JP2014047397A - 高炉の操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】減尺休風後の立上期初期における炉底早期着熱による炉床部の通液性改善及び高炉下部での溶銑の滴下促進による棚吊り防止を図ることで円滑な休風立上げ操業を実現することができる高炉の操業方法を提供する。
【解決手段】高炉の減尺休風期間にコークス及び鉄鉱石を含む装入物を炉内に充填する減尺埋め戻しにおいて、羽口からストックラインまでの長さを1として羽口を0とした無次元高さ0.3以上0.4以下の高さまで、鉄鉱石を装入せずにコークスを装入する、コークス装入工程と、コークス装入工程の後、コークスと鉄鉱石とを交互に装入する、コークス及び鉄鉱石装入工程と、無次元高さ0.2以上0.4以下の範囲に、Fe含有量が90質量%以上である固体鉄を装入する、固体鉄装入工程と、を有し、固体鉄装入工程は、コークス装入工程中またはコークス装入工程後からコークス及び鉄鉱石装入工程前の間に行う、高炉の操業方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉の減尺休風後の立上期初期において、炉床通液性改善及び棚吊り防止による円滑な休風立上げ操業を可能とする高炉の操業方法に関する。
通常の高炉操業においては、炉頂から鉄原料である鉄鉱石や還元材であるコークス(以下、これらを総称して「装入物」とも称する。)を交互に層状に装入し、炉下部の羽口からは酸素を含む高温空気を吹き込む。この高温空気は酸素や湿分量が調整されることがある。また、この高温空気に随伴して微粉炭等の補助還元材が吹き込まれることもある。これら、羽口からの吹込みを「送風」と称する。
上記のようにして炉内に装入されたコークスと羽口から送風された酸素とは燃焼反応をする。この燃焼反応によって装入物は炉内で徐々に降下する。このような装入物の炉内での降下を「荷下がり」と称する。また、燃焼反応によって生成した高温の還元ガスは炉内を上昇して装入物の加熱及び原料の還元を行う。
鉄原料である鉄鉱石は荷下がりに伴って加熱及び還元され、炉下部で溶融して溶銑とスラグに分離する。スラグは鉄の副産物である溶融酸化物体であるが、その由来物は鉄鉱石中の脈石と還元材中の灰分とに大別される。この溶銑とスラグは炉床部に設置された出銑口から炉外へ排出される。
高炉炉体の構造を説明するため、高炉炉体の鉛直断面の模式図を図1に示す。
図1に示したように、高炉炉体1は上部から、シャフト部1A、ベリー部1B、ボッシュ部1C、炉床部1Dに大別されている。
高炉炉体1の下部(炉下部2)の炉内側は冷却装置によって構成されている。この冷却装置は通常、水冷構造であり、内部にある配管内を流れる水によって、炉内の熱から高炉炉体を保護している。羽口3及び出銑口4は、冷却装置の設置位置よりも更に下部に存在する。
また、図1に示した符号5はストックラインを指している。ストックラインとは、ベル式高炉では大ベル(図示せず)の開下端から1m下の水平面であり、ベルレス式高炉では分配シュート(図示せず)の最下端から0.5m下の水平面である。高炉の通常操業時には、装入物の上表面がストックラインの近傍に存在する。なお、慣用的に装入物の上表面をストックラインと称することもある。ただし、本発明におけるストックラインとは、前述した通りに高炉設備から決定される高さ位置で定義する。
炉下部に設けられた冷却装置は、炉内側からの熱負荷及び炉内の装入物の荷下がりによる物理的負荷を被ることから損耗する場合がある。このように冷却装置が損耗すると、炉内に漏水が発生して炉熱低下を招き、高炉操業を不安定化させ、コークス比(還元材比)が増加するなどの問題を生じる虞がある。そのため、冷却装置の損耗が進行した場合には炉下部の補修を行う。なお、コークス比とは、溶銑生成量1トンに対して使用されたコークス量(kg)であり、kg/pt単位で表記される。
損耗した冷却装置の具体的な補修方法としては、冷却装置を取り替える方法が知られている。冷却装置の設置場所である炉下部は、高炉操業中は装入物が充填されており、且つ鉄の溶融が進行する高温の箇所でもあるので、高炉操業中に冷却装置を取り換えることは不可能である。一般的な冷却装置の取り替えは以下の手順で行われる。
