JP2004351303A - 厨房排水処理装置 - Google Patents
厨房排水処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004351303A JP2004351303A JP2003150930A JP2003150930A JP2004351303A JP 2004351303 A JP2004351303 A JP 2004351303A JP 2003150930 A JP2003150930 A JP 2003150930A JP 2003150930 A JP2003150930 A JP 2003150930A JP 2004351303 A JP2004351303 A JP 2004351303A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wastewater
- enzyme
- kitchen
- biological
- oils
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
Landscapes
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
Abstract
【課題】ホテルやレストラン、テナントビルなどの厨房廃水中の油脂分を効率的に分解消化し、下水道などに排出される浄化水中に含まれる油脂分を安定的に減量できる厨房排水処理装置と厨房排水の処理方法を提供する。
【解決手段】排水中の油脂分を酵素剤で処理する酵素処理部9と、酵素処理部9で処理された排水中の有機物を生物担体6に付着した微生物で処理する生物処理部10とを具備する厨房排水処理装置であり、生物担体6は、活性炭繊維と合成繊維とを主成分とするが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】排水中の油脂分を酵素剤で処理する酵素処理部9と、酵素処理部9で処理された排水中の有機物を生物担体6に付着した微生物で処理する生物処理部10とを具備する厨房排水処理装置であり、生物担体6は、活性炭繊維と合成繊維とを主成分とするが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、厨房から発生する排水、特に油分の多い排水を、酵素と生物担体により処理する厨房排水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
厨房などから発生する含油排水を処理する方法としては、含油排水に無機系凝集剤を添加し、油分をフロックに吸着させて除去する方法が一般的である。しかし、この方法では常に汚泥が発生するという問題があり、また除去した油分は焼却処分する必要があるので、コストが高いという欠点もある。
【0003】
また、特許文献1には、ハイポルカO(商品名,四国化成工業株式会社製造)等の微生物酵素剤を使用する厨房排水処理方法が開示されている。次に、特許文献2には、クリノプチロライトからなる生物担体を使用した含油排水の処理方法が開示されている。特許文献3には、生物担体として木質細片、竹細片、木炭、竹炭、多孔質セラミックス、多孔質石粒を使用する例が開示されている。さらに、特許文献4には、ポリエーテル系ウレタンフォームスポンジを生物担体として使用する排水処理方法が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1のように微生物酵素剤のみを使用する場合は、酵素が排水と一緒に流れ出てしまうケースが多く、酵素を大量に使用しなければならないという欠点がある。また、特許文献3のように生物担体として木質細片、竹細片、木炭、竹炭を使用する場合は、担体の比表面積が小さいため生物の担持量が少なく、処理効果が上がり難いという欠点がある。多孔質セラミックスや多孔質石粒は生物との親和性が小さく、生物の着床に時間がかかるという欠点がある。さらに、特許文献2〜4のように生物担体のみを使用する場合は、大量に油分が排出された場合、油分が生物担体の表面を覆ってしまい、生物担体の性能が十分に発揮できないことがある。さらに、生物との親和性が悪いため性能を発揮するまでに時間がかかるという欠点もある。
【0005】
一方、特許文献5には、表面に酵素を露出状態で含有させた生物担体を用いる汚水処理法が記載されており、この方法は、同じ水槽内で排水中の油分を酵素で分解し、酵素分解物質を微生物により分解するものである。しかし、この方法では、排水中の油分が多いと、生物担体の表面が油分で覆われ、エアーレーションが施されても油分の膜は取れ難いので、生物担体に付着した微生物や酵素の分解作用やが低下するという問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−256497号公報
