、低速(たとえば1速)にギヤ入れすることも可能である。
請求項2に記載の発明は、前記モータトルク検出手段は、前記電動モータの相電流の値を検出するモータ電流検出手段(159)と、前記電動モータの相電流の値に基づいて回転トルクを算出するトルク算出手段(160)とを含む、請求項1記載の電動アクチュエータである。
この構成によれば、電動モータの相電流(の合計)と、電動モータの回転トルクの大きさとが対応関係にある(同期している)ので、電動モータの相電流の検出値に基づいて電動モータの回転トルクの大きさを検出することができる。
本発明の一実施形態に係る電動アクチュエータが適用された変速装置の一部構成の概略分解斜視図である。 図1に示す変速操作機構のシフトパターンを説明するための図である。 図1に示す電動アクチュエータの構成を示す斜視図である。 図1に示す電動アクチュエータの構成を示す断面図である。 図4の切断面線V‐Vで切断したときの断面図である。 図1に示す電動アクチュエータの電気的構成を示すブロック図である。 電動モータに作用する回転トルクの値、電動モータの各相電流の値、推定トルクの値、ならびにシフトまたはセレクト電磁クラッチの連結/解放の切換えタイミングの関係を示す図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動アクチュエータ21が適用された変速装置1の一部構成の概略分解斜視図である。
変速装置1は、変速機2と、変速機2を変速駆動する変速駆動装置3とを備えている。変速機2は、公知の常時かみ合い式の平行軸歯車動力伝達機構により構成された動力伝達機構(図示しない)と、動力伝達機構の動力伝達経路を、複数の動力伝達経路の間で切り換えるための変速操作機構6と、これら動力伝達機構および変速操作機構6を収容するギヤハウジング7とを備えている。変速機2を含む構成の変速装置1は、乗用車やトラックなどの車両に搭載されている。動力伝達機構における動力伝達経路の切換えにより、動力伝達比を異ならせることができる。
変速操作機構6はギヤハウジング7内に収容され、互いに平行に延びる複数(たとえば3つ)のフォーク軸10A,10B,10Cを有している。フォーク軸10Aは軸方向M1,M2に移動可能に設けられている。フォーク軸10Bは軸方向M3,M4に移動可能に設けられている。フォーク軸10Cは軸方向M5,M6に移動可能に設けられている。軸方向M1,M3およびM5は、互いに同じ方向を向きかつ互いに並行な軸方向である。軸方向M2、M4およびM6は、それぞれ、軸方向M1,M3およびM5と逆向きの軸方向である。
フォーク軸10A,10B,10Cは、軸方向M1,M3,M5(M2,M4,M6)から見て一直線上に並置されている。各フォーク軸10A,10B,10Cの途中部には、変速駆動装置3によって駆動されるシフトヘッド12A,12B,12Cが固定されている。
各シフトヘッド12A,12B,12Cは、変速駆動装置3に対向する対向面を有している。各対向面は同一平面上に設けられている。各対向面には、係合凹所14A,14B,14Cが形成されている。これら3つの係合凹所14A,14B,14Cによって、3つのシフトヘッド12A,12B,12Cに跨る係合凹所が構成されている。
後述するシフトレバー16の他端部16bは、3つの係合凹所14A,14B,14Cのいずれかに進入しており、他端部16bはシフトヘッド12A,12B,12Cのいずれかに係合している。他端部16bとシフトヘッド12A,12B,12Cとの係合は、他端部16bが係合凹所14A,14B,14Cの内壁と当接することにより達成されている。
シフトレバー16の他端部16bは、係合凹所14A,14B,14C内を通って移動することができる。具体的には、互いに隣り合うフォーク軸10A,10Bがそれぞれニュートラル位置にあるときには、シフトレバー16の他端部16bは、係合凹所14A,14Bを通って、シフトヘッド12A,12Bの間を跨って移動することが可能である。また、互いに隣り合うフォーク軸10B,10Cがそれぞれニュートラル位置にあるときには、シフトレバー16の他端部16bは、係合凹所14B,14Cを通って、シフトヘッド12B,12Cの間を跨って移動することが可能である。なお、図1には係合凹所14A,14B,14Cとして係合溝が示されているが、この係合凹所14A,14B,14Cに代えて係合孔を採用してもよいのは言うまでもない。
また、各フォーク軸10A,10B,10Cには、動力伝達機構の動力伝達経路を切り換えるために操作される被操作部材(図示しない。たとえばクラッチスリーブやシンクロナイザ機構など)と係合するためのシフトフォーク11(図1では、フォーク軸10Aに設けられたシフトフォーク11のみを示す)が固定されている。シフトフォーク11の軸方向M1〜M6移動により、シフトフォーク11を被操作部材に係合させることができ、その被操作部材を駆動することができる。
変速駆動装置3は、変速操作機構6にシフト操作およびセレクト操作を行わせるためのシフトレバー16と、シフトレバー16が一体回転に連結された円柱状のシフトセレクト軸15と、シフトセレクト軸15を駆動して、シフトレバー16をシフト動作(変速操作機構6をシフト操作させるための動作)およびセレクト動作(変速操作機構6をセレクト操作させるための動作)させるための回転駆動源として用いられる電動アクチュエータ21とを備える。シフトセレクト軸15は中心軸線17を有している。シフトセレクト軸15はギヤハウジング7に、シフトセレクト軸15の軸まわり(すなわち中心軸線17まわり)に第1または第2軸回転方向R1,R2に回転可能に、かつ軸方向M11,M12に移動可能に支持されている。シフトセレクト軸15はフォーク軸10A,10B,10Cのそれぞれといわゆる90°の食違い軸の関係をなす状態に配置されている。第2軸回転方向R2は第1軸回転方向R1と逆向きの回転方向である。第2軸方向M12は、第1軸方向M11と逆向きの軸方向である。
