JP2014046138A - 腰部支持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】長時間装着しても蒸れることがなく、また容易に位置ずれすることなく、安心の腰部支持感が得られる薄手かつ軽量の腰部支持具を提供する。
【解決手段】腰部支持具は、長手方向への伸縮性を備え、吸湿性及び摩擦性を備えた編地で構成され、腹部側で端部領域20A,20Bを互いに係止する係止部を備えた帯状体20と、帯状体の腰背部対応領域20Cに腰椎の左右両側から腰椎に沿うように所定間隔を隔てて配置された一対の棒状のステー50と、ステーで挟まれる領域に配置され、帯状体20の長手方向への伸縮を抑制する非伸縮性生地30と、帯状体の上下幅よりも幅狭に形成され、基端側が各ステーの上下幅方向で中央部に固定されるとともに先端側が帯状体の各端部に向けて延出され、帯状体の端部領域に係止する係止部が各先端側に設けられた左右一対の緊締ベルト40とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、腰痛の予防または軽度の腰痛の治療に使用する腰部支持具に関する。
腰痛は、腰椎捻挫、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症等の器質的な異常や、腰椎周辺の広背筋(表層筋)や脊柱起立筋(深層筋)等の筋肉の疲労等、様々な原因により発症する。
重度の腰痛に対して、腰の動きを極力制限するコルセットのような腰部支持具が用いられるが、コルセットは身体の自由度が大きく制限されるため、腰痛の予防または軽度の腰痛の治療には適していない。
そこで、日常生活で支障が出ない程度の身体の自由度が確保でき、各種のスポーツを行なう際に腰部を保護する自由度の高い腰部支持具が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、人体の背面部から腹部までを覆い得る帯状の本体と、伸縮性の補助ベルトとを備え、本体はその両端に着脱手段を有し、補助ベルトは本体の背面中央上部より左右対称に分岐して下方に向け傾斜して延び、先端が本体の腹部に到る腰部固定帯が提案されている。
特許文献1の図1,2に示されているように、帯状の本体のうち胴回りの背部から側部に到る領域が伸縮性素材で構成され、腰椎の左右両側を支持するように一対のステーが伸縮性素材で構成された本体に内蔵されている。
特開2003−144469号公報
特許文献1には、本体により骨盤に対して水平方向に圧迫力を加えると共に、補助ベルトにより腸骨稜を上から抑えるので、骨盤は上下方向にも安定し、固定帯の上下方向へのずれが少なくなる、と記載されている。
しかし、この種の腰部支持具は、腰周りの地肌に直接装着されることはなく、通常は、肌着の上から装着されるため、肌着と腰部支持具との間で滑りが生じて容易に位置ずれが発生することが判明した。
特に、ナイロン等滑らかな素材で構成されるパンティストッキングの上から腰部支持具を装着することが多い女性では、上下方向の位置ずれが顕著であり、更なる改良の余地があった。
また、この種の腰部支持具の帯状の本体に伸縮性を持たせる場合には、ポリウレタン等の弾性繊維とナイロン等の化学繊維を交編した2ウェイトリコットやパワーネットのような伸縮性生地が用いられる場合が多く、長時間身体に装着した状態が続くと、蒸れが発生して不快に感じるという問題もあった。位置ずれを回避するために、伸縮性生地の肌側面に滑り止めの樹脂をコーティングすることも考えられるが、その場合蒸れの程度が酷くなる。一般的にポリウレタン等の弾性繊維は、摩擦に弱いという特性があり、肌着との磨耗によって劣化し、耐久性が損なわれる虞もあった。
