JP2014046899A - 車両用樹脂部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】意匠面の見映えを維持しつつ、簡単な構造及び方法で、パネル本体及び補強リブ全体の薄肉化と高剛性化を実現できる車両用樹脂部品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】表面側に意匠面を有するパネル本体と、該パネル本体の裏面側に互いに交差しながら突設する補強リブA1〜A4とを備える車両用樹脂部品であって、補強リブは、互いに交差する内リブ2と、該内リブ2の外周側端部24と連結して内リブ2を囲う外リブ3とを有し、外リブ3のリブ高さを、内リブ2のリブ高さより低くする。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車の内外装部品に用いる車両用樹脂部品及びその製造方法に関する。
一般に、自動車の内外装部品(例えば、バンパーやクォータトリムなど)には、デザイン上の見映えを重視する意匠面を有するパネル本体と、パネル本体の剛性を確保するための補強リブとを備えている。また、自動車の内外装部品は、パネル本体と補強リブを一体的に成形するとともに、意匠面の自由度を高めるために、射出成形方法によって製造された車両用樹脂部品であることが多い。
この車両用樹脂部品には、近年の地球環境問題に対応するため、一層の薄肉化と高剛性化が求められている。
そのため、車両用樹脂部品の意匠面における見映えを確保しつつ、薄肉化と高剛性化を実現する技術が開発されている(例えば、特許文献1−3参照)。
特許文献1の技術は、軽量でかつ高い強度を発揮する自動車用ドアに関するものである。具体的には、ドア本体部の車外側部分を構成し、略全体がハニカム構造体により形成された第1ドア構成体と、ドア本体部の車内側部分を構成し、同じく略全体がハニカム構造体により形成された第2ドア構成体とを有するとともに、各ハニカム構造体が車内外から封止板部で封止され、封止板部の少なくとも1部で第1ドア構成体と第2ドア構成体とが接合されたことを特徴とする。ハニカム構造体が車内外から封止板部で封止されることによって、補強リブを閉断面として剛性向上を可能としている。
また、特許文献2の技術は、射出成形時において格子下流の平面部に発生しやすい、ウェルドラインやフローマーク等の成形不良を防止又は減少させる射出成形部品(カウルトップカバー)および射出成型金型に関するものである。具体的には、格子部を形成する横桟と縦桟の内、樹脂流れと並行に設けられた縦桟の幅を横桟の幅より狭くすることを特徴とする。縦桟の幅を横桟の幅より狭くすることによって、縦桟用キャビティ内に流れる溶融樹脂の流速を横桟用キャビティ内を流れる溶融樹脂の流速より遅くさせることができる。そのため、平板部用キャビティ内から縦桟用キャビティ内及び横桟用キャビティ内に向かって溶融樹脂が流れるやすくなるので、縦桟用キャビティ内及び横桟用キャビティ内から平板用キャビティ内に溶融樹脂が流出しにくくなる。その結果、格子部奥側で縦桟用キャビティ内から流出する溶融樹脂と平板部用キャビティを経由して流れてきた溶融樹脂とが合流することによるウェルドラインやフローマーク等の成形不良を防止又は減少させることができる。
また、特許文献3の技術は、固定型と可動型によって射出成形した成形品を、可動型に設けた押出しピンによって離型する方法であって、型開き前に押出しピンによって成形品を固定型キャビティ面に向けて圧接し、この圧接した状態を維持しながら、可動型から成形品を離型させる時の離型力が、固定型から成形品を離型させる時の離型力に一致する直前まで型開きする。そして、その後成形品を可動型に付着させた状態で型開きを完了させ、押出しピンによって成形品を可動型から離型させることを特徴とする。樹脂成形型における成形品の離型力を軽減することによって、離型速度を向上しつつ、離型時の押出しピンによる白化等を低減することができる。
特開2009−262916号公報 特開2008−213593号公報 特開平7−323445号公報
しかしながら、特許文献1−3には、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1の技術では、例えば、第1ドア構成体において、ハニカム構造体が車内外から封止板部で封止されているので、意匠面を有する車外側の封止板部(パネル本体に相当)とハニカム構造体の隔壁(補強リブに相当)と車内側の封止板部の内、少なくとも一つは別体として成形した上で、成形後に接合しなければならない。そのため、特許文献1の第1ドア構成体を製造するには、二つ以上の成形型と接合装置が必要となり、設備費や加工工数が増加する。また、ハニカム構造体を車内側から封止する封止板部の重量が増加して、軽量化の要請に十分こたえることができない。
また、特許文献2の技術では、格子部を形成するリブ(縦桟と横桟)の内、一方のリブ(縦桟)の肉厚より他方のリブ(横桟)の肉厚を厚くするので、他方のリブ(横桟)の肉厚を厚くする分だけ重量が増加して、軽量化の要請に十分こたえることができない。
