JP2014044342A - ポリエテルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶ディスプレイの視認側の偏光板の外側に設けることにより、偏光作用のある光学部材を通して表示画像を見ても、角度により表示画像が暗くなることがなく、かつ偏光板上に積層する機能層との特性差が小さく加工性に優れた偏光板用ポリエステルフィルムを歩留まり良く提供する。
【解決手段】 フィルム内における配向角の変動が6度/500mm以上であり、フィルムのヘーズが5.0%以下であり、380nmにおける光線透過率が20%以下であることを特徴とするポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶ディスプレイの視認側の偏光板の外側に設けることにより、偏光作用のある光学部材を通して液晶ディスプレイを見た場合にも、偏光軸の方向に起因する表示画像の視認性の低下や、光干渉色の発生を低減することができ、偏光板用として好適なポリエステルフィルムに関するものである。
近年、テレビ、パソコン、デジタルカメラ、携帯電話等の表示装置として幅広く使用されている液晶ディスプレイに使用される偏光板は、一般的に、保護フィルム/偏光膜/保護フィルム、または保護フィルム/偏光膜/位相差フィルムの構成からなるものが多い。
液晶ディスプレイにおいては、視認側の偏光板から出射する表示光は直線偏光であり、例えばサングラスのような偏光作用のある光学部材を通して表示画像を見た場合、表示光の偏光軸と光学部材の吸収軸の角度が適切でない場合には、表示画像が暗くなったり、見えなくなったりする。
上記の問題を解決するために視認側の偏光板のさらに外側にλ/4位相差フィルムを設けることにより、直線偏光を円偏光に変調させる方法が知られているが(特許文献1〜3)、位相差フィルムを使用することはコスト面から好ましくない。
また、視認側の偏光板のさらに外側にリターデーションの大きい位相差板を設ける方法が知られているが(特許文献4および5)、偏光板の厚さが厚くなるため好ましくない。
さらに、偏光板保護フィルムに主配向軸とフィルム長手方向に対する傾きが30〜60度に指定されたポリエステルフィルムを使用する方法が知られているが(特許文献6)、下記の点で好ましくない。すなわち、主配向軸が90度を超えた時は、その捕角を主配向軸のフィルム長手方向に対する角度とした場合、主配向軸とフィルム長手方向の取り得る角度の範囲は、0〜90度となる。通常の2軸延伸フィルムではボーイング現象と呼ばれる、高分子鎖の配向方向が幅方向で変化する歪みが発生する為、製造されたフィルムの幅方向に主配向軸とフィルム長手方向の角度が徐々に変化する現象が見られる。このとき、フィルムの幅方向中央位置は、歪みがないため、常に、0度、もしくは90度となり、この値を基点として、角度が変化する。従って、通常の2軸延伸フィルムにおいては、製品幅方向の中央付近で0〜30度もしくは90〜60度となる場所が必ず存在するが、この場所がフィルム全幅に占める割合が大きくなれば、本用途向けに製品として使用できる場所が少なくなり、歩留まりの大幅な悪化を招く。
これに対し、フィルムの中央部が0度もしくは90度とならないように、いわゆる斜め延伸を行ってフィルムを製造する方法が知られているが(特許文献7)この場合、延伸設備が特異化、また巨大化し、制御も複雑となることから、製造コストが増大してしまう問題がある。
特開2000−137116号公報 特開2002−22944号公報 特開2008−83307号公報 特開平6−258634号公報 特開2004−170875号公報 特開2011−232660号公報 特開2012−103651号公報
本発明は、上記実状に鑑みなされたものであって、その解決課題は、液晶ディスプレイの視認側の偏光板の外側に設けることにより、偏光作用のある光学部材を通して表示画像を見ても、角度により表示画像が暗くなることがなく、かつ偏光板上に積層する機能層との特性差が小さく加工性に優れた偏光板用ポリエステルフィルムを歩留まり良く提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の偏光板用ポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、フィルム内における配向角の変動が6度/500mm以上であり、フィルムのヘーズが5.0%以下であることを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、偏光板用フィルムとして、安価に光学特性に優れたポリエステルフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明でいうポリエステルフィルムとは、いわゆる押出法に従い押出口金から溶融押出されたシートを延伸したフィルムである。
本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸から重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンー2、6ナフタレート等が例示される。
本発明におけるポリエステルフィルムには、取り扱いを容易にするために、透明性を損なわない条件で粒子を含有させてもよい。本発明で用いる粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子や、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。また粒子を添加する方法としては、原料とするポリエステル中に粒子を含有させて添加する方法、押出機に直接添加する方法等を挙げることができ、このうちいずれか一方の方法を採用してもよく、2つの方法を併用してもよい。
