JP2014046415A - ピストンピン圧入装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ピストンピンをコンロッド小端部22のピストンピン圧入穴26に圧入するに当たり、ピストンピン挿入側とは反対側からピストンピン挿入穴24に挿入され、ピストンピン圧入穴26に通されるガイドピン31を用いて、上記両穴24,26の芯合わせを行うピストンピン圧入装置において、ピストンピン圧入穴26内に位置し同穴内面に接触して同穴26との芯合わせを行うガイドピン31の位置決め部31aの断面形状を三角形に形成して接触面積を最小限に抑えた。
【選択図】図4
Description
ピストンピン圧入装置は、このようなピストンとコンロッドとの連結に際して、コンロッド小端部のピストンピン圧入穴にピストンピンを圧入するための装置である。
これは、ピストンのピストンピン挿入穴近傍部の位置及び面精度等によることなく、ピストンピンとピストンピン圧入穴が圧入方向に揃うようにする。これにより、ピストンピン圧入の際にピストンピンがピストンピン圧入穴の内面をかじる原因となるピストンピンの傾きを回避させ、ピストンピンをピストンピン圧入穴に真っ直ぐに圧入させ得るというものである。
各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴及びそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
ガイドピンのピストンピン圧入穴との芯合わせを行う部分の断面形状を三角形に形成すれば、上記芯合わせ時に、ガイドピンがピストンピン圧入穴内面(コンロッド小端部)に接触するのは三角形の3頂点(微小な3点)のみとなる。つまり、芯合わせを適正に行いながらも、芯合わせ時のピストンピン圧入穴内面とガイドピントとの接触面積は最小限となり、コンロッド小端部の加熱によるピストンピン圧入穴の熱膨張状態は維持される。
(2)前記ガイドピンは、前記ピストンピン圧入穴に通される先端部側がテーパ形状になされることを特徴とする(1)項に記載のピストンピン圧入装置。
(3)前記ガイドピンが前記ピストンピン挿入穴と前記ピストンピン圧入穴との芯合わせを行った状態で圧入ヘッドが前進して、前記ピストンピン挿入穴に一部が挿入された前記ピストンピンを前記ガイドピン側に該ガイドピンと共に押圧移動し、前記ピストンピン圧入穴に圧入することを特徴とする(1)項又は(2)項に記載のピストンピン圧入装置。
(2)項に記載の発明によれば、ガイドピンの先端部側をテーパ形状としたので、ガイドピンのピストンピン圧入穴への進入の際、同ピストンピン圧入穴を拾う動作が容易になる。
(3)項に記載の発明によれば、ガイドピンによりピストンピン挿入穴とピストンピン圧入穴との芯合わせを行った状態をピストンピン圧入の直前まで保持でき、ピストンピンの圧入不良を確実に防止できる。
実施の形態の説明に先立ち、本発明をするに至った経緯について述べる。
まず、エンジンのピストンとコンロッドとを連結する際に、ピストン内に組み込まれたコンロッド小端部のピストンピン圧入穴にピストンピンを圧入する場合の一般的な圧入サイクルを図1のグラフに従い説明する。
このグラフの縦軸は温度(℃)、横軸は時間(秒)を表す。
同グラフにおいて、コンロッド加熱とは、ピストンピン圧入に当たって予め実施されるコンロッドを加熱する期間を指す。
またコンロッド移動とは、加熱されたコンロッド小端部をピストン内に組み込み、ピストンのピストンピン挿入穴とコンロッド小端部のピストンピン圧入穴との芯合わせを行うまでの期間を指す。
ピン圧入とは、ピストンピンをコンロッド小端部のピストンピン圧入穴に圧入する時点を指す。
第1冷却エアブローとは、ピン圧入を終えたコンロッドの一次エア冷却期間を指す。
ピン抜けチェックとは、ピン圧入、一次エア冷却を終えたピストンピンの圧入状態、特に抜け状態をチェックする時点を指す。
第2冷却エアブローとは、ピン抜けチェックが済んだコンロッドのエア冷却期間(二次エア冷却期間)を指す。
ワーク取出しとは、二次エア冷却を終えたピストンとコンロッドとの連結体の取出し時点を指す。
ピストンピン圧入に当たって行われるピストン及びコンロッドの位置決めは、ピストンのピストンピン挿入穴に挿入され、コンロッド小端部のピストンピン圧入穴に通されるガイドピンを用いて行うため、ガイドピンの外径(ガイドピン径)はコンロッド小端部のピストンピン圧入穴に比べて小さくする必要がある。
