JP2014043612A - 耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材 - Google Patents

耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材 Download PDF

Info

Publication number
JP2014043612A
JP2014043612A JP2012186430A JP2012186430A JP2014043612A JP 2014043612 A JP2014043612 A JP 2014043612A JP 2012186430 A JP2012186430 A JP 2012186430A JP 2012186430 A JP2012186430 A JP 2012186430A JP 2014043612 A JP2014043612 A JP 2014043612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
delayed fracture
fracture resistance
steel material
strength steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012186430A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5846080B2 (ja
Inventor
Daisuke Hiragami
大輔 平上
Takahisa Suzuki
崇久 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2012186430A priority Critical patent/JP5846080B2/ja
Publication of JP2014043612A publication Critical patent/JP2014043612A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5846080B2 publication Critical patent/JP5846080B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

【課題】高強度で、かつ耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.30〜0.80%、Si:0.05〜2.50%、Mn:0.10〜2.00%を含有し、P:0.015%以下、S:0.015%以下に制限し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、マルテンサイト組織分率が95%以上であり、直径をd(mm)とした場合、中心部からd/4(mm)の領域の旧オーステナイト粒径が20μm以下であり、表層〜1mm以内の領域の旧オーステナイト粒径が40μm以下でかつ長手方向と軸方向のアスペクト比が1.5以上であり、引張強度が1400MPa以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材に関し、特に、PC鋼棒、ばね鋼材等に使用される、高強度で、かつ耐水素脆化特性に優れた中炭素〜高炭素の範囲の鋼材に関する。
従来、土木・建築構造物に用いられるプレストレストコンクリートの緊張材に用いられるPC鋼棒や、ばね鋼材等の中炭素〜高炭素の範囲の高強度鋼材(以下、単に「高強度中〜高炭素鋼材」ともいう。)には、耐遅れ破壊特性の優れた高強度鋼材が要求され、この要求を満たすために種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1のように、C、Si、Mo、CrおよびBを適正範囲で添加し、Sの最大含有量を規定し、また製造方法においては、150℃〜400℃の低温度域で焼戻しを行うことによって、強度範囲が1900MPa以上で、かつ高い耐腐食性が得られる鋼材が提案されている。
また、引張強度145kgf/mm2以上を有し、耐遅れ破壊特性に優れるPC鋼棒の製造方法として、鋼の熱間圧延において、圧延温度Tfを700℃≦Tf≦850℃を満たす条件として、30%以上の圧下率を与えた後水焼入れし、さらに焼戻しを行うに際して、焼戻しを350℃以上500℃以下で行うことにより、旧オーステナイト粒の長さと幅の比であるアスペクト比を2以上とする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、平均粒径が5μm以下のフェライトと、マルテンサイトあるいは焼戻マルテンサイトを主体の組織とし、フェライトの平均面積率が20〜40%であることを特徴とする高強度PC鋼棒について、Ac3温度以上まで急速加熱を行い、減面率20%以上の加工を短時間で行い、Ar3以下Ar1以上の温度から焼入れして製造する方法(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。