用いる粒子の粒径は、通常0.05〜5.0μm、好ましくは0.1〜4.0μmである。平均粒径が5.0μmより大きいとフィルムのヘーズが大きくなり、フィルムの透明性が低下することがある。平均粒径が0.1μmより小さいと、表面粗度が小さくなりすぎてフィルムの取り扱いが困難になる場合がある。粒子含有量は、ポリエステルに対し、通常0.001〜30.0重量%であり、好ましくは0.01〜10.0重量%である。粒子含有量が多いとヘーズが大きくなり、フィルムの透明性が低下することがあり、粒子含有量が少ないとフィルムの取り扱いが困難になる場合がある。
ポリエステルに粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混錬押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混錬押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明におけるポリエステルフィルムは、フィルム内における配向角の変動が6度/500mm以上であることが必要である。配向角の変動が6度/500mmを下回る場合には、本用途向けに製品として使用できる場所が少なくなり、歩留まりの大幅な悪化を招く。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、波長380nmにおける光線透過率が20.0%以下であることが必要である。好ましくは、10.0%以下であり、さらに好ましくは、5.0%以下である。波長380nmにおける光線透過率が20.0%より大きくなると、ポリエステルフィルム以外の部材に紫外線吸収性能がない場合に、液晶の劣化が促進され、使用上問題となる。
ポリエステルフィルム中に含有される紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤および無機系紫外線吸収剤が挙げられる。
有機系紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、例えば、フェニルサリチレート、p−t−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等、ベンゾフェノン系、例えば、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−オクトキベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2,2´−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−2´−ジヒドロキシ−4,4´−ジメトキシベンゾフェノン等、ベンゾトリアゾール系、例えば、2−(2´−ヒドロキシ−5´−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´5´−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´5´−ジ−t−ブチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール等、天然物系、例えば、オリザノール、シアバター、バイカリン等、生体系、例えば、角質細胞、メラニン、ウロカニン酸等が挙げられる。これら有機系紫外線吸収剤は1種類、または2種類以上併用して用いることができる。これらの有機系紫外線吸収剤には紫外線安定剤として、ヒンダードアミン系化合物を併用することができる。
無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン系複合酸化物、酸化亜鉛系複合酸化物、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)等が挙げられる。酸化チタン系複合酸化物としては、例えば、シリカ、アルミナをドープした酸化亜鉛等が挙げられる。これらの無機系紫外線吸収剤は1種類、または、2種類以上併用して用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤を併用してもかまわない。
紫外線吸収剤をポリエステルフィルムに配合する方法として、紫外線吸収剤を押出機に直接添加する方法、あらかじめ紫外線吸収剤を練り込んだポリエステル樹脂を押出機に添加する方法等を挙げることができ、このうちいずれか一方の方法を採用してもよく、2つの方法を併用してもよい。
本発明のポリエステルフィルムを使用した偏光板において、光干渉色の発生を防ぐために、ポリエステルフィルムにおけるフィルムの面内リターデーションが2000nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1500nm以下である。フィルムの面内リターデーションが2000nmより大きい場合には、光の干渉色が強くなり、液晶ディスプレイにおいて、画像本来の色彩が得られない。
本発明のポリエステルフィルムを使用した偏光板において、透明度の低下を防ぐために、ポリエステルフィルムにおけるフィルムのヘーズが5.0%以下である必要があり、好ましくは2.0%以下であり、特に好ましくは1.0%以下である。フィルムのヘーズが5.0%より大きい場合には、偏光板の透明度が低下し、視認性が低下してしまう。
本発明のポリエステルフィルムを120℃で5分間熱処理した際のフィルム幅方向の熱収縮率は0.4%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2%以下であり、最も好ましくは0.0%以下である。かかる熱収縮率が0.4%を超える場合は、高温下で面方向においてマイナス方向に寸法変化が大きくなりすぎるため、例えば偏光板と接着した場合に、偏光板上に積層するガスバリア層、電極層などとの熱収縮率の差が生じ、高温加工時に機能層に欠陥が生じるなどして加工性が低下してしまう。