【特許文献2】
特開平9−75075号公報
【特許文献3】
特開平10−230288号公報
【特許文献4】
特開2000−279983号公報
【特許文献5】
特開2002−301493号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を考慮してなされたものであり、廃水中の油 脂分を効率的に分解消化し、下水道などに排出される浄化水中に含まれる油 脂分を減量できる厨房排水処理装置と厨房排水処理方法を提供することを技 術的な課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、排水をま ず酵素剤で処理し、次いで微生物で処理すればよいことを知見して本発明に 到達した。
すなわち、本発明は、次の構成をその要旨とするものである。
(1)排水中の油脂分を酵素剤で処理する酵素処理部と、酵素処理部で処理した排水中の有機物を生物担体に付着した微生物で処理する生物処理部とを具備することを特徴とする厨房排水処理装置。
(2)生物担体が、活性炭繊維と合成繊維とを主成分とするものである上記( 1)記載の厨房排水処理装置。
(3)上記(1)又は(2)記載の厨房排水処理装置を使用する厨房排水処理 方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の厨房排水処理装置は、第1工程として、排水中の油脂分を酵素剤で処理する酵素処理部を有し、第2工程として、酵素処理部で処理した排水中の有機物を生物担体に付着した微生物で処理する生物処理部を有している。
【0010】
本発明において、酵素処理部で排水中の油脂分を分解処理するために使用する酵素剤としては、微生物が作り出したものや植物から抽出された市販酵素剤が使用可能であるが、リパーゼなどの油分解性能が高い酵素が特に好ましく、例えば、四国化成から販売されているハイポルカ製品等が挙げられる。
【0011】
また、生物処理部において、油を分解したり、有機物を分解する微生物を付着させて排水中の有機物や油脂分を処理する生物担体としては、生物が付着する素材であれば特に限定されるものではなく、木質細片、竹細片、木炭、竹炭、多孔質セラミックス、多孔質石粒、ポリエーテル系ウレタンフォームスポンジなどのプラスチック担体などを使用することができるが、微生物の着床の速さ、すなわち効果の発現の速さ、取り扱い性のよさなどの理由で活性炭繊維と合成繊維とを主成分とする生物担体が好ましい。
【0012】
活性炭繊維と合成繊維とを主成分とする生物担体としては、活性炭繊維10〜60質量%と合成繊維90〜40質量%、好ましくは活性炭繊維15〜40質量%と合成繊維85〜60質量%からなるフェルト布状活性炭繊維を波板状になるように合成繊維からなる不織布に貼着した担体や、波板状になるように不織布に貼着した成形体を積層した担体、又は活性炭繊維10〜60質量%と合成繊維90〜40質量%、好ましくは活性炭繊維15〜40質量%と合成繊維85〜60質量%からなる密度0.06〜0.15g/m3、直径5〜30mm、長さ5〜50mmの円柱棒状あるいは多角形棒状の担体が好ましく使用できる。
【0013】
上記で使用する活性炭繊維は、比表面積が500〜2500m2/gのものであればピッチ系、ポリアクリロニトリル系、フェノール系あるいはレーヨン系のいずれのものでも使用できる。
また、合成繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維などが好ましく使用できる。
【0014】
生物担体として、活性炭繊維と合成繊維を主成分とする、好ましくは活性炭繊維と合成繊維からなる担体の性能を妨げない限り、この生物担体を主として用い、木質細片、竹細片、木炭、竹炭、多孔質セラミックス、多孔質石粒、ポリエーテル系ウレタンフォームスポンジなどのプラスチック担体などを併用することもできる。
【0015】
次に、本発明の厨房排水処理装置及び厨房排水処理方法を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の厨房排水処理装置の一実施態様を示す説明図であり、グリーストラップを利用した水槽状の厨房排水処理装置は、セパレーター(2)によって酵素処理部(9)と生物処理部(10)分けられており、排水の流入側になる酵素処理部(9)には、底部側に厨房排水中のゴミを除去する網状の受カゴ(1) が、また上部に酵素剤供給装置(4)が設けてある。
【0016】
また、排水の流出側になる生物処理部(10)には、生物担体(6)を収納した金網槽(5)が設けてあり、生物処理部(10)の底面側には、上部側がエアーポンプ(8)に連結され、生物担体(6)に適量な空気(酸素)を供給するための送気用配管(11)が設置されている。