さらに、ステーが伸縮性素材で構成された本体に内蔵されているため、装着時の本体の伸張の程度によって左右のステーの間隔が変動する虞があり、安定的に腰椎を保護することが困難であるという問題や、左右のステーの中間部上方から下方への傾斜姿勢で補助ベルトが取り付けられているので、ステーの上方位置が肌に強く押圧され、腰を屈めたときにステーの下方が身体から離隔して、腰椎の保護という機能を果たし得ない状況が生じるという問題もあった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、長時間装着しても蒸れることがなく、また容易に位置ずれすることなく、安心の腰部支持感が得られる薄手かつ軽量の腰部支持具を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による腰部支持具の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、腰背部から腹部にかけて腰周りを覆う腰部支持具であって、少なくとも長手方向への伸縮性を備えるとともに吸湿性及び摩擦性を備えた編地で構成され、腹部側で端部領域を互いに係止する係止部を備えた帯状体と、前記帯状体の腰背部対応領域に腰椎の左右両側から腰椎に沿うように所定間隔を隔てて配置された一対の棒状のステーと、前記ステーで挟まれる領域に配置され、前記帯状体の長手方向への伸縮を抑制する非伸縮性生地と、前記帯状体の上下幅よりも幅狭に形成され、基端側が各ステーの上下幅方向で中央部に固定されるとともに先端側が前記帯状体の各端部に向けて延出され、前記帯状体の端部領域に係止する係止部が各先端側に設けられた左右一対の緊締ベルトと、を備えている点にある。
一対の棒状のステーが腰椎の左右両側から腰椎に沿うように腰背部対応領域を位置決めした後に、帯状体の左右端部を把持して帯状体を伸長させて、腰背部から腹部にかけて腰周りを覆い、腹部側の係止部で端部領域を係止する。このとき、ステーで挟まれる領域に非伸縮性生地が配置されているので、帯状体を伸長させても腰椎とステーとの相対位置が変動することはない。しかも、腰背部対応領域以外の領域で帯状体は伸縮性を備えているので、帯状体のみでも十分な締め付け強度が得られ、安心のサポート感が得られる。
さらに、左右一対の緊締ベルトの各端部を把持して、緊締ベルトを伸長させた状態で帯状体の上から腹部まで導き、帯状体の端部領域で緊締ベルトを係止すれば装着が完了する。緊締ベルトの基端側が各ステーの上下幅方向で中央部に固定されているので、各ステーの中央部に肌側への押圧力が大きく作用し、中央部から上下方向への押圧力が均等に分布するため、腰椎の左右両側から腰椎が確実に支持されるようになる。
特に、腰椎周辺の広背筋(表層筋)や脊柱起立筋(表層筋)等の筋肉の疲労や炎症に起因する腰痛の場合、帯状体及び緊締ベルトによる腹圧上昇効果に加えて、腰椎に沿って腰椎の側部にステーが十分な力で押圧されるので、腰部筋肉に掛かる負荷を効果的に軽減させることができる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、少なくとも前記帯状体の肌側に吸湿性繊維で被覆された弾性繊維とその他の繊維が交編されたパワーネット生地が配置され、当該パワーネット生地の厚さが0.5mm〜2mmの範囲に設定され、肌側生地面の摩擦係数が0.12〜0.20の範囲に設定されている点にある。
弾性繊維を被覆した吸湿性繊維によって吸湿機能が具現化され、蒸れが効果的に抑制される。また、別途の吸湿性繊維を交編する必要もないので、編目が密になるようなことがなく、通気性を維持しつつ薄手且つ軽量に構成でき、生地の厚さを0.5mm〜2mmの範囲に設定すれば特に良好な装着感が得られる。また、肌側生地面の摩擦係数を0.12〜0.20の範囲に設定すると、パンティストッキング等の表面が滑らかな生地と接触しても、摩擦力により十分な滑り止め効果が得られ、長時間装着し、或いはある程度活発に動作しても腰部支持具が位置ずれすることがない。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二特徴構成に加えて、さらに前記帯状体の表側にも前記パワーネット生地が配置され、前記非伸縮性生地は、前記ステーで挟まれる領域で表裏二層のパワーネット生地の間に配置されている点にある。