本発明のポリエステルフィルムの厚さは4〜50μmであることが好ましく、さらに好ましくは4〜38μmである。特に好ましくは4〜25μmである。フィルムの厚さが4μmより薄いとフィルムの製膜が困難であるとともにフィルムの取り扱いが難しい場合がある。フィルムの厚さが50μmより厚い場合には、モバイル用として用いられた場合、偏光板が厚くなることになる。
本発明では必要に応じて他にも添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、染料、顔料、などが挙げられる。
本発明においては、公知の手法により乾燥したポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移点以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化することが好ましい。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に80〜130℃で1.3〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で1.3〜6倍延伸を行い。150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に3〜20%弛緩する方法が好ましい。
偏光板として、偏光板保護フィルムと密着させるため、あるいはハードコートとの密着性を向上させるために少なくとも片面に塗布層を設けることが好ましい。
また、塗布層は、帯電防止剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有していてもよい。
塗布剤の塗布方法としては、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターまたはこれら以外の塗布装置を使用することができる。
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性や接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。また、表面特性をさらに改良するため、塗布層形成後に放電処理を施してもよい。
塗布層の厚みは、最終的な乾燥厚さとして、通常0.02〜0.5μm、好ましくは0.03〜0.3μmの範囲である。塗布層の厚さが0.02μm未満の場合は、本発明の効果が十分に発揮されない恐れがある。塗布層の厚さが0.5μmを超える場合は、フィルムが相互に固着しやすくなったり、特にフィルムの高強度化のために塗布処理フィルムを再延伸する場合は、工程中のロールに粘着しやすくなったりする傾向がある。上記の固着の問題は、特にフィルムの両面に同一の塗布層を形成する場合に顕著に現れる。
なお、必要に応じて、フィルムの製造後にコートするオフラインコートと呼ばれる方法でコートしてもよい。コーティングの材料としては、オフラインコートの場合は水系および/または溶剤系いずれでもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。実施例中、「%」は「重量%」を意味する。
(1)主配向軸、およびフィルム内における配向角の変動の測定
ポリエステルフィルムの幅方向に対して、中心となる位置より、両端に向かって、500mm毎の位置と、最両端よりサンプルを切り出し、それぞれカールツァイス社製偏光顕微鏡を用いて、ポリエステルフィルムの配向を観察し、ポリエステルフィルム面内の主配向軸の方向がポリエステルフィルムのMDに対して何度傾いているかを求めた。なお、測定上、主配向軸が90度を越えた場合には、その補角を主配向軸のMD方向に対する角度とした。また、最両端の位置を含む配向角の変動を算出する際、サンプル位置間が500mmに満たない場合は、比例計算にて500mm毎の配向角の変動を算出する。このようにして幅方向の500mm毎の配向角の変動を求め、平均値をそれぞれフィルムの幅方向の配向角変動とした。
(2)面内リターデーションの測定
大塚電子株式会社製、セルギャップ検査装置RETS−1100Aを用い、フィルム幅方向に対して中心となる位置の面内リターデーションを測定した。フィルムの面内リターデーションの測定には光干渉法を用い、アパーチャ径5mmとし23℃で行った。
(3)加熱収縮率の測定
フィルムの両端の幅方向について15mm幅×150mm長の短冊状にサンプルを切り出し(サンプル長方向がフィルムの幅方向となる)、無張力状態で120℃雰囲気中5分間、熱処理しその前後のサンプルの長さを測定することにより次式にてフィルムの幅方向の熱収縮率(%)を計算した。
加熱収縮率(%)=[(a−b)/a]×100
上記式中、aは熱処理前のサンプル長、bは熱処理後のサンプル長である。
(4)ヘーズの測定
JIS−K−7136に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−20Dにより、フィルムヘーズを測定した。
(5)視認性(光線透過低下率)評価
得られたポリエステルフィルムの端部からフィルム幅方向に、フィルム幅に対して10、20、30、40、50%の位置に相当する箇所(50%位置が幅方向に対して中央の位置、10%位置が幅方向端部の位置となる)よりそれぞれA4サイズのサンプルを切り出し、ポリエステルフィルムのMDが、偏光フィルムの配向軸と平行となるように、粘着剤を介して密着させ偏光板1とし、密着させたポリエステルフィルム側に配向軸がポリエステルフィルムのMDと直交するように評価用の偏光板2を重ね合わせ、偏光板1側が入射光側となるように、全光線透過率Tを測定した。なお、測定装置は、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−20Dを用いた。これとは別に、偏光板1のみで測定した全光線透過率をTとし、光線透過の低下率を次式により計算した。
光線透過低下率(%)=[(T−T)/T]×100