【0017】
厨房排水を処理するに際しては、酵素処理部(9)に流入する排水を受カゴ(1)で粗く濾過して排水中のゴミを受カゴ(1) で除去する。また、酵素剤供給装置(4)から酵素剤を排水に滴下若しくは噴霧し、排水中の油脂分を酵素剤で分解処理する。
【0018】
酵素処理部(9)で排水中の油脂分が分解された排水は、セパレーター(2)を越えて生物処理部(10)に流入し、金網槽(5)に収納された生物担体(6)に付着した油を分解する微生物や有機物を分解する微生物で分解処理が施され、流出側から、例えば下水道に放流される。
生物処理部(10)においては、送気用配管(11)から生物担体(6)に適量な空気(酸素)を供給するが、エアーレーション(7)は、断続的でも連続的でもよく、
生物担体(6)が水中で揺れ動くように施すのが好ましい。
【0019】
上記のように、本発明では、酵素処理部と生物処理部とを分離し、まず排水中の油脂分を酵素処理部の酵素剤で分解処理して、微生物で分解されやすい低分子の有機物とするので、排水中の油脂分が生物処理部に直接流入して生物担体を覆うことがなく、生物処理部において、微生物による安定した分解作用が働くので、廃水中の油脂分を効率的に分解消化し、下水道などに排出される浄化水中に含まれる油脂分を減量できるものである。
【0020】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
W1000×D3000×H800mmの塩化ビニル製反応槽を用い、図1に示すようなレストラン用の厨房排水処理装置を設置した。槽は、セパレーター(2)で5槽に区分した。各槽部には、直径が15mmの塩化ビニル管を用いて送気用配管(11)を設置し、エアレーションができるようにした(総通気量0.15リットル/分)。
【0021】
第一槽である酵素処理部(9)には、厨房排水中に含有されるゴミの受カゴ(1)(金網製:2mmメッシュ)を据え付け、酵素剤供給装置(4)から油脂分解酵素剤(ハイポルカOL:四国化成工業社製)を400ミリリットル/日で投入できるように調節した。
【0022】
生物処理部(10)の3つの金網(2mmメッシュ)槽(5)には、活性炭繊維(ユニチカ株式会社製A−7:比表面積700m2/g)/合成繊維(ポリエステル繊維)=20/80からなる六葉棒状生物担体(ユニチカ社製活性炭繊維シリンダー FMI−A8×10Y:直径8mm、長さ10mm、かさ密度0.085g/cm3)を50リットルずつ投入した。
上記の装置を用い、レストランの厨房排水量を80m3/日で処理した。原水濃度を表1に、処理2日目と30日目の水質の評価結果を表2,3に示す。
【0023】
実施例2
活性炭繊維(ユニチカ株式会社製A−7:比表面積700m2/g)/合成繊維(ポリオレフィン繊維)=20/80からなるフェルト状活性炭繊維(目付65g/m2)をポリオレフィン不織布(目付40g/m2)に貼り合わせた波板状担体(山高さが20mm、ピッチが13mm)を積層させた生物担体を金網槽(5)に充填した以外は、実施例1と同様にして排水処理を行った。
【0024】
比較例1
生物担体を使用しない以外は、実施例1と同様にして排水処理を行った。
【0025】
比較例2
油脂分解性の酵素剤を使用しない以外は、実施例1と同様にして排水処理を行った。
実施例2と比較例1,2の処理2日目と30日目の水質の評価結果を表2 ,3に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
表2,3から明らかなように、実施例1,2の油分分解性の酵素剤と活性炭繊維を主成分とする生物担体とを併用した系では、処理2日目と30日目の処理水のBOD、n−Hexとも大幅に低減していた。
一方、比較例1の生物担体を使用しない系と、比較例2の油分分解性の酵素剤を使用しない系は、分解能力が非常に低いものであった。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、油脂分を分解する酵素剤と生物担体を組み合わせることで、ホテルやレストラン、テナントビルなどの厨房廃水中の油脂分を効率的に分解消化し、下水道などに排出される浄化水中に含まれる油脂分を安定的に減量できる厨房排水処理装置と厨房排水の処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厨房排水処理装置の一実施態様を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ゴミの受カゴ
2 セパレーター
4 酵素剤供給装置
5 金網槽
6 生物担体
7 エアーレーション
8 エアーポンプ
9 酵素処理部
10 生物処理部
11 送気用配管
【発明の属する技術分野】