また、特許文献3の技術では、可動型の近傍に可動型の型開きストロークを測定するための測定検出機構が設けられ、この測定検出機構によって可動型の型開きストロークを測定するとともに、この測定値に基づいて型締め用シリンダユニットの作動を制御するようにしている。また、押出し用ロッドの近傍に押出しピンの移動ストロークを測定するための他の測定検出機構が設けられ、この測定検出機構によって測定した測定値に基づいて押出し用シリンダユニットの作動を制御するようにしている。このように、複数の測定検出機構や制御装置が必要となり、射出成形装置の複雑化と高コスト化を招くことになる。
また、特許文献3の技術では、成形収縮によって可動型に貼り付いた成形品を押出しピンで押圧するので、成形品(パネル本体に相当)の肉厚を薄くすると、押圧力による変形や白化のおそれが増大する可能性は残ってしまう。そのため、パネル本体の更なる薄肉化には限界がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、意匠面の見映えを維持しつつ、簡単な構造及び方法で、パネル本体及び補強リブ全体の薄肉化と高剛性化を実現できる車両用樹脂部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用樹脂部品及びその製造方法は、次のような構成を有している。
(1)表面側に意匠面を有するパネル本体と、該パネル本体の裏面側に互いに交差しながら突設する補強リブとを備える車両用樹脂部品であって、
前記補強リブは、互いに交差する内リブと、該内リブの外周側端部と連結して前記内リブを囲う外リブとを有し、
前記外リブのリブ高さが、前記内リブのリブ高さより低いことを特徴とする。
本発明においては、補強リブは、互いに交差する内リブと、該内リブの外周側端部と連結して内リブを囲う外リブとを有し、外リブのリブ高さが、内リブのリブ高さより低いので、車両用樹脂部品を金型から取り出すとき、内リブより外リブをキャビティ内から早く離脱させることができる。そのため、補強リブの離型力を低減でき、離型に伴うパネル本体のヒケ変形を防止することができる。その結果、車両用樹脂部品において、パネル本体及び補強リブ全体の薄肉化と高剛性化を実現することができる。
また、本発明においては、補強リブを構成する内リブと外リブの内、外リブのリブ高さを、内リブのリブ高さより低くするという簡単な構造であるため、特許文献1の技術のように、二つ以上の成形型と接合装置とを必要とせず、設備費や加工工数が増加することもなく、ハニカム構造体を封止する封止板部による重量増加もない。
また、本発明においては、補強リブを構成する内リブと外リブの内、外リブのリブ高さを、内リブのリブ高さより低くすることによって、外リブ用キャビティ内には、内リブ用キャビティ内より早くに溶融樹脂が充填されて凝固される。そのため、溶融樹脂が、外リブ用キャビティ内からパネル本体用キャビティ内へ流れ出ることがない。したがって、外リブの外周側でパネル本体用キャビティを流れる溶融樹脂が、外リブ用キャビティ内から流出した溶融樹脂と合流することによって発生するウェルドラインやフローマーク等の成形不良を防止又は減少させることができる。よって、特許文献2の技術のように、平板部(パネル本体に相当)のウェルドラインやフローマーク等の成形不良を防止又は減少させるために、一方のリブ(縦桟)の肉厚より他方のリブ(横桟)の肉厚を厚くして、他方のリブ(横桟)の重量を増加させることもない。
(2)(1)に記載された車両用樹脂部品において、
前記内リブにおける外周側端部のリブ高さは、連結される前記外リブに向けて徐々に低くなることを特徴とする。
本発明においては、内リブにおける外周側端部のリブ高さは、連結される外リブに向けて徐々に低くなるので、車両用樹脂部品を金型から取り出すとき、内リブの外周側端部を外リブ側から徐々に離脱させることができる。そのため、内リブがキャビティ内へ食い付き状態にあっても、内リブの外周側端部を外リブ側から徐々に離脱させることによって、内リブの食い付き状態を容易に解除させることができる。したがって、離型に伴うパネル本体のヒケ変形を、一層容易に防止することができる。その結果、車両用樹脂部品において、パネル本体及び補強リブ全体の、より一層の薄肉化と高剛性化を実現することができる。
(3)(1)又は(2)に記載された車両用樹脂部品において、
前記内リブは、前記パネル本体の平坦部に設け、前記外リブは、前記パネル本体が平坦部から湾曲部に変化する境界近傍に沿って設けたことを特徴とする。
本発明においては、内リブは、パネル本体の平坦部に設け、外リブは、パネル本体が平坦部から湾曲部に変化する境界近傍に沿って設けたので、車両用樹脂部品において必要最小限の補強リブによってパネル本体の張り剛性を確保することができる。具体的には、パネル本体の平坦部については、パネル本体の張り剛性が低いので、リブ高さの高い内リブにて補強し、パネル本体が平坦部から湾曲部に変化する境界近傍については、パネル本体の張り剛性が高くなるので、リブ高さの低い外リブで補強すれば足りるのである。そのため、簡単な構造で、パネル本体の湾曲程度に応じて必要最小限の補強リブによって高剛性化を実現させることができる。
