JP2017179540A - 熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲げ特性および低温靭性に優れた高硬度高強度熱延鋼板およびその製造方法の提供。【解決手段】C:0.16〜0.35%、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.50〜2.0%、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Al:0.005〜0.100%、N:0.002〜0.006%、Nb:0.001〜0.050%、Ti:0.001〜0.050%、Cr:0.01〜1.00%、B:0.0005〜0.0050%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有し、マルテンサイト相及び/又は焼戻マルテンサイト相の合計量が、組織全体に対する体積率で90%以上であり、旧オーステナイト粒の平均粒径が、圧延方向に平行な断面で20μm以下、圧延方向に直交する断面で15μm以下であり、圧延方向に平行な断面における旧オーステナイト粒のアスペクト比が18以下である組織を有する高硬度高強度熱延鋼板。【選択図】なし

Description

本発明は、建設用機械、産業用機械の構造部材(以下、建設用機械と産業用機械を併せて、建産機と称することもある)等の素材として好適な、曲げ特性および低温靭性に優れた高硬度高強度熱延鋼板およびその製造方法に関する。
近年、建築物の高層化に伴って、建築物の建設に使用するクレーンやトラック等の建設用機械は大型化されている。また、産業用機械も大型化する傾向にある。このため、これら機械の自重を軽くすることが必要とされ、これらの大型建産機の構造部材の素材として、降伏強さ(以下、YSと称することもある):960MPa以上の高強度を有する薄鋼板への要望が高まっている。
このような要望に対し、例えば、特許文献1には、質量%でC:0.05〜0.15%、Si:1.50%以下、Mn:0.70〜2.50%、Ni:0.25〜1.5%、Ti:0.12〜0.30%、B:0.0005〜0.0015%を含み、さらにP、S、Al、Nを適正量に調整して含む鋼スラブを、1250℃以上に加熱し、Ar3変態点〜950℃、全仕上圧下率80%以上で熱間圧延し、800〜500℃の範囲の冷却速度を30〜80℃/sとして冷却し、500℃以下の温度で巻取る、製造方法が開示されている。特許文献1に記載された技術によれば、降伏点890MPa以上、引張強さ950MPa以上を有し、曲げ加工性、溶接性に優れた高強度熱延鋼板を製造できるとしている。
特許文献2には、質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.60%以下、Mn:0.10〜2.50%、sol.Al:0.004〜0.10%、Ti:0.04〜0.30%、B:0.0005〜0.0015%を含む鋼スラブを、少なくとも1100℃から、TiCの溶体化温度以上1400℃以下まで150℃/h以上の昇温速度で加熱し、加熱温度での保定時間を5〜30minとし、その後熱間圧延する、製造方法が開示されている。特許文献2に記載された技術によれば、微量のTiを析出硬化元素とし、微量の固溶Bをオーステナイト(γ)安定化元素として利用し、冷却時の変態温度を低下させ、変態後のフェライト組織を微細化することにより、引張強さ1020MPa程度の高強度と破面選移温度vTrs:−70℃程度の高靭性とを有する熱延鋼板が得られるとしている。
特許文献3には、質量%で、C:0.05〜0.15%、Si:1.50%以下、Mn:0.70〜2.50%、Ni:0.25〜1.5%、Ti:0.12〜0.30%、B:0.0005〜0.0030%を含み、さらにP、S、Al、Nを適正量に調整して含む鋼スラブを、1250℃以上に加熱し、Ar3変態点〜950℃の温度域で全仕上圧下率80%以上で熱間圧延し、800〜200℃の範囲の温度域を冷却速度:20℃/s以上30℃/s未満で冷却し、200℃以下で巻取り、0.2〜5.0%の加工歪を付与し、100〜400℃の範囲の温度で適正時間保持する加工熱処理を施す、製造方法が開示されている。特許文献3に記載された技術によれば、降伏点890MPa以上、引張強さ950MPa以上の高強度熱延鋼板を容易に製造できるとしている。
特許文献4には、重量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.05〜0.50%、Mn:1.0〜3.5%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Nb:0.005〜0.30%、Ti:0.001〜0.100%、Cr:0.01〜1.0%、Al:0.1%以下を含有し、かつSi、P、Cr、Ti、Nb、Mnが特定の関係を満足するように含有する組成からなる鋼スラブを鋳造後、直ちに又は一旦冷却し、1100〜1300℃に加熱したのち、仕上圧延終了温度950〜800℃にて熱間圧延し、圧延終了後0.5秒以内に冷却を開始して、30℃/s以上の冷却速度で冷却を行い、500〜300℃で巻取る、製造方法が開示されている。特許文献4に記載された技術によれば、体積分率で60〜90%未満のベイナイトを主相とし、パーライト、フェライト、残留オーステナイト、マルテンサイトのうちの少なくとも1種を第2相とする金属組織を有し、かつ、ベイナイト相の平均粒径が4μm未満である、引張強さが980MPa以上で、伸びフランジ成形性と強度と延性のバランスが優れ、かつ低降伏比をも具えた、加工性に優れた超高強度熱延鋼板が得られるとしている。
