JP2013230414A - リンの回収プロセス及びリンの回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンモニウムイオン及びリン酸イオンを含有するリン・アンモニア含有水からリンをストラバイトとして回収するプロセスにおいて、安価なマグネシウム源を用いながら、ストラバイトの結晶核生成と結晶成長に適した反応条件を設定できるリンの回収プロセス及び回収装置を提供する。
【解決手段】海水を淡水化して淡水と濃縮海水を得る海水淡水化工程と、前記濃縮海水を前記リン・アンモニア含有水と混和させるストラバイト結晶核生成工程と、前記ストラバイト結晶核生成工程で得られたストラバイト結晶核と海水と前記リン・アンモニア含有水とを混和させるストラバイト結晶成長工程を有するリンの回収プロセスとする。
【選択図】図1
【解決手段】海水を淡水化して淡水と濃縮海水を得る海水淡水化工程と、前記濃縮海水を前記リン・アンモニア含有水と混和させるストラバイト結晶核生成工程と、前記ストラバイト結晶核生成工程で得られたストラバイト結晶核と海水と前記リン・アンモニア含有水とを混和させるストラバイト結晶成長工程を有するリンの回収プロセスとする。
【選択図】図1
Description
本発明は、被処理水中に存在するリンをストラバイトとして回収するプロセス及び装置に関する。
近年、新興国の経済発展や、バイオマス燃料景気による世界的な穀物増産により、肥料の原料価格が高騰している。とりわけ、原産国が限られるリンについては、主要原産国である中国等の輸出規制の影響等もあって、国際取引価格はここ数年間で乱高下しており、長期的かつ安定的なリン資源の確保が懸念されている。
一方、下水道にはリン鉱石として輸入されるリンの約4〜5割に相当するリンが流入しているとの推計があるが、有効利用されている割合は約1割に過ぎない。その原因としては、様々なリン資源化技術が開発されているものの、リン資源化施設の建設費や薬剤費、維持管理費等、資源化コストが嵩むことや製品の流通等が難題となっていることが挙げられる。従って、循環型社会の構築のためにも、枯渇する資源であるリンを安価かつ簡便に回収する技術の創出が求められている。
非特許文献1には、リンの回収技術がまとめて紹介されており、下水処理、下水処理における汚泥処理、し尿と浄化槽汚泥処理から生じる有機性排水について、一般的に用いられるリン回収プロセスが記載されている。また、ここでは、リン回収方法としては、ヒドロキシアパタイトやストラバイトとして液中から晶析する方法が記載されている。
ここで、下水、し尿、排水などを嫌気及び好気処理した後の脱水処理工程、消化工程から出る有機性排水は、リン及びアンモニアを含有している。この有機性排水にマグネシウムを添加して、液中のマグネシウム、アンモニウム、リンがMg2++NH4 ++PO4 3−+6H2O→MgNH4PO4・6H2Oのように反応すると、ストラバイトが生成される。このストラバイトの生成を利用して、有機性排水からリンを除去する方法をMAP法と呼ぶ。
ここで、Mg2+、NH4 +及びPO4 3−の各モル濃度の積であるイオン積がストラバイトの溶解度積以上であることがストラバイトを生成させるための必要条件である。実際には、溶解度積以上の溶解度の程度、すなわち過飽和度の程度によって、結晶が析出しにくい準安定領域と、自発的な核生成が生じる不安定領域が存在することが知られており、一般的に、準安定領域内にて種結晶あるいは、所望の結晶核を存在させ、それらを成長させることで粗大結晶を得ている。ここで、有機性排水中のリン濃度に対し、アンモニア濃度、マグネシウム濃度を等モル以上となるように高めることで、リン濃度を低下させることができる。マグネシウム源としては、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムが一般的に使用されるが、薬剤費が高いという問題点がある。