特開2009−256771号公報 特開平7−300652号公報 特開2001−294980号公報
しかしながら、特許文献1に記載の鋼材では、懸架ばねにおける跳ね石でのチッピングや、PC鋼棒での取扱疵などの微小欠陥があると耐遅れ破壊特性が低下する問題があった。
また、特許文献2や3に記載の製造方法では、低温圧延をするため圧延機の剛性を高くする必要があり、設備コスト的に高くなる課題があった。
このようなことから、従来製造されている中〜高炭素鋼材よりも、さらなる低コストで耐遅れ破壊特性に優れた中〜高炭素鋼材を得ることが望まれている。
そこで、本発明は、従来、製造されている中〜高炭素鋼材よりも、さらなる耐遅れ破壊特性の優れた高強度中〜高炭素鋼材を提供することを課題とするものである。
特に、本発明では、中〜高炭素鋼材において、中心部と表層近傍領域それぞれにおける旧オーステナイト粒径を制御することにより、耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材を提供することを課題とする。
本発明者らは、中〜高炭素鋼材の耐遅れ破壊特性を向上させることについて鋭意研究した。その結果、中心部の旧オーステナイト粒を微細にすることに加え、表層の旧オーステナイト粒を伸長粒にすることで耐水素脆化特性が向上することを見出して、本発明を完成した。
本発明は、得られた上記知見を基に更に検討を加えてなされたもので、その要旨は以下の通りである。
[1]質量%で、C:0.30〜0.80%、Si:0.05〜2.50%、Mn:0.10〜2.00%を含有し、P:0.015%以下、S:0.015%以下に制限し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、マルテンサイト組織分率が95%以上であり、直径をd(mm)とした場合、中心部からd/4(mm)の領域の旧オーステナイト粒径が20μm以下であり、表層〜1mm以内の領域の旧オーステナイト粒径が40μm以下でかつ長手方向と軸方向のアスペクト比が1.5以上であり、引張強度が1400MPa以上であることを特徴とする耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材。
[2]さらに、質量%で、Ti:0.100%以下、B:0.0010〜0.0100%の一方または双方を含有し、N:0.0100%以下に制限し、TiとNの含有量が、Ti≧3.5Nを満足することを特徴とする上記[1]に記載の耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材。
[3]さらに、質量%で、Mo:0.05〜1.00%、Cr:0.05〜1.50%、Ni:0.05〜1.00%、Cu:0.05〜1.00%、Al:0.005%〜0.10%のうちの1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材。
[4]さらに、質量%で、Nb:0.010〜0.100%、V:0.05〜0.40%の一方又は双方を含有することを特徴とする上記[1]〜[3]の何れか1項に記載の耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材。
本発明によれば、耐遅れ破壊特性に優れ、かつ引張強度が1400MPa以上の高強度鋼材を提供することができる。
特に、本発明の耐水素脆化特性に優れた高強度鋼材によれば、プレストレストコンクリート柱や杭の高寿命化が図れ、自動車用懸架ばねの高強度化に伴う軽量化による燃費向上に寄与することができるため、産業上の貢献が極めて顕著である。
図1は昇温法による水素分析の水素放出速度曲線であり、遅れ破壊試験片1を100℃/hの昇温速度で加熱した際に得られる温度と水素放出速度との関係を模式的に示したグラフである。 図2は本実施形態における鋼材の遅れ破壊試験に用いる試験片を示した平面図である。 図3は本実施形態における遅れ破壊試験装置(試験機)の説明図である。 図4は本実施形態において試験片1の定荷重遅れ破壊試験を行った場合における破断時間と拡散性水素量との関係を模式的に示したグラフである。
まず、中〜高炭素鋼材の耐遅れ破壊特性の向上について鋭意検討し、それにより得られた本発明者らによる知見について説明する。
本発明者らは、引張強度が1400MPa以上の中〜高炭素鋼材の耐遅れ破壊特性に及ぼす各種因子について鋭意検討し、以下の知見を得た。即ち、
(i)鋼材表面に取扱疵や跳ね石などによるチッピングがあると著しく耐遅れ破壊特性が低下する。
(ii)旧オーステナイト粒を微細にすると耐水素脆化特性が向上する。
(iii)更に、表層の旧オーステナイト粒を長手方向に対して伸長化すると耐水素脆化特性が著しく改善する。
(iv)鋼の熱間圧延において、仕上げ圧延前の温度Tfが850℃≦Tf≦1000℃で表層を短時間急冷し、表層のみ650℃以上850℃以下にした状態で圧延することにより、圧延反力が高くならないまま表層組織が伸長したオーステナイト粒になり、更に中心部は再結晶により微細なオーステナイト粒を得ることができる。
以下、本実施形態の耐水素脆化特性に優れた高強度鋼材について説明する。
