JP2013119081A - リン含有廃水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リン放出処理後の汚泥から効率よくリンを回収するための廃水処理方法及び廃水処理装置を提供すること。
【解決手段】本発明のリン含有廃水の処理方法は、リン含有廃水を少なくとも好気処理する生物処理工程と、前記生物処理工程によって得られる第一余剰汚泥をさらに好気処理する再好気処理工程と、前記再好気処理工程によって得られる第二余剰汚泥を固液分離によって濃縮する濃縮工程と、前記濃縮工程によって得られる濃縮汚泥を嫌気性条件下で滞留させ、濃縮汚泥からリンを放出させるリン放出工程と、前記第一好気処理前の廃水から得られる初沈汚泥を、前記リン放出工程後の濃縮汚泥に添加した後、固液分離する固液分離工程と、前記固液分離によって得られるろ液にリン回収剤を添加することにより、ろ液に含有されるリンを塩として晶析させて回収するリン回収工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、リンを含有する廃水の処理方法及び処理装置であって、廃水の生物処理によって得られる余剰汚泥を好気処理し、その後リン放出槽へと供給し、嫌気状態に維持することにより、余剰汚泥中に含有されているリンを放出させ、余剰汚泥から効率よくリンを回収し得る処理方法及び処理装置に関する。
下水又は屎尿廃水のような廃水(生活廃水)には、リンがリン酸塩類として含有されていることが多い。このようなリンを含有する廃水は、湖沼又は海域の富栄養化を引き起こす原因となるため、廃水中からリンを効果的に除去するための技術が求められている。
廃水からリンを除去する一般的な方法の例は、生物学的脱リン法、イオン交換樹脂法又は物理化学的凝集沈殿法である。生物学的脱リン法は、嫌気条件下でリンを放出した微生物(リン蓄積細菌)が引き続き好気条件に晒されると、リンを過剰に取り込む性質を利用している。この生物学的脱リン法は、従来の活性汚泥処理プロセスの中でBOD又はSSと共にリン酸塩類を同時に除去できるために、優れた処理方法として多くの研究がなされている。
特許文献1は、リンを含有する廃水を曝気槽で曝気処理した後、最終沈殿槽の汚泥を1.5%以上の濃度に濃縮し、濃縮汚泥を攪拌した後、嫌気リン放出槽へと供給することにより、嫌気リン放出槽におけるリン放出速度を高めることを特徴としたリン回収方法を開示している。
特許文献2は、余剰汚泥を高分子凝集剤を添加して濃縮した後、初沈汚泥を混合してリン放出槽にてリンを放出させて、脱水した脱水ろ液からリンを回収する脱リン装置を開示している。
特公平1−31439号公報 特許第3879136号公報
特許文献1及び2に開示されている発明では、リン放出槽を小さくするために、事前に汚泥を濃縮する方法が採用されているが、通常、汚泥が濃縮工程に到達するまでに長時間嫌気状態に晒されることとなるため、濃縮工程前にかなりの量のリンが放出されており、リン放出槽でのリン放出効率が大幅に低下する問題があった。
特許文献2に開示されている脱リン装置では、最初沈殿地の汚泥(初沈汚泥)と、生物脱リン処理槽の余剰汚泥とを混合し、嫌気槽内で嫌気処理し、嫌気処理後の汚泥を固液分離することによって得られる分離水から、リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP;化学式はMgNHPO/6HO)としてリンを回収しているが、MAPはMg,N,及びPのバランスが重要であり、分離水中のこれら元素バランスが悪い場合には、リン回収効率が低くなるおそれがある。
また、初沈汚泥にはリン蓄積細菌が少なく、リン放出が少ないため、初沈汚泥と嫌気処理後の余剰汚泥とを混合してリン放出させることは、嫌気槽及び脱リン槽を無駄に大きくすることになり効率が悪くなる。