特許文献5には、質量%で、C:0.10〜0.25%、Si:1.5%以下、Mn:1.0〜3.0%、P:0.10%以下、S:0.005%以下、Al:0.01〜0.5%、N:0.010%以下、V:0.10〜1.0%を含み、(10Mn+V)/Cが50以上を満足するように含有する組成からなる鋼スラブを、1000℃以上に加熱後、粗圧延によリシートバーとし、次いで、仕上圧延出側温度:800℃以上の条件で仕上圧延を施したのち、仕上圧延完了後3秒以内に、平均冷却速度:20℃/s以上の冷却速度で、400〜600℃の温度範囲、かつ、11000−3000[%V]≦24×Ta≦15000−1000[%V] を満足するTa℃まで冷却して、巻取る、製造方法が開示されている。特許文献5に記載された技術によれば、焼戻しマルテンサイト相の体積率が80%以上で、粒径:20nm以下のVを含む炭化物が1000個/μm以上析出し、かつ、粒径:20nm以下のVを含む炭化物の平均粒径が10nm以下である組織を有し、引張強さが980MPa以上で、強度と延性のバランスに優れた高強度熱延鋼板が得られるとしている。
また、特許文献6には、質量%で、C:0.08〜0.25%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.8〜1.5%、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Al:0.005〜0.10%、Nb:0.001〜0.05%、Ti:0.001〜0.05%、Mo:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.0%を含み、さらに、B:0.0005〜0.0050%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材を1100〜1250℃の温度に加熱し、仕上げ圧延入側温度FETを900〜1100℃の範囲の温度とし、仕上げ圧延出側温度FDTを800〜900℃の範囲の温度とし、再結晶オーステナイト域での累積圧下率を60%以上90%以下とする仕上圧延を施し、熱間圧延終了後、直ちに冷却を開始し、750〜500℃の温度範囲を、板厚中心部での冷却速度CRでマルテンサイト生成臨界冷却速度以上の冷却速度で、冷却開始から30s以内に(Ms点+50℃)以下の冷却停止温度まで冷却し、該冷却停止温度±100℃の温度範囲で10〜60s間保持し、冷却停止温度±100℃の範囲の温度で巻取る、製造方法が開示されている。特許文献6に記載された技術によれば、マルテンサイト相または焼戻マルテンサイト相を主相とし、圧延方向断面における旧オーステナイト粒のアスペクト比が3〜18である組織を有する、降伏強さYS:960MPa以上の低温靭性に優れた高強度熱延鋼板が得られるとしている。
特開平05−230529号公報 特開平05−345917号公報 特開平07−138638号公報 特開2000−282175号公報 特開2006−183141号公報 特開2011−052321号公報
しかしながら、特許文献1〜5に記載された技術では、所望の形状が安定して得られにくい。加えて、特許文献1〜5に記載された技術では、鋼板表面のブリネル硬さで370以上かつHB400級、450級、500級のグレードごとの造り分けが難しい。
また、特許文献6に記載された技術では、高価なMoを必須含有する必要があり、製造コストが高騰するという問題がある。
本発明は、かかる課題を解決し、大型建産機の構造部材用として好適な、曲げ特性および低温靭性に優れた高硬度高強度熱延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、鋼板表面のブリネル硬さにおいて、HB400級で370以上、HB450級で425以上、HB500級で460以上の高硬度を有する熱延鋼板の強度・靭性に影響を及ぼす各種要因について、鋭意研究した。その結果、マルテンサイトおよび/または焼戻マルテンサイトを主相とし、旧オーステナイト粒の平均粒径が、圧延方向に平行な断面で20μm以下で、かつ圧延方向に直交する断面で15μm以下であり、圧延方向の断面で旧オーステナイト粒(旧γ粒)のアスペクト比(圧延方向長さ/板厚方向長さ)が18以下となるような組織に調整し、かつ狙いのHB400級〜500級の硬さに応じてC量および合金添加量を調整することにより、HB400級、450級、500級それぞれ高硬度であるにもかかわらず、所望の高靭性、さらには所望の曲げ特性が得られることを知見した。
さらに、上記した組織は、Bを必須の成分として含有させ、さらにC、Si、Mn、Nb、Ti、Crをそれぞれ適正範囲に調整したうえ、930℃未満の温度域での累積圧下率を20〜90%とする熱間圧延を行い、さらに熱間圧延後の冷却を、熱間圧延終了後直ちに開始し、100℃/s以上の冷却速度で、300℃以下の冷却停止温度まで冷却し、次いで巻き取ることにより、得られることを見出した。
さらに、マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相のラス内に微細なセメンタイトが析出することで、または、旧オーステナイト粒界および/または焼戻マルテンサイト相のラス界面に析出した粒径:1μm以上のセメンタイトが合計体積率で0.5%以下となる組織を有することで、耐遅れ破壊性にも優れた鋼板となることを知見した。
本発明は以上の知見に基づいてなされたものであり、以下を要旨とするものである。
[1]質量%で、C :0.16〜0.35%、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.50〜2.0%、P :0.025%以下、S :0.005%以下、Al:0.005〜0.100%、N :0.002〜0.006%、Nb:0.001〜0.050%、Ti:0.001〜0.050%、Cr:0.01〜1.00%、B :0.0005〜0.0050%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相の合計量が、組織全体に対する体積率で90%以上であり、旧オーステナイト粒の平均粒径が、圧延方向に平行な断面で20μm以下、圧延方向に直交する断面で15μm以下であり、かつ、圧延方向に平行な断面における旧オーステナイト粒のアスペクト比が18以下である組織を有することを特徴とする熱延鋼板。
[2]前記マルテンサイト相および/または前記焼戻マルテンサイト相は、ラス内に平均粒径が0.5μm以下のセメンタイトを有する組織であることを特徴とする上記[1]に記載の熱延鋼板。