二枚のパワーネット生地が重畳されることによって、腰部支持具の帯状体が構成でき、ステーで挟まれる領域で非伸縮性生地を挟むことにより非伸縮領域を構成できるので、少ない部品点数及び縫製工程で腰部支持具を製造することができるようになる。そして、一枚のパワーネット生地では十分な伸縮性が得られない場合でも二枚のパワーネット生地を重畳することにより、所望の伸縮性を確保できるようになるとともに、十分な吸湿性能を確保することができるようになる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第三特徴構成に加えて、前記パワーネット生地の30%伸長荷重が1.80N〜2.50Nの範囲に設定され、前記緊締ベルトの30%伸長荷重が9.0N〜13.2Nの範囲に設定されている点にある。
パワーネット生地の伸長荷重と緊締ベルトの伸長荷重に大きな差がなければ、緊締ベルトによる腰部の締付力が十分に確保できないため、腰椎周辺の筋肉を十分に押圧できず、また十分に腹圧を高めることができない。逆にパワーネット生地の伸長荷重に対して緊締ベルトの伸長荷重が極端に大きければ、緊締ベルトの伸長操作に大きな力を要するため、特に女性は装着が困難になり、またパワーネット生地と緊締ベルトの接触部で皺寄りが発生し易くなり、その結果、着用感が悪くなる。しかし、パワーネット生地の30%伸長荷重が1.80N〜2.50Nの範囲に設定され、緊締ベルトの30%伸長荷重が9.0N〜13.2Nの範囲に設定されていれば、女性であっても容易に装着操作でき、腰椎周辺の筋肉を適度に押圧し、適切な腹圧に維持するために必要な緊締ベルトによる腰部の締付力を十分に確保することができる。しかも、パワーネット生地と緊締ベルトの接触部での皺寄りも発生することがない。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第二から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記帯状体の表側生地面の摩擦係数が肌側生地面の摩擦係数よりも小さな値に設定されている点にある。
帯状体の肌側生地面の摩擦係数が大きな値に設定されることにより、肌着との間の摩擦力が大きくなり、帯状体の位置ずれが抑制される。しかし、帯状体の表側生地面の摩擦係数も同じように大きければ、腰部支持具の上側の着衣との摩擦で帯状体に位置ずれが生じる虞がある。このような場合でも帯状体の表側生地面の摩擦係数が肌側生地面の摩擦係数よりも小さな値に設定されているので、腰部支持具の上側の着衣との摩擦で帯状体に位置ずれが生じるようなことが回避できるようになる。
同第六の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第二から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記吸湿性繊維が綿、麻、羊毛、再生繊維または半合成繊維の何れかで構成されている点にある。
弾性繊維を被覆する吸湿性繊維として、綿や麻の植物性天然繊維、羊毛のような動物性天然繊維、レーヨンやキュプラのような再生繊維またはアセテート半合成繊維を好適に用いることができる。尚、大きな摩擦係数を得るためには、綿や麻の植物性天然繊維、羊毛のような動物性天然繊維を用いるとより好ましい。弾性繊維を被覆する態様は特に制限されることはなく、例えば弾性繊維に綿糸を巻き付けたカバー糸を用いることができる。