シフトセレクト軸15の途中部には、ギヤハウジング7内に収容されるシフトレバー16の一端部16aが固定されている。シフトレバー16は、シフトセレクト軸15の中心軸線17まわりに、シフトセレクト軸15と同伴回転する。シフトセレクト軸15の先端部(図1に示す左手前部)は、ギヤハウジング7外に突出している。
前述のように、互いに隣り合うフォーク軸10A,10B,10Cがそれぞれニュートラル位置N1,N2,N3にあるときには、シフトレバー16の他端部16bは、係合凹所14A,14B,14Cを通って、シフトヘッド12A,12B,12Cの間を跨って移動することが可能である。電動アクチュエータ21により、シフトセレクト軸15が第1軸方向M11移動されると、シフトレバー16が第1軸方向M11に移動させられる。また、電動アクチュエータ21により、シフトセレクト軸15が第2軸方向M12移動されると、シフトレバー16が第2軸方向M12に移動させられる。そして、シフトレバー16の他端部16bを所要のシフトヘッド12A,12B,12Cに係合させることができ、これによりセレクト操作が達成される。
一方、電動アクチュエータ21によりシフトセレクト軸15が第1軸回転方向R1に回転されると、シフトレバー16がシフトセレクト軸15まわりに第1軸回転方向R1に揺動させられる。また、電動アクチュエータ21によりシフトセレクト軸15が第2軸回転方向R2に回転されると、シフトレバー16がシフトセレクト軸15まわりに第2軸回転方向R2に揺動する。その結果、シフトレバー16と係合しているシフトヘッド12A,12B,12Cが、フォーク軸10A,10B,10Cの軸方向M1〜M6に移動し、これにより、シフト操作が達成される。
図2は、変速操作機構6のシフトパターンを説明するための図である。
フォーク軸10Aの所定の基準位置を第1ニュートラル位置N1という。また、フォーク軸10Aがニュートラル位置N1にあるシフトヘッド12Aに係合するシフトレバー16の他端部16bの位置も、第1ニュートラル位置N1という。
フォーク軸10Bの所定の基準位置を第2ニュートラル位置N2という。また、フォーク軸10Bがニュートラル位置N2にあるシフトヘッド12Bに係合するシフトレバー16の他端部16bの位置も、第2ニュートラル位置N2という。
フォーク軸10Cの所定の基準位置を第3ニュートラル位置N3という。また、フォーク軸10Cがニュートラル位置N3にあるシフトヘッド12Cに係合するシフトレバー16の他端部16bの位置も、第3ニュートラル位置N3という。シフトレバー16の他端部16bがニュートラル位置N1,N2,N3にあるときは、出力ギヤは中立状態にあり、この他端部16bと係合するシフトヘッド12A,12B,12Cに対応するシフトフォーク11は、被操作部材に係合していない。
シフトレバー16の他端部16bがニュートラル位置N1,N2,N3にあるときは、出力ギヤは中立状態にあり、この他端部16bと係合するシフトヘッド12A,12B,12Cに対応するシフトフォーク11は、被操作部材に係合していない。
シフトレバー16が第2ニュートラル位置N2にある状態で、電動アクチュエータ21が駆動されてシフトセレクト軸15がその軸方向M11移動させられることにより、シフトレバー16が図2中の白抜矢符D1に向けて移動して、シフトレバー16が第3ニュートラル位置N3に導かれる。シフトレバー16が第2ニュートラル位置N2にある状態で、電動アクチュエータ21が駆動されてシフトセレクト軸15がその軸方向M12移動させられることにより、シフトレバー16が図2中の白抜矢符D2に向けて移動して、シフトレバー16が第1ニュートラル位置N1に導かれる。
1速シフト位置、3速シフト位置および5速シフト位置はともに第1シフト方向位置(図2に示す左方のシフト方向位置)にあり、シフト方向に関して互いに揃っている。
R速シフト位置、2速シフト位置および4速シフト位置は、ともに第2シフト方向位置(図2に示す右方のシフト方向位置)にあり、シフト方向に関して互いに揃っている。
図2に示すように、1速にギヤ入れされた状態では、シフトレバー16の他端部16bが図2中の1速シフト位置(図2中に「1速」と記載)にあり、このとき動力伝達機構の1速出力用の出力ギヤに被操作部材が噛み合い状態で係合している。
2速にギヤ入れされた状態では、シフトレバー16の他端部16bが図2中の2速シフト位置(図2中に「2速」と記載)にあり、このとき動力伝達機構の2速出力用の出力ギヤに、被操作部材が噛み合い状態で係合している。
3速にギヤ入れされた状態では、シフトレバー16の他端部16bが図2中の3速シフト位置(図2中に「3速」と記載)にあり、このとき動力伝達機構の3速出力用の出力ギヤに、被操作部材が噛み合い状態で係合している。
4速にギヤ入れされた状態では、シフトレバー16の他端部16bが図2中の4速シフト位置(図2中に「4速」と記載)にあり、このとき動力伝達機構の4速出力用の出力ギヤに、被操作部材が噛み合い状態で係合している。
5速にギヤ入れされた状態では、シフトレバー16の他端部16bが図2中の5速シフト位置(図2中に「5速」と記載)にあり、このとき動力伝達機構の5速出力用の出力ギヤに、被操作部材が噛み合い状態で係合している。
R速(リバース)にギヤ入れされた状態では、シフトレバー16の他端部16bが図2中のR速シフト位置(図2中に「R速」と記載)にあり、このとき動力伝達機構のR速出力用の出力ギヤに、被操作部材が係合している。これにより、出力ギヤがR速である。
図3は、電動アクチュエータ21の構成を示す斜視図である。図4は、電動アクチュエータ21の構成を示す断面図である。図5は、図4の切断面線V‐Vで切断したときの断面図である。なお、図3では、シフトセレクト軸15の図示を省略している。以下、図3〜図5を参照して、電動アクチュエータ21の構成について説明する。