[3]前記旧オーステナイト粒の粒界および/または前記焼戻マルテンサイト相のラス界面に析出した粒径が1μm以上のセメンタイトの合計量が、組織全体に対する体積率で0.5%以下であることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の熱延鋼板。
[4]前記成分組成に加えて、さらに、質量%で、V:0.001〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱延鋼板。
[5]前記成分組成に加えて、さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%を含有することを特徴とする、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱延鋼板。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の熱延鋼板を製造する方法であって、鋼素材を加熱する加熱工程と、該加熱された鋼素材に粗圧延と仕上圧延とからなる熱間圧延を施す熱延工程と、冷却工程と、巻取工程を順次施し、熱延鋼板とするにあたり、前記加熱工程は、1100〜1250℃の温度で加熱する工程であり、前記熱延工程は、粗圧延出側温度RDTを900〜1100℃とする粗圧延と、仕上圧延入側温度FETを900〜1100℃、仕上圧延出側温度FDTを800〜900℃とし、930℃未満の温度域での累積圧下率を20〜90%とする仕上圧延を施す工程であり、前記冷却工程は、前記熱間圧延終了後直ちに冷却を開始し、750〜500℃の温度域における平均冷却速度が、板厚中心部での冷却速度CRで100℃/s以上で、300℃以下の冷却停止温度まで冷却する工程であり、前記巻取工程は、300℃以下の巻取温度で、コイル状に巻き取る工程であることを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
なお、本発明において、高硬度高強度熱延鋼板とは、降伏強さYS:960MPa以上であり、鋼板表面のブリネル硬さにおいて、HB400級で370以上、HB450級で425以上、HB500級で460以上である熱延鋼板である。また、「鋼板」とは、鋼帯を含むものとする。また、低温靭性に優れたとは、シャルピー衝撃試験の試験温度:−40℃における吸収エネルギーvE−40が40J以上、好ましくは50J以上の高靭性を有することである。曲げ特性に優れたとは、最小曲げ半径/板厚が4.0以下である。
本発明によれば、曲げ特性および低温靭性に優れた高硬度高強度熱延鋼板が得られる。
本発明では、高価な合金元素を含有しないので、製造コストが高騰するという問題が解決される。鋼板表面のブリネル硬さにおいて、HB400級で370以上、HB450級で425以上、HB500級で460以上の高硬度と、vE−40が40J以上の高靭性とを有し、曲げ加工性、さらには耐遅れ破壊性にも優れ、建設用機械や産業用機械の車体重量の軽減に大きく寄与し、建設用機械や産業用機械の構造部材用として好適である。
以上のように、本発明は、産業上極めて有用な発明である。
以下、本発明について具体的に説明する。
まず、本発明の熱延鋼板の成分組成の限定理由について説明する。なお、以下の成分組成を表す%は、特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.16〜0.35%
Cは、鋼の強度を増加させる作用を有する元素であり、本発明では所望の高強度を得るために、0.16%以上含有することが必要である。一方、0.35%を超えて過剰に含有すると、溶接性を低下させるとともに、母材靭性を低下させる。以上より、C含有量は0.16〜0.35%の範囲に限定した。なお、ブリネル硬さにおいて、HB400級では好ましくは0.16%以上0.18%未満であり、HB450級では好ましくは0.18%以上0.25%未満であり、HB500級では好ましくは0.25%以上0.35%以下である。
Si:0.01〜1.00%
Siは、固溶強化、焼入れ性の向上を介して、鋼の強度を増加させる作用を有する元素である。このような効果はSiを0.01%以上含有することで認められる。一方、Siを1.00%を超えて多量に含有すると、Cをオーステナイト相(γ相)に濃化させ、γ相を安定化させて組織の複合化を促進させる。以上より、強度が低下する。また、1.00%を超えて多量に含有すると、溶接部にSiを含む酸化物を形成し、溶接部品質を低下させる。以上より、Si含有量は0.01〜1.00%の範囲に限定した。なお、組織の複合化を抑制する観点から、Si含有量は0.80%以下とすることが好ましい。
Mn:0.50〜2.0%
Mnは、焼入性を向上させることによって、鋼板の強度を増加させる作用を有する元素である。また、Mnは、MnSを形成してSを固定することにより、Sの粒界偏析を防止してスラブ(鋼素材)割れを抑制する。このような効果を得るためには、Mnは0.50%以上含有することが必要である。一方、Mnが2.0%を超えると、スラブ鋳造時の凝固偏析を助長させる。また、鋼板にMn濃化部を残存させて、セパレーションの発生を増加させる。このようなMn濃化部を消失させるには、スラブを1300℃を超える温度に加熱する必要があり、このような熱処理を工業的規模で実施することは現実的でない。以上より、Mn含有量は0.50〜2.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.70%以上である。好ましくは1.8%以下である。
P:0.025%以下
Pは、鋼中に不純物として不可避的に含まれるが、鋼の強度を上昇させる作用を有する元素である。しかし、Pが0.025%を超えて過剰に含有すると溶接性が低下する。このため、P含有量は0.025%以下に限定した。なお、好ましくは0.015%以下である。
S:0.005%以下
Sは、Pと同様に、鋼中に不純物として不可避的に含まれる。Sが0.005%を超えると、スラブ割れが生起する。また、熱延鋼板中に粗大なMnSが形成され、延性の低下が生じる。このため、S含有量は0.005%以下に限定した。なお、好ましくは0.004%以下である。
Al:0.005〜0.100%