また、内リブにおける外周側端部のリブ高さを、連結される外リブに向けて徐々に低くすることによって、パネル本体全体の張り剛性が均一化されるため、離型時におけるパネル本体の局部的なヒケ変形を防止することができる。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載された車両用樹脂部品の製造方法であって、
前記外リブの外周側でパネル本体を押出す第1の押出し装置と、前記内リブを押出す第2の押出し装置とを備え、
前記第1の押出し装置は、前記第2の押出し装置より先行して前記車両用樹脂部品を離型させることを特徴とする。
本発明においては、外リブの外周側でパネル本体を押出す第1の押出し装置と、内リブを押出す第2の押出し装置とを備え、第1の押出し装置は、第2の押出し装置より先行して車両用樹脂部品を離型させるので、予め外リブのキャビティ内への食い付きを第1の押出し装置によって解除してから、内リブのキャビティ内への食い付きを第2の押出し装置によって解除することができる。そのため、第2の押出し装置の離型力を低減でき、離型に伴うパネル本体のヒケ変形を、容易に防止することができる。
ここで、第1の押出し装置におけるパネル本体の押出し当て部は、外リブの外周近傍における略全周を囲うように配置すると、好ましい。外リブのキャビティ内への食い付きを略均等に解除することができ、第2の押出し装置の離型力を一層低減でき、離型に伴うパネル本体のヒケ変形を、より一層容易に防止することができるからである。また、第2の押出し装置は、内リブの交差部又は内リブの交差部に形成された筒状部を押出すことが好ましい。内リブの交差部又は内リブの交差部に形成された筒状部を押出すことによって、押出し力を隣接する内リブに分散させてパネル本体に対する単位面積当たりの押出し力を低減することができる。そのため、離型に伴うパネル本体のヒケ変形を一層防止又は低減することができる。
(5)(4)に記載された車両用樹脂部品の製造方法において、
前記第1の押出し装置及び前記第2の押出し装置は、同一の駆動体によって駆動させることを特徴とする。
本発明においては、第1の押出し装置及び第2の押出し装置は、同一の駆動体によって駆動させるので、第1の押出し装置及び第2の押出し装置の押出しタイミングの差を一定に保つことができる。また、第1の押出し装置及び第2の押出し装置の駆動体が共通するため、押出し装置を全体として簡素化することもできる。例えば、第2の押出し装置における押出しピンを、駆動体の押出しピン当接部と離間させて、第2の押出し装置における押出しピンの押出しタイミングを、第1の押出し装置における押出し当て部の押出しタイミングより遅くさせることができる。
また、第2の押出し装置における押出しピンに連結する基台下端に第1傾斜ブロックを固定し、駆動体の上端で第1傾斜ブロックと所定の隙間をもって対向する位置に、第2傾斜ブロック(押出しピン当接部)を左右移動可能に設け、第1傾斜ブロックと第2傾斜ブロックとは、互いに傾斜面で離間していると好ましい。第2の押出し装置における押出しピンの押出しタイミングの微調整を、第2傾斜ブロックの左右位置調整によって容易に行うことができるからである。
本発明によれば、意匠面の見映えを維持しつつ、簡単な構造及び方法で、パネル本体及び補強リブ全体の薄肉化と高剛性化を実現できる車両用樹脂部品及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係る実施形態を適用する車両用樹脂部品を含む車両の斜視図である。 図1の車両用樹脂部品を射出成形した半完成品の斜視図である。 図2の補強リブにおける裏面斜視図である。 図3のB部詳細図である。 図3における内リブの斜視図である。 図3における内リブの交差部の斜視図である。 図3における内リブの交差部に形成する薄肉筒状体の斜視図である。 図3における内リブの一般部とパネル本体の断面図である。 本発明に係る実施形態を適用する車両用樹脂部品の射出成形装置の模式的断面図である。 図9におけるコア型の上面図(1部)である。 図9における内リブの押出しピンの部分斜視図である。 図9に示す射出成形装置における離型途中の模式的断面図である。 図9に示す射出成形装置における離型途中の模式的断面図である。 図9に示す射出成形装置における離型完了の模式的断面図である。
次に、本発明に係る実施形態である車両用樹脂部品及びその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
<車両用樹脂部品の構造>
まず、本発明に係る実施形態である車両用樹脂部品について、バンパーの例でその構造を説明する。図1に、本発明に係る実施形態を適用する車両用樹脂部品を含む車両の斜視図を示す。図2に、図1の車両用樹脂部品を射出成形した半完成品の斜視図を示す。