電動アクチュエータ21は有底略筒状のハウジング22を備えている。電動アクチュエータ21は、ギヤハウジング7(図1参照)の外表面または車両の所定箇所に固定されている。
電動アクチュエータ21は、ブラシレスモータ、とくに3相ブラシレスモータ等からなる電動モータ23と、電動モータ23により発生された回転トルクを、シフトセレクト軸15を軸まわりに回転させる力に変換するためのシフト変換機構(シフト駆動機構)24と、電動モータ23によって発生させられた回転トルクを、シフトセレクト軸15を軸方向M11,M12に移動させる力に変換するためのセレクト変換機構(セレクト駆動機構)25と、電動モータ23によって発生させられた回転トルクをシフト変換機構24および/またはセレクト変換機構25に断続するための切換ユニット26とを備えている。シフト変換機構24、セレクト変換機構25および切換ユニット26は、ハウジング22内に収容されている。
ハウジング22の開口部(図4に示す左側)は、略板状の蓋27によって閉塞されている。このハウジング22および蓋27は、それぞれたとえば鋳鉄やアルミニウムなどの金属材料を用いて形成されている。蓋27の外周がハウジング22の開口部に嵌め合わされている。蓋27にはその内側の面(図4に示す右面)と外側の面(図4に示す左面)とを貫通する円形の貫通孔29が形成されている。また、蓋27の外側の面には、電動モータ23の本体ケーシングが固定されている。電動モータ23は、第1回転方向R11(モータ出力軸側から見て時計まわり)と第2回転方向R12(たとえば反時計まわり)とに正逆回転可能な電動モータであり、この電動モータ23としてたとえばブラシレス電動モータが採用されている。電動モータ23は、その本体ケーシングがハウジング22外に露出するように取り付けられている。電動モータ23の出力軸40は、シフトセレクト軸15と、食違い角90°の食違い軸の関係をなして配置されている。軸方向M11,M12に沿う方向に直交する所定の方向(図4に示す左右方向)に延びている。出力軸40は蓋27の貫通孔29を介してハウジング22の内部に臨んでおり、切換ユニット26に対向している。
図5に示すように、ハウジング22は、シフトセレクト軸15における先端(図5に示す下端)側の部分や、シフト変換機構24の各構成部品を主に収容する略箱状の主ハウジング22Aを含んでいる。主ハウジング22Aは、第1側壁111と、第2側壁112と、シフトセレクト軸15の基端寄りを支持するための第1軸ホルダ113と、シフトセレクト軸15の先端部を収容支持するための第2軸ホルダ114と備えている。
第1側壁111の内側の側面は、平坦面からなる第1内壁面111Aである。第2側壁112の内側の側面は、平坦面からなる第2内壁面112Aである。第2内壁面112Aは第1内壁面111Aと対向し、第1内壁面111Aと平行に形成されている。
第1軸ホルダ113は、第1側壁111の外壁面(第1内壁面111Aとは反対側の面)から外方に膨出して形成されており、たとえば円柱状に形成されている。第1軸ホルダ113は第1側壁111と一体的に形成されている。第1軸ホルダ113および第1側壁111には、断面円形の挿通孔104が形成されている。挿通孔104は第1軸ホルダ113および第1側壁111を、それらの厚み方向(図5に示す上下方向)に貫通している。挿通孔104には、シフトセレクト軸15が挿通されている。
挿通孔104の内周壁には、第1すべり軸受101が内嵌固定されている。第1すべり軸受101は、挿通孔104に挿通されているシフトセレクト軸15の途中部(先端部よりもやや基端寄り)の外周を取り囲み、シフトセレクト軸15の途中部の外周を摺接支持している。
第2軸ホルダ114は、第2側壁112の外壁面(第2内壁面112Aとは反対側の面)から外方に膨出して形成されており、たとえば略円筒状に形成されている。第2軸ホルダ114は第2側壁112と一体的に形成されている。第2軸ホルダ114の内周面および底面によって、シフトセレクト軸15の先端部(図5に示す下端部)を収容する円柱状の先端部収容溝115(図5参照)が区画されている。先端部収容溝115の内周壁は、円筒状の挿通孔104と同軸の中心軸線を有する円筒状に形成されている。
先端部収容溝115の内周壁には、第2すべり軸受102が内嵌固定されている。第2すべり軸受102は、先端部収容溝115に収容されているシフトセレクト軸15の先端部の外周を取り囲んで、当該先端部の外周を摺接支持している。シフトセレクト軸15は、これら第1および第2すべり軸受101,102によって、その中心軸線17まわりに回転可能にかつ軸方向M11,M12移動可能に支持されている。
挿通孔104における第1すべり軸受101の外側の部分には、ごみや埃がハウジング22内(主ハウジング22A内)に進入しないように、挿通孔104の内周壁とシフトセレクト軸15の外周との間をシールするためのシール部材103が介装されている。
第1軸ホルダ113において、厚み方向(図5に示す上下方向)に関しシール部材103と第1すべり軸受101との間には、ロックボール106が配設されている。具体的には、挿通孔104の内周壁と、第1軸ホルダ113の外周面とを貫通する貫通孔105内にロックボール106が収容されている。ロックボール106は、円筒状の先端部収容溝115の中心軸線(すなわちシフトセレクト軸15の中心軸線17)に沿う方向と直交する方向(直交方向)に延び、略円筒状をなすともに、当該方向(直交方向)に沿って移動可能に設けられている。ロックボール106の先端部は半球状をなしており、次に述べる係合溝107に係合する。