特許文献1には、マグネシウム源として安価な海水を使用して、リン及びアンモニアを含有する下水処理液からストラバイトを生成させるリンの回収装置が開示されている。しかし、リン・アンモニア源とマグネシウム源がそれぞれ1種類であり、ストラバイトの結晶核生成と結晶成長を同一反応槽にて実施するため、それぞれに適した反応条件を設定することが困難であり、ストラバイトの生成速度を上げることが難しい。
一方、特許文献2には、ストラバイトの結晶核生成を行う晶析反応槽と、ストラバイトの結晶成長を行う熟成槽を設け、晶析反応槽で得られたストラバイトの微細結晶を熟成槽に添加して結晶成長させ、さらに晶析反応槽に返送して結晶成長させる方法が開示されており、粒径の整ったストラバイトを生成させている。しかし、この方法でもリン・アンモニア源とマグネシウム源がそれぞれ1種類である上に、高価なマグネシウム源を使用しているため、リンを安価かつ簡便に回収する技術の創出が求められていた。
Journal of Environmental Biotechnology Vol.4、No.2、101−108、2005
本発明は、上述したような課題を解決するため、安価なマグネシウム源を用いながら、ストラバイトの結晶核生成と結晶成長に適した反応条件を設定できるリンの回収プロセス及び回収装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するための本発明は、以下の構成をとる。
(1)アンモニウムイオン及びリン酸イオンを含有するリン・アンモニア含有水からリンを回収するプロセスであって、海水を淡水化して淡水と濃縮海水を得る海水淡水化工程と、前記濃縮海水を前記リン・アンモニア含有水と混和させるストラバイト結晶核生成工程と、前記ストラバイト結晶核生成工程で得られたストラバイト結晶核と海水と前記リン・アンモニア含有水とを混和させるストラバイト結晶成長工程を有するリンの回収プロセス。
(2)前記海水淡水化工程において、逆浸透膜を用いて海水を淡水化する前記(1)に記載のリンの回収プロセス。
(3)前記リン・アンモニア含有水が活性汚泥を嫌気性消化した後の脱水分離液である前記(1)または(2)に記載のリンの回収プロセス。
(4)海水の淡水化を行って淡水と濃縮海水を得る海水淡水化ユニットと、ストラバイト結晶核生成を行う第1槽と、ストラバイト結晶成長を行う第2槽を有し、前記海水を前記海水淡水化ユニットに供給する第1の海水供給ユニットと、前記海水を前記第2槽に供給する第2の海水供給ユニットと、アンモニウムイオン及びリン酸イオンを含有するリン・アンモニア含有水を前記第1槽に供給する第1のリン・アンモニア供給ユニットと、前記リン・アンモニア含有水を前記第2槽に供給する第2のリン・アンモニア供給ユニットと、前記濃縮海水を前記第1槽に供給する濃縮海水供給ユニットと、前記第1槽で得られたストラバイト結晶核を前記第2槽に供給するストラバイト結晶核ユニットを有するリンの回収装置。
(5)海水の淡水化を行って淡水と濃縮海水を得る海水淡水化ユニットと、ストラバイト結晶核生成区画とストラバイト結晶成長区画を有する反応槽を備えたリンの回収装置であって、前記ストラバイト結晶核生成区画はアンモニウムイオン及びリン酸イオンを含有するリン・アンモニア含有水を導入する第1の供給口と前記濃縮海水を導入する第2の供給口を有し、前記ストラバイト結晶成長区画は前記リン・アンモニア含有水を導入する第3の供給口と前記海水を導入する第4の供給口を有し、前記ストラバイト結晶核生成区画と前記ストラバイト結晶成長区画は、前記ストラバイト結晶核生成区画で得られたストラバイト結晶核が前記ストラバイト結晶成長区画に移動可能となるように連通されていることを特徴とするリンの回収装置。