さらに、固液分離による汚泥の濃縮効率を高めるために、汚泥に硫酸バンド又はポリ塩化アルミニウム(PAC)のようなアルミニウム系凝集剤、あるいは塩化第二鉄又はポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄)のような鉄系凝集剤を添加し、固液分離することが一般的であるが、リンがこれら凝集剤(汚泥凝集剤)に捕捉されてしまうため、ろ液からのリン回収率が低いという問題もあった。
本発明は、リン放出処理後の汚泥から効率よくリンを回収するための廃水処理方法及び廃水処理装置の提供を目的とする。
本発明者は、廃水の生物処理によって得られる余剰汚泥が設備内を移動する間に嫌気状態となり、余剰汚泥中のリンが固液分離の際にろ液へと流出している点に着目した。そして、余剰汚泥を好気状態に保ったままリン放出槽へと供給して生物脱リン処理し、その後固液分離によって得られたろ液からリンを回収すれば、リン回収率を向上させ得ることを見出した。
また、本発明者は、廃水の生物処理によって得られる余剰汚泥をリン放出処理した後、初沈汚泥をリン放出処理後の余剰汚泥に添加すれば、リン放出槽を小型化しつつ、固液分離性を向上し得ることも見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的に、本発明は、
リン含有廃水を少なくとも好気処理する生物処理工程と、
前記生物処理工程によって得られる第一余剰汚泥をさらに好気処理する再好気処理工程と、
前記再好気処理工程によって得られる第二余剰汚泥を固液分離によって濃縮する濃縮工程と、
前記濃縮工程によって得られる濃縮汚泥を嫌気性条件下で滞留させ、濃縮汚泥からリンを放出させるリン放出工程と、
前記生物処理前の廃水から得られる初沈汚泥を、前記リン放出工程後の濃縮汚泥に添加した後、固液分離する固液分離工程と、
前記固液分離によって得られるろ液にリン回収剤を添加することにより、ろ液に含有されるリンをリン酸塩として析出させて回収するリン回収工程とを有することを特徴とするリン含有廃水の処理方法に関する。
本発明の廃水処理方法では、活性汚泥処理のような生物処理によって得られる余剰汚泥を再度好気処理し、余剰汚泥を好気状態に維持したまま固液分離によって濃縮し、リン放出処理する。その結果、濃縮工程に際してろ液中にリンが流出しにくく、後続する工程による濃縮汚泥からのリン回収率が高い。
本発明の廃水処理方法では、リン放出槽においてリン放出処理する対象は再好気処理後の余剰汚泥であり、初沈汚泥(第一好気処理前の最初沈殿槽内の廃水から得られる汚泥)はリン放出槽へは基本的に供給されないため、リン放出槽を小型化し得る。初沈汚泥は、リン放出処理後の余剰汚泥に混合されるため、後続する固液分離の際に、平均比重の増大によって汚泥濃縮性が向上する。
本発明でいう「リン含有廃水を少なくとも好気処理する」とは、(1)リン含有廃水を好気処理し、嫌気処理しない場合;(2)リン含有廃水を嫌気処理した後、好気処理する場合;(3)リン含有廃水を好気処理した後、嫌気処理する硝化脱窒プロセスを導入する場合:のいずれをも含む概念である。
前記濃縮工程においては、第二余剰汚泥に凝集剤を添加した後に固液分離することが好ましい。
前記固液分離工程においても、濃縮汚泥に凝集剤を添加した後に固液分離することが好ましい。
前記濃縮工程で使用する凝集剤は、アルミニウム系凝集剤又は鉄系凝集剤以外の凝集剤であることが好ましい。
同様に、前記固液分離工程で使用する凝集剤がアルミニウム系凝集剤又は鉄系凝集剤以外の凝集剤であることが好ましい。
硫酸バンド又はポリ塩化アルミニウム(PAC)のようなアルミニウム系凝集剤、あるいは塩化第二鉄又はポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄)のような鉄系凝集剤は、リンと反応してリン酸アルミニウム又はリン酸鉄が形成されるため、これら凝集剤にリンが捕捉されやすい。そこで、これら凝集剤を使用せず、例えば、ポリアミンのような有機系凝集剤又はカルボン酸モノマーのような高分子凝集剤を使用することにより、リン回収率の低下を防止し得る。
前記リン回収剤がカルシウム化合物であり、前記塩がカルシウムヒドロキシアパタイトであることが好ましい。
