JP2014041410A - ブースタアンテナ付非接触icラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物品の金属部材の外面に貼り付けられるICチップとアンテナを備えた非接触ICラベルと、前記非接触ICラベルと厚さ方向に重なるように設けられた導電性のブースタアンテナと、を有するブースタアンテナ付非接触ICラベルであって、前記非接触ICラベルは、磁性シートの一方の面に設けられ、磁性シートの他方の面に金属部材の外面に貼り付けるための接着層を有し、前記非接触ICラベルと前記ブースタアンテナとの間隔が10mm以上、40mm以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
たとえば、13.56MHz帯の電波を用いる電磁誘導方式のRFIDタグでは、アンテナと金属部材との間に高透磁率の磁性体(磁性シート)を設け、アンテナと金属部材との間にロスの少ない磁束のルートを確保することで、金属部材に取り付けても用いることができるRFIDタグを実現している。なお、通信性能は低下するが磁性体の厚さを例えば100μmまたは100μm以下と薄くすることもできるので、金属部材に対応した薄手の金属対応RFIDタグも作ることができる。
しかしながら、この方法では、アンテナと金属部材との間に、100μmの厚さの誘電体を用いたり100μmの厚さの空気層を設けたりする場合には、13.56MHzと同様に、金属部材の影響を強く受けてしまい通信不能となってしまう。よって、現状では、13.56MHz帯で用いられるような薄手(厚さが数百μm以下)のRFIDタグを作ることは難しいとされている。
取ることで、効率の良い物流トラッキングが可能となる。この場合、十分な通信距離を有していれば問題にはならないが、その非接触ICラベルの通信距離が短い場合では、緩衝材の厚さ分の通信距離がさらに低下し、非接触ICラベルの読み取り作業にストレスを感じたり、従来のバーコード読み取りと変わらないなど、RFIDタグの導入メリットが得られないといったことが起きる。この場合の対応策としては、物流管理専用の非接触ICラベルを別に用意し梱包箱に貼り付けて対応することも考えられるが、コスト上昇および管理が複雑になってしまうという大きな問題があった。
本発明のブースタアンテナ付非接触ICラベルは、金属部材を有する物品と、前記金属部材の外面に貼り付けられた非接触ICラベルと、物品の金属部材の外面に貼り付けられるICチップとアンテナを備えた非接触ICラベルと、前記非接触ICラベルと厚さ方向に重なるように設けられた導電性のブースタアンテナと、を有するブースタアンテナ付非接触ICラベルであって、
前記非接触ICラベルは、磁性シートの一方の面に設けられ、磁性シートの他方の面に金属部材の外面に貼り付けるための接着層を有し、前記非接触ICラベルと前記ブースタアンテナとの間隔が10mm以上、40mm以下であることを特徴としている。
非接触ICラベル1は、金属物品に直接貼り付けることが可能な金属対応のRFIDタグラベルである。
非接触ICラベル1が貼られる対象の金属物品としては、例えば、図1に示すような測定装置20がある。この測定装置20の筐体は金属部材できており、図1においては、測定装置20の背面パネルに非接触ICラベル1が貼り付けられている状態を示している。
測定装置20は、段ボール箱に代表されるような梱包箱22に、8個の発砲スチロール製の緩衝材21を介して収納されている。輸送中に生じる落下、衝撃、振動などに対する保護を目的として、緩衝材21が用いられている。ブースタアンテナ8は、梱包箱22を構成する側面板の内面の非接触ICラベル1と重なる位置に貼り付けられている。読み取りアンテナAの読み取り面と非接触ICラベル1との間に、ブースタアンテナ8が配置されていることで、通信形態はブースタアンテナ8を介在した非接触通信となる。
非接触ICラベル1は、磁性シート7と、磁性シート7の一方の面に設けられた通信部10と、磁性シート7の他方の面には不図示の接着層を有している。磁性シート7としては、磁性粒子、または磁性フレークとプラスチックまたはゴムとの複合材からなる、ラベル用途として柔軟性に富んだ公知の材料を用いることができる。
通信部10は、ICチップ4と、ICチップ4に接続されたインピーダンス整合回路部6、インピーダンス整合回路部6に接続されるとともにインピーダンス整合回路部6を挟むように配置された二つのアンテナエレメント5を有している。
ICチップ4は公知の構成のものが用いられ、ICチップ4内には所定の情報が記憶されている。そして、ICチップ4に設けられた不図示の電気接点から電波方式により電波のエネルギーを供給することで、記憶された情報をこの電気接点から外部に電波として伝達させることができる。