図1、2に示すように、太線で囲まれた斜線で示す車両用樹脂部品(バンパー)10は左右両端が車両側面方向に湾曲した略コ字状の形状をなしている。車両用樹脂部品(バンパー)10の上端16には、ラジエターグリルやヘッドライト、フェンダ等との見切り部が形成されている。また、車両用樹脂部品(バンパー)10のパネル本体1には、ナンバープレート取付座(中央付近)やフォグランプ取付穴(両サイド)が形成されている。これら他部品の取付座、取付穴を除く、車両外方に沿う外形面(パネル本体の表面側11)が意匠面となり、外観品質(見映え)を重視して成形されている。意匠面の中で、断面曲率が小さく張り剛性が低い箇所である平坦部の裏面側12には、仮想線で囲まれたドットで示す範囲に、補強リブA1、A2、A3、A4が形成されている。補強リブA1、A2、A3、A4の外縁は、パネル本体1が平坦部から湾曲部に変化する境界近傍に沿って略矩形状に形成されている。車両用樹脂部品(バンパー)10に用いられる樹脂材料には、射出成形性およびコストの点を考慮して、ポリプロピレン樹脂材料が用いられている。また、剛性や耐衝撃性の要求に合わせて、ポリプロピレン樹脂材料にタルク等のフィラーやエラストマーが添加されることがある。また、樹脂材料には、ガラス繊維や炭素繊維を含有するものや、再処理材を含むものでもよい。
図2に示すように、意匠面の見映えや、部品板厚の薄肉化及び部品全体の高剛性化等を確保し、フローマーク等の成形不良を防止するため、射出成形時における樹脂流動性を高めるべく、例えば、複数の樹脂注入部R1〜R6をパネル本体の上端16、下端14やフォグランプ取付穴15等に設けている。そして、樹脂注入部R1〜R6は、射出成形後に除去する。
また、パネル本体1において、ナンバープレート取付座の左右端から車両側面方向に湾曲するまでの平坦部と車両側面の平坦部は、特に断面曲率の小さく張り剛性が低い箇所であるので、それら平坦部の裏面側12には、以下に説明する複数個の補強リブA1、A2、A3、A4が形成されている。
<補強リブの構造>
次に、パネル本体1の裏面側12に突設されている補強リブA1、A2、A3、A4の構造を説明する。図3に、図2の補強リブにおける裏面斜視図を示す。図4に、図3のB部詳細図を示す。図5に、図3における内リブの斜視図を示す。図6に、図3における内リブの交差部の斜視図を示す。図7に、図3における内リブの交差部に形成する薄肉筒状体の斜視図を示す。図8に、図3における内リブの一般部とパネル本体の断面図を示す。
図3に示すように、パネル本体1の裏面側12には、互いに交差する内リブ2と、該内リブ2の外周側端部24と連結して内リブ2を囲う略矩形状の外リブ3とを有する補強リブA1、A2、A3、A4が突設されている。内リブ2は、一般部21と交差部22と筒状部23と外周側端部24とを備えている。内リブ2は、外リブ3の内周側において放射状に交差して複数のハニカム形状を構成している。内リブ2のハニカム形状は、パネル本体1の裏面側12に所定の範囲に亘って規則的に形成されている。一般部21は、ハニカム形状を構成する基本リブである。交差部22は、隣接する3個の一般部21の交差する箇所で、一般部21よりリブ高さが低くなっている。筒状部23は、ハニカム形状の交差部22の内、所定の距離を隔てた位置に設けられた筒状体を有する交差部である。筒状部23には、後述する第1の押出し装置における押出しピンが当接する。そのため、筒状部23を設ける所定の距離は、押出しピンの押出し力によって、パネル本体1の表面側11に変形、白化等が生じない程度の長さに設定する。外周側端部24は、交差部22又は筒状部23と外リブ3とを連結するリブである。内リブ2及び外リブ3は、基端部がパネル本体1に接続され、先端部が開放されている。
図4に示すように、外周側端部24のリブ高さは、交差部22又は筒状部23から連結される外リブ3に向けて徐々に低くなるように形成されている。外周側端部24における外リブ3との連結点のリブ高さは、外リブ3のリブ高さH4と等しい。外リブ3のリブ高さH4は、一般部21のリブ高さH1の1/2以下とするのが、好ましい。例えば、一般部21のリブ高さH1を5mm程度とすると、外リブ3のリブ高さH4は、2mm程度が好ましい。このように、外リブ3のリブ高さH4を一般部21のリブ高さH1より低くすることによって、射出成形後の離型時における内リブ2のキャビティ内への食い付きを解除しやすくしている。また、外周側端部24のリブ高さを、交差部22又は筒状部23から連結される外リブ3に向けて徐々に低くなるように形成することによって、射出成形後の離型時に、外リブ3の外周側のパネル本体1が局部的に変形しにくくしている。ここでは、外リブ3は、直線状に形成されているが、必ずしも直線状に限らない。外リブ3は、パネル本体1が平坦部から湾曲部(稜線を含む)に変化する境界近傍に沿って設ければよく、階段状又は曲線状に形成してもかまわない。要するに、パネル本体1の平坦部については、張り剛性が低いので、リブ高さの高い内リブ2にて補強し、パネル本体1が平坦部から湾曲部(稜線を含む)に変化する境界近傍については、パネル本体1の張り剛性が高くなるので、リブ高さの低い外リブ3で補強すれば足りるのである。
図5に示すように、内リブ2が交差する交差部22、筒状部23には撓み部C、Dが形成されている。撓み部Cの箇所では、3本の内リブ2の一般部21がリブ高さを低くした一箇所で交差して、交差部22を形成している。また、撓み部Dの箇所では、3本の内リブ2の一般部21がリブ高さを低くした薄肉筒状体22Bと交差して、筒状部23を形成している。したがって、パネル本体の裏面側12には、内リブ2の一般部21が直接的に交差する交差部22に形成された撓み部C、又は内リブ2の一般部21が薄肉筒状体22Bと交差する箇所に形成された撓み部Dを介して閉鎖するループ形状(ここでは、ハニカム形状)が形成されている。内リブ2が交差する交差部22、筒状部23に撓み部C、Dを形成することによって、パネル本体1のある一か所に作用する荷重を周辺の内リブ2を通じて補強リブ全体に分散させることができる。そのため、パネル本体1及び補強リブの薄肉化と高剛性化を同時に達成することができる。さらに、内リブ2が交差する交差部22、筒状部23に撓み部C、Dを形成することによって、離型時のパネル本体1に作用する食い付き力を、補強リブ全体に分散させることもできる。したがって、離型時におけるパネル本体のヒケ変形を有効に防止することができる。