シフトセレクト軸15の外周には、軸方向M11,M12に間隔を空けて、周方向に延びる複数本(たとえば3本)の係合溝107が形成されている。各係合溝107は全周にわたって設定されている。ロックボール106がその長手方向に移動することにより、先端部が挿通孔104の内周壁よりも中心軸線17側(図5に示す右方)に突出して、その先端部が係合溝107と係合して、シフトセレクト軸15の軸方向M11,M12移動を阻止する。これにより、シフトセレクト軸15は、軸方向M11,M12への移動が阻止された状態で、一定力で保持される。
図5に示すように、シフトセレクト軸15の外周における第1すべり軸受101が摺接する部分と第2すべり軸受102が摺接する部分との間には、雄スプライン121と、ピニオン36が噛み合う後述するラック122とが、第1すべり軸受101側からこの順で形成されている。
図4に示すように、切換ユニット26は、電動モータ23の出力軸40と同軸に連結された伝達軸41と、伝達軸41と同軸にかつ、同伴回転可能に設けられた第1ロータ42と、伝達軸41に同軸にかつ、同伴回転可能に設けられた第2ロータ44と、第1ロータ42と第2ロータ44との間で伝達軸41の連結先を切り換えるためのクラッチ機構39とを備えている。
伝達軸41は、電動モータ23側に設けられた小径の主軸部46と、主軸部46の第1ロータ42側の軸方向端部(図4に示す右端部)に、主軸部46と一体的に設けられ、主軸部46よりも大径の大径部47とを備えている。
第1ロータ42は、伝達軸41に対し電動モータ23側と反対側に配置されている。第1ロータ42は、電動モータ23側の軸方向端部(図4に示す左端部)の外周から径方向外方に向けて張り出す第1アーマチュアハブ54を備えている。第1アーマチュアハブ54は大径部47の電動モータ23側と反対側の面(図4に示す右面)に対向して配置されている。
第2ロータ44は、伝達軸41の大径部47に対し第1ロータ42と反対側、すなわち電動モータ23側に配置されており、伝達軸41の主軸部46の周囲を取り囲んでいる。第2ロータ44は、電動モータ23側と反対側の軸方向端部(図4に示す右端部)の外周から径方向外方に向けて張り出す第2アーマチュアハブ55を備えている。第2アーマチュアハブ55は大径部47の電動モータ23側の面(図4に示す左面)に対向して配置されている。言い換えれば、第1ロータ42(の第1アーマチュアハブ54)および第2ロータ44(の第2アーマチュアハブ55)が、伝達軸41の大径部47を挟むように配置されている。
クラッチ機構39は、第1ロータ42と断続して、伝達軸41と第1ロータ42とを連結/解放する摩擦式のシフト電磁クラッチ43と、第2ロータ44と断続して、伝達軸41と第2ロータ44とを連結/解放する摩擦式のセレクト電磁クラッチ45とを備えている。
シフト電磁クラッチ43は、第1フィールド48と第1アーマチュア49とを備えている。第1アーマチュア49は、伝達軸41の大径部47の軸方向他方側の面(図4に示す右面)に第1アーマチュアハブ54の電動モータ23側の面(図4に示す左面)と微小間隔を隔てて配置されており、略円環板状をなしている。第1アーマチュア49は鉄などの強磁性体を用いて形成されている。第1フィールド48は、ヨーク内に第1電磁コイル50を内蔵しており、ハウジング22に固定されている。
セレクト電磁クラッチ45は、第2フィールド51と、第2アーマチュア52とを備えている。第2アーマチュア52は、伝達軸41の大径部47の軸方向一方側の面(図4に示す左面)に第2アーマチュアハブ55の電動モータ23と反対側の面(図4に示す右面)と微小間隔を隔てて配置されており、略円環板状をなしている。第2アーマチュア52は鉄などの強磁性体を用いて形成されている。第2フィールド51はヨーク内に第2電磁コイル53を内蔵しており、ハウジング22に固定されている。第1フィールド48および第2フィールド51は、大径部47、第1アーマチュアハブ54および第2アーマチュアハブ55を挟んで軸方向に沿って並置されている。
シフトおよびセレクト電磁クラッチ43,45には、配線などを介して電源V(図6参照)から電圧供給(給電)されている。シフト電磁クラッチ43に対する給電により、第1電磁コイル50に通電されると、その第1電磁コイル50が励磁状態になり、第1電磁コイル50を含む第1フィールド48に電磁吸引力が発生する。そして、第1アーマチュア49が第1フィールド48に吸引されて第1フィールド48に向けて変形し、第1アーマチュア49が第1アーマチュアハブ54と摩擦接触する。したがって、第1電磁コイル50への通電により第1電磁コイル50が第1ロータ42に結合(締結)され、伝達軸41が第1ロータ42に連結される。そして、第1電磁コイル50に対する電圧供給が停止され、第1電磁コイル50に電流が流れなくなることにより、第1アーマチュア49に対する吸引力もなくなり、第1アーマチュア49が元の形状に復帰する。これにより、第1電磁コイル50が第1ロータ42から分離して、伝達軸41が第1ロータ42から解放される。つまり、シフト電磁クラッチ43に対する給電/給電停止を切り換えることにより、電動モータ23から第1ロータ42への回転トルクの伝達を断続させることができる。
一方、セレクト電磁クラッチ45に対する給電により、第2電磁コイル53に通電されると、その第2電磁コイル53が励磁状態になり、第2電磁コイル53を含む第2フィールド51に電磁吸引力が発生する。そして、第2アーマチュア52が第2フィールド51に吸引されて第2フィールド51に向けて変形し、第2アーマチュア52が第2アーマチュアハブ55と摩擦接触する。したがって、第2電磁コイル53への通電により、第2電磁コイル53が第2ロータ44に結合(締結)され、伝達軸41が第2ロータ44に連結される。そして、第2電磁コイル53に対する電圧供給が停止され、第2電磁コイル53に電流が流れなくなることにより、第2アーマチュア52に対する吸引力もなくなり、第2アーマチュア52が元の形状に復帰する。これにより、第2電磁コイル53が第2ロータ44から分離して、伝達軸41が第2ロータ44から解放される。つまり、第2電磁コイル53への給電通電/給電停止を切り換えることにより、電動モータ23から第2ロータ44への回転トルクの伝達を断続させることができる。