本発明によれば、海水淡水化工程で必然的に生成する濃縮海水を活用し、リン・アンモニア含有水に対し、マグネシウム濃度のより高い濃縮海水をストラバイト結晶核生成用途に使用し、マグネシウム濃度のより低い海水をストラバイト結晶成長用途に使用することで、ストラバイト結晶核生成と結晶成長に適した反応条件の設定が容易になり、安価かつ簡便なリンの回収プロセスが提供される。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明者らは、アンモニウムイオン及びリン酸イオンを含有するリン・アンモニア含有水に対し、ストラバイトの結晶核生成と結晶成長を制御するために、マグネシウム源として濃縮海水と海水をそれぞれ使用することで、安価かつ簡便なリンの回収プロセスが構築できることを見出した。
本発明のリン・アンモニア含有水としては、NH4 +及びPO4 3−の両方を含有する水溶液であれば良いが、リン酸濃度に対し、アンモニア濃度が高濃度であるとリン酸カルシウムやリン酸マグネシウムの副生を抑制し、ストラバイトの結晶生成/成長が優先されるため、リン酸がこれら副生物ではなくストラバイトの結晶成長に消費されて、ストラバイト結晶が大きく成長しやすいので好ましい。この観点では、リン酸濃度に対し、アンモニア濃度がモル濃度で2倍以上高濃度であることが好ましく、4倍以上高濃度であることがさらに好ましい。また、下水からのリン回収という観点で考えると、下水、し尿、排水などを嫌気及び好気処理した後の脱水処理工程、消化工程から出る有機性排水を好適に用いることができる。これらは、典型的には、リン酸濃度50〜500mg/L程度、アンモニア濃度100〜1,500mg/L程度を含有するため、ストラバイト結晶生成/成長に有利である。特に、下水、し尿、排水などを生物処理した活性汚泥を、さらに嫌気性消化した後の脱水分離液は、高濃度のリン・アンモニアを含有する場合が多いため好適に用いることができる。
なお、リン酸には、PO4 3−、HPO4 2−、H2PO4 −、H3PO4の4つの種があって、これらは平衡状態にあり、溶液のpHによって、それらの濃度が変化する。本発明におけるリン酸濃度とは、これらの総和であるいわゆる全リン酸濃度のことであり、リン酸濃度=[PO4 3−]+[HPO4 2−]+[H2PO4 −]+[H3PO4]の関係がある。また、アンモニアには、NH4 +、NH3の2つの種があって、これらは平衡状態にあり、溶液のpHによって、それらの濃度が変化する。本発明におけるアンモニア濃度とは、これらの総和であり、アンモニア濃度=[NH4 +]+[NH3]の関係がある。溶液のpHが高くなると、PO4 3−濃度が高くなるが、NH4 +濃度が低下する。このため、ストラバイトの生成には、PO4 3−及びNH4 +の両者が高濃度で存在しうる弱アルカリ性が適しており、pH7以上9以下、より好ましくは、pH7.5以上8.5以下が適する。
ストラバイトを生成させるための必要条件は、上述したように、Mg2+、NH4 +及びPO4 3−の各モル濃度の積であるイオン積がストラバイトの溶解度積以上であることである。また、過飽和度が高まるにつれて、結晶が析出しにくい準安定領域から自発的な核生成が生じる不安定領域に移行することが知られている。一般的な晶析操作は、微細結晶の生成を抑制するため、準安定領域内にて種結晶あるいは、所望の結晶核を存在させ、それらを成長させることで粗大結晶を得ている。
本発明では、マグネシウム濃度の高い濃縮海水を使用することによって、自発的な核生成が生じる不安定領域に、過飽和度を移行させ、ストラバイトの結晶核生成を促す一方で、別途、マグネシウム濃度の低い海水を使用することによって、結晶が析出しにくい準安定領域に調整された環境において、得られたストラバイトの結晶核を成長させることができる。従って、有機性排水中のリン濃度が低い時でも、マグネシウム濃度の高い濃縮海水を使用することで、ストラバイトの溶解度積以上の状態を作り出しやすくなる。また、ストラバイトの結晶核生成と結晶成長のための過飽和度の制御を、マグネシウム濃度の異なる2種類の海水を用いることにより別々に設定できるため、リン・アンモニア含有水の量・質に変動があった際にも対応可能となる。