本実施形態に係る耐水素脆化特性に優れた高強度鋼材は、質量%で、C:0.30〜0.80%、Si:0.05〜2.50%、Mn:0.10〜2.00%を含有し、P:0.015%以下、S:0.015%以下に制限し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、マルテンサイト組織分率が95%以上であり、直径をd(mm)とした場合、中心部からd/4(mm)の領域(以下、単に「中心部」ともいう)の旧オーステナイト粒径が20μm以下であり、表層〜1mm以内の領域の旧オーステナイト粒径が40μm以下でかつ長手方向と軸方向のアスペクト比が1.5以上であり、引張強度が1400MPa以上である。
まず、本実施形態に係る高強度鋼材における上記組成を限定して理由について詳細に説明する。
<C:0.30〜0.80%>
Cは高強度を得るために必要な元素であるため0.35%以上添加することが必要である。なお、より好ましくは、C量を0.40%以上とする。
一方、0.80%超のCを添加すると靭性が低下するため、C量を0.80%以下とする。また、Cを過剰に添加すると所望の強度を得るための焼戻し温度が上昇し、セメンタイト(θ)の生成量が増加し、高強度と高靭性の両立ができなくなることがあるので、上限を0.60%以下とすることが好ましい。
<Si:0.05〜2.50%>
Siは鋼の強化やばねのへたり特性の向上に有効な元素である。0.05%未満であると強度向上に対する効果が少ないため、下限を0.05%以上とする。なお、好ましくは、1.00%以上である。
一方、2.50%を超えると、延性が低下し、遅れ破壊特性が低下する。また、懸架ばねの場合は冷間でのコイリング性を著しく低下させるため、上限を2.50%とした。なお、好ましくは、2.00%以下である。
<Mn:0.10〜2.00%>
Mnは焼入れ性の向上に有効な元素である。この効果を得るには、Mnを0.10%以上添加することが必要であるが、2.00%を超えて添加すると鋳造時の中心偏析を助長し、靭性が低下し、遅れ破壊特性が低下する。したがって、Mn量は0.10〜2.00%の範囲にする必要がある。なお、好ましくは、下限を0.50%、上限を1.50%とする。
<P:0.015%以下>
<S:0.015%以下>
P及びSは不純物であり、特にPは、旧オーステナイト粒界に偏析して粒界を脆化させ、靭性を低下させる元素である。P及びSの上限は、0.015%以下に制限する必要がある。また、P及びSは極力低減することが好ましく、好適な上限は0.010%以下である。
本実施形態においては、更に、Ti、Bを添加し、Nの上限を制限することが好ましい。
具体的には、質量%で、Ti:0.100%以下、B:0.0010〜0.0100%の一方または双方を含有し、N:0.0100%以下に制限し、TiとNの含有量が、Ti≧3.5Nを満足するよう制御することが好ましい。
<Ti:0.100%以下>
Tiは鋼中のNと結合し、TiNを析出させてNを固定する元素であり、固溶N量の低減に寄与する。このように、Ti添加により固溶N量の低減を図ることにより、BNの生成が防止され、Bの焼入れ性向上効果が得られる。
鋼中のNを固定するには、Tiを3.5N以上添加することが好ましい。しかし、0.100%超のTiを添加しても効果が飽和するため、Ti量の上限は0.100%以下にすれば良い。また、TiN及びTi(CN)の粗大化による靭性の低下を抑制するには、Ti量の上限を0.040%以下とすることが好ましい。
<B:0.0010〜0.0100%>
Bは微量の添加で鋼の焼入れ性の向上に寄与する有効な元素であり、旧オーステナイト粒界に偏析して結晶粒界を強化し、靭性を向上する効果も有する。特に、Bは、本発明の範囲のC量、Si量を含有する鋼に添加した場合、更に靭性が向上する効果があるため0.0010%以上添加することが好ましい。一方、Bを0.0100%を超えて添加してもその効果は飽和するため、0.0100%以下とすることが好ましい。B量のより好適な範囲は0.0010〜0.0030%である。なお、Bの添加の効果を得るためには、固溶N量を低減させてBNの生成を防止することが好ましい。したがって、N量の制限と、Tiの添加は極めて有効である。
<N:0.0100%以下>
Nは不純物であり、0.0100%以下に制限することが好ましい。また、Nの含有量が少ないほどTiの添加量を少なくすることができ、生成するTiNの量も少なくなる。したがって、Nはできるだけ低減することが好ましく、好適な上限は0.0060%以下である。
本実施形態においては、更に、焼入れ性の向上に寄与するMo、Cr、Ni、Cuの1種又は2種以上を選択的に含有させても良い。
<Mo:0.05〜1.00%>
Moは、焼入れ性向上の効果を得るために、0.05%以上添加することが好ましいが、1.00%超を添加すると合金添加コストが大きくなり経済性を損なうことがある。したがって、Moの含有量は0.05〜1.00%の範囲とすることが好ましく、より好適な範囲は0.10〜0.50%である。
<Cr:0.05〜1.50%>