第2ロータ44の外周には、小径の円環状の第1歯車56が外嵌固定されている。第1歯車56は第2ロータ44と同軸に設けられている。第1歯車56は転がり軸受57によって支持されている。転がり軸受57の外輪は、第1歯車56に内嵌固定されている。転がり軸受57の内輪は、伝達軸41の主軸部46の外周に外嵌固定されている。
シフト変換機構24は、回転運動を直線運動に変換する減速機としてのボールねじ機構58と、このボールねじ機構58のナット59の軸方向移動に伴って、シフトセレクト軸15の中心軸線17まわりに回動するアーム60とを備えている。
ボールねじ機構58は、第1ロータ42と同軸(すなわち伝達軸41と同軸)に延びるねじ軸61と、ねじ軸61にボール(図示しない)を介して螺合するナット59とを備えている。ねじ軸61はシフトセレクト軸15と、食違い角が90°の食違い軸の関係をなしている。言い換えれば、ねじ軸61の軸方向およびシフトセレクト軸15の軸方向M11,M12の双方に直交する方向から見て、ねじ軸61およびシフトセレクト軸15は互いに直交している。
ねじ軸61は転がり軸受64,67によって軸方向への移動が規制されつつ支持されている。具体的には、ねじ軸61の一端部(図4に示す左端部)は転がり軸受64によって支持されており、また、ねじ軸61の他端部(図4に示す右端部)は転がり軸受67によって支持されている。これらの転がり軸受64,67により、ねじ軸61がその中心軸線80まわりに回転可能に支持されている。
転がり軸受64の内輪は、ねじ軸61の一端部に外嵌固定されている。また、転がり軸受64の外輪は、ハウジング22に固定された切換ユニット26ケーシングの底壁65の内外面を貫通する貫通孔に内嵌されている。また、転がり軸受64の外輪にはロックナット66が係合されて、ねじ軸61の軸方向の他方(図4に示す右方)への移動が規制されている。ねじ軸61の一端部における転がり軸受64よりも電動モータ23側(図4に示す左側)の部分は、第1ロータ42の内周に挿通されて、この第1ロータ42に同伴回転可能に連結されている。転がり軸受67の外輪は、ハウジング22に固定されている。
ナット59の一側面(図4に示す手前側側面。図5に示す下側側面)、および当該一側面とは反対側の他側面(図4に示す奥側側面。図5に示す上側側面)には、それぞれシフトセレクト軸15の軸方向M11,M12に沿う方向(図4の紙面に直交する方向。図5に示す上下方向)に延びる円柱状の突出軸70(図4では一方のみ図示。図5を並行して参照)が突出形成されている。一対の突出軸70は同軸である。ナット59はアーム60の第1係合部72によって、ねじ軸61まわりの回転が規制されている。したがって、ねじ軸61が回転されると、ねじ軸61の回転に同伴して、ナット59がねじ軸61の軸方向に移動する。なお、図5では、ねじ軸61の軸方向に関し、図4に示すナット59の位置よりも、第1ロータ42に対し離反する方向(図4に示す右方)にナット59が位置するときの断面状態を示している。
アーム60は、ナット59に係合するための第1係合部72と、シフトセレクト軸15にスプライン嵌合するための係合部としての第2係合部73(図5参照)と、第1係合部72と第2係合部73とを接続する直線状の接続ロッド74とを備えている。接続ロッド74は、たとえば、その全長にわたって断面矩形状をなしている。第2係合部73は略円筒状をなし、シフトセレクト軸15に外嵌されている。
第1係合部72は互いに対向する一対の支持板部76と、一対の支持板部76の基端辺同士(図4に示す下端辺および図5に示す右端辺)を連結する連結板部77とを備え、側面視で略U字状をなしている。各支持板部76には、各突出軸70の外周と、当該突出軸70の回転を許容しつつ係合するU字係合溝78が形成されている。U字係合溝78は前記の基端辺と反対側の先端辺から切り欠かれている。そのため、第1係合部72は、ナット59に、突出軸70まわりに相対回転可能にかつ、ねじ軸61の軸方向に同行移動可能に係合している。また、各U字係合溝78と各突出軸70との係合により、ナット59はアーム60の第1係合部72によってねじ軸61まわりの回転が規制される。したがって、ねじ軸61の回転に伴って、ナット59および第1係合部72がねじ軸61の軸方向に移動する。第2係合部73は、たとえば円環板状をなしている。しかし、第2係合部73が円筒状をなしていてもよい。
シフトセレクト軸15の外周と第2係合部73の内周とはスプライン嵌合している。具体的には、第2係合部73の内周に設けられた雌スプライン75に、シフトセレクト軸15の外周に設けられた雄スプライン121が噛み合っている。このとき、雄スプライン121と雌スプライン75との間には噛合いのための隙間が確保されている。
言い換えれば、シフトセレクト軸15の外周には第2係合部73が、当該シフトセレクト軸15に対して相対回転不能にかつ相対軸方向移動が許容された状態で連結されている。したがって、ねじ軸61が回転し、これに伴ってナット59がねじ軸61の軸方向に移動すると、アーム60がシフトセレクト軸15の中心軸線17まわりに回動し、このアーム60の移動に同伴してシフトセレクト軸15が回転する。
セレクト変換機構25は、第1歯車56と、伝達軸41と平行に延び、回転可能に設けられたピニオン軸95と、ピニオン軸95における一端部(図4に示す左端部)寄りの所定位置に同軸に固定された第2歯車81と、ピニオン軸95の他端部(図4に示す右端部)寄りの所定位置に同軸に固定された小径のピニオン36とを備え、全体として減速機を構成している。なお、第2歯車81は、第1歯車56およびピニオン36の双方よりも大径に形成されている。