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには、Alを0.005%以上含有させることが必要となる。一方、Alが0.100%を超えると、溶接部の清浄性が著しく低下する。以上より、Al含有量は0.005〜0.100%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.050%以下である。
N:0.002〜0.006%
Nは、Ti等と窒化物を形成し、オーステナイト粒の粗大化を抑制し鋼板の低温靭性の向上に貢献する。鋼板中に微細に析出した窒化物は、オーステナイト粒界をピンニングし、オーステナイト粒の粗大化を抑制する。このような効果を得るためには、Nは0.002%以上含有する必要がある。一方、0.006%を超えて過剰に含有すると、Tiなどと粗大な窒化物を形成して鋼板の低温靭性を低下させる。以上より、N含有量は0.002〜0.006%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.004%以下である。
Nb:0.001〜0.050%
Nbは、炭窒化物として鋼板中に微細析出することにより、溶接性を損なうことなく、少ない含有量で熱延鋼板を高強度化する作用を有する元素である。また、オーステナイト粒の粗大化、再結晶を抑制する作用を有する元素でもあり、熱間仕上圧延におけるオーステナイト未再結晶温度域圧延を可能にする。これらの効果を得るために、Nbは0.001%以上含有する必要がある。一方、0.050%を超えて多量に含有すると、熱間仕上圧延中の圧延荷重の増大をもたらし、熱間圧延が困難となる場合がある。以上より、Nb含有量は0.001〜0.050%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.010%以上である。好ましくは0.040%以下である。
Ti:0.001〜0.050%
Tiは、炭化物として鋼板中に微細析出することにより、鋼板を高強度化する。また、窒化物を形成することでNを固定し、スラブ割れを防止するとともに、オーステナイト粒の粗大化を抑制する作用を有する。このような効果は、Tiを0.001%以上含有することで顕著になる。一方、0.050%を超えて多量に含有すると、析出強化により降伏点が著しく上昇し、靭性が低下する。また、Ti炭窒化物の溶体化に、1250℃超という高温加熱を必要とし、旧オーステナイト粒(旧γ粒)の粗大化を招き、所望の旧γ粒の微細化が困難となる。以上より、Ti含有量は0.001〜0.050%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.010%以上である。好ましくは0.030%以下である。
Cr:0.01〜1.00%
Crは、焼入性を向上させ、鋼板の強度を増加させる作用を有する元素である。このような効果を得るためには、Crを0.01%以上含有させる必要がある。一方、1. 00%を超えて含有すると、溶接性が低下する。以上より、Cr含有量は0.01〜1.00%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.10%以上である。好ましくは0.60%以下である。
B:0.0005〜0.0050%
Bは、オーステナイト粒界(γ粒界)に偏析し、少ない含有量でも焼入れ性を顕著に向上させ、鋼の強度を高くする作用を有する元素である。このような効果を得るために、0.0005%以上含有する必要がある。一方、0.0050%を超えてBを含有させても、効果が飽和するため、含有量に見合う効果が期待できず経済的に不利となる。以上より、B含有量は0.0005〜0.0050%の範囲に限定した。好ましくは0.0030%以下である。
上記以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、O(酸素):0.005%以下、Mg:0.003%以下、Sn:0.005%以下が許容できる。
O(酸素)は、鋼中では各種の酸化物として存在し、熱間加工性、耐食性、靭性等を低下させる原因となる。このため、本発明ではO(酸素)含有量をできるだけ低減させることが望ましい。しかしながら、0.005%までは許容できる。このため、O(酸素)の含有量は0.005%以下とすることが好ましい。
Mgは、Caと同様に酸化物、硫化物を形成し、粗大なMnSの形成を抑制する作用を有する。しかし、Mg含有量が0.003%を超えると、Mg酸化物、Mg硫化物のクラスターが数多く発生し、靭性の低下を招く。このため、Mg含有量は0.003%以下とすることが好ましい。
Snは、製鋼原料として使用されるスクラップ等から混入する。Snは粒界等に偏析しやすい元素であり、Sn含有量が0.005%を超えると、粒界強度が低下し靭性の低下を招く。このため、Sn含有量は0.005%以下とすることが好ましい。
以上が本発明の熱延鋼板の基本成分であるが、本発明の熱延鋼板は、さらに必要に応じて、選択元素として、V:0.001〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%のうちから選ばれる1種または2種以上、および/または、Ca:0.0005〜0.0050%を含有することができる。
V:0.001〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%のうちから選ばれた1種または2種以上
V、Cu、Niは、いずれも鋼板の強度増加に寄与する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上含有することができる。
Vは、鋼中に固溶することにより鋼板の強度増加に寄与するとともに、炭化物、窒化物あるいは炭窒化物として鋼板中に析出して、析出強化により強度増加に寄与する元素である。このような効果を得るためには、Vは0.001%以上含有することが好ましい。一方、0.50%を超えて含有すると、靭性が低下する。以上より、含有する場合には、V含有量は0.001〜0.50%の範囲とする。
Cuは、鋼中に固溶して強度増加に寄与するとともに、耐食性を向上させる元素である。このような効果を得るためには、Cuは0.01%以上含有することが好ましい。一方、0.50%を超えて含有すると、鋼板の表面性状が劣化する。以上より、含有する場合は、Cu含有量は0.01〜0.50%の範囲とする。