Crは、焼入れ性向上の効果を得るために、0.05%以上添加することが好ましいが、1.50%超を添加すると靭性を損なうことがある。したがって、Crの含有量は0.05〜1.50%の範囲とすることが好ましく、より好適な範囲は0.10〜0.80%である。
<Ni:0.05〜1.00%>
Niは、焼入れ性向上の効果を得るために、0.05%以上添加することが好ましいが、1.00%超を添加すると合金添加コストが大きくなり経済性を損なうことがある。したがって、Niの含有量は0.05〜1.00%と範囲することが好ましく、より好適な範囲は0.10〜0.50%である。
<Cu:0.05〜1.00%>
Cuは、焼入れ性向上の効果を得るために、0.05%以上添加することが好ましいが、1.00%超を添加すると熱間延性が低下し、連続鋳造や熱間圧延時の割れ、キズなどの発生を助長し、鋼の製造性を損なうことがある。したがって、Cuの含有量は、0.05〜1.00%の範囲にすることが好ましく、好適な範囲は0.10〜0.50%である。
<Al:0.005%〜0.10%>
Alは、脱酸元素である。また、Alは、Nと化合してAlNとして析出する元素である。AlNは、高温度域でのオーステナイト粒の粗大化を抑制する効果がある。しかしながら、鋼線材の延性の低下を抑制するAl含有量が0.005%未満では、上記効果を得ることができない。一方、Al含有量が0.10%超では、多量の硬質で変形能を有さないアルミナ系非金属介在物が形成されて、鋼線材の延性が低下する。したがって、Al含有量を0.005%〜0.10%とすることが好ましい。より好ましいAl含有量は、0.005%〜0.050%である。
本実施形態においては、更に、オーステナイト結晶粒の微細化に寄与する、Nb:0.010〜0.100%、V:0.05〜0.40%の一方又は双方を含有させても良い。
<Nb:0.010〜0.100%>
Nbは、旧オーステナイト粒の微細化による靭性の向上の効果を得るために、0.010%以上添加することが好ましいが、0.100%を超えて添加してもその効果は飽和する。したがって、Nbの含有量は、0.010〜0.100%の範囲とすることが好ましく、より好適な範囲は0.015〜0.040%である。
<V:0.05〜0.40%>
Vは、旧オーステナイト粒の微細化による靭性の向上の効果を得るために、0.05%以上添加することが好ましいが、0.40%を超えて添加してもその効果は飽和する。したがって、Vの含有量は、0.05〜0.40%の範囲とすることが好ましく、より好適な範囲は0.10〜0.35%である。
次に、本実施形態に係る高強度鋼材の組織について説明する。
本実施形態に係る高強度鋼材の組織は、マルテンサイト組織分率が95%以上であり、直径をd(mm)とした場合、中心部からd/4(mm)の領域の旧オーステナイト粒径が20μm以下であり、表層〜1mm以内の領域の旧オーステナイト粒径が40μm以下でかつ長手方向と軸方向のアスペクト比が1.5以上である。
<マルテンサイト組織分率:95%以上>
マルテンサイトは、強度を得るために必須の組織である。本発明の場合には、体積率で95%以上のマルテンサイト組織とすることで優れた特性が得られる。すなわち、マルテンサイトの体積率が95%未満では、強度の上昇に寄与しない残留オーステナイト相等の未変態相や、炭化物等の析出物の量が多くなりすぎて、1400MPa以上の高強度化の達成は困難となる。
鋼材の金属組織の観察は、試料にピクリン酸を用いた化学腐食を施した後、SEM(走査型電子顕微鏡、Scanning Electron Microscope)で観察すればよい。鋼線材の長手方向と垂直な断面(C断面)を観察面とし、SEMにより500倍の倍率で、少なくとも5視野の金属組織写真を撮影し、画像解析によりマルテンサイト面積率の平均値を求めればよい。
旧オーステナイト粒径は延性及び耐遅れ破壊特性を向上させる上で、非常に重要なパラメータであることを見いだした。つまり、表層、及び中心部の旧オーステナイト粒径を制御することにより、延性と確保しつつ、耐遅れ破壊特性を向上させることができる。
中心部の旧オーステナイト粒径が20μm以下であると延性が向上するとともに、優れた耐遅れ破壊特性を得ることができる。しかしながら、中心部の旧オーステナイト粒径が20μm超になると粒界面積が減少し、PやSなどの粒界偏析元素の濃度が高くなり、耐遅れ破壊特性が低下する。
また、表層から深さ1mm以内の領域の旧オーステナイト粒を40μm以下とし、かつアスペクト比が1.5以上である伸長粒とすると耐遅れ破壊特性が著しく改善する。しかしながら、この伸長粒の形成領域が表層から深さ1mmを超えると圧延時の圧延反力が大きくなり圧延形状の制御が難しくなりコスト的に不利となる。したがって、旧オーステナイト粒径は、中心部が20μm以下で、さらに表層から深さ1mm以下の領域においてはアスペクト比1.5以上かつ40μm以下と限定した。
鋼材の旧オーステナイト粒の観察は、ナイタール溶液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、塩化第1鉄およびシュウ酸を添加したものを腐食液として用いて試料を化学腐食を施した後、光学顕微鏡で観察すればよい。鋼線材の長手方向と垂直な断面(C断面)を観察面とし、光学顕微鏡により1000倍の倍率で、少なくとも5視野(中心部において1視野、及び中心からd/4部において4視野、計5視野)の金属組織写真を撮影し、切断法により旧オーステナイト粒径の平均値を求めればよい。
