JP2014046301A - リン含有廃水からのリン回収方法、及びその装置 - Google Patents

リン含有廃水からのリン回収方法、及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低濃度のリンを含有する有機性廃水中のリンを高効率に回収する。
【解決手段】実施形態のリン含有廃水からのリン回収方法は、リン蓄積菌を担持した担体を分散配置した反応槽を準備するステップと、前記反応槽内にリン含有廃水を導入するステップと、前記反応槽内を嫌気的条件に設定し、前記リン蓄積菌内部に蓄積したポリリン酸を放出させるステップとを具える。また、前記反応槽内を好気的条件に設定し、前記リン蓄積菌によって前記リン含有廃水中のリンを吸収して蓄積するステップと、前記リン蓄積後の前記リン蓄積菌の担体を前記反応槽より取り出し、リン濃縮槽中に移送するステップと、前記リン濃縮槽を嫌気的条件に設定し、前記リン蓄積菌内部に蓄積したリンを放出させるステップと、前記リン濃縮槽中にリンを回収するステップとを具える。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、リン含有廃水からのリン回収方法、及びその装置に関する。
都市下水または有機性廃水にはリンが含まれている場合が多く、このようなリン含有の有機性廃水が東京湾などの内湾、琵琶湖などの湖沼の閉鎖性水域に流れ込むことにより、リンを原因物質とする富栄養化の問題が生じている。一方で、リンは特に農作物の肥料源として重要な資源であるが、我が国はリン鉱石を生産せず、輸入に頼っている状況である。
したがって、上述のようなリン含有廃水中からリンを効率良く回収し、リサイクルすることができれば、上述した富栄養化の問題を解消することができるとともに、リン資源の国内での自活を図ることができる。
廃水中からリンを除去するためには、従来、各種金属塩を用いた凝集沈殿法や晶析脱リン法が用いられていた。しかしながら、凝集沈殿法はAl塩、Fe塩、Ca塩等の薬剤コストがきわめて高くなり、また生成した沈殿物の処理が大きな問題となっている。また晶析脱リン法はヒドロキシルアパタイトの種晶を用い、リンを効率よくヒドロキシルアパタイトに変換し、これを除去する方法(HAP方式)であり、生成沈澱物は少なくなるものの、液中の HCO イオンが晶析を阻害するため、一度酸性にしてHCO を除去した後、弱アルカリ側にpHをもどす必要がある。このため凝集沈殿法と同様に薬剤によるランニングコストが大きくなる。
かかる問題に鑑み、特許文献1では、ポリリン酸蓄積能を有するミクロコッカス様細菌の、好気的条件下でリン含有廃水と接触させることによってリンを吸着し、当該菌を嫌気的条件下におくことにより吸着したリンを放出する性質を利用して、廃水中のリンを回収する試みがなされている。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、高効率に廃水中のリンを回収することができないという問題があった。
また、特許文献2には、嫌気工程及び好気工程を経てリンの脱着を行う微生物を用い、リンを含有する汚泥を得た後、この汚泥を濃縮し、濃縮汚泥からリンを放出させて得たリン含有分離水にマグネシウム塩を添加し、リンをリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)として析出させ、回収する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、リン回収後の脱離液を水処理プロセスに返送する方式がとられるが、脱離液中に微粒子のMAPが回収しきれずに残存し、その微粒子がプロセスを循環している間に大きくなり、配管の閉塞原因になってしまうという問題がある。また、リン以外の不純物も比較的多量に回収してしまうことから、MAPの回収割合が相対的に減少し、リンの回収効率が低いという問題がある。さらには、マグネシウム塩が高価であるためにリン回収コストが増大してしまうという問題がある。
特開平7−88498号 特開平9−262599号
本発明は低濃度のリンを含有する有機性廃水中のリンを高効率に回収することを目的とする。
実施形態のリン含有廃水からのリン回収方法は、リン蓄積菌を担持した担体を分散配置した反応槽を準備するステップと、前記反応槽内にリン含有廃水を導入するステップと、前記反応槽内を嫌気的条件に設定し、前記リン蓄積菌内部に蓄積したポリリン酸を放出させるステップとを具える。また、前記反応槽内を好気的条件に設定し、前記リン蓄積菌によって前記リン含有廃水中のリンを吸収して蓄積するステップと、前記リン蓄積後の前記リン蓄積菌の担体を前記反応槽より取り出し、リン濃縮槽中に移送するステップと、前記リン濃縮槽を嫌気的条件に設定し、前記リン蓄積菌内部に蓄積したリンを放出させるステップと、前記リン濃縮槽中にリンを回収するステップとを具える。
第1の実施形態におけるリン含有廃水からのリン回収装置の概略構成図である。 リン蓄積菌の嫌気的条件及び好気的条件におけるリン酸の蓄積量の概略を示す図である。 第2の実施形態におけるリン含有廃水からのリン回収装置の反応槽の概略構成図である。 第3の実施形態におけるリン含有廃水からのリン回収装置の概略構成図である。 第4の実施形態におけるリン含有廃水からのリン回収装置の概略構成図である。