すなわち、ピストンピン圧入穴内に位置し同ピストンピン圧入穴内面に接触して同ピストンピン圧入穴との上記芯合わせを行う部分の断面形状が三角形に形成されたガイドピンを案出するに至った。
図2は、本発明の一実施形態に係るピストンピン圧入装置(本発明装置)の概要を示す側断面図である。
本発明装置は、コンロッド21の小端部(コンロッド小端部)22が組み込まれたピストン23のピストンピン挿入穴24に挿入されたピストンピン25を、コンロッド小端部22のピストンピン圧入穴26に圧入するに当たり、ピストンピン挿入穴24とピストンピン圧入穴26との芯合わせを行う装置である。
ここで、本発明装置はガイドピン31を備えて構成される。このガイドピン31は、ピストンピン25が挿入された側とは反対側からピストンピン挿入穴24に挿入され、ピストンピン圧入穴26を通って同ピストンピン圧入穴26との芯合わせ(両穴24,26共にその中心をガイドピン中心軸32に合わせる位置合わせ)を行うものである。
なおピストンピン25は、ここではピストン23のピストンピン挿入穴24にコンロッド組込み位置の手前まで挿入(一部挿入)されることによりピストンピン挿入穴24に芯合わせされるとの前提に立つ。したがって、ピストンピン挿入穴24とピストンピン圧入穴26との芯合わせが行われれば、ピストンピン挿入穴24と、ピストンピン圧入穴26と、一部挿入されたピストンピン25との芯合わせが行われることになる。
両図から分かるように、本発明装置に備えられるガイドピン31は、コンロッド小端部22のピストンピン圧入穴26内に位置し、同ピストンピン圧入穴26内面に接触して同ピストンピン圧入穴26との芯合わせを行う部分(位置決め部31a)の断面形状が三角形に形成される。
ガイドピン31の先端側の挿入ガイド部31bは、円錐形又は円錐台形等のテーパ形状、ここでは円錐台形に形成される。
ガイドピン31の位置決め部31aに連設された基部31cは、ピストンピン挿入穴24に対応した断面円形の棒状に形成される。この基部31cの中心軸位置は、位置決め部31aの断面形状(三角形)に外接する円の中心に一致する(図3中のガイドピン中心軸32参照)。また、この基部31cの中心軸位置は、同基部31cがピストンピン挿入穴24に挿通された状態において、同ピストンピン挿入穴24の中心軸に一致するように設定されている。
なお図4中の33は、コンロッド21を支持するコンロッド支持用部材である。コンロッド大端部34の上半分は図示省略されている。
すなわち圧入ヘッド41は、ガイドピン31がピストンピン挿入穴24とピストンピン圧入穴26との、ひいてはピストンピン25との芯合わせを行った状態(詳細を後述する)で前進、つまり図中、右方向イに移動して、ピストンピン25をガイドピン31側に同ガイドピン31と共に押圧移動する。そしてそのピストンピン25を、ピストンピン圧入穴26に圧入し、所定位置まで移動させて圧入動作を終了すると後退(図中、左方向に移動)し、ピストンピン25から引き抜かれる。その後、ピストン23とコンロッド21との連結体から離れた待機位置に退避するように構成されている。
ガイドピン31も同様に、ピストンピン圧入穴26へのピストンピン25の圧入動作が終了すると後退(図中、右方向に移動)し、その挿入ガイド部31b先端のピストンピン25端面との当接が解かれ、ピストン23とコンロッド21との連結体から離れた待機位置に退避するように構成されている。
図5は、図2に示す本発明装置の動作を示すフローチャートである。
装置動作開始に先立って、コンロッド21を、図4に示すようにコンロッド支持用部材33に支持し、位置決めする。コンロッド21の位置決めはコンロッド大端部34の穴35を用いて行う。
また、ピストン23を本発明装置にセットし、ピストンピン25を、ピストン23のピストンピン挿入穴24にコンロッド組込み位置の手前まで挿入(一部挿入)する。
ステップ502では、コンロッド小端部22を200℃程度まで加熱し、コンロッド小端部22のピストンピン圧入穴26を膨張拡大させる。
ステップ503では、ガイドピン31を後退させる(図7参照)。