同第七の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第一から第六の何れかの特徴構成に加えて、前記帯状体は、略直線状に形成された上縁部を基準に、前記腰背部対応領域が前記端部領域よりも上下方向に幅広に形成され、前記腰背部対応領域と前記端部領域との中間領域で次第に上下方向に幅狭になるように傾斜する下縁部を備えた形状に構成され、各緊締ベルトは、前記先端側を重畳連結し、前記基端側を幅方向に位置をずらせたV字状姿勢に規制され、前記帯状体の幅方向上側に位置する左右の緊締ベルトが、前記帯状体の上縁部に略平行な直線状に配置されている点にある。
上述の構成によれば、帯状体の上縁部が腸骨稜に位置し、その僅かに下方で上前腸骨棘を覆うようにして、骨盤を水平方向に圧迫支持できるようになり、上下に幅広に形成された腰背部対応領域で腰椎全域を左右から確実に押圧できるようになる。そして、先端側が重畳連結され基端側が幅方向に位置をずらせたV字状姿勢に規制された緊締ベルトであるので、ステーの上下幅方向中央部の一部分に緊締力が作用するのではなく、幅広領域に緊締力が作用するので、ステーの略全域が腰椎に沿って押圧されるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、長時間装着しても蒸れることがなく、また容易に位置ずれすることなく、安心の腰部支持感が得られる薄手かつ軽量の腰部支持具を提供することができるようになった。
(a)は本発明による腰部支持具の表面視の説明図、(b)は本発明による腰部支持具の裏面視の説明図 図1(a)のA−A線断面の分解説明図 (a)は腰部支持具を身体に装着した状態の正面図、(b)は腰部支持具を身体に装着した状態の背面図
以下、本発明による腰部支持具を説明する。
図1(a)には、腰背部から腹部にかけて腰周りを覆う腰部支持具の表面視平面図、図1(b)には、腰部支持具の裏面視平面図が示され、図2には、図1(a)のA−A線断面の分解図が示されている。
図1(a),(b)及び図2に示すように、腰部支持具1は、帯状体20と、非伸縮性生地30と、一対の緊締ベルト40と、一対のステー50を備えて構成されている。
帯状体20は、少なくとも長手方向への伸縮性を備えるとともに吸湿性及び摩擦性を備えた表裏二枚の編地2a,2bで構成され、周部が伸縮性のテープ生地で縁取りされている。表面側の編地2aの左右端部領域20A,20Bには多数のループ状の係合部が植生された面ファスナー21,22が設けられ、裏面側の編地2bの一端部側には、面ファスナー21の係合部に係合する多数の係止突起が形成された面ファスナー23が設けられている。面ファスナー21,23により、腹部側で帯状体20の端部領域20A,20Bを互いに係止する係止部24が構成される。
帯状体20の腰背部対応領域20Cに腰椎の左右両側から腰椎に沿うように所定間隔(本実施形態では約100mm)隔てて、一対のステー50を収容する収容部26が縫着され、その収容部26にそれぞれ平板棒状のステー50が収容されている。
ステー50は、腰椎及び腰椎周辺の筋肉を腰椎に沿って支持するため、ある程度の硬度を持ち、弾力性、柔軟性を備えた素材で、破断することが無い素材で構成されている。具体的に、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンまたはその共重合体樹脂、ポリプロピレンまたはその共重合体樹脂、ポリ塩化ビニルまたはその共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド共重合体樹脂、ポリエチレンテレフタレートまたはその共重合体樹脂、ポリブチレンテレフタレートまたはその共重合体樹脂等の何れかを用いて細板状に成形することにより得られる。
このような弾性を発現するステー50によれば、前屈や旋回等の腰の動きがあっても、腰の動きに対応して弾性変形するので、腰から離隔することなく常時圧着させることができ、破断することも無いので安全性も確保できる。