本発明を実施するための好ましい形態を以下に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態におけるリン含有廃水からのリン回収装置の概略構成図である。
図1に示すリン含有廃水からのリン回収装置10は、反応槽11と、リン濃縮槽12とを有し、回分式のリン回収装置を構成している。また、反応槽11内には、リン蓄積菌固定化担体13が分散配置されている。
なお、リン蓄積菌固定化担体13の分散配置は、一般には、反応槽11の下部に配置しておき、以下に説明するように、反応槽11内にリン含有廃水を導入した際、当該リン含有廃水中に浮遊させることによって行う。
リン蓄積菌固定化担体13の形状は、主として以下に説明する担体の形状に応じて、球状に限らず角状のものであってもよいし、棒または紐状のものであってもよい。
さらに、反応槽11には、反応槽11の外部に配設されたモータ141にシャフト142を介して反応槽11内に攪拌翼143が配設された攪拌機14が取り付けられている。また、反応槽11の下部には散気管15が配設されており、散気管15にはブロアー16が取り付けられ、反応槽11内に空気(酸素)を供給できるようになっている。
なお、攪拌機14は、反応槽11内にリン含有廃水を導入した際に、嫌気的条件下でリン含有廃水を撹拌するものであるので、便宜上嫌気的条件形成手段14と呼び、散気管15及びブロアー16は、反応槽11内に酸素(O)を供給するものであるので、好気的条件形成手段17を構成する。好気的条件形成手段17は、反応槽11内に酸素を供給できればその形態は特に限定されるものではない。
本実施形態において、“嫌気的条件”とは、反応槽11内に酸素ならびに硝酸、亜硝酸等の結合酸素も存在しない状態を意味し、“好気的条件”とは、反応槽11内に酸素が溶解し、存在している状態を意味する。
リン蓄積菌固定化担体13に担持及び固定されているリン蓄積菌は、例えば以下に示すように、嫌気条件下で、必要に応じて有機酸、アミノ酸などの有機物を利用して体内にPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)を合成し、その際に体内に蓄積していたポリリン酸を放出する性質を持ち、好気条件下で、吐き出したリン酸以上のポリリン酸を体内に蓄積することができる菌であれば特に限定されないが、例えばミクロコッカス様 NM-1 株 (FERM P-9971) あるいは NM-2株 (FERP P-10115) 等を挙げることができる。これらの菌は、純粋培養菌体のものを用いることができ、当該菌を含む活性汚泥等も用いることができる。
また、上記リン蓄積菌を担持及び固定するための担体は、当該リン蓄積菌が担持及び固定し易いものであれば特に限定されず、セラミックや金属等でもよい。しかしながら、このようなセラミックや金属等を担体として用いた場合、リン蓄積菌はそれらの表面に付着するため、以下に示すリン回収工程において、担体から離脱してしまって処理過程にある廃水中に混合し、その後処理水に交じって排泄されてしまい、リン蓄積菌の使用効率が低くなってしまう場合がある。
したがって、好ましくは、上記担体としてゲルを用い、上記リン蓄積菌をゲルによって包括固定する。この場合、上述のように、リン蓄積菌の離脱を抑制することができるので、リン蓄積菌の使用効率が増大する。
リン蓄積菌をゲルに包括固定するには、例えば菌体の懸濁液を準備するとともに、アクリルアミドモノマー、メチレンビスアクリルアミド、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミンを含む水溶液を準備し、上記懸濁液と上記水溶液とをpH8程度で混合し、その後、氷点で過硫酸カリウムを重合開始剤として用いて重合を行う。
次に、図1に示す装置を用いたリン含有廃水の処理方法について説明する。
最初に、例えば図示しないバッファタンク内に貯留しているリン含有廃水W1を、好気的条件形成手段17としてのブロアー16の非動作状態、すなわち上述したような嫌気的条件で反応槽11内に供給する。なお、リン含有廃水中において、リンは一般にリン酸イオン(PO 3−又はP 4−)あるいはリン酸塩の形態で存在する。なお、以下においては、リン酸イオン及びリン酸塩を総称してリン酸と呼ぶことにする。
反応槽11内にはリン蓄積菌固定化担体13が分散配置されており、反応槽11内は嫌気的条件に保持されているので、リン蓄積菌固定化担体13のリン蓄積菌体内で合成されたPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)を合成し、その際に体内に蓄積していたポリリン酸を放出する。この際、攪拌機14を動作させて、リン蓄積菌から吐き出されたポリリン酸とリン含有廃液とを混合する。
このとき、酢酸、乳酸などの有機酸類、ペプトン、グルタミン酸-Na などのアミノ酸類等の有機物を反応槽11内に添加することにより、リン蓄積菌からのポリリン酸の放出速度を向上させることができる。
リン蓄積菌から放出されたポリリン酸は、上記同様に、リン含有廃水W1中ではリン酸の形態で存在する。