Niは、鋼中に固溶して強度増加に寄与するとともに、靭性を向上させる元素である。このような効果を得るためには、Niは0.01%以上含有することが好ましい。一方、0.50%を超えて含有すると、材料コストの高騰を招く。以上より、含有す場合には、Ni含有量は0.01〜0.50%の範囲とする。
Ca:0.0005〜0.0050%
Caは、SをCaSとして固定し、硫化物系介在物を球状化し、介在物の形態を制御する作用を有する。さらに、介在物の周囲のマトリックスの格子歪を小さくし、水素のトラップ能を低下させる作用を有する元素であり、必要に応じて含有できる。このような効果を得るためには、Caを0.0005%以上含有させることが好ましい。一方、0.0050%を超えて含有すると、CaOの増加を招き、耐食性および靭性が低下する。以上より、含有する場合には、Ca含有量は0.0005〜0.0050%の範囲にとする。より好ましくは0.0030%以下である。
次に、本発明の熱延鋼板の組織の限定理由について説明する。
本発明の熱延鋼板は、マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相の合計量が、組織全体に対する体積率で90%以上であり、旧オーステナイト粒の平均粒径が、圧延方向に平行な断面で20μm以下、圧延方向に直交する断面で15μm以下であり、かつ、圧延方向に平行な断面における旧オーステナイト粒のアスペクト比が18以下である組織を有する。好ましくは、マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相のラス内に平均粒径が0.5μm以下のセメンタイトを有する組織である。好ましくは、旧オーステナイト粒界および/または焼戻マルテンサイト相のラス界面に析出した粒径が1μm以上のセメンタイトの合計量が、組織全体に対する体積率で0.5%以下である。
マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相を主相とする。ここでいう「マルテンサイト相」は、焼戻されていない、転位密度が高いマルテンサイト相をいうものとする。また、「主相」とは、当該相が体積率で90%以上であることをいう。好ましくは95%以上である。すなわち、マルテンサイト相および焼戻マルテンサイト相のいずれも含有する場合は、各体積率の合計が90%以上であり、マルテンサイト相または焼戻マルテンサイト相のいずれかを含有する場合は、いずれかの体積率が90%以上である。
マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相を主相とすることにより、所望の高強度を得ることができる。なお、主相以外の第二相は、ベイナイト相、フェライト相、パーライト相のうちの少なくとも1種からなるものとする。第二相の組織分率が高くなると、強度が低下し、所望の高強度を得ることができなくなる。このため、第二相は体積率で10%以下、好ましくは5%以下とする。
旧オーステナイト粒の平均粒径が、圧延方向に平行な断面(L方向断面)で20μm以下で、圧延方向に直交する断面(C方向断面)で15μm以下である。このような組織とすることにより、シャルピー衝撃試験において、試験温度:−40℃における吸収工ネルギーvE−40が40J以上を得ることができ、高靭性でかつ曲げ加工性にも優れた熱延鋼板となる。旧オーステナイト粒の平均粒径が、L方向断面で20μmを超えて、もしくは、C方向断面で15μmを超えて粗大化すると、上記した高靭性を得ることができなくなる。なお、旧オーステナイト粒の平均粒径は、好ましくは、L方向断面で18μm以下、C方向断面で13μm以下である。
圧延方向に平行な断面における旧オーステナイト粒のアスペクト比は18以下とする。旧オーステナイト粒のアスペクト比は、圧延方向に平行な断面で測定した、旧オーステナイト粒の圧延方向長さと板厚方向長さの比、すなわち(旧オーステナイト粒の圧延方向長さ/旧オーステナイト粒の板厚方向長さ)で定義される。このアスペクト比が18を超えると、曲げ加工性が低下する。このため、旧γ粒のアスペクト比は18以下の範囲に限定した。なお、好ましくは、15以下である。アスペクト比が1に近いほど、曲げ加工性は向上するが、本発明の圧延条件ではアスペクト比が3程度以下となることは実際上ない。
マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相のラス内に平均粒径が0.5μm以下のセメンタイトを有することが好ましい。粗大なセメンタイトがラス内に析出すると、水素のトラップサイトとなり遅れ破壊が生起しやすくなる。
旧オーステナイト粒界および/または焼戻マルテンサイト相のラス界面に析出した粒径が1μm以上のセメンタイトの合計量は、組織全体に対する体積率で0.5%以下が好ましい。旧オーステナイト粒界に析出したセメンタイトまたはラス界面に析出したセメンタイトが粗大化すると、水素のトラップサイトとなり遅れ破壊が生起しやすくなる。
なお、マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相の合計体積率、旧オーステナイト粒の平均粒径、旧オーステナイト粒のアスペクト比、マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相のラス内のセメンタイトの有無、旧オーステナイト粒界および/または焼戻マルテンサイト相のラス界面に析出したセメンタイトの粒径および体積率は、後述する実施例の方法にて測定することができる。
なお、鋼板表面のブリネル硬さはマルテンサイト組織の硬さに主に依存し、マルテンサイトの硬さはほぼC含有量によって決定される。本発明では、C含有量を適正範囲にコントロールすることで、鋼板表面のブリネル硬さHB400級、HB450級、HB500級を造り分けることが可能となる。
また、本発明の熱延鋼板は、板厚が3mm以上12mm以下であることが好ましい。
次に、本発明の熱延鋼板の製造方法について説明する。