上述してきた耐遅れ破壊特性は、鋼材の限界拡散性水素量で評価を行った。
まず図2に示す形状の遅れ破壊試験用の試験片1を用意し、水素を侵入(チャージ)させた。水素チャージは、電解水素チャージ法を用いて行い、チャージ電流を変化させることによって、水素レベル(侵入水素量)を変化させた。続いて、水素チャージした遅れ破壊試験片1の表面に、拡散性水素の逃散を防止するため、Cdめっきを施し、試験片1内部の水素濃度を均質化するため、室温で3時間放置した。
その後、図3に示す遅れ破壊試験機を用いて、試験片1に引張強度の90%の引張荷重を負荷する定荷重遅れ破壊試験を行った。なお、図3に示す試験機では、試験片1に引張加重を付加するに際し、支点3を支点とするテコの一方の端にバランスウェイト2を設置し、他方の端に試験片1を設置して行った。なお、図2に示す試験片1を図3に示すような試験機に設置する際は、試験片1の左端が上部(治具4側)に配置されるよう設置した。
そして、図4に示すように、定荷重遅れ破壊試験を100時間以上行って破断しなかった試験片1の拡散性水素量の最大値を限界拡散性水素量とした。なお、試験片1の拡散性水素量は、図1に示すような、昇温法による水素分析の水素放出速度曲線より求めた。具体的には、遅れ破壊試験片1を100℃/hの昇温速度で昇温加熱し、室温から400℃までに放出された水素量の積算値を、ガスクロマトグラフにより測定することにより求めた。
次に、本実施形態の耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材の製造方法を以下に説明する。
圧延温度が850℃を超えると圧延時の再結晶が顕著になり、特に中心部の旧オーステナイト粒を微細化できるため、仕上げ圧延前の温度を850℃以上にする。当該温度条件にした後、表層を水冷もしくはミスト冷却等で短時間急冷させて表層のみを未再結晶温度域の650℃〜850℃に低下させた後直ちに仕上げ圧延する。このように仕上圧延入り側の表層温度を制御することで表層から深さ1mm以内の領域の旧オーステナイト粒を伸長化させることができる。
なお、旧オーステナイト粒のアスペクト比を1.5以上にするには、20%以上の減面率とすることが好ましい。
仕上げ圧延後、直ちに水冷等で焼入れし、その後延性を確保するために350℃〜700℃で焼き戻しを行うことで、上記成分組成および鋼組織を有し、且つ引張強度が1400MPa以上を得ることが可能となる。引張強度が1400MPa未満では、高強度化による軽量化やコストメリットを得ることが困難となる。ばね成形が著しく困難となる。
以上説明した製造方法により、本実施形態に係る高強度鋼材を製造することができる。
上記製造方法は、本発明の一態様にすぎず、特に限定しない。つまり、仕上げ圧延前の温度もしくは加工処理前の再加熱温度を850℃以上にすることが重要であり、他の条件等については、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜決定してよい。
以下に、実施例により本発明をさらに説明する。なお、実施例により本発明の一態様の効果を更に具体的に説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限り、種々の条件を採用し得る。
まず、表1に示す組成を有する転炉溶製鋼を連続鋳造により製造し、必要に応じて、均熱拡散処理、分塊圧延工程を経て162mm角の圧延素材とした。次に、表2に示す圧延条件で熱間圧延し、直径dが13mmの鋼材形状とした。なお、仕上げ圧延前の温度とした後は、鋼材表層を急冷させて仕上圧延入り側表層温度となるようした。
次に、上記鋼材を矯直加工し、直棒にした後に引張試験片および図2に示す遅れ破壊試験片に切り出した。
引張試験は、JIS Z 2241の試験方法に準拠して行い、遅れ破壊試験は、上述したように、図3に示す遅れ破壊試験機を用いて、試験片に引張強度の90%の引張荷重を負荷する定荷重遅れ破壊試験により行った。耐遅れ破壊特性の評価については、鋼材の限界拡散性水素量を測定し、1.00mass ppm以上を良好として評価した。
Figure 2014043612
Figure 2014043612
表1に示したように、本発明の製造No.1〜16の鋼材は、比較例に比べて高強度であるとともに、耐遅れ破壊特性に優れている。
一方、製造No.17はC量、No.19はSiが本発明の範囲未満であるため、焼入れ性が低く強度が1400MPa未満である。製造No.18、20、21、22、23はそれぞれC量、Si量、Mn量、P量、S量が本発明の範囲を超えているので耐遅れ破壊特性が低い。製造No.24は仕上げ圧延前温度が低く、中心部が再結晶していないため、中心部旧オーステナイト粒径が大きく、耐遅れ破壊特性が低い例である。製造No.25は仕上げ圧延入り側の表層温度が高く、再結晶しているため、旧オーステナイト粒伸長化しておらず、アスペクト比が低いため、遅れ破壊特性が低い。製造No.26は仕上げ圧延の圧下率(減面率)が低いため、旧オーステナイト粒が旧オーステナイト粒伸長化しておらず、アスペクト比が低いため、遅れ破壊特性が低い。製造No.27は強度が不足している。これは焼入れ性が不十分であったと考えられ、焼入れ中に全てがマルテンサイトに変態せずにマルテンサイト分率が低くなり、フェライトやベイナイトが一部生成し、その結果、強度が低くなったと考えられる。