リン回収剤としてカルシウム化合物を使用し、リンをカルシウムヒドロキシアパタイトとして回収する場合、CaとPの比率のみで結晶化を制御可能である。カルシウム化合物としては、例えば、塩化カルシウム、水酸化カルシウム(消石灰)、酸化カルシウム(生石灰)、炭酸カルシウム又は珪酸カルシウム等が使用可能であるが、このなかでも、不純物の共析も少なく、固液分離も容易となるため、珪酸カルシウムの使用が好ましい。
前記リン放出工程の滞留時間は、3時間以上48時間以下であることが好ましい。
前記リン放出工程の槽内温度は、15℃以上35℃以下であることが好ましい。
前記リン放出工程の槽内温度を維持するための熱源として、流入下水又は下水処理水の保有する熱を利用することが好ましい。
前記第一余剰汚泥の一部は、前記生物処理工程へと返送されることが好ましい。
リン含有廃水を少なくとも好気処理する生物処理槽と、
前記生物処理槽から取り出される第一余剰汚泥をさらに好気処理する再好気処理槽と、
前記再好気処理槽から取り出される第二余剰汚泥を固液分離によって濃縮する第一固液分離機と、
前記固液分離機から取り出される濃縮汚泥を嫌気性条件下で滞留させ、濃縮汚泥からリンを放出させるリン放出槽と、
前記生物処理前の廃水から得られる初沈汚泥を、前記リン放出工程後の濃縮汚泥に添加した後、固液分離する第二固液分離装置と、
リン回収剤を添加された、前記固液分離機から取り出されたろ液を貯水し、リン酸塩の結晶を析出させる晶析反応槽と、
前記晶析反応槽から取り出された洗浄水からリン酸塩を分離する第三固液分離装置と、
を備えることを特徴とするリン含有廃水の処理装置に関する。
本発明の廃水処理方法によれば、リン放出槽を小型化し、かつ、リン回収率を向上させることが可能である。
本発明のリン含有廃水の処理方法の一例を示すフロー図である。 リン含有廃水の処理方法の従来例を示すフロー図である。
本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。本発明は、以下の記載に限定されない。
[実施例]
図1は、本発明のリン含有廃水の処理方法の一例を示すフロー図である。リン含有廃水の具体例は、下水、屎尿廃水、又は食品工場廃水であるが、図1では下水について説明する。
下水には、通常、3〜6mg/L程度のリンが含有されている。下水は、最初沈殿槽1に貯水され、固形分が初沈汚泥として除去される。
<生物処理工程>
最初沈殿槽1から取り出された下水(上澄水)は、生物処理槽2に供給され、少なくとも曝気処理のような好気処理を施される。下水は、好気処理だけされてもよく、嫌気処理された後で好気処理されてもよく、好気処理された後で嫌気処理する硝化脱窒プロセスを導入されてもよい。それによって、下水中に含有されている有機物が、細菌によって好気的に分解される。このとき、下水中に含有されているリンは、ポリリン酸として細菌内に蓄積される。好気処理の具体例は、活性汚泥法、散水ろ過法又は回転円板法である。
好気処理後の下水は、生物処理槽2から最終沈殿槽3へと供給される。最終沈殿槽3では、好気処理によって生じた余剰汚泥が除去され、上澄水は、処理水として系外に取り出される。余剰汚泥(第一余剰汚泥)は、好気槽4へと供給されるが、一部は生物処理槽2へと返送される。
<再好気処理工程>
好気槽4内では、最終沈殿槽3から取り出された第一余剰汚泥は、再び好気処理される。好気槽4における好気処理の具体例は、散気方式又は機械曝気方式であるが、槽内の余剰汚泥を好気状態に維持できれば足りる。例えば、散気方式の場合には、粗大気泡の曝気により、余剰汚泥の酸化還元電位(ORP)を0mVより大きく維持できればよい。散気の気泡は、小さい方が効率がよいが、小さすぎると発泡を生じるため、気泡径は5mm程度が好ましい。
<濃縮工程>
再好気処理終了後、好気槽4から取り出された余剰汚泥(第二余剰汚泥)は、凝集剤混和槽5へと供給され、アルミニウム系凝集剤又は鉄系凝集剤以外の凝集剤が添加及び混和される。その後、第二余剰汚泥は凝集剤混和槽5から第一固液分離装置6へと供給され、濃縮される。第一固液分離装置6の具体例は、遠心濃縮機又はベルト濃縮機である。第一固液分離装置6によって濃縮された汚泥(濃縮汚泥)は、リン放出槽7へと供給される。