次いで、攪拌機14を停止した後、好気的条件形成手段17としてのブロアー16を動作させ、散気管15を介して反応槽11内に空気、すなわち遊離酸素を供給する。すると、反応槽11内は好気的条件となり、リン蓄積菌固定化担体13のリン蓄積菌は、図2に示すように、放出したポリリン酸(リン酸)以上のリン酸、すなわちリン含有廃水中のリン酸を吸収して蓄積するようになる。結果として、リン蓄積菌固定化担体13によってリン含有廃水中のリン酸を吸収及び蓄積することができるようになる。
図2においては、リン酸を5[mg/L]含むリン含有廃水中にリン蓄積菌250[mg/L]を担持させたリン蓄積菌固定化担体13を用いた場合の、嫌気的条件下でのリン酸の吐き出し量及び好気的条件下でのリン酸の蓄積量を併せて示している。図2から明らかなように、この場合、嫌気的条件下では約35[mg/L]のリン酸を放出するものの、好気的条件下では約40[mg/L]のリン酸を蓄積することが分かる。したがって、この場合は、リン含有廃水から約5[mg/L]のリン酸を回収して蓄積できることが分かる。
上述のような嫌気的条件、好気的条件を繰り返し行うことにより、担体内のリン蓄積菌の体内にリンを高濃度に蓄積することが可能となる。概ね、250[mg/L]のリン蓄積菌の体内には、1L担体あたり約50[mg]のリンが蓄積できるため、約10回程度、嫌気的条件-好気的条件を繰り返すことにより、高濃度にリンを菌体内に蓄積することができる。但し、嫌気的条件及び好気的条件を単一で実施しても、リンの蓄積量は若干減少するものの、比較的高濃度のリンを蓄積することができる。
その後、リン蓄積菌固定化担体13を例えばメッシュ状の容器によって回収し、リン濃縮槽12中に投入する。リン濃縮槽12内は嫌気的条件下に保持されている。したがって、リン蓄積菌固定化担体13のリン蓄積菌が蓄積したリン酸がリン濃縮槽12内で吐き出され、リン濃縮槽12内では、リン含有廃水W1に比較してリン酸濃度の高い処理水W2が貯留されるようになる。なお、リン濃縮槽12には、必要に応じて上述した有機酸類あるいはアミノ酸類を添加して、リン蓄積菌からのリン酸の吐き出し速度を向上させることもできる。
リン濃縮槽12中の処理水W2には、必要に応じてリン蓄積菌固定化担体13を除去した後、例えばハイドロタルサイト様物質の吸着剤を添加することにより、当該吸着剤にリン酸を吸着させる。上述のように、処理水W2中のリン酸濃度はリン含有廃水W1に比較して高いので、処理水W2に対して吸着剤を使用してリン酸を吸着し、回収することにより、リン含有廃水W1、すなわちリンを含有する有機性廃水中のリンを高効率に回収することができる。
なお、処理水W2に対して、マグネシウム塩を添加してリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)として析出させるMAP方式や、ヒドロキシルアパタイトの種晶を用い、リンを効率よくヒドロキシルアパタイトに変換して除去するHAP方式を用いることができる。このような方式を用いた場合でも、処理水W2中には高濃度にリン酸が含まれているので、リン以外の不純物を回収してしまうという問題を回避することができる。また、使用する薬剤の量の低減することができるので、薬剤コストも低減することができる。さらに、これらの方式によるリン酸の回収効率が向上するので、リン酸微粒子による配管閉塞の問題をも回避することができる。
換言すれば、本実施形態の方法を用いることにより、リン含有廃水からのリン酸回収において問題のあった従来のMAP方式やHAP方式をも用いることができるので、最終的なリン酸回収の方法が多様化する。すなわち、汎用の方法を用いてリン酸を効率よく回収することができる。
処理水W2中のリン酸をハイドロタルサイト様物質の吸着剤で吸着した場合、リン酸を吸着した吸着剤はそのまま肥料として用いることができ、リン資源として適用することができる。
なお、リン濃縮槽12から反応槽11へのリン蓄積菌固定化担体13の導入は、1回に限らず複数回行うことができる。この場合、リン濃縮槽12内のリン酸濃度がより高くなるので、上述した作用効果をより顕著に奏することができる。
また、反応槽11内でリン含有廃水W1からリン蓄積菌固定化担体13によってリン酸が回収された後の処理水W3は、反応槽11から外部に放出して、所定の処理に供することもできるし、循環させて反応槽11内に戻すようにすることもできる。後者の場合、リン含有廃水W1からのリン酸の回収及び除去をより効果的に行うことができる。
(第2の実施形態)
図3は、本実施形態におけるリン含有廃水からのリン回収装置の反応槽の概略構成を示す図である。なお、図1に示すリン回収装置における構成要素と類似あるいは同一の構成要素については同一の参照数字を用いている。
本実施形態では、反応槽11内に一対のメッシュ状の容器13Aを入れ、これら一対のメッシュ状容器13A内にリン蓄積菌固定化担体13を保持するようにしている。なお、メッシュ状容器13Aの網目の大きさは、リン蓄積菌固定化担体13よりも小さくして、この担体13が外部に放出されないように設定する必要があるとともに、反応槽11内に導入したリン含有廃液W1とリン蓄積菌固定化担体13のリン蓄積菌とが十分に接触できるような大きさとする。
本実施形態によれば、リン含有廃液W1とリン蓄積菌固定化担体13との接触を十分に担保した状態で、リン蓄積菌固定化担体13の回収を容易かつ効率的に行うことができ、リン濃縮槽12内への投入を簡易に行うことができる。
なお、本実施形態では、メッシュ状容器13Aの数を2としたが、この容器の数については特に限定されるものではなく、必要に応じて任意の数とすることができる。