1 試験片
2 支点
3 バランスウェイト
4 治具

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.30〜0.80%、
    Si:0.05〜2.50%、
    Mn:0.10〜2.00%
    を含有し、
    P:0.015%以下、
    S:0.015%以下
    に制限し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
    マルテンサイト組織分率が95%以上であり、
    直径をd(mm)とした場合、中心部からd/4(mm)の領域の旧オーステナイト粒径が20μm以下であり、
    表層〜1mm以内の領域の旧オーステナイト粒径が40μm以下でかつ長手方向と軸方向のアスペクト比が1.5以上であり、
    引張強度が1400MPa以上であることを特徴とする耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材。
  2. さらに、質量%で、
    Ti:0.100%以下、
    B:0.0010〜0.0100%
    の一方又は双方を含有し、
    N:0.0100%以下
    に制限し、TiとNの含有量が、
    Ti≧3.5N
    を満足することを特徴とする請求項1に記載の耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材。
  3. さらに、質量%で、
    Mo:0.05〜1.00%、
    Cr:0.05〜1.50%、
    Ni:0.05〜1.00%、
    Cu:0.05〜1.00%、
    Al:0.005%〜0.10%
    のうちの1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材。
  4. さらに、質量%で、
    Nb:0.010〜0.100%、
    V:0.05〜0.40%
    の一方又は双方を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材。
JP2012186430A 2012-08-27 2012-08-27 耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材 Active JP5846080B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012186430A JP5846080B2 (ja) 2012-08-27 2012-08-27 耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012186430A JP5846080B2 (ja) 2012-08-27 2012-08-27 耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014043612A true JP2014043612A (ja) 2014-03-13
JP5846080B2 JP5846080B2 (ja) 2016-01-20

Family

ID=50395088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012186430A Active JP5846080B2 (ja) 2012-08-27 2012-08-27 耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5846080B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104357745A (zh) * 2014-11-07 2015-02-18 武汉钢铁(集团)公司 一种屈服强度≥600MPa的复合钢筋及生产方法
JP2015160999A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 Jfeスチール株式会社 鉄筋
WO2017018457A1 (ja) * 2015-07-27 2017-02-02 新日鐵住金株式会社 懸架ばね用鋼及びその製造方法
CN110205474A (zh) * 2019-07-02 2019-09-06 常熟市龙腾滚动体制造有限公司 一种预应力混凝土用钢棒的热处理方法
US10752969B2 (en) 2015-03-10 2020-08-25 Nippon Steel Corporation Steel for suspension spring and method of manufacturing same