凝集剤混和槽5は、任意の構成であり、好気槽4から取り出される第二余剰汚泥の濃縮性が高い場合には、凝集剤の添加は不要であり、第二余剰汚泥は凝集剤混和槽5を介さずに、直接第一固液分離装置6へと供給され得る。
<リン放出工程>
リン放出槽7としては、一般的な生物学的脱リン法に用いられる嫌気槽を使用し得る。リン放出槽7内では、好気条件下で余剰汚泥中の細菌に過剰に取り込まれたリンが、嫌気性条件で放出される。リン放出槽7の滞留時間は、3時間以上48時間以下であることが好ましく、6時間以上24時間以下であることがより好ましい。リン放出槽の滞留時間が短い場合は、リンの放出が不十分となり、48時間以上では、リン放出がほぼ終了しているため、それ以上の滞留は、リン放出槽を不要に大きくするだけである。
リン放出槽7内の余剰汚泥は、15℃以上35℃以下に維持されることが好ましく、20℃以上30℃以下に維持されることがより好ましい。リン放出は微生物の代謝に基づくものであることから、リン蓄積細菌の代謝が活発な温度に維持されることが望ましい。この温度を維持するために、外部からエネルギーを供給する必要があるが、ヒートポンプを用いて、流入下水又は下水処理水の保有熱によって温度調整すると経済的である。
初沈汚泥は、有機物は多く含むが、リン蓄積細菌は少ない。初沈汚泥をリン放出槽に混合してリン放出工程を行うと、リン放出槽を大型化せざるを得なくなる。本発明の廃水処理方法では、リン放出槽7に最初沈殿槽1の初沈汚泥は供給せず、好気状態に維持された余剰汚泥が供給される。そのため、リン放出槽の小型化を図ることができる。
ただし、余剰汚泥中にリン放出の代謝に必要な有機源が少ない場合には、有機源として初沈汚泥を少量添加することにより、リン放出効率を高めることが可能となる。この場合、初沈汚泥の受入量は、余剰汚泥受入量に対して最大でも10%あれば十分であり、それ以上の受入は不用意にリン放出槽を大きくすることになる。最大10%以内であれば、リン放出槽の大小を左右する要因とはならず、小型化を維持できる。これにより、設置スペースに余裕がない処理場においても省スペースでリン回収設備を建てることが可能となり、より多くのリンを効率的に回収することができる。
初沈汚泥の受け入れ量が、余剰汚泥受入量に対して最大10%以内であるとは、リン放出槽への余剰汚泥受入量をA(m3/h)、リン放出槽への初沈汚泥受入量をB(m3/h)とした場合、初沈汚泥の最大受入量=(B/A)×100≦10(%)であることを意味する。
本発明においては、初沈汚泥を含ませずに第一余剰汚泥のみを対象として、上述したような処理を行った後、濃縮工程によって得られる濃縮汚泥のみをリン放出槽へ供給することが好ましい。しかし、リン放出効率をより高めたい場合には、初沈汚泥もリン放出槽へ受け入れてもよい。その場合、初沈汚泥の受入量を余剰汚泥の受入量に対して最大10%以内とすることで、リン放出槽の小型化を維持することが可能である。
なお、省スペース化よりもリン回収量を重視する場合は、初沈汚泥の受入量を余剰汚泥の受入量に対して最大10%以内に留める必要はなく、初沈汚泥の全量を受け入れてもよい。これにより、初沈汚泥中のリンも回収可能である。初沈汚泥をリン放出槽7ではなく好気槽4に投入すれば、初沈汚泥の溶解性リンも余剰汚泥に取り込まれるため、さらに回収率を高めることが可能である。この方法は、あくまでリン回収量をより重視したい場合に採用され得るプロセスの一部である。
<固液分離工程>
リン放出槽7から取り出された汚泥は、混合汚泥貯留槽8に供給され、最初沈殿槽1の初沈汚泥の一部を混合される。混合汚泥は、さらに凝集剤混和槽9へと供給され、アルミニウム系凝集剤又は鉄系凝集剤以外の凝集剤が添加及び混和される。その後、混合汚泥は、凝集剤混和槽9から第二固液分離装置10へと供給され、ろ液と固形分に分離される。第二固液分離装置9の具体例は、遠心脱水機又はベルトプレス脱水機である。固形分は、脱水ケーキとして系外に取り出される。一方、ろ液は、ろ液貯槽11へと供給される。