(第3の実施形態)
図4は、本実施形態におけるリン含有廃水からのリン回収装置の概略構成図である。なお、図1に示すリン回収装置における構成要素と類似あるいは同一の構成要素については同一の参照数字を用いている。
図4に示すリン含有廃水からのリン回収装置20は、反応槽21と、リン濃縮槽12とを有し、連続式のリン回収装置を構成している。反応槽21は、嫌気的条件の第1の反応室211及び好気的条件の第2の反応室212を有している。第1の反応室211及び第2の反応室212には、メッシュ状の容器13A内に保持されたリン蓄積菌固定化担体13が配置されるようになっている。なお、リン蓄積菌固定化担体13の形状は、第1の実施形態と同様に、球状に限らず角状のものであってもよいし、棒または紐状のものであってもよい。
第1の反応室211には、嫌気的条件形成手段としての水中攪拌機24が配設され、第2の反応室212には、下部には散気管15が配設されており、散気管15にはブロアー16が取り付けられ、反応槽11内に空気(酸素)を供給できるようになっている。散気管15及びブロアー16は、反応槽11内に遊離酸素、すなわち酸素分子を供給するものであるので、好気的条件形成手段17を構成する。但し、第1の実施形態と同様に、好気的条件形成手段17は、反応槽11内に酸素を供給できればその形態は特に限定されるものではない。
本実施形態において、“嫌気的条件”とは、第1の反応室211内に溶解している酸素ならびに硝酸、亜硝酸等の結合酸素も存在しない状態を意味し、“好気的条件”とは、第2の反応室212内に溶解している酸素が存在している状態を意味する。
また、本実施形態では、反応槽21の後方に固液分離槽23が配設されている。この固液分離槽23は、以下に説明するようにリン酸回収後の処理水から活性汚泥を分離するためのものである。
なお、リン蓄積菌固定化担体13及びこれに担持及び固定されているリン蓄積菌は、第1の実施形態と同じであるので説明を省略する。
次に、図4に示す装置を用いたリン含有廃水の処理方法について説明する。
最初に、例えば図示しないバッファタンク内に貯留しているリン含有廃水W1を、反応槽11の第1の反応室211内に供給する。なお、リン含有廃水中において、リンは一般にリン酸イオン(PO 3−又はP 4−)あるいはリン酸塩の形態で存在する。なお、以下においては、リン酸イオン及びリン酸塩を総称してリン酸と呼ぶことにする。
第1の反応室211内にはメッシュ状容器13A内に保持されるようにしてリン蓄積菌固定化担体13が分散配置されており、第1の反応室211は嫌気的条件に保持されているので、リン蓄積菌固定化担体13のリン蓄積菌体内で合成されたPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)を合成し、その際に体内に蓄積していたポリリン酸を放出する。この際、水中攪拌機24を動作させて、リン蓄積菌から吐き出されたポリリン酸とリン含有廃液とを混合する。
なお、第1の実施形態で述べたように、リン蓄積菌固定化担体13の分散は、一般には、以下に説明するように、反応槽21内にリン含有廃水を導入した際、当該リン含有廃水中に浮遊させることによって行う。
このとき、酢酸、乳酸などの有機酸類、ペプトン、グルタミン酸-Na などのアミノ酸類等の有機物を第1の反応室211内に添加することにより、リン蓄積菌からのポリリン酸の放出速度を向上させることができる。
リン蓄積菌から放出されたポリリン酸は、上記同様に、リン含有廃水W1中ではリン酸の形態で存在する。
次いで、メッシュ状容器13Aを第1の反応室211から取り出し、また、第1の反応室211に供給されたリン含有廃水W1を第2の反応室212に移送する。第2の反応室212内は、ブロアー16を動作させ、散気管15を介して空気、すなわち酸素が供給されて好気的条件となっている。したがって、メッシュ状容器13Aを第2の反応室212内に浸漬することにより、リン蓄積菌固定化担体13のリン蓄積菌は、図2に示すように、放出したポリリン酸(リン酸)以上のリン酸、すなわちリン含有廃水中のリン酸を吸収して蓄積するようになる。結果として、リン蓄積菌固定化担体13によってリン含有廃水中のリン酸を吸収及び蓄積することができるようになる。
なお、本実施形態における“メッシュ状容器13Aの第1の反応室211からの取り出し”及び“メッシュ状容器13Aを第2の反応室212内に浸漬する”という操作を、本実施形態では“昇降”と呼ぶ。
また、本実施形態では、上述のように、嫌気的条件の第1の反応室211と好気的条件の第2の反応室212とが別途に設けられているので、リン蓄積菌固定化担体13の嫌気的条件下に配置しておく時間及び好気的条件下に配置しておく時間を適宜制御することができる。さらに、水中攪拌機24の回転速度や散気管15を通じた遊離酸素の供給量等を調整して、嫌気的条件及び好気的条件の制御を行うことができる。この結果、リン蓄積菌固定化担体13のリン蓄積菌に適した嫌気的条件及び好気的条件を調節することができ、リン蓄積菌のリン酸蓄積能を十分に向上させることができる。