まず、高炉内部に羽口からの送風を行いながら、炉頂からの装入物の装入は停止する。羽口からの送風により、すでに炉内に装入された装入物の荷下がりは継続するので、炉内の装入物の表面は漸次降下してゆく。この操作を継続して、炉下部の補修が可能となる所定位置まで炉内の装入物の表面を降下させる(以下、この操作を「減尺」と称する。)。上記所定位置は補修部位に依るが、通常では羽口の高さ近傍になることが多い。
所定位置まで減尺すると、羽口からの送風を停止し、一時的に高炉操業を停止させる。これは「減尺休風」と称される。「減尺休風」は、送風停止操作と送風停止により高炉操業が停止した状態を総称する用語であるが、本明細書では、前者を「減尺休風操作」と称し、後者を単に「減尺休風」と称する。
なお、「休風」とは、送風を停止して一時的に高炉操業を停止させることを意味し、装入物の減尺を伴わない休風も含まれる。本発明においては、冷却装置の取り替え補修等のために必要な所定位置まで減尺した後に高炉操業を停止させることを、広義の「休風」と区別するために「減尺休風」と称する。冷却装置の取り替え補修と後述する補修完了後に行う炉内への装入物の装入・充填は、高炉の減尺休風中に実施される。
補修完了後は炉頂より装入物を炉内に装入していく。この操作を「減尺埋め戻し」と称する。減尺埋め戻しの際には、まず還元材でありスペーサーであるコークスのみを所定高さまで装入し、その後コークスと鉄源の鉄鉱石とを交互に装入してストックライン近傍まで充填し、減尺埋め戻しが完了する。
減尺埋め戻し完了後、羽口より送風を開始することにより減尺休風が完了するとともに、炉内の装入物の昇温及び還元を促進し、炉内に溶銑及びスラグを生成する。なお、本発明では、減尺埋め戻し完了後の送風開始を「立上」と称する。また、立上以降、減尺開始前の通常操業状態に復帰するまでの期間を「立上期」と称する。
立上期には、溶銑の液滴下によって炉床部の温度上昇を促進していく。しかしながら、立上の前段階では補修のために長時間休風しており炉内の冷却が進行しているので、立上期に炉床部の温度低下を招くことがある。
高炉の通常操業時には溶銑の液滴下や出銑により溶銑滓が移動することによって炉床部の温度は十分に高く保持されている。一方、炉床部は高温還元ガスが通過する部位ではないため、立上期には通常操業時に比較して温度が低い。よって、立上期を安定に推移して円滑に通常操業まで復帰させるためには、溶銑の液滴下によって炉床部の温度を上昇させることが重要である。
高炉操業においては、炉内温度が低下した場合にはコークス比を上昇させて熱補償を行い、炉内温度を再び適正な範囲に上昇させることが一般的である。しかしながら、炉内のコークス比を高くするとコークス由来のスラグが多くなるので、結果として多量のスラグが発生する。炉熱が低下した状態で多量のスラグが発生すると、炉内温度が低い炉壁側より徐々に凝固し、炉床部の通液性不良を生じて、安定な操業を阻害する可能性がある。したがって、炉内のコークス比を単純に高くすることは好ましくない。
また立上期には、それに先立つ休風時において炉内に存在する各種固気液物質の動きが停滞していること、炉内温度が低下していること等に起因して、上述した通液性不良だけでなく、炉内圧損上昇または荷下がりしない現象(以降、「棚吊り」と記載することがある。)が発生したり、通気性が悪化して大量の炉内ガスが急激に排出される現象(以降、「吹き抜け」と記載することがある。)が発生したり、高炉操業の不安定化を招く様々な現象を生じる虞がある。
特許文献1には、立上期の通気性高炉の不安定化改善に向けて、炉頂より装入するコークスを増大し、休風入り時の熱流比を高め、熱補償を行うことが開示されている。しかしながら、この方法を用いた場合は、上述したように立上期初期におけるスラグの生成量が多くなり、炉床部の通液性の悪化を招くおそれがある。したがって、抜本的な解決には転用しがたい。
また、特許文献2には高炉内の装入物堆積層の最上表面上に空隙確保材を装入することにより、休風後の立上期における送風圧力の上昇及び棚吊りの発生等の高炉操業の不安定化を減少する方法が開示されている。しかしながら、これはシャフト部での対策であるため、通気性改善には有効ではあるものの、溶銑の液滴下によって炉床部の温度上昇を促進することに関しては対策を講じておらず、炉床部の通液性の改善に対する解決とはなりがたい。
特開平9−256011号公報 特開2005−023392号公報
上述したように従来の技術では、高炉の減尺休風後の立上期初期において、炉床部の通液性改善及び棚吊り防止による円滑な休風立上げ操業が困難であった。