ここで、系をストラバイトの不安定領域に導き、自発的な核生成を促すための濃縮海水としては、海水を淡水化する海水淡水化工程から必然的に生成する濃縮海水を利用する。海水淡水化工程には、逆浸透膜を用いたろ過法や熱を用いた蒸発法などが用いられるが、いずれの方法でも、海水中の塩を低減して淡水を製造する際に、濃縮海水が副生する。この濃縮海水は、通常、残存する圧力エネルギーを回収した後に、海へ放流廃棄される。海水淡水化工程としては、省エネルギーの観点から、逆浸透膜を用いたろ過法が採用される傾向が高まってきており、本発明でも逆浸透膜を用いた海水淡水化を好適に用いることができる。本発明は、この濃縮海水がマグネシウムを高濃度で含有し、放流廃棄されているために安価に入手可能な点に着目した。
逆浸透膜を用いたろ過法では、濃縮海水中のマグネシウム濃度は、原料となる海水、逆浸透膜の除去性能、海水淡水化工程の回収率などによって決まるが、市販の逆浸透膜のマグネシウムイオン除去率が99%程度であることを考えれば、ほぼ原料となる海水と海水淡水化工程の回収率に依存する。例えば、日本近海の海水中のマグネシウムイオン濃度は1,000mg/L程度であるため、海水淡水化工程の回収率が50%、逆浸透膜のマグネシウムイオン除去率が99%の場合、以下の連立方程式(1)、(2)を解けば、濃縮海水中のマグネシウムイオン濃度は1,985mg/L程度になると見積もることができる。なお、本発明では、マグネシウム濃度の高い安価な水が入手できれば良いため、逆浸透膜に比べて1価のイオン種の除去性能が低いナノろ過膜を用いて、マグネシウム濃度の高い濃縮海水が製造されている場合であれば、この濃縮海水も使用することができる。
50X+50Y=100×1000・・・・・・・・・(1)
(1−2X/(1000+Y))×100=99・・・(2)
ただし、X、Yは、それぞれ淡水及び濃縮海水中のマグネシウム濃度(mg/L)である。
(1−2X/(1000+Y))×100=99・・・(2)
ただし、X、Yは、それぞれ淡水及び濃縮海水中のマグネシウム濃度(mg/L)である。
一方、ストラバイトの準安定領域を調整する海水としては、通常の海水を使用する。海水は、地域、季節等によりその成分が変動するが、日本近海の海水の場合、典型的には、マグネシウムを900〜1,500mg/L程度含有する。
以下、図面を用いて、本発明のリンの回収プロセスおよびリンの回収装置について説明する。
図1は、本発明のリンの回収プロセスの一実施形態を示す概略模式図である。ここでは、リン・アンモニア含有水の一例として、活性汚泥を嫌気性消化した後の脱水分離液を利用する方法を採用した。図1において、沈砂池1は下水中のごみや土砂が除去される沈砂池、最初沈殿池2は小さな汚物が除去される沈殿池、曝気槽3は活性汚泥中の微生物による有機物の分解とリンの微生物への取り込みが行われる曝気槽、最終沈殿池4は汚泥を沈殿させて放流水と分離する沈殿池、浮上濃縮槽5は最終沈殿池4で発生した汚泥の中で曝気槽3に返送される返送汚泥以外の余剰汚泥を浮上濃縮する浮上濃縮槽、重力濃縮槽6は最初沈殿池で発生した汚泥を重力濃縮する重力濃縮槽、消化槽7は浮上濃縮槽5や重力濃縮槽6で濃縮された汚泥を嫌気消化する消化槽、脱水機8は消化槽7で発生した消化汚泥を脱水して汚泥ケーキと脱水分離液に分離する脱水機、第1槽9は脱水機8で得られたリン・アンモニアを含有する脱水分離液と後述する逆浸透膜11から得られる濃縮海水とを混和させてストラバイトの結晶核生成が行われる槽、第2槽10は第1槽9で得られたストラバイトの結晶核と脱水分離液と海水とを混和させてストラバイトの結晶成長が行われる槽、逆浸透膜11は海水を淡水化して濃縮海水と淡水を製造する逆浸透膜、ポンプ12は逆浸透膜に海水を供給するためのポンプを示す。