図6に示すように、交差部22における壁部222のリブ高さH2は、一般部21における壁部213のリブ高さH1よりも低い。そのため、内リブ2には、一般部21の先端部211から交差部22の先端部221に向かって傾斜する傾斜部212が形成されている。そして、交差部22の先端部221を中心にして3方向へ延びる傾斜部212が形成されることによって、内リブ2の一般部21と交差部22の間には、切欠き形状が構成されている。この切欠き形状が、弾性変形可能な撓み部Cとなっている。部品強度基準で設定した負荷条件において、切欠き形状に応力集中し過ぎて撓み部Cが塑性変形しない程度に、傾斜部212の長さj1及び切欠き深さ(H1−H2)を設定する。例えば、傾斜部212の長さj1は、切欠き深さ(H1−H2)に対して略1.4倍以上の長さが好ましい。このときの内リブ2は、肉厚tが0.5mm程度で、先端部211のリブ高さH1が5.0mm程度である。なお、交差部22の肉厚は、一般部21の肉厚より厚くなるので、切欠き形状に応力集中しても、破断しにくい傾向にある。
図7に示すように、筒状部23では、内リブ2の一般部21は薄肉筒状体22Bに接続されている。薄肉筒状体22Bの先端部221Bは、開放されている。また、薄肉筒状体22Bの内周側の中空部223Bは、パネル本体1の裏面側12まで到達している。薄肉筒状体22Bの肉厚qは、補強リブの一般部21の肉厚tより薄い。
また、薄肉筒状体22Bにおける先端部221Bのリブ高さH3は、一般部21における先端部211のリブ高さH1よりも低い。そのため、一般部21の先端部211から薄肉筒状体22Bの先端部221Bに向かって傾斜する傾斜部212Bが形成されている。そして、傾斜部212Bが薄肉筒状体22Bを中心にして3方向へ延びることによって、内リブ2の一般部21と薄肉筒状体22Bの間には、切欠き形状が構成されている。この切欠き形状が、弾性変形可能な撓み部Dとなっている。撓み部Dは、薄肉筒状体22Bの径方向への弾性変形及び傾斜部212Bの拡開による弾性変形によって、撓むことができる。部品強度基準で設定した負荷条件において、切欠き形状に応力集中し過ぎて撓み部Dが塑性変形しない程度に、薄肉筒状体22Bの肉厚q、傾斜部212Bの長さj2、及び切欠き深さ(H1−H3)を設定する。例えば、薄肉筒状体22Bの肉厚qは、内リブ2の一般部21の肉厚tの略1/2程度が好ましい。傾斜部212Bの長さj2は、切欠き深さ(H1−H3)に対して略1.2倍以上の長さが好ましい。このときの内リブ2は、肉厚tが0.5mm程度で、一般部21における先端部211のリブ高さH1が5.0mm程度である。
図8に示すように、パネル本体1の裏面側12には、内リブ2の一般部21における基端部214が繋がり、パネル本体1と内リブ2は一体的に成形されている。パネル本体1における本体部13の肉厚Tは、内リブ2の一般部21における壁部213の肉厚tの3倍以上が好ましい。射出成形時に、内リブ2の一般部21に対応するパネル本体1の表面側11にひけが生じにくくなるからである。本体部13の肉厚Tを薄くすると、パネル本体1の張り剛性が低下するので、内リブ2のリブ高さH1を高くする必要がある。
<射出成形装置の全体構造>
次に、本実施形態に係る車両用樹脂部品を製造する射出成形装置100の全体構造及びその機能を説明する。図9に、本発明に係る実施形態に適用する車両用樹脂部品の射出成形装置の模式的断面図を示す。図10に、図9におけるコア型の上面図(1部)を示す。図11に、図9における内リブの押出しピンの部分斜視図を示す。
図9に示すように、射出成形装置100には、キャビ型4、コア型5、補強リブ用キャビ型6、及び押出し装置7を備えている。ここで、押出し装置7は、第1押出し装置71と、第2押出し装置72と、それらに共通する駆動体74とを備えている。
キャビ型4は、車両用樹脂部品10のパネル本体表面側11のキャビティ41と冷却管42を備えている。コア型5は、車両用樹脂部品10のパネル本体裏面側12の成形面51と、冷却管52とを備えている。コア型5の上端には、凹部53が形成され、補強リブ用キャビ型6が入子されている。また、コア型5の上端には、補強リブ用キャビ型6の左右端に隣接して、第1押出し装置71の押出し当て部71Aが昇降可能に挿入されている。補強リブ用キャビ型6は、車両用樹脂部品10のパネル本体裏面側12の成形面61と、内リブ2の一般部21及び交差部22用のキャビティ62と、内リブ2の筒状部23用のキャビティ63と、外リブ3用のキャビティ64と、冷却管65とを備えている。補強リブ用キャビ型6には、筒状部23に対応する位置に第2押出し装置72の押出しピン72Aが昇降可能に挿入されている。