そこで本発明は、減尺休風後の立上期初期における炉底早期着熱による炉床部の通液性改善及び高炉下部での溶銑の滴下促進による棚吊り防止を図ることで円滑な休風立上げ操業を実現することができる高炉の操業方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための本発明の要旨は以下のごとくである。
本発明は、高炉の減尺休風期間にコークス及び鉄鉱石を含む装入物を炉内に充填する減尺埋め戻しにおいて、羽口からストックラインまでの長さを1として羽口を0とした無次元高さ0.3以上0.4以下の高さまで、鉄鉱石を装入せずにコークスを装入する、コークス装入工程と、コークス装入工程の後、コークスと鉄鉱石とを交互に装入する、コークス及び鉄鉱石装入工程と、前記無次元高さ0.2以上0.4以下の範囲に、Fe含有量が90質量%以上である固体鉄を装入する、固体鉄装入工程と、を有し、固体鉄装入工程は、コークス装入工程中またはコークス装入工程後からコークス及び鉄鉱石装入工程前の間に行う、高炉の操業方法である。
本発明において「減尺休風期間」とは、冷却装置の取り替え補修等のために必要な所定位置まで減尺した後に送風を停止して一時的に高炉操業を停止させている期間を意味する。また、「減尺埋め戻し」とは、減尺した後に炉頂より装入物を炉内に装入していく操作を意味する。また、「ストックライン」とは、ベル式高炉では大ベルの開下端から1m下の水平面を意味し、ベルレス式高炉では分配シュートの最下端から0.5m下の水平面を意味する。
上記本発明の高炉の操業方法は、前記固体鉄が、炭素量4質量%以上6質量%以下、且つ粒径10mm以上100mm以下の銑鉄と、長径/短径比が1.0以上1.5以下、且つ空隙比が0.40以上0.80以下の多孔体と、を含むことが好ましい。
本発明によれば、減尺休風後の立上期初期における炉底早期着熱による炉床部の通液性改善及び高炉下部での溶銑の滴下促進による棚吊り防止を図ることで円滑な休風立上げ操業を実現することができる高炉の操業方法を提供することができる。
円滑な立上げ操業を実現して高炉操業の不安定化を防ぐことは、立上期における操業調整のための休風を防ぎ、その結果、休風による生産量の低下を最小限に抑えることに結び付く。
高炉炉体の鉛直断面の模式図である。 炉内に装入した型銑(銑鉄)及びパイプ(多孔体)の写真である。 減尺休風後の立上期における各パラメータの推移を示す図である。
立上期における円滑な運転のために、発明者らは減尺埋め戻しの方法に関して以下の知見を得た。
立上期には、溶銑の液滴下を促進するために、減尺埋め戻しの際に高炉の下部にコークスのみを配置し、その上方にコークスと鉄鉱石とを交互に層状に配置するという従来の方法に加えて、スラグを生成しにくい鉄源を所定位置に配置しておくことがよい。立上期初期に、当該鉄源が溶銑として炉下部に滴下するので、立上期の円滑な運転に資することができる。
スラグを生成しにくい鉄源としては、Fe含有量が90質量%以上である固体鉄(以下、単に「固体鉄」と記載することがある。)を用いる。Fe含有量が90質量%以上である固体鉄は、一般には金属鉄であるが、高炉下部に配置する鉄源であるので、Fe含有量が90質量%以上であれば、その一部が酸化しているものであっても問題は無い。
そして、上記固体鉄を配置する位置については、下記(1)、(2)の知見を得た。
(1)高炉下部の、鉄鉱石を装入せずにコークスを装入した部分または、その部分の直上が適する。
(2)配置した上記固体鉄の炉下部への滴下を有効に機能させるためには、鉄鉱石を装入せずにコークスを装入した部分の上端が、羽口からストックラインまでの長さ1とし、羽口を0、ストックラインを1とした無次元高さ0.3以上0.4以下が好ましい。
さらに、固体鉄としては、溶銑の生成を促進するための融点が低い材料と炉下部の通気性を改善するために空隙率の大きい多孔体を併用することが好ましいとの知見を得た。
溶銑の生成を促進するための融点が低い材料としては、銑鉄や鋳物が該当する。炭素量4質量%以上6質量%以下であれば、融点は1200℃程度であり、立上期のように高炉内の温度が低い状況で有っても、十分に溶融して溶銑の生成を促進することができる。形状としては、高炉内に装入することから、搬送等を円滑に行えることを考慮し、粒径10mm以上100mm以下であることが好ましい。このような形状の固体鉄は、例えば、型銑として調達することが可能である。