凝集剤混和槽9は、任意の構成であり、混合汚泥貯留槽8から取り出される混合汚泥の脱水性が高い場合には、凝集剤の添加は不要であり、混合汚泥は凝集剤混和槽9を介さずに、直接第二固液分離装置10へと供給されてよい。
<リン回収工程>
ろ液貯槽11から取り出されたろ液は、回収剤混和槽12へと供給され、珪酸カルシウム、塩化カルシウム又は塩化マグネシウムのようなリン回収剤が添加及び混和される。さらに、リン回収剤を添加されたろ液は、晶析反応槽13へと供給される。晶析反応槽13内では、リン回収剤の添加によって、ろ液に含有されているリンが、カルシウムヒドロキシアパタイト又はリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)のような難溶性リン塩に変化し、結晶として析出する。
リン回収剤としては、再資源化の容易さの観点からカルシウム化合物が好ましく、リンをカルシウムヒドロキシアパタイトとして晶析させることが好ましい。カルシウム化合物としては、例えば、塩化カルシウム、水酸化カルシウム(消石灰)、酸化カルシウム(生石灰)、炭酸カルシウム又は珪酸カルシウム等が使用可能であるが、不純物の共析も少なく、固液分離も容易となるため、珪酸カルシウムの使用が好ましい。なお、晶析反応槽13内は、0.5〜3時間程度維持されることが好ましい。
一定時間経過後、晶析反応槽13から取り出されたろ液は、第三固液分離装置14(例えば、固液分離槽)へと供給される。難溶性リン塩は、第三固液分離装置14の底部から回収リンとして系外へ取り出される。回収リンの一部は、晶析反応槽13へと返送され、後続する晶析反応の結晶核として利用される。第三固液分離装置14のろ液(ここでは、固液分離槽の上澄水)は、適宜、最初沈殿槽1へと返送される。
[従来例]
図2は、リン含有廃水の処理方法の従来例を示すフロー図である。図2に示されるフローにおいては、図1と同じ構成には同じ符号が付されている。ここでは、図1に示されるフローと異なる部分について説明し、共通する部分については説明を省略する。
図2に示される処理方法においては、最終沈殿槽3から取り出された余剰汚泥は、改めて好気処理されることなく、凝集剤混和槽5へと供給され、凝集剤が添加及び混和される。凝集剤が添加された余剰汚泥は、第一固液分離装置6へと供給され、濃縮される。得られたろ液は、適宜最初沈殿槽1へと返送される。一方、濃縮された余剰汚泥は、混合汚泥貯留槽16へと供給される。
生物処理槽2から処理廃水が取り出されてから、混合汚泥貯留槽16に濃縮汚泥が供給されるまでに時間が経過しているため、生物処理槽2から混合汚泥貯留槽16に至る経路において、余剰汚泥は好気状態から嫌気状態へと変化し、生物処理槽2内の好気性条件でリン蓄積細菌内部に蓄積されていたリンが放出される可能性がある。その場合、第一固液分離装置6のろ液にリンが流出し、後続するリン回収処理によって回収されるリンが減少し、リン回収効率は低くなる。
最初沈殿槽1から取り出された初沈汚泥は、重力濃縮槽15へと供給され、初沈汚泥が取り除かれる。上澄液は生物処理槽2へと供給され、初沈汚泥は混合汚泥貯留槽16へと供給され、濃縮された余剰汚泥と混合される。
混合汚泥は、混合汚泥貯留槽16内で嫌気条件下に維持され、リンが放出される。すなわち、図2においては、混合汚泥貯留槽16は、リン放出槽としても機能する。なお、混合汚泥貯留槽16の後段に、リン放出槽を独立して設けてもよい。
初沈汚泥にはリン蓄積細菌が少ないため、混合汚泥貯留槽16は、最終的に同じ量のリンを回収する場合、図1に示されるフローと比較して、大型化せざるを得ない。リン放出槽を独立して設ける場合には、滞留時間を十分に取る必要があるため、リン放出槽が大型化せざるを得ない。
混合汚泥は、さらに凝集剤混和槽9へと供給され、アルミニウム系凝集剤又は鉄系凝集剤以外の凝集剤が添加及び混和される。以後のフローは、図1に示されるフロート同じであるが、第一固液分離装置6のろ液にリンが流出して、生物処理槽2へとリンが返送されてしまうために、リンの回収効率は図1に示されるフローに劣る。