コア型5の下端には、第2押出し装置72の昇降動作を可能とする逃げ部54が形成されている。第2押出し装置72は、押出しピン72Aを連結する基台72Bを備え、基台72Bの下端に第1傾斜ブロック72Cが固着されている。第1傾斜ブロック72Cの下端には、第1傾斜面72Dが形成されている。一方、第1押出し装置71の押出し当て部71Aの下方には、駆動体74と連結された脚部71Bが延設されている。駆動体74の上端には、第1傾斜ブロック72Cと対向して第2傾斜ブロック73が位置調整可能に締結されている。第2傾斜ブロック73の上端には、第1傾斜ブロック72Cの下端に形成された第1傾斜面72Dと所定の隙間を有する第2傾斜面が形成されている。所定の隙間は、第2傾斜ブロック73の左右位置を調整することにより変更することができる。
ここで、補強リブ用キャビ型6は、高強度合金鋼からなるキャビ型4及びコア型5に比較して熱伝導率が高く、被切削性の良い亜鉛合金鋳物製(例えば、ZAS(三井金属鉱業株式会社の商品名))にすると良い。亜鉛合金の組成は、例えば、Alが約4%、Cuが約3%、Mgが約0.05%、そして残部がZnである。熱伝導率は、通常の合金鋼に比べて、2.5〜4倍程度高くなる。補強リブ用キャビ型6の熱伝導率を高くすることで、補強リブの凝固タイミングを早めてパネル本体表面側のヒケを防止できる。また、補強リブ用キャビ型6を被切削性の良い亜鉛合金鋳物製とすることで、補強リブ用キャビティ溝の加工条件を向上して補強リブ(内リブ2及び外リブ3)の薄肉化を容易にできる。なお、リブ用キャビティには、テーパ状の抜き角(例えば、30分程度)が設けられている。
また、補強リブ用キャビ型6の冷却回路は、キャビ型4及びコア型5の冷却回路と独立して制御するのが好ましい。具体的には、補強リブ用キャビ型6の冷却温度を補強リブ(内リブ2及び外リブ3)の成形収縮量を抑制するように制御することによって、離型性を向上させることができる。例えば、離型時における、補強リブ側の温度をパネル本体側の温度より高くすることによって、補強リブ(内リブ2及び外リブ3)の成形収縮量をパネル本体1の成形収縮量に比較して相対的に低減させることができる。補強リブ(内リブ2及び外リブ3)とパネル本体1との成形収縮量に差を設けることによって、補強リブ(内リブ2及び外リブ3)の型喰い付きを低減して、離型性を向上させることができる。
図10に示すように、コア型5には、略矩形状の補強リブ用キャビ型6が挿入され、補強リブ用キャビ型6の外周近傍における略全周を囲うように、第1の押出し装置71における押出し当て部71A(71A1、71A2、71A3、71A4)が4分割されて配置されている。各押出し当て部71Aは、略L字形に形成され、対称に配置されている。また、図11に示すように、筒状部用のキャビティ63は、所定の間隔で千鳥状に配置されている。各筒状部用のキャビティ63の先端部には、筒状部を押出す第2押出し装置72の押出しピン72A(71A1、71A2、71A3、71A4、71A5、71A6、71A7)が当接している。ここで、第1の押出し装置71における押出し当て部71A(71A1、71A2、71A3、71A4)は、第2押出し装置72の押出しピン72A(71A1、71A2、71A3、71A4、71A5、71A6、71A7)より先行して上昇するので、外リブ3のキャビティ64内への食い付きを、先ず略均等に解除することができ、その後の第2の押出し装置72の離型力を低減できる。その結果、離型に伴うパネル本体1のヒケ変形を、容易に防止することができる。
<押出し装置の動作方法>
次に、車両用樹脂部品10を製造する射出成形装置100において、射出成型後にコア型5及び補強リブ用キャビ型6から離型する動作方法を説明する。図12及び図13に、図9に示す射出成形装置における離型途中の模式的断面図を示す。図14に、図9に示す射出成形装置における離型完了の模式的断面図を示す。
図12に示すように、車両用樹脂部品10を射出成形後に、車両用樹脂部品を射出成形装置100から取り出すためにキャビ型4とコア型5とを所定の間隔だけ離間させる。キャビ型4とコア型5とが離間した後に、押出し装置7における駆動体74を矢印S1の方向に上昇させる。駆動体74の上昇に伴い、第1の押出し装置71における押出し当て部71Aが上昇する。その時の上昇量は、外リブ3が外リブ用のキャビティ64から外れる程度である。この段階では、第2の押出し装置72は上昇しないので、内リブ2の一般部21、交差部22、及び筒状部23は、それぞれのキャビティ62、63内に嵌合されたままである。このとき、外リブ3の近傍において、パネル本体1には僅かに逆ぞり現象が生じる。
次に、図13に示すように、押出し装置7における駆動体74を、矢印S2の方向に更に上昇させる。第2の押出し装置72の基台72B下端に固着された第1傾斜ブロック72Cと、駆動体74の上端に締結された第2傾斜ブロック73とが、それぞれの傾斜面72D、73Aで当接すると、駆動体74の矢印S2の方向への上昇に伴い、第2の押出し装置72における押出しピン72Aが上昇する。第1の押出し装置71における押出し当て部71Aと第2の押出し装置72における押出しピン72Aとは、同期して上昇する。第2の押出し装置72における押出しピン72Aの上昇によって、パネル本体1と共に内リブ2の一般部21、交差部22、及び筒状部23が、キャビティ62、63内から押出される。このとき、第2の押出し装置72における押出しピン72Aによって、内リブ2の筒状部23を押出す押出し力は、予め外リブ3及びその外周側が外リブ用のキャビティ64及び成形面61から離型されているので、一度に押出す時より減少している。そのため、押出しに伴うパネル本体1のヒケ変形を防止又は減少させることができる。