本発明は、厨房から発生する排水、特に油分の多い排水を、酵素と生物担体により処理する厨房排水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
厨房などから発生する含油排水を処理する方法としては、含油排水に無機系凝集剤を添加し、油分をフロックに吸着させて除去する方法が一般的である。しかし、この方法では常に汚泥が発生するという問題があり、また除去した油分は焼却処分する必要があるので、コストが高いという欠点もある。
【0003】
また、特許文献1には、ハイポルカO(商品名,四国化成工業株式会社製造)等の微生物酵素剤を使用する厨房排水処理方法が開示されている。次に、特許文献2には、クリノプチロライトからなる生物担体を使用した含油排水の処理方法が開示されている。特許文献3には、生物担体として木質細片、竹細片、木炭、竹炭、多孔質セラミックス、多孔質石粒を使用する例が開示されている。さらに、特許文献4には、ポリエーテル系ウレタンフォームスポンジを生物担体として使用する排水処理方法が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1のように微生物酵素剤のみを使用する場合は、酵素が排水と一緒に流れ出てしまうケースが多く、酵素を大量に使用しなければならないという欠点がある。また、特許文献3のように生物担体として木質細片、竹細片、木炭、竹炭を使用する場合は、担体の比表面積が小さいため生物の担持量が少なく、処理効果が上がり難いという欠点がある。多孔質セラミックスや多孔質石粒は生物との親和性が小さく、生物の着床に時間がかかるという欠点がある。さらに、特許文献2〜4のように生物担体のみを使用する場合は、大量に油分が排出された場合、油分が生物担体の表面を覆ってしまい、生物担体の性能が十分に発揮できないことがある。さらに、生物との親和性が悪いため性能を発揮するまでに時間がかかるという欠点もある。
【0005】
一方、特許文献5には、表面に酵素を露出状態で含有させた生物担体を用いる汚水処理法が記載されており、この方法は、同じ水槽内で排水中の油分を酵素で分解し、酵素分解物質を微生物により分解するものである。しかし、この方法では、排水中の油分が多いと、生物担体の表面が油分で覆われ、エアーレーションが施されても油分の膜は取れ難いので、生物担体に付着した微生物や酵素の分解作用やが低下するという問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−256497号公報
【特許文献2】
特開平9−75075号公報
【特許文献3】
特開平10−230288号公報
【特許文献4】
特開2000−279983号公報
【特許文献5】
特開2002−301493号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を考慮してなされたものであり、廃水中の油 脂分を効率的に分解消化し、下水道などに排出される浄化水中に含まれる油 脂分を減量できる厨房排水処理装置と厨房排水処理方法を提供することを技 術的な課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、排水をま ず酵素剤で処理し、次いで微生物で処理すればよいことを知見して本発明に 到達した。
すなわち、本発明は、次の構成をその要旨とするものである。
(1)排水中の油脂分を酵素剤で処理する酵素処理部と、酵素処理部で処理した排水中の有機物を生物担体に付着した微生物で処理する生物処理部とを具備することを特徴とする厨房排水処理装置。
(2)生物担体が、活性炭繊維と合成繊維とを主成分とするものである上記( 1)記載の厨房排水処理装置。
(3)上記(1)又は(2)記載の厨房排水処理装置を使用する厨房排水処理 方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の厨房排水処理装置は、第1工程として、排水中の油脂分を酵素剤で処理する酵素処理部を有し、第2工程として、酵素処理部で処理した排水中の有機物を生物担体に付着した微生物で処理する生物処理部を有している。
【0010】
本発明において、酵素処理部で排水中の油脂分を分解処理するために使用する酵素剤としては、微生物が作り出したものや植物から抽出された市販酵素剤が使用可能であるが、リパーゼなどの油分解性能が高い酵素が特に好ましく、例えば、四国化成から販売されているハイポルカ製品等が挙げられる。
【0011】
また、生物処理部において、油を分解したり、有機物を分解する微生物を付着させて排水中の有機物や油脂分を処理する生物担体としては、生物が付着する素材であれば特に限定されるものではなく、木質細片、竹細片、木炭、竹炭、多孔質セラミックス、多孔質石粒、ポリエーテル系ウレタンフォームスポンジなどのプラスチック担体などを使用することができるが、微生物の着床の速さ、すなわち効果の発現の速さ、取り扱い性のよさなどの理由で活性炭繊維と合成繊維とを主成分とする生物担体が好ましい。