ピニオン軸95の一端部(図4に示す左端部)は、ハウジング22に固定された転がり軸受96によって支持されている。転がり軸受96の内輪は、ピニオン軸95の一端部(図4に示す左端部)に外嵌固定されている。また、転がり軸受96の外輪は、蓋27の内面に形成された円筒状の凹部97内に固定されている。また、ピニオン軸95の他端部(図4に示す右端部)は、転がり軸受84によって支持されている。ピニオン36とラック122とがラックアンドピニオンにより噛み合っているので、伝達軸41の回転に伴ってピニオン軸95が回転すると、これに伴って、シフトセレクト軸15が軸方向M11,M12に移動する。
ピニオン軸95の他端部82(図4に示す右端部)に関連して、ピニオン軸95の回転角を検出するためのセレクト回転角センサ87が配設されている。
ハウジング22の底壁(蓋27とは反対側の壁。図4に示す右壁)には、その内外面を貫通するセンサ用孔85が形成されている。セレクト回転角センサ87は、センサ部(図示しない)と、センサ部に連結された第1センサ軸99とを備えている。第1センサ軸99の先端部は、センサ用孔85を通ってピニオン軸95の他端部82に同伴回転可能に連結されている。ピニオン軸95が回転すると、そのピニオン軸95に同伴して第1センサ軸99がその軸まわりに回転する。セレクト回転角センサ87は第1センサ軸99の回転角に基づいて、ピニオン軸95の回転角を検出し、これにより、シフトセレクト軸15の軸方向M11,M12に沿う方向に関するシフトレバー16の位置を検出する。
また、ハウジング22内には、シフトセレクト軸15の回転角を検出するシフト回転角センサ89が設けられている。
シフト回転角センサ89は、センサ部(図示しない)が内蔵された本体90と、本体90のセンサ部に一体回転可能に連結された第2センサ軸94と、第2センサ軸94に外嵌固定されたセクタ歯車91とを備えている。このセクタ歯車91は、シフトセレクト軸15に同伴回転可能に設けられた(外嵌固定された)センサ用歯車92と噛み合っている。シフトセレクト軸15がその軸まわりに回転すると、そのシフトセレクト軸15に同伴してセンサ用歯車92およびセクタ歯車91が回転し、これに伴って第2センサ軸94がその軸まわりに回転する。シフト回転角センサ89は、第2センサ軸94の回転角に基づいてシフトセレクト軸15の回転角を検出し、これにより、シフトセレクト軸15まわりのシフトレバー16の揺動位置を検出する。
図6は、電動アクチュエータ21の電気的構成を示すブロック図である。
電動アクチュエータ21は制御部88を備えている。制御部88の一例としてECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)を挙げることができる。制御部88は、CPUおよび記憶部を含むマイクロコンピュータを備えている。制御部88には、第1電磁コイル50を含むシフト電磁クラッチ43、第2電磁コイル53を含むセレクト電磁クラッチ45、および電動モータ23が、それぞれ制御対象として接続されている。制御部88は、電動モータ23を制御するためのモータ制御部151と、電動モータ23に作用している回転トルクの大きさを、演算により推定するためのトルク推定部(トルク算出手段)160と、シフト電磁クラッチ43およびセレクト電磁クラッチ45を制御するためのクラッチ制御部152とを備えている。
また、制御部88には、車両の変速操作用の操作レバー93の位置情報が入力されるようになっている。さらに、制御部88には、シフト回転角センサ89の検出出力(たとえば検出電圧)が入力されるようになっている。さらに、制御部88には、セレクト回転角センサ87の検出出力(たとえば検出電圧)が入力されるようになっている。
シフト電磁クラッチ43とセレクト電磁クラッチ45とは、電源Vに互いに並列に接続されている。シフト電磁クラッチ43と電源Vとの間には、シフト用リレー154等のスイッチング機構が介装されている。セレクト電磁クラッチ45と電源Vとの間には、セレクト用リレー155等のスイッチング機構が介装されている。シフト用リレー154およびセレクト用リレー155は、クラッチ制御部152のリレー制御部156によってその開閉制御が行われるようになっている。
前述のように、電動モータ23として3相ブラシレスモータが採用されている。電動モータ23は、界磁としてのロータ(図示しない)と、ロータに対向するステータ(図示しない)に配置されたU相、V相、W相のステータ巻線(図示しない)とを備えている。制御部88には、電動モータ23に電力を供給するための駆動回路132が接続されている。制御部88のモータ制御部151は、駆動回路132を介して、電動モータ23を制御する。
また、電動モータ23と駆動回路132との間には、電動モータ23に流れるU層を検出するためのU相電流センサ133と、電動モータ23に流れるV相電流を検出するためのV相電流センサ134とを備えている。
駆動回路132は、3相ブリッジインバータ回路である。駆動回路132では、電動モータ23のU相に対応した一対のFET127UH,127ULの直列回路と、電動モータ23のV相に対応した一対のFET127VH,127VLの直列回路と、電動モータ23のW相に対応した一対のFET127WH,127WLの直列回路とが、直流電源123と接地との間に並列に接続されている。
電動モータ23のU相コイルは、U相に対応した一対のFET127UH,127ULの間の接続点に接続されている。電動モータ23のV相コイルは、V相に対応した一対のFET127VH,127VLの間の接続点に接続されている。電動モータ23のW相コイルは、W相に対応した一対のFET127WH,127WLの間の接続点に接続されている。