JP2020176286A (ja) * 2019-04-16 2020-10-29 高周波熱錬株式会社 耐遅れ破壊特性に優れたpc鋼材及びその製造方法
WO2021002074A1 (ja) * 2019-07-01 2021-01-07 住友電気工業株式会社 鋼線およびばね
WO2021139489A1 (zh) * 2020-01-11 2021-07-15 武钢集团昆明钢铁股份有限公司 一种600MPa级大规格高强耐蚀抗震钢筋的制备方法
JP2021139819A (ja) * 2020-03-06 2021-09-16 ジヤトコ株式会社 機械構造用合金鋼材の旧オーステナイト粒界の現出方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106282825A (zh) * 2016-08-25 2017-01-04 浙江天马轴承有限公司 一种高速轴承钢及其制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001288538A (ja) * 2000-04-04 2001-10-19 Nippon Steel Corp 耐遅れ破壊特性の優れた高強度ボルト用鋼、ボルトおよびそのボルトの製造方法
JP2002097551A (ja) * 2000-09-25 2002-04-02 Nippon Steel Corp 耐水素疲労特性の優れた高強度ばね用鋼およびその製造方法
JP2007146284A (ja) * 2005-10-31 2007-06-14 Jfe Steel Kk 耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼および金属ボルト

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001288538A (ja) * 2000-04-04 2001-10-19 Nippon Steel Corp 耐遅れ破壊特性の優れた高強度ボルト用鋼、ボルトおよびそのボルトの製造方法
JP2002097551A (ja) * 2000-09-25 2002-04-02 Nippon Steel Corp 耐水素疲労特性の優れた高強度ばね用鋼およびその製造方法
JP2007146284A (ja) * 2005-10-31 2007-06-14 Jfe Steel Kk 耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼および金属ボルト

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015160999A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 Jfeスチール株式会社 鉄筋
CN104357745A (zh) * 2014-11-07 2015-02-18 武汉钢铁(集团)公司 一种屈服强度≥600MPa的复合钢筋及生产方法
US10752969B2 (en) 2015-03-10 2020-08-25 Nippon Steel Corporation Steel for suspension spring and method of manufacturing same
KR102087525B1 (ko) 2015-07-27 2020-03-10 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 현가 스프링용 강 및 그의 제조 방법
WO2017018457A1 (ja) * 2015-07-27 2017-02-02 新日鐵住金株式会社 懸架ばね用鋼及びその製造方法
JPWO2017018457A1 (ja) * 2015-07-27 2018-05-24 新日鐵住金株式会社 懸架ばね用鋼及びその製造方法
US20180230566A1 (en) * 2015-07-27 2018-08-16 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Spring steel for suspension and method for producing same
EP3330399A4 (en) * 2015-07-27 2019-03-27 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation STEEL FOR SUSPENSION SPRING AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
CN107709597B (zh) * 2015-07-27 2019-08-27 日本制铁株式会社 悬架弹簧用钢及其制造方法
KR20180019212A (ko) 2015-07-27 2018-02-23 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 현가 스프링용 강 및 그의 제조 방법