尚、本実施形態では、表側の編地2aの最上面に形成された収容部にステー50が収容される例を説明したが、編地2a,2bの間に収容部が配置されていてもよいし、表側の編地2aと緊締ベルト40の間に収容部が配置されていてもよい。腰背部対応領域20Cとは、腰椎を中心として腰椎の左右に分布する表層筋である広背筋や深層筋である脊柱起立筋等の脊柱の運動に作用する筋肉が分布する領域に対応する領域をいう。
帯状体20は、腰部に巻き付けるのに十分な長手方向長さ(本実施形態では約800mm)に調整され、直線状に形成された上縁部20Dを基準に、腰背部対応領域20Cが端部領域20A,20Bよりも上下方向に幅広(本実施形態では200mm)に形成され、腰背部対応領域20Cと端部領域20A,20Bとの中間領域で次第に上下方向に幅狭になるように傾斜する下縁部20Eを備えた形状に構成されている。
非伸縮性生地30は、帯状体20を構成する表裏二枚の編地2a,2bに挟まれた状態で、左右一対のステー50に挟まれる領域に配置され、その周囲が収容部26とともに縫着固定されている。当該非伸縮性生地30により、帯状体20のうち腰背部対応領域20Cの左右長手方向への伸縮が抑制される。
緊締ベルト40は、基端側4aが各ステー50の上下幅方向で中央部に固定され、それぞれ先端側4bが帯状体20の各端部に向けて延出されている。詳述すると、緊締ベルト40は、帯状体20の上下幅よりも幅狭(本実施形態では50mm)に形成され、先端側4bが重畳連結され、基端側4aが幅方向に位置をずらせたV字状姿勢に規制され、帯状体20の幅方向上側に位置する左右の緊締ベルト40A,40Bが、帯状体20の上縁部20Dに平行な直線状に配置されている。さらに、緊締ベルト40の先端側内面に帯状体20の端部領域20A,20Bに設けられた面ファスナー21,22に係止する係止部となる面ファスナー41,42が設けられている。
このような腰部支持具1は、以下の手順で身体に装着される。
先ず、一対の棒状のステー50が腰椎の左右両側から腰椎に沿うように腰背部対応領域20Cを位置決めした後に、帯状体20の左右端部を把持して帯状体20を伸長させて、腰背部から腹部にかけて腰周りを覆い、腹部側の係止部で端部領域を係止する。
装着時に帯状体20を伸長させても、ステー50で挟まれる腰背部対応領域20Cは伸長することが無いので、装着の度に腰椎とステー50との相対位置が変動するようなことがない。しかも、腰背部対応領域20C以外の領域で帯状体20は伸縮性を備えているので、帯状体20のみでもある程度の腰部締め付け強度が得られ、腹圧を高めて腰椎及び骨盤を固定し、安心のサポート感が得られる。
さらに、左右一対の緊締ベルト40の各端部を把持して、緊締ベルト40を伸長させた状態で帯状体20の上から腹部まで導き、帯状体20の端部領域20A,Bで緊締ベルト40を係止すれば装着が完了する。
緊締ベルト40は、先端側4bが重畳連結され、基端側4aが幅方向に位置をずらせたV字状姿勢に規制されているので、各ステー50の中央部の広範囲で肌側への押圧力が大きく作用し、中央部から上下方向への押圧力が均等に分布するため、腰椎の左右両側から腰椎及びその周辺筋肉が確実に支持されるようになる。
また、腰部の体形が人により様々であっても、V字状姿勢に規制された緊締ベルト40であれば、腹部側の係止位置を上方または下方の何れかに偏在するように調整することで、ステー50を腰椎の左右両側に密着した状態で沿わせることができるようになり、緊締ベルト40による緊締力の作用する方向を上下に調整することができるようになる。これにより快適な着用感、サポート感が得られるようになる。
脊柱起立筋は、脊柱の運動に働く固有背筋で、運動の始まりと終わりの部分から、最長筋、腸肋筋、棘筋の三種類に分類され、主に背中を反らす動作や背骨を骨盤上で保つ作用があり、腰を捻ったり、慣れない運動で異常な緊張や炎症を起すと腰痛が発生する。広背筋は背筋の内、わき腹横の背中側に三角形に広がっている筋肉で、疲労により腰痛が発生する。腰椎周辺の広背筋や脊柱起立筋等の筋肉の疲労や炎症による腰痛の予防または治療に当該腰部支持具1を用いれば、帯状体20及び緊締ベルト40による腹圧上昇効果に加えて、腰椎に沿って腰椎の側部にステーが十分な力で押圧されるので、腰部筋肉に掛かる負荷を効果的に軽減させることができる。