鉄源として用いるFe含有量が90質量%以上である固体鉄のうち、上記融点が低い材料が占める割合は、30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
炉下部の通気性を改善するために用いる空隙率の大きい多孔体としては、例えば鋼管を10mm以上100mm以下程度に切断したものが好ましい。鋼管は中空であり、炉下部の通気性を改善するための十分な空隙を有している。当該多孔体の長径/短径比は1.0以上1.5以下であることが好ましい。長径=短径でも特段の問題は無いため、長径/短径比の下限は1とした。一方、長径/短径比の上限については、1.5以下とすることによって、搬送時の引っかかりや傾きなどにより円滑性が損なわれることを抑制できる。
本発明は上述した知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明の高炉の操業方法は、高炉の減尺休風期間にコークス及び鉄鉱石を含む装入物を炉内に充填する減尺埋め戻しにおいて、羽口からストックラインまでの長さを1として羽口を0とした無次元高さ0.3以上0.4以下の高さまで、鉄鉱石を装入せずにコークスを装入する、コークス装入工程と、コークス装入工程の後、コークスと鉄鉱石とを交互に装入する、コークス及び鉄鉱石装入工程と、無次元高さ0.2以上0.4以下の範囲に、Fe含有量が90質量%以上である固体鉄を装入する、固体鉄装入工程と、を有しており、固体鉄装入工程は、コークス装入工程中またはコークス装入工程後からコークス及び鉄鉱石装入工程前の間に行うことを特徴とする。また、上記固体鉄は、炭素量4質量%以上6質量%以下、且つ粒径10mm以上100mm以下の銑鉄と、長径/短径比が1.0以上1.5以下、且つ空隙比が0.40以上0.80以下の多孔体と、を含むことが好ましい。
コークス装入工程とコークス及び鉄鉱石装入工程とは、従来の高炉の操業方法と同様に行うことができる。本発明によれば、固体鉄装入工程において、スラグを生成しにくい鉄源(Fe含有量が90質量%以上である固体鉄)を所定の位置に配置することによって、スラグ量の生成量が低下するので炉下部において通液性が改善される。また、被還元性が良く融点の低い銑鉄(例えば、型銑)を使用することによって、立上期に早期還元による炉床温度の上昇効果が生まれる。さらに嵩比重の低い多孔体(例えば、パイプ)を使用することで炉下部の通気性を改善することができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明し、その効果を述べる。
減尺埋め戻し時、最初はコークスのみを装入して、高炉の下部にはコークスのみの層を形成する。また、上述したように、送風を再開した立上期初期においてスラグが多量となることを避けるため、固体鉄(例えば、上述した型銑およびパイプ)を装入する。この固体鉄の装入位置について、高炉高さ方向の適正位置をモデル計算より算出した。
モデル計算に使用する反応解析シミュレーターは、高炉内の充填層(装入物が充填された部分)のガス流れ及び還元反応、ソリューションロス反応、伝熱挙動を解析する機能を有するものであり、ブランク(コークスを含み、鉄鉱石は含まないが固体鉄は含む場合がある層)、コークス/鉄鉱石層(コークスと鉄鉱石とを交互に装入した層)及び固体鉄の、実炉における高さ方向の位置を具体的に設定した上で、反応に伴う熱の発生及び移動を考慮して、高炉内の挙動を解析する、化学工学的な汎用解析手法である。
表1にモデル計算の結果及び評価を示した。表1に示している「ブランク高さ」とは、ブランクの上端(表面)の高さを無次元高さ(羽口からストックラインまでの長さを1として羽口を0とした無次元高さ)で示したものである。「固体鉄装入位置」とは、固体鉄を装入した位置の平均高さを無次元高さ(羽口からストックラインまでの長さを1として羽口を0とした無次元高さ)で示したものである。「固体鉄の平均融点」とは、下記式で計算された平均温度Tである。
=(ΣT×M)/M
(ただし、Tはある固体鉄iの融点、Mはある固体鉄iの質量、Mは装入した固体鉄の総質量である。)