図1では、活性汚泥を嫌気性消化した後の脱水分離液は、沈砂池1、最初沈殿池2、曝気槽3、最終沈殿池4、浮上濃縮槽5、重力濃縮槽6、消化槽7、脱水機8を経て生成されているが、本発明で必要なリン・アンモニア含有水を得るために、ここに他のプロセスが介在しても良く、またいくつかのプロセスが省略されても構わない。
V1、V2、V3、V4、V5、V6はバルブであり、V1、V2の開閉によって、海水及び濃縮海水をそれぞれ第2槽10及び第1槽9へ供給する量を調整することが可能であり、V4、V5の開閉によって、脱水分離液の第1槽9及び第2槽10への供給量を調整することが可能である。
海水及び濃縮海水の第2槽10及び第1槽9への供給量、脱水分離液の第1槽9及び第2槽10への供給量、第1槽9及び第2槽10の容量・滞留時間、第1槽9で得られたストラバイトの結晶核の第2槽10への供給速度、pH、温度、攪拌強度、エアレーション速度などは、想定されるリン、アンモニア及びマグネシウム濃度を勘案して適切に決定すれば良いが、第2槽10におけるリン・アンモニア濃度の低下を抑制するためには、第2槽10の容量を第1槽9の容量に比べて5〜30倍程度大きくし、第2槽10での滞留時間を第1槽9よりも長くすることも有効である。
図2は、本発明のリンの回収装置の一実施形態であるストラバイト結晶核生成を行う第1槽102と、ストラバイト結晶成長を行う第2槽103を有し、リン・アンモニア含有水を第1槽102及び第2槽103に供給する手段と、濃縮海水を第1槽102に供給する手段と、海水を第2槽103に供給する手段を有し、第1槽102で生じたストラバイト結晶核を第2槽103に供給する手段を有するリンの回収装置を示す概略模式図である。図2において、第1貯槽101はリン・アンモニア含有水の貯槽、第1槽102はストラバイトの結晶核生成を行う槽、第2貯槽103はストラバイト結晶核を含む液の貯槽、第3貯槽104は海水の貯槽、第2槽105はストラバイトの結晶成長を行う槽、第4貯槽106は濃縮海水の貯槽、ポンプ107は逆浸透膜に海水を供給するためのポンプ、逆浸透膜108は海水を淡水化して濃縮海水と淡水を製造する逆浸透膜を示す。
V101、V102、V103はバルブであり、V101、V102の開閉によって、海水及び濃縮海水をそれぞれ第2槽103及び第1槽102へ供給する量を調整することが可能である。
図3は、本発明のリンの回収装置の別の実施形態であるリン・アンモニア含有水を導入する第1の供給口と濃縮海水を導入する第2の供給口を設けたストラバイト結晶核生成区画と、リン・アンモニア含有水を導入する第3の供給口と海水を導入する第4の供給口を設けたストラバイト結晶成長区画とを備え、ストラバイト結晶核生成区画とストラバイト結晶成長区画は、ストラバイト結晶核生成区画で得られたストラバイト結晶核がストラバイト結晶成長区画に移動可能となるように連通されていることを特徴とするリンの回収装置を示す概略模式図である。図3において、第1貯槽201はリン・アンモニア含有水の貯槽、反応槽202はストラバイトの結晶核生成と結晶成長を行う反応槽、第1区画202−1はストラバイト結晶核生成区画、第2区画202−2はストラバイト結晶成長区画、第2貯槽203は海水の貯槽、第3貯槽204は濃縮海水の貯槽、ポンプ205は逆浸透膜に海水を供給するためのポンプ、逆浸透膜206は海水を淡水化して濃縮海水と淡水を製造する逆浸透膜を示す。
V201、V202、V203はバルブであり、V201、V202の開閉によって、海水及び濃縮海水を反応槽へ供給する量を調整することが可能である。
以下、本発明のリンの回収プロセスおよびリンの回収装置に関し、さらに詳細に説明するために実施例を挙げて説明する。しかしながら、本発明は、これらの実施例に限定されない。
(リン・アンモニア含有水の組成)