帯状体20を構成する表裏二枚の編地2a,2bは、吸湿性繊維で被覆された弾性繊維とその他の繊維が交編されたラッセル編地であるパワーネット生地で構成されている。当該パワーネット生地は、ポリウレタンでなる弾性糸に綿糸を巻き付けたカバーリング糸とナイロン糸等を交編したメッシュタイプのパワーネット生地で、ナイロン59%、綿28%、ポリウレタン13%の重量比で構成され、生地の厚さが0.5mm〜2mmの範囲に設定され、肌側生地面の摩擦係数が0.12〜0.20の範囲に設定されている。
ポリウレタン糸を被覆した吸湿性繊維、ここでは綿糸によって吸湿機能が具現化され、蒸れが効果的に抑制される。また、別途の吸湿性繊維を交編する必要もないので、編目が密になるようなことがなく、通気性を維持しつつ薄手且つ軽量に構成できる。生地の厚さを0.5mm〜2mmの範囲に設定すれば特に良好な装着感が得られる。
弾性繊維の使用割合は10%〜20%程度が好ましく、糸の太さは特に制限されることは無い。また、吸湿性繊維により弾性繊維を被覆する態様は特に制限されることはない。
吸湿性繊維として綿糸が好適に用いられるが、他に植物性天然繊維として麻、動物性天然繊維として羊毛、レーヨンやキュプラのような再生繊維またはアセテート半合成繊維を好適に用いることができる。
また、肌側生地面の摩擦係数を0.12〜0.20の範囲、より好ましくは0.14〜0.17の範囲に設定すると、パンティストッキング等の表面が滑らかな生地と接触しても、摩擦力により十分な滑り止め効果が得られ、長時間装着し、或いはある程度活発に動作しても腰部支持具が位置ずれすることがない。摩擦力が大きく丈夫な綿糸を用いることにより、生地面の摩擦係数を十分な値に調整することができる。尚、大きな摩擦係数を得るためには、綿や麻の植物性天然繊維、羊毛のような動物性天然繊維からなる紡績糸を用いるとより好ましい。
尚、帯状体20を構成する表裏二枚の編地のうち、少なくとも肌側の編地が上述の特性を備えていればよく、双方の編地に上述の特性を備えていればより好ましい吸湿性能が得られる。
また、帯状体20の表側生地2aの表面の摩擦係数が肌側生地2bの肌側面の摩擦係数よりも小さな値に設定されていることが好ましい。帯状体20の肌側生地面の摩擦係数が大きな値に設定されることにより、肌着やパンティストッキング等との間の摩擦力が大きくなり、帯状体20の上下方向及び腰回り方向の位置ずれが抑制される。さらに、帯状体20の表側生地面の摩擦係数が肌側生地面の摩擦係数よりも小さな値に設定されていれば、腰部支持具1の上側に位置する着衣との摩擦が小さくなり、上着との摩擦による帯状体20の位置ずれが回避できるようになる。
パワーネット生地の30%伸長荷重が1.80N〜2.50Nの範囲に設定され、緊締ベルトの30%伸長荷重が9.0N〜13.2Nの範囲に設定されていることが好ましい。
パワーネット生地の伸長荷重と緊締ベルトの伸長荷重に大きな差がなければ、緊締ベルトによる腰部の締付力が十分に確保できないため、腰椎周辺の筋肉を十分に押圧できず、また十分に腹圧を高めることができない。
逆にパワーネット生地の伸長荷重に対して緊締ベルトの伸長荷重が極端に大きければ、緊締ベルトの伸長操作に大きな力を要するため、特に女性は装着が困難になり、またパワーネット生地と緊締ベルトの接触部で皺寄りが発生し易くなり、その結果、着用感が悪くなる。
しかし、パワーネット生地の30%伸長荷重が1.80N〜2.50Nの範囲に設定され、緊締ベルトの30%伸長荷重が9.0N〜13.2Nの範囲に設定されていれば、女性であっても容易に装着操作でき、腰椎周辺の筋肉を適度に押圧し、適切な腹圧に維持するために必要な緊締ベルトによる腰部の締付力を十分に確保することができる。しかも、パワーネット生地と緊締ベルトの接触部での皺寄りも発生することがない。
