JP4441520B2 - 厚肉樹脂成形品の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

厚肉樹脂成形品の製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、厚肉樹脂成形品の製造方法及びその製造装置に関するものである。
「RV車」と称される車高の高い車両では、通常のドアミラーのみでは、運転中の運転者(即ち、運転席に着席した状態の運転者)から周囲の視認がしにくくなる場合がある。特に、助手席側のタイヤ付近を視認することが困難であり、そのまま走行すると、歩行者(特に幼児)の巻き込み事故を起こすおそれがある。これを防止するため、ドアミラーの下方や助手席側のフェンダーの部分にサイドミラーが取り付けられている。
しかし、上記したサイドミラーは、車両の美観を損なうと共に、走行中の風切り音を発生し易くしてしまう。このため、ドアミラーに一体に取り付けた補助ミラーが公知である。上記した補助ミラーとして、ある種のレンズ状成形体を使用することが想定される。即ち、車両の助手席側に取り付けられるドアミラーの下部に、透明部材より成り、光を屈折可能なレンズ部品を組み込んだ補助ミラーを取り付ける。運転者は、運転席に着席したまま、ドアミラーにおける補助ミラーの部分を視認することにより、助手席側の下方領域120の状況を確認することができる(図3参照)。
しかし、上記したレンズ状成形体のように、厚肉部と薄肉部とを有する部品を射出成形によって成形する場合、射出された溶融樹脂は薄肉部から固化され、厚肉部は遅れて固化される。このため、固化された厚肉部に、「ひけ」と称される窪みが形成されてしまう。ひけの原因として、溶融樹脂の比容積の大小や溶融樹脂のバックフロー(射出された溶融樹脂が逆流する現象)も想定される。
上記した不具合を解消するため、例えば特許文献1に開示される射出成形方法が存している。しかし、この技術では、圧縮ばねの弾性復元力により、減少した体積分の溶湯(溶融樹脂)を補充する形態であるため、微小な圧力変化に対応できないという不具合がある。特に、厚肉で、かつその厚みが一様でない成形品の場合、いずれの部分が最初に固化されるのかを特定することが困難であるため、圧縮ばねが作動しないおそれがある。
特開2003−88945号公報
本発明は、上記した不具合に鑑み、厚肉樹脂成形品にひけが生じないようにすることを課題としている。
課題を解決するための手段及び効果
上記課題を解決するための本発明は、
型締めされた成形型のキャビティに、射出ヘッドから成形型のスプール、ランナ及びゲートを経て溶融樹脂を射出する溶融樹脂射出工程と、
そのキャビティ内に射出された溶融樹脂を所定の圧力に保持する自己保持工程と、
前記ランナの端部に摺動可能に嵌合するように圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャが配置され、前記成形型のキャビティに充填された溶融樹脂が固化する前に、前記成形型のランナ及びゲートに滞留している非固化樹脂を、圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャの移動により該ランナの軸線と同軸で、かつ前記成形型のパーティングラインに沿うように、キャビティ側へ押し込むことにより、前記キャビティ内の非固化樹脂に対して2次圧力を加える2次圧付与工程と、
その2次圧力を付与した後に前記キャビティ内の樹脂を固化させる固化工程とを含み、
前記成形型のスプールは、前記ランナの端部近傍に対して所定の角度で接続するように連通しており、前記圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャは、前記2次圧付与工程において、それらスプールとランナとの接続部の手前からその接続部の近傍位置まで又はその接続部を通過する位置まで押し込まれることを特徴としている。
本発明に係る厚肉樹脂成形品の製造方法では、射出ヘッドからスプール、ランナ及びゲートを経てキャビティに射出された溶融樹脂が固化される前に、スプール、ランナ及びゲートのいずれかに滞留する溶融樹脂が圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャにより押し込まれることにより、キャビティ内の非固化溶融樹脂に2次圧力が付与される。これにより、厚肉樹脂成形品が冷却される際に、キャビティ内の溶融樹脂の容積が減少しても、減少した分の溶融樹脂が補充されるため、ひけが生じにくくなる。