(6)用途適用性評価
前項(5)と同様にして得られた光線透過低下率の値が80%以下となる箇所の、フィルム全幅に対する割合に応じて、適用性を評価した。なお、全幅方向の光線透過低下率の値は、フィルムの中央位置(50%位置)を中心に左右対称であるとし、フィルム全幅に対する割合を求めた。
A:光線透過低下率が80%以下となるフィルムが全幅に対して、65%以上得られ、本用途に用いることができるフィルムを、収率良く採取することができる
B:光線透過低下率が80%以下となるフィルムが全幅に対して、50〜65%得られ、本用途に用いることができるフィルムの収率は許容範囲である
C:光線透過低下率が80%以下となるフィルムが全幅に対して、50%以下であり、本用途に用いることができるフィルムの収率が許容範囲外である
(7)光線透過率の測定
分光光度計(株式会社島津製作所UV−3100PC型)により、スキャン速度を低速、サンプリングピッチを2nm、波長300〜700nm領域で連続的に光線透過率を測定し、380nmの波長での光線透過率を検出した。
以下の実施例・比較例で使用したポリエステル原料の製造方法は次のとおりである。
(ポリエステルaの製造方法)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部、および酢酸カルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次に燐酸0.04部および三酸化アンチモン0.035部を添加し、常法に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げて、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じて、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応を終了し、常法に従い、チップ化してポリエステルaを得た。得られたポリエステルチップの溶液粘度IVは、0.66であった。
(ポリエステルbの製造方法)
上記ポリエステルaを製造する際、平均粒径2.7μmの非晶質シリカを3000ppm添加し、ポリエステルbを作成した。
(ポリエステルcの製造方法)
上記ポリエステルaを製造する際、平均粒径3.2μmの非晶質シリカを6000ppm添加し、ポリエステルcを作成した。
(ポリエステルdの製造方法)
上記ポリエステルaを製造する際、紫外線吸収剤として2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン]を10%濃度となるように添加してポリエステルdを作成した。
実施例1:
上記ポリエステルaおよびbをそれぞれ68%、32%の割合で混合した原料をA層用の原料とし、ポリエステルaおよびdを85%、15%の割合で混合した原料をB層用の原料とし、A層およびB層用原料をそれぞれ別個の溶融押出機により溶融押出して(A/B/A)の2種3層積層の無定形シートを得た。
次いで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、90℃にて縦方向に3.5倍延伸した後、さらにテンター内で予熱工程を経て130℃で横方向に4.1倍延伸、230℃で10秒間の熱処理を行い、その後幅方向に4.3%の弛緩処理を行い、厚さ25μmのポリエステルフィルムを得た。評価結果を下記表4に示す。
実施例2〜8および比較例1〜4:
下記表1〜3に示す条件を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を下記表4〜6に示す。なお、比較例3においては、偏光板として実装した際に、ヘーズが高く、ディスプレイとしての輝度が低いため、本用途には不適格であった。
実施例9:
実施例2において、ポリエステルフィルムの層厚みを、55μmとした以外は、実施例2と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を下記表5に示す。なお、実施例9においては、偏光板として実装した際に、厚みが厚いため、モバイル用として意匠性に劣るものであった。
実施例10:
実施例2において、ポリエステルフィルムの層厚みを、3μmとした以外は、実施例2と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表5に示す。なお、実施例10においては、偏光フィルムにポリエステルフィルムを貼り合わせる際にしわが発生し、偏光板としての品質は劣るものであった。
実施例11:
表1に示す条件を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表5に示す。なお、実施例11においては、偏光フィルムにポリエステルフィルムを貼り合わせる際にカールが発生し、偏光板としての品質は劣るものであった。
Figure 2014044342
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本発明のフィルムは、例えば、液晶ディスプレイの視認側の偏光板の外側に設けるフィルムとして好適に利用することができる。

Claims (3)

  1. フィルム内における配向角の変動が6度/500mm以上であり、フィルムのヘーズが5.0%以下であり、380nmにおける光線透過率が20%以下であることを特徴とするポリエステルフィルム。
  2. フィルムの厚みが4〜50μmである請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. 120℃で5分間のフィルム幅方向の加熱収縮率が0.4%以下である請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
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