本発明では、上記した成分組成を有する鋼素材を加熱する加熱工程と、加熱された鋼素材に粗圧延と仕上圧延とからなる熱間圧延を施す熱延工程と、冷却工程と、巻取工程を順次施し、熱延鋼板とする。加熱工程は、1100〜1250℃の温度で加熱する。熱延工程は、粗圧延出側温度RDTを900〜1100℃とする粗圧延と、仕上圧延入側温度FETを900〜1100℃、仕上圧延出側温度FDTを800〜900℃とし、930℃未満の温度域での累積圧下率を20〜90%とする仕上圧延を施す。冷却工程は、熱間圧延終了後直ちに冷却を開始し、750〜500℃の温度域における平均冷却速度が、板厚中心部での冷却速度CRで100℃/s以上で、300℃以下の冷却停止温度まで冷却する。巻取工程は、300℃以下の巻取温度で、コイル状に巻き取る。
鋼素材の製造方法は、とくに限定する必要はないが、上記した組成の溶鋼を転炉等の常用の方法で溶製し、連続鋳造法等の常用の鋳造方法でスラブ等の鋼素材とすることが好ましい。
加熱工程について説明する。
加熱工程では、上記した組成の鋼素材を1100〜1250℃の温度に加熱する。加熱温度が1100℃未満の場合、熱間圧延での変形抵抗が高く圧延負荷が増大し、圧延機への負荷が大きくなる。一方、加熱温度が1250℃を超えて高温になると、結晶粒が粗大化して、得られる熱延鋼板の低温靭性が低下するうえ、スケール生成量が増大し、歩留りが低下する。このため、鋼素材の加熱温度は1100〜1250℃の範囲に限定した。なお、好ましくは1240℃以下である。
熱延工程について説明する。
加熱された鋼素材をシートバーとする粗圧延と、シートバーを熱延鋼板とする仕上圧延とからなる熱延工程を実施する。
粗圧延は、鋼素材を所望の寸法形状のシートバーとするとともに、仕上げ圧延における930℃未満の温度域での圧下率を所望の範囲内に調整できるようにするため、粗圧延出側温度RDTを900〜1100℃の範囲の温度とする。なお、粗圧延における温度は鋼板の表面温度を用いるものとする。粗圧延出側温度RDTが900℃未満の場合、粗圧延に続く仕上圧延で、930℃未満の温度域での圧下率を所望の範囲内に調整することが困難となる。また、粗圧延出側温度RDTが1100℃を超えて高温になると、粗圧延に続く仕上圧延で、930℃未満の温度域での圧下率を所望の範囲内に調整することが困難となる。
粗圧延に続く仕上圧延は、仕上圧延入側温度FETを900〜1100℃の範囲の温度とし、仕上圧延出側温度FDTを800〜900℃の範囲の温度とし、930℃未満の温度域での累積圧下率を20〜90%とする。なお、仕上圧延における温度は、鋼板の表面温度を用いるものとする。
なお、累積圧下率は、次式
累積圧下率(%)={(930℃未満の温度域における圧延開始板厚)−(930℃未満の温度域における圧延終了板厚)}×100/(930℃未満の温度域における圧延開始板厚)
を用いて算出するものとする。
930℃以上の温度域は、本発明範囲の鋼組成においては、ほぼ再結晶オーステナイト域に相当する。再結晶オーステナイト域においては、圧延によってオーステナイト結晶粒は圧延方向に伸展され、さらに結晶粒界およびオーステナイト結晶粒内に生ずる変形帯を核にして発生する再結晶によって、オーステナイト結晶粒は微細になる。しかし、930℃以上の温度域においては、結晶粒の成長速度も大きいため圧延再結晶による結晶粒の微細化には限界がある。一方、930℃未満の温度域は、本発明範囲の鋼組成においては、ほぼ部分再結晶あるいは未再結晶オーステナイト域に相当する。この温度域では再結晶は起こりにくいが、結晶粒の成長速度も小さいため、この温度域での圧延によって、オーステナイト結晶粒は圧延方向に伸展されるとともに微細になる。
仕上圧延入側温度FETが900℃未満の場合、仕上圧延前段スタンドでの930℃以上の温度域での圧下率が減少し、旧オーステナイト粒の微細化が困難になる。また、930℃未満の温度域での累積圧下率が大きくなりすぎるため、旧オーステナイト粒のアスペクト比が過度に大きくなる。このため、曲げ加工性の低下を招く。一方、仕上圧延の入側温度FETが1100℃を超えると、仕上圧延出側温度FDTを800〜900℃とすることが困難となる。
仕上圧延出側温度FDTが800℃未満の場合、熱延鋼板の表層温度がAr変態点未満となる場合があり、板厚方向の組織が不均一となり靭性が低下する。一方、仕上圧延出側温度FDTが900℃を超えて高温となると、靭性の劣化を招く。
なお、熱延鋼板の板厚が厚い場合には、仕上圧延前のシートバーに加速冷却を施すか、あるいはテーブル上でオシレーションなどを行って仕上圧延入側温度を調整することが好ましい。一方、熱延鋼板の板厚が薄い場合には、バーヒーター等を用いるなどして、仕上圧延時の温度降下を緩和させてもよい。
930℃未満の温度域での累積圧下率が20%未満では、旧オーステナイト粒の平均粒径が粗大化するため、所望の靭性を得ることが困難となる。一方、930℃未満の温度域での累積圧下率が90%超となると、旧オーステナイト粒のアスペクト比が増大し、所望のアスペクト比の範囲に調整することができず、曲げ加工性が低下する。
以上のような圧延条件とすることにより、旧オーステナイト粒の平均粒径が、圧延方向に平行な断面で20μm以下、圧延方向に直交する断面で15μm以下で、かつ、圧延方向に平行な断面における旧オーステナイト粒のアスペクト比が18以下である組織とすることができる。
冷却工程について説明する。
熱延工程(熱間圧延終了)後、直ちにホットランテーブル上に設置された冷却装置で、冷却を開始し、冷却工程を実施する。具体的には、仕上圧延スタンドを出てから冷却を開始するまでの時間を、5s以内とすることが必要である。冷却開始までの滞留時間が長くなると、マルテンサイト形成臨界時間を超過する恐れがある。また、鋼板表面の温度が750℃以上であるうちに冷却を開始することが好ましい。鋼板表面の温度が750℃未満となると、高温変態フェライト(ポリゴナルフェライト)あるいはベイナイトが形成され、所望の組織を形成できなくなる恐れがある。
冷却工程では、750〜500℃(板厚中心部の温度)の温度域における平均冷却速度が、板厚中心部での冷却速度CRで100℃/s以上で、300℃以下の冷却停止温度まで冷却する。冷却停止温度は鋼板の表面温度を用いるものとする。