請求項2の発明は、請求項1の発明を前提として、
前記圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャは、その先端部に形成された圧縮中子を介して前記ランナ及びゲートに滞留している非固化樹脂を前記キャビティ側へ押し込むとともに、前記圧縮中子は、前記ランナの断面積より小さい断面積のもので、該圧縮中子が該ランナ内の非固化樹脂中に該ランナの内面との隙間を介して該非固化樹脂中に入り込むことにより、前記2次圧が付与されることを特徴としている。
請求項2の発明では、スプール、ランナ及びゲートのいずれかに非固化状態で滞留する溶融樹脂を、ゲートを介して確実にキャビティ内に押し込むことができるため、非固化状態の溶融樹脂を押し込む効率が良好である。
請求項3の発明は、請求項の発明を前提として、
前記圧縮中子の軸線方向の横断面形状は、前記ランナの横断面形状より小さい相似形状であることを特徴としている。
請求項の発明は、
型締めされた状態で厚肉樹脂成形品を射出成形するためのキャビティ、そのキャビティにゲートを介して溶融樹脂を導くランナ、射出される溶融樹脂を前記ランナに導くように該ランナと所定の角度で交差して接続するスプールが形成される成形型と、
その成形型のキャビティにランナを通じて溶融樹脂を射出する射出装置と、
そのキャビティに射出された後の溶融樹脂を所定の圧力に保持する自己保持装置と、
前記ランナの端部に摺動可能に嵌合するように圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャが配置され、前記自己保持装置により前記溶融樹脂が所定の圧力に保持された後において前記成形型のキャビティ内の溶融樹脂及び前記ランナに滞留する溶融樹脂が固化する前に、前記成形型のランナに滞留している非固化樹脂を、圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャの移動により該ランナの軸線と同軸で、かつ前記成形型のパーティングラインに沿うように前記キャビティ側に押し込むことにより前記キャビティ内の非固化樹脂に対して2次圧力を加える2次圧付与装置とを含み、
前記成形型のスプールは、前記ランナの端部近傍に対して所定の角度で接続するように連通しており、前記キャビティ内の非固化樹脂に前記2次圧力を付与するために、前記圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャが、それらスプールとランナとの接続部の手前からその接続部の近傍位置まで又はその接続部を通過する位置まで押し込まれるように、前記圧縮アクチュエータの作動を制御する制御手段を備えることを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1の発明を装置の観点からみたものであり、請求項1の発明と同様な作用効果が奏される。
本発明の実施例を説明する。本明細書では、厚肉樹脂成形品の一例として、ドアミラー100に組み込まれる補助ミラー110の製造方法及び製造装置について説明する。図1は、補助ミラー110が組み込まれたドアミラー100の正面図、図2は同じく底面図である。
最初に、ドアミラー100について説明する。図1及び図2に示されるように、ドアミラー100は、ハウジング1に組み込まれたミラー本体2と、その下方部分に配置される補助ミラー110とを備えている。この補助ミラー110は、透明なアクリル樹脂材より成り、光を屈折可能なレンズ部品(図示せず)を鋳ぐるんだレンズ状成形体であり、レンズ面である結像面3と入射面4とを備えている。図3に示されるように、車両5の助手席側の四角部分(下方領域120)は、入射面4からレンズ部品を介して屈折し、結像面3に映し出される。運転席に着席した運転者は、結像面3を視認することにより、車両の助手席側の下方領域120の状況を確認することができるため、歩行者(特に、幼児)の巻き込み防止が図られる。なお、図1において、6は、補助ミラー110をハウジング1に固定するための補助ミラー取付部であり、7は、ドアミラー100を車体(図示せず)に支持するための支持部材である。
次に、射出成形装置160について説明する。本発明の実施例の射出成形装置160は、図4に示されるように、成形型130(可動型8と固定型9)と、成形型130のキャビティ11に溶融樹脂140を射出するための射出装置170と、キャビティ11に射出された溶融樹脂140を所定の圧力に保持するための自己保持装置180(図7参照)と、成形型130のキャビティ11に射出された溶融樹脂140が固化する前に、その非固化状態の溶融樹脂140をキャビティ11に向かって押し込むための2次圧付与装置150とを備えている。