次に、図14に示すように、押出し装置7における駆動体74を、矢印S3の方向に更に上昇させる。駆動体74の上昇に伴い、第1の押出し装置71における押出し当て部71Aと第2の押出し装置72における押出しピン72Aとは、同期して更に上昇する。その時の上昇量は、内リブ2の一般部21が各キャビティ62から外れる程度である。これによって、パネル本体1、内リブ2及び外リブ3は、それぞれのキャビティ62、63、64及び成形面61、51から離型される。上記押出し過程において、外リブ3の近傍において、パネル本体1には僅かに逆ぞり現象が生じるが、外リブ3の外周側近傍にパネル本体1の湾曲部(稜線を含む)があって張り剛性が高いので、離型後のパネル本体1には、逆ぞり現象は解消されてヒケ変形は残らない。
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本発明に係る実施形態である車両用樹脂部品によれば、補強リブA1、A2、A3、A4は、互いに交差する内リブ2と、該内リブ2の外周側端部24と連結して内リブ2を囲う外リブ3とを有し、外リブ3のリブ高さH4が、内リブ2のリブ高さH1より低いので、車両用樹脂部品10を金型から取り出すとき、内リブ2より外リブ3を外リブ用キャビティ64内から早く離脱させることができる。そのため、補強リブの離型力を低減でき、離型に伴うパネル本体1のヒケ変形を防止することができる。その結果、車両用樹脂部品10において、パネル本体1及び補強リブA1、A2、A3、A4全体の薄肉化と高剛性化を実現することができる。
また、本実施形態によれば、補強リブA1、A2、A3、A4を構成する内リブ2と外リブ3の内、外リブ3のリブ高さH4を、内リブ2のリブ高さH1より低くするという簡単な構造であるため、特許文献1の技術のように、二つ以上の成形型と接合装置とを必要とせず、設備費や加工工数が増加することもなく、ハニカム構造体を封止する封止板部による重量増加もない。
また、本実施形態によれば、補強リブA1、A2、A3、A4を構成する内リブ2と外リブ3の内、外リブ3のリブ高さH4を、内リブ2のリブ高さH1より低くすることによって、外リブ用キャビティ64内には、内リブ用キャビティ62内より早くに溶融樹脂が充填されて凝固される。そのため、溶融樹脂が、外リブ用キャビティ64内からパネル本体用キャビティ41内へ流れ出ることがない。したがって、外リブ3の外周側でパネル本体用キャビティ41を流れる溶融樹脂が、外リブ用キャビティ64内から流出した溶融樹脂と合流することによって発生するウェルドラインやフローマーク等の成形不良を防止又は減少させることができる。よって、特許文献2の技術のように、平板部(パネル本体に相当)のウェルドラインやフローマーク等の成形不良を防止又は減少させるために、一方のリブ(縦桟)の肉厚より他方のリブ(横桟)の肉厚を厚くして、他方のリブ(横桟)の重量を増加させることもない。
また、本実施形態によれば、内リブ2における外周側端部24のリブ高さは、連結される外リブ3に向けて徐々に低くなるので、車両用樹脂部品10を金型から取り出すとき、内リブ2の外周側端部24を外リブ3側から徐々に離脱させることができる。そのため、内リブ2がキャビティ62内へ食い付き状態にあっても、内リブ2の外周側端部24を外リブ3側から徐々に離脱させることによって、内リブ2の食い付き状態を容易に解除させることができる。したがって、離型に伴うパネル本体1のヒケ変形を、一層容易に防止することができる。その結果、車両用樹脂部品10において、パネル本体1及び補強リブA1、A2、A3、A4全体の、より一層の薄肉化と高剛性化を実現することができる。
また、本実施形態によれば、内リブ2は、パネル本体1の平坦部に設け、外リブ3は、パネル本体1が平坦部から湾曲部に変化する境界近傍に沿って設けたので、車両用樹脂部品10において必要最小限の補強リブによってパネル本体1の張り剛性を確保することができる。具体的には、パネル本体1の平坦部については、パネル本体1の張り剛性が低いので、リブ高さH1の高い内リブ2にて補強し、パネル本体1が平坦部から湾曲部に変化する境界近傍については、パネル本体1の張り剛性が高くなるので、リブ高さH4の低い外リブ3で補強すれば足りるのである。そのため、簡単な構造で、パネル本体の湾曲程度に応じて必要最小限の補強リブによって高剛性化を実現させることができる。
また、内リブ2における外周側端部24のリブ高さを、連結される外リブ3に向けて徐々に低くすることによって、パネル本体1全体の張り剛性が均一化されるため、離型時におけるパネル本体1の局部的なヒケ変形を防止することができる。