【0012】
活性炭繊維と合成繊維とを主成分とする生物担体としては、活性炭繊維10〜60質量%と合成繊維90〜40質量%、好ましくは活性炭繊維15〜40質量%と合成繊維85〜60質量%からなるフェルト布状活性炭繊維を波板状になるように合成繊維からなる不織布に貼着した担体や、波板状になるように不織布に貼着した成形体を積層した担体、又は活性炭繊維10〜60質量%と合成繊維90〜40質量%、好ましくは活性炭繊維15〜40質量%と合成繊維85〜60質量%からなる密度0.06〜0.15g/m3、直径5〜30mm、長さ5〜50mmの円柱棒状あるいは多角形棒状の担体が好ましく使用できる。
【0013】
上記で使用する活性炭繊維は、比表面積が500〜2500m2/gのものであればピッチ系、ポリアクリロニトリル系、フェノール系あるいはレーヨン系のいずれのものでも使用できる。
また、合成繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維などが好ましく使用できる。
【0014】
生物担体として、活性炭繊維と合成繊維を主成分とする、好ましくは活性炭繊維と合成繊維からなる担体の性能を妨げない限り、この生物担体を主として用い、木質細片、竹細片、木炭、竹炭、多孔質セラミックス、多孔質石粒、ポリエーテル系ウレタンフォームスポンジなどのプラスチック担体などを併用することもできる。
【0015】
次に、本発明の厨房排水処理装置及び厨房排水処理方法を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の厨房排水処理装置の一実施態様を示す説明図であり、グリーストラップを利用した水槽状の厨房排水処理装置は、セパレーター(2)によって酵素処理部(9)と生物処理部(10)分けられており、排水の流入側になる酵素処理部(9)には、底部側に厨房排水中のゴミを除去する網状の受カゴ(1) が、また上部に酵素剤供給装置(4)が設けてある。
【0016】
また、排水の流出側になる生物処理部(10)には、生物担体(6)を収納した金網槽(5)が設けてあり、生物処理部(10)の底面側には、上部側がエアーポンプ(8)に連結され、生物担体(6)に適量な空気(酸素)を供給するための送気用配管(11)が設置されている。
【0017】
厨房排水を処理するに際しては、酵素処理部(9)に流入する排水を受カゴ(1)で粗く濾過して排水中のゴミを受カゴ(1) で除去する。また、酵素剤供給装置(4)から酵素剤を排水に滴下若しくは噴霧し、排水中の油脂分を酵素剤で分解処理する。
【0018】
酵素処理部(9)で排水中の油脂分が分解された排水は、セパレーター(2)を越えて生物処理部(10)に流入し、金網槽(5)に収納された生物担体(6)に付着した油を分解する微生物や有機物を分解する微生物で分解処理が施され、流出側から、例えば下水道に放流される。
生物処理部(10)においては、送気用配管(11)から生物担体(6)に適量な空気(酸素)を供給するが、エアーレーション(7)は、断続的でも連続的でもよく、
生物担体(6)が水中で揺れ動くように施すのが好ましい。
【0019】
上記のように、本発明では、酵素処理部と生物処理部とを分離し、まず排水中の油脂分を酵素処理部の酵素剤で分解処理して、微生物で分解されやすい低分子の有機物とするので、排水中の油脂分が生物処理部に直接流入して生物担体を覆うことがなく、生物処理部において、微生物による安定した分解作用が働くので、廃水中の油脂分を効率的に分解消化し、下水道などに排出される浄化水中に含まれる油脂分を減量できるものである。
【0020】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
W1000×D3000×H800mmの塩化ビニル製反応槽を用い、図1に示すようなレストラン用の厨房排水処理装置を設置した。槽は、セパレーター(2)で5槽に区分した。各槽部には、直径が15mmの塩化ビニル管を用いて送気用配管(11)を設置し、エアレーションができるようにした(総通気量0.15リットル/分)。
【0021】
第一槽である酵素処理部(9)には、厨房排水中に含有されるゴミの受カゴ(1)(金網製:2mmメッシュ)を据え付け、酵素剤供給装置(4)から油脂分解酵素剤(ハイポルカOL:四国化成工業社製)を400ミリリットル/日で投入できるように調節した。
【0022】
生物処理部(10)の3つの金網(2mmメッシュ)槽(5)には、活性炭繊維(ユニチカ株式会社製A−7:比表面積700m2/g)/合成繊維(ポリエステル繊維)=20/80からなる六葉棒状生物担体(ユニチカ社製活性炭繊維シリンダー FMI−A8×10Y:直径8mm、長さ10mm、かさ密度0.085g/cm3)を50リットルずつ投入した。