板厚中心部の冷却速度CRが、100℃/s未満では、マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相を主相とする所望の組織が得られなくなる。このため、冷却工程における板厚中心部の冷却速度CRを100℃/s以上とする。好ましくは120℃/s以上である。なお、冷却速度の上限は、使用する冷却装置の能力に依存して決定されるが、反り等の鋼板形状の悪化を伴わない冷却速度である、250℃/s以下とすることが好ましい。
冷却停止温度が、300℃超えの場合は、マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相を主相とする所望の組織が得られなくなる。このため、冷却停止温度は300℃以下に限定する。好ましくは200℃以下である。なお、冷却停止温度300℃以下の温度調整は、ホットランテーブル上でのマルテンサイト変態発熱を利用し、ホットランテーブル上に複数箇所設置した表面温度計を参照して、水冷バンクの水量ないし水圧を調整することにより行うことができる。
巻取工程について説明する。
冷却工程を終了したのち、300℃以下の巻取温度でコイル状に巻き取る巻取工程を実施し、熱延鋼板とする。なお、巻取温度は鋼板表面の温度である。このような条件で巻取ることで、生成したマルテンサイト相が焼戻され、ラス内に微細なセメンタイトが析出する。これにより、強度(降伏強さ)が上昇し、かつ靭性が向上するとともに、水素のトラップサイトとなる粗大なセメンタイトの旧オーステナイト粒界やラス界面等への生成を防止し、遅れ破壊を防止することができるようになる。巻取温度が300℃を超えて高温となると、焼戻効果が過剰となり、セメンタイトが粗大化して所望の靭性が得られず、また遅れ破壊が生起しやすくなる。なお、巻取温度の調整手段としては、誘導加熱等の手段を用いることもできる。
以下、さらに実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
以下、さらに実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
表1に示す成分組成からなるスラブ(鋳片)(肉厚:230mm)を用いて、表2に示す条件で、加熱工程、熱延工程を施した。次いで、熱間圧延終了後、表2に示す条件で、冷却工程と巻取工程とを順次施し、表2に示す板厚の熱延鋼板(鋼帯)を製造した。
なお、各鋼のMs点は、次のような方法で決定した値を用いた。各鋼(鋼板)から円柱状試験片を採取し、該試験片を1200℃に加熱し、300s間保持したのち、20℃/sの冷却速度で1000℃まで冷却し、1000℃で1/sの歪速度で30%の圧下を加え、ついで1000℃で60s間保持する処理を行った。次いで、20℃/sの冷却速度で800℃まで冷却し、800℃で1/sの歪速度で50%の圧下を加え、次いで、10〜200℃/sの冷却速度で150℃まで連続冷却した。連続冷却中、試験片の熱膨張変化を測定した。また、冷却後、各試験片の組織観察、硬さ(ビッカース硬さ)測定を行い、熱膨張測定、組織観察、硬さ測定結果からMs点を決定した。
以上により得られた熱延鋼板から試験片を採取し、組織観察、ブリネル硬さ試験、引張試験、衝撃試験、曲げ試験、遅れ破壊試験を実施した。組織観察方法および各種試験方法は以下の通りである。
(1)組織観察
得られた熱延鋼板から組織観察用試験片を採取し、圧延方向に平行な断面(L断面)、および、圧延方向に直交する断面(幅方向断面、C断面)を研磨し、ナイタール液で腐食し、光学顕微鏡(倍率:500倍)で組織を観察した。観察位置は、L断面、C断面とも、鋼板表面から1/4t(t:板厚)の位置とした。また、各観察位置で各2視野以上観察し、撮像して、画像解析装置を用いて、組織の種類、各相の組織分率を測定した。
なお、旧γ粒(旧オーステナイト粒)の平均粒径は、以下の方法により求めた。
旧γ粒の粒界は、腐食液:ピクリン酸水溶液を用いて、現出した。そして、上記した各観察位置で各2視野以上観察し、撮像して、画像解析装置を用いて、圧延方向に平行な断面および圧延方向に直交する断面における各旧オーステナイト粒の面積を求め、該面積から円相当直径を算出し、旧オーステナイト粒の粒径とし、各旧オーステナイト粒の粒径を算術平均して、熱延鋼板の圧延方向に平行な断面における旧オーステナイト粒の平均粒径DLおよび圧延方向に直交する断面における旧オーステナイト粒の平均粒径DCとした。なお、測定した旧オーステナイト粒は、各断面で100個以上とした。
さらに、L断面の旧γ粒について、圧延方向の長さおよび板厚方向の長さをそれぞれ測定し、(圧延方向の長さ)/(板厚方向の長さ)をもとめた。そして各視野で(圧延方向の長さ)/(板厚方向の長さ)の平均値をそれぞれ求め、さらにそれらの平均をその鋼板の旧γ粒のアスペクト比とした。
また、ラス内に析出したセメンタイトについて、走査型電子顕微鏡(倍率:10000倍)で観察し、各セメンタイト粒の面積を測定し、円相当直径に換算した。得られた各セメンタイト粒の直径を平均し、鋼板のラス内のセメンタイトの平均粒径とした。また、旧γ粒界および/またはラス界面に析出したセメンタイトについても、同様に、各セメンタイト粒の面積を測定し、円相当直径に換算し、粒径1μm以上のセメンタイトの分率(体積%)を算出した。主相(マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相)や主相以外の第2相の組織分率は、各相内やラス界面に析出したセメンタイトを含めた組織の体積分率としている。
(2)ブリネル硬さ試験
得られた熱延鋼板の所定の位置(コイル長手方向端部、幅方向1/4の位置)から、板状の試験片(45mm幅×40mm長)を採取し、JIS Z 2243の規定に基づき、ブリネル硬さ試験機を用いて、直径10mmの硬球(鋼球又は超硬合金球)からなる圧子を、押圧荷重3000kgfを掛けて試料表面に押込んで永久くぼみを形成し、この押圧荷重を永久くぼみの表面積で除した値を、ブリネル硬さとし評価した。なお、測定位置はランダムに選んだ5点とし、5点の平均値を求め、その鋼板の表面硬さ(ブリネル硬さ)とした。
(3)引張試験