形成されている。
インピーダンス整合回路部6は、所定の形状に蛇行させた配線により形成されている。インピーダンス整合回路部6は、ICチップ4の不図示の電気接点に電気的に接続されている。インピーダンス整合回路部6は、ICチップ4とアンテナエレメント5との間に、互いに等しい所定のインピーダンスおよび抵抗値が生じるように構成されている。アンテナエレメント5は、平面視において、二つのアンテナエレメント5がインピーダンス整合回路部6を挟む挟み形で矩形状に形成されている。
この目的を達成するブースタアンテナ8の形状と、非接触ICラベル1とブースタアンテナ8の間隔の範囲を検討するために、以下に説明する実験を行った。
実験には、下記に示す機材および材料を使用し、図4に示すように構成した。
・磁性シート7:大同特殊鋼(株)製 NRC025(厚さ250μm) 寸法 40mm×30mm
・ICチップ4:NXP社製 UCODE G2iL
・インピーダンス整合回路部6、およびアンテナエレメント5
:アンテナエレメント5の寸法 20mm×10mm
PETフィルム(厚さ50μm)上に銀ペーストインキでパターン印刷(厚さ
8μm)、ICチップ4以外は自社製
・リーダライタR:950MHz帯RFID用リーダライタ 三菱電機社製
RF−RW002(最大出力1W 30dBm)
・読み取りアンテナA:950MHz帯RFID用アンテナ 三菱電機社製
RF−ATCP001(円偏波 最大利得6dBi)
・定減衰器T:ヒロセ電機製 AT−105(減衰量 5dB)
AT−110(減衰量 10dB)
上記減衰器を直列に接続し合成減衰量15dBを生成
・ブースタアンテナ8:アルミ箔(12μm厚)下記のサイズにカット
120mm×60mm、125mm×60mm、130mm×60mm
140mm×60mm、150mm×60mm
120mm×40mm、125mm×40mm、130mm×40mm
140mm×40mm、150mm×40mm
120mm×20mm、130mm×20mm、140mm×20mm
145mm×20mm、150mm×20mm
120mm×10mm、130mm×10mm、140mm×10mm
145mm×10mm、150mm×10mm
120mm×5mm、130mm×5mm、140mm×5mm
145mm×5mm、150mm×5mm
・金属板W:ステンレス製
250mm(長さ)×250mm(幅)×0.5mm(厚さ)
(実験方法)
図4に示すように、非接触ICラベル1を250mm×250mmの金属板Wの中央に不図示の接着層で貼り付け、読み取りアンテナAを上下に動かし、非接触で通信部10から情報を読み取ることができる通信距離Hの限界値の測定を行った。
ブースタアンテナ8であるが、不図示のハイトゲージの非金属アーム先端に発砲スチロール板(4mm厚)を設け、その発砲スチロール板上にブースタアンテナ8であるアルミ箔を置いて実験をおこなった。発泡スチロールは、通信距離の測定結果にはほとんど影響を与えないことが分かっている。非接触ICラベル1とブースタアンテナ8の間隔Zの距離は、4mm、10mm、20mm、30mm、40mm、および50mmの5ポイントとした。
読み取りアンテナAをブースタアンテナ8に向け回転させ、ブースタアンテナ8に対して0度と90度の2つの角度で読み取りをおこない、通信距離が良好な方の値を実験結果とした。また実験に際して不感帯(NULL)が生じた場合は、ブースタアンテナ8側から連続して読み取れる最頂点の値、すなわち最初の不感帯までの距離を実験結果とした。
実験に先立ち非接触ICラベル1のみの通信距離を測定した結果は95mmであった。以下に示すブースタアンテナ8の通信距離の延長効果はこの値に対する比較となる。
ブースタアンテナ8のアンテナ幅が60mm、40mm、20mm、10mm、および5mmの場合の実験結果を(グラフ)を図5から図9にそれぞれ示す。
図5に示すブースタアンテナ8のアンテナ幅が60mmの場合では、以下のような結果となった。アンテナ長が140mmでは、間隔Zが10mm付近で通信距離が最長になるが、間隔が広まると通信距離は低下している。アンテナ長が130mmでは、間隔Zの4mmから30mmの広い範囲で良好な通信距離が得られている。アンテナ長が120mmでは、間隔Zの20mmから50mmの広い範囲で、低い値であるが通信距離の延長効果が認められる。アンテナ長が150mmでは通信不能となっている。
以上のことから、ブースタアンテナ8のアンテナ幅が60mmの場合では、アンテナ長130mmを中心に、120mmから140mmの範囲でブースタアンテナ8の通信距離の延長効果が認められた。