本発明のリン含有廃水の処理方法及び処理装置は、下水又は屎尿処理に関する廃水処理方法として有用である。
1:最初沈殿槽
2:生物処理槽
3:最終沈殿槽
4:好気槽
5:凝集剤混和槽
6:第一固液分離装置
7:リン放出槽
8:混合汚泥貯留槽
9:凝集剤混和槽
10:第二固液分離装置
11:ろ液貯槽
12:回収剤混和槽
13:晶析反応槽
14:第三固液分離装置
15:重力濃縮槽
16:混合汚泥貯留槽

Claims (11)

  1. リン含有廃水を少なくとも好気処理する生物処理工程と、
    前記生物処理工程によって得られる第一余剰汚泥をさらに好気処理する再好気処理工程と、
    前記再好気処理工程によって得られる第二余剰汚泥を固液分離によって濃縮する濃縮工程と、
    前記濃縮工程によって得られる濃縮汚泥を嫌気性条件下で滞留させ、濃縮汚泥からリンを放出させるリン放出工程と、
    前記生物処理前の廃水から得られる初沈汚泥を、前記リン放出工程後の濃縮汚泥に添加した後、固液分離する固液分離工程と、
    前記固液分離によって得られるろ液にリン回収剤を添加することにより、ろ液に含有されるリンをリン酸塩として析出させて回収するリン回収工程とを有することを特徴とするリン含有廃水の処理方法。
  2. 前記濃縮工程において、第二余剰汚泥に凝集剤を添加した後に固液分離する、請求項1に記載のリン含有廃水の処理方法。
  3. 前記固液分離工程において、濃縮汚泥に凝集剤を添加した後、固液分離する、請求項1又は2に記載のリン含有廃水の処理方法。
  4. 前記濃縮工程で使用する凝集剤がアルミニウム系凝集剤又は鉄系凝集剤以外の凝集剤である、請求項2に記載のリン含有廃水の処理方法。
  5. 前記固液分離工程で使用する凝集剤がアルミニウム系凝集剤又は鉄系凝集剤以外の凝集剤である、請求項3に記載のリン含有廃水の処理方法。
  6. 前記リン回収剤がカルシウム化合物であり、前記塩がカルシウムヒドロキシアパタイトである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のリン含有廃水の処理方法。
  7. 前記リン放出工程の滞留時間が3時間以上48時間以下である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のリン含有廃水の処理方法。
  8. 前記リン放出工程の槽内温度が15℃以上35℃以下である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のリン含有廃水の処理方法。
  9. 前記リン放出工程の槽内温度を維持するための熱源として、流入下水又は下水処理水の保有する熱を利用する請求項1乃至8のいずれか1項に記載のリン含有廃水の処理方法。
  10. 前記第一余剰汚泥の一部を前記生物処理工程へと返送する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のリン含有廃水の処理方法。
  11. リン含有廃水を少なくとも好気処理する生物処理槽と、
    前記生物処理槽から取り出される第一余剰汚泥をさらに好気処理する再好気処理槽と、
    前記再好気処理槽から取り出される第二余剰汚泥を固液分離によって濃縮する第一固液分離機と、
    前記固液分離機から取り出される濃縮汚泥を嫌気性条件下で滞留させ、濃縮汚泥からリンを放出させるリン放出槽と、
    前記生物処理前の廃水から得られる初沈汚泥を、前記リン放出工程後の濃縮汚泥に添加した後、固液分離する第二固液分離装置と、
    リン回収剤を添加された、前記固液分離機から取り出されたろ液を貯水し、リン酸塩の結晶を析出させる晶析反応槽と、
    前記晶析反応槽から取り出された洗浄水からリン酸塩を分離する第三固液分離装置と、
    を備えることを特徴とするリン含有廃水の処理装置。
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