次に、成形型130について説明する。図4及び図5に示されるように、本実施例の補助ミラー110の成形型130は、可動型8と固定型9とを備えていて、固定型9に補助ミラー110の形状に対応するキャビティ11が形成されている。固定型9において、射出装置170の射出ヘッド13が接続される部分には、スプールブッシュ14が取り付けられていて、その内側部分には、射出された溶融樹脂140の経路となるスプール15が、円錐形状にして設けられている。そして、スプール15の軸線L1の延長線上で、油圧シリンダ12(後述)のロッド12aの軸線L2とが交差する部分には断面形状が台形のランナ16が設けられている。ランナ16の延長線上には、ランナ16の軸線L3(ランナ16の重心位置に配置される軸線)と同軸の軸線L4を有し、かつ断面形状がランナ16よりも少し小さな相似台形形状のゲート17が連続して設けられている。本実施例の成形型130の場合、ランナ16の軸線L3は、スプール15の軸線L1と直交していて、かつ油圧シリンダ12のロッドの軸線L2と同軸である。射出装置170の射出ヘッド13から射出された溶融樹脂140はスプール15を経てランナ16に入り、その流路を直角に曲げられて流れ、ゲート17を介してキャビティ11に流入される。なお、図4において、19は、コールドスラグウエルである。そして、スプール15及びコールドスラグウエル19とランナ16及びゲート17との接合部には、それらを補強するための各リブ21が形成される。
次に、2次圧付与装置150について説明する。本実施例の2次圧付与装置150は、可動型8と固定型9のいずれか一方(本実施例の場合、固定型9)に取り付けられた油圧シリンダ12である。油圧シリンダ12のロッド12aの先端部には、圧縮中子23が固着されている。圧縮中子23の断面形状は、ゲート17の断面形状と同一の台形形状である。また、圧縮中子23の軸線L5は、ランナ16及びゲート17の軸線L3,L4と同軸にして、その重心位置に配置されている。なお、図4において、22は、成形型130のパーティングラインである。
図4に示されるように、ゲート17におけるキャビティ11の入口部の近傍には、圧力センサ24が取り付けられている。圧力センサ24は、キャビティ11に充填された溶融樹脂140の圧力を計測するためのものであり、油圧シリンダ12のコントローラ25に接続されている。後述するように、キャビティ11に射出された溶融樹脂140が固化する前に、油圧シリンダ12が作動され、そのロッド12aが前進される。これにより、ランナ16及びゲート17に滞留している非固化状態(半流動状態)の溶融樹脂140がキャビティ11に向かって押し込まれる。圧力センサ24により、キャビティ11内の溶融樹脂140の樹脂圧が計測され、コントローラ25を介して油圧シリンダ12のロッド12aの前進量が決定される。
次に、自己保持装置180について説明する。図6の(a),(b)に示されるように、可動型8の正面部と背面部には、多数個の可動側保持ブロック体26が所定間隔をおいて取り付けられている。各可動側保持ブロック体26は、可動型8のパーティングライン22を超えて、固定型9の側に向かって突出されている。同様に、固定型9の正面部と背面部にも、多数個の固定側保持ブロック体27が所定間隔をおいて、可動型8の側に向かって突出されている。可動側及び固定側の各保持ブロック体26,27は、いずれも櫛歯状に設けられていて、可動型8と固定型9とが連結されたとき、各固定側保持ブロック体27は、各可動側保持ブロック体26どうしの間に嵌合される。可動側及び固定側の各保持ブロック体26,27には、それぞれ貫通穴26a,27bが設けられていて、可動型8と固定型9とが連結されたとき、各貫通穴26a,27bが合致する。この状態の各貫通穴26a,27bに固定ピン28が挿入されることにより、可動型8と固定型9とは分離不能に保持される。
本実施例の射出成形装置160の作用について説明する。図4に示されるように、可動型8と固定型9とが型閉じされ、固定型9のスプールブッシュ14に射出装置170の射出ヘッド13が接続される。射出ヘッド13から溶融樹脂140(本実施例の場合、透明なアクリル樹脂)が射出される(溶融樹脂射出工程)。溶融樹脂140は、スプールブッシュ14の軸線L1に沿ってスプール15を流れ、ランナ16に進入する。そして、ランナ16においてその流れの方向を直角に変化され、その軸線L3に沿って流れ、ゲート17を通ってキャビティ11に流入される。スプール15を流れた溶融樹脂140が、ランナ16でその流れ方向を直角に変化させられるとき、ランナ16には大きな力が作用する。ここで、スプール15とランナ16及びゲート17との接合部には各リブ21が設けられているため、スプール15とランナ16との直交性が維持される。本実施例の場合、溶融樹脂140の射出時間は、例えば60〜120秒である。