また、「炉底着熱指数」とは、送風開始して立上期となった以後で、銑鉄生成速度が1t/hrに到着するまでに必要な時間について、各ケースの時間で、基準となる従来実績(固体鉄を配置しない方法)の時間を割った値を示している。炉底着熱指数の値が大きければ、従来実績に比べて銑鉄生成速度が速く、炉下部の通液性を確保しやすくなる。「評価」とは、炉底着熱指数が2.00以上のものを「◎」、1.75より大きく2.00未満のものを「○」、1.00より大きく1.75未満のものを△、1.00未満のものを×としている。
表1に示したCase(a)〜(c)はブランク高さ以外の条件は同一にしてシミュレーションした結果である。Case(a)〜(c)の中ではCase(b)の炉底着熱指数が最も高かった。この結果から、ブランクの高さは、羽口からの無次元高さで0.3以上0.4以下程度の位置が好ましいと考えられる。
次に、固体鉄の最適な配置位置について検討した。Case(d)〜(f)は、固体鉄の配置位置以外の条件は同一にしてシミュレーションした結果である。Case(f)のように、ブランクの上部に固体鉄を置いた場合、最も炉底着熱指数が高くなった。この結果とブランク装入量とを合わせて検討した結果、ブランクの高さを羽口からの無次元高さで0.3以上0.4以下とし、ブランクの上部に固体鉄を装入することが好ましいと考えられる。
さらに、表1のCase(g)は、低融点の固体鉄を用いた場合である。Case(g)は、Case(f)に比べて炉底着熱指数が高くなった。この結果から、鉄鉱石などの鉄源に比べて低融点の固体鉄を装入することが好ましいと考えられる。
次に、Case(g)の条件で実際に減尺休風及び立上を行った。このとき用いた固体鉄の写真を図2に示した。固体鉄としては、融点が約1200℃、炭素含有量が4.6質量%、Fe含有量が95質量%以上で粒径が10mm以上100mm以下の型銑と、長径100mm、短径100mmであり、長径/短径比=1.0、嵩比重が2.5と低く、融点が約1400℃であるパイプと、を用いた。型銑は篩により、粒径10mm以上100mm以下の寸法を得たが、形状にばらつきがあることから、炉下部において溶融、滴下するまでの通気性確保の観点よりパイプの装入を試みた。装入時、型銑とパイプの装入割合は、型銑:パイプ=1:1となるようにした。このようにして減尺休風及び立上を行った結果(本発明例)と従来実績とを比較した結果を表2、図3に示した。
表2に示したように従来実績に比べて本発明例では、休風時間及び減尺操業時間は延長し、最終の装入物表面の羽口からの無次元高さも低かったことから、通常では炉床温度は低下する傾向にあると考えられる。しかしながら、本発明例では、立上期初期の溶銑温度は従来実績に比べて逆に200℃以上高くすることができた。また、図3から、本発明例によれば、棚吊り防止して増風が可能となり通気性改善を達成できること、炉熱を確保できることから早期にコークス比を下げられることがわかった。なお、図3の計画線は、従来実績を基に、シミュレーション・モデルにより再構成した理想的な従来実績である。
このように、本発明の高炉の操業方法によれば、減尺休風後の立上期初期における炉底早期着熱による炉床部の通液性改善及び高炉下部での溶銑の滴下促進による棚吊り防止を図ることで円滑な休風立上げ操業を実現することができるとわかった。
1 高炉炉体
2 高炉炉体の下部(炉下部)
3 羽口
4 出銑口
5 ストックライン

Claims (2)

  1. 高炉の減尺休風期間にコークス及び鉄鉱石を含む装入物を炉内に充填する減尺埋め戻しにおいて、
    羽口からストックラインまでの長さを1として前記羽口を0とした無次元高さ0.3以上0.4以下の高さまで、前記鉄鉱石を装入せずに前記コークスを装入する、コークス装入工程と、
    前記コークス装入工程の後、前記コークスと前記鉄鉱石とを交互に装入する、コークス及び鉄鉱石装入工程と、
    前記無次元高さ0.2以上0.4以下の範囲に、Fe含有量が90質量%以上である固体鉄を装入する、固体鉄装入工程と、を有し、
    前記固体鉄装入工程は、前記コークス装入工程中またはコークス装入工程後からコークス及び鉄鉱石装入工程前の間に行う、
    高炉の操業方法。
  2. 前記固体鉄が、炭素量4質量%以上6質量%以下、且つ粒径10mm以上100mm以下の銑鉄と、長径/短径比が1.0以上1.5以下、且つ空隙比が0.40以上0.80以下の多孔体と、を含む、請求項1に記載の高炉の操業方法。
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