緊締ベルトとして、ポリウレタン等の弾性糸を用いた織ベルトや、ポリウレタンやスチレン等の不織布を用いることができ、天然ゴムや合成ゴムを用いて構成することも可能である。
非伸縮性生地30は、帯状体20のうち腰背部対応領域20Cの長手方向への伸縮を抑制する機能を備えた生地であれば、特に制限されることはなく、全く伸縮しないことを意味するものではない。本実施形態では、ポリウレタンでなる弾性糸に綿糸を巻き付けたカバーリング糸とナイロン糸等を交編したメッシュタイプのパワーネット生地で、ナイロン80%、ポリウレタン14%、綿6%の重量比の一方向への伸縮性を示す経編地が用いられ、伸縮方向が帯状体20の上下幅方向に沿うように配置されている。従って、帯状体20の左右幅方向への伸縮が抑制される。
尚、非伸縮性生地30として、このような一方向への伸縮性を示す生地を用いれば、帯状体20の腰背部対応領域20Cで上下幅方向に伸縮性が確保でき、腰を屈めたり伸ばしたりする際にも腰背部対応領域20Cが腰部に好適にフィットするようになる。
上述した生地の摩擦係数は、カトーテック株式会社製の摩擦感テスターKES−SEを用いて計測した値に基づいて設定されている。本装置は、日本繊維機械学会の「風合い計量と規格化研究委員会」によって確立された衣服用布地の風合いの客観評価法に基づくシステムである。
摩擦係数は、6.5cm×25cmにカットした試験片を6×8cmの測定台の上に置き、試験片の先に60gの重りを吊り下げ固定し、測定速度1mm/sec、測定距離30mmの条件で、センサーを滑らせて複数回測定した値であり、測定値が大きいほど摩擦が大きく滑り難いことを示す。
上述の実施形態のパワーネット生地(ナイロン59%、綿28%、ポリウレタン13%の重量比)を用いて試験した結果、摩擦係数は表面で平均0.126、裏面(肌側)で平均0.164であり、滑りに対して十分な効果があるという評価が得られた。
また、比較例1としてパワーネット生地(ナイロン64%、ポリウレタン36%の重量比)を用いて試験した結果、摩擦係数は表面で平均0.098、裏面(肌側)で平均0.104であり、比較的滑り易いという評価結果が得られた。
さらに、比較例2としてサテンネット生地(ナイロン57%、綿22%、ポリウレタン21%の重量比)を用いて試験した結果、摩擦係数は表面で平均0.164、裏面(肌側)で平均0.190であり、実施形態のパワーネット生地と同様に滑りに対して十分な効果があるという評価が得られているが、生地目が詰まっているため、通気性が悪く蒸れやすいという結果が得られた。
その結果、肌側生地面の摩擦係数が0.12〜0.20の範囲に設定され、より好ましくは0.14〜0.17の範囲に設定されたパワーネット生地であれば、十分な滑り止め効果が得られ、長時間装着し、或いはある程度活発に動作しても腰部支持具が位置ずれしないことが判明した。
上述した生地の厚みは、JIS L1096を参考規格とする株式会社大栄科学精器製作所製の全自動圧縮弾性率・厚さ測定器CEH−400を用いて、50mm角の試験片を0.3kPaの圧力の下で複数回計測した値に基づいて設定されている。
上述のパワーネット生地(ナイロン59%、綿28%、ポリウレタン13%の重量比)の計測値は平均1.04mmであり、同構成の種々の厚さのパワーネット生地に対して摩擦係数及び吸湿性を評価したところ、生地の厚さを0.5mm〜2mmの範囲に設定すれば良好な装着感が得られることが判明した。
パワーネット生地の30%伸長荷重、及び緊締ベルトの30%伸長荷重は、島津製作所製のオートグラフを用いて計測した値に基づいて設定されている。
5×30cmにカットした試験片を引張試験機のつかみ間(つかみ間隔20cm)に固定し、引張速度30±2cm/分で試験片を30%、50%、80%まで伸ばし、50%、30%まで戻ったときの荷重(N)をそれぞれ三回測定した。