実施例、比較例では、リン・アンモニア含有水として、表1に示す組成を有する人工下水を用いた。人工下水の調製には、リン酸ナトリウム12水和物、塩化マグネシウム6水和物、塩化アンモニウム、水酸化ナトリウム、蒸留水を用い、表1の組成となるように調製した。
実施例、比較例では、リン・アンモニア含有水として、表1に示す組成を有する人工下水を用いた。人工下水の調製には、リン酸ナトリウム12水和物、塩化マグネシウム6水和物、塩化アンモニウム、水酸化ナトリウム、蒸留水を用い、表1の組成となるように調製した。
(海水の組成)
海水としては、表2に示す組成を有する日本近海(瀬戸内海)のものを使用した。
海水としては、表2に示す組成を有する日本近海(瀬戸内海)のものを使用した。
(濃縮海水の組成)
濃縮海水としては、表2に示す組成を有する海水を東レ株式会社製逆浸透膜エレメントTM820R−440にて約1.8倍に濃縮し、表3の組成としたものを使用した。
濃縮海水としては、表2に示す組成を有する海水を東レ株式会社製逆浸透膜エレメントTM820R−440にて約1.8倍に濃縮し、表3の組成としたものを使用した。
(粒度分布測定)
実施例における粒度分布測定には、大塚電子株式会社製のレーザーゼータ電位計ELS−8000を用い、得られる散乱強度分布ヒストグラムの粒径値と散乱強度から算術平均により平均粒径を求めた。
実施例における粒度分布測定には、大塚電子株式会社製のレーザーゼータ電位計ELS−8000を用い、得られる散乱強度分布ヒストグラムの粒径値と散乱強度から算術平均により平均粒径を求めた。
なお、粒度分布測定開始前に、各サンプル100gを30分間、750rpmで攪拌し、各液の上面から約1cmの位置にピペットを差込んでサンプルを採取し、ELS−8000附属の粒径測定用セルに注いだ。
(実施例1)
リン・アンモニア含有水200mlを1000rpmで攪拌しながら、濃縮海水10mlを5分間かけて滴下し、その後も1000rpmで25分間攪拌を継続し白濁液を得た。
リン・アンモニア含有水200mlを1000rpmで攪拌しながら、濃縮海水10mlを5分間かけて滴下し、その後も1000rpmで25分間攪拌を継続し白濁液を得た。
次に、この液をリン・アンモニア含有水600mlに加え、1000rpmで攪拌しながら、海水30mlを15分間かけて滴下し、その後も1000rpmで15分間攪拌を継続し白濁液を得た。
以上のようにして得られた液の粒度分布測定を行った結果、平均粒径は5.2μmであった。
(比較例1)
リン・アンモニア含有水200mlを1000rpmで攪拌しながら、海水10mlを5分間かけて滴下し、その後も1000rpmで55分間攪拌を継続し白濁液を得た。
リン・アンモニア含有水200mlを1000rpmで攪拌しながら、海水10mlを5分間かけて滴下し、その後も1000rpmで55分間攪拌を継続し白濁液を得た。
得られた液の粒度分布測定を行った結果、平均粒径は2.6μmと粒径が小さかった。
(比較例2)
リン・アンモニア含有水200mlを1000rpmで攪拌しながら、濃縮海水10mlを5分間かけて滴下し、その後も1000rpmで55分間攪拌を継続し白濁液を得た。
リン・アンモニア含有水200mlを1000rpmで攪拌しながら、濃縮海水10mlを5分間かけて滴下し、その後も1000rpmで55分間攪拌を継続し白濁液を得た。
得られた液の粒度分布測定を行った結果、平均粒径は2.7μmと粒径が小さかった。
本発明によって、アンモニウムイオン及びリン酸イオンを含有するリン・アンモニア含有水からリンをストラバイトとして回収するプロセスにおいて、安価なマグネシウム源として海水と海水淡水化工程から廃棄される濃縮海水を使用し、ストラバイトの結晶核生成と結晶成長に適した反応条件を設定できるため、リンを低コストで効率良く回収できるようになり、長期的かつ安定的なリン資源の確保が達成できる。