得られた熱延鋼板の所定の位置(コイル長手方向端部、幅方向1/4の位置)から、圧延方向に直交する方向(C方向)が長手方向となるように、板状の試験片(平行部幅:25mm、標点間距離:50mm)を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して、室温で引張試験を実施し、降伏強さYS、引張強さTS、伸びElを求めた。
(4)衝撃試験
得られた熱延鋼板の所定の位置(コイル長手方向端部、幅方向1/4の位置)の板厚中心部から、圧延方向に直交する方向(C方向)が長手方向となるようにVノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、試験温度:−40℃での吸収エネルギーvE−40(J)を求めた。なお、試験片は各3本とし、得られた吸収エネルギー値の算術平均をもとめ、その鋼板の吸収エネルギー値vE−40(J)とした。なお、板厚が10mm未満の鋼板については、サブサイズでの測定値を記載した。
(5)曲げ試験
得られた熱延鋼板の所定の位置(コイル長手方向端部、幅方向1/4の位置)から曲げ試験片(長辺側が圧延方向と直角方向となるように、短辺側が板厚の5倍以上となるようにした短柵状試験片)を採取し、180度曲げ試験を実施し、割れの発生しない最小曲げ半径(mm)を求め、最小曲げ半径(mm)/板厚(mm)で示した。最小曲げ半径/板厚が4.0以下である場合を曲げ加工性に優れると評価した。
(6)遅れ破壊試験
得られた熱延鋼板から、圧延方向に直交する方向(C方向)が長手方向となるように、丸棒引張試験片(6mmΦ、GL.25mm)を採取し、陰極水素チャージをしたのち、電気亜鉛めっきを施し、鋼中に水素を封じ込めた試験片Aとした。このような処理を施さない試験片を試験片Bとし、これら試験片を歪速度:10×10-6/s(室温)で引張り、絞り値を求めた。得られた絞り値から絞り比(=(試験片Aの絞り値)/(試験片Bの絞り値))を求めた。絞り比が85%以上を耐遅れ破壊性に優れると評価した。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2017179540
Figure 2017179540
Figure 2017179540
表3に示すように、本発明例はいずれも、ブリネル硬さにおいて、HB400級で370以上、HB450級で425以上、HB500級で460以上の高表面硬度と、vE−40が40J以上の高靭性と、さらに伸びEl:12%以上の高延性とを兼備し、さらに、曲げ加工性に優れ、また耐遅れ破壊性にも優れた高強度熱延鋼板となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、上記特性のいずれか一つ以上が劣っている。

Claims (6)

  1. 質量%で、C :0.16〜0.35%、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.50〜2.0%、P :0.025%以下、S :0.005%以下、Al:0.005〜0.100%、N :0.002〜0.006%、Nb:0.001〜0.050%、Ti:0.001〜0.050%、Cr:0.01〜1.00%、B :0.0005〜0.0050%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
    マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相の合計量が、組織全体に対する体積率で90%以上であり、
    旧オーステナイト粒の平均粒径が、圧延方向に平行な断面で20μm以下、圧延方向に直交する断面で15μm以下であり、
    かつ、圧延方向に平行な断面における旧オーステナイト粒のアスペクト比が18以下である組織を有する
    ことを特徴とする熱延鋼板。
  2. 前記マルテンサイト相および/または前記焼戻マルテンサイト相は、ラス内に平均粒径が0.5μm以下のセメンタイトを有する組織であることを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板。
  3. 前記旧オーステナイト粒の粒界および/または前記焼戻マルテンサイト相のラス界面に析出した粒径が1μm以上のセメンタイトの合計量が、組織全体に対する体積率で0.5%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱延鋼板。
  4. 前記成分組成に加えて、さらに、質量%で、V:0.001〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱延鋼板。
  5. 前記成分組成に加えて、さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱延鋼板。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱延鋼板を製造する方法であって、
    鋼素材を加熱する加熱工程と、該加熱された鋼素材に粗圧延と仕上圧延とからなる熱間圧延を施す熱延工程と、冷却工程と、巻取工程を順次施し、熱延鋼板とするにあたり、
    前記加熱工程は、1100〜1250℃の温度で加熱する工程であり、
    前記熱延工程は、粗圧延出側温度RDTを900〜1100℃とする粗圧延と、仕上圧延入側温度FETを900〜1100℃、仕上圧延出側温度FDTを800〜900℃とし、930℃未満の温度域での累積圧下率を20〜90%とする仕上圧延を施す工程であり、
    前記冷却工程は、前記熱間圧延終了後直ちに冷却を開始し、750〜500℃の温度域における平均冷却速度が、板厚中心部での冷却速度CRで100℃/s以上で、300℃以下の冷却停止温度まで冷却する工程であり、
    前記巻取工程は、300℃以下の巻取温度で、コイル状に巻き取る工程
    であることを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
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