その後、リン蓄積菌固定化担体13をメッシュ状容器13Aごと第2の反応室212から引き上げ、リン濃縮槽12中に投入する。リン濃縮槽12内は嫌気的条件下に保持されている。したがって、リン蓄積菌固定化担体13のリン蓄積菌が蓄積したリン酸がリン濃縮槽12内で吐き出され、リン濃縮槽12内では、リン含有廃水W1に比較してリン酸濃度の高い処理水W2が貯留されるようになる。なお、リン濃縮槽12には、必要に応じて上述した有機酸類あるいはアミノ酸類を添加して、リン蓄積菌からのリン酸の吐き出し速度を向上させることもできる。
リン濃縮槽12中の処理水W2には、必要に応じてリン蓄積菌固定化担体13を除去した後、第1の実施形態と同様に、例えばハイドロタルサイト様物質の吸着剤を添加することにより、当該吸着剤にリン酸を吸着させる。上述のように、処理水W2中のリン酸濃度はリン含有廃水W1に比較して高いので、処理水W2に対して吸着剤を使用してリン酸を吸着し、回収することにより、リン含有廃水W1、すなわちリンを含有する有機性廃水中のリンを高効率に回収することができる。リン酸を吸着した吸着剤はそのまま肥料として用いることができ、リン資源として適用することができる。
なお、処理水W2に対して、マグネシウム塩を添加してリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)として析出させるMAP方式や、ヒドロキシルアパタイトの種晶を用い、リンを効率よくヒドロキシルアパタイトに変換して除去するHAP方式を用いることができる。このような方式を用いた場合でも、処理水W2中には高濃度にリン酸が含まれているので、リン以外の不純物を回収してしまうという問題を回避することができる。また、使用する薬剤の量の低減することができるので、薬剤コストも低減することができる。さらに、これらの方式によるリン酸の回収効率が向上するので、リン酸微粒子による配管閉塞の問題をも回避することができる。
換言すれば、本実施形態の方法を用いることにより、リン含有廃水からのリン酸回収において問題のあった従来のMAP方式やHAP方式をも用いることができるので、最終的なリン酸回収の方法が多様化する。すなわち、汎用の方法を用いてリン酸を効率よく回収することができる。
なお、本実施形態では、上述のようにして、メッシュ状容器13A内に保持されたリン蓄積菌固定化担体13を再度第1の反応室211内に導入し、その後再び第2の反応室212内に導入するようにしてもよいし、このような操作を複数回行ってもよい。この場合、リン蓄積菌固定化担体13の嫌気的条件下に配置しておく時間及び好気的条件下に配置しておく時間を十分に制御することができるとともに、水中攪拌機24の回転速度や散気管15を通じた遊離酸素の供給量等を調整して、嫌気的条件及び好気的条件の制御を十分に行うことができる。この結果、リン蓄積菌固定化担体13のリン蓄積菌に適した嫌気的条件及び好気的条件を調節することができ、リン蓄積菌のリン酸蓄積能を十分に向上させることができる。
一方、第2の反応室212からの処理水W3は固液分離槽23に導入されて固液分離され、下方に堆積した汚泥の一部S1を活性汚泥として反応槽11の第1の反応室211に供給し、リン含有廃水W1の供給流れに応じて第2の反応室212及び固液分離槽23間を循環するようにしている。これによって、リン含有廃水W1中の有機物や重金属類を活性汚泥によって除去することができる。
したがって、例えば、リン濃縮槽12中の処理水W2における有機物等の不純物が減少しているので、MAP方式やHAP方式で処理水W2からリン酸を回収する場合においても、リン以外の不純物を回収してしまうという問題をより効果的に回避することができる。
なお、固液分離槽23の下部に堆積した汚泥の残部、あるいは第1の反応室211、第2の反応室212及び固液分離槽23間を循環し、有機物を資化することによって増えた活性汚泥の一部は、余剰汚泥S2として外部に排出される。
また、本実施形態においても、上述のような嫌気的条件、好気的条件を繰り返し行ってもよいし、それぞれ単一で行ってもよい。但し、前者の場合において、蓄積できるリンの量を増大させることができる。
(第4の実施形態)
図5は、本実施形態におけるリン含有廃水からのリン回収装置の概略構成図である。なお、図1及び図4に示すリン回収装置における構成要素と類似あるいは同一の構成要素に ついては同一の参照数字を用いている。
図5に示すリン含有廃水からのリン回収装置30は、反応槽31と、リン濃縮槽12とを有し、連続式のリン回収装置を構成している。反応槽31は、嫌気的条件の第1の反応室311、無酸素状態の第2の反応室312及び好気的条件の第3の反応室313を有している。第1の反応室311、第2の反応室312及び第3の反応室313には、メッシュ状の容器33A内に保持された脱窒型リン蓄積菌固定化担体33が配置されるようになっている。脱窒型リン蓄積菌固定化担体33の形状は、第1の実施形態と同様に、球状に限らず角状のものであってもよいし、棒または紐状のものであってもよい。
また、脱窒型リン蓄積菌は、上述のようなリン酸の蓄積に加えて硝酸性窒素や亜硝酸性窒素等を窒素ガスに還元する性能を有する菌であり、未だその詳細は明確にされてはいないが、例えば” 脱窒型リン蓄積細菌を利用した下水処理技術及びリン資源回収の可能性”、環境バイオテクノロジー学会誌、Vol. 4, No. 2, 95-99, 2005に掲載されているものを用いることができる。したがって、上記脱窒型リン蓄積菌は、現在では、このような研究機関から入手可能である。
担体は、第1の実施形態と同様に、セラミックや金属等でもよいが、好ましくはゲルを用い、上記脱窒型リン蓄積菌を包括固定する。