ステップ505では、ピストン23内にコンロッド小端部22が組み込まれた状態でガイドピン31が前進(図中、左方向に移動)し、ピストン23及びコンロッド小端部22の位置決め、つまりピストンピン挿入穴24とピストンピン圧入穴26との芯合わせをする(図9参照)。
そして、この挿入ガイド部31bに連設された位置決め部31aがピストンピン圧入穴26内に入りきるまでガイドピン31が前進する。位置決め部31aがピストンピン圧入穴26内に入りきった状態においては、ガイドピン31の基部31cが、同基部31c(ガイドピン31)の中心軸とその中心軸が一致するピストンピン挿入穴24に挿通された状態になっている。
位置決め部31aがピストンピン圧入穴26内に入りきるまでガイドピン31が前進すると、ピストンピン圧入穴26の水平方向(図中、左右方向)は、位置決め部31aの断面形状(三角形)の頂点a、bによってセンタリングされ、同高さ方向は同頂点cによって位置決めされる。これにより、ピストン23のピストンピン挿入穴24とコンロッド小端部22のピストンピン圧入穴26との芯合わせが行われる(図9参照)。
したがって、ステップ502で行ったコンロッド小端部22の加熱によるピストンピン圧入穴26の熱膨張状態(ピストンピン圧入穴26の膨張拡大)を維持でき、ピストンピン挿入穴24とピストンピン圧入穴26との芯合わせに狂いは生じにくくなり、ピストンピン25の圧入不良を防止できる。
この押圧移動は、連通するピストンピン挿入穴24及びピストンピン圧入穴26相互間にピストンピン25が掛け渡され、かつ同ピストンピン25が両穴24,26の連通部分の中央位置に達したときに終了する(図10参照)。同終了時には、ピストンピン挿入穴24とピストンピン圧入穴26とピストンピン25との本来の(仮ではない)芯合わせが行われた状態となっている。
以後、ピストン23とコンロッド21との連結の必要数に応じて上述した工程が繰り返される。
また、ガイドピン31の挿入ガイド部31bをテーパ形状としたので、ガイドピン31のピストンピン圧入穴26への進入の際、そのピストンピン圧入穴26を拾う動作が容易になる。そして、位置決め部31aがピストンピン圧入穴26内に入りきった状態において、ガイドピン31の基部31cが、同基部31c(ガイドピン31)の中心軸とその中心軸が一致するピストンピン挿入穴24に挿通された状態になるので、ガイドピン31の前進に伴ってピストンピン圧入穴26の中心をガイドピン中心軸32、ピストンピン挿入穴24の中心軸に一致させることができる。
更に、ガイドピン31がピストンピン挿入穴24とピストンピン圧入穴26との芯合わせを行った状態(図9)で圧入ヘッド41が前進して、ピストンピン挿入穴24に一部が挿入されたピストンピン25をガイドピン31側に同ガイドピン31と共に押圧移動し、ピストンピン圧入穴26に圧入するようにした。これによれば、上記の芯合わせ状態をピストンピン圧入の直前まで保持でき、ピストンピン25の圧入不良を確実に防止できる。
31:ガイドピン、31a:位置決め部、31b:挿入ガイド部、32:ガイドピン中心軸。
Claims (3)
- コネクティングロッドの小端部が組み込まれたピストンのピストンピン挿入穴に挿入されたピストンピンを、前記コネクティングロッドの小端部のピストンピン圧入穴に圧入するに当たり、前記ピストンピンの挿入側とは反対側から前記ピストンピン挿入穴に挿入され、前記ピストンピン圧入穴に通されるガイドピンを用いて、前記ピストンピン挿入穴と前記ピストンピン圧入穴との芯合わせを行うピストンピン圧入装置において、
前記ガイドピンは、前記ピストンピン圧入穴内に位置し該ピストンピン圧入穴内面に接触して該ピストンピン圧入穴との芯合わせを行う部分の断面形状が三角形に形成されることを特徴とするピストンピン圧入装置。 - 前記ガイドピンは、前記ピストンピン圧入穴に通される先端部側がテーパ形状になされることを特徴とする請求項1に記載のピストンピン圧入装置。
- 前記ガイドピンが前記ピストンピン挿入穴と前記ピストンピン圧入穴との芯合わせを行った状態で圧入ヘッドが前進して、前記ピストンピン挿入穴に一部が挿入された前記ピストンピンを前記ガイドピン側に該ガイドピンと共に押圧移動し、前記ピストンピン圧入穴に圧入することを特徴とする請求項1又は2に記載のピストンピン圧入装置。
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