1 沈砂池
2 最初沈殿池
3 曝気槽
4 最終沈殿池
5 浮上濃縮槽
6 重力濃縮槽
7 消化槽
8 脱水機
9 第1槽
10 第2槽
11 逆浸透膜
12 ポンプ
101 第1貯槽
102 第1槽
103 第2貯槽
104 第3貯槽
105 第2槽
106 第4貯槽
107 ポンプ
108 逆浸透膜
201 第1貯槽
202 反応槽
202−1 第1区画
202−2 第2区画
203 第2貯槽
204 第3貯槽
205 ポンプ
206 逆浸透膜
2 最初沈殿池
3 曝気槽
4 最終沈殿池
5 浮上濃縮槽
6 重力濃縮槽
7 消化槽
8 脱水機
9 第1槽
10 第2槽
11 逆浸透膜
12 ポンプ
101 第1貯槽
102 第1槽
103 第2貯槽
104 第3貯槽
105 第2槽
106 第4貯槽
107 ポンプ
108 逆浸透膜
201 第1貯槽
202 反応槽
202−1 第1区画
202−2 第2区画
203 第2貯槽
204 第3貯槽
205 ポンプ
206 逆浸透膜
Claims (5)
- アンモニウムイオン及びリン酸イオンを含有するリン・アンモニア含有水からリンを回収するプロセスであって、海水を淡水化して淡水と濃縮海水を得る海水淡水化工程と、前記濃縮海水を前記リン・アンモニア含有水と混和させるストラバイト結晶核生成工程と、前記ストラバイト結晶核生成工程で得られたストラバイト結晶核と海水と前記リン・アンモニア含有水とを混和させるストラバイト結晶成長工程を有するリンの回収プロセス。
- 前記海水淡水化工程において、逆浸透膜を用いて海水を淡水化する請求項1に記載のリンの回収プロセス。
- 前記リン・アンモニア含有水が活性汚泥を嫌気性消化した後の脱水分離液である請求項1または2に記載のリンの回収プロセス。
- 海水の淡水化を行って淡水と濃縮海水を得る海水淡水化ユニットと、ストラバイト結晶核生成を行う第1槽と、ストラバイト結晶成長を行う第2槽を有し、前記海水を前記海水淡水化ユニットに供給する第1の海水供給ユニットと、前記海水を前記第2槽に供給する第2の海水供給ユニットと、アンモニウムイオン及びリン酸イオンを含有するリン・アンモニア含有水を前記第1槽に供給する第1のリン・アンモニア供給ユニットと、前記リン・アンモニア含有水を前記第2槽に供給する第2のリン・アンモニア供給ユニットと、前記濃縮海水を前記第1槽に供給する濃縮海水供給ユニットと、前記第1槽で得られたストラバイト結晶核を前記第2槽に供給するストラバイト結晶核ユニットを有するリンの回収装置。
- 海水の淡水化を行って淡水と濃縮海水を得る海水淡水化ユニットと、ストラバイト結晶核生成区画とストラバイト結晶成長区画を有する反応槽を備えたリンの回収装置であって、前記ストラバイト結晶核生成区画はアンモニウムイオン及びリン酸イオンを含有するリン・アンモニア含有水を導入する第1の供給口と前記濃縮海水を導入する第2の供給口を有し、前記ストラバイト結晶成長区画は前記リン・アンモニア含有水を導入する第3の供給口と前記海水を導入する第4の供給口を有し、前記ストラバイト結晶核生成区画と前記ストラバイト結晶成長区画は、前記ストラバイト結晶核生成区画で得られたストラバイト結晶核が前記ストラバイト結晶成長区画に移動可能となるように連通されていることを特徴とするリンの回収装置。
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| JP2012102406A JP2013230414A (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | リンの回収プロセス及びリンの回収装置 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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