射出された溶融樹脂140がキャビティ11に充填されると、自己保持装置180によって自己保持される(自己保持工程)。本実施例の場合、溶融樹脂140の自己保持時間は、例えば20〜80秒である。
キャビティ11に充填された溶融樹脂140がそのまま冷却されることにより、厚肉の樹脂成形品(本実施例の場合、補助ミラー110)が成形される。しかし、補助ミラー110は厚肉部と薄肉部とを有していてそれらの冷却速度の差、或いは溶融樹脂140の比容積の大小等に起因する溶融樹脂140の容積の減少により、固化後の補助ミラー110の表面にひけが生じるおそれがある。このため、本実施例の射出成形装置160では、自己保持された後、非固化状態の溶融樹脂140に2次圧が付与される(2次圧付与工程)。この2次圧は、自己保持工程において付与される圧力よりも大きい。即ち、油圧シリンダ12が作動され、そのロッド12aが前進される。ロッド12aの先端部には、ランナ16の断面台形形状よりも少し小さな相似断面形状を有する圧縮中子23が固着されている。油圧シリンダ12のロッド12aの前進に伴い、圧縮中子24が前進させられる。これにより、ランナ16及びゲート17に非固化状態で滞留している溶融樹脂140が、それらの軸線L3,L4に沿ってキャビティ11の側に押し込まれる。この結果、キャビティ11に溶融樹脂140が補充され、成形後の補助ミラー110にひけが発生しにくくなる。キャビティ11内の樹脂圧(2次圧)は、ゲート17の部分に取り付けられた圧力センサ24で計測される。計測された圧力値は、油圧シリンダ12のコントローラ25にフィードバックされる。これにより、油圧シリンダ12のロッド12aの前進量が制御され、キャビティ11内の2次圧が最終的に所定圧となるように、その前進端位置が定められる。
図4に示されるように、圧縮中子23の前端部23aは、油圧シリンダ12のロッド12aが後退した状態においてランナ16の端部(ゲート17と反対側の端部)に入り込んでいる。また、ランナ16及びゲート17と圧縮中子23とは互いに相次形状であり、それらの軸線L3〜L5はそれぞれの重心位置に同軸にして配置されている。ここで、油圧シリンダ12のロッド12aの横断面形状は円形状であるのに対し、本実施例の成形型130のランナ16及びゲート17の横断面形状は、いずれも台形形状である。もし、油圧シリンダ12のロッド12aが、直接ランナ16に滞留している非固化状態の溶融樹脂140を押し込む場合、ロッド12aとゲート17の横断面形状が異なるため、溶融樹脂140を押し込むときの効率が悪い。換言すれば、ロッド12aにおいてゲート17の横断面形状よりも大きい部分(ゲート17の横断面形状を超えた部分)によって押し込まれる溶融樹脂140は、ゲート17に入り込むことはない。また、ロッド12aにおいてゲート17の横断面形状よりも小さい部分(ゲート17において、ロッド12aの横断面形状を超えた部分)に配置されている溶融樹脂140は、ゲート17に押し込まれることはない。これに対して、本実施例の成形型130では、ロッド12aとランナ16との間に圧縮中子23が配置されていて、圧縮中子23の横断面形状をランナ16及びゲート17の横断面形状に対応させて(望ましくは、ゲート17の横断面形状と同一の台形形状)とすることができる。これにより、ランナ16に非固化状態で滞留する溶融樹脂140の押し込むときの効率が良好となり、圧縮中子23の2次圧はゲート17の全面に及び、それ以外の部分(例えば、ゲート17における成形型130の周囲の部分)に及ぶことはない。この結果、ゲート17に非固化状態で滞留する溶融樹脂140が確実にキャビティ11に押し込まれ、補助ミラー110にひけが発生しにくくなる。
更に、圧縮中子23の横断面形状によって、油圧シリンダ12のロッド12aとゲート17とを接続する形態であるため、ランナ16及びゲート17の設計の自由度が高くなる。また、長期間の使用によって圧縮中子23に損傷が生じても、この圧縮中子23を交換するだけで済み、油圧シリンダ12のロッド12aを損傷させるおそれが少なくなる。