また、他の実施形態である車両用樹脂部品10の製造方法によれば、外リブ3の外周側でパネル本体1を押出す第1の押出し装置71と、内リブ2の筒状部23を押出す第2の押出し装置72とを備え、第1の押出し装置71は、第2の押出し装置72より先行して車両用樹脂部品10を離型させるので、予め外リブ3のキャビティ64内への食い付きを第1の押出し装置71によって解除してから、内リブ2のキャビティ62内への食い付きを第2の押出し装置72によって解除することができる。また、内リブ2の交差部に形成された筒状部23を押出すことによって、押出し力を隣接する内リブ2に分散させてパネル本体1に対する単位面積当たりの押出し力を低減することができる。そのため、離型に伴うパネル本体1のヒケ変形を一層防止又は低減することができる。そのため、第2の押出し装置72の離型力を低減でき、離型に伴うパネル本体1のヒケ変形を、容易に防止することができる。また、第1の押出し装置71におけるパネル本体1の押出し当て部71Aは、外リブ3の外周近傍における略全周を囲うように配置しているので、外リブ3のキャビティ64内への食い付きを略均等に解除することができ、第2の押出し装置72の離型力を一層低減でき、離型に伴うパネル本体1のヒケ変形を、より一層容易に防止することができる。
また、他の実施形態によれば、第1の押出し装置71及び第2の押出し装置72は、同一の駆動体74によって駆動させるので、第1の押出し装置71及び第2の押出し装置72の押出しタイミングの差を一定に保つことができる。また、第1の押出し装置71及び第2の押出し装置72の駆動体74が共通するため、押出し装置7を全体として簡素化することもできる。例えば、第2の押出し装置72における押出しピン72Aを、駆動体74の押出しピン当接部と離間させて、第2の押出し装置72における押出しピン72Aの押出しタイミングを、第1の押出し装置71における押出し当て部71Aの押出しタイミングより遅くさせることができる。
また、第2の押出し装置72における押出しピン72Aに連結する基台72B下端に第1傾斜ブロック72Cを固定し、駆動体74の上端で第1傾斜ブロック72Cと所定の隙間をもって対向する位置に、第2傾斜ブロック73(押出しピン当接部)を移動可能に設け、第1傾斜ブロック72Cと第2傾斜ブロック73とは、互いに傾斜面72D、73Aで離間しているので、第2の押出し装置72における押出しピン72Aの押出しタイミングの微調整を、第2傾斜ブロック73の左右位置調整によって容易に行うことができる。
上述した実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で変更することができる。
上記実施形態では、車両用樹脂部品をバンパーに適用したが、これに限ることはない。例えば、外装部品であるフェンダーパネルや内装部品であるクォータトリム等の各種樹脂部品に適用することができる。
また、上記実施形態では、第2の押出し装置の押出しピンを内リブの筒状部に当接するように設けたが、これに限ることはない。例えば、内リブの交差部や一般部に当接するように設けてもよい。
本発明は、特に自動車の内外装部品に用いる車両用樹脂部品及びその製造方法として利用できる。
1 パネル本体
2 内リブ
3 外リブ
4 キャビ型
5 コア型
6 補強リブ用キャビ型
7 押出し装置
10 車両用樹脂部品
11 パネル本体の表面側
12 パネル本体の裏面側
21 内リブの一般部
22 内リブの交差部
23 内リブの筒状部
24 内リブの外周側端部
71 第1の押出し装置
72 第2の押出し装置
74 駆動体
100 射出成型装置
A1〜A4 補強リブ

Claims (5)

  1. 表面側に意匠面を有するパネル本体と、該パネル本体の裏面側に互いに交差しながら突設する補強リブとを備える車両用樹脂部品であって、
    前記補強リブは、互いに交差する内リブと、該内リブの外周側端部と連結して前記内リブを囲う外リブとを有し、
    前記外リブのリブ高さが、前記内リブのリブ高さより低いことを特徴とする車両用樹脂部品。
  2. 請求項1に記載された車両用樹脂部品において、
    前記内リブにおける外周側端部のリブ高さは、連結される前記外リブに向けて徐々に低くなることを特徴とする車両用樹脂部品。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された車両用樹脂部品において、
    前記内リブは、前記パネル本体の平坦部に設け、前記外リブは、前記パネル本体が平坦部から湾曲部に変化する境界近傍に沿って設けたことを特徴とする車両用樹脂部品。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された車両用樹脂部品の製造方法であって、
    前記外リブの外周側でパネル本体を押出す第1の押出し装置と、前記内リブを押出す第2の押出し装置とを備え、
    前記第1の押出し装置は、前記第2の押出し装置より先行して前記車両用樹脂部品を離型させることを特徴とする車両用樹脂部品の製造方法。
  5. 請求項4に記載された車両用樹脂部品の製造方法において、
    前記第1の押出し装置及び前記第2の押出し装置は、同一の駆動体によって駆動させることを特徴とする車両用樹脂部品の製造方法。

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