以上のことから、ブースタアンテナ8のアンテナ幅が40mmの場合では、60mmの場合と同様に、アンテナ長130mmを中心に、120mmから140mmの範囲でブースタアンテナ8の通信距離の延長効果が認められた。
以上のことから、ブースタアンテナ8のアンテナ幅が20mmの場合では、アンテナ長が130mmから145mmの範囲でブースタアンテナ8の通信距離の延長効果が認められた。
以上のことから、ブースタアンテナ8のアンテナ幅が10mmの場合では、アンテナ長が130mmから145mmの範囲でブースタアンテナ8の通信距離の延長効果が認められた。
以上のことから、ブースタアンテナ8のアンテナ幅が5mmの場合では、アンテナ長が140mmから145mmの範囲でブースタアンテナ8の通信距離の延長効果が認められた。
ブースタアンテナ9においても前述と同様の実験環境にて読み取りの実験をおこなった。実験に際しては、縦方向のアンテナを付加していない状態(長方形状)と、付加した状態(十字形状)の二種類のアンテナ形状で通信距離の比較をおこなった。非接触ICラベル1とブースタアンテナ9の間隔Zは20mmである。
(実験結果)
・長方形状:575mm
・十字形状:665mm
実験結果より、十字形状のアンテナは、長方形状のアンテナに対して通信距離が90mm伸びている。この結果からブースタアンテナのアンテナ形状を十字形状とすることで、通信距離の延長効果をさらに高められることが確認できた。
この効果は、非接触ICラベル1とブースタアンテナ8との間隔が10mm以上、40mm以下であり、さらにはブースタアンテナ8のアンテナ長が120mm以上、145mm以下で、アンテナ幅が5mm以上、60mm以下である場合、通信距離をより長くするこ
とができる。
4 ICチップ
5 アンテナエレメント
6 インピーダンス整合回路部
7 磁性シート
8、9 ブースタアンテナ
10 通信部
20 測定装置
21 緩衝材
22 梱包箱
R データ読み取り装置
A 読み取りアンテナ
T 定減衰器
Claims (8)
- 物品の金属部材の外面に貼り付けられるICチップとアンテナを備えた非接触ICラベルと、前記非接触ICラベルと厚さ方向に重なるように設けられた導電性のブースタアンテナと、を有するブースタアンテナ付非接触ICラベルであって、
前記非接触ICラベルは、磁性シートの一方の面に設けられ、磁性シートの他方の面に金属部材の外面に貼り付けるための接着層を有し、前記非接触ICラベルと前記ブースタアンテナとの間隔が10mm以上、40mm以下であることを特徴とするブースタアンテナ付非接触ICラベル。 - 前記物品を保護収納する梱包箱を有し、前記ブースタアンテナは、前記梱包箱の内面または外面に設けられることを特徴とする請求項1に記載のブースタアンテナ付非接触ICラベル。
- 前記ブースタアンテナは、長方形状もしくは、前記長方形状から延伸した十字形状であり、前記長方形状の長辺の長さが120mm以上、145mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のブースタアンテナ付非接触ICラベル。
- 前記ブースタアンテナは、長方形状もしくは、前記長方形状から延伸した十字形状であり、前記長方形状の短辺の長さが5mm以上、60mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のブースタアンテナ付非接触ICラベル。
- 前記非接触ICラベルと前記ブースタアンテナとの間隔は、前記物品と前記梱包箱の間に設けられた緩衝部材の厚さによって保持されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のブースタアンテナ付非接触ICラベル。
- 前記梱包箱は、電磁波を透過する材料であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のブースタアンテナ付非接触ICラベル。
- 前記ブースタアンテナは、導電インクまたは導電ペーストを用いて、塗工または印刷によって形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のブースタアンテナ付非接触ICラベル。
- データ読み取り装置との間の通信方式に電波方式を用いたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のブースタアンテナ付非接触ICラベル。
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