図6に示されるように、圧縮中子23の前端部23aは、スプール15とランナ16との接続部26(ゲート17から遠い側の接続部)から所定の距離29だけ入り込む。換言すれば、圧縮中子23の前端部23a、スプール15とランナ16との接続部26の手前の位置から、それらの接続部26の近傍位置まで入り込む。これにより、圧縮中子23によって押し込まれた溶融樹脂140が、スプール15の側に逆流するおそれが小さくなる。この結果、補助ミラー110の離型に支障は生じない。
もし、圧縮中子23がスプール15とランナ16との接続部26を超えて押し込まれた場合、その2次圧はキャビティ11の側だけでなく、スプール15にも及ぶこととなる。この結果、スプール15内の溶融樹脂140が押し込まれることにより、成形型130の型開きが行われる際に、スプール15の部分の離型が困難になる場合がある。これを避けるため、圧縮中子23の前進端位置は、スプール15とランナ16との接続部26の近傍であることが望ましい。しかし、別の手段により、スプール15の部分の離型が困難にならないのであれば、図8に示されるように、圧縮中子23の前端部23aが、スプール15とランナ16との接続部26を超えて配置されてもよい。
この状態で、キャビティ11内の溶融樹脂140が冷却されて固化される(固化工程)。本実施例の場合、溶融樹脂140の冷却時間は、例えば30〜90秒である。その後、油圧シリンダ12のロッド12aが後退されて、可動型8と固定型9とが相対的に型開きされ、成形された補助ミラー110が離型されて排出される。そして、次工程において、補助ミラー110と一体に成形されたスプール15とランナ16及びゲート17が切除される。
上記した各工程をグラフに表すと、図9に示されるようになる。なお、上記した実施例は、射出工程を行った後、自己保持させた状態で2次圧を付与する場合である。しかし、射出工程を行った直後に2次圧を付与し、その後に自己保持・固化工程を行ってもよい。この場合のグラフを、図10に示す。
本実施例の成形型130では、油圧シリンダ12のロッド12aの軸線L2は、ランナ16の軸線L3と同軸にして設けられている。しかし、図11の(a),(b)に示されるように、油圧シリンダ12のロッド12aの軸線L2が、ランナ16の軸線L3とずれて(オフセットして)設けられている場合、図12の(a)に示されるように、油圧シリンダ12のロッド12aの軸線L2が、ランナ16の軸線L3と交差して設けられている場合、図12の(b)に示されるように、油圧シリンダ12のロッド12aの軸線L2が、ランナ16の軸線L3と直行して設けられている場合(この場合、2次圧は、コールドスラグウエル19から付与される。)であってもよい。
本実施例の成形型130では、スプール15の軸線L1とランナ16の軸線L3との交差角度は90度であり、スプール15の軸線L1と油圧シリンダ12のロッド12aの軸線L2との交差角度は90度である。しかし、各軸線L1,L3が90度以外の角度で交差していてもよい。
本実施例の製造方法では、ゲート17は、成形後の補助ミラー110において、レンズ面である結像面3と入射面4との交差部であって、それらの機能を損なわない部分に設けられている。しかし、レンズ面(結像面3と入射面4)としての機能を損なわない部分であれば、ゲート17をいかなる部分に設けてもよい。
補助ミラー110が組み込まれたドアミラー100の正面図である。 同じく底面図である。 車両5の助手席側に取り付けられたドアミラー100の作用説明図である。 型閉じされた成形型130に溶融樹脂140を射出する状態の作用説明図である。 図4のX−X線拡大断面図である。 (a)は自己保持装置180の正面図であり、(b)は、その作用説明図である。 油圧シリンダ12のロッド12aを前進させた状態の作用説明図である。 圧縮中子23の前端部23aが、スプール15とランナ16との接続部26を超えて配置された状態の作用説明図である。 本実施例の各工程における内圧の変化を示すグラフである。 射出工程の直後に2次圧を付与した場合の内圧の変化を示すグラフである。 (a),(b)は、油圧シリンダ12のロッド12aの軸線L2が、ランナ16の軸線Lからオフセットされている場合を示す図である。 (a)は油圧シリンダ12のロッド12aの軸線L2が斜めになっている場合を示す図であり、(b)は油圧シリンダ12のロッド12aの軸線L2が、ランナ16の軸線L3と直行して設けられている場合を示す図である。
符号の説明
L1〜L5:軸線
110:補助ミラー(レンズ状成形体)
130:成形型
140:溶融樹脂