CN107709597A (zh) * 2015-07-27 2018-02-16 新日铁住金株式会社 悬架弹簧用钢及其制造方法
JP2020176286A (ja) * 2019-04-16 2020-10-29 高周波熱錬株式会社 耐遅れ破壊特性に優れたpc鋼材及びその製造方法
JP7479794B2 (ja) 2019-04-16 2024-05-09 高周波熱錬株式会社 耐遅れ破壊特性に優れたpc鋼材及びその製造方法
WO2021002074A1 (ja) * 2019-07-01 2021-01-07 住友電気工業株式会社 鋼線およびばね
JPWO2021002074A1 (ja) * 2019-07-01 2021-01-07
CN112449654A (zh) * 2019-07-01 2021-03-05 住友电气工业株式会社 钢线和弹簧
CN112449654B (zh) * 2019-07-01 2022-07-08 住友电气工业株式会社 钢线和弹簧
JP7388360B2 (ja) 2019-07-01 2023-11-29 住友電気工業株式会社 鋼線およびばね
CN110205474A (zh) * 2019-07-02 2019-09-06 常熟市龙腾滚动体制造有限公司 一种预应力混凝土用钢棒的热处理方法
WO2021139489A1 (zh) * 2020-01-11 2021-07-15 武钢集团昆明钢铁股份有限公司 一种600MPa级大规格高强耐蚀抗震钢筋的制备方法
JP2021139819A (ja) * 2020-03-06 2021-09-16 ジヤトコ株式会社 機械構造用合金鋼材の旧オーステナイト粒界の現出方法
JP7369063B2 (ja) 2020-03-06 2023-10-25 ジヤトコ株式会社 機械構造用合金鋼材の旧オーステナイト粒界の現出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5846080B2 (ja) 2016-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5846080B2 (ja) 耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材
JP6064955B2 (ja) 耐硫化物応力割れ性に優れた油井用高強度継目無鋼管の製造方法
JP4538094B2 (ja) 高強度厚鋼板およびその製造方法
JP4542624B2 (ja) 高強度厚鋼板およびその製造方法
JP6327282B2 (ja) 高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP5833485B2 (ja) 線材及びこれを用いた鋼線
JP4712838B2 (ja) 耐水素脆化特性および加工性に優れた高強度冷延鋼板
JP5802162B2 (ja) 線材及びこれを用いた鋼線
JP2014159610A (ja) 曲げ性に優れた高強度冷延鋼板
JP2017179540A (ja) 熱延鋼板およびその製造方法
JP2008184638A (ja) 厚肉高張力鋼板およびその製造方法
JP5543814B2 (ja) 熱処理用鋼板及び鋼部材の製造方法
WO2015186701A1 (ja) 鋼線材
JP5302840B2 (ja) 伸びと伸びフランジ性のバランスに優れた高強度冷延鋼板
JP6852807B2 (ja) 低温用ニッケル含有鋼
JPH06306543A (ja) 耐遅れ破壊特性に優れた高強度pc棒線とその製造方法
JP5176847B2 (ja) 低降伏比低温用鋼、およびその製造方法
JP6338012B2 (ja) 懸架ばね用鋼及びその製造方法
JP5796369B2 (ja) 耐サワー性能に優れた調質型低降伏比厚鋼板およびその製造方法
JP2017057458A (ja) 高強度低合金鋼材
JPH06336648A (ja) 耐遅れ破壊特性に優れた高強度pc棒線とその製造方法
KR102597734B1 (ko) 강판, 부재 및 그들의 제조 방법
JP5796368B2 (ja) 耐サワー性能に優れた調質型低降伏比厚鋼板およびその製造方法
JP5794077B2 (ja) 強度および靭性に優れた機械構造用鋼材およびその製造方法
JP2017125231A (ja) 高炭素鋼線材および高炭素鋼線

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150811

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151027

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151109

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5846080

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350