上記の装置を用い、レストランの厨房排水量を80m3/日で処理した。原水濃度を表1に、処理2日目と30日目の水質の評価結果を表2,3に示す。
【0023】
実施例2
活性炭繊維(ユニチカ株式会社製A−7:比表面積700m2/g)/合成繊維(ポリオレフィン繊維)=20/80からなるフェルト状活性炭繊維(目付65g/m2)をポリオレフィン不織布(目付40g/m2)に貼り合わせた波板状担体(山高さが20mm、ピッチが13mm)を積層させた生物担体を金網槽(5)に充填した以外は、実施例1と同様にして排水処理を行った。
【0024】
比較例1
生物担体を使用しない以外は、実施例1と同様にして排水処理を行った。
【0025】
比較例2
油脂分解性の酵素剤を使用しない以外は、実施例1と同様にして排水処理を行った。
実施例2と比較例1,2の処理2日目と30日目の水質の評価結果を表2 ,3に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
表2,3から明らかなように、実施例1,2の油分分解性の酵素剤と活性炭繊維を主成分とする生物担体とを併用した系では、処理2日目と30日目の処理水のBOD、n−Hexとも大幅に低減していた。
一方、比較例1の生物担体を使用しない系と、比較例2の油分分解性の酵素剤を使用しない系は、分解能力が非常に低いものであった。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、油脂分を分解する酵素剤と生物担体を組み合わせることで、ホテルやレストラン、テナントビルなどの厨房廃水中の油脂分を効率的に分解消化し、下水道などに排出される浄化水中に含まれる油脂分を安定的に減量できる厨房排水処理装置と厨房排水の処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厨房排水処理装置の一実施態様を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ゴミの受カゴ
2 セパレーター
4 酵素剤供給装置
5 金網槽
6 生物担体
7 エアーレーション
8 エアーポンプ
9 酵素処理部
10 生物処理部
11 送気用配管
Claims (3)
- 排水中の油脂分を酵素剤で処理する酵素処理部と、酵素処理部で処理された排水中の有機物を生物担体に付着した微生物で処理する生物処理部とを具備することを特長とする厨房排水処理装置。
- 生物担体が、活性炭繊維と合成繊維とを主成分とするものである請求項1記載の厨房排水処理装置。
- 請求項1又は2記載の厨房排水処理装置を使用する厨房排水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003150930A JP2004351303A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 厨房排水処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003150930A JP2004351303A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 厨房排水処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004351303A true JP2004351303A (ja) | 2004-12-16 |
Family
ID=34046592
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003150930A Pending JP2004351303A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 厨房排水処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004351303A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008253989A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-10-23 | Nagoya Institute Of Technology | バイオフィルムによる油脂分解とオゾンによる脱臭を両立させるグリーストラップの衛生化技術 |
JP2012206084A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Cci Corp | 油脂含有排水の処理方法およびその排水処理材 |