150:2次圧付与装置
160:射出成形装置(製造装置)
170:射出装置
180:自己保持装置
11:キャビティ
12:油圧シリンダ(圧縮アクチュエータ)
12a:ロッド(ピストン又はプランジャ)
15:スプール
16:ランナ
17:ゲート
23:圧縮中子(中間部材)
24:圧力センサ(制御手段)
25:コントローラ(制御手段)
26:接続部

Claims (4)

  1. 型締めされた成形型のキャビティに、射出ヘッドから成形型のスプール、ランナ及びゲートを経て溶融樹脂を射出する溶融樹脂射出工程と、
    そのキャビティ内に射出された溶融樹脂を所定の圧力に保持する自己保持工程と、
    前記ランナの端部に摺動可能に嵌合するように圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャが配置され、前記成形型のキャビティに充填された溶融樹脂が固化する前に、前記成形型のランナ及びゲートに滞留している非固化樹脂を、圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャの移動により該ランナの軸線と同軸で、かつ前記成形型のパーティングラインに沿うように、キャビティ側へ押し込むことにより、前記キャビティ内の非固化樹脂に対して2次圧力を加える2次圧付与工程と、
    その2次圧力を付与した後に前記キャビティ内の樹脂を固化させる固化工程とを含み、
    前記成形型のスプールは、前記ランナの端部近傍に対して所定の角度で接続するように連通しており、前記圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャは、前記2次圧付与工程において、それらスプールとランナとの接続部の手前からその接続部の近傍位置まで又はその接続部を通過する位置まで押し込まれることを特徴とする厚肉樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャは、その先端部に形成された圧縮中子を介して前記ランナ及びゲートに滞留している非固化樹脂を前記キャビティ側へ押し込むとともに、前記圧縮中子は、前記ランナの断面積より小さい断面積のもので、該圧縮中子が該ランナ内の非固化樹脂中に該ランナの内面との隙間を介して該非固化樹脂中に入り込むことにより、前記2次圧が付与されることを特徴とする請求項1に記載の厚肉樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記圧縮中子の軸線方向の横断面形状は、前記ランナの横断面形状より小さい相似形状であることを特徴とする請求項2に記載の厚肉樹脂成形品の製造方法。
  4. 型締めされた状態で厚肉樹脂成形品を射出成形するためのキャビティ、そのキャビティにゲートを介して溶融樹脂を導くランナ、射出される溶融樹脂を前記ランナに導くように該ランナと所定の角度で交差して接続するスプールが形成される成形型と、
    その成形型のキャビティにランナを通じて溶融樹脂を射出する射出装置と、
    そのキャビティに射出された後の溶融樹脂を所定の圧力に保持する自己保持装置と、
    前記ランナの端部に摺動可能に嵌合するように圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャが配置され、前記自己保持装置により前記溶融樹脂が所定の圧力に保持された後において前記成形型のキャビティ内の溶融樹脂及び前記ランナに滞留する溶融樹脂が固化する前に、前記成形型のランナに滞留している非固化樹脂を、圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャの移動により該ランナの軸線と同軸で、かつ前記成形型のパーティングラインに沿うように前記キャビティ側に押し込むことにより前記キャビティ内の非固化樹脂に対して2次圧力を加える2次圧付与装置とを含み、
    前記成形型のスプールは、前記ランナの端部近傍に対して所定の角度で接続するように連通しており、前記キャビティ内の非固化樹脂に前記2次圧力を付与するために、前記圧縮アクチュエータのピストン又はプランジャが、それらスプールとランナとの接続部の手前からその接続部の近傍位置まで又はその接続部を通過する位置まで押し込まれるように、前記圧縮アクチュエータの作動を制御する制御手段を備えることを特徴とする厚肉樹脂成形品の製造装置。
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