なお、ここでいう“無酸素状態”とは、酸素(O)が存在しない状態を意味し、以下で説明するような硝酸イオン、亜硝酸イオン等に含まれる結合酸素等が存在する状態を意味する。
第1の反応室311及び第2の反応室312には、嫌気的条件形成手段としての水中攪拌機24が配設され、第3の反応室313には、下部には散気管15が配設されており、散気管15にはブロアー16が取り付けられ、第3の反応室313内に空気(酸素)を供給できるようになっている。散気管15及びブロアー16は、第3の反応室313内に遊離酸素、すなわち酸素分子を供給するものであるので、好気的条件形成手段17を構成する。但し、第1の実施形態と同様に、好気的条件形成手段17は、第3の反応室313内に酸素を供給できればその形態は特に限定されるものではない。
本実施形態において、“嫌気的条件”とは、第1の反応室311内に酸素ならびに結合酸素の存在しない状態を意味し、“好気的条件”とは、第3の反応室313内に酸素が溶解し、存在している状態を意味する。また、第2の反応室312内には、嫌気的条件形成手段としての水中攪拌機24が配設されているが、上述のように、硝酸イオン、亜硝酸イオン等に含まれる結合酸素等が存在しているので、“無酸素状態”として定義している。
また、本実施形態では、反応槽31の後方に固液分離槽23が配設されている。この固液分離槽23は、以下に説明するようにリン酸回収後の処理水から活性汚泥を抽出するためのものである。
次に、図5に示す装置を用いたリン含有廃水の処理方法について説明する。
最初に、例えば図示しないバッファタンク内に貯留しているリン含有廃水W1を、反応槽11の第1の反応室311内に供給する。なお、リン含有廃水中において、リンは一般にリン酸イオン(PO 3−又はP 4−)あるいはリン酸塩の形態で存在する。なお、以下においては、リン酸イオン及びリン酸塩を総称してリン酸と呼ぶことにする。
第1の反応室311内にはメッシュ状容器33A内に保持されるようにして脱窒型リン蓄積菌固定化担体33が分散配置されており、第1の反応室311は嫌気的条件に保持されているので、脱窒型リン蓄積菌固定化担体33の脱窒型リン蓄積菌体内で合成されたPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)を合成し、その際に体内に蓄積していたポリリン酸を放出する。この際、水中攪拌機24を動作させて、脱窒型リン蓄積菌から吐き出されたポリリン酸とリン含有廃液とを混合する。
脱窒型リン蓄積菌固定化担体33の分散は、一般には、以下に説明するように、反応槽31内にリン含有廃水を導入した際、当該リン含有廃水中に浮遊させることによって行う。
このとき、酢酸、乳酸などの有機酸類、ペプトン、グルタミン酸-Na などのアミノ酸類等の有機物を第1の反応室211内に添加することにより、脱窒型リン蓄積菌からのポリリン酸の放出速度を向上させることができる。
脱窒型リン蓄積菌から放出されたポリリン酸は、上記同様に、リン含有廃水W1中ではリン酸の形態で存在する。
次いで、メッシュ状容器33Aを第1の反応室311から取り出し、また、第1の反応室311に供給されたリン含有廃水W1を第2の反応室312に移送する。第2の反応室312内は、硝酸イオン、亜硝酸イオン等に含まれる結合酸素等が存在する無酸素状態であって嫌気的条件ではないので、第2の反応室312においては脱窒型リン蓄積菌がリン含有廃水中のリン酸をある程度吸収して蓄積する。
次いで、メッシュ状容器33Aを第2の反応室312から取り出し、また、第2の反応室312に供給されたリン含有廃水W1を第3の反応室313に移送する。第3の反応室313内は、ブロアー16を動作させ、散気管15を介して空気、すなわち遊離酸素が供給されて好気的条件となっている。したがって、メッシュ状容器33Aを第3の反応室313内に浸漬することにより、脱窒型リン蓄積菌固定化担体33の脱窒型リン蓄積菌は、図2に示すように、放出したポリリン酸(リン酸)以上のリン酸、すなわちリン含有廃水中のリン酸を吸収して蓄積するようになる。結果として、脱窒型リン蓄積菌固定化担体33によってリン含有廃水中のリン酸を吸収及び蓄積することができるようになる。
なお、本実施形態における“メッシュ状容器33Aの第1の反応室311からの取り出し”及び“メッシュ状容器33Aを第2の反応室312内に浸漬する”という操作、並びに“メッシュ状容器33Aの第2の反応室312からの取り出し”及び“メッシュ状容器33Aを第3の反応室313内に浸漬する”という操作を、本実施形態では“昇降”と呼ぶ。
また、本実施形態では、上述のように、嫌気的条件の第1の反応室311と好気的条件の第3の反応室313とが別途に設けられているので、脱窒型リン蓄積菌固定化担体33の嫌気的条件下に配置しておく時間及び好気的条件下に配置しておく時間を適宜制御することができる。さらに、水中攪拌機24の回転速度や散気管15を通じた遊離酸素の供給量等を調整して、嫌気的条件及び好気的条件の制御を行うことができる。この結果、脱窒型リン蓄積菌固定化担体33の脱窒型リン蓄積菌に適した嫌気的条件及び好気的条件を調節することができ、脱窒型リン蓄積菌のリン酸蓄積能を十分に向上させることができる。