JP2014046301A (ja) * | 2012-09-04 | 2014-03-17 | Toshiba Corp | リン含有廃水からのリン回収方法、及びその装置 |
JP2017140558A (ja) * | 2016-02-08 | 2017-08-17 | 株式会社栄電社 | バイオリアクター素子、及びバイオリアクター素子を用いた排水の処理方法 |
CN112048393A (zh) * | 2020-09-15 | 2020-12-08 | 甘肃然德新能源化工进出口有限公司 | 餐厨废液中剩余油脂的酶解提取方法 |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003150930A patent/JP2004351303A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008253989A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-10-23 | Nagoya Institute Of Technology | バイオフィルムによる油脂分解とオゾンによる脱臭を両立させるグリーストラップの衛生化技術 |
JP2012206084A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Cci Corp | 油脂含有排水の処理方法およびその排水処理材 |
JP2014046301A (ja) * | 2012-09-04 | 2014-03-17 | Toshiba Corp | リン含有廃水からのリン回収方法、及びその装置 |
JP2017140558A (ja) * | 2016-02-08 | 2017-08-17 | 株式会社栄電社 | バイオリアクター素子、及びバイオリアクター素子を用いた排水の処理方法 |
CN112048393A (zh) * | 2020-09-15 | 2020-12-08 | 甘肃然德新能源化工进出口有限公司 | 餐厨废液中剩余油脂的酶解提取方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2390978C (en) | Wastewater purifying apparatus | |
JP2010125361A (ja) | 排水処理システム及び浄化システム | |
JP2002263684A (ja) | 微生物による廃水の処理方法及び装置 | |
KR101000506B1 (ko) | 분뇨, 오수 및 축산폐수 고도처리장치 | |
JP2004351303A (ja) | 厨房排水処理装置 | |
EP2160361A1 (en) | Process for removing nitrogen and phosphorus from greywater and apparatus | |
JP2007326014A (ja) | 排水油脂分解浄化器 | |
CN208327714U (zh) | 农村生活污水处理一体化装置 | |
JP2011167662A (ja) | 浄化槽排水の浄化材及びその施工方法 | |
JPH10230288A (ja) | グリーストラップ油脂類分解浄化システム | |
KR100411516B1 (ko) | 병원 폐수처리시스템 | |
JP2011251264A (ja) | 排水処理システム | |
JPH091171A (ja) | 排水循環浄化装置 | |
JP3182631B2 (ja) | 浄化槽 | |
JP2007105640A (ja) | 循環装置およびこれを用いた循環浄化槽、並びに汚水浄化装置 | |
CN209721871U (zh) | 污水处理系统 | |
JPH1119674A (ja) | 有機排水処理装置 | |
JPH10118629A (ja) | 水質浄化装置及び水質浄化方法 | |
CN206318842U (zh) | 一种宠物医院废水处理一体化设备 | |
CN205088080U (zh) | 一种环境污水处理设备 | |
JP2004216316A (ja) | 雨水浄化システム | |
JP2001137878A (ja) | 有機性固形物含有排水の処理装置及び処理方法 | |
KR950013317B1 (ko) | 접촉산화조 및 폭기여과식 침전조를 이용한 오수 정화 처리 방법 및 장치 | |
Munavalli et al. | Treatment of domestic wastewater by a hybrid natural system | |
JP2003211126A (ja) | 食堂の廃棄物処理システム |