上述のパワーネット生地(ナイロン59%、綿28%、ポリウレタン13%の重量比)に対する30%、50%、80%までの伸長荷重、50%、30%までの収縮時の伸長荷重(N)の平均値は、2.46N,4.04N,8.20N,3.04N,1.88Nであり、上述の緊締ベルトに対する伸長荷重は、13.15N,18.87N,31.17N,13.72N,9.16Nであった。
通常の使用状態を考慮して、着用試験を行なった結果、パワーネット生地の30%伸長荷重が1.80N〜2.50Nの範囲に設定され、緊締ベルトの30%伸長荷重が9.0N〜13.2Nの範囲に設定されていると、女性であっても容易に装着操作でき、腰椎周辺の筋肉を適度に押圧し、適切な腹圧に維持するために必要な緊締ベルトによる腰部の締付力を十分に確保することができることが判明した。
尚、上述の実施形態は、本発明の腰部支持具の一例の説明であり、パワーネット生地や非伸縮性生地を構成する弾性糸やナイロン糸の太さ等、具体的な構成は特に限定されることはなく、本発明の作用効果が奏される範囲で適宜設定すればよい。
本発明による腰部支持具は、長時間装着しても蒸れることがなく、また容易に位置ずれすることなく、安心の腰部支持感が得られる薄手かつ軽量の腰部支持具として、腰痛の予防や治療に用いられる。
1:腰部支持具
20:帯状体
20A,20B:端部領域
20C:腰背部対応領域
24:係止部
30:非伸縮性生地
40:緊締ベルト
50:ステー

Claims (7)

  1. 腰背部から腹部にかけて腰周りを覆う腰部支持具であって、
    少なくとも長手方向への伸縮性を備えるとともに吸湿性及び摩擦性を備えた編地で構成され、腹部側で端部領域を互いに係止する係止部を備えた帯状体と、
    前記帯状体の腰背部対応領域に腰椎の左右両側から腰椎に沿うように所定間隔を隔てて配置された一対の棒状のステーと、
    前記ステーで挟まれる領域に配置され、前記帯状体の長手方向への伸縮を抑制する非伸縮性生地と、
    前記帯状体の上下幅よりも幅狭に形成され、基端側が各ステーの上下幅方向で中央部に固定されるとともに先端側が前記帯状体の各端部に向けて延出され、前記帯状体の端部領域に係止する係止部が各先端側に設けられた左右一対の緊締ベルトと、
    を備えている腰部支持具。
  2. 少なくとも前記帯状体の肌側に吸湿性繊維で被覆された弾性繊維とその他の繊維が交編されたパワーネット生地が配置され、当該パワーネット生地の厚さが0.5mm〜2mmの範囲に設定され、肌側生地面の摩擦係数が0.12〜0.20の範囲に設定されている請求項1記載の腰部支持具。
  3. さらに前記帯状体の表側にも前記パワーネット生地が配置され、前記非伸縮性生地は、前記ステーで挟まれる領域で表裏二層のパワーネット生地の間に配置されている請求項2記載の腰部支持具。
  4. 前記パワーネット生地の30%伸長荷重が1.80N〜2.50Nの範囲に設定され、前記緊締ベルトの30%伸長荷重が9.0N〜13.2Nの範囲に設定されている請求項3記載の腰部指示具。
  5. 前記帯状体の表側生地面の摩擦係数が肌側生地面の摩擦係数よりも小さな値に設定されている請求項2から4の何れかに記載の腰部支持具。
  6. 前記吸湿性繊維が綿、麻、羊毛、再生繊維または半合成繊維の何れかで構成されている請求項2から5の何れかに記載の腰部支持具。
  7. 前記帯状体は、略直線状に形成された上縁部を基準に、前記腰背部対応領域が前記端部領域よりも上下方向に幅広に形成され、前記腰背部対応領域と前記端部領域との中間領域で次第に上下方向に幅狭になるように傾斜する下縁部を備えた形状に構成され、
    各緊締ベルトは、前記先端側を重畳連結し、前記基端側を幅方向に位置をずらせたV字状姿勢に規制され、前記帯状体の幅方向上側に位置する左右の緊締ベルトが、前記帯状体の上縁部に略平行に直線状に配置されている請求項1から6の何れかに記載の腰部支持具。
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