U相の界磁コイルと駆動回路132とを接続するための接続線にU相電流センサ133が設けられている。また、V相の界磁コイルと駆動回路132とを接続するための接続線にV相電流センサ134が設けられている。
モータ制御部151は相電流検出部(相電流検出手段)159を備えている。相電流検出部159は、所定の演算終期ごとに、U相電流センサ133およびV相電流センサ134の出力信号に基づいて、U相、V相およびW相の相電流を求める。相電流検出部159により検出されたU相、V相およびW相の相電流が、モータ制御部151に与えられる。
モータ制御部151の相電流検出部159には、電動モータ23の各相の相電流の値が与えられるようになっており、モータ制御部151は、相電流検出部159によって検出される各相電流の値に基づいて電動モータ23を制御する。
モータ制御部151の相電流検出部159によって検出された各相電流の値はトルク推定部160に付与され、トルク推定部160にて、電動モータ23に作用する回転トルクの推定値(以下、「推定トルクの値」という場合がある)が求められる。そして、トルク推定部160によって求められた推定トルクの値は、クラッチ制御部152に付与される。
図7は、電動モータ23に作用する回転トルクの値、電動モータ23の各相電流の値、推定トルクの値(T)、ならびにシフトおよびセレクト電磁クラッチ43,45の連結/解放の切換えタイミングの関係を示す図である。
たとえば、電動モータ23の3相の界磁コイルへの通電が良好である場合(正常の場合)には、図7(a)に実線で示すように、電動モータ23の回転トルクは、高値でかつ安定的に推移する。しかしながら、たとえば1相の界磁コイルの断線等により、1相の界磁コイルが非導通になっている異常が生じることがある。この場合には、他の2相の界磁コイルにしか通電していないので、図7(a)に二点鎖線で示すように、電動モータ23の回転トルクは正弦波状に変動する。このとき、電動モータ23の回転位相によっては、電動モータ23の回転トルクが、変速操作のために必要なトルクを下回る。以下、変速操作のために必要なトルクを下回るときの電動モータ23の回転位相を、回転トルク不足位相という。
このとき、電動モータ23の各相電流が正弦波状に変動し、そのため、1相の界磁コイルが非導通で、2相の界磁コイルにのみ通電している場合には、図7(b)に二点鎖線で示すように各相電流の値は正弦波状に変動する。そして、各相電流の変動は、電動モータ23の回転トルクの変動と同期している。トルク推定部160は、相電流検出部159によって検出される各相電流の値に基づいて、電動モータ23に付与される回転トルクを演算により推定する。この場合において、変速操作のために必要な電動モータ23の回転トルクを基準トルクTとする。
次に、図2、図4、図6および図7を参照して、電動アクチュエータ21のシフト操作およびセレクト操作について説明する。
まず、電動モータ23の3相の界磁コイルへの通電が良好である場合のシフト操作について説明する。この場合、モータ制御部151は、電動モータ23を制御して、所定の回転方向(第1および第2回転方向R11,R12の一方)に所定の回転速度で回転させる。また、クラッチ制御部152は、シフト電磁クラッチ43を連結状態(伝達状態)にし、その連結状態を維持させる。そのため、電動モータ23により発生させられた回転トルクは、シフト変換機構24に伝達され、電動アクチュエータ21は、シフトセレクト軸15を軸まわりに回転駆動させる。これにより、シフトレバー16をシフト動作させることができる。
次に、電動モータ23の3相の界磁コイルへの通電が良好である場合のセレクト操作について説明する。この場合、モータ制御部151は、電動モータ23を制御して、所定の回転方向(第1および第2回転方向R11,R12の一方)に所定の回転速度で回転させる。また、クラッチ制御部152は、セレクト電磁クラッチ45を連結状態にし、その連結状態を維持させる。そのため、電動モータ23により発生させられた回転トルクは、セレクト変換機構25に伝達され、電動アクチュエータ21は、シフトセレクト軸15を軸方向M11,M12駆動させる。これにより、シフトレバー16をセレクト動作させることができる。
ところで、電動モータ23において、ステータ巻線の断線や駆動回路132の故障等により、電動モータ23の1相への通電異常が生じることがある。
通常、車両の走行中に何らかの異常が生じると、運転者は走行中の車両を直ちに停止させ、異常箇所の特定や車両の点検を行う。この場合、できることであるならば、その車両を自走させ、修理工場にまで運ぶことが望ましい。また、路側帯のような安全な場所に、取り敢えず、車両を移動させたいような場合もある。そのため、点検後に車両を再度発進させる必要がある。車両の停止時には、シフトレバー16は第2ニュートラル位置N2(図2参照)に位置しているが、エンストなく車両を発進させるために、低速ギヤ(できれば1速ギヤ)にギヤ入れする必要がある。
車両の異常が、電動アクチュエータ21の電動モータ23の1相への通電異常にある場合には、電動アクチュエータ21は、車両を発進させることができるように、第2ニュートラル位置N2から1速ギヤにギヤ入れする。具体的には、次に述べるような制御が実行される。
図2および図7に示すように、モータ制御部151は、電動モータ23を制御して、第2回転方向R12に所定の回転速度で回転させる。このとき、電動モータ23の回転トルクは正弦波状に変動する。