その後、脱窒型リン蓄積菌固定化担体33をメッシュ状容器33Aごと第3の反応室313から引き上げ、リン濃縮槽12中に投入する。リン濃縮槽12内は嫌気的条件下に保持されている。したがって、脱窒型リン蓄積菌固定化担体33の脱窒型リン蓄積菌が蓄積したリン酸がリン濃縮槽12内で吐き出され、リン濃縮槽12内では、リン含有廃水W1に比較してリン酸濃度の高い処理水W2が貯留されるようになる。なお、リン濃縮槽12には、必要に応じて上述した有機酸類あるいはアミノ酸類を添加して、脱窒型リン蓄積菌からのリン酸の吐き出し速度を向上させることもできる。
リン濃縮槽12中の処理水W2には、必要に応じて脱窒型リン蓄積菌固定化担体33を除去した後、第1の実施形態と同様に、例えばハイドロタルサイト様物質の吸着剤を添加することにより、当該吸着剤にリン酸を吸着させる。上述のように、処理水W2中のリン酸濃度はリン含有廃水W1に比較して高いので、処理水W2に対して吸着剤を使用してリン酸を吸着し、回収することにより、リン含有廃水W1、すなわちリンを含有する有機性廃水中のリンを高効率に回収することができる。リン酸を吸着した吸着剤はそのまま肥料として用いることができ、リン資源として適用することができる。
なお、処理水W2に対して、マグネシウム塩を添加してリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)として析出させるMAP方式や、ヒドロキシルアパタイトの種晶を用い、リンを効率よくヒドロキシルアパタイトに変換して除去するHAP方式を用いることができる。このような方式を用いた場合でも、処理水W2中には高濃度にリン酸が含まれているので、リン以外の不純物を回収してしまうという問題を回避することができる。また、使用する薬剤の量の低減することができるので、薬剤コストも低減することができる。さらに、これらの方式によるリン酸の回収効率が向上するので、リン酸微粒子による配管閉塞の問題をも回避することができる。
換言すれば、本実施形態の方法を用いることにより、リン含有廃水からのリン酸回収において問題のあった従来のMAP方式やHAP方式をも用いることができるので、最終的なリン酸回収の方法が多様化する。すなわち、汎用の方法を用いてリン酸を効率よく回収することができる。
なお、本実施形態では、上述のようにして、メッシュ状容器33A内に保持された脱窒型リン蓄積菌固定化担体33を再度第1の反応室311内に導入し、その後再び第3の反応室313内に導入するようにしてもよいし、このような操作を複数回行ってもよい。この場合、脱窒型リン蓄積菌固定化担体33の嫌気的条件下に配置しておく時間及び好気的条件下に配置しておく時間を十分に制御することができるとともに、水中攪拌機24の回転速度や散気管15を通じた遊離酸素の供給量等を調整して、嫌気的条件及び好気的条件の制御を十分に行うことができる。この結果、脱窒型リン蓄積菌固定化担体33の脱窒型リン蓄積菌に適した嫌気的条件及び好気的条件を調節することができ、脱窒型リン蓄積菌のリン酸蓄積能を十分に向上させることができる。
一方、第3の反応室313からの処理水W3は固液分離槽23に導入されて固液分離され、下方に堆積した汚泥の一部S1を活性汚泥として反応槽11の第1の反応室311に供給し、リン含有廃水W1の供給流れに応じて第2の反応室312、第3の反応室313及び固液分離槽23間を循環するようにしている。これによって、リン含有廃水W1中のリン酸以外の有機物を活性汚泥によって蓄積することができ、リン含有廃水W1から除去することができる。
したがって、例えば、リン濃縮槽12中の処理水W2における有機物量が減少しているので、MAP方式やHAP方式で処理水W2からリン酸を回収する場合においても、リン以外の不純物を回収してしまうという問題をより効果的に回避することができる。
なお、固液分離槽23の下部に堆積した汚泥の残部、あるいは第1の反応室311、第2の反応室312、第3の反応室313及び固液分離槽23間を循環し、有機物を資化することによって増えた活性汚泥の一部は、余剰汚泥S2として外部に排出される。
また、本実施形態では、脱窒型リン蓄積菌を用いているため、好気的条件下の第3の反応室313では、以下の反応式に基づいて、リン含有廃水W1中のアンモニアイオンが硝酸イオンとなり、
NH +2O→NO +HO+2H
無酸素状態の第2の反応室312内に脱窒型リン蓄積菌固定化担体33が配置されている状態で硝酸性窒素(硝酸イオン)Tが供給されると、当該脱窒型リン蓄積菌によって硝酸性窒素(硝酸イオン)Tは以下のように還元され、窒素が生成される。
2NO +5H→N+2OH+4H
すなわち、脱窒型リン蓄積菌を用いることにより、好気的条件下の第3の反応室313内でリン含有廃液W1中のアンモニア性窒素が硝酸性窒素に酸化され、無酸素状態の第2の反応室312内で硝酸性窒素が窒素に還元される。結果として、リン含有廃液W1から、リン酸に加えてアンモニア性窒素をも除去することが可能となる。
また、本実施形態においても、上述のような嫌気的条件、好気的条件を繰り返し行ってもよいし、それぞれ単一で行ってもよい。但し、前者の場合において、蓄積できるリンの量を増大させることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,20,30 リン含有廃水からのリン回収装置
11 反応槽
12 リン濃縮槽
13 リン蓄積菌固定化担体
13A メッシュ状容器
14 攪拌機(嫌気的条件形成手段)
15 散気管
16 ブロアー
17 好気的条件形成手段
W1 リン含有廃水
W2,W3 処理水
21 反応槽
211 第1の反応室
212 第2の反応室
23 固液分離槽
24 水中攪拌機
S1 活性汚泥
S2 余剰汚泥
31 反応槽
311 第1の反応室
312 第2の反応室
313 第3の反応室
33 脱窒型リン蓄積菌固定化担体
33A メッシュ状容器

Claims (11)

  1. リン蓄積菌を担持した担体を反応槽に分散配置するステップと、
    前記反応槽内にリン含有廃水を導入するステップと、
    前記反応槽内を嫌気的条件に設定し、前記リン蓄積菌内部に蓄積したポリリン酸を放出させるステップと、
    前記反応槽内を好気的条件に設定し、前記リン蓄積菌によって前記リン含有廃水中のリンを吸収して蓄積するステップと、
    前記リン蓄積後の前記リン蓄積菌の担体を前記反応槽より取り出し、リン濃縮槽中に移送するステップと、
    前記リン濃縮槽を嫌気的条件に設定し、前記リン蓄積菌内部に蓄積したリンを放出させるステップと、
    前記リン濃縮槽中のリンを回収するステップと、
    を具えることを特徴とする、リン含有廃水からのリン回収方法。
  2. 前記反応槽内を嫌気的条件に設定し、前記リン蓄積菌内部に蓄積したポリリン酸を放出させるステップ及び、
    前記反応槽内を好気的条件に設定し、前記リン蓄積菌によって前記リン含有廃水中のリンを吸収して蓄積するステップと、
    を複数回繰り返すことを特徴とする、請求項1に記載のリン含有廃水のリン回収方法。
  3. 前記担体は、前記反応槽内で、所定のメッシュ状容器中に、前記リン含有廃水と接触するようにして保持されていることを特徴とする、請求項1に記載のリン含有廃水からのリン回収方法。
  4. 前記反応槽は、第1の反応室及び第2の反応室を含み、前記第1の反応室は嫌気的条件に設定され、前記第2の反応室は好気的条件に設定されており、前記担体は、前記メッシュ状の容器内に保持された状態で昇降させることにより、前記第1の反応室及び前記第2の反応室間を移動することを特徴とする、請求項3に記載のリン含有廃水からのリン回収方法。
  5. 前記リン蓄積菌は脱窒能を有するとともに、前記反応槽は、第1の反応室、第2の反応室及び第3の反応室を含み、前記第1の反応室は嫌気的条件に設定され、前記第2の反応室は無酸素条件に設定され、前記第3の反応室は好気的条件に設定されており、
    前記担体を、前記メッシュ状の容器内に保持された状態で昇降させることにより、前記第1の反応室、前記第2の反応室及び前記第3の反応室間を移動させ、前記第3の反応室で生成した前記リン含有廃水中のアンモニア性窒素を、前記第2の反応室内で除去するステップを具えることを特徴とする、請求項3に記載のリン含有廃水からのリン回収方法。
  6. 前記反応槽の前記リン含有廃水の下流側において固液分離槽を配設し、当該固液分離槽において固液分離された汚泥の一部を活性化汚泥として前記反応槽に導入するステップを具えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1に記載のリン含有廃水からのリン回収方法。
  7. リン蓄積菌を担持した担体を分散配置し、嫌気的条件形成手段及び好気的条件形成手段を有する反応槽と、
    リン蓄積後の前記リン蓄積菌の担体を前記反応槽より取り出し、嫌気的条件下で、前記リン蓄積菌内部に蓄積したリンを放出させ、リン濃縮液を生成し、貯留するためのリン濃縮槽と、
    を具えることを特徴とする、リン含有廃水からのリン回収装置。
  8. 前記反応槽内で、前記担体を前記リン含有廃水と接触するようにして保持するためのメッシュ状容器を具えることを特徴とする、請求項7に記載のリン含有廃水からのリン回収装置。
  9. 前記反応槽は、第1の反応室及び第2の反応室を含み、前記第1の反応室は嫌気的条件に設定され、前記第2の反応室は好気的条件に設定されており、前記担体は、前記メッシュ状の容器内に保持された状態で昇降させることにより、前記第1の反応室及び前記第2の反応室間を移動するように構成されたことを特徴とする、請求項8に記載のリン含有廃水からのリン回収装置。
  10. 前記リン蓄積菌は脱窒能を有するとともに、前記反応槽は、第1の反応室、第2の反応室及び第3の反応室を含み、前記第1の反応室は嫌気的条件に設定され、前記第2の反応室は無酸素条件に設定され、前記第3の反応室は好気的条件に設定されており、
    前記担体を、前記メッシュ状の容器内に保持された状態で昇降させることにより、前記第1の反応室、前記第2の反応室及び前記第3の反応室間を移動させ、前記第3の反応室で生成した前記リン含有廃水中のアンモニア性窒素を、前記第2の反応室内で除去するように構成したことを特徴とする、請求項8に記載のリン含有廃水からのリン回収装置。
  11. 前記反応槽の前記リン含有廃水の下流側において、固液分離された汚泥の一部を活性化汚泥として前記反応槽に導入するために配設された固液分離槽を具えることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1に記載のリン含有廃水からのリン回収装置。
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