この場合において、クラッチ制御部152は、セレクト電磁クラッチ45に対し、連結状態/解除状態を切り換える。具体的には、クラッチ制御部152は、トルク推定部160から与えられる推定トルクTの値が基準トルクT以上になる期間中には、セレクト電磁クラッチ45を連結状態にし、トルク推定部160から与えられる推定トルクTの値が基準トルクT未満になる期間中には、セレクト電磁クラッチ45を解放状態(遮断状態)にする。換言すると、電動モータ23の回転位相が回転トルク不足位相であるときには、セレクト電磁クラッチ45を解放状態にするとともに、電動モータ23の回転位相が回転トルク不足位相を除く位相であるときには、セレクト電磁クラッチ45が連結状態にする。回転トルク不足位相中に、セレクト変換機構25に対するトルク伝達を遮断するので、電動モータ23に負荷を加えることなく、高い回転トルクのみを、セレクト変換機構25に伝達することができる。これにより、電動アクチュエータ21は、シフトセレクト軸15を、その移動速度は通常よりも遅いものの、軸方向M12移動させることができる。
電動アクチュエータ21の駆動によってシフトセレクト軸15がその軸方向M12移動させられる(図2中の白抜矢符D2)。これにより、シフトレバー16の他端部16bが第2ニュートラル位置N2にある状態から、軸方向M12移動して、シフトレバー16の他端部16bがシフトヘッド12Aと係合する(第1ニュートラル位置N1に位置する)。
次に、モータ制御部151は、電動モータ23を制御して、第2回転方向R12に所定の回転速度で回転させる。このとき、電動モータ23の回転トルクは正弦波状に変動する。
この場合において、クラッチ制御部152は、シフト電磁クラッチ43に対し、連結状態/解除状態を切り換える。具体的には、クラッチ制御部152は、トルク推定部160から与えられる推定トルクTの値が基準トルクT以上になる期間中には、シフト電磁クラッチ43を連結状態にし、トルク推定部160から与えられる推定トルクTの値が基準トルクT未満になる期間中には、シフト電磁クラッチ43を解放状態にする。換言すると、電動モータ23の回転位相が回転トルク不足位相であるときには、シフト電磁クラッチ43を解放状態にするとともに、電動モータ23の回転位相が回転トルク不足位相を除く位相であるときには、シフト電磁クラッチ43が連結状態にする。回転トルク不足位相中に、シフト変換機構24に対するトルク伝達を遮断するので、電動モータ23に負荷を加えることなく、高い回転トルクのみを、シフト変換機構24に伝達することができる。これにより、電動アクチュエータ21は、シフトセレクト軸15を、その回転速度は通常よりも遅いものの、軸まわりに回転させることができる。
電動アクチュエータ21が駆動されてシフトセレクト軸15が回転方向R2に回転させられる。これにより、シフトレバー16がシフトセレクト軸15まわりに揺動させられることにより、シフトヘッド12Aおよびフォーク軸10Aが軸方向M1移動させられる(図2中の白抜矢符E1)。
以上によりこの実施形態によれば、電動モータ23の1相への通電異常が生じた場合であっても、電動アクチュエータ21による変速操作により、1速ギヤにギヤ入れすることができる。これにより、車両を停止させた後、車両の発進を実現することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
また、電動モータ23の1相への通電異常が生じた場合の電動アクチュエータ21によるギヤ入れ先は、1速ギヤではなく、2速ギヤであってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
15…シフトセレクト軸、16…シフトレバー、21…電動アクチュエータ、23…電動モータ、24…シフト変換機構(シフト駆動機構)、25…セレクト変換機構(セレクト駆動機構)、43…シフト電磁クラッチ、45…セレクト電磁クラッチ、152…クラッチ制御部(クラッチ制御手段)、159…相電流検出部(相電流検出手段)、160…トルク推定部(トルク算出手段)

Claims (2)

  1. シフトレバーが連結されたシフトセレクト軸を軸まわりに回転させることによって前記シフトレバーをシフト動作させ、前記シフトレバーを軸方向移動させることによって前記シフトレバーをセレクト動作させるための電動アクチュエータであって、
    回転トルクを発生させるための3相ブラシモータからなる単一の電動モータと、
    前記電動モータにより発生させられた回転トルクを、前記シフトセレクト軸を軸まわりに回転させる力に変換して、前記シフトセレクト軸に伝達するためのシフト駆動機構と、
    前記電動モータにより発生させられた回転トルクを、前記シフトセレクト軸を軸方向移動させる力に変換して、前記シフトセレクト軸に伝達するためのセレクト駆動機構と、
    前記電動モータにより発生させられた回転トルクを、前記シフト駆動機構に伝達/遮断するためのシフト電磁クラッチと、
    前記電動モータにより発生させられた回転トルクを、前記セレクト駆動機構に伝達/遮断するためのセレクト電磁クラッチと、
    前記シフト電磁クラッチおよび前記セレクト電磁クラッチの少なくとも一方を制御するクラッチ制御手段と、
    前記電動モータの回転トルクの大きさを検出するモータトルク検出手段とを含み、
    前記クラッチ制御手段は、前記電動モータの1相への通電異常が生じた場合、前記モータトルク検出手段による検出値が所定値以上である期間中には、前記回転トルクを伝達させ、かつ前記検出値が所定値未満である期間中には、前記回転トルクを遮断させるように制御対象の電磁クラッチを制御するモータ異常制御手段を含む、電動アクチュエータ。
  2. 前記モータトルク検出手段は、
    前記電動モータの相電流の値を検出するモータ電流検出手段と、
    前記電動モータの相電流の値に基づいて回転トルクを算出する手段とを含む、請